JP2012018372A - 防眩処理が施された光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】白ちゃけがより良好に抑制され、所望の防眩性能が付与された光学部材を提供する。
【解決手段】表示装置において視認側に配置して用いられ、視認側表面に防眩処理が施され、視認側表面に傾斜角度が30度を超える領域を含む凹凸形状が形成されている光学部材。光学部材の視認側表面を平面として捉え、傾斜角度が30度を超える領域を当該平面に投影して得られる投影図の面積が、当該平面の全面積の60%以上であることが好ましく、また、傾斜角度が45度を超える領域を当該平面に投影して得られる領域の面積の割合が50%以上であることがより好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、防眩処理が施された光学部材に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの画像表示装置は、その表示面に外光が映り込むと視認性が著しく損なわれてしまう。従来、このような外光の映り込みを防止するために、画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータ、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラ、および反射光を利用して表示を行なう携帯電話などにおいては、画像表示装置の表面に外光の映り込みを防止するための処理が施されている。このような画像表示装置の表面に施される処理は、光学多層膜による干渉を利用した無反射処理と、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させて映り込み像をぼかす防眩処理とに大別される。前者の無反射処理は、均一な光学膜厚の多層膜を形成する必要があるため、コスト高になる。これに対して、後者の防眩処理は、比較的安価に行なうことができることから、大型テレビ、パーソナルコンピュータ、モニタなどの用途に広く用いられている。
前述した防眩処理を施す際、表示装置の視認側に配置される光学部材に所望の防眩性能を付与する一方、外光が該光学部材の表面で反射して生じる散乱光に起因して表面全体が白っぽくなり、表示が濁った色になる「白ちゃけ」と呼ばれる現象を抑制することが求められている。このような点から一般に、防眩処理として光学部材の表面に凹凸形状を施す際、その凹凸形状の傾斜角度は10度以下程度と低めに設定されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−108724号公報
しかしながら、10度以下の傾斜角度の凹凸形状を設ける上記従来の防眩処理では、白ちゃけが生じる場合があった。本発明は、白ちゃけをより良好に抑制して所望の防眩性能を付与しうる光学部材を提供することを目的とする。
本発明者は、防眩処理として一般的に設定される傾斜角度より高い傾斜角度を有する凹凸形状を光学部材の表面に形成することにより、白ちゃけをより良好に抑制して所望の防眩性能を付与しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の光学部材は、表示装置において視認側に配置して用いられ、視認側表面に防眩処理が施されており、視認側表面に傾斜角度が30度を超える領域を含む凹凸形状が形成されている。
本発明の光学部材の好ましい一形態において、凹凸形状が曲面上凸様形状であり、光学部材の視認側表面を平面として捉え、傾斜角度が30度を超える領域を、当該平面に投影して得られる投影図の面積が、当該平面の全面積の60%以上である。
本発明の好ましい一形態において、凹凸形状は、傾斜角度が45度以上である領域を含む。この場合、光学部材の視認側表面を平面として捉え、傾斜角度が45度以上の前記領域を、当該平面に投影して得られる投影図の面積が、当該平面の全面積の50%以上であることが好ましい。
本発明の光学部材は、凹凸形状において、凹凸形状の平均高さ以下の領域での平均傾斜角度が、平均高さより高い領域での平均傾斜角度よりも大きいことが好ましい。
本発明の光学部材において、凹凸形状は、好ましくは、ランダムに配列されている。
本発明の光学部材の凹凸形状において、好ましくは、隣り合う凸部の最高部間の距離が、5μm以上1700μm以下である。
本発明の光学部材は、たとえば、防眩フィルム、偏光板として供される。
本発明の光学部材は内部に微粒子を有していてもよく、または視認側表面とは反対側の表面が光散乱性を有する光散乱部材に密接するように配置して用いられてもよい。
また、本発明は、画像表示部材と、画像表示部材の視認側に配置されている本発明の上記光学部材とを備える表示装置に係るものである。当該表示装置は、たとえば液晶表示装置である。
本発明の上記表示装置において、光学部材は、凹凸形状の各領域の傾斜角度をθとした場合に、傾斜角度θと、画像表示部材の表示面から光学部材の凹凸形状までの距離Lと、画像表示部材の画素サイズPWと、前記光学部材の屈折率N1、前記光学部材の出射側の光媒質の屈折率N2および前記傾斜角度θによって定義されるθ’=arcsin(N÷N×sinθ)とが、以下の式(1)の関係を満たす領域の割合が、光学部材の視認側表面を平面として捉え、当該平面に投影して得られる投影図の当該平面の全面積に対する割合で50%以上である。
2×L×tan(θ−θ’)<PW (1)
本発明の上記表示装置において、画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、画像表示部材の表示面から光学部材の前記凹凸形状までの距離Lと、画像表示部材の画素サイズPWとが、好ましくは以下の式(2)の関係を満たす。
2×L×tanα<PW (2)
また本発明の表示装置は、画像表示部材と、微粒子を含有する本発明の光学部材とを備え、画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、光学部材による光散乱強度分布における半値角度βと、画像表示部材の表示面から光学部材の凹凸形状までの距離Lと、光学部材の厚みTと、画像表示部材の画素サイズPWとが、以下の式(3)の関係を満たす。
2×T×tan(α+β)+2×(L−T)×tanα<PW (3)
また本発明の表示装置は、画像表示部材と、光散乱性を有する光散乱部材と、本発明の上記光学部材とを備え、画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、光散乱部材による光散乱強度分布における半値角度βと、画像表示部材の表示面から光学部材の凹凸形状までの距離Lと、光散乱部材の厚みと光学部材の厚みとを足し合わせた値Tと、画像表示部材の画素サイズPWとが、以下の式(4)の関係を満たす。
2×T×tan(α+β)+2×(L−T)×tanα<PW (4)
本発明の光学部材は、白ちゃけがより良好に抑制され、所望の防眩性能が付与されたものである。また、本発明の光学部材は、例えば、表示装置、中でも液晶表示装置に好適に使用される。
