JP6939921B2 - 加飾シート - Google Patents

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Description

本開示は、加飾シート及び加飾シートにより加飾された加飾樹脂成形品に関する。
車両内装部品、建材内装材、家電筐体等には、樹脂成形品の表面に加飾シートを積層させた加飾樹脂成形品が使用されている(特許文献1)。
消費者ニーズの多様化に伴って、様々な意匠を備える加飾樹脂成形品が求められており、その中の1つとして、表面に虹柄の意匠が施された加飾樹脂成形品を挙げることができる。このような表面に虹柄の意匠が施された加飾樹脂成形品としては、樹脂成形品表面に微細凹凸を形成し、虹色に輝いて見える意匠を与える加飾方法が施されたものが特許文献2に開示されている。
また、3次元曲面に対して、3次元調意匠を損なわずに追従できる伸長性を備えた加飾フィルムが知られている。例えば特許文献3には、3次元調意匠を発現する意匠面が設けられた樹脂フィルムを少なくとも有する加飾フィルムであって、意匠面は、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域が複数配置されている加飾フィルムが開示されている。
特開2018−058222号公報 特開2010−105242号公報 特開2018−123220号公報
しかしながら、本発明者等は、表面に虹色に見える意匠を与えることが可能な加飾シートを用いて曲面部を有する樹脂成形品に対して加飾を施した場合、平面部については問題が生じないが、曲面部において虹色に見える意匠が不鮮明になる、もしくは見えなくなるといった問題が生じることを新たに知見した。
本開示は、樹脂成形品が曲面部を有する場合であっても、樹脂成形品の平面部のみならず曲面部にも、表面が虹色に見える意匠(以下、虹柄の意匠)を付与することが可能な加飾シートを提供することを主目的とする。
また、本開示は、防眩性の高い加飾シートを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために本発明者等は鋭意検討した結果、インサート成形等の方法により樹脂成形品の曲面部に上記加飾シートを配置して加飾樹脂成形品を成形した場合、曲面部において上記加飾シートが延伸されてしまうため、上記加飾シート表面の凹凸構造も延伸され、その結果上記樹脂成形品の曲面部においては、上記凹凸部が虹柄の意匠を発現するための干渉現象が生じ得ないものとなってしまっている点を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本開示は、基材層と、上記基材層の一方の主面側に配置され、電離放射線硬化性樹脂を有する表面保護層とを備える加飾シートであって、上記表面保護層は、上記基材層側とは反対側の主面に凹凸構造を有し、上記凹凸構造の凹凸の間隔が0.5μm以上7.5μm以下であり、上記凹凸構造の凹凸の高低差が0.2μm以上である、加飾シートを提供する。
また、本開示は、曲面部を有する樹脂成形品と、上記樹脂成形品の少なくとも上記曲面部上に配置された加飾シートとを有する加飾樹脂成形品であって、上記加飾シートが、上述した加飾シートであり、上記樹脂成形品と上記加飾シートの上記基材層側とが対向して配置されている、加飾樹脂成形品を提供する。
また、上記課題を解決するために本発明者等は鋭意検討した結果、表面保護層の凹凸構造を、特定の構造とすることにより、防眩性の高い加飾シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本開示は、基材層と、上記基材層の一方の主面側に配置され、電離放射線硬化性樹脂を有する表面保護層とを備える加飾シートであって、上記表面保護層は、上記基材層側とは反対側の主面に凹凸構造を有し、上記凹凸構造の頂部における平坦部の面積率が10%以下であり、上記凹凸構造の側壁部の角度が、45°以上90°以下である、加飾シートを提供する。
また、本開示は、樹脂成形品と、上記樹脂成形品の一方の主面側に配置された加飾シートとを有する加飾樹脂成形品であって、上記加飾シートが、上述した加飾シートであり、上記樹脂成形品と上記加飾シートの上記基材層側とが対向して配置されている、加飾樹脂成形品を提供する。
本開示の加飾シートは、樹脂成形品が曲面部を有する場合であっても、樹脂成形品に虹柄の意匠を付与することができる。また、本開示の加飾シートは、防眩性が高い。
本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図である。 本開示における凹凸構造の配置態様の一例を示す、表面保護層の凹凸構造側の上面図である。 本開示における表面保護層を例示する概略断面図である。 本開示の加飾シートを例示する概略断面図である。 本開示の加飾シートの別の一例を示す概略断面図である。 本開示の加飾シートを製造する工程フロー図である。 本開示の加飾樹脂成形品の一例を示す模式図である。 本開示の加飾シートを例示する概略断面図である。
本開示は、加飾シート及び加飾樹脂成形品に関するものである。以下、それぞれについて、詳細に説明する。なお、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部材の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
A−1.加飾シート
