JP5922859B2 - 化粧シート及びそれを用いてなる積層板 - Google Patents

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本発明は放射状透過光線を表出する化粧シート及びそれを用いてなる積層板に関する。
従来、ガラス、アクリル板等の透明基板の表面に貼付け、窓や間仕切り等に意匠性を付与する化粧シートとしては、以下のものが知られている。
(1)透明ポリエステルフイルムの裏面に絵柄印刷層及び粘着剤層が積層されたものであり、透明ポリエステルフイルムが表層にくる為に平坦な意匠となっていた。
(2)透明ポリエステルフイルム上に絵柄印刷層を設け、さらに表面に凹凸模様が賦形された透明樹脂層が積層され、前記透明ポリエステルフイルムの裏面に粘着剤層を積層したものであり、反射層がないために光輝性がなかった。
(3)上記(1)及び(2)を改良するため、光透過性を有する蒸着フィルムの蒸着面上に印刷層、透明熱可塑性樹脂層を積層するとともに、該透明熱可塑性樹脂層上面に万線状微細凹凸を設けることにより光輝性を持たせる化粧シートも提案されている。(特許文献1及び2参照)
また、万線状凹凸模様を有する化粧材としては、
(4)線長が不規則に異なる多数の線素を、近傍の線素間に於いては、揺らぎを有する平行関係となる様に配置したパターンから成る万線状凹凸模様を有する化粧材が提案され、(特許文献3参照)
(5)平面視パターンが、互いに完全には重ならない、第1の万線状凹凸模様と第2の万線状凹凸模様との集合体からなり、且つ深さ方向の水準面が3段階か又は4段階からなる複合万線状凹凸模様を有する化粧材が提案されている。(特許文献4参照)
(3)及び(4)の提案は、いずれも木目の「照り」による木肌感等を、人工的で技とらしくなく自然な感じに表現できる化粧材を提供せんとするものであり、化粧シートを透過する光の方向を制御するものではない。また、万線状凹凸模様も曲線を基調とするものであった。
特開平7−314631号公報 特開平8−103982号公報 特開平11−268500号公報 特開2001−9907号公報
本発明は、上述の従来の万線状凹凸模様を有する化粧シートの概念とは隔絶する、万線の方向数に対応した放射状透過光線を表出する化粧シート及びそれを透明基板に貼着してなる積層板を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、複数の略直線状万線からなる万線群を複数有し、該万線により凹凸部が形成された化粧シートにおいて、万線による微細凹凸の万線の線方向がランダムであって制御されていない場合には放射状透過光線が得られないことを知見した。そして、万線群間の角度を特定の範囲に限定することにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)複数の略直線状万線からなる万線群を複数有し、該万線により凹凸部が形成された化粧シートであって、一つの万線群の万線と他の万線群の万線とのなす角度が30°以上90°以下であることを特徴とする化粧シート、
(2)前記凹凸部の表面粗さRzが、7〜100μmである上記(1)に記載の化粧シート、
(3)前記凹凸部の凹凸間隔Lが40〜200μmである上記(1)又は(2)に記載の化粧シート、
(4)前記万線群の全面積が、前記化粧シート全表面の40%以上を占める上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧シート、
(5)一つの万線群と他の万線群との距離が1mm以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧シート、及び
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化粧シートを透明基板に貼着してなる積層板
を提供するものである。
本発明の化粧シート及びそれを透明基板に貼着してなる積層板は、万線の方向数に対応した鮮やかな放射状透過光線を表出し、高い意匠性を得ることができる。
本発明の化粧シートの断面を示す模式図である。 本発明の化粧シートの製造工程の一例を示す模式図である。 本発明の化粧シートの万線群の配置の第一の実施態様を示す模式図である。 本発明の化粧シートの万線群の配置の第二の実施態様を示す模式図である。 本発明の化粧シートの万線群の配置の第三の実施態様を示す模式図である。 本発明の化粧シートの万線群の配置の第四の実施態様を示す模式図である。 比較例の化粧シートの万線群の配置の第一の態様を示す模式図である。 比較例の化粧シートの万線群の配置の第二の態様を示す模式図である。 比較例の化粧シートの万線群の配置の第三の態様を示す模式図である。