防眩処理が施された光学部材表面の傾斜角度を表す模式図である。 表面凹凸形状の傾斜角度の測定方法を説明するための模式図である。 傾斜角度が10度の凹凸形状に入射した光が正面方向(観察者側)に反射する態様を表す模式図である。 傾斜角度が30度の凹凸形状に入射した光が正面方向(観察者側)に反射する態様を表す模式図である。 傾斜角度が30度を超える凹凸形状に入射した光が正面方向(観察者側)に反射する態様を表す模式図である。 傾斜角度が45度の凹凸形状に入射した光が正面方向(観察者側)に反射する態様を表す模式図である。 傾斜角度が45度を超える凹凸形状に入射した光が正面方向(観察者側)に反射する態様を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である三角波様形状を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である上平坦台形様形状を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である下平坦台形様形状を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である上下平坦台形様形状を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である波動関数様形状を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である曲面上凸様形状を表す模式図である。 本発明の防眩処理が施された光学部材表面の好ましい形状の一例である曲面下凹様形状を表す模式図である。 界面での光の屈折、反射を表す模式図である。 光線追跡法の計算に使用した2次元モデルの、三角波様形状を計算する例を表す模式図である。 三角波様形状における前方散乱光強度の傾斜角度依存性を計算した結果を示すグラフである。 三角波様形状、上平坦台形様形状、下平坦台形様形状における前方散乱光強度の傾斜角度依存性を計算した結果を示すグラフである。 波動関数様形状における前方散乱光強度の傾斜角度依存性を計算した結果を示すグラフである。 曲面上凸様形状における前方散乱光強度の規定傾斜角面積率依存性を計算した結果を示すグラフである。 曲面下凹様形状における前方散乱光強度の規定傾斜角面積率依存性を計算した結果を示すグラフである。 凹凸形状が規則的な配列となっている一例を表す模式図である。 凹凸形状がランダムな配列となっている一例を表す模式図である。 式(1)の関係式の左辺を説明する、光の進行の様子を表す模式図である。 式(2)の関係式の左辺を説明する、光の進行の様子を表す模式図である。 式(3)の関係式の左辺を説明する、光の進行の様子を表す模式図である。 式(4)の関係式の左辺を説明する、光の進行の様子を表す模式図である。 実施例1における防眩フィルムの表面形状の断面を撮影した写真である。 外光の映り込みの様子を撮影した写真である。
(光学部材)
本発明の光学部材は、画像表示部材の視認側に配置して用いられ、視認側表面に防眩処理が施されており、傾斜角度が30度を超える領域を含む凹凸形状を前記視認側表面に有するものである。ここで、画像表示部材の視認側に配置される光学部材としては、典型的には、防眩フィルムや偏光板などが挙げられるが、画像表示部材の表面を保護するための樹脂板やガラス板であってもよい。このような光学部材の視認側表面に凹凸形状を施すことにより、白ちゃけをより良好に抑制することができ、所望の防眩性能も付与することが可能となる。
本発明でいう凹凸形状は、光学部材の断面から把握することができる。任意の断面において同じ凹凸形状を有していてもよく、一の断面において凹凸形状を有し、かつ、その断面の垂直方向においては凹凸形状が維持される形状であってもよい。後者として、例えば、光学部材がフィルムの場合、横方向断面において凹凸形状を有し、縦方向にその凹凸形状が維持される態様が挙げられる。この場合、縦方向断面における断面形状は、該フィルムと平行な形状となる。
また、かかる凹凸形状としては、三角波様形状、上平坦台形様形状、下平坦台形様形状、波動関数様形状、上下平坦台形様形状、曲面上凸様形状、曲面下凹様形状などが挙げられる。
以下に、光学部材表面の傾斜角度について図1をもとに説明する。図1は、防眩処理が施された光学部材表面の傾斜角度を表す模式図である。図1に示すように、傾斜角度は、光学部材1表面の任意の点Pにおいて、光学部材の主法線方向5を基準とし、そこでの凹凸形状2を加味した局所的な法線6のなす角度ψを意味する。凹凸形状2の傾斜角度は、マイクロスコープで撮影した断面形状から求めることができる他、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定される表面形状の三次元情報から求めることができる。図1に示す平面3は、光学部材1の視認側表面を平面として捉えた場合の平面であり、光学部材の主法線方向5に対して垂直である。
前述した共焦点顕微鏡などにより表面形状の三次元情報から傾斜角度を求める場合には、以下のように微小領域の傾斜角度を決定する。図2は、表面凹凸形状の傾斜角度の測定方法を説明するための模式図である。図2に示すように、点線で示される仮想的な平面FGHI上の着目点Aを決定し、そこを通るx軸上の着目点Aの近傍に、点Aに対してほぼ対称に点BおよびDを、また点Aを通るy軸上の着目点Aの近傍に、点Aに対してほぼ対称に点CおよびEをとり、これらの点B,C,D,Eに対応する光学部材表面上の点Q,R,S,Tを決定する。測定されたデータ座標が格子状に並んでいるとき、A,Q,R,S,Tはそれぞれ測定データがある座標点から選択すると計算が容易であることから好ましい。なお図2では、光学部材表面内の直交座標を(x,y)で表示し、光学部材の厚み方向の座標をzで表示している。平面FGHIは、y軸上の点Cを通るx軸に平行な直線、および同じくy軸上の点Eを通るx軸に平行な直線と、x軸上の点Bを通るy軸に平行な直線、および同じくx軸上の点Dを通るy軸に平行な直線とのそれぞれの交点F,G,H,Iによって形成される面である。また図2では、平面FGHIに対して、実際の光学部材表面の位置が上方にくるように描かれているが、着目点Aのとる位置によって当然ながら、実際の光学部材表面の位置が平面FGHIの上方にくることもあるし、下方にくることもある。
そして、得られる表面形状データの微小領域の傾斜角度は、着目点Aに対応する実際の光学部材表面上の点Pと、その近傍にとられた4点B,C,D,Eに対応する実際の光学部材表面上の点Q,R,S,Tの合計5点により張られるポリゴン4平面、すなわち、四つの三角形PQR,PRS,PST,PTQの各法線ベクトル6a,6b,6c,6dを平均して得られる平均法線ベクトル6の極角を求めることにより、得ることができる。