本開示の加飾シートは、基材層と、上記基材層の一方の主面側に配置され、電離放射線硬化性樹脂を有する表面保護層とを備える加飾シートであって、上記表面保護層は、上記基材層側とは反対側の主面に凹凸構造を有し、上記凹凸構造の凹凸の間隔が0.5μm以上7.5μm以下であり、上記凹凸構造の凹凸の高低差が0.2μm以上である点に特徴を有する。
本開示によれば、凹凸構造が特定の構造を有するため、樹脂成形品の曲面部においても、虹柄の意匠を付与可能な加飾シートとすることができる。本発明者等は、加飾シートが表面に配置された樹脂成形品(以下、加飾樹脂成形品とする場合がある。)を成形した際に、曲面部において上記加飾シートが延伸された場合でも、加飾樹脂成形品の曲面の表面における、凹凸の間隔が0.5μm以上、凹凸の高低差が0.1μm以上である凹凸構造を有するものであれば、虹柄の意匠が発現することを知見した。また、凹凸の間隔が15μm程度以下であれば、虹柄の意匠が薄くならずに見えることを知見した。
本開示においては、上記加飾シートにおける凹凸構造を、凹凸の間隔が0.5μm以上7.5μm以下であり、上記凹凸構造の凹凸の高低差が0.2μm以上とすることにより、樹脂成形品の曲面部に供した加飾シートが延伸された場合でも、凹凸構造の凹凸の間隔および高低差が上記表面に虹柄の意匠が発現する範囲内とすることができ、これにより樹脂成形品の曲面部であっても、問題無く虹柄の意匠を付与できるといった効果を奏するものである。
本開示の加飾シートについて、図を用いて説明する。図1は本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図である。本開示の加飾シート10は、少なくとも、基材層1と、電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層2とを備える。表面保護層2は、基材層1側とは反対側の表面に凹凸構造を有し、上記凹凸構造の凹凸の間隔および高低差が上述した範囲とされている。
以下、本開示の加飾シートの各部材について、詳細に説明する。
1.表面保護層
(1)凹凸構造
本開示における表面保護層には、上記基材層側とは反対側の表面に、凹凸構造が設けられている。上記凹凸構造の凹凸の間隔は、0.5μm以上7.5μm以下である。このような範囲であれば、加飾樹脂成形品とした際に加飾シートが配置された平面部のみならず、曲面部においても、表面の虹柄の意匠が問題無く視認できる。一方、上記凹凸構造の凹凸の間隔が0.5μm未満の場合、平面部においても虹柄の意匠が視認できない可能性があり、7.5μmより大きいと、曲面部上に配置した際に目視により虹柄の意匠が確認できない可能性がある。
本開示において、上記凹凸構造の凹凸の間隔は、上述したように0.5μm以上7.5μm以下であればよいが、好ましくは0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。このような範囲であれば、樹脂成形品上に配置された際に平面部であり延伸されていない場所でも、曲面部であり3倍程度の延伸された場所においても、表面の虹柄の意匠が視認できるからである。
ここで、本開示において「凹凸の間隔」とは、図1における距離S、すなわち、隣接する二つの凸部の頂部間の距離を意味する。また、上記「凹凸の間隔」は、隣接する二つの凸部をランダムに20組選択し、その頂部間の距離の平均値とする。なお、ここで「頂部」とは、凸部の最も基材層の表面保護層側の表面から距離のある部位を示すものであり、頂部が平坦である場合は平坦面の重心を示すものである。
また、本開示において、上記凹凸構造の凹凸の高低差は、0.2μm以上である。0.2μm以上であれば、曲面部を有する樹脂成形品上に配置した際に2倍程度引き伸ばされた場合も、虹柄の意匠を視認することが可能となる。本開示における凹凸の高低差は、0.3μm以上であることが好ましい。曲面部を有する樹脂成形品上に配置した際に3倍程度引き伸ばされた場合も、虹柄の意匠が見えるためである。なお、本開示における上記凹凸構造の高低差の上限は、特に限定されないが、製造限界等の理由により、5μm程度とすることができる。
ここで、本開示における凹凸構造の「凹凸の高低差」とは、図1における距離Hで示されるものである。すなわち、表面保護層における凸部の頂部、および凹部の谷部(最も基材層の表面保護層側の表面から距離が近い部位、谷部が平坦である場合は平坦面の重心を示す)における、基材層の表面保護層側の表面からの距離の差である。また、上記「凹凸の高低差」は、隣接する頂部および谷部をランダムに20組選択し、これら20組の上記距離の差を測定し、その平均値とする。
なお、上記「凹凸の間隔」および「凹凸の高低差」は、SEMによる断面観察やレーザー顕微鏡によるプロファイル計測により測定することができる。以下に説明する、凹凸構造の形状等に関しても上記の方法により測定することができる。
本開示における凹凸構造の断面形状は、反射光が回折光となり、干渉により虹柄の意匠を視認することが可能な形状であれば特に限定されない。例えば、凹凸構造の凸部を基材層の表面に垂直な断面で切断した形状が、三角形(二等辺三角形、正三角形)、台形、正弦波形状等であってもよい。例えば図3(A)では、表面保護層2における凹凸構造の断面形状が台形である。また、図3(B)では、表面保護層2における凹凸構造の断面形状が、2つの斜辺の長さが同じ三角形(二等辺三角形)であり、図3(C)では、表面保護層2における凹凸構造の断面形状が、2つの斜辺の長さが異なる三角形である。「2つの斜辺の長さが同じ」とは、2つの斜辺の長さの差が1μm未満であることをいう。一方、「2つの斜辺の長さが異なる」とは、2つの斜辺の長さの差が1μm以上であることをいう。また、図3(D)では、表面保護層2における凹凸構造の断面形状が、波型である。
