JP2018060134A - 変位可視化センサー - Google Patents

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実 駒田
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豪 千葉
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Abstract

【課題】本開示の実施形態は、構造物または地形のような可視化対象の変形を表示可能な変位可視化センサーであって、従来の装置よりも簡単な構成によって、可視化対象の変形をさらに低コストで表示することができる変位可視化センサーを提供することを主目的とする。
【解決手段】観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられている樹脂層を有し、上記樹脂層の損失弾性率が、0.5MPa以上250MPa以下である変位可視化センサー。
【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、構造物または地形の変形を表示可能な変位可視化センサーに関する。
近年、法面等を含む地形において、自然環境の変化等を要因とする変形およびそれに伴う事故が生じている。また、インフラ設備や高層建築物等のような構造物においても、老朽化や点検不足等を要因とする変形およびそれらに伴う事故が多発している。このため、地形または構造物の管理体制の構築が求められており、中でも地形の監視技術または構造物の点検技術の確立が求められている。
地形の監視技術または構造物の点検技術としては、地形または構造物に設置された変位可視化センサーから地形または構造物の変形に関する情報を通信で送って常時解析する装置が知られているが、このような技術は高コストであるために、このような変形をより低コストで高精度に表示することができ、かつ視覚的に分かり易く表示することができる装置が求められている。また、最近になって、施工時の不備を要因として高層建築物が傾斜する問題が発生している。このため、高層建築物の傾斜によって生じる変形についても、同様に表示することができる装置が求められている。
このように変形を表示する装置としては、例えば、地形または構造物が変形する時に、変形量に連動して表示窓から視認される光の強度や色を変化させることにより、変形量を表示する構造物変状表示装置が知られている(特許文献1)。また、ストライプパターン(ラインアンドスペースパターン)が形成された模様領域をそれぞれが有する一対の基体が、模様領域が重なり合うように所定の間隔を有して平行に配置された上で、監視対象に固定された変形量表示装置が知られている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に開示された装置では、光源部と光源部を搬送する搬送部と搬送部から出射される光を制御するフィルター部とを備える複雑な構成が必要である。また、特許文献2に開示された装置は、2枚の基体における模様領域の干渉によってモアレ縞が生じるように構成する必要がある。
このようなことから、これらの変形を表示する装置よりも簡単な構成によって、地形または構造物の変形をさらに低コストで表示することができる装置が望まれている。
特許5607185号公報 特開2012−247229号公報
本開示の実施形態は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、構造物または地形のような可視化対象の変形を表示可能な変位可視化センサーであって、従来の装置よりも簡単な構成によって、可視化対象の変形をさらに低コストで表示することができる変位可視化センサーを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の実施形態は、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられている樹脂層を有し、上記樹脂層の損失弾性率が、0.5MPa以上250MPa以下である変位可視化センサーを提供する。
本開示の実施形態によれば、可視化対象の変形をさらに低コストで表示することができる。
上記実施形態においては、上記樹脂層が樹脂組成物の硬化物であってもよい。
また、上記実施形態においては、基材をさらに有し、上記樹脂層が上記基材の一方の面に設けられ、上記基材の損失弾性率が、250MPa以下であってもよい。
また、上記実施形態においては、上記樹脂層の凹凸パターン側の面に設けられている反射層をさらに有することが好ましい。観察者側からより明瞭な干渉縞が視認されるようになるからである。
また、上記実施形態においては、上記反射層が金属層であってもよい。
また、上記実施形態においては、上記反射層が上記樹脂層と屈折率差を有する透明層であってもよい。
さらに、上記実施形態においては、上記樹脂層の観察者側に設けられているバリア層をさらに有することが好ましい。紫外線の照射による上記樹脂層の劣化を防止することができるからである。
本開示の実施形態によれば、構造物または地形のような可視化対象の変形をさらに低コストで表示することができる。
本開示の実施形態の変位可視化センサーの一例を示す概略平面図および概略断面図である。 図1に示される変位可視化センサーの実物を示す写真である。 本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例を示す概略図である。 本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例における断面を示す概略断面図である。
以下、本開示の実施形態の変位可視化センサーについて詳細に説明する。