従来、白ちゃけ現象を抑制するためには、傾斜角度が大きな領域を減らし、10度以下程度の小さな傾斜角度の領域で凹凸形状を形成させることが必要であると考えられてきた。しかしながら、本発明は、傾斜角度が30度を超える領域を有する凹凸形状を形成することにより、従来の知見と反して、良好な白ちゃけ抑制を可能としたものである。
ここで、本発明の白ちゃけ抑制のメカニズムについて図3〜図7をもとに説明する。図3〜図7は、所定の傾斜角度の凹凸形状に入射した光が正面方向(観察者側)に反射する態様をそれぞれ表す模式図である。なお、ここでは、凹凸形状を便宜上、三角波様形状として示している。三角波様形状の場合、各領域の傾斜角度は一定であり、三角波様形状を構成する傾斜面の角度と一致する。
図3に示すように、傾斜角度が10度の凹凸形状によって正面(観察者側)に反射される外光は、光学部材の主法線方向(正面に反射される外光の向き)に対して20度の角度で入射する外光に由来する。しかしながら、このように傾斜角度が小さな凹凸形状で形成される場合では、外光の進行方向が十分に乱されず、防眩性が低下しまうことがある。
次に、凹凸形状の傾斜角度が30度以下の場合において、正面(観察者側)に反射される外光の挙動を考察する。図3及び図4からも把握されるように、傾斜角度が大きくなるにしたがい、観察者側に反射される外光の入射角度範囲が広がる。この範囲は図4に示す傾斜角度が30度の時最大となり、光学部材の主法線方向(正面に反射される外光の向き)に対する入射角が60度の外光が正面に反射されることになる。
ここで、傾斜角度が30度を超えると、従来形成されていた傾斜角度の小さい凹凸形状の場合とは異なる新たな現象が観測される。具体的には、図5に示すように、隣接する凸部によって正面方向に反射される光の一部が遮られるため、白ちゃけ現象が抑制される。
図6に示すように、傾斜角度が45度の凹凸形状によって反射された外光が正面に向かうためには、光学部材の主法線方向(正面に反射される外光の向き)に対する入射角が90度であることが必要である。この場合、もはや反射される外光は、表示装置において視認側に配置される光学部材全体に対しわずかな強度となる。そして、凹凸形状の傾斜角度が45度を超える場合には、図7に示すように、表示装置に向かってくる外光が直接正面(観測者側)に向かって反射することはなくなる。従って、白ちゃけ現象の低減という観点から、傾斜角度が30度以上の領域を含む凹凸形状を有することが好ましく、傾斜角度が45度以上の領域を含む凹凸形状を有することがさらに好ましく、傾斜角度が45度を超える領域を含む凹凸形状を有することが特に好ましい。
以下に、防眩処理が施された本発明の光学部材の好ましい凹凸形状について、図8〜14に例示する。図8は、三角波様形状を表す模式図であり、図9は、上平坦台形様形状を表す模式図であり、図10は、下平坦台形様形状を表す模式図であり、図11は、上下平坦台形様形状を表す模式図であり、図12は、波動関数様形状を表す模式図であり、図13は、曲面上凸様形状を表す模式図であり、図14は、曲面下凹様形状を表す模式図である。
形状の大きさ、即ち、隣り合う凸部の最高部間の距離または隣り合う凹部の最深部間の距離については、前述した凹凸形状の数値範囲を満たしたときにより有利に本発明の効果を発現させる観点から、5μm以上であることがより好ましい。これは、人の視覚の感度が特に高い緑色光の波長の約10倍にあたり、これ以上の大きさであれば、視覚の感度の高い緑色光において回折の影響が小さいことが期待されるためである。形状は大きい方が、本発明の効果をより良好に発現させられると考えられ、さらに好ましくは20倍にあたる10μm以上であり、特に好ましくは30μm以上である。実施例1に示すとおり、隣り合う凸部の最高部間の距離が30μm以上の構造であれば、本発明で見出した効果を十分に発現することができる。
隣り合う凸部の最高部間の距離または隣り合う凹部の最深部間の距離の上限は、表示装置の画素サイズに起因する制約がある。これは、画素よりも大きなサイズの凹凸があると表示にムラが生じることによる。現在市販されている最も大きな表示装置は150型であり、画素サイズは1700μm程度と見積もられるため、隣り合う凸部の最高部間の距離または隣り合う凹部の最深部間の距離は、少なくとも1700μm以下であることが好ましい。なお、52型のディスプレイの場合、画素サイズは約600μmであるため、前記最高部間の距離または最深部間の距離は600μm以下であることが好ましく、37型のディスプレイの場合は約425μmであるため、記最高部間の距離または最深部間の距離は425μm以下であることが好ましい。
隣り合う凸部の最高部間の距離または隣り合う凹部の最深部間の距離は、凹凸形状が連続する任意の断面における距離をいう。凸部の最高部および凹部の最深部とは、任意の断面における凸部の最も高い位置または凹部の最も深い位置であり、最高部および最深部が一点の場合は最高部間の距離または最深部間の距離は隣り合うその点を結ぶ距離のことをいい、任意の断面における最高部および最深部がある長さを有する直線である場合は、その直線の中心の位置を基準に最高部間の距離および最深部間の距離が決定される。たとえば図8において、位置21a,21bは隣り合う凸部の最高部であり、これらの距離が隣り合う凸部の最高部間の距離となる。同じく、図8において、位置22a,22bは隣り合う凹部の最深部であり、これらの距離が隣り合う凹部の最深部間の距離となる。また、たとえば図9において、隣り合う凸部の最高部間の距離とは、最高部の中心である位置23a,23bを結ぶ距離となる。
本発明の白ちゃけ低減効果は、光線追跡法により確認することができる。光線追跡法では、画像表示部材の視認側に配置される光学部材の表面、すなわち、光学部材と空気との界面における光の透過及び反射を考慮し、透過時の屈折角度に関するスネルの法則とフレネルの式を取り込むことによって以下の計算を行った。
計算で用いた数式と手順の詳細を以下に記載する。まず、計算領域に存在する全ての光線は、以下の情報を保持する。
double X;//光線起点座標X
double Z;//光線起点座標Z
double Angle;//進行角度(ラジアン単位)
double Ints;//s偏光強度
double Intp;//p偏光強度
なお、ここで「double」は情報を保持する変数が64ビット浮動小数点数であることを表す。
光線の屈折及び反射の取り扱いについて、以下に説明する。図15は、界面での光の屈折、反射を表す模式図である。ここでは、図15のように、屈折率nの媒質から屈折率nの媒質へ向かい、両媒質境界線の法線ベクトルをv(法線ベクトルv)、入射光線の単位ベクトルをi(入射光線ベクトルi)とする。そして、この光線が境界に入射したときに生成される反射光線の単位ベクトルをr(反射光線ベクトルr)、透過光線に平行なベクトルをt(透過光線ベクトルt)、入射光線ベクトルiと法線ベクトルvが為す角度をθ、反射光線ベクトルrと法線ベクトルvが為す角度をθ’、透過光線ベクトルtと法線ベクトルvがなす角度をθとする。
スネルの法則よりnsinθ=nsinθが成立し、および正反射の条件からθ=θ’が成立し、反射光線ベクトルrおよび透過光線ベクトルtは以下の式(5),(6)によって求めることができる。