また、凸部は円錐形状、円錐台形状や、多角錐形状、多角錐台形状であってもよく、平面視上楕円もしくは長方形の形状をとるもの、具体的には、凸部が筋状に形成されたものであってもよい。
また、図3(A)では、表面保護層2における凹凸構造が、頂部に平坦部5を有する。
平坦部5の面積が大きいと、平坦部5による反射の影響が大きくなり、防眩性が低下する。そのため、平坦部5の面積は、小さいことが好ましい。特に、虹柄の意匠は、意匠性が高い反面、視認者が眩しさを感じ易い性質がある。これに対して、平坦部5の面積を小さくすることで、意匠性および防眩性を両立できる。ここで、平坦部5を含む凹凸構造の平面を仮定し、その平面の全面積に対する平坦部5の合計面積の比率を、平坦部5の面積率と定義する。平坦部5の面積率は、例えば10%以下であり、8%以下であってもよく、6%以下であってもよく、4%以下であってもよく、2%以下であってもよい。
また、図3(A)では、表面保護層2における凹凸構造の凸部が、側壁部6を有する。
側壁部6が延びる方向と、水平方向(厚さ方向に直交する方向)とのなす角度をθとした場合、θは、例えば45°以上であり、60°以上であってもよく、75°以上であってもよい。θが低すぎると、高い防眩性が得られない可能性がある。一方、θは、例えば90°以下である。また、図3(B)、(C)に示すように、凹凸構造の凸部は、第一側壁部61および第二側壁部62を有していてもよい。凹凸構造の凸部が、第一側壁部61および第二側壁部62を有する場合、少なくとも一方の角度θが、上述した範囲にあることが好ましく、両方の角度θが、上述した範囲にあることがより好ましい。また、図3(A)に示すように、側壁部6の断面形状は直線状であってもよく、図3(D)に示すように、側壁部6の断面形状は曲線状であってもよい。後者の場合、近似直線から側壁部6の角度θを求めることができる。
本開示の凹凸構造の配置態様としては、回折光の干渉により虹柄の意匠を視認することが可能であれば特に限定されないが、通常は規則的に配置され、中でも、一次元格子状または二次元格子状に規則的に配列されていることが好ましい。特に、図2に示されるように、表面保護層2の凹凸構造は、一次元格子状に規則的に配列されていることが好ましい。すなわち、表面保護層2の凹凸構造は、第一方向(長手方向)に沿って延びており、凸部および凹部は、第一方向に交差する第二方向に沿って、交互に配置されていることが好ましい。一次元格子状に配列されている場合、長手方向の延伸による虹柄の見た目の変化が小さい。この現象は、虹柄の見た目は、凹凸構造の凹凸の深さ(高低差)よりも凹凸の間隔に強く依存することに起因する。さらに、加飾シートを曲面部を有する樹脂成形品上に配置した際に、最も目立つ箇所における加飾シートの延伸方向が、一次元格子状に配列された凹凸構造の長手方向であることが好ましい。なお、本開示の凹凸構造は、干渉により虹柄の意匠を視認することができる程度にランダムに配置されていてもよい。
(2)材料
本開示における表面保護層は、電離放射線硬化性樹脂を含むものであり、通常は電離放射線硬化性樹脂のみで形成される。ここで、電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合した電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させたものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。なお、本開示における「硬化性樹脂」には、硬化前の樹脂(未硬化樹脂)、半硬化樹脂、および、硬化後の樹脂(硬化樹脂)が含まれ得るが、中でも、半硬化樹脂または硬化樹脂が好ましい。
上記電離放射線硬化性樹脂組成物に用いられる上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであれば良い。多官能性(メタ)アクリレートについては、公知の多官能性(メタ)アクリレートを挙げることができるため、具体例についてここでの説明は省略する。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物に用いられる上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであっても良い。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーについては、公知の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることができるため、具体例についてここでの説明は省略する。
上記した電離放射線硬化性樹脂の中でも、優れた三次元成形性を得る観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いたものであることが好ましい。また、ポリカーボネート(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせて用いられたものであることが好ましい。
表面保護層は、表面保護層に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。
