JP6641758B2 - 回折光沢シート、賦型シート、及び回折光沢シートの製造方法 - Google Patents

回折光沢シート、賦型シート、及び回折光沢シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回折現象を用いた光沢を有するシートである回折光沢シート、この回折光沢シートを作製するための賦型シート、及び回折光沢シートの製造方法に関する。
合成皮革等のシート表面における意匠性を向上させる目的で回折現象を利用した光沢(例えば虹状の光沢)を付与することがある。そのためにシート表面に対して微細な凹凸を形成する。これは微細な凹凸による光の回折現象が独特の光沢となって表れるものである。
例えば特許文献1、2には、回折光沢が付与された合成皮革を作製する際に用いられる離型紙が開示されている。
特許3098799号公報 特開2010−253779号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のような離型紙によって作製された合成皮革では、これが使用された物品において、作製当初は良いものの、使用が進むにつれて、例えば人が触れることによる皮脂等の汚れが合成皮革に形成された凹凸の凹部に入り込み、使用開始からそれ程の時間が経過していなくても回折現象による光沢が生じなくなったり、光沢が生じたとしても弱くなったりすることがあった。
そこで本発明は上記問題を鑑み、従来よりも長い期間に亘って回折現象による光沢を維持することができる回折光沢シートを提供することを課題とする。また、回折光沢シートを作製するための賦型シート、及び回折光沢シートの製造方法を提供する。
以下、本発明について説明する。わかりやすさのため、ここでは括弧書きで図面の参照符号を付記するが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、表面に光沢を付与するシートであって、基部(11)と、基部の一方に設けらた線状凹凸部(12)と、を有し、線状凹凸部は、長い下底(13a)を基部側に、短い上底(13b)を基部とは反対側に有する台形断面を具備し、該台形断面を維持して一方向に延びる線状凸部(13)を有し、複数の線状凸部が延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配列されており、複数の線条凸部はいずれも一方向に延び、複数の線状凸部の間には、短い上底(14a)を基部側に、長い下底(14b)を基部とは反対側に有する台形断面の溝である線状凹部(14)が形成され、複数の線状凸部の配列ピッチPは1μm以上5μm以下、線状凸部の台形断面における高さHは1μm以上5μm以下とされるとともに、P/Hが1.0以下である、回折光沢シート(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回折光沢シート(21)において、基部(11)のうち線状凹凸部(12)が設けられた側とは反対側の面に基材層(22)が設けられている。
請求項3に記載の発明は、表面に光沢を付与するシートのための賦型シートであって、賦型層基部(33)と、賦型層基部の一方に設けらた賦型層線状凹凸部(34)と、を有し、賦型層線状凹凸部は、長い下底を賦型層基部側に、短い上底を賦型層基部とは反対側に有する台形断面を具備し、該台形断面を維持して一方向に延びる賦型層線状凸部を有し、複数の賦型層線状凸部が延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配列されており、賦型層線状凸部はいずれも賦型層基部の帯状の長手方向に延び、複数の賦型層線状凸部の間には、短い上底を賦型層基部側に、長い下底を賦型層基部とは反対側に有する台形断面の溝である賦型層線状凹部が形成され、複数の賦型層線状凸部の配列ピッチPは1μm以上5μm以下、賦型層線状凸部の台形断面における高さHは1μm以上5μm以下とされるとともに、P/Hが1.0以下である、賦型シート(30)である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の賦型シート(30)において、賦型層基部(33)のうち賦型層線状凹凸部(34)が設けられた側とは反対側の面に賦型シート基材層(31)が設けられている。