本開示の実施形態の変位可視化センサーは、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられている樹脂層を有し、上記樹脂層の損失弾性率が、0.5MPa以上250MPa以下であることを特徴とするものである。本開示の実施形態における樹脂層としては、例えば、樹脂組成物の硬化物が挙げられる。
本開示の実施形態の変位可視化センサーについて、図を参照して説明する。図1(a)は本開示の実施形態の変位可視化センサーの一例を示す概略平面図である。また、図1(b)は図1(a)に示される変位可視化センサーの微小領域R1におけるライン状の凹凸パターンの長手方向に垂直な断面を示す概略断面図である。また、図2(a)は図1に示される変位可視化センサーの実物を示す写真である。さらに、図2(b)は図2(a)に示される変位可視化センサーを横方向に伸ばした状態を示す写真である。
図1に示される変位可視化センサー10は、基材1と、基材1の観察者側の面に設けられた樹脂層2と、基材1の観察者側とは反対側の面に設けられた接着層3とを有する。樹脂層2の観察者側の面には、ライン状の凹凸パターン22が設けられている。
ライン状の凹凸パターン22においては、ライン状の凸部22aおよびライン状の凹部22bが交互に配置され、かつ隣接するライン状の凸部22aおよびライン状の凹部22bとの幅の和がP(1μm)で一定となっている。また、ライン状の凹凸パターン22の長手方向、すなわちライン状の凸部22aおよびライン状の凹部22bの長手方向はすべて同一のL方向に揃っている。
これにより、変位可視化センサー10は、図2(a)に示されるように観察者側から干渉縞10aが視認されるように構成されている。変位可視化センサー10では、観察者側からの光が、樹脂層2の観察者側の面に設けられているライン状の凹凸パターン22によって反射する反射光の回折光が生じ、回折光が干渉することにより、観察者側から干渉縞が視認される。
また、変位可視化センサー10において、樹脂層2は、樹脂組成物の硬化物である。樹脂組成物の硬化物の損失弾性率は、0.5MPa以上250MPa以下となっている。さらに、基材1の損失弾性率は、250MPa以下となっている。
これにより、変位可視化センサー10をL方向と垂直な方向に、例えば0.1%以上3%以下の範囲内で伸ばす時には、樹脂層2および基材1にクラックが生じることなく樹脂層2および基材1が伸びることになる。この結果、観察者側から視認される干渉縞10aは、図2(b)に示されるように変化することになる。
したがって、図1に示される変位可視化センサー10を接着層3を介して可視化対象に貼り付けて用いると、変位可視化センサー10が可視化対象の変形に伴って変形するので、観察者側から視認される干渉縞10aが変化する。このため、観察者側から視認される干渉縞10aの変化により可視化対象の変形を表示可能となる。
以上のように、本開示の実施形態によれば、例えば、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられている樹脂層のみを有する簡単な構成の変位可視化センサーによって、可視化対象の変形を表示可能である。このため、可視化対象の変形を従来よりも低コストで表示することができる。
以下、本開示の実施形態の変位可視化センサーの各構成について説明する。
1.樹脂層
本開示の実施形態における樹脂層は、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられているものである。
(1)損失弾性率
本開示の実施形態における樹脂層は、損失弾性率が0.5MPa以上250MPa以下である。
樹脂層の損失弾性率が0.5MPaより小さい場合には、樹脂層を形成するために、凹凸パターンに対応する凹凸パターンを表面に有する金型(以下、凹凸パターン形成用金型とする。)を樹脂組成物に押し当てて硬化した後に凹凸パターン形成用金型を樹脂組成物の硬化物から剥離する時に、樹脂組成物の硬化物が伸びやすく樹脂残りが発生し易い。また、樹脂層の損失弾性率が250MPaより大きい場合には、可視化対象に貼り付けられた変位可視化センサーが可視化対象の変形に伴って変形する時において、樹脂層にクラックが生じてしまい、結果的に樹脂層が伸びないために、干渉縞の変化が生じないことがある。
樹脂層の損失弾性率としては、0.5MPa以上250MPa以下であれば特に限定されるものではないが、中でも0.5MPa以上200MPa以下であることが好ましい。樹脂層の損失弾性率が200MPaより大きい場合には、可視化対象に貼り付けられた変位可視化センサーが可視化対象の変形に伴って変形する時において、樹脂層にクラックが生じ易くなり樹脂層が伸びにくくなるために、干渉縞の変化が生じにくくなるからである。
本開示の実施形態において、樹脂層の損失弾性率は、JIS K7244に準拠して、以下の方法により測定される。
まず、樹脂組成物を十分に硬化させて、両面に凹凸パターンが設けられていない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの単膜の樹脂層とする。
次いで、25℃下、上記単膜の樹脂層の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、上記単膜の樹脂層の損失弾性率が求められる。測定装置としては、例えば、UBM製 Rheogel E400を用いることができる。
(2)樹脂組成物の硬化物
本開示の実施形態における樹脂層としては、樹脂組成物の硬化物を含んでいるものが好ましく、中でも樹脂組成物の硬化物からなるものが好ましい。
ここで、樹脂組成物の硬化物として、例えば、熱可塑性樹脂を冷却して硬化した樹脂、熱硬化性樹脂を含む組成物を加熱して硬化した樹脂(熱硬化樹脂)、または電離放射線硬化性樹脂を含む組成物を電離放射線の照射により硬化した樹脂(電離放射線硬化樹脂)等が挙げられる。