(3)その他
本開示における表面保護層の厚みについては、特に制限されないが、好ましくは2μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上15μm以下、さらに好ましくは2μm以上12μm以下である。このような範囲の厚みを満たしたものであれば、上記凹凸構造の凹凸の高低差よりも厚くなり、凹凸構造が形成可能であるからである。また、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層を電離放射線硬化性樹脂を用いて作りやすいためである。ここで、表面保護層の厚みとは、表面保護層の基材層側の主面から凸部の頂点までの距離(すなわち、表面保護層の最大厚み)をいう。
なお、表面保護層は、樹脂の硬化性や意匠性の観点から、透明であることが好ましい。
2.基材層
本開示の加飾シートは、基材層を有する。基材層は、加飾シートの形状を保持し、表面保護層等を支持する支持体として機能する。また、加飾シートが、後述する樹脂成形品の表面に配置される場合、基材層は、樹脂成形品の表面と密着する機能を有することが好ましい。
上記基材層は、特に限定されるものではないが、樹脂フィルムであることが好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、三次元成形性を有するものが好ましく、加飾シートが配置される樹脂成形品の態様に応じて適宜選択することができ、通常、熱可塑性樹脂が選択される。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等が挙げられる。基材層においては、上述した熱可塑性樹脂のうち、1種類のみを用いても良く、2種類以上を混合して用いても良い。本開示においては、中でも、基材層の樹脂が、ABS樹脂、アクリル樹脂であることが好ましい。後述する樹脂成形品と同一の樹脂を用いることにより加飾樹脂成形品とした場合の樹脂成形品との密着性を向上させることができるからである。
また、基材層は、樹脂の単層フィルムであっても良く、また同種又は異種樹脂を含む樹脂層の積層体(複層フィルム)であっても良い。
本開示における基材層は、必要に応じて、片面または両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていても良い。表面保護層、装飾層、プライマー層等との密着性を向上させることができるためである。基材層の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、基材層の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。また、基材層には、着色剤などを配合した着色、色彩を整えるための塗装、デザイン性を付与するための模様の形成などがなされていても良い。
基材層の厚さは、例えば、加飾シートの用途、樹脂成形品と一体化させる成形法等に応じて適宜設定される。基材層の厚さは、3次元成形性、形状保持性の観点から、通常25〜1000μm程度、好ましくは50〜700μm程度である。具体的には、本開示の加飾シートをインサート成形法に供する場合であれば、通常50〜1000μm程度、好ましくは100〜700μm程度、更に好ましくは100〜500μm程度であり、本開示の加飾シートを射出成形同時加飾法に供する場合であれば、通常25〜200μm程度、好ましくは50〜200μm程度、更に好ましくは70〜200μm程度が挙げられる。
本開示の加飾シートに、良好な三次元成形性、形状保持性を付与することができるからである。
基材層の表面保護層側の主面は、平坦構造を有していてもよく、凹凸構造を有していてもよい。例えば図4(A)において、基材層1の表面保護層2側の主面は、平坦構造を有する。この場合、加飾シートが延伸された場合であっても、凹凸構造の変化率が少ないため、防眩性を高く維持できる。なお、基材層および表面保護層の間に、装飾層等の他の層を有する場合、他の層の主面も、平坦構造を有することが好ましい。また、図4(A)において、表面保護層2の基材層1側の主面は平坦構造を有している。一方、図4(B)において、基材層1の表面保護層2側の主面は、凹凸構造を有する。図4(B)に示すように、基材層1における凹凸構造と、表面保護層2における凹凸構造とは、周期が一致していてもよい。基材層1における凹凸の高低差は、表面保護層2における凹凸の高低差より大きくてもよい。また、図4(B)において、表面保護層2の基材層1側の主面は平坦構造を有していない。
3.加飾シートの積層構造
本開示の加飾シートは、少なくとも、基材層と、表面保護層とを有する。また、本開示の加飾シートは、隣接する層同士の密着性を高めることなどを目的として、必要に応じてプライマー層を備えていてもよい。また、加飾シートに装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、装飾層を設けてもよい。また、加飾シートに紫外線耐久性等の耐久性を与える目的で、紫外線吸収剤等を含有させた表面保護層を別途設けることにより、表面保護層を2層以上からなるものとしてもよい。また、表面保護層を保護する目的で、表面保護層の凹凸構造側に保護フィルム層等を設けてもよい。この保護フィルムは使用する際に剥離するため、剥離性を有するものが好ましい。また、剥離性が乏しい場合には保護フィルムの表面保護層からの剥離性を向上させるため、保護フィルムと表面保護層の間に離型層を設けることもできる。図5に、基材層1/装飾層3/表面保護層2が順に積層された積層構造を有する、本開示の加飾シート10の概略断面図を示す。
