JP2018123220A - 加飾フィルム及び加飾成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】引き伸ばされた場合であっても3次元調意匠を良好に維持できる加飾フィルム、及び、該加飾フィルムを用いて得られる加飾成形品を提供する。【解決手段】3次元調意匠を発現する意匠面が設けられた樹脂フィルムを少なくとも有する加飾フィルムであって、上記意匠面は、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域が、それぞれ0.05〜10mmの幅で複数配置されており、かつ、隣接し合う上記領域に設けられた上記微細凹凸の延伸方向が互いに異なっており、上記線状の微細凹凸は、最大高さRyが5〜30μmであり、かつピッチが0.05〜0.15mmであり、上記樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂及び可塑剤を含有し、上記可塑剤の含有量が上記熱可塑性樹脂100重量部に対して15〜30重量部であり、上記樹脂フィルムの厚さは、100〜300μmである加飾フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾フィルム及び加飾成形品に関する。
従来、意匠面を有する加飾フィルムを基材(被着体)に貼り付けることによって、基材を装飾する方法が利用されてきた。加飾フィルムについては、用途拡大や意匠性向上の観点から、更に多様な意匠を実現できることが求められており、例えば、3次元調意匠を付与する方法が検討されている。加飾フィルムの分野において、3次元調意匠の付与に関係する先行技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、熱可塑性樹脂基材上に、石目柄層、更に石目柄層の全面を覆うように透明又は半透明の樹脂フィルムが順に積層され、石目柄層と樹脂フィルムとの界面には、閉鎖域で区画され、隣接する閉鎖域間で並ぶ方向が異なる、溝の深さが3〜100μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000μmである線群状のパターンからなる溝状凹凸模様を有する化粧シートが開示されている。特許文献1によれば、この化粧シートは、石目柄独特の表現に適した、優れた深みや奥行き等の立体感、石目柄の結晶粒の光輝感を表現でき、より優れた意匠表現が可能なものである。
特開平08−52849号公報
ところで、近年では、平坦面だけでなく、3次元曲面に対しても加飾フィルムを貼り付けることが検討されている。しかしながら、一般に、加飾フィルムを、その意匠を損なうことなく引き伸ばして3次元曲面の形状に追従させることは困難である。そのため、任意の3次元曲面に対して、3次元調意匠を損なわずに追従できる伸長性を備えた加飾フィルムが求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、引き伸ばされた場合であっても3次元調意匠を良好に維持できる加飾フィルム、及び、該加飾フィルムを用いて得られる加飾成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、引き伸ばされた場合であっても3次元調意匠を良好に維持できる加飾フィルムについて検討する中で、線状の微細凹凸を有する複数の領域を設けることによって3次元調意匠を発現させる手法に着目した。そして、種々の検討を重ねた結果、(1)領域の幅を0.05〜10mm、微細凹凸の最大高さRyを5〜30μm、微細凹凸のピッチを0.05〜0.15mmとし、(2)意匠面が設けられる樹脂フィルム中の熱可塑性樹脂と可塑剤の重量比を100:15〜30の範囲内とし、(3)樹脂フィルムの厚さを100〜300μmとする各条件をすべて満たせば、フィルムが引き伸ばされた場合であっても微細凹凸の消失や顕著な変形を抑制することができ、3次元調意匠が良好に維持されることを見出し、本発明を完成した。
本発明の加飾フィルムは、3次元調意匠を発現する意匠面が設けられた樹脂フィルムを少なくとも有する加飾フィルムであって、上記意匠面は、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域が、それぞれ0.05〜10mmの幅で複数配置されており、かつ、隣接し合う上記領域に設けられた上記微細凹凸の延伸方向が互いに異なっており、上記線状の微細凹凸は、最大高さRyが5〜30μmであり、かつピッチが0.05〜0.15mmであり、上記樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂及び可塑剤を含有し、上記可塑剤の含有量が上記熱可塑性樹脂100重量部に対して15〜30重量部であり、上記樹脂フィルムの厚さは、100〜300μmであることを特徴とする。
上記熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニルを含むことが好ましい。
上記樹脂フィルムは、更に、輝度顔料を含有してもよい。
上記加飾フィルムは、更に、上記樹脂フィルムの上記意匠面とは反対側に、粘接着剤層と、上記粘接着剤層の表面に貼り付けられたセパレーターとを有してもよい。