請求項5に記載の発明は、回折光沢シートを製造する方法であって、請求項3又は4に記載の賦型シートの賦型層線状凹凸部に、硬化前の樹脂組成物を供給し、該組成物を硬化してから賦型シートから離型する、回折光沢シートの製造方法である。
本発明によれば、従来よりも長い期間に亘って回折現象による光沢を維持することができる。
回折光沢シート1の外観斜視図である。 回折光沢シート1の断面図である。 回折光沢シート1の形態を説明する断面図である。 回折光沢シート1の形態を説明する断面図である。 回折光沢シート21の外観斜視図である。 賦型シート30の外観斜視図である。 賦型シート30の断面図である。 図8(a)は賦型シート30の平面図、図8(b)は他の例の賦型シート30の平面図である。 賦型シートの作製方法を説明する図である。 図10(a)、図10(b)は回折光沢シートの作製方法を説明する図である。 図11(a)〜図11(c)は回折光沢シートの他の作製方法を説明する図である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1には、1つの形態を説明する図で回折光沢シート1を表す斜視図、図2には図1にII−IIで示した線に沿った回折光沢シート1の厚さ方向断面図を示した。図1、図2からわかるように、本形態の回折光沢シート1は、回折構造層10を具備してなり、該回折構造層10は基部11及び線状凹凸部12を有してこれらが一体となって構成されている。以下に回折光沢シート1について詳しく説明する。
基部11は、線状凹凸部12における複数の線状凸部13の支持部となる板状の部位である。基部11の厚さは特に限定されることはないが、基部の厚さは25μm以上200μm以下とすることができる。厚さが25μmより薄いと回折光沢シートが破れやすくなり、200μmより厚いと柔軟性にかけ使い勝手が悪くなる虞がある。
線状凹凸部12は、基部11の一方の面上に形成された凹凸を有する層である。本形態では線状凹凸部12は、図1、図2からわかるように、一方向(図1に於いてはy軸方向)に延びる線状凸部13を有している。そして、複数の線状凸部13が、上記延びる方向(以下、「延在方向」或いは「長手方向」とも呼稱する)とは異なる方向(図1に於いては延在方向と直交するx軸方向)に間隔を有して配列されている。従って、隣合う線状凸部13の間には間隙が形成され、これが線状凹部14となる。
本形態の線状凸部13及び線状凹部14は、その延在方向(長手方向)と直交する面で切断した断面(以下、主切断面とも言う。)の形状が次のように形成されている。図3は図2に示した断面の一部を表した拡大図である。
図2、図3に表れる断面において、線状凸部13は、基部11に接する面である仮想の長い下底13a、該下底13aに対して略平行であり基部11とは反対側となる短い上底13b、及び下底13aの端部と上底13bの端部とを結ぶ2つの脚部13cを有して台形とされている。
一方、線状凹部14は、溝状の部位として形成されるが、図2、図3に表れる断面において、溝状の底部を形成する基部11の一部である短い上底14a、該上底14aに対して略平行であり、隣り合う線状凸部13の上底13bの間の仮想の線で形成される基部11とは反対側となる長い下底14b、及び上底14aの端部と下底14bの端部とを結ぶ2つの脚部13cを有して台形とされている。当該脚部13cは線状凸部13の脚部13cと共有である。
ここで、図2、図3に表れた断面における線状凸部13の下底13aの幅(線状凸部13の配列方向の大きさ)をWbp、上底13bの幅をWap、線状凹部14の上底14aをWbr、下底14bの幅をWarとしたとき、次の関係が成り立つものとする。
0<(Wap/Wbp)<1
0<(Wbr/War)<1
なお、WapとWarとの和、及び、WbpとWbrとの和は、ピッチPである。