本開示における具体的な積層構造は、特に限定されないが、
基材層/装飾層/表面保護層が順に積層された積層構造;
基材層/プライマー層/表面保護層が順に積層された積層構造;
基材層/装飾層/プライマー層/表面保護層が順に積層された積層構造;
基材層/表面保護層/保護フィルム層が順に積層された積層構造;
基材層/表面保護層/離型層/保護フィルム層が順に積層された積層構造;
基材層/装飾層/表面保護層/保護フィルム層が順に積層された積層構造;
基材層/装飾層/プライマー層/表面保護層/保護フィルム層が順に積層された積層構造;
基材層/装飾層/プライマー層/表面保護層/離型層/保護フィルム層が順に積層された積層構造;
基材層/装飾層/プライマー層/第1表面保護層/第2表面保護層/保護フィルム層が順に積層された積層構造等が挙げられる。
上記プライマー層を形成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
プライマー層の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.5〜20μm程度、好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。プライマー層がこのような厚みを充足することにより、加飾シートの耐候性をより高めると共に、表面保護層の割れ、破断、白化等を有効に抑制することができる。
上記装飾層は、樹脂成形品に装飾性を与えることを目的として、必要に応じて設けられる層である。装飾層は、絵柄を形成していてもよく、ベタであってもよく、これらの組合せであってもよい。装飾層によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。
装飾層の厚みとしては、特に制限されないが、例えば1〜40μm程度、好ましくは3〜30μm程度が挙げられる。
4.加飾シートの製造方法
本開示における加飾シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。図6に、図5で例示した基材層1/装飾層3/表面保護層2が順に積層された積層構造を有する加飾シートの製造工程を示す。
上記凹凸構造に対応する、凹凸構造を有するベース部材4を準備する(図6(A))。
次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを上記ベース部材4の凹凸構造上に塗布して硬化させ、凹凸構造を有する電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層2を形成する(図6(B))。
電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方法を挙げることができる。電離放射線硬化性樹脂の硬化方法としては、電離放射線硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択され、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる方法が挙げられる。電離放射線として電子線を用いる場合、加速電圧は例えば、70kV以上、300kV以下の程度である。電子線の照射線量は、例えば、5kGy以上、300kGy以下で選定される。さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常波長190nm以上380nm以下の紫外線を含む光線が用いられる。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が挙げられる。
次いで、表面保護層の凹凸構造が形成されている面とは反対側の面上に、装飾層3を形成する(図6(C))。装飾層3は、例えば、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。装飾層に用いるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
次いで、装飾層3上に基材層1を形成する(図6(C))。基材層1の形成方法としては、特に限定されないが、上述した樹脂フィルムを、熱ラミネートする方法が好ましい。
次いで、ベース部材4を剥離等により除去し、基材層1/装飾層3/表面保護層2が順に積層された積層構造を有する加飾シート10を製造することができる(図6(D))。
A−2.加飾シート
本開示の加飾シートは、基材層と、上記基材層の一方の主面側に配置され、電離放射線硬化性樹脂を有する表面保護層とを備える加飾シートであって、上記表面保護層は、上記基材層側とは反対側の主面に凹凸構造を有し、上記凹凸構造の頂部における平坦部の面積率が10%以下であり、上記凹凸構造の側壁部の角度が、45°以上90°以下である点に特徴を有する。
本開示によれば、凹凸構造が特定の構造を有するため、防眩性が高い加飾シートとすることができる。また、加飾シートが延伸された場合であっても、防眩性を高く維持できる。特に、樹脂成形品が曲面部を有する場合であっても、防眩性を高く維持できる。
1.表面保護層
