JP2020152075A - 成形体の製造方法、及び工程紙 - Google Patents

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秀昭 近藤
山口 昌樹
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Abstract

【課題】微細パターンを有する成形体の製造に好適に用いることのできる成形体の製造方法、及び工程紙を提供する。【解決手段】成形体は、微細パターンを外面に有する。成形体の製造方法は、基材フィルムが巻回された基材ロールを準備する準備工程と、基材ロールから繰り出された基材フィルム上に樹脂層を形成することで成形基材を得る樹脂層形成工程とを備える。成形体の製造方法は、微細パターンPTが形成された工程紙13をロール本体12の外周に設けた成形用ロール11を用いて、成形基材の樹脂層に微細パターンPTを転写する転写工程と、転写工程で得られた成形体を巻き取ることで成形体のロール品を得る巻取工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、微細パターンを外面に有する成形体を製造する成形体の製造方法、及びその製造方法に用いられる工程紙に関する。
従来、微細パターンを有する成形体を製造する方法として、成形用ロールを用いる方法が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、微細パターンが形成された外周面を有する転写ロール(成形用ロール)が開示されている。この転写ロールは、外周面に微細パターンが形成された転写筒と、転写筒の内側に挿入されて転写筒を着脱自在に保持する回転軸とから構成されている。転写ロールの転写筒は、電気鋳造を利用して製造された金属製の外周面を有している。
特開2008−126543号公報
上記従来の成形用ロールにおいて、微細パターンを有する外周面は、金属製であるため、例えば、成形用ロールの重量が増したり、成形用ロールの金属加工が煩雑となったりするおそれがある。このように、微細パターンを有する成形体を得る用途に用いられる成形用ロールにおいて、未だ改善の余地があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細パターンを有する成形体の製造に好適に用いることのできる成形体の製造方法、及び工程紙を提供することにある。
上記課題を解決する成形体の製造方法は、微細パターンを外面に有する成形体を製造する成形体の製造方法であって、基材フィルムが巻回された基材ロールを準備する準備工程と、前記基材ロールから繰り出された前記基材フィルム上に樹脂層を形成することで成形基材を得る樹脂層形成工程と、微細パターンが形成された工程紙をロール本体の外周に設けた成形用ロールを用いて、前記成形基材の前記樹脂層に前記微細パターンを転写する転写工程と、前記転写工程で得られた成形体を巻き取ることで前記成形体のロール品を得る巻取工程と、を備える。
この方法によれば、微細パターンが形成された工程紙をロール本体の外周に設けた成形用ロールを用いることで、例えば、成形用ロールを軽量化したり、金属加工等の煩雑さを軽減したりすることができる。また、金属に形成された微細パターンではなく、工程紙に形成された微細パターンでは、その凹凸構造の柔軟性が比較的高いため、凹凸構造の変形を利用して成形体を工程紙から容易に剥離(離型)させることができる。
上記成形体の製造方法において、前記工程紙に形成した微細パターンの凹凸の深さ寸法は、前記ロール本体の直径の1/1000以下であることが好ましい。
上記成形体の製造方法において、前記樹脂層は、紫外線硬化樹脂層であり、前記転写工程は、前記紫外線硬化樹脂層に前記微細パターンを形成した後に前記紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射する段階を含むことが好ましい。
上記成形体の製造方法において、前記微細パターンは、千鳥状のパターンであり、凹凸の深さ寸法は、ピッチの10%以上50%以下の範囲内であることが好ましい。
上記課題を解決する工程紙は、上記成形体の製造方法に用いられる。
上記工程紙は、紙層と熱可塑性樹脂層とを有し、厚さが30μm以上、500μm以下の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、微細パターンを有する成形体の製造に好適に用いることができる。