また、「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。中でも紫外線、電子線が好ましい。
このような樹脂組成物の硬化物に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または電離放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;シリコーン樹脂;ポリビニルアルコール;特開2015−27811号公報等に開示される共重合体等の、従来公知の樹脂を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエーテル(メタ)アクリレート樹脂、ポリオール(メタ)アクリレート樹脂、メラミン(メタ)アクリレート樹脂、トリアジン系アクリレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂等が好ましい。損失弾性率の設計範囲が広く、微細な凹凸パターンの成形性も高いからである。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物としては、さらに光重合開始剤を含むことが好ましい。硬化反応を開始または促進させることができるからである。上記光重合開始剤の種類としては、一般的に使用されているものを用いることができる。
樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の割合は、0.8質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、中でも0.9質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
樹脂組成物としては、塗工性を付与する点から溶剤を含むものでもよい。溶剤は、樹脂組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散可能な溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、シクロヘキサン等のアノン系溶剤、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶剤を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、樹脂組成物に用いられる溶剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶剤の混合溶剤でもよい。
樹脂組成物全量に対する固形分の割合は、20質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、中でも30質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。なお、本開示の実施形態において固形分とは、樹脂組成物中の溶剤以外のすべての成分を表す。
樹脂組成物としては、本開示の実施形態の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含むものでもよい。その他の成分としては、例えば、濡れ性調整のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤、離型剤等が挙げられる。
(3)凹凸パターン
凹凸パターンとしては、観察者側から干渉縞が視認されるように樹脂層の一方の面に設けられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ライン状の凹凸パターン、格子状の凹凸パターン等が挙げられる。
ライン状の凹凸パターンとしては、一定のピッチで一方向に設けられているものが好ましい。
ここで、一定のピッチで一方向に設けられているライン状の凹凸パターンとは、ライン状の凸部およびライン状の凹部が交互に配置されかつ隣接するライン状の凸部およびライン状の凹部との幅の和が一定であり、ライン状の凸部およびライン状の凹部の長手方向がすべて同一の一方向に揃っているものを意味する。なお、ライン状の凹凸パターンの長手方向とは、ライン状の凸部およびライン状の凹部の長手方向を意味する。
また、ライン状の凸部およびライン状の凹部の長手方向の断面形状としては、特に限定されないが、例えば矩形、台形、三角形、波形、半円形等が挙げられる。中でも台形が好ましい。凹凸パターンの側面が傾斜面となることから、凹凸パターンを容易に形成することができるからである。また、断面が台形状の凸部および凹部間で光が干渉しやすくなるため、光源の種類に応じた意匠性を発現しやすくなるからである。
ライン状の凸部の頂部またはライン状の凹部の底部は、長手方向の断面に応じて平坦面であってもよく、尖っていてもよく、曲面を有していてもよい。
ライン状の凸部およびライン状の凹部は、等幅であってもよく、異なる幅であってもよい。
格子状の凹凸パターンとしては、直交する二方向に一定のピッチで設けられているものが好ましい。
ここで、直交する二方向に一定のピッチで設けられている格子状の凹凸パターンとは、直交する二方向に一定のピッチで設けられている複数の正方形の凸部と、上記凸部に隣接する領域に設けられている凹部と、からなるパターン、または直交する二方向に一定のピッチで設けられている複数の正方形の凹部と、上記凹部に隣接する領域に設けられている凸部と、からなるパターンを意味する。