本開示における表面保護層には、上記基材層側とは反対側の表面に、凹凸構造が設けられている。上記凹凸構造の凹凸の間隔は、例えば0.5μm以上であり、1.0μm以上であってもよい。一方、上記凹凸構造の凹凸の間隔は、例えば100μm以下であり、75μm以下であってもよい。上記凹凸構造の凹凸の間隔が、所定の範囲にあることで、外観上は艶があるが、防眩性が高い加飾シートとすることができる。表面保護層に関する他の事項については、上記「A−1.加飾シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は書略する。
2.基材層、加飾シートの積層構造および加飾シートの製造方法
本開示における基材層、加飾シートの積層構造および加飾シートの製造方法については、上記「A−1.加飾シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は書略する。
B−1.加飾樹脂成形品
本開示では、曲面部を有する樹脂成形品と、上記樹脂成形品の少なくとも上記曲面部上に配置された加飾シートとを有する加飾樹脂成形品であって、上記加飾シートが、上述した加飾シートであり、上記樹脂成形品と上記加飾シートの上記基材層側とが対向して配置されていることを特徴とする加飾樹脂成形品を提供する。
本開示によれば、上述した加飾シートを用いることにより、樹脂成形品の曲面部においても虹色に見える加飾樹脂成形品とすることができる。
1.樹脂成形品
本開示における樹脂成形品は、所定の曲率半径を有する曲面部を有するものである。従来の加飾シートはこのような樹脂成形品の曲面部上に配置すると、加飾シートが最大3倍程度まで延伸するため、曲面部において虹柄の意匠が見えなくなっていた。本開示の加飾シートであれば、表面保護層が上記の所定の凹凸構造を有するため、このような樹脂成形品の曲面部にも、虹柄の意匠を付与することができる。
本開示の加飾樹脂成形品において、樹脂成形品は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。樹脂成形品を形成する成形樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また、熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本開示においては、中でも、基材層の樹脂が、ABS樹脂、アクリル樹脂であることが好ましい。良好な三次元成形性を有するからである。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
2.加飾シート
本開示の加飾樹脂成形品に用いられる加飾シートの詳細、および効果については、上記「A−1.加飾シート」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
3.加飾樹脂成形品
本開示においては、凹凸構造の長手方向と、樹脂成形品の主延伸方向とが、平行関係にあることが好ましい。加飾シートが延伸されても、防眩性の低下を抑制できるからである。「主延伸方向」とは、加飾シートが最も伸ばされる方向をいう。また、「平行関係にある」とは、2つの方向のなす角度θαが、30°以下であることをいう。2つの方向が交差する場合、θαは鋭角側の角度である。θαは、15°以下であってもよく、10°以下であってもよく、5°以下であってもよく、0°(平行)であってもよい。
本開示においては、平面視上、凹凸構造の長手方向と、光の入射方向とが、直交関係となるように配置されることが好ましい。このように加飾樹脂成形品が配置されることにより、高い防眩性を発揮することができる。具体的には、図7(A)に示すように、凹凸構造の長手方向と、光の入射方向とが、直交関係となるように、加飾樹脂成形品100が配置されることが好ましい。このように加飾樹脂成形品100が配置されることにより、図7(B)に示すように、入射光Lの多くが、反射光Lとして反射し、高い防眩性を発揮することができる。また、「直交関係にある」とは、2つの方向のなす角度θβが、75°以上90°以下であることをいう。θβは鋭角側の角度である。θβは、80°以上であってもよく、85°以下であってもよい。一方、θβは、90°(直交)であってもよく、90°未満であってもよい。なお、図7(B)では、樹脂成形品20の平面部を示しているが、樹脂成形品20は曲面部を有することが好ましい。また、図7(B)では、表面保護層2における凹凸構造の断面形状が、2つの斜辺の長さが同じ三角形であるが、図7(C)に示すように、2つの斜辺の長さが異なる三角形であってもよい。その場合、長い斜辺が光の入射側に配置されていることが好ましい。
4.加飾樹脂成形品の製造方法
本開示の加飾樹脂成形品は、インサート成形法や、射出成形同時加飾法を用いて製造することができる。
ここで、インサート成形法は、樹脂成形品の表面に加飾シートを配置する方法であり、物品の成形と加飾シートの配置とを同時に行う方法である。インサート形成法においては、予め加飾シートを物品表面形状に成形(オフライン予備成形)する成形工程と、成形された上記加飾シートを射出成形型に配置した後、上記射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂の組成物を上記射出成形型内部に射出する射出工程と、射出された上記樹脂の組成物を固化させることにより、物品を成形し、上記物品の表面に加飾シートを配置する固化工程とを少なくとも有する。
成形工程においては、加飾シートを加熱して成形しても良い。成形工程における加飾シートの加熱温度は、加飾シートの厚さ、層構成、材料等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、100℃以上、250℃以下であっても良く、130℃以上、200℃以下であっても良い。