さらに、線状凸部13の高さ(下底13aと上底13bとの距離)をH(線状凹部14の深さ(上底14aと下底14bとの距離)と同じ。)としたとき次の関係が成り立つものとする。
1μm≦P≦5μm
1μm≦H≦5μm、かつ、
(P/H)≦1
ここでピッチPが1μmより小さいと、製造上の観点から高さHを大きく取ることが難しくなり、指紋などの汚れによる回折光沢の低減までの期間が短くなる。一方ピッチPを5μmより大きくすると回折現象が弱まり、回折光沢を適切に得ることが難しくなる。より好ましくはピッチPは1.5μm以上5μm以下である。
また、高さHが1μmより小さいと、指紋などの汚れによる回折光沢の低減までの期間が短くなる。一方高さHを5μmより大きくすると製造上の観点から形状を不具合なく精度よく作製することが困難になる虞がある。
以上のような条件を満たすことにより、回折光沢を適切に得ることができ、指紋などの汚れにより凹部が溝で埋まって回折光沢が低減する期間を従来よりも長くすることができるとともに、製造において線状凹凸部の離型時の欠損等の不具合を低減させることができる。
以上のような回折構造層10は、上記形態としたときに回折光沢を生じ得る材料により形成されていればよい。これには例えばウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。
また、線状凹凸部12は、その製造上の観点から、図3に表れたような角部が明確に表れた台形とはならないこともある。図4には線状凸部13及び線状凹部14の角部にフィレットが形成された例を表した。この場合には図4に補助線を付してあらわしたように、フィレットを考慮しない形態で上記の条件を満たすように構成すればよい。
図5は、他の形態の回折光沢シート21を表した斜視図であり、図1に相当する図である。回折光沢シート21は、上記した回折構造層10、及び、基材層22を備えてこれらが積層されている。
基材層22は、回折構造層10の基部11のうち線状凹凸部12が形成された側とは反対側に積層された層であり、回折構造層10を支持する。
基材層22は回折構造層10を支持するとともに、回折光沢シート21の用途に応じて適切な材料が用いられればよい。
基材層としては、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの再生または半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィンなどの合成繊維、ガラス纖維等の繊維からなる織布、不織布、網布等の布(基布とも言う)、紙、ポリエステルやポリオレフィンの樹脂からなる樹脂フィルム、金属板(、乃至金属箔)、ガラス板、ガラス織布等の、一般に、合成皮革や人工皮革の基材乃至基布に用いられるものから、樹脂皮革の種類や用途に応じて適宜選択することができる。
基材層の厚さとしては、基部11(樹脂表皮層)を支持可能な厚さであれば特に限定されないが、例えば25μm以上500μm以下の範囲とすることが出來る。
以上のような回折光沢シート1、21は、様々な製品の表面に配置され、光沢を付与する装飾用の部材として用いられる。製品としては例えば靴、鞄、ソファー、椅子、乗物の座席等の表面材、箱、包装容器、壁紙や床材等の建築物内裝材、冷蔵庫やテレヴィジョン受像器等の家電製品の表面装飾材等を挙げることができる。
次に、回折光沢シート1、21のうち、回折構造層10を作製するための賦型シートについて説明する。図6には賦型シート30の一部を示す外観斜視図を表した。また、図7には図6にVII−VIIで示した線に沿った賦型シート30の厚さ方向断面図を示した。図6、図7からわかるように、本形態の賦型シート30は、賦型シート基材層31及び賦型シート基材層31の一方の面に積層された賦型層32を有して構成されている。ただし、賦型シート基材層31は必要に応じて具備されていればよく、賦型層32を形成するに際して必要がない場合には設けられていなくてもよい。