実施形態における成形用ロールを示す概略斜視図である。 成形体の製造装置を模式的に示す説明図である。 (a)は、成形体(ロール品)を示す斜視図であり、(b)は、成形体の外面を拡大して示す平面図である。 図3の4−4線に沿った端面図である。 (a)及び(b)は、成形用ロールの製造方法における形成工程を説明する概略図である。 成形用ロールの製造方法における取付工程を説明する概略図である。
以下、成形体の製造方法、及び工程紙の一実施形態について図面を参照して説明する。
まず、成形体を製造するための製造装置について説明する。
図1及び図2に示すように、成形体の製造装置21は、成形用ロール11を備えている。成形用ロール11のロール外周面には、成形基材31の樹脂層31aに転写するための微細パターンPTが形成されている。成形用ロール11は、金属製のロール本体12と、ロール本体12の外周に設けられた工程紙13とを有している。ロール本体12は、成形用ロール11の回転軸となる部分であり、円柱状又は円筒状に形成されている。ロール外周面の微細パターンPTは、工程紙13に形成されている。工程紙13に形成した微細パターンの凹凸の深さ寸法は、ロール本体の直径の1/1000以下であることが好ましい。
工程紙13としては、熱可塑性樹脂層を有し、加熱により所定の凹凸形状に変形可能なシート材である。熱可塑性樹脂層の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、6−ナイロン、66−ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。工程紙13は、強度やパターン形状の維持の観点から、基材層をさらに有していることが好ましい。基材層としては、紙層又は樹脂層が挙げられる。紙層としては、例えば、上質紙、中質紙、グラシン紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等が挙げられる。樹脂層としては、例えば、上述した熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。工程紙13は、基材層として紙層を含むことで、形状安定性や耐久性を高めることができる。なお、工程紙13は、例えば、シリコーン等の剥離剤層(離型剤層)を有していてもよい。工程紙13において、熱可塑性樹脂層、基材層、剥離剤層(離型剤層)の各層は、それぞれ単層であってもよいし、二層以上であってもよい。
工程紙13としては、工程紙の名称で市販されているものに加えて、剥離紙、剥離フィルム、離型紙、離型フィルム等の名称で市販されているものであってもよい。工程紙13は、ロール本体12の外周面に沿って変形可能な可撓性を有している。工程紙13の厚さは、例えば、30μm以上、500μm以下の範囲内である。なお、図面では、説明の便宜上、工程紙13等の厚さを誇張して示している。
工程紙13は、紙層と熱可塑性樹脂層とを有し、厚さが30μm以上、500μm以下の範囲内であることが好ましい。
成形体の製造装置21は、基材ロール22aから基材フィルム31bを繰り出す繰出部22と、基材フィルム31b上に樹脂層31aを形成する樹脂層形成部23と、成形用ロール11が配置される転写部24と、成形体32を巻き取る巻取部25とを備えている。すなわち、成形体の製造装置21は、ロール・ツー・ロール方式(Roll to Roll方式)で成形体32を製造する装置である。
基材ロール22aは、基材フィルム31bがロール状に巻回されたものであり、繰出部22からは基材フィルム31bが連続的に繰り出される。
樹脂層形成部23は、基材フィルム31bに樹脂を塗布する塗工機23aを備えている。樹脂層形成部23では、基材フィルム31bと樹脂層31aとを有する成形基材31が得られる。塗工機23aは、特に限定されず、各種塗工方法を行う塗工機23aを用いることができる。塗工方法としては、例えば、ダイコート法、ロールコート法、ロールナイフコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法等の方法を行う塗工機23aを用いることができる。なお、図2では、塗工機23aとして、ダイコート法を行うスロットダイを模式的に示している。
本実施形態の樹脂層形成部23では、基材フィルム31bに紫外線硬化樹脂を塗工する。すなわち、本実施形態における成形基材31の樹脂層31aは、紫外線硬化樹脂から構成されている。
転写部24では、成形用ロール11のロール外周面に形成された微細パターンPTを成形基材31の樹脂層31aに転写する。本実施形態の転写部24は、微細パターンが転写された樹脂層31aに紫外線を照射する光源24aを備えている。
巻取部25では、成形体32を連続的に巻き取ることで、図3(a)に示すように、成形体32のロール品25aが得られる。
次に、成形体32の製造方法について説明する。