本発明の加飾成形品は、3次元曲面部を有する基材と、上記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、上記加飾フィルムは、本発明の加飾フィルムから上記セパレーターを剥離したものであり、上記粘接着剤層を介して上記3次元曲面部に貼り付けられていることを特徴とする。
本発明の加飾フィルムは、引き伸ばされた場合であっても3次元調意匠を良好に維持することができ、3次元曲面部への貼り付けに適している。また、本発明の加飾成形品は、従来の加飾フィルムでは3次元調意匠を付与することが困難であった3次元曲面部を含む基材に対して、本発明の加飾フィルムを貼り付けることによって、高品位の3次元調意匠を付与することを可能としたものである。
本発明の加飾フィルムの一例を模式的に示した断面図である。 図1に示した加飾フィルムに設けられた意匠面を示した写真である。 図2の一部を拡大して示した写真である。 図3の一部を更に拡大して示した写真である。
本発明の加飾フィルムは、3次元調意匠を発現する意匠面が設けられた樹脂フィルムを少なくとも有する加飾フィルムであって、上記意匠面は、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域が、それぞれ0.05〜10mmの幅で複数配置されており、かつ、隣接し合う上記領域に設けられた上記微細凹凸の延伸方向が互いに異なっており、上記線状の微細凹凸は、最大高さRyが5〜30μmであり、かつピッチが0.05〜0.15mmであり、上記樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂及び可塑剤を含有し、上記可塑剤の含有量が上記熱可塑性樹脂100重量部に対して15〜30重量部であり、上記樹脂フィルムの厚さは、100〜300μmであることを特徴とする。なお、本明細書において、「フィルム」は、「シート」と同義であり、厚さによって両者を区別していない。
図1は、本発明の加飾フィルムの一例を模式的に示した断面図である。図1に示した加飾フィルムは、樹脂フィルム11、粘接着剤層12及びセパレーター13が順に積層された積層体である。なお、本発明の加飾フィルムは、少なくとも樹脂フィルムを有するものであればよいが、図1に示したように、樹脂フィルムの意匠面とは反対側に、粘接着剤層と、上記粘接着剤層の表面に貼り付けられたセパレーターとを有するものであってもよい。
[樹脂フィルム]
上記樹脂フィルム11は、基材を装飾するための意匠面を構成するものである。図2は、図1に示した加飾フィルムに設けられた意匠面を示した写真であり、図3は、図2の一部を拡大して示した写真であり、図4は、図3の一部を更に拡大して示した写真である。図3に示したように、意匠面には、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域が複数配置されている。隣接し合う領域間の境界は、微細凹凸の延伸方向が互いに異なることによって決まる。このような意匠面の表面形状によれば、微細凹凸の配置や寸法を適切に制御することによって、図2に示したように、光を乱反射させ、3次元調(3D調)意匠を発現させることができる。3次元調意匠を発現する意匠面を見た観察者は、意匠面に立体感(奥行き)のある模様を認識する。一方で、微細凹凸の大きさ自体は、触れたときに意匠面に凹凸が存在することを知覚させるものではない。このように、本発明の加飾フィルムは、実質的には平坦な表面を有するものでありながら、視覚上は立体感(奥行き)を感じさせることができ、優れた装飾効果を奏することができる。
上記複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域の各々は、0.05〜10mmの幅で設けられる。参考までに、図3中に、図1に示した第1の領域及び第2の領域の幅を示している。上記幅が0.05mm未満であると、当該領域が小さすぎて観察者に認識されないため、当該領域によっては、3次元調意匠を発現させる効果が得られない。上記幅が10mmを超えると、当該領域が大きすぎて観察者に明確に認識されるため、当該領域は、3次元調意匠ではなく、単に複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域として認識されてしまう。上記幅の好ましい下限は3mmであり、上記幅の好ましい上限は8mmである。
隣接し合う領域間での微細凹凸の延伸方向の角度差は、0度を超え、90度以下であることが好ましい。上記角度差が0度を超え、90度以下であると、3次元調意匠をより効果的に発現させることができる。
上記線状の微細凹凸のピッチ(ピッチ距離)は、0.05〜0.15mmである。図4に示したように、本明細書において、「微細凹凸のピッチ」とは、微細凹凸の延伸方向と垂直な方向における微細凹凸パターンの繰り返し周期を意味し、具体的には、凸部間距離又は凹部間距離を意味する。上記ピッチが0.05mm未満であると、光の乱反射による視覚効果が得られにくくなることで、3次元調意匠を発現させる効果が得られない。上記ピッチが0.15mmを超えると、成型時に引き伸ばされた部分(主にフィルム端部)で光の乱反射が減少し、3次元調意匠を発現させる効果が得られなくなる。