賦型シート基材層31は、賦型層32を一方の面に積層させて賦型層32を支持するシート状の部材である。賦型シート基材層31は賦型層32を支持することができればその材質は特に限定されることはないが、例えば紙類(クラフト紙、上質紙)、樹脂シート、金属箔、織布、不織布、およびこれらいずれかの積層体等を挙げることができる。
賦型シート基材層31の表面は算術平均粗さRa(JIS B0601 2001)が、0.1nm以上30nm以下であることが好ましい。Raが30nmより大きいと当該表面粗さの凹凸が賦型層32にまで影響を与え、回折光沢の発現を阻害する虞があるからである。Raは0.1nmより小さくてもよいが、これRaがこれより低い基材層を作製するには費用が高くなる一方で効果は限定的だからである。コストと性能の両立の観点からさらに好ましくは0.5nm以上20nm以下である。
また、賦型シート基材層31の厚さは特に限定されることはないが、25μm以上200μm以下であることが好ましい。賦型シート基材層31が200μmより厚いとコストが増大する一方で支持の効果向上は限定的である。また賦型シート基材層31が25μmより薄いと回折構造層10を製造する際に支持性が不足する虞がある。
賦型層32は、賦型シート基材層31の一方の面に積層される層であり、後述するように回折光沢シートの回折構造層のうち線状凹凸部12の形態を転写して形成する部位を具備する。従って、賦型層32は線状凹凸部12の凹凸の態様を反転した凹凸の形態を有する。より詳しくは次の通りである。
図6、図7からわかるように、賦型層32は賦型層基部33及び賦型層線状凹凸部34を有してこれらが一体となって構成されている。
賦型層基部33は、賦型層線状凹凸部34における複数の賦型層線状凸部35の支持部となる板状の部位である。
賦型層線状凹凸部34は、賦型層基部33のうち賦型シート基材層31に接する側とは反対側の面上に形成された凹凸を有する層である。賦型層線状凹凸部34は、上記した回折構造層10の線状凹凸部12の凹凸を反転した形状とされている。すなわち、賦型層線状凹凸部34は、図6、図7からわかるように、一方向に延びる賦型層線状凸部35を有している。そして、複数の賦型層線状凸部35が、上記延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配列されている。従って、隣合う賦型層線状凸部35の間には間隙が形成され、これが賦型層線状凹部36となる。
ここで賦型層線状凸部35はその延在方向(長手方向)と直交する面で切断した断面(以下、主切断面とも言う。)の形状が、上記した線状凹凸部12の線状凹部14の溝の断面形状に対応した凸形状を有している。
一方、賦型層線状凹部36はその延在方向(長手方向)と直交する面で切断した断面(以下、主切断面とも言う。)の形状が、上記した線状凹凸部12の線状凸部13の凸の断面形状に対応した凹(溝)形状を有している。
これら賦型層線状凸部35及び賦型層線状凹部36の具体的な断面形状の規定及び好ましい範囲は、これに対応する形状である線状凹部14及び線状凸部13で説明した内容に倣って考えればよい。
また、賦型層32の厚さは特に限定されることはないが、200μm以下であることが好ましい。賦型層32が200μmより厚いとコストが増大する一方で支持の効果向上は限定的である。また賦型層32の厚さの下限は賦型層線状凹凸部34の形状が適切に形成することができる厚さである。
賦型層32を構成する材料は、賦型層として機能することができれば特に限定されることはないが、紫外線又は電子線等の電離放射線により硬化するアクリル系樹脂、あるいは、熱可塑性樹脂である、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はポリメチルペンテン系樹脂等を挙げることができる。尚、硬化の為に照射する電離放射として、特に紫外線を用いる形態のものを紫外線硬化樹脂、特に電子線を用いる形態のものを電子線硬化性樹脂と呼稱する。そしてれらの中でも紫外線硬化樹脂が好ましい。これにより賦型層線状凹凸部34の微細な凹凸の成形性が良く、より確実に精度よく形状を得ることができる。