また、射出工程における流動状態の樹脂の温度は、例えば、180℃以上、320℃以下であっても良く、好ましくは220℃以上、280℃以下であっても良い。
射出成形同時加飾法とは、樹脂成形品の表面に加飾シートを配置する方法であり、物品の成形と加飾シートの配置とを同時に行う方法である。射出成形同時加飾法は、インモールド成形法とも称される方法である。射出成形同時加飾法においては、例えば、射出成形型における雌型と真空成形型との機能を備える兼用雌型を用いて加飾シートを予備成形(インライン予備成形)する予備成形工程と、予備成形された上記加飾シートが配置された射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂組成物を上記射出成形型内部に射出する射出工程と、射出された上記樹脂組成物を固化させることにより、物品を成形し、上記物品の表面に加飾シートを配置する固化工程とを有する。
5.用途
本開示の加飾樹脂成形品は、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
B−2.加飾樹脂成形品
本開示では、樹脂成形品と、上記樹脂成形品の一方の主面側に配置された加飾シートとを有する加飾樹脂成形品であって、上記加飾シートが、上述した加飾シートであり、上記樹脂成形品と上記加飾シートの上記基材層側とが対向して配置されていることを特徴とする加飾樹脂成形品を提供する。
本開示によれば、上述した加飾シートを用いることにより、防眩性の高い加飾樹脂成形品とすることができる。
1.樹脂成形品
本開示における樹脂成形品は、通常、平面部および曲面部の少なくとも一方を有する。
さらに、樹脂成形品は、曲面部を少なくとも有することが好ましい。従来の加飾シートはこのような樹脂成形品上に延伸されて配置すると、防眩性が低下する場合があった。本開示の加飾シートであれば、表面保護層が上記の所定の凹凸構造を有するため、延伸されても高い防眩性を発揮することができる。特に、樹脂成形品の曲面部においても、高い防眩性を発揮することができる。
本開示の加飾樹脂成形品に用いられる樹脂成形品の詳細については、上記「B−1.加飾樹脂成形品」の項で説明した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.加飾シート、加飾樹脂成形品、加飾樹脂成形品の製造方法および用途
本開示の加飾樹脂成形品に用いられる加飾シートの詳細については、上記「A−2.加飾シート」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。また、本開示の加飾樹脂成形品、加飾樹脂成形品の製造方法、および加飾樹脂成形品の用途については、上記「B−1.加飾樹脂成形品」の項で説明した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、本開示について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1〜5、比較例1〜4]
1.加飾シートの製造
ナノインプリント法により、PET上に凹凸構造を有するUV硬化樹脂を形成し、表1、表2に示されるような深さ、間隔のV溝を有する一次元格子のフィルム(ベース部材)を作製した。上記フィルムの凹凸面側に、下記の組成を有する電子線硬化性樹脂組成物を、硬化後の厚みが10μmとなるようにバーコートにより塗工した。この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、硬化させて、凹凸構造を有する表面保護層を形成した。表面保護層の凹凸側とは反対側の表面上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、グラビア印刷により装飾層(厚さ5μm)を形成した。装飾層の模様は木目模様とした。次いで、装飾層上に、ABS樹脂フィルム(厚み400μm)を熱ラミネート(120℃、10kgf/cm、5分)することで、基材層を形成した。最後に、ベース部材を剥離し、基材層/装飾層/表面保護層が順に積層された積層構造を有する加飾シートを製造した。
[電子線硬化性樹脂組成物]
3官能ペンタエリスリトールアクリレート(分子量300):30質量部
アクリルポリマー(重量平均分子量12万):70質量部
2.加飾樹脂成形品の製造
上記で得られた各加飾シートを赤外線ヒーターで加熱し、シート温度が160℃になるまで軟化させた。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い、金型の内部形状に成形した。真空成形後の加飾シートを冷却後、金型から離型した。次に、真空成形した加飾シートを金型に入れ、射出樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該加飾シートと射出樹脂とを一体化成形し、金型から取り出すと同時に加飾樹脂成形品を得た。
[評価]
得られた加飾樹脂成形品について、平面部と角部(曲面部)の表面を目視で観察し、以下の基準により虹感を評価した。結果を表1、表2に示す。
(目視による虹感の評価)
◎:目視による虹感に優れていた
〇:目視により虹感が感じられた
△:視認し辛いが、虹感が確認できた
×:虹感が視認できなかった
Figure 0006939921
Figure 0006939921