凹凸パターンのピッチ(凹凸周期)としては、観察者側から干渉縞が視認可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば0.5μm〜15μmの範囲内、中でも0.8μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。凹凸パターンのピッチが上記範囲を外れると、上記樹脂層において、凹凸パターンによる光の回折や干渉が生じにくくなり、干渉縞の視認が困難になる場合があるからである。
ここで、凹凸パターンのピッチとは、凹凸パターンにおける凸部および凹部が繰り返す幅、すなわち凹凸パターンにおける隣接する凸部および凹部の幅の和を意味する。具体的には、一定のピッチで一方向に設けられているライン状の凹凸パターンでは、隣接するライン状の凸部およびライン状の凹部との幅の和を意味し、例えば、図1(b)においてPで示す部分である。また、直交する二方向に一定のピッチで設けられている格子状の凹凸パターンでは、直交する二方向に設けられている隣接する正方形の凸部の中心間の距離を意味する。
また、凹凸パターンの凹凸段差としては、上記樹脂層において、回折光および干渉光が生じる大きさであればよく、例えば0.05μmよりも大きく20μmよりも小さいことが好ましく、中でも0.1μm〜3μmの範囲内が好ましい。凹凸段差が上記範囲よりも大きいと、凹凸パターンを上記樹脂層の一方の面に設けることが困難な場合がある。一方、凹凸段差が上記範囲よりも小さいと、上記樹脂層において、回折光および干渉光が生じにくくなり、光源の種類に応じた所望の意匠性が発現されない場合がある。なお、凹凸パターンの凹凸段差とは、図1(b)においてTで示す部分である。
(4)その他
上記樹脂層としては、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられているものであれば特に限定されるものではないが、複数の単位画素が配置されてなる単位画素群を一方の面に備え、上記単位画素には、少なくとも5本以上のライン状の凹凸パターンが、一定のピッチで一方向に設けられており、上記単位画素群内では、隣接する2つの上記単位画素のうち、一方の上記単位画素の凹凸パターンの長手方向と、他方の上記単位画素の凹凸パターンの長手方向とが、交差関係にあるものが好ましい。
ここで、少なくとも5本以上のライン状の凹凸パターンが、一定のピッチで一方向に設けられているとは、少なくとも合計で5本以上のライン状の凸部およびライン状の凹部が交互に配置されかつ隣接するライン状の凸部およびライン状の凹部との幅の和が一定であり、ライン状の凸部およびライン状の凹部の長手方向がすべて同一の一方向に揃っていることを意味する。
図3(a)は本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例を示す概略平面図である。また、図3(b)は単位画素群の一部の拡大平面図であり、図3(a)のA部分の拡大図に相当する。図3(c)は図3(b)のX−X線断面図であり、単位画素の概略断面図である。
図3に示される変位可視化センサー10は、基材1と、基材1の観察者側の面に設けられ、複数の単位画素11が配置されてなる単位画素群を観察者側の面に備える樹脂層2とを有する。単位画素11には、少なくとも5本以上のライン状の凹凸パターン22が、一定のピッチで一定の方向で形成されている。具体的には、少なくとも合計で5本以上のライン状の凸部22aおよびライン状の凹部22bが交互に配置され、かつ隣接するライン状の凸部22aおよびライン状の凹部22bとの幅の和がPで一定であり、ライン状の凸部22aおよびライン状の凹部22bの長手方向がすべて同一の方向(L1方向またはL2方向)に揃っている。
単位画素群内では、隣接する2つの単位画素11のうち、一方の単位画素11の凹凸パターン22の長手方向(L1方向)と、他方の単位画素11の凹凸パターン22の長手方向(L2方向)とが、交差関係となるように配置されている。
本開示の実施形態の変位可視化センサーでは、図3に示される変位可視化センサー10のように、上記樹脂層の一方の面において上述の構造を有することで、面光源からの光に対しては、回折光等により視認方向に因らず、高光沢かつ明瞭な色や柄を光沢色の色みの変化を伴わずに表示することが可能となり、一方、点光源からの光に対しては、視認方向に因らず、特定方向に分光した回折光等による光輝感を有する柄を表示することが可能となる。
単位画素の平面視形状としては、所望のライン状の凹凸パターンを有し、後述する所望のアスペクト比を有する形状であればよい。
単位画素のアスペクト比としては、10:1〜1:10の範囲内であることが好ましく、中でも5:1〜1:5の範囲内であることが好ましい。単位画素のアスペクト比が上記範囲よりも大きいと、上記樹脂層において、モアレが生じ、所望の意匠性が発現されない場合がある。
単位画素のアスペクト比は、単位画素に外接する最小の正方形または長方形を想定したときの、上記正方形の直交関係にある二辺の比または上記長方形の長辺と短辺との比をいう。
単位画素の平面視形状の大きさとしては、単位画素内に所望の本数の凹凸パターンを有することが可能な大きさであればよい。
単位画素内に含まれるパターン本数としては、1つの単位画素あたり5本以上であればよく、5本以上1000本以下であることが好ましく、中でも10本以上100本以下であることが好ましい。単位画素内に含まれるパターン本数が上記範囲よりも多いと、単位画素が大きくなり、上記樹脂層において、単位画素が目視されやすくなる場合がある。一方、単位画素内に含まれるパターン本数が上記範囲よりも少ないと、上記樹脂層において生じる回折光および干渉光の強度が弱くなり、所望の意匠性を発現できない場合がある。
パターン本数とは、ライン状の凸部の本数とライン状の凹部の本数との合計本数をいう。
単位画素群は複数の単位画素により構成される。単位画素群は、同一の単位画素により構成されていてもよく、凹凸パターンの形状や寸法、単位画素の平面視形状等の異なる複数種類の単位画素により構成されていてもよい。