上記線状の微細凹凸は、最大高さRyが5〜30μmである。なお、本明細書において、「最大高さRy」は、JIS B 0601(1994)に規定された最大高さRyを意味する。上記最大高さRyが5μm未満であると、3次元調意匠を発現させる効果が得られない。上記最大高さRyが30μmを超えると、上記幅や上記ピッチを満たしつつ、形状を維持させることができない。
また、上記意匠面は、単色で構成されていてもよいし、複数色で構成されていてもよい。上記意匠面を着色する方法としては、樹脂フィルム11の内部に顔料を配合してもよいし、各種印刷法によって樹脂フィルムの表面に印刷を施してもよい。上記意匠面に付与される柄(模様)は特に限定されないが、微細凹凸によるデザイン(配置パターン等)と同調させれば、意匠性を効果的に高めることができる。
上記樹脂フィルム11は、熱可塑性樹脂を含有する。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂のなかでも、塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。塩化ビニル樹脂を用れば、加飾フィルムを基材に貼り付ける成形時に、伸びがよく、破断し難いため、3次元曲面部の形状への優れた追従性(成形性)が得られる。また、塩化ビニル樹脂以外の樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)を成形する場合よりも、成形温度を低くすることが可能である(約130℃)。また、塩化ビニル樹脂は耐熱性に優れているので、成形時に微細凹凸の形状を維持でき、3次元調意匠の意匠性が成形後に低下してしまうことを効果的に防止できる。
上記塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニルの単独重合体(ポリ塩化ビニル)、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体と塩化ビニルとの共重合体を挙げることができる。上記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフイン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル;フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の単量体の共重合体における含有量は、通常、50重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。50重量%を超えると、樹脂フィルム11の耐屈曲性が低下するおそれがある。上記塩化ビニル樹脂のなかでも、寸法安定性が得られる点から、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
上記塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されず、求められるフィルムの硬さや、硬さの調整に用いられる可塑剤の量に応じて調整されるものであるが、1000〜1300であることが好ましい。上記平均重合度が1000〜1300の範囲内であると、成形性が特に良好である。これに対して、上記平均重合度が1000未満では、成形時に凹凸形状を維持しにくくなるおそれがある。一方、上記平均重合度が1300を超えると、成形時の3次元曲面部の形状への追従性が不充分となるおそれがある。本明細書において、塩化ビニル樹脂の平均重合度は、JIS K−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した平均重合度を意味する。
上記樹脂フィルム11は、更に、可塑剤を含有する。上記可塑剤としては特に限定されず、従来から熱可塑性樹脂に配合されているものを用いることができ、例えば、フタル酸オクチル(ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP))、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル等のフタル酸ジエステル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸ジエステル;トリクレジルホスフエート、トリオクチルホスフエート等のリン酸トリエステル;エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;高分子ポリエステル可塑剤等を挙げることができる。
上記高分子ポリエステル可塑剤としては、例えば、フタル酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステル;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステルを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤の数平均分子量は、350〜3000であることが好ましい。上記数平均分子量が350未満では、可塑剤が粘接着剤層12に移行しやすく、粘接着力の低下を引き起こすことがある。一方、上記数平均分子量が3000を超えると、可塑剤の添加によりフィルムを柔軟にする効果が充分に得られず、樹脂フィルム11が硬くなり過ぎることで、成形時にフィルムが破れてしまうおそれがある。本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。上記GPC測定は定法に従って行われる。例えば、測定対象となる可塑剤の希薄テトラヒドロフラン溶液を調製し、東ソー社製のGPC測定装置「HLC一8220GPC」と、昭和電工社製のカラム「KF606M」及び「KF603」とを用いて測定する。