ここで、例えばv・iのように、ベクトルであることが明示されている文字同士の演算子「・」は、ベクトルの内積を意味する。
また、透過光線及び反射光線の強度Ints、Intpは、フレネルの式から得られるエネルギー透過率(T、T)およびエネルギー反射率(R、R)と入射光の強度Ints、Intpからそれぞれ求めることができる。エネルギー透過率(T、T)およびエネルギー反射率(R、R)はそれぞれ以下の式(7),(8),(9),(10)で与えられる。
なお、文字R、Tに付した添え字s、pは、それぞれs偏光、p偏光のエネルギー透過率またはエネルギー反射率であることを意味する。
数値計算上、θ及びθが小さい場合、上記式によって計算すると数値的に計算された透過率及び反射率が発散する場合がある。そこで、θ及びθが0.1rad以下のときは、以下の式(11),(12)によってエネルギー透過率及びエネルギー反射率を計算した。
前述したように、初期条件として、入射光の条件(入射角度、強度など)や、屈折率を設定して前記計算式を適用することにより、エネルギー透過率、エネルギー反射率、反射光線ベクトル、透過光線ベクトル、透過光の強度、反射光の強度を算出することができる。そして、計算領域にあり、境界面に向かう全ての光線について、この一連の算出操作を繰り返し行うことにより、前記算出値の分布を求めることができる。なお、全ての光線とは、初期条件として与えた光源から出た光が媒質の境界に達した後、この光線に替わって生じる透過光線や反射光線を含む。
図16は、光線追跡法の計算に使用した2次元モデルの、三角波様形状を計算する例を表す模式図である。図16における横方向の計算領域境界には周期境界7を適用した。これにより、無限に同じ三角波形状9が続く状態を計算したのと同等の結果を得ることができる。また、初期条件として、構造1周期の間に100点の点光源が等間隔で配列されたものとした。これを点光源の配列8とする。点光源からは、1度間隔で光線を角度γ=5度〜89度の範囲で出射させる設定とした。ここで、角度γは、周期境界7に対して平行な方向と、点光源から界面に向かうベクトルとのなす角度を意味する。なお、角度γが90度の時には点光源からの光は界面に向わないので考慮せず、従って、計算に使用した角度γの上限は89度とした。一方、5度より小さい角度の光線を除いたのは、観察者が遮蔽する外光を考慮し、これを計算から除くためである。
このようにして設定された初期の光線の総数は8500であった。点光源位置を異なるγに対しても均等に割り当てたため、各光線の強度は、100×cosγで与えることで、各方向に向かう光線が持つ強度が、単位面積当たりで一定となるようにした。これにより、各方向に進行する光の強度密度を、角度間でほぼ一定とすることができる。
界面で反射した光の受光面は、点光源を並べた直線の後方に配置したものとして、計算した。受光面に入射する光線の角度ごとに積算し、1度刻みの反射光配向分布を得ることができる。この分布から、受光面の法線方向に対して5度以内の角度をなして入射した光の強度を積算し、この積算値を前方散乱光強度とした。なお、前記5度以内の入射光を対象としたのは、表示装置の観測者が観測しうる外光を想定したからである。この前方散乱光強度により、外光による白ちゃけ現象の強さを把握することが可能となる。なお、示す計算結果は、いずれも点光源を配置した空気側の屈折率を1.00、防眩処理が施された光学部材の媒質の屈折率を1.50とした計算から得られた結果である。計算では、透過光線、反射光線の追跡は、Ints、Intpの平均値が0.001以上の光線について行った。そして、この条件を満たす光線が受光面へ入射、あるいは、計算領域外へ出射し、追跡すべき光線が計算領域内になくなるまで繰り返し計算を行った。なお、図16において、符号9は、凹凸形状の高低差を表す。高低差9は、後述のアスペクト比を求める際に用いられる値である。以下において、前方散乱光強度は、図16を用いて説明した方法により算出した値を用いる。
図17に、図8に示した三角波様形状における傾斜角度と前方散乱光強度の関係を示す。防眩処理として一般的に使用されている10度以下の範囲においては、傾斜角度が大きくなるほど前方散乱光強度が増加する。すなわち、白ちゃけ現象が強くなることが分かる。しかし、一方で、本発明で規定するように、傾斜角度が30度を超える範囲では、前方散乱強度の低下が始まることが分かる。そして、傾斜角度が45度を超えると散乱光強度は安定する。
図18及び図19に、図8〜10、図11〜14に示した形状について、凹凸形状のアスペクト比と前方散乱光強度の関係を計算した結果を示す。ここでは、アスペクト比(周期長あたりの高低差:高低差÷周期長)を横軸とし、縦軸を前方散乱光強度とした。一般に、アスペクト比が小さな構造ほど加工しやすいものである。したがって、より低いアスペクト比で前方散乱光強度が弱まる形状がより好ましいと考えることができる。なお、計算結果から、図8〜10、図11〜14に示したいずれの形状においても白ちゃけ低減が期待できることが分かる。
図18に、三角波様形状(図8に示す形状)、上平坦台形様形状(図9に示す形状)及び下平坦台形様形状(図10に示す形状)の計算結果を示す。上平坦台形様形状については、上平坦面が20%、すなわち光学部材の視認側表面を平面として捉えた場合の該平面の面積を基準とし、上平坦面の面積が基準の20%を占めることを示す。下平坦台形様形状については、下平坦面が20%、すなわち光学部材の視認側表面を平面として捉えた場合の該平面の面積を基準とし、下平坦面の面積が基準の20%を占めることを示す。三角波様形状よりも上記台形様形状のほうが、そのアスペクト比が低い領域において前方散乱光強度が弱くなりやすく、特に上記台形様形状のうち、上平坦台形様形状のほうがより白ちゃけの抑制が期待できることが分かる。
図19に、波動関数様形状(図12に示す形状)、曲面上凸様形状(図13に示す形状)及び曲面下凹様形状(図14に示す形状)の計算結果を示す。尚、波動関数として余弦関数を用いた。図8〜図14に示したいずれの形状においても白ちゃけ抑制が期待できるが、特に上面凸となっている形状が、そのアスペクト比の低い領域において前方散乱光強度が弱くなりやすく、より白ちゃけの抑制が期待できることが分かる。
図18及び図19の結果から、いずれも凹凸形状の平均高さ以下の領域における平均傾斜角度が、凹凸面の平均高さよりも高い領域における平均傾斜角度よりも大きい凹凸形状の方(たとえば、上平坦台形様形状、曲面上凸様形状)が、アスペクト比の低い領域での白ちゃけ抑制が期待できることがわかる。これは、外光の遮蔽効果を高めるためには、凹み部分が狭いことが効果的であるためであると考えられる。なお、凹凸形状の平均高さとは、凹凸形状の面高さを平均することによって求められる値である。たとえば、凹凸形状の高さがf(x,y)で表される場合、f(x,y)の平均値が凹凸形状の平均高さである。