(5)樹脂層
上記樹脂層は透明であってもよく、半透明または不透明であってもよい。また、上記樹脂層は着色されていてもよい。上記樹脂層の透明性としては、上記変位可視化センサーの背面側が視認可能な範囲内が好ましく、具体的には、可視光線透過率が70%以上であるものが好ましく、中でも可視光線透過率が80%以上、特に可視光線透過率が90%以上であるものが好ましい。上記変位可視化センサーが設置された可視化対象に生じるクラックを、上記変位可視化センサーを介して視認可能となるからである。
なお、上記可視光線透過率は、分光光度計((株)島津製作所製 UV−2450、JIS K 0115準拠品)を用い、PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、膜厚100μm、東洋紡績製)上に形成された膜厚10μmの上記樹脂層に対し、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定された値である。
上記樹脂層の厚さとしては、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンを設けることが可能な厚さであればよく、例えば1μm〜2mmの範囲内である。なお、上記樹脂層の厚さとは、図1(b)においてHで示す部分である。
上記変位可視化センサーが、図1に示される変位可視化センサー10のように、後述する基材をさらに有する場合には、上記樹脂層の厚さとしては、3μm〜100μmの範囲内が好ましい。この範囲より小さいと、微細な凹凸パターンの成形性も低くなる可能性があるからであり、この範囲より大きいと、材料量およびその費用が増大する場合があるからである。また、上記変位可視化センサーが、後述する基材を有さない場合には、200μm〜1mmの範囲内が好ましい。この範囲より小さいと、上記変位可視化センサーが他のもので支持することなく自立して形状を維持することができなくなり、ハンドリングが悪くなる可能性があるからである。この範囲より大きいと、材料量およびその費用が増大する場合があるからである。
上記樹脂層としては、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられているものであれば特に限定されるものではないが、クラックが生じることなく伸長可能な伸長率が0.1%以上であるものが好ましく、中でも上記伸長率が0.5%以上であるもの、特に上記伸長率1%以上であるものが好ましい。後述する「5.可視化対象」に記載の可視化対象において可視化する必要がある大きさの変形を表示可能となるからである。なお、クラックが生じることなく伸長可能な上記樹脂層の伸長率の上限は、通常の範囲内であれば特に限定されず、例えば、10%以下であればよい。
2.基材
本開示の実施形態の変位可視化センサーは、基材をさらに有し、上記樹脂層が上記基材の一方の面に設けられ、上記基材の損失弾性率が、250MPa以下であるものでもよい。
基材の損失弾性率が250MPaより大きい場合には、可視化対象に貼り付けられた変位可視化センサーが可視化対象の変形に伴って変形する時において、基材にクラックが生じてしまい、結果的に基材が伸びないために、干渉縞の変化が生じないことがある。
上記基材の損失弾性率としては、250MPa以下であれば特に限定されるものではないが、中でも0.5MPa以上200MPa以下であることが好ましい。上記基材の損失弾性率が0.5MPaより小さい場合には、ハンドリングしにくくなる場合があるからであり、上記基材の損失弾性率が200MPaより大きい場合には、可視化対象に貼り付けられた変位可視化センサーが可視化対象の変形に伴って変形する時において、基材にクラックが生じ易くなり基材が伸びにくくなるために、干渉縞の変化が生じにくくなるからである。
上記基材の損失弾性率は、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの上記基材について、上記「1.樹脂層 (1)損失弾性率」に記載の樹脂層の損失弾性率の測定方法と同様の方法により測定される。
上記基材としては、観察者側の面に上記樹脂層の形成が可能なものであれば特に限定されるものではないが、クラックが生じることなく伸長可能な伸長率が0.1%以上であるものが好ましく、中でも上記伸長率が0.5%以上であるもの、特に上記伸長率1%以上であるものが好ましい。後述する「5.可視化対象」に記載の可視化対象において可視化する必要がある大きさの変形を表示可能となるからである。なお、クラックが生じることなく伸長可能な上記基材の伸長率の上限は、通常の範囲内であれば特に限定されず、例えば、10%以下であればよい。
上記基材としては、観察者側の面に上記樹脂層の形成が可能なものであれば特に限定されるものではないが、従来公知の材質からなるものが挙げられる。基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、各種ナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン等の樹脂フィルム等が挙げられる。これらは単独、または適宜積層して使用することができる。
また、上記基材が樹脂フィルムである場合、樹脂フィルムに用いられる樹脂は、上記樹脂層を構成する樹脂と同じであってもよい。この場合、基材と樹脂層とが一体であってもよい。
上記基材の厚さについては特に限定されず、基材の材質等に応じて適宜設定することが
できるが、例えば50μm〜2mmの範囲内で設定することが好ましい。
上記基材の樹脂層側の面は、樹脂層との密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、オゾン処理などの易接着性処理やプライマーコート等の表面処理が施されていてもよい。