上記樹脂フィルム11における可塑剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、15〜30重量部である。上記範囲内の含有量であれば、3次元曲面部への貼り付け等のためにフィルムを引き伸ばしても3次元調意匠を維持することができるように、樹脂フィルム11の成形時の硬さを調整できる。上記含有量が15重量部未満では、樹脂フィルム11が硬くなり過ぎるため、3次元調意匠を維持しつつ、3次元曲面部の形状に追従させることができない。また、樹脂フィルム11が成形時に破れてしまうおそれがある。一方、上記含有量が30重量部を超えると、樹脂フィルム11が柔らかくなり過ぎるため、3次元調意匠を発現させるための微細凹凸の形状を成形後に維持できない。また、貼り付け後に端部等で剥がれ(浮き)が生じやすくなる。上記可塑剤の含有量は、15〜25重量部がより好ましい。
上記樹脂フィルム11は、更に、輝度顔料(光輝性顔料)を含有してもよい。上記輝度顔料としては特に限定されず、従来から加飾フィルムに用いられているものを用いることができ、例えば、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。輝度顔料を含有することで、3次元調意匠をより効果的に発現させることができる。上記樹脂フィルム11における輝度顔料の含有量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましい。上記含有量が0.5重量部未満では、輝度顔料を配合する効果が充分に得られないことがある。上記含有量が10重量部を超えると、輝度顔料によるギラギラ感が強まることで、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域の境目が曖昧になり、立体感が低下することがある。
上記樹脂フィルム11は、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収材、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、無機粒子や無機繊維等の充填剤、希釈剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、熱可塑性樹脂に一般的に配合されるものを使用することができる。
上記安定剤としては、例えば、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛、脂肪酸バリウム等の金属石ケン;ハイドロタルサイト等が挙げられる。上記金属石ケンの脂肪酸成分としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、リシノール酸バリウム等が挙げられる。
また、上記安定剤としては、エポキシ系安定剤;バリウム系安定剤;カルシウム系安定剤;スズ系安定剤;亜鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系(Ca−Zn系)、バリウム−亜鉛系(Ba−Zn系)等の複合安定剤も使用することができる。
上記安定剤を含有する場合、その含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部が好ましい。上記含有量が0.3重量部未満では、安定剤を配合することによる効果が充分に発揮されない場合があり、一方、上記含有量が5.0重量部を超えると、安定剤がブルーム(噴き出し)するおそれがある。
また、上記紫外線吸収材を含有する場合、その含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、0.3〜2.0重量部が好ましい。上記含有量が0.3重量部未満では、あまり効果がなく、一方、上記含有量が2.0重量部を超えると、樹脂フィルム11の表面にブリードするおそれがある。
上記樹脂フィルム11の厚さは、100〜300μmである。上記範囲内の厚さであれば、3次元曲面部への貼り付け等のために樹脂フィルム11を引き伸ばしても3次元調意匠を維持することができるように、樹脂フィルム11の成形時の硬さを調整できる。上記厚さが100μm未満では、3次元曲面部の形状に追従させるために樹脂フィルム11を引き伸ばすと、3次元調意匠を維持できない。また、引き伸ばした際に樹脂フィルム11による下地の隠蔽性が低下し、加飾成形品の意匠性が低下してしまう。更に、引き伸ばした際に樹脂フィルム11の厚みが薄くなり過ぎることで、成形し難くなる。一方、上記厚さが300μmを超えると、樹脂フィルム11が硬くなり過ぎるため、3次元曲面部の形状に追従させ難くなり、基材への貼り付け後に端部等で剥がれ(浮き)が生じやすくなる。