表1、表2から明らかなように、本開示の加飾シートを用いて製造した加飾樹脂成形品は、平面部のみらなず角部(曲面部)も、目視による虹感が付与されたものとなった。
[実施例6〜11、比較例5〜7]
1.加飾シートの製造
ナノインプリント法により、PET上に凹凸構造を有するUV硬化樹脂を形成し、間隔25μmの溝を有する一次元格子のフィルム(ベース部材)を作製した。UV硬化樹脂の凹凸構造は、表面保護層の凹凸構造の断面形状が、図3(B)に示すような二等辺三角形、または、図3(A)に示すような台形が得られる形状とした。平坦部の面積率および側壁部の角度については、表3、表4に示す。なお、平坦部の面積率が0.5%である場合、表面保護層の凹凸構造の断面形状は三角形であり、それ以外の面積率の場合、表面保護層の凹凸構造の断面形状は台形であった。上記フィルムの凹凸面側に、実施例1と同様の電子線硬化性樹脂組成物を、硬化後の厚みが40μmとなるようにバーコートにより塗工した。この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、硬化させて、凹凸構造を有する表面保護層を形成した。表面保護層の凹凸側とは反対側の表面上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、グラビア印刷により装飾層(厚さ5μm)を形成した。装飾層の模様は木目模様とした。次いで、装飾層上に、ABS樹脂フィルム(厚み400μm)を熱ラミネート(120℃、10kgf/cm、5分)することで、基材層を形成した。最後に、ベース部材を剥離し、基材層/装飾層/表面保護層が順に積層された積層構造を有する加飾シートを製造した。得られた加飾シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾樹脂成形品を得た。
[評価]
得られた加飾樹脂成形品の平面部に対する、入射角45°および入射角50°の蛍光灯の正反射光を目視で観察し、以下の基準により眩しさを評価した。結果を表3、表4に示す。
(10名の目視による眩しさの評価)
◎:眩しさを感じた人数が1名以下
○:眩しさを感じた人数が2名または3名
△:眩しさを感じた人数が4名または5名
×:眩しさを感じた人数が6名以上10名以下
Figure 0006939921
Figure 0006939921
表3、表4から明らかなように、平坦部の面積率および側壁部の角度が所定の範囲にあることで、加飾シートが延伸された場合であっても、防眩性の高い加飾樹脂成形品が得られた。また、加飾樹脂成形品の角部(曲面部)においても、平面部と同様に、防眩性の高い加飾樹脂成形品が得られた。
[実施例12]
ナノインプリント法により、PET上に凹凸構造を有するUV硬化樹脂を形成し、間隔25μm、頂角50°のV溝を有する一次元格子のフィルム(ベース部材)を作製した。
上記フィルムの凹凸面側に、ABS樹脂フィルム(厚み400μm)を熱ラミネート(120℃、10kgf/cm、5分)し、ベース部材を剥離することで、凹凸構造を表面に有する基材層を形成した。基材層の凹凸構造上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、グラビア印刷により装飾層(厚さ5μm)を形成した。装飾層の模様は木目模様とした。さらに、装飾層の表面上に、実施例1と同様の電子線硬化性樹脂組成物を、硬化後の厚みが10μmとなるようにバーコートにより塗工した。この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、硬化させて、表面保護層を形成した。これにより、加飾シートを製造した。なお、図8に示すように、表面保護層2および装飾層3は、基材層1であるABS樹脂フィルムの凹凸構造に追従するように、表面に凹凸構造を有していた。得られた加飾シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾樹脂成形品を得た。
[評価]
得られた加飾樹脂成形品の平面部に対する、入射角45°および入射角50°の蛍光灯の正反射光を目視で観察し、実施例6と同様の基準により眩しさを評価した。実施例6および実施例12の結果を表5に示す。
Figure 0006939921
表5から明らかなように、実施例6のように、基材の表面保護層側の表面が平坦であることで、加飾シートが延伸された場合であっても、より高い防眩性が得られた。
1 … 基材層
2 … 表面保護層
3 … 装飾層
4 … ベース部材
10 … 加飾シート

Claims (2)

  1. 基材層と、前記基材層の一方の主面側に配置され、電離放射線硬化性樹脂を有する表面保護層とを備える加飾シートであって、
    前記表面保護層は、前記基材層側とは反対側の主面に凹凸構造を有し、
    前記凹凸構造の凹凸の間隔が0.5μm以上7.5μm以下であり、前記凹凸構造の凹凸の高低差が0.2μm以上5μm以下であり、
    前記凹凸構造は、表面が虹色に見える意匠を付与することが可能なものであり、
    前記凹凸構造の頂部に平坦部を有し、前記平坦部の面積率が0.5%以上10%以下であり、
    前記凹凸構造の側壁部の角度が、45°以上90°以下である、加飾シート。
  2. 前記基材層の前記表面保護層側の主面が平坦構造を有する、請求項1に記載の加飾シート。
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