本発明の化粧シートは、複数の略直線状万線からなる万線群を複数有し、万線により凹凸部が形成された化粧シートであって、一つの万線群の万線と他の万線群の万線とのなす角度が30°以上90°以下であることを特徴とする。本発明において、万線が略直線状であることを要するのは、曲線状であると透過光線がぼやけて、不鮮明な放射状透過光線になったり、放射状透過光線が表出しなくなったりしてしまうからである。本発明の万線は、直線状であればより鮮明な放射状透過光線が得られる点で好ましい。ここで、略直線状とは、直線状又は曲率半径3.5mm以上の曲線をいう。また、一つの万線群の万線と他の万線群の万線とのなす角度が30°以上であることを要するのは、角度が30°未満であると放射状透過光線が不鮮明になるからである。
本発明における放射状透過光線とは、可視光線を略直角で化粧シートに照射した際に、複数の万線群の各万線の方向の方向数に対応し、個々の万線の線方向に直角方向に放射状に透過光線が表出することをいう。例えば、複数の略直線状の万線からなる万線群を複数有する場合において、万線の線方向が2方向で互いに直角であれば、均等な4方向に放射する十字形の透過光線が得られる。万線の線方向が4方向で全てが互いに45°の角度をなしていれば、均等な8方向に放射する透過光線が得られ、万線の線方向が6方向で全てが互いに30°の角度をなしていれば、均等な12方向に放射する透過光線が得られる。
万線の線方向が7方向以上ある場合は、必然的に30°未満の角度をなす2方向の万線が存在するので、本発明の化粧シートが得られない。本発明においては、一つの万線群の万線と、他方の万線群の万線とのなす角度が、好ましくは35°以上、更に好ましくは、45°以上であるときに鮮明な放射線状透過光線が得られる点で好ましい。
なお、本発明においては、2つの略直線状万線のなす角度α°及び(180−α)°の内、小さい方の角度を「2つの略直線状万線のなす角度」という。
本発明における万線群は、複数の略直線状万線からなるものであるが、3本以上の略直線状万線からなるものが好ましく、5本以上の略直線状万線からなるものがさらに好ましい。また、万線群中の万線の数に上限はないが、万線の数が100以下が好ましく、50以下であることがさらに好ましい。
なお、万線群の大きさを小さくし且つ万線群の数を多くすると、より均一な意匠が得られる。
なお、可視光線を、本発明の化粧シートの凹凸部のある側に略直角で照射しても、逆に本発明の化粧シートの裏面側に略直角で照射しても、同様に放射状透過光線が得られる。
本発明における可視光線は、太陽光、白熱球照明、蛍光灯照明、LED照明、レーザー光線等のいずれを用いても良く光源を限定するものではないが、好ましくは指向性の高い光源であるLED照明、レーザー光線等、又は集光等により指向性を高めた太陽光、白熱球照明、蛍光灯照明、LED照明等の光源が上げられる。指向性の高い光源や集光等により指向性を高めた光源であると、放射状透過光の表出が鮮明になる点で好ましい。
以下、本発明を、図面を用いてさらに説明する。図1は、本発明の化粧シートの典型的な断面例を示す模式図である。本発明の化粧シート10は、表面に複数の略直線状万線からなる万線群を複数有し、万線により凹凸部11aが形成された透明フィルム11単独であっても良く、図1のように表面に複数の略直線状万線からなる万線群を複数有し、万線により凹凸部11aが形成された透明フィルム11の凹凸部11aとは反対側の裏面に粘着剤を積層して粘着剤層12を形成し、さらにその粘着剤層12の表面に離型シート13を貼着したものであっても良い。この離型シート13は、粘着剤層12を保護するものであり、化粧シート10を透明基板に貼着する際に剥がして除去され、透明フィルム11と透明基板とが粘着剤層12を介して積層される。
本発明の化粧シート10は、万線群付与対象物である透明フィルム11の材質等に応じて、エンボス版、成形型等により賦形されて、製造される。