上記樹脂フィルム11は、100℃で引張試験を実施した場合に、破断することなく150%以上伸長するものであることが好ましい。100℃での伸張率が150%以上であれば、3次元曲面への貼り付けに好適である。上記伸張率は、引張試験機を用いてJIS K 7162に準拠して引張試験を行い、下記式から求めることができる。下記式中、Laは、引張試験を行う前の試験片の長さであり、Lbは、引張試験において試験片が破断した際の時の試験片の長さである。
伸張率(%)={(Lb−La)/La}×100
上記樹脂フィルム11は、100℃で引張試験を実施した場合に、破断強度が1〜30MPaであることが好ましい。100℃での破断強度が1〜30MPaであれば、3次元曲面への貼り付けに好適である。上記破断強度が1MPa未満であると、3次元曲面に追従できずに破断するおそれがある。上記破断強度が30MPaを超えると、フィルムが硬いために3次元曲面に追従できないおそれがある。上記破断強度は、JIS K 7161に準拠した方法で測定することができる。具体的には、引張試験機を用いて、試験片を100℃の環境下で1分間放置する。その後、測定温度100℃で、試験片を速度200mm/minで引っ張り、試料が破断したときの張力(MPa)を測定する。
[粘接着剤層]
上記粘接着剤層12は、粘着機能(感圧接着性)及び接着機能の少なくとも一方を有するものであれば特に限定されず、具体的には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等の粘着剤を含有するものが挙げられる。なかでも、粘着性、加工性、耐熱老化性、耐湿老化性、耐候性に優れるとともに、比較的安価である点から、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を含む粘着剤である。上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又はその共重合体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキル基の炭素数が2〜18、好ましくは4〜12の第一級〜第三級アルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とから得られるエステル等が挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体の合成に用いられる共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有するとともに、カルボキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等〕、ヒドロキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等〕、スルホキシル基〔例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等〕、アミノ基〔例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステル等〕、アミド基〔例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等〕、アルコキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等〕等の官能基を側鎖に有する単量体を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましい。特に、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜98重量%と、1種又は2種以上の共重合性単量体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量(Mw)は、60万〜100万であることが好ましい。上記重量平均分子量が60万〜100万の範囲内であると、充分な粘着力を発現することができる点で有利である。これに対して、上記重量平均分子量が60万未満では、糊残りが発生するおそれがあり、一方、上記重量平均分子量が100万を超えると、濡れ性低下によって、所望の粘着力を発現することが難しいことがある。上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、70万〜90万であることがより好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。なお、測定条件は以下の通りである。
装置名:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:G7000HXL 7.8mmID×30cm 1本 GMHXL 7.8mmID×30cm 2本 G2500HXL 7.8mmID×30cm 1本(東ソー社製)
サンプル濃度:1.5mg/mlになるようにテトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
上記粘接着剤層12は、例えば、粘着剤、架橋剤(硬化剤)等を含有する粘接着剤組成物を支持体上に塗工して塗膜を形成した後、該塗膜を加熱乾燥することによって硬化させる方法によって形成できる。上記架橋剤(硬化剤)は、粘着剤中の官能基と化学反応又は相互作用をして架橋させる化合物である。上記架橋剤としては、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の公知の架橋剤を用いることができる。