図8(a)、図8(b)には、賦型シート30を賦型層32側から見た平面図である。これにより、賦型層線状凹凸部34の賦型層線状凸部35及び賦型層線状凹部36が延びる態様が表れている。図8(a)は、賦型層線状凸部35及び賦型層線状凹部36が帯状の賦型シート30の長手方向(同図に於けるy軸方向)に対して平行に延びる例、図8(b)は、賦型層線状凸部35及び賦型層線状凹部36が帯状の賦型シート30の長手方向(同図に於けるy軸方向)に対して角度θ傾いて延びる例である。θの範囲は0度以上、1度以下であることが好ましい。θが0°とは図8(a)で示した例と同じである。これにより離型性を向上させることができ、回折光沢シートの線状凹凸部に欠け等の不具合を生じ難くなる。
このような賦型シート30は例えば次のように作製することができる。ここでは、賦型シート基材層31として透明な樹脂、賦型層32として紫外線硬化樹脂が適用された例である。図9に説明するための図を表した。
図9からわかるように、ニップロール41と型ロール42との間に図9に矢印IXで示しように賦型シート基材層31のシートを送る。ここで型ロール42の表面には賦型層線状凹凸部34の形状を転写することができる凹凸が形成されている。即ち、型ロール42の表面の凹凸形状は回折光沢シートの回折光沢層10の線状凹凸部12と同形状乃至略同形状となっている。そしてノズル45から賦型シート基材層31と型ロール42との間に硬化前の紫外線硬化樹脂を滴下し、液だまり46を形成しつつ賦型シート基材層31と型ロール42との間に硬化前の紫外線硬化樹脂を供給する。これにより賦型シート基材層31及び型ロール42の幅方向に均一にムラなく材料を供給することができる。
賦型シート基材層31と型ロール42と間に供給された硬化前の紫外線硬化樹脂は型ロール42の表面形状に沿った形状となって賦型シート基材層31と型ロール42と間に充填される。そして、当該充填された状態で賦型シート基材層31側から紫外線照射装置44から紫外線を照射して充填された紫外線硬化樹脂を硬化させて形状を固定する。これにより賦型シート基材層31上に賦型層32が形成される。尚、紫外線照射裝置としては、例えば、高圧水銀燈等の水銀燈を使用することが出来る。
引き続き型ロール42を回転させて賦型シート基材層31及び賦型層32を送り、離型ロール43により型ロール42から離型して賦型シート30を得る。尚、図9に於いて、各ロールの回転方向は、ニップロール41が右回り、型ロール42が左回り、離型ロール43が右回りとなっている。
このように賦型シート30を得ることにより高い精度で効率よく賦型シートを作製することができる。また、このとき賦型シート30の賦型層線状凹凸部34の形態は回折光沢シート10の線状凹凸部12の上記した形態に対応した形状とされているので、離型性もよく形状的な欠陥の発生を防止することができる。
次に賦型シート30を用いて回折光沢シート10を作製する過程について説明する。図10(a)、図10(b)が1つの例に係る当該過程を説明する図、図11(a)〜図11(c)が他の例に係る当該過程を説明する図である。以下それぞれの例について説明する。
図10(a)、図10(b)で示した例では、図7に示した賦型シート30のうち賦型層線状凹凸部34が形成された側から、回折構造層10を構成する組成物を塗布し、図10(a)に示したように積層させる。当該塗布の方法は特に限定されることはないが、例えばダイコート法等を適用することができる。これにより回折構造層10がその回折光沢を得るための凹凸形状を有するものとなる。
その後、加熱乾燥等の適切な硬化方法により回折構造層10の形状を確定させ、図10(b)に示したように、回折構造層10を賦型シート30から離型する。これにより回折構造層10のみからなる回折光沢シート1を得ることができる。
一方、図11(a)〜図11(c)で示した例では、図7に示した賦型シート30のうち賦型層線状凹凸部34が形成された側から、回折構造層10を構成する組成物を塗布し、図11(a)に示したように積層させる。当該塗布の方法は特に限定されることはないが、例えばダイコート法等を適用することができる。これにより回折構造層10がその回折光沢を得るための凹凸形状を有するものとなる。その後、加熱乾燥等の適切な硬化方法により回折構造層10の形状を確定させる。