透明フィルム11が、熱可塑性樹脂シート等で熱圧によって塑性変形可能の場合には、エンボス版として作製した賦形版によって、熱圧を加えて、賦形すれば良い。エンボスには、平版プレス機、ロールエンボス機等の公知の各種プレス、エンボス機を使用する。円筒状のエンボス版を使用するロールエンボス法は、付与対象物を長尺帯状シート等として連続生産出来るので生産性が良い。付与対象物への加熱加圧条件は、付与対象物の熱圧的挙動により異なるが、通常の熱可塑性樹脂の場合、軟化点又は熱変形温度と融点又は熔融温度との間の適当な温度に加熱し、エンボス版を押圧して賦形し、冷却して形状を固定する。また、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂で塑性変形不可能の場合でも、その硬化前の固体で塑性変形可能な段階でエンボス版により熱圧又は圧を与えて賦形するか、液状段階で取り扱えるならば、エンボス版を成形型として使用して硬化させる等して、賦形できる。エンボス版による賦形は、通常、付与対象物がシート又は板状の場合に適する。
なお、賦形版から直接に化粧シート10に万線状凹凸模様を付与する以外に、賦形版から一旦シート等に賦形したものを第二の賦形版として、この第二の賦形版を使用して化粧シート10に万線状凹凸模様を付与する様な、間接的な凹凸模様の付与方法でも良い。例えば、支持体シートと転写層とからなる転写シートの支持体シートを第二の賦形版として使用する。すなわち、賦形版から支持体シートに複合万線状凹凸模様を賦形し、この賦形された支持体シートによって、被転写体に転写移行する転写層の表面に複合万線状凹凸模様を転写と共に付与する方法等である。この場合、成形型内に転写シートを挿入して成形すれば、樹脂等の成形体の表面に成形と同時に万線状凹凸模様を適宜絵柄等と共に付与できる方法となる(射出成形では所謂射出成形同時絵付け方法に於ける転写方法)。
次に、本発明の化粧シート10の製造方法の典型例を図2に基づいて説明する。図2は、本発明の化粧シート10の製造工程の一例を示す模式図である。図2において、製造ライン20の左側から供給された透明フィルム11は加熱ドラム21で50〜200℃に加熱され、さらにヒーター22で保温又は加熱されてエンボス版23とゴムロール24との間を通過して透明フィルム11の表面に凹凸部11aを有する複数の略直線状万線からなる万線群が複数形成される。複数の略直線状万線からなる万線群が複数形成された透明フィルム11はそのまま排出側で巻き取られる。本発明の化粧シート10は、複数の略直線状万線からなる万線群が複数形成された透明フィルム11単独であっても良い。
透明フィルム11単独からなる化粧シート10の場合、後で、化粧シート10の凹凸部11aとは反対側に粘着剤層12を積層し、粘着剤層12の表面に離型シート13を貼着し、図1に示す構成の化粧シート10を製造しても良いし、透明基板とのラミネート時に両者の間に粘着剤層12を配設して積層板を製造しても良い。前者の場合、積層板の施工場所の制限がなくなり、種々の積層板への用途展開が可能となる。後者の場合、離型シート13が不要となり省資源の観点から好ましい。
また、図2の製造工程において、透明フィルム11に凹凸部11aを有する複数の略直線状万線からなる万線群が複数形成された後、同じ製造ライン上で透明フィルム11の凹凸部11aとは反対側に粘着剤層12を積層し、粘着剤層12の表面に離型シート13を貼着して、図1に示す構成の化粧シート10を製造しても良い。
本発明に用いられるエンボス版の典型的な作製方法を説明する。
(1)原稿画像の作製:先ず、複数の略直線状万線からなる万線群が複数存在する画像をデジタルデータとしてコンピュータ内で作成する。
(2)版下画像の作製:次に、上記画像データの万線パターンを二次元仮想平面上に生成して配置して、デジタルデータとして版下画像を得る。感光性レジストとしてネガ型のものを用いる場合は、万線はポジ画像を用いる。なお、感光性レジストとしてポジ型のものを用いる場合は、万線はネガ画像を用いる。
(3)版材へのレジスト膜形成:一方、エンボス版とする版材としては、エンボス版としての機能を果たすのに適した材質のものであれば、どのようなものでもかまわず、公知の版材を用いることが出来る。例えば、エッチングで版材に凹凸を腐食形成するには、版材の材質としては銅や鉄等の金属が好ましい。そして、この様な版材の表面に、感光性レジスト膜(以下、単にレジスト膜と呼称する。)を形成する。例えば、一般にレジスト剤には、露光部分が硬化するネガ型と、露光部分が現像によって溶出するポジ型とがあるが、いずれの型を用いてもかまわない。また、レジスト膜の形成方法も、どのような方法を用いてもかまわない。例えば、版材の表面にレジスト剤を直接塗布しても良いし、いわゆるカーボンチッシュ等のレジスト転写フィルムを用いて、レジスト膜を形成しても良い。