成形体32の製造方法は、樹脂製の基材フィルム31bが巻回された基材ロール22aを準備する準備工程と、基材ロール22aから繰り出された基材フィルム31b上に樹脂層31aを形成する樹脂層形成工程とを備えている。基材フィルム31bを構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。基材フィルム31bを構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。基材フィルム31bの厚さは、例えば、10〜500μmの範囲内である。
本実施形態の樹脂層形成工程では、紫外線硬化樹脂が用いられる。樹脂層形成工程において形成する樹脂層31aの厚さは、成形用ロール11の微細パターンPTにおける凹凸が転写可能な厚さとなるように調整すればよい。樹脂層31aの厚さは、樹脂層形成工程において、基材フィルム31bに塗布する樹脂の塗布量により調整することができる。
成形体32の製造方法は、成形用ロール11の外周面に形成された微細パターンPTを成形基材31の樹脂層31aに転写する転写工程と、転写工程で得られた成形体32を巻き取ることで成形体32のロール品25aを得る巻取工程とをさらに備えている。
図3(b)及び図4に示すように、得られた成形体32の外面(樹脂層31aの外面)には、微細パターンPT(微細な凹凸のパターン)が形成されている。成形体32の微細パターンPTとしては、例えば、撥水性を発揮する(撥水性を向上させる)微細パターンを採用することができる。図4に示すように、撥水性を発揮する微細パターンPTは、所定の凹凸構造を有している。すなわち、上記工程紙13についても成形体32の外面と同様の微細パターンPTを有している。
微細パターンPTは、千鳥状のパターンであることが好ましい。微細パターンPTの凹凸構造における深さ寸法H(凸部の突出高さ)は、凸部の幅寸法F1と凹部の幅寸法F2との合計の寸法であるピッチTの10%以上であることが好ましい。また、深さ寸法H(凸部の突出高さ)は、例えば、5〜100μmの範囲内であることが好ましい。凸部の幅寸法F1は、25〜125μmの範囲内であることが好ましい。凹部の幅寸法F2は、25〜125μmの範囲内であることが好ましい。凸部の幅寸法F1と凹部の幅寸法F2との合計の寸法であるピッチTは、100〜200μmの範囲内であることが好ましい。
撥水性を発揮する微細パターンPTを有する表面における水の接触角θ1(°)は、微細パターンPTを有しない表面の水の接触角をθ2(°)とした場合、θ1(°)>θ2(°)+10の関係を満たすことが好ましく、θ1(°)>θ2(°)+20の関係を満たすことがより好ましく、θ1(°)>θ2(°)+25の関係を満たすことがさらに好ましい。なお、接触角の測定は、JIS R3257に準拠し、水滴量を2.4μLとして測定した値である。撥水性を発揮する微細パターンPTを有する表面における水の接触角θ1(°)は、100(°)以上であることが好ましく、より好ましくは110(°)以上であり、さらに好ましくは120(°)以上である。
次に、成形用ロール11の製造方法について説明する。
成形用ロール11の製造方法は、工程紙13に微細パターンPTを形成する形成工程と、微細パターンPTを形成した工程紙13をロール本体12の外周に取り付ける取付工程とを備えている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、成形用ロール11の製造方法における形成工程は、微細パターンPTを有するマスターモールドMを用いて行うことができる。マスターモールドMは、例えば、シリコン基板、セラミックス基板、石英基板等から構成される。マスターモールドMは、周知の電子線描画技術等の半導体プロセス技術を用いて基板に微細パターンPTを形成することで得られる。このマスターモールドMに形成される微細パターンPTが工程紙13に転写され、工程紙13に転写された微細パターンPTがさらに成形基材31に転写される。このため、マスターモールドMの微細パターンPTの設計は、上述した成形体32の微細パターンPTにおける凹凸構造に従って行われる。
形成工程では、マスターモールドMにおいて微細パターンPTが形成されている凹凸面と、工程紙13の熱可塑性樹脂層とを合わせて配置し、例えば、プレス機41で熱プレスする。これにより、マスターモールドMの微細パターンPTを工程紙13に転写され、微細パターンPTが形成された工程紙13を得ることができる。