3.その他の層
(1)反射層
本開示の実施形態の変位可視化センサーとしては、上記樹脂層の凹凸パターン側の面に設けられている反射層をさらに有するものが好ましい。凹凸パターンにより回折し、干渉する反射光の強度が大きくなるために、観察者側からより明瞭な干渉縞が視認されるようになるからである。
ここで、図4(a)は本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例における図1(b)に示される断面に対応する断面を示す概略断面図である。
図4(a)に示される変位可視化センサー10は、図1に示される変位可視化センサー10の構成に加えて、樹脂層2の観察者側の面に設けられている金属層4をさらに有している。これにより、図4(a)に示される変位可視化センサー10では、金属層4の観察者側の面に設けられている凹凸パターンによって反射する反射光の回折光が生じ、回折光が干渉することにより、観察者側から干渉縞が視認される。このため、図1に示される変位可視化センサー10と比較して、凹凸パターンにより回折し、干渉する反射光の強度が大きくなるので、より明瞭な干渉縞が視認されるようになる。
また、図4(b)は本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例における図1(b)に示される断面に対応する断面を示す概略断面図である。
図4(b)に示される変位可視化センサー10は、図1に示される変位可視化センサー10の構成に加えて、樹脂層2の観察者側の面に設けられている透明層5をさらに有している。透明層5は、樹脂層2と、例えば1.0以上の屈折率差を有している。これにより、図4(b)に示される変位可視化センサー10では、樹脂層2との屈折率差が空気より大きい透明層5と樹脂層2との界面に設けられている凹凸パターンによって反射する反射光の回折光が生じ、回折光が干渉することにより、観察者側から干渉縞が視認される。このため、図1に示される変位可視化センサー10と比較して、凹凸パターンにより回折し、干渉する反射光の強度が大きくなるので、より明瞭な干渉縞が視認されるようになる。
上記反射層としては、例えば、図4(a)に示されるような金属層や図4(b)に示されるような上記樹脂層と屈折率差を有する透明層等が挙げられる。中でも上記透明層が好ましい。上記変位可視化センサーが設置された可視化対象に生じるクラックを、上記変位可視化センサーを介して視認可能となるからである。
上記金属層としては、光を反射することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb等の金属およびその酸化物、窒化物、硫化物等を単独若しくは2種類以上組み合わせた混合物からなるものが挙げられる。中でもAl、Cr、Ni、Ag、Au等からなるものが好ましい。上記金属層の厚さとしては、1nm〜10000nmの範囲内、中でも20nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
上記透明層としては、上記樹脂層と屈折率差を有し、かつ上記変位可視化センサーの背面側が視認可能な透明性を有するものであれば特に限定されるものではないが、酸化チタン(TiO)、硫化亜鉛(ZnS)、Cu・Al複合金属酸化物等からなるもの等が挙げられる。上記透明層の厚さとしては、20nm以下であることが好ましい。
上記透明層と上記樹脂層との屈折率差としては、上記透明層と上記樹脂層との界面で光を反射することができるものであれば特に限定されるものではないが、0.1以上であることが好ましく、中でも0.5以上、特に1.0以上であることが好ましい。
上記透明層の透明性としては、上記変位可視化センサーの背面側が視認可能な範囲内であればよいが、可視光線透過率が70%以上であるものが好ましく、中でも可視光線透過率が80%以上、特に可視光線透過率が90%以上であるものが好ましい。
なお、上記可視光線透過率の測定方法については、上記「1.樹脂層 (5)樹脂層」に記載の測定方法と同様である。
また、上記反射層の形成方法としては、昇華、真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気めっき等の公知の方法が挙げられる。
(2)バリア層
本開示の実施形態の変位可視化センサーは、上記樹脂層の観察者側に設けられているバリア層をさらに有するものでもよい。紫外線の照射による上記樹脂層の劣化を防止することができるからである。
ここで、図4(c)は本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例における図1(b)に示される断面に対応する断面を示す概略断面図である。
図4(c)に示される変位可視化センサー10は、図4(b)に示される変位可視化センサー10の構成に加えて、透明層5の観察者側の面に設けられているバリア層6をさらに有している。このため、変位可視化センサー10では、バリア層6により、紫外線の照射による樹脂層2および透明層5の劣化を防止することができる
バリア層の材料としては、上記樹脂層の劣化の原因となる波長光を吸収することが可能であり、上記樹脂層が視認可能な程度の透明性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、紫外線吸収剤およびバインダー樹脂を含むバリア層形成用組成物等が挙げられる。紫外線吸収剤およびバインダー樹脂としては、一般的に紫外線吸収層に用いられているものを用いることができ、例えば、特開2010−122391号公報に記載の材料を用いることができる。バリア層の形成方法としては、一般的に紫外線吸収層の形成方法として用いられている方法を用いることができ、例えば、特開2010−122391号公報に記載の方法を用いることができる。また、上記バリア層の透明性については、上記「(1)反射層」に記載の透明層の透明性と同様である。