(4)レジスト膜のパターンニング:レジスト膜のパターンニングは、ビーム走査露光法による他、版下フィルムを用いた露光法等により行うこともできる。
(5)腐食:次に版材上に露光部として残存しているレジスト膜(形成部)を保護膜として、表面から版材の腐食(エッチング)を行う。腐食は、版材が銅等の場合には塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を用いる。腐食により、版材の表面露出部の腐食が進行して、腐食完了後、版材表面に所望の形状の凹部が形成される。そして、腐食後、また版材表面に残存しているレジスト膜を除去すれば、所望の形状の、エンボス版が得られる。(6)更に、この後、通常は表面強度を高める為に、クロムメッキ等のメッキを施して、エンボス版として完成させる。
なお、図2に示す典型的な製造工程においては、版材としてシリンダー(金属ロール)を用いている。
次に、万線群の態様を図面に基づいて説明する。図3は、本発明の化粧シート10の万線群の配置の第一の実施態様を示す模式図である。図3においては、2方向の直線状万線が90°の角度で交互に市松模様状万線群に配置されている。個々の万線群は正方形であり、各々の万線の方向は正方形の辺の方向と同じであり、各々の万線の長さは同一である。
なお、図3において、直線状万線を、曲率半径3.5mm以上の曲線状万線(例えば、曲率半径4.0〜7.0mmの曲線状万線)に変更しても本発明の効果を奏し得る。後述する図4〜図6においても同様である。
図4は、本発明の化粧シート10の万線群の配置の第二の実施態様を示す模式図である。図4においては、2方向の直線状万線が90°の角度で交互に市松模様状万線群に配置され、個々の万線群は正方形である点では図3と同じであるが、各々の万線の方向は正方形の辺の方向と45°をなしており、各々の万線の長さは同一ではない。
図5は、本発明の化粧シート10の万線群の配置の第三の実施態様を示す模式図である。図5においては、3方向の直線状万線が全て互いに60°の角度になるように万線群がランダムに配置され、個々の万線群は種々の形状を有している。また、3方向の直線状万線の各々の所定面積中の全積算長さは全体として同一となっている。
図6は、本発明の化粧シート10の万線群の配置の第四の実施態様を示す模式図である。図6においては、6方向の直線状万線が全て互いに30°の角度になるように万線群がランダムに配置され、個々の万線群は種々の形状を有している。また、6方向の直線状万線の各々の所定面積中の全積算長さは全体として同一となっている。
図7は、比較例の化粧シートの万線群の配置の第一の態様を示す模式図である。図7においては、6方向の直線状万線の内、2方向で25°の角度を、また別の2方向で35°の角度をなし、残余は30°の角度をなすように万線群がランダムに配置されている。個々の万線群は種々の形状を有している。図7では、1箇所の2方向で25°の角度をなしているので、放射状透過光線の一部が不鮮明となり、意匠効果が低下する。
図8は、比較例の化粧シートの万線群の配置の第二の態様を示す模式図である。図8においては、4方向の直線状万線の内、2方向で15°の角度を、別の2方向で25°の角度をなし、また別の2方向で50°の角度をなし、さらに別の2方向で90°の角度をなすように万線群がランダムに配置されている。個々の万線群は種々の形状を有している。図8では、1箇所の2方向で15°の角度をなし、他の1箇所の2方向で25°の角度をなしているので、放射状透過光線が不鮮明となり、意匠効果が低下する。
図9は、比較例の化粧シートの万線群の配置の第三の態様を示す模式図である。図9においては、複数の万線は全て曲率半径1.5mmの曲線状から直線(曲率半径 ∞ mm)までの間で波打っており、かつ凹凸部の凹凸間隔Lが一定していないので、放射状透過光線が非常に不鮮明となり、意匠効果を奏し得ない。
本発明の化粧シート10の凹凸部の表面粗さRzは、7〜100μmであることが好ましい。7μm以上であれば放射状透過光線がより鮮明となり、100μmを超えると鮮やかな放射状透過光線が得られにくくなる場合がある。