上記イソシアネート系硬化剤はイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等の分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物;それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと付加反応させた化合物や、それらをポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型の分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
なかでも、分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物を多価アルコールと付加反応させた化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートを多価アルコールと付加反応させた化合物がより好ましい。
上記エポキシ系硬化剤はエポキシ基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
上記架橋剤を含有させる場合、その含有量は、上記粘接着剤100重量部(固形分)に対して0.05〜10重量部であることが好ましい。上記含有量が0.05重量部未満であると、架橋密度が低く、粘接着剤層12の凝集力が不充分で、糊残りが発生することがある。上記含有量が10重量部を超えると、粘着力が低下するおそれがある。上記含有量は、0.1〜3重量部であることがより好ましい。なお、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の両方が使用される場合、上記含有量は、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の合計量を意味する。
上記粘接着剤組成物は、更に、触媒を含有してもよい。触媒としては、上記架橋剤の反応に用いられる触媒が挙げられ、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記粘接着剤組成物は、更に、疎水性有機溶剤等の溶剤を含有してもよい。上記疎水性有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、鉱油、石油エーテル等が挙げられる。
上記粘接着剤組成物は、更に、無機フィラーを含有してもよい。上記無機フィラーを配合することにより、基材の隠蔽性を向上することができる。上記無機フィラーとしては、例えば、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル固溶体、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。なかでも、酸化チタンが好ましい。白色で隠蔽性に優れるからである。
上記無機フィラーの含有量は、上記粘接着剤100重量部に対して、3〜30重量部が好ましい。上記含有量が3重量部未満では、粘接着剤層12に充分な隠蔽性を付与することができない場合があり、一方、上記含有量が30重量部を超えると、粘接着剤層12の粘着性が不充分になる場合がある。
上記無機フィラーの平均粒子径は、0.05〜5μmが好ましい。上記平均粒子径が0.05μm未満では分散性に乏しい場合があり、一方、上記平均粒子径が5μmを超えると、隠蔽性や粘着力が低下するおそれがある。ここで、無機フィラーの平均粒子径とは、メジアン粒子径(50%体積粒子径)である。
また、上記粘接着剤組成物には、本発明の加飾フィルムに要求される特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、安定剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、粘着付与剤、染料、顔料等の各種添加剤が添加されていてもよい。
上記粘接着剤組成物の塗工量は、10〜90g/m(乾燥時重量換算)であることが好ましい。言い換えれば、上記粘接着剤組成物を乾燥させた粘接着剤層12の塗工量が10〜90g/mであることが好ましい。上記塗工量が10〜90g/mの範囲に調整されることによって、粘接着剤層12の粘接着力を確保することができる。上記塗工量が10g/m未満では、粘接着力が不充分なことがある。上記塗工量が90g/mを超えると、粘接着剤層12が糊残りが発生しやすくなる。上記塗工量のより好ましい下限は50g/mである。上記塗工量が50g/m以上であると、基材表面の凹凸に対する充分な追従性が得られる。上記塗工量のより好ましい上限は70g/mである。
上記粘接着剤層12の厚さは、10〜60μmが好ましい。上記厚さが10μm未満では、充分な粘接着力を得ることができない場合があり、上記厚さが60μmを超えると、粘接着力がさほど向上しない。上記粘接着剤層12のより好ましい厚さは、20〜40μmである。
[セパレーター]
上記セパレーター13を設けることにより、本発明の加飾フィルムの製造、運搬、保存中に粘接着剤層12が露出しないようにして、粘接着剤層12の劣化防止や、本発明の加飾フィルムの取扱い性向上が可能となる。セパレーター13は、基材への貼付の直前に剥離すればよい。