(3)接着層
本開示の実施形態の変位可視化センサーとしては、図1に示される変位可視化センサー10のように、観察者側の面とは反対側の面に設けられている接着層をさらに有するものが好ましい。上記変位可視化センサーの観察者側の面とは反対側の面を上記接着層を介して可視化対象に接着することにより、上記変位可視化センサーを可視化対象に貼り付けることができるからである。
4.変位可視化センサー
上記基材をさらに有する本開示の実施形態の変位可視化センサーとしては、図1および図4(a)〜図4(c)に示されているように上記樹脂層が上記基材の観察者側に設けられているものでもよいが、上記樹脂層が上記基材の観察者側とは反対側に設けられているものでもよい。上記基材が上記樹脂層の保護層として寄与するようになり、かつ上記変位可視化センサーの観察者側の面が平滑な面となるからである。
ここで、図4(d)は本開示の実施形態の変位可視化センサーの他の例における図1(b)に示される断面に対応する断面を示す概略断面図である。
図4(d)に示される変位可視化センサー10は、基材1と、基材1の観察者側とは反対側の面に設けられたバリア層6と、バリア層6の観察者側とは反対側の面に設けられた樹脂層2とを有する。樹脂層2の観察者側とは反対側の面には、ライン状の凹凸パターン22が設けられている。また、変位可視化センサー10は、樹脂層2の観察者側とは反対側の面に設けられている金属層4をさらに有し、金属層4の観察者側とは反対側の面に設けられている接着層3をさらに有する。変位可視化センサー10では、基材1が樹脂層2の保護層として寄与するようになり、かつ変位可視化センサー10の観察者側の面が平滑な面となる。
5.可視化対象
本開示の実施形態の変位可視化センサーを用いて変形を可視化する可視化対象としては、例えば、地形や構造物等が挙げられる。
また、可視化対象となる地形としては、自然の地形のみに限定されず、人工的に形成された地形も含まれるが、可視化対象となる自然の地形としては、山の斜面、崖の壁面等が挙げられ、可視化対象となる人工的に形成された地形としては、法面、土手等が挙げられる。また、可視化対象となる構造物としては、トンネルや橋のようなインフラ設備や高層建築物等が挙げられる。可視化対象としては、これらの中でも、法面および高層建築物等が好ましい。本開示の実施形態の変位可視化センサーを用いて変形を可視化する要望が特に強いからである。
6.用途
本開示の実施形態の変位可視化センサーの用途としては、可視化対象の変形を可視化する用途であれば特に限定されるものではないが、例えば、可視化対象の第1位置に対する第2位置の直線方向の変位を可視化する用途、可視化対象の第1位置に対する第2位置の軸回りの変位を可視化する用途、可視化対象の表面形状の変化を可視化する用途、可視化対象の表面の各位置における変形を可視化する用途等が挙げられる。
7.製造方法
本開示の実施形態の変位可視化センサーの製造方法としては、観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられている樹脂層を形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的に用いられている方法を用いることができる。例えば、まず基材の一方の面に、樹脂層用の樹脂組成物を塗布し、凹凸パターン形成用金型の表面の凹凸パターンを、上記樹脂組成物の塗膜に賦型した後、該樹脂組成物を硬化させることにより凹凸パターンを形成し、凹凸パターン形成用金型を剥離する方法、凹凸パターン形成用金型の凹凸パターン側の表面に、該樹脂組成物を滴下した後に、該樹脂組成物を硬化させることにより樹脂層を形成し、凹凸パターン形成用金型を剥離する方法等が挙げられる。上記樹脂組成物を硬化させる方法は、該樹脂組成物の種類等に応じて適宜選択することができる。
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の実施形態の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の実施形態の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示の実施形態をさらに詳細に説明する。
[実施例1〜2および比較例1〜2]
1.凹凸パターン形成用金型の準備
断面形状が頂角90°の二等辺三角形である切削バイトを準備し、機械切削装置(FANUC製ROBONANO)を使って、厚さ1mm、150mm角の銅板の表面にライン状の凹部を形成した。この際、切削のピッチを1μmとした。この結果、銅板の表面において、各ライン状の凹部間にはライン状の凸部が形成された。これにより、銅板の表面に、ライン状の凸部およびライン状の凹部が交互に配置され、かつ隣接するライン状の凸部およびライン状の凹部との幅の和(ピッチ(凹凸周期))が1μmで一定となっているライン状の凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成用金型を準備した。この金型のライン状の凹凸パターンの長手方向、すなわちライン状の凸部およびライン状の凹部の長手方向はすべて同一の方向に揃っている。また、この金型において、ライン状の凹部の長手方向の断面形状は切削バイトに対応する二等辺三角形になっており、ライン状の凸部の長手方向の断面形状も二等辺三角形になっている。さらに、ライン状の凹凸パターンの凹凸段差は、0.5μmとなっている。
2.変位可視化センサーの製造