次に回折構造層10のうち賦型シート30に接した側とは反対側の面に図11(b)に示したように基材層22を接着剤により貼り合わせる。
その後、図11(c)に示したように、回折構造層10及び基材層22の積層体を賦型シート30から離型する。これにより回折構造層10及び基材層22からなる回折光沢シート21を得ることができる。
以上のように回折光沢シートを作製することができるが、本発明では、上記したような線状凸部、線状凹部を有する線状凹凸部を具備するので、回折構造層10から賦型シートを離型する際に円滑に行われ、欠け等の不具合を生じ難く生産性を向上させることができる。
以下実験により賦形シート及びこれから製作される回折光沢シートの性能を評価した結果を示す。各例では、賦型シートの賦型層線状凹凸部の形状を変更し、それぞれについて回折光沢シートを作製して性能の評価を行った。回折光沢シートは次の順により作製した。作製方法自体は各例で共通である。
合成石英の板を準備し、その一方の面のうち100mm×100mmの範囲に賦型シートの線状凹凸層に対応するパターンの凹凸を電子線により描画した。この描画した合成石英の板から、ニッケル電鋳によりパターンが形成された100mm×100mmの電鋳板を作製した。この電鋳板を45枚準備した。その後この45枚の電鋳板を溶接によって一枚の板に形成し、直径100mm、軸線方向長さ1500mmのシリンダー表面に一枚の板に形成した電鋳板を巻き付けて固定した。
一方、賦形シートを次のようにして作製した。賦型シート基材層として厚さ150μmの紙、これに積層された賦型層としての厚さ30μmのポリプロピレンの帯状の積層体(幅1500mm、長さ1500m)を準備した。
次に上記作製した電鋳板を巻き付けたシリンダーをロールエンボス装置に取り付けてこれを用いて、積層体の賦形層に対して熱エンボス転写した。これにより賦形層に電鋳板に形成されていたパターンが転写される。ここで熱エンボス転写の条件は、シリンダー温度120℃、圧力14.7(MPa)、回転周速度5m/分である。
回折構造層を構成する組成物として、ポリウレタン(レザミンNE−8811、大日精化工業株式会社)100質量部、着色剤(セイカセブンNET−5794ブラック、大日精化工業株式会社)15質量部、トルエン25質量部、及びイソプロピルアルコール25質量部を混合したものを準備した。
上記作製した賦型シートを、合成皮革製造装置に取り付け、当該組成物を賦型シートのうちパターンが形成された側の面に塗布した。塗布はダイコート法により行った。
塗布後、100℃〜120℃の範囲で2分加熱乾燥し、その後に接着剤を用いて基材層(基布)を貼り合わせた。そして乾燥、熟成後に賦型シートから離型した。
以上により回折光沢シートを得た。
各例で形成されるパターン形状は表1にまとめて示した。
そして、得られた回折光沢シートに対して、以下のような評価を行った。
<形状の計測>
得られた回折光沢シートの断面を切断し、SEM(株式会社ヒタチハイテクノロジーズ製SU8000)にて形状観察した。形状観察した画像から、ピッチ・高さ(深さ)・Wap、War、Wbp、Wbrを計測した。結果を表1に示した。表1において、「パターン形状」は、賦形層線状凹凸部が延びる方向が、賦形シートの帯状の長手方向(幅方向に対して直交する方向)に対して平行であれば「縦」、直交であれば「横」、両方が組み合わされた格子状であれば「縦横」とした。また、「ピッチ」は賦型層線状凹凸部の賦型層線状凸部の配列ピッチ、「高さ」は賦形層線状凸部の高さ(賦型層線状凹部の溝の深さ)を表している。
<虹感の評価>
虹感の評価は、変角分光測定により行った。変角分光測定器(S−OGM、デジタルファッション株式会社)を用い、回折光沢シートの回折構造層に対して、入射角度0度(回折光沢シートの法線方向)から白色(キセノン光源)を照射し、1次回折光の波長400nm及び700nmについて出射角度(θout)を計測して両者の角度差を得た。この角度差が3.0度以上では虹感が良好とし○、3.0度未満では不可で×とした。