形成工程において、熱プレスする際には、緩衝材42上にマスターモールドMを配置し、そのマスターモールドM上に工程紙13を配置することが好ましい。これにより、マスターモールドMと工程紙13との間の圧力をより均一化することができるため、マスターモールドMの微細パターンPTをより忠実に工程紙13に転写することが可能となる。緩衝材42としては、例えば、ゴム系シートを好適に用いることができる。ゴム系シートとしては、例えば、フッ素ゴムシート、天然ゴムシート等が挙げられる。ゴム系シートの厚さは、例えば、0.5〜10mmの範囲内である。
形成工程において、熱プレスの温度は、工程紙13に含まれる熱可塑性樹脂の種類に応じて、工程紙13の樹脂が軟化する温度に設定される。熱プレスの圧力は、例えば、0.5〜20MPaの範囲内である。熱プレスの時間は、例えば、10〜120秒の範囲内である。
工程紙13に形成された凹凸構造の深さ寸法がマスターモールドMの凹凸構造の深さ寸法Hよりも小さい場合、形成工程における熱プレスの圧力や温度を高めることで、工程紙13における深さ寸法をマスターモールドMの深さ寸法に近づけることが可能である。工程紙13に形成された凹凸構造における深さ寸法は、例えば、3Dレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
図6に示すように、取付工程では、工程紙13をロール本体12の外周形状に沿うように変形させてロール本体12の外周に工程紙13を巻き付ける。工程紙13は、図示を省略した固定部材を用いてロール本体12に固定することができる。固定部材としては、例えば、接着剤や粘着テープが挙げられる。粘着テープとしては、片面粘着テープ及び両面粘着テープの少なくとも一方を用いることができる。片面粘着テープを用いる場合、例えば、工程紙13の表面(微細パターンPTが形成されている面)の両側部(ロール本体12の軸方向における両側部)を粘着する。両面粘着テープを用いる場合、工程紙13とロール本体12との間に配置し、工程紙13の裏面と、ロール本体12の外周面とを粘着する。なお、ロール本体12の外周面と、工程紙13との間に緩衝材等を設けることも可能である。
次に、具体例を挙げてより詳細に説明する。
(工程紙への転写圧の検討)
小型プレス機(アズワン株式会社製、H300−15)における上下の熱板の間に、下から順に、厚さ1mmの緩衝材(フッ素ゴム、100mm×100mm、MiSUMi社製)、表1に示されるSi製マスターモールド(60mm×60mm)、工程紙(厚さ200μm、上部PP層、下部上質紙、リンテック社製、EV130TPG)を重ねた後、プレスした。
プレス温度は150℃、プレス時間は90秒とし、転写圧(プレス圧)を4MPaから20MPaまでの9水準で実施した。その後、Si製マスターモールド及び工程紙を冷却し、工程紙を外すことで、片側表面に微細周期構造(微細パターン)を有する工程紙を得た。
得られた工程紙における転写面の寸法を、3Dレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、OLS4100)を用いて測定した。この寸法測定は、工程紙における転写面のうち、中央、左上、右上、左下、右下の5箇所で行った。その5箇所のそれぞれにおいて、凹凸を5箇所計測し、その平均値を算出した。
プレス圧(転写圧)と深さ寸法H(転写深さ)の関係を表2に示す。4MPaから20MPaまでのすべての転写圧の全計測箇所で、微細周期構造が確認された。平均の深さ寸法Hが最も深い転写圧は、20MPaであった。転写深さは、転写圧を上げるほど深くなる傾向にあるが、14MPa以上の転写圧では、転写深さの大きな増加は認められなかった。
なお、表2中の“平均±SD”のSDは、標準偏差であり、“CV[%]”は、変動係数を百分率で表したものである。
(工程紙の種類の検討)
上記の「工程紙への転写圧の検討」と同様にして、各種工程紙について転写深さ(深さ寸法H)の確認試験を行った。但し、この確認試験では、転写圧を4MPaに設定し、緩衝材のフッ素ゴムとして40mm×40mmの寸法のものを用いるとともに、表3に示すSi製マスターモールド(30mm×30mm)を用いた。
この確認試験で用いた工程紙の種類と深さ寸法H(転写深さ)の計測結果を表4に示す。表4中の工程紙は、ポリプロピレン層と上質紙との積層構造を有している。
最も深さ寸法Hが大きかった工程紙は、表4に示す工程紙Cであり、平均の転写率は92%であった。一方、最も転写の均一性が高い工程紙は、表4に示す工程紙Eであった。表4に示す工程紙Gは、深さ寸法Hが最も小さく、転写の均一性についても最も低かった。
(ホットエンボス装置を用いた工程紙への転写)
ホットエンボス装置(HEX02 EMBOSSING SYSTEM、イェノブティック・レーザーオブティックシステム製)を用いて工程紙への転写を行った。転写には、表5に示す4種類のSi製モールド(雌型、30mm×30mm)と、厚さ200μmの工程紙(恵和株式会社製)を用いた。また、プレス温度は130℃、転写圧(プレス圧)は3.3MPa又は7.8MPa、プレス時間は60秒とした。