凹凸パターン形成用金型の凹凸パターン側の表面に、熱硬化性樹脂として2液硬化型のシリコーン樹脂(信越化学製)を含む熱硬化性樹脂組成物を滴下した。その後、下記表1に示される実施例1〜2および比較例1〜2の条件で、室温で硬化させるか、または加熱して硬化させた。硬化後、凹凸パターン形成用金型から熱硬化性樹脂組成物の硬化物を剥離して、表面にライン状の凹凸パターンが設けられている厚さが500μmの樹脂層を形成した。これにより、下記表1に示される実施例1〜2および比較例1〜2の変位可視化センサーを製造した。
[実施例3〜4および比較例3〜4]
1.凹凸パターン形成用金型の準備
実施例1〜2および比較例1〜2と同一の凹凸パターン形成用金型を準備した。
2.変位可視化センサーの製造
まず、平坦な銅板の表面に、熱硬化性樹脂として2液硬化型のシリコーン樹脂(信越化学製)を含む熱硬化性樹脂組成物を滴下した。その後、下記表1に示される実施例3〜4および比較例3〜4の条件で、室温で硬化させるか、または加熱して硬化させた。硬化後、平坦な銅板の表面から熱硬化性樹脂組成物の硬化物を剥離して、厚さが500μmの基材を形成した。
続いて、凹凸パターン形成用金型の凹凸パターン側の表面に、熱硬化性樹脂として2液硬化型のシリコーン樹脂(信越化学製)を含む熱硬化性樹脂組成物を滴下し、その上に上述したように作製した基材を載せた。その後、下記表1に示される実施例3〜4および比較例3〜4の条件で、室温で硬化させるか、または加熱して硬化させた。硬化後、凹凸パターン形成用金型から熱硬化性樹脂組成物の硬化物を剥離して、表面にライン状の凹凸パターンが設けられている厚さが100μmの樹脂層を基材上に形成した。これにより、下記表1に示される実施例3〜4および比較例3〜4の変位可視化センサーを製造した。
[評価]
(干渉縞)
実施例1〜4および比較例1〜4で製造した変位可視化センサーを、ライン状の凹凸パターンが設けられている面側から観察した。その結果、これら全ての変位可視化センサーにおいて干渉縞を視認することができた。また、実施例1〜4および比較例1〜4で製造した変位可視化センサーをライン状の凹凸パターンの長手方向と垂直な方向に0.1%以上3%以下の範囲内で伸ばしたところ、これら全ての変位可視化センサーにおいて干渉縞が変化した。
(樹脂残り)
実施例1〜4および比較例1〜4において、凹凸パターン形成用金型から熱硬化性樹脂組成物の硬化物を剥離した時において、凹凸パターン形成用金型への樹脂残りを評価した。
樹脂残りは、以下のように評価した。
◎:大きさが0.2mm以下の樹脂残りは発生したが、大きさが0.2mmを超える樹脂残りが発生しなかった。
○:大きさが1.0mm以下の樹脂残りは発生したが、大きさが1.0mmを超える樹脂残りは発生しなかった。
×:大きさが1.0mmを超える樹脂残りが発生した。
結果を樹脂層および基材の損失弾性率とともに表1に示す。
(伸長性)
実施例1〜4および比較例1〜4で製造した変位可視化センサーを、ライン状の凹凸パターンの長手方向と垂直な方向に伸ばした時の変化を観察することにより、伸長性を評価した。
伸長性は、以下のように評価した。
・変位可視化センサーが基材を有しない場合(実施例1〜2および比較例1〜2)
◎:樹脂層を1%伸ばしても樹脂層にクラックが生じなかった。
○:樹脂層を0.5%伸ばしても樹脂層にクラックが生じなかったが、1%伸ばした時に樹脂層にクラックが生じた。
×:樹脂層を0.5%伸ばした時に樹脂層にクラックが生じた。
結果を表1に示す。
・変位可視化センサーが基材を有する場合(実施例3〜4および比較例3〜4)
◎:基板および樹脂層を1%伸ばしても基板および樹脂層にクラックが生じなかった。
○:基板および樹脂層を0.5%伸ばしても基板および樹脂層にクラックが生じなかったが、1%伸ばした時に基板および樹脂層にクラックが生じた。
×:基板および樹脂層を0.5%伸ばした時に基板および樹脂層にクラックが生じた。
結果を樹脂層および基材の損失弾性率とともに表1に示す。
10 … 変位可視化センサー
1 … 基材
2 … 樹脂層
2a … 凹凸パターン

Claims (7)

  1. 観察者側から干渉縞が視認されるように一方の面に凹凸パターンが設けられている樹脂層を有し、
    前記樹脂層の損失弾性率が、0.5MPa以上250MPa以下である変位可視化センサー。
  2. 前記樹脂層が樹脂組成物の硬化物からなる請求項1に記載の変位可視化センサー。
  3. 基材をさらに有し、
    前記樹脂層が前記基材の一方の面に設けられ、
    前記基材の損失弾性率が、250MPa以下である請求項1または請求項2に記載の変位可視化センサー。
  4. 前記樹脂層の凹凸パターン側の面に設けられている反射層をさらに有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の変位可視化センサー。
  5. 前記反射層が金属層である請求項4に記載の変位可視化センサー。
  6. 前記反射層が前記樹脂層と屈折率差を有する透明層である請求項4に記載の変位可視化センサー。
  7. 前記樹脂層の観察者側に設けられているバリア層をさらに有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の変位可視化センサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018123220A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 バンドー化学株式会社 加飾フィルム及び加飾成形品
JP2020093517A (ja) * 2018-12-04 2020-06-18 大日本印刷株式会社 加飾樹脂成形品

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