ここで、表面粗さRzとは、JIS B 0601:2001の附属書1(参考)に規定された「十点平均粗さRz」をいい、旧JIS規格 JIS B 0601:1994に基づき測定される。
また、本発明の化粧シート10の凹凸部11aの凹凸間隔L(図1参照)が40〜200μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。40μm以上であれば、放射状透過光線がより鮮明となるので好ましい。
凹凸部11aの高低差(凹部の深さ)H(図1参照)は、通常1〜100m程度である。
本発明の化粧シート10の万線群が形成された全面積が、前記化粧シート全表面の40%以上を占めることが好ましく、50%以上を占めることがより好ましい。40%以上であれば、放射状透過光線が好適に鮮明となる。
また、本発明の化粧シート10において、一つの万線群と他の万線群との距離が1mm以下であれば放射状透過光線がより鮮明となるので好ましく、0.3mm以下であれば同様の理由でより好ましい。
なお、図6では一つの万線群と他の万線群との距離が0.3mm以下であり、図1〜5、7及び8では一つの万線群と他の万線群とが接しており距離は0.01mm未満である。
本発明の化粧シート10に用いられる透明フィルム11の材料は、特に限定はなく、種々の熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が用いられる。例えば熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等があり、硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、多官能アクリレート系、エポキシ系等の電離放射線硬化性樹脂等がある。これらの内、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂が特に好ましい。なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂は易成型であることが好ましい。
凹凸部を形成する前の透明フィルム11の厚さは、30〜300μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。30μm以上であればエンボスシートの賦型の安定性が向上するので好ましい。
本発明の化粧シート10に必要に応じ積層される粘着剤層12を構成する粘着剤組成物の材料は、ゴム系、又はアクリル酸もしくはアクリル酸エステルを出発原料とするアクリル系、あるいはシリコーン樹脂系のもの等の公知のものを用いることができる。粘着剤組成物の塗布は、公知の塗布方法である、ロールコーティング、もしくはナイフコーティング等の方法を利用することができる。粘着剤層12の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
本発明において必要に応じ用いられる剥離シート13は、粘着剤層12と接触しても後で剥離(剥がす)することができるフィルム等のシートであれば良く、特に制限されるものではない。ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルムや紙類、又はそれらにシリコーン等の離型剤がコーティングされた(剥離処理された)フィルムや紙類等が挙げられる。剥離シート13は、剥離処理されている方が剥がし易く好ましい。
以上のようにして得られた本発明の化粧シート10は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチック透明板、ガラス等からなる透明基板に貼着され、各種用途の積層板が製造される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
なお、表面粗さRz は上記の方法で測定し、凹凸部の形状は電子顕微鏡写真により確認した。また、凹凸部の凹凸間隔L(μm)は、図3〜図9と同等程度の視野を有する電子顕微鏡写真を20枚撮影し、各写真について任意の20箇所の凹凸部の凹凸間隔Lを測定し、それら400箇所の値の相加平均を算出した。さらに、万線の方向数及び一つの万線群の万線と他の万線群の万線とのなす最低角度(°)は、図3〜図9と同等程度の視野を有する電子顕微鏡写真を20枚撮影し、各写真の万線群の全ての万線の方向数及び最低角度を測定し、万線群全体における万線の方向数と最低角度を算出した。