凹凸形状が曲面である場合、傾斜角度と白ちゃけ防止性能の関係はより複雑となる。そこで、図20及び図21に、それぞれ曲面上凸様形状および曲面下凹様形状において、傾斜角度が15度を超える領域が占める面積率、傾斜角度が30度を超える面が占める面積率、傾斜角度が45度を超える面が占める面積率、傾斜角度が60度を超える面が占める面積率と、前方散乱光強度との関係を計算した。ここで、面積率は、光学部材の視認側表面を平面として捉えた場合における該平面全体の面積を基準とし、凹凸形状の傾斜角度が所定値を超える領域を前記平面に投影して得られる投影図の面積の割合を意味するものである。
なお、現実の防眩処理面における前記割合を測定する方法としては、例えば共焦点レーザー高さ計「LT−9000」(商品名、株式会社キーエンス製)のように、幾何光学的な原理によって高さを検出する手段により、2μmおきに測定値を得て、各測定値間の差によって凹凸形状の傾斜角度分布を測定する方法が挙げられる。また、AFMなど、幾何光学によらない手段により凹凸形状を測定する場合には、幾何光学の範囲において認識される面を抽出するため、得られたデータを平均化する必要がある。幾何光学で認識される範囲は、光の波長の数倍である。人の感度が最も高い緑色光の波長を基準とすると、前記2μmは約4倍に相当する。より幾何光学的に有意な結果が得られる範囲としてはおよそ光の波長の約10倍にあたる5μmで平均化する方法が挙げられる。
曲面上凸様形状の場合、光学部材の視認側表面を平面として捉えた場合の該平面の面積を基準とし、曲面上凸様形状の傾斜角度が30度を超える領域を該平面に投影して得られる投影図の面積率が60%以上であることで、白ちゃけの低減効果が期待される。一方、前記凹凸形状の傾斜角度が45度を超える場合、前記面積率が高くなるほど、曲面上凸様形状及び曲面下凹様形状において、前方散乱光強度が低下することから、前記面積率は高いほうがより好ましい。前記面積率が、10%以上になると前方散乱光強度はピーク値の3割以下に低下し、50%以上になると前方散乱光強度はピーク値の5割以下まで低下し、80%以上になると前方散乱光強度はピーク値の2割以下まで低下し、ほぼ確認されない水準になることが期待される。
前記凹凸形状は、規則的に配列されていてもよいし、ランダムに配列されていてもよいが、モアレや反射光による虹ムラの観点から、ランダムに配列されていることが好ましい。
規則的な配列としては、例えばV字上の溝が平行に引かれた構造などが例示される。このような構造の代表的な例を図22に示した。図22は、凹凸形状が規則的な配列となっているパターンの一例を表す模式図である。例えば、旋盤によって金型を彫刻する場合、図22において、黒い部分に沿ってバイトを走らせることによって凹凸パターンを転写する金型が得られる。この時、バイトの押し込み深さを加減することにより、平坦な面を残して彫刻することもできるし、全ての面を傾斜面とするように彫刻することもできる。
図23は、凹凸形状がランダムに配列されているパターンの一例を表す模式図である。ランダムな配列としては、例えば乱数によって明度をランダムに設定したランダムなパターンに対して空間周波数フィルタの一種であるバンドパスフィルタを適用し、得られるパターンを二値化して得られる図23のようなパターンの黒線部分に沿って彫刻する方法が挙げられる。例えば、旋盤によって金型を彫刻する場合、図23において、黒い部分に沿ってバイトを走らせることによって凹凸パターンを転写する金型が得られる。この時、バイトの押し込み深さを加減することにより、平坦な面を残して彫刻することもできるし、全ての面を傾斜面とするように彫刻することもできる。
凹凸形状を付与する材料としては、例えば、ガラスや透明結晶、各種透明樹脂が例示される。ガラスとしては、光学ガラスであるBK7の他、石英ガラス、ソーダガラス、白板ガラス、青板ガラス、鉛ガラスなど、各種ガラスが例示される。透明結晶としては、窓板として用いられる水晶やサファイアが例示される。透明樹脂としては、液晶ディスプレイで一般的に用いられるトリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート(PET)などが挙げられる。また、光学部材を構成する材料は1種類であっても良いし、多数の材料を積層してなっていても良い。また、色素や顔料などが含まれていても良い。
形状を付与する手段としては、研磨、エッチング、熱プレス、UVエンボス法などを適宜用いることができる。ガラスの場合、材料が低融点であれば熱プレスにより表面に形状を付与することができる。また、研磨装置やケミカルエッチングによっても、所望の形状を得ることができる。また、ガラス表面に樹脂など易成型材料を密着させて熱プレスをすることによって表面形状を付与しても良い。透明結晶の場合には、研磨・研削によって表面形状を形成することができる。樹脂の場合は、熱プレスや金型へのキャスト、あるいは、樹脂上にUV樹脂硬化をコーティングし、UV硬化樹脂に金型に押し付けた状態でUV硬化させることで成型するUVエンボス法なども好ましく用いることができる。
本発明に係る光学部材における防眩処理は、表面で屈折による透過光の進行方向の変化が大きく、画像表示部材の表示面と光学部材の視認側表面に付与された凹凸形状との距離によって、表示像が二重に見える、あるいは像がぼやけて見えることがある。しかし、画像表示部材から出射される光の分布が十分に指向性を持っている場合には、本発明の光学部材内部に微粒子を含ませ、あるいは光学部材に光散乱性を有する光散乱部材を密接して配することによって、光学部材中で、あるいは光学部材に密接した領域で様々な方向に進む光を得る方法により、表示像のぼやけ現象を抑制しながら十分な角度範囲からの視認性を有する表示装置が実現できる。
光学部材が微粒子を含む場合、光学部材を構成する材料と屈折率が異なる材料からなる微粒子を用いればよい。光を表示装置上で好ましく散乱させるために、微粒子の直径は1μm〜100μm程度が好ましく、3μm〜20μmがさらに好ましい。光散乱を光学部材に付与する微粒子として、各種有機材料・無機材料からなる微粒子を用いることが出来る。無機微粒子としては、シリカ微粒子、あるいはチタニア微粒子などが挙げられる。また、有機微粒子としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂からなる微粒子(例えば、綜研化学株式会社から販売されている商品名MXシリーズ、MRシリーズ、MPシリーズ)、スチレン樹脂からなる微粒子(例えば、綜研化学株式会社から販売されている商品名SXシリーズ)、シリコーン樹脂などからなる微粒子(例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社から商品名トスパールとして販売されている微粒子)などが挙げられる。
(表示装置)
本発明の光学部材は、好ましくは画像表示部材と組み合わせて用いられ、画像表示部材の視認側に本発明に係る光学部材を配置して表示装置を構成する。画像表示部材が液晶セルである場合は、液晶表示装置を構成する。