ホットエンボス装置を用いて得られた工程紙における転写面の寸法を、3Dレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、OLS4100)を用いて測定した。この寸法測定では、5箇所の深さ寸法を測定し、その平均値を算出した。その結果を表6に示す。
ホットエンボス装置を用いた転写では最大で63.7μm(転写率91.7%)の転写が確認できたが、転写後にSi製モールドが破損する例が見られた。
(製造例)
成形用ロールの準備では、まず、下記の工程紙に下記のSi製マスターモールドの微細パターンを、熱プレス装置(市販のホットエンボス装置)を用いて熱プレスの圧力を7.8MPa、熱プレスの温度を130℃、熱プレスの時間を60秒とする条件で転写することで、微細パターンを有する工程紙を得た。
工程紙:ポリプロピレン層と上質紙との積層構造を有する工程紙、厚さ200μm、恵和株式会社製。
マスターモールド:表5中のモールドNo.3
次に、微細パターンを有する工程紙をロール本体(ロール幅:120mm、ロール径:200mm)に巻き付けて片面テープで固定することで成形用ロールを得た。
得られた成形用ロールを成形体の製造装置(UV転写装置、ロール・ツー・ロール方式、RT−120U、東芝機械株式会社製)に装着した。UV転写装置の仕様を表7に示す。
成形体の製造方法では、基材ロール(PETフィルム、厚さ寸法:100μm、幅寸法:100mm、巻長さ寸法:100m、東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャインA4100)から基材フィルムを繰り出し速度0.5m/minの速度、張力5Nの条件で繰り出した。この基材フィルムに紫外線硬化樹脂(粘度37.4mPa・s、CHANGSUNG SHEET社製、KR−30)を塗工することで基材フィルム上に樹脂層を形成することで成形基材を得た(樹脂層形成工程)。紫外線硬化樹脂の塗工は、スロットダイを用い、塗工幅を80mm、紫外線硬化樹脂の吐出量を2.4mL/secの条件で行った。得られた成形基材に成形用ロールにより微細パターンを転写(紫外線硬化樹脂を硬化)する転写工程の後に、巻取工程を行うことで成形体のロール品を得た。紫外線硬化樹脂の作成条件を表8に示す。
UV転写装置を用いて得られた成形体における転写面の寸法を、3Dレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、OLS4100)を用いて測定した。その結果を表9に示す。この寸法測定では、5箇所(n1〜n5)の深さ寸法を測定し、その平均値を算出した。成形体の微細パターンの深さ寸法Hは、大部分で10〜20μmであったが、成形体の端部では、50〜70μmであることが確認された。表9における深さ寸法Hは、深さ寸法Hが最大である部分の測定結果である。
工程紙の深さ寸法Hの平均は、63.7μm(表6、モールドNo.3)であり、成形体の深さ寸法Hの平均は、67.0μmであることから、転写率は、ほぼ100%であることが分かる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)成形体32は、微細パターンPTを外面に有する。成形体32の製造方法は、基材フィルム31bが巻回された基材ロール22aを準備する準備工程と、基材ロール22aから繰り出された基材フィルム31b上に樹脂層31aを形成することで成形基材31を得る樹脂層形成工程とを備える。成形体32の製造方法は、微細パターンPTが形成された工程紙13をロール本体12の外周に設けた成形用ロール11を用いて、成形基材31の樹脂層31aに微細パターンPTを転写する転写工程と、転写工程で得られた成形体32を巻き取ることで成形体32のロール品25aを得る巻取工程とを備える。
この方法によれば、微細パターンPTが形成された工程紙13をロール本体12の外周に設けた成形用ロール11を用いることで、例えば、成形用ロール11を軽量化したり、金属加工等の煩雑さを軽減したりすることができる。また、金属に形成された微細パターンではなく、工程紙13に形成された微細パターンPTでは、その凹凸構造の柔軟性が比較的高いため、凹凸構造の変形を利用して成形体32を工程紙13から容易に剥離(離型)させることができる。したがって、微細パターンを有する成形体の製造に好適に用いることができる。
また、成形体32の製造方法では、準備工程で準備した基材ロール22aから樹脂層形成工程、転写工程、巻取工程を通じて成形体32のロール品25aを得ている。すなわち、成形体32の製造方法は、ロール・ツー・ロール方式であるため、成形体32の製造効率を高めることができる。