<汚れに対する評価>
20号のシリコンゴム栓により、一定量の疑似指紋液を作製した回折光沢シートに対してプレスした。ここでプレスの押圧する荷重は4.9(MPa)とした。また疑似指紋液としては、尿素1g、乳酸4.6g、ピロリン酸ナトリウム8g、食塩7g、エタノール20mlを蒸留水で1Lに希釈したもの(JIS K 2246)を準備した。
このように疑似指紋液を回折光沢シートに配置した後に、虹の強さを評価するために変角分光測定器(S−OGM、デジタルファッション株式会社)による光の強度を測定した。具体的には、疑似指紋液を配置しなかった場合における1次回折光(波長550nm)の光の強度を1とし、疑似指紋液を配置した場合の光の強度を測定して0.7以上を○、0.7未満を×とした。
<欠陥の評価>
作製した回折光沢シートから、幅1500mm、長さ1000mmのサンプルを切り出して目視検査を行った。0.2mm以上の欠落を欠陥とし、その数を数えた。欠陥数が4以上の場合を×、3以下の場合を○とした。
表2に評価結果を示した。
Figure 0006641758
Figure 0006641758
1 回折光沢シート
10 回折構造層
11 基部
12 線状凹凸部
13 線状凸部
14 線状凹部
21 回折光沢シート
22 基材層
30 賦型シート
31 賦型シート基材層
32 賦型層
33 賦型層基部
34 賦型層線状凹凸部
35 賦型層線状凸部
36 賦型層線状凹部

Claims (5)

  1. 表面に光沢を付与するシートであって、
    基部と、前記基部の一方に設けらた線状凹凸部と、を有し
    前記線状凹凸部は、長い下底を前記基部側に、短い上底を前記基部とは反対側に有する台形断面を具備し、該台形断面を維持して一方向に延びる線状凸部を有し、複数の前記線状凸部が前記延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配列されており、
    複数の前記線条凸部はいずれも前記一方向に延び、
    複数の前記線状凸部の間には、短い上底を前記基部側に、長い下底を前記基部とは反対側に有する台形断面の溝である線状凹部が形成され、
    複数の前記線状凸部の配列ピッチPは1μm以上5μm以下、前記線状凸部の台形断面における高さHは1μm以上5μm以下とされるとともに、P/Hが1.0以下である、回折光沢シート。
  2. 前記基部のうち前記線状凹凸部が設けられた側とは反対側の面に基材層が設けられている、請求項1に記載の回折光沢シート。
  3. 表面に光沢を付与するシートのための賦型シートであって、
    賦型層基部と、前記賦型層基部の一方に設けらた賦型層線状凹凸部と、を有し、
    前記賦型層線状凹凸部は、長い下底を前記賦型層基部側に、短い上底を前記賦型層基部とは反対側に有する台形断面を具備し、該台形断面を維持して一方向に延びる賦型層線状凸部を有し、複数の前記賦型層線状凸部が前記延びる方向とは異なる方向に間隔を有して配列されており、
    前記賦型層線状凸部はいずれも前記賦型層基部の帯状の長手方向に延び、
    複数の前記賦型層線状凸部の間には、短い上底を前記賦型層基部側に、長い下底を前記賦型層基部とは反対側に有する台形断面の溝である賦型層線状凹部が形成され、
    複数の前記賦型層線状凸部の配列ピッチPは1μm以上5μm以下、前記賦型層線状凸部の台形断面における高さHは1μm以上5μm以下とされるとともに、P/Hが1.0以下である、賦型シート。
  4. 前記賦型層基部のうち前記賦型層線状凹凸部が設けられた側とは反対側の面に賦型シート基材層が設けられている、請求項3に記載の賦型シート。
  5. 回折光沢シートを製造する方法であって、
    請求項3又は4に記載の賦型シートの前記賦型層線状凹凸部に、硬化前の樹脂組成物を供給し、該組成物を硬化してから前記賦型シートから離型する、回折光沢シートの製造方法。
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