表示装置内の本発明の光学部材は、凹凸形状において各領域の傾斜角度をθとした場合に、傾斜角度θと、画像表示部材の表示面から光学部材の凹凸形状までの距離Lと、画像表示部材の画素サイズPWとが、以下の式(1)の関係を満たす領域の割合が高い方が好ましい。具体的には、光学部材の視認側表面を平面として捉え、式(1)の関係を満たすθを有する領域を当該平面に投影して得られる投影図の当該平面の全面積に対する割合が50%以上であることが好ましい。
2×L×tan(θ−θ’)<PW (1)
式(1)において、Lは、画像表示部材の表示面から光学部材の凹凸形状までの距離を表し、PWは、画像表示部材の画素サイズを表す。また、式(1)において、θ’=arcsin(N÷N×sinθ)であり、ここでNは光学部材の屈折率、Nは光学部材の出射側の光媒質の屈折率である。なお、距離Lは画像表示部材の表示面から光学部材の凹凸形状までの距離の最大値を表す。すなわち、距離Lは画像表示部材の表示面から光学部材の最も高い凸部の最高部までの距離を表す。
光学部材の凹凸形状が三角波様形状の場合、各領域の傾斜角度は一定であるが、これ以外の凹凸形状、たとえば曲面からなる凹凸形状であっても、種々の傾斜角度の領域の組み合わせとみなすことができる。これらの領域の内、式(1)を満たす領域の割合が、上述の基準で50%以上である場合、画素間のクロストークは本来出射されるべき光のうち半分以上が正しく出射されていることを意味し、良好な表示を得ることができる。
図24は、表示装置の内部における光の進行の様子を模式的に示す図である。図24を用いて、式(1)の左辺が表す意味を説明する。図24に示す表示装置は、画像表示部材31と、視認側表面に凹凸形状を有する光学部材32とを備える。光学部材32の視認側表面の凹凸形状は三角波様形状であり、その傾斜角度をθとする。凹凸形状の凸部の最高部である点P3近傍に入射し、観察者33のいる画像表示部材の表示面の法線方向に向かう光について検討する。凹凸形状の斜面の法線は、画像表示部材の表示面の法線方向に対して角度θをなす。この面で屈折されて表示面の法線と平行な方向に向かう光は、点P3近傍に入射角度θ’で入射する。点P3は二つの斜面の交点であるため、この位置に入射角度θ’で光を入射させる画像表示部材31の表示画面上の位置は二つある。この位置をP1,P2とする。以下、位置P1,P2について検討する。
傾斜角度θの傾斜面34に入射角度θ’で入射し屈折されて正面に向かう(傾斜面から出射角度θで出射する)光は、表示面法線が表示面と交わる点C2’とL×tan(θ−θ’)だけ離れた点P2’から出射されている。傾斜角度θの傾斜面35で屈折された光は、表示面法線が表示面と交わる点C1’からL×tan(θ−θ’)だけ離れた点P1’から出射されている。これらの点P1’,P2’を、点P3に入射角度θ’で入射する光を出射する位置P1,P2に置き換えて考えると、点P1と点P2の距離は式(1)の左辺によって示される。この距離が画素サイズPWを超えているとき、互いに異なる画素から出射した光が、光学部材表面で交じり合い、表示がぼやけて見える場合があるため好ましくない。図24を用いて凹凸形状が三角波様形状である場合について検討したが、この検討は他の凹凸形状においても応用されるものであり、すなわち、式(1)を満たす領域の割合が多いほど表示がぼやけにくく好ましい。
式(1)において、Lは光学部材の視認側最表面から画像表示部材の表示面までの距離を表すが、ここでの画像表示部材の表示面の位置について以下に説明する。画像表示部の表示面の位置は、例えば、液晶表示装置においてはカラーフィルターの視認側表面位置とする。また、プラズマディスプレイパネルの場合には、発光空間の、視認側に最も近い位置とする。これらの位置と、本発明の光学部材に設けられた凹凸形状の最も高い位置との距離をもって、Lとする。
また、現在市販されている多くの画像表示部材では、1画素はR,G,Bの光の3色、あるいはR,G,B,Yの4色の組からなっている。このような場合、本発明における1画素のサイズは、一組のR,G,B、もしくは一組のR,G,B,Yなど、ひとつの色を表現するために用意されている複数の単位要素の組が占める大きさをPWとする。なお、表示が白黒、あるいは、光源の色を切り替えるフィールドシーケンシャル方式のディスプレイの場合は、PWは多くの場合1つの単位要素のサイズとなる。縦と横の方向で単位要素の組の大きさが異なる場合、PWにはこれらのうち最も小さい値が当てられる。図24においては、画像表示部材31は、R,G,Bの各単位要素34を一組として一つの画素を構成している。
また、表示装置において、良好な表示状態を実現できることから、画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、PWと、Lとが、式(2)の関係を満たすことが好ましい。
2×L×tanα<PW (2)
式(2)において、PWおよびLは式(1)における定義と同じである。
図25は、表示装置内部における光の進行の様子を模式的に示す図である。図25を用いて、式(2)の左辺が表す意味を説明する。図25に示す表示装置は、画像表示部材31と視認側表面に凹凸形状を有する光学部材32とを備える。画像表示部材31の表示面から出射光強度分布における半値角度αで出射された光が、光学部材32の凹凸形状の同じ位置P6に入射することになる、表示面上の二つの異なる位置P4,P5について検討する。位置P4,P5の間の距離は、式(2)の左辺で表される。この距離が画素サイズPWを超えているとき、互いに異なる画素から出射した光が、光学部材表面で交じり合い、表示がぼやけて見える場合があるため、好ましくない。すなわち、式(2)を満たす場合に、異なる画素から出射した光が光学部材表面で交じり合うことを適度な範囲内に抑制することができ、表示がぼやけにくく好ましい。
半値角度αを求める方法としては、画像表示部材上の測定点を決め、その点から等距離にある位置から色彩輝度計「BM−5A」(商品名、株式会社トプコン製)などによって光源輝度を測定し、輝度がピークの半分となる画像表示部材の表示面の法線と為す角度を求める方法が挙げられる。この角度を出射光強度分布における半値角度αとみなすことができる。色彩輝度計「BM−5A」の位置設定は手動によって行っても良いが、アームロボットなどで位置決めすることで、より精密な情報を得ることができる。なお、本発明の光学部材と画像表示部材の間が、視認者がいる位置と異なる屈折率を有する媒質で満たされている場合には、上述の方法によって視認者がいる位置での半値角度α’を求めた後、光学部材と画像表示部材の間にある媒質中における半値角度αをスネルの法則により求める。後述する式(3),(4)における半値角度α、αについても、上述の半値角度αと同様に求めることができる。
また、本発明の光学部材は、光を散乱する微粒子を含み、あるいは、表示装置内において光を散乱する光散乱部材と密接して配置されていると、画像表示部材31から出射される光の半値角度が小さい場合にも視認者側から十分に広い角度から良好な視認性を実現できることから特に好ましい。
本発明の光学部材が光を散乱する微粒子を含む場合、表示装置は、次の式(3)を満たすことが好ましい。