上記セパレーター13としては特に限定されないが、粘接着剤層12を損傷することなく容易に剥離できるものが好適であり、例えば、粘接着剤層12と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって易剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂フィルム(離型フィルム);上質紙、グラシン紙等の紙(離型紙);紙と被覆層との積層フィルム等が挙げられる。セパレーター13の厚さは、12〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
本発明の加飾フィルムには、樹脂フィルム11、粘接着剤層12及びセパレーター13以外に他の層が設けられていてもよく、例えば、樹脂フィルム11と粘接着剤層12との間に、他の層を有していてもよい。
本発明の加飾フィルムは、従来公知の製造方法を利用して製造することができる。上記樹脂フィルム11は、例えば、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の従来公知の成形法によって作製することができる。上記カレンダー成形に用いられるカレンダー形式としては、例えば、逆L型、Z型、直立2本型、L型、傾斜3本型等が挙げられる。
上記樹脂フィルム11に線状の微細凹凸を形成する方法は特に限定されず、例えば、ロール状又は平板状のプレス型を用いた従来公知のエンボス加工により形成することができる。エンボス加工による凹凸形状の付与は、転写率が60%以上であることが好ましい。上記転写率は、エンボス加工用の型(例えば、エンボスロール)に設けられた凹凸の深度に対する、フィルムに転写された凹凸の深度の割合を示し、例えば、型の凹凸深度が100μmで、フィルムの凹凸深度が50μmの場合、転写率は50%である。また、上記凹凸深度は、JIS B 0601(1994)に規定された最大高さ(Ry)に基づく値である。
粘接着剤層12の形成方法は特に限定されず、例えば、セパレーター13上に直接バーコーター等を用いて、粘接着剤組成物を塗工し、乾燥させる方法等の従来公知の方法を用いることができる。この場合、セパレーター13上に形成した粘接着剤層12を、樹脂フィルム11に貼り合わせることで本発明の加飾フィルムを製造することができる。本発明の加飾フィルムは、更に、必要に応じて、裁断、ロール状への巻き取り等の処理が行われる。
本発明の加飾フィルムの用途は特に限定されず、壁材、自動2輪車用部品、車両用内装部品、車両用外装部品等の種々の基材に貼り付けて用いることができる。本発明の加飾フィルムによれば、従来の加飾フィルムでは装飾することが困難であった3次元曲面部を有する基材の表面であっても3次元調意匠を付与できる。すなわち、3次元曲面部を有する基材と、上記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、上記加飾フィルムは、本発明の金属調加飾フィルムから上記セパレーターを剥離したものであり、上記粘接着剤層を介して上記3次元曲面部に貼り付けられている加飾成形品もまた、本発明の一態様である。
本発明の加飾フィルムを基材へ貼り付ける方法は特に限定されず、例えば、ラッピング、熱成形、真空成形が挙げられる。ラッピングの具体例としては、ドライヤーで加飾フィルムを温めて軟らかくしながら、プラスチック系基材に沿わせて貼り付ける方法が挙げられる。また、真空成形の具体例としては、真空・圧空成形機としてTOM成形機を使用し、ヒーターの加熱温度80〜140℃で、プラスチック系基材に、加飾フィルムを貼り付ける方法が挙げられる。真空成形によれば、加飾フィルムと基材の間に空気が入ることを効果的に防止できる。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、輝度顔料を含有するマスターバッチを作製した。具体的には、輝度顔料(アルミ系顔料及びパール系顔料)を25重量%、平均重合度1000のポリ塩化ビニル(PVC)を25重量%、可塑剤としてのフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOP)を50重量%の割合で含有させた混合物をバンバリーミキサーで溶融混練して、マスターバッチを作製した。
次に、得られたマスターバッチ10重量部を、平均重合度1000のポリ塩化ビニル97.5重量部及び上記可塑剤15重量部とともに、バンバリーミキサーで3〜5分間溶融混練し、平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部に対して、可塑剤を20重量部、輝度顔料を2.5重量部の割合で含有する樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、逆L字型カレンダーにて厚さ150μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。なお、PVCコンパウンドには、熱安定剤、酸化防止剤、着色のための顔料等の添加物を添加してもよい。