実施例1〜8、比較例1〜4、及び参考例1
厚さ100μmの塩化ビニル製透明フィルムを用い、図2に示す製造ラインにより第1表に示す、万線群配置のパターン、万線の形状、万線群の方向数、万線間のなす最低角度(°)、表面粗さRz(μm)、凹凸部の凹凸間隔L(μm)、化粧シート全表面中の万線群が形成された全面積(%)及び一つの万線群と他の万線群との距離(mm)を有する13種類の化粧シートを作製した。塩化ビニル製透明フィルムはいずれも加熱ドラムで50〜150℃に加熱され、さらにヒーターで120〜200℃に保温されてエンボス版とゴムロールとの間を通過して凹凸部が形成された。実施例2の万線は曲線であるが、曲率半径が大きいので直線と同様の取り扱いができ、万線の方向数を2つと特定できた。これに対し、比較例3及び4の万線は、曲率半径1.5mmの曲線から曲率半径 ∞ mmの曲線(即ち、直線)まで曲率半径が広範囲に分布しているので万線の方向数を特定できなかった。
得られた13種類の化粧シートにLED照明を照射して透過光の散光状態を目視で確認し、以下の評価基準で判定した。結果を第1表に示す。
◎: 非常に鮮明な放射状透過光線が得られた。
○: 鮮明な放射状透過光線が得られた。
△: やや不鮮明な放射状透過光線が得られた。
×: 不鮮明な放射状透過光線が得られたか、又は放射状透過光線が得られなかった。
次に、得られた13種類の化粧シートの凹凸部と反対側に、予めアクリル系粘着剤組成物を粘着剤としてコーティングした市販の離型シート(シリコーン離型剤により剥離処理されたフィルム)を貼着し、図1に示す層構成の13種類の化粧シートを得た。その後、これら13種類の化粧シートの離型シートを剥がして粘着剤層面を窓ガラス用ガラス板に貼着して13種類の積層板を得た。これら13種類の積層板にLED照明を照射して透過光の散光状態を目視で確認したところ、第1表と同様の結果を得た。
Figure 0005922859
第1表から明らかなように、実施例1〜9の化粧シート及び積層板は、いずれも鮮明な放射状透過光線が得られた。特に、実施例1、2、4〜9の8種類の化粧シート及び積層板は、いずれも非常に鮮明な放射状透過光線が得られた。また、実施例1の化粧シート及び積層板は、実施例2の化粧シート及び積層板と比較して若干ながらさらに鮮明であった。
これに対し比較例1〜4の化粧シート及び積層板は、不鮮明な放射状透過光線しか得られなかったり、放射状透過光線が得られなかったりして発明の効果を奏し得なかった。
本発明の化粧シートは、店舗、ビル等のガラスの内側表面又は外側表面、間仕切りのガラス表面に貼着された場合、ガラス窓、間仕切り等の透明な被貼着体に高意匠を付与する積層板等の積層体を得ることができる。また、プラスチック、容器、家具、壁、家電等の種々の透明な被貼着体に使用することができ、高意匠を付与する積層板等の積層体を得ることができる。
10. 化粧シート
11. 透明フィルム
11a.凹凸部
12. 粘着剤層
13. 離型シート
20. 本発明の化粧シートの製造ライン
21. 加熱ドラム
22. ヒーター
23. エンボス版
24. ゴムロール

Claims (5)

  1. 複数の略直線状万線からなる万線群を複数有し、万線により凹凸部が形成された化粧シートであって、一つの万線群の万線と他の万線群の万線とのなす角度が30°以上90°以下であり、該凹凸部の表面粗さRzが、7〜100μmであり、該万線群が、3本以上100本以下の略直線状万線からなるものであり、該万線の方向数が2〜6であり、該万線の方向数に対応した放射状透過光線を表出し、透明であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記凹凸部の凹凸間隔Lが40〜200μmである請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記万線群が形成された全面積が、前記化粧シート全表面の40%以上を占める請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 一つの万線群と他の万線群との距離が1mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シートを透明基板に貼着してなる積層板。
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