2×T×tan(α+β)+2×(L−T)×tanα<PW (3)
式(3)において、PW、Lおよび式(2)における定義と同じである。式(3)において、Tは光学部材の厚み(凸部の最高部の厚み)を、αは画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度を、βは含有する微粒子により光散乱機能を有する光学部材の光散乱強度半値角度を表す。
図26は、表示装置内部における光の進行の様子を模式的に示す図である。図26を用いて、式(3)の左辺が表す意味を説明する。図26に示す表示装置は、画像表示部材31と視認側表面に凹凸形状を有する光学部材32を備える。光学部材32は、微粒子を含み、光拡散機能を有する。画像表示部材31の表示面から出射光強度分布における半値角度αで出射され、光学部材32において光散乱強度半値角度βで散乱された光が、光学部材32の凹凸形状の同じ位置P9に入射することになる、表示面上の二つの異なる位置P7,P8について検討する。位置P7,P8の間の距離は、式(3)の左辺で表される。この距離が画素サイズPWを超えているとき、散乱の影響も含めて、互いに異なる画素から出射した光が、光学部材表面で交じり合い、表示がぼやけて見える場合があるため、好ましくない。すなわち、式(3)を満たす場合に、異なる画素から出射した光が光学部材表面で交じり合うことを適度な範囲内に抑制することができ、表示がぼやけにくく好ましい。
また、表示装置が、画像表示部材と、画像表示部材の視認側に配置された光を散乱する光散乱部材と、光散乱部材の視認側に密接して配置された本発明の光学部材とからなる場合、表示装置は、次の式(4)を満たすことが好ましい。
2×T×tan(α+β)+2×(L−T)×tanα<PW (4)
式(4)において、PW、Lは式(3)における定義と同じである。式(4)において、Tは光学部材の厚み(凸部の最高部の厚み)と、光散乱部材の厚みとを足し合わせた値を、αは画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度を、βは光散乱部材の光散乱強度半値角度を表す。
図27は、表示装置内部における光の進行の様子を模式的に示す図である。図27を用いて、式(4)の左辺が表す意味を説明する。図27に示す表示装置は、光を散乱する光散乱部材35と、光散乱部材35の視認側に密接して配置された光学部材32を備える。画像表示部材31の表示面から出射光強度分布における半値角度αで出射され、光散乱部材35において光散乱強度半値角度βで散乱された光が、光学部材32の凹凸形状の位置P12に入射することになる、表示面上の二つの異なる位置P10,P11について検討する。位置P10,P11の間の距離は、式(4)の左辺で表される。この距離が画素サイズを超えているとき、散乱の影響も含めて、互いに異なる画素から出射した光が、光学部材表面で交じり合い、表示がぼやけて見える場合があるため、好ましくない。すなわち、式(4)を満たす場合に、異なる画素から出射した光が光学部材表面で交じり合うことを適度な範囲内に抑制することができ、表示がぼやけにくく好ましい。
ここで、光散乱強度半値角度β,βを求める方法としては、光散乱能を有する測定対象(たとえば、微粒子を含有する光学部材または光散乱部材)の測定点を決め、その点に向けてレーザーなどから出力される状態の良い平行光を入射し、その点から等距離にある位置から色彩輝度計「BM−5A」(商品名、株式会社トプコン製)などによって光源輝度を測定し、輝度がピークの半分となる表示面法線と為す角度を求める方法が挙げられる。色彩輝度計「BM−5A」の位置設定は手動によって行っても良いが、アームロボットなどで位置決めすることで、より精密な情報を得ることが出来る。また、レーザーを光源として用いる場合は、必要に応じてビームエキスパンダーを用い、スポットサイズを所望の大きさに調整して測定を行うことが好ましい。
<実施例1>
傾斜角度が約57度の斜面を有する下平坦台形様形状を施された防眩フィルムを光学部材として使用した。なお、防眩処理が施された表面形状は、溶融状態のポリプロピレンを賦型金型に接触させることによって付与した。以下に防眩フィルムの作製について記載する。
(金型の作製)
銅メッキが施されたロールに対し、頂角が65度の楔形の先端形状を有するダイヤモンドバイトを装着した精密旋盤を用いて、図22のような走行パターンによってバイトを走行させることで高低差約21μm、周期33μmで溝を刻み込み、その後、表面形状が損なわれない程度に硬質クロムメッキを施して賦型金型とした。
(賦型)
約270℃に加熱した溶融状態のポリプロピレン樹脂を押出機からフィルム状に押し出し、賦型金型と挟圧ベルトとで挟み、挟圧長さ4mm、線圧150N/mmで挟圧して賦形した。その後、賦型ロールから冷却ロールに導いて冷却し、固化させることにより、厚さが約100μmの防眩フィルムを得た。
(断面形状の確認)
得られたフィルムの断面形状を、マイクロスコープ「VHX−500」(商品名、株式会社キーエンス製)を用いて確認した。撮影された断面形状を図28に示す。周期約33μm、高低差約17μm、斜面の傾斜角度が約57度、周期長に対する平坦部分割合(平面へ投影した投影図で算出)が約27%の概略下平坦台形を為す凹凸形状が形成されていた。すなわち、傾斜角度が30度を超える凹凸形状の面積率、及び、傾斜角度が45度を超える凹凸形状の面積率は、いずれも約73%である。
<比較例1>
防眩処理が施されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルム「UV80 H−25」(商品名、大日本印刷株式会社製)を比較例とした。TACフィルム「UV80 H−25」は直径が約1.5μmの微粒子を分散した液を、TACフィルムにコーティングすることで防眩処理が施された部材である。
(表面形状の評価)
三次元顕微鏡「PLμ2300」(商品名、Sensofar社製)を用いて、防眩フィルムの表面形状を測定した。サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。測定の際、対物レンズの倍率は10倍として測定を行った。水平分解能ΔxおよびΔyはともに1.66μmであり、測定面積は850μm×850μmであった。
(凹凸表面の傾斜角度)
上で得られた測定データをもとに計算したところ、30度を超える数値を持つ面の投影図の面積は、表面を平面と捉えた場合の平面の面積に対して、計算上の0.58%で、有意な面積値としては検出されなかった。
(外観評価)
図29に、実施例1で使用した防眩フィルムと、比較例1で使用した既存の防眩フィルムに外光を写りこませた際の外観を示す。図29は、デジタルカメラ「PowerShot G7」(商品名、キャノン株式会社製)を用い、2m先にある3波長形昼白色蛍光管「FHF32EX−N−HG」(商品名、日本電気株式会社製)の写りこみを撮影したものである。評価対象は、(1)本実施例で作製されたポリプロピレンフィルム13を、粘着剤を介して黒アクリル板に貼合したもの、(2)比較例1で示す既存の防眩処理フィルム12を、粘着剤を介して黒アクリル板に貼合したもの、および、(3)黒アクリル板11単独である。黒アクリル板は、黒を表示する表示装置に代わるものであり、参考として評価した。なお、撮影の際、正反射光の入射角度は約30度とした。外観の目視評価において、実施例1の防眩フィルム13は、比較例1の既存の防眩フィルム12と同等の写りこみ防止機能を発現しながら、白ちゃけが大幅に低減されていた。