次いで、PVCフィルムの一方の面に130〜160℃に加熱したプレス板を押し当てることにより、PVCフィルムの表面に、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域を複数形成した。隣接し合う領域の境界では、微細凹凸の延伸方向が互いに異なっていた。各領域の幅は、1〜4.5mmとされた。また、線状の微細凹凸は、最大高さRyが20μmであり、微細凹凸のピッチ(隣接する凸部間距離)が0.12mmであった。
また、厚さ100μmのセパレーター(二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム)の一方の面に、コンマバーコーターにて乾燥厚さが40μmとなるように粘接着剤溶液(日立化成ポリマー社製、「ハイボン7663」)を塗工し、塗膜を形成した。上記塗膜を乾燥炉にて60〜100℃で加熱乾燥することによって、塗膜中の溶剤を除去し、粘接着剤層を得た。
次に、PVCフィルムの微細凹凸が形成された面とは反対の面に、粘接着剤層を介してセパレーターを貼り合わせた。これにより、実施例1の加飾フィルムが完成した。
(実施例2及び比較例1〜3)
下記表1に示すように、微細凹凸のピッチ、微細凹凸の最大高さRy、微細凹凸が設けられる領域の幅、PVCフィルムの厚さ、及び、PVCフィルム中の可塑剤の配合量を適宜変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜3の加飾フィルムを作製した。なお、微細凹凸のピッチ、微細凹凸の最大高さRy、及び、微細凹凸が設けられる領域の幅については、使用するプレス板を変更することによって調整した。また、表1中の可塑剤の配合量の単位「phr」は、ポリ塩化ビニル100重量部に対する可塑剤の重量部数に相当する。
(評価試験)
実施例及び比較例で作製した加飾フィルムを、下記の方法に基づき評価した。評価結果は、下記表1に示した。
(1)引っ張り前の3次元調(3D調)の確認
加飾フィルムの微細凹凸が設けられた面を目視で観察し、3D調の表現度合いを以下の基準で判定した。
(判定基準)
◎:プレス板の表面と同様の3D調の意匠が正確に反映されていた(転写率:80%以上)。
〇:3D調の意匠であることが分かった(転写率:50%以上80%未満)。
(2)引っ張り後の3D調の確認
加飾フィルムからセパレーターを剥離し、3次元曲面部を有する基材へ貼り付けた。貼り付けには、真空・圧空成形機として、TOM成形機を用いた。3次元曲面部の形状に追従するように加飾フィルムを130℃で100%伸長させた後の微細凹凸が設けられた面を目視で観察し、3D調の表現度合いを以下の基準で判定した。
(判定基準)
〇:3D調の意匠であることが分かった。
△:3D調の意匠であることが分かりづらかった。
×:3D調の意匠であることが分からなかった。
(3)高輝度感
加飾フィルムの微細凹凸が設けられた面を目視で観察し、輝度の程度を以下の基準で判定した。
(判定基準)
◎:金属光沢感が充分に発現していた。
〇:金属光沢感が発現していた。
Figure 2018123220
上記表1から分かるように、実施例1及び2の加飾フィルムは、引っ張り後にも3D調の意匠を発現することができ、かつ高輝度感を発現するものであった。一方、比較例1〜3の加飾フィルムはいずれも、引っ張り後に3D調の意匠を良好に発現することができなかった。
11 樹脂フィルム
12 粘接着剤層
13 セパレーター

Claims (5)

  1. 3次元調意匠を発現する意匠面が設けられた樹脂フィルムを少なくとも有する加飾フィルムであって、
    前記意匠面は、複数の線状の微細凹凸が平行に延伸する領域が、それぞれ0.05〜10mmの幅で複数配置されており、かつ、隣接し合う前記領域に設けられた前記微細凹凸の延伸方向が互いに異なっており、
    前記線状の微細凹凸は、最大高さRyが5〜30μmであり、かつピッチが0.05〜0.15mmであり、
    前記樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂及び可塑剤を含有し、前記可塑剤の含有量が前記熱可塑性樹脂100重量部に対して15〜30重量部であり、
    前記樹脂フィルムの厚さは、100〜300μmであることを特徴とする加飾フィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニルを含むことを特徴とする請求項1に記載の加飾フィルム。
  3. 前記樹脂フィルムは、更に、輝度顔料を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加飾フィルム。
  4. 更に、前記樹脂フィルムの前記意匠面とは反対側に、粘接着剤層と、前記粘接着剤層の表面に貼り付けられたセパレーターとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加飾フィルム。
  5. 3次元曲面部を有する基材と、前記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、
    前記加飾フィルムは、請求項4に記載の加飾フィルムから前記セパレーターを剥離したものであり、前記粘接着剤層を介して前記3次元曲面部に貼り付けられていることを特徴とする加飾成形品。
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