(2)工程紙13に形成した微細パターンPTの凹凸の深さ寸法Hは、ロール本体12の直径の1/1000以下であることが好ましい。例えば、このように微細パターンPTの凹凸の深さ寸法Hを設定することで、成形体32を工程紙13からさらに容易に剥離(離型)させることができる。
(3)成形基材31の樹脂層31aは、紫外線硬化樹脂層であり、転写工程は、紫外線硬化樹脂層に微細パターンPTを形成した後に紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射する段階を含むことが好ましい。この場合、例えば、転写工程において樹脂層31aを速やかに硬化させることができるため、成形体32の生産速度を速めることが可能となる。
(4)微細パターンPTは、千鳥状のパターンであり、凹凸の深さ寸法Hは、ピッチの10%以上50%以下の範囲内であることが好ましい。例えば、このような微細パターンPTによって成形体32の外面に撥水性を付与することが可能となる。
(5)工程紙13は、紙層と熱可塑性樹脂層とを有し、厚さが30μm以上、500μm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、このような工程紙13を用いることで、成形体32を製造する際の工程紙13の耐久性を高めることが可能となる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・成形基材31(成形体32)の基材フィルム31bは、樹脂以外の材料からなる基材や、樹脂以外の材料と樹脂との複合材料からなる基材であってもよい。基材フィルム31bとして、例えば、金属製のフィルム(金属薄膜)を用いてもよい。
・上記成形基材31では、樹脂層31aの樹脂として、紫外線硬化樹脂を用いているが、電子線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂を用いてもよい。成形基材31は、一種類の樹脂から構成してもよいし、二種以上の樹脂から構成したものであってもよい。
・成形用ロール11の微細パターンPTは、成形体32に付与する機能(特性)に応じて適宜変更することができる。成形用ロール11の微細パターンPTの凹凸は、ミクロンサイズに限定されず、例えば、ナノサイズであってもよい。微細パターンPT(凹凸構造)によって成形体32に付与する機能は、撥水性以外の機能(例えば、所定の光学特性)であってもよい。
11…成形用ロール、12…ロール本体、13…工程紙、21…成形体の製造装置、22a…基材ロール、25a…ロール品、31…成形基材、31a…樹脂層、31b…基材フィルム、32…成形体、PT…微細パターン。

Claims (6)

  1. 微細パターンを外面に有する成形体を製造する成形体の製造方法であって、
    基材フィルムが巻回された基材ロールを準備する準備工程と、
    前記基材ロールから繰り出された前記基材フィルム上に樹脂層を形成することで成形基材を得る樹脂層形成工程と、
    微細パターンが形成された工程紙をロール本体の外周に設けた成形用ロールを用いて、前記成形基材の前記樹脂層に前記微細パターンを転写する転写工程と、
    前記転写工程で得られた成形体を巻き取ることで前記成形体のロール品を得る巻取工程と、を備えることを特徴とする成形体の製造方法。
  2. 前記工程紙に形成した微細パターンの凹凸の深さ寸法は、前記ロール本体の直径の1/1000以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造方法。
  3. 前記樹脂層は、紫外線硬化樹脂層であり、
    前記転写工程は、前記紫外線硬化樹脂層に前記微細パターンを形成した後に前記紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射する段階を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記微細パターンは、千鳥状のパターンであり、凹凸の深さ寸法は、ピッチの10%以上50%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成形体の製造方法に用いられることを特徴とする工程紙。
  6. 紙層と熱可塑性樹脂層とを有し、厚さが30μm以上、500μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の工程紙。
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