(分光測色計による評価)
分光測色計「CM−2002」(商品名、コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて、黒アクリル板に貼り付けた防眩フィルムの表面色測定を行った。評価対象は、(1)本実施例で作製されたポリプロピレンフィルムを、粘着剤を介して黒アクリル板に貼合したもの、(2)比較例1で示す既存の防眩処理フィルムを、粘着剤を介して黒アクリル板に貼合したもの、および、(3)黒アクリル板単独である。
正反射光除去(SCE)モードで測定した結果を表1に示す。実施例1で作製されたフィルムの反射色Y=0.96は、比較例1の既存の防眩フィルムの反射色Y=2.12の半分以下であり、散乱光反射の強さ(白ちゃけ)が大きく低減された。
分光測色計「CM−2002」の正反射光込み(SCI)モードで反射色を測定した結果を表2に示す。
正反射光込みの結果においても、実施例1において作製されたフィルムは反射光Y値が小さく、比較例1の既存の防眩フィルムや防眩処理がない黒アクリル板に対して顕著な黒さを示した。このように、本発明の防眩処理が施された光学部材は、正反射光が正面に反射されることを防ぐ効果が高く、優れた防眩性を有することが確認された。
1 光学部材、2 凹凸形状、3 光学部材の表面を平面として捉えた場合における該平面、5 光学部材の主法線方向、6 凹凸を加味した局所的な法線、7 周期境界、8 点光源の配列、9 高低差、10 受光面(反射光積算面)、11 黒アクリル板、12 比較例1の既存の防眩フィルム、13 実施例1の防眩フィルム、21a,21b,23a,23b 凸部の最高部、22a,22b 凹部の最深部、31 画像表示部材、32 光学部材、33 観察者、34 単位要素、35 光散乱部材。

Claims (17)

  1. 表示装置において視認側に配置して用いられ、
    視認側表面に防眩処理が施されており、
    前記視認側表面に傾斜角度が30度を超える領域を含む凹凸形状が形成されている、光学部材。
  2. 前記凹凸形状が曲面上凸様形状であり、
    前記視認側表面を平面として捉え、傾斜角度が30度を超える前記領域を、前記平面に投影して得られる投影図の面積が、前記平面の全面積の60%以上である、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記凹凸形状は、傾斜角度が45度以上である領域を含む、請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記視認側表面を平面として捉え、傾斜角度が45度以上の前記領域を、前記平面に投影して得られる投影図の面積が、前記平面の全面積の50%以上である、請求項3に記載の光学部材。
  5. 前記凹凸形状において、前記凹凸形状の平均高さ以下の領域での平均傾斜角度が、前記平均高さより高い領域での平均傾斜角度よりも大きい、請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材。
  6. 前記凹凸形状が、ランダムに配列されている、請求項1〜5のいずれかに記載の光学部材。
  7. 前記凹凸形状において、隣り合う凸部の最高部間の距離が、5μm以上1700μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の光学部材。
  8. 前記光学部材は防眩フィルムである、請求項1〜7のいずれかに記載の光学部材。
  9. 前記光学部材は偏光板である、請求項1〜7のいずれかに記載の光学部材。
  10. 前記光学部材は内部に微粒子を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の光学部材。
  11. 前記光学部材は、前記視認側表面とは反対側の表面が光散乱性を有する光散乱部材に密接するように配置して用いられる、請求項1〜10のいずれかに記載の光学部材。
  12. 画像表示部材と、前記画像表示部材の視認側に配置されている請求項1〜11のいずれかに記載の光学部材とを備える、表示装置。
  13. 画像表示部材と、前記画像表示部材の視認側に配置されている請求項1〜11のいずれかに記載の光学部材とを備える、液晶表示装置。
  14. 前記光学部材は、前記凹凸形状において各領域の傾斜角度をθとした場合に、前記傾斜角度θと、

    前記画像表示部材の表示面から前記光学部材の前記凹凸形状までの距離Lと、前記画像表示部材の画素サイズPWと、前記光学部材の屈折率N1、前記光学部材の出射側の光媒質の屈折率N2および前記傾斜角度θによって定義されるθ’=arcsin(N÷N×sinθ)とが、以下の式(1)の関係を満たす領域の割合が、前記光学部材の前記視認側表面を平面として捉え、前記平面に投影して得られる投影図の前記平面の全面積に対する割合で50%以上である請求項12に記載の表示装置。
    2×L×tan(θ−θ’)<PW (1)
  15. 前記画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、前記画像表示部材の表示面から前記光学部材の前記凹凸形状までの距離Lと、前記画像表示部材の画素サイズPWとが、以下の式(2)の関係を満たす、請求項12に記載の表示装置。
    2×L×tanα<PW (2)
  16. 画像表示部材と、請求項10に記載の光学部材とを備え、
    前記画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、前記光学部材による光散乱強度分布における半値角度βと、前記画像表示部材の表示面から前記光学部材の前記凹凸形状までの距離Lと、前記光学部材の厚みTと、前記画像表示部材の画素サイズPWとが、以下の式(3)の関係を満たす、表示装置。
    2×T×tan(α+β)+2×(L−T)×tanα<PW (3)
  17. 画像表示部材と、光散乱性を有する光散乱部材と、請求項11に記載の光学部材とを備え、
    前記画像表示部材の出射光強度角度分布における半値角度αと、前記光散乱部材による光散乱強度分布における半値角度βと、前記画像表示部材の表示面から前記光学部材の前記凹凸形状までの距離Lと、前記光散乱部材の厚みと前記光学部材の厚みとを足し合わせた値Tと、前記画像表示部材の画素サイズPWとが、以下の式(4)の関係を満たす、表示装置。
    2×T×tan(α+β)+2×(L−T)×tanα<PW (4)
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