JP2018089891A - フレキシブル賦形型フィルムおよびその製造方法、三次元加工用フィルムおよびその製造方法、ならびに三次元加工成形体の製造方法 - Google Patents

フレキシブル賦形型フィルムおよびその製造方法、三次元加工用フィルムおよびその製造方法、ならびに三次元加工成形体の製造方法 Download PDF

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Akiyoshi Fujii
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Abstract

【課題】対象物の曲面に対し微細凹凸構造を付与でき、加工中および加工後のいずれにおいても微細凹凸構造の形状維持性が良好となる三次元加工用フィルムを提供する。【解決手段】本発明の三次元加工用フィルム200は、フレキシブル賦形型層100と被賦形層250’と第2基材層220とを含む。フレキシブル賦形型層100は、第1基材層110および賦形型層150を含み、賦形型層150は、第1基材層110とは反対側に微細凹凸構造Rfの表面を有する。被賦形層250’は賦形型層150の微細凹凸構造Rfの表面に積層されている。第2基材層220は被賦形層250’に積層されている。第1基材層110および第2基材層220はそれぞれ熱可塑性樹脂で構成されている。賦形型層150は破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成されている。被賦形層250’は硬化性樹脂組成物で構成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、加飾対象の曲面を加飾する技術に関する。より具体的には、本発明は、フレキシブル賦形型フィルムおよびその製造方法、三次元加工用フィルムおよびその製造方法、ならびに三次元加工成形体の製造方法に関する。
従来より、家電製品、通信機器、自動車の内外装部品、OA機器、建材などに利用される加飾フィルムが知られている。
たとえば、特開2004−42409号公報(特許文献1)には、基材層の上に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を設け、この表面保護層と賦形用型に設けた凹凸模様とを対向するように配置し、表面保護層表面に凹凸模様を賦形した後、電離放射線を照射して硬化させる、微細凹凸模様を有するインサートシートの製造方法が開示されている。
また、特開2011−79273号公報(特許文献2)には、基材フィルム上にインク層を形成するインク層形成工程と、インク層が形成された基材フィルム上に、一方の表面が凹凸加工された透明フィルムを凹凸加工面がインク層に接するように配して積層体とし、該積層体を熱圧着する熱圧着工程とを有することを特徴とする、インサート成形時の加工適正を有する加飾フィルムの製造方法が開示されている。
さらに、特開2016−64667号公報(特許文献3)には、フィルムインサート成形において成形品の表面に凹凸模様を付与するための加飾フィルムであって、凹凸模様が設けられた熱可塑性樹脂の賦形層フィルムと、該凹凸模様に密着したアイオノマー含有熱可塑性樹脂の保護層フィルムとからなり、賦形層フィルムと保護層フィルムとが、0.01〜10N/25mmの接着力で接着されていることを特徴とするフィルムインサート成形用加飾フィルムが開示されている。
特開2004−42409号公報 特開2011−79273号公報 特開2016−64667号公報
加飾フィルムの微細凹凸を設けられた賦形層が、特許文献1のように電離放射線硬化型樹脂のような活性エネルギー線硬化性樹脂で構成される場合、賦形層の凹凸模様は熱および圧力によって押しつぶされることがない点で形状安定性がある。しかしながら、このような加飾フィルムは可撓性に乏しいため、曲げ、または曲げおよび伸びを受けると賦形層がひび割れたり破れたりする。したがって、曲面を有する成形体の表面加飾には用いることができない。
一方で、加飾フィルムを熱可塑性樹脂で構成すれば、可撓性に富むため、曲面を有する成形体の表面への追随が容易となる。したがって、曲面を有する成形体の表面加飾に用いることができる。しかしながら、このような加飾フィルムは熱可塑性樹脂で構成されているため、加飾成形時における熱によって微細凹凸の形状が損なわれやすい。このため、特許文献2および特許文献3のように、加飾フィルムを、微細凹凸面に接する別の熱可塑性樹脂層がさらに設けられた積層体として構成することで、加飾成形時における熱から微細凹凸の形状を保護している。
このうち、特許文献2の加飾フィルムは、当該別の熱可塑性樹脂層は加飾成型後も微細凹凸面に接したままである。このため、加飾成形体の加飾面は平滑面であって、微細凹凸構造を露出させることによる加飾効果を得ることはできない。
また、特許文献3の加飾フィルムは、当該別の熱可塑性樹脂層は加飾成形後に剥離される。このため、一旦は、加飾成形品を良好な微細凹凸表面形状とともに得ることができる。しかしながら、飾成形体の加飾面が熱可塑性樹脂であり熱耐性および硬度が乏しいため、加飾成形体がその後に受ける環境条件によって表面の微細凹凸の形状が損なわれやすい。
そこで、本発明の目的は、対象物の曲面に対し微細凹凸構造を付与する三次元加工用フィルムであって、加工中および加工後のいずれにおいても微細凹凸構造の形状維持性が良好となる三次元加工用フィルムおよびその製造方法、当該三次元加工用フィルムを製造するための賦形型フィルムおよびその製造方法、ならびに当該三次元加工用フィルムを用いた三次元加工成形体の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は以下の発明を含む。
(1)
本発明のフレキシブル賦形型フィルムは、第1基材層と、当該第1基材層に積層された賦形型層とを含む。
第1基材層は、熱可塑性樹脂で構成されている。賦形型層は、第1基材層とは反対側に微細凹凸構造の表面を有し、破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成されている。
このように、第1基材層が熱可塑性樹脂で構成されるとともに、微細凹凸構造を有する賦形型層が所定の伸度を有する架橋樹脂で構成されているため、賦形型層は第1基材層の変形に容易に追従可能でありながら微細凹凸構造の形状も良好に維持することができる。このフレキシブル賦形型フィルムは、後述(3)の三次元加工用フィルムに有用である。
なお、本発明において破断伸度は、JIS K7127に準拠して得られる測定値である。
(2)
本発明のフレキシブル賦形型フィルムの製造方法は、積層工程と硬化工程と剥離工程とを含む。
積層工程では、微細凹凸構造の表面を有する母型フィルムと、微細凹凸構造の表面に積層された賦形型層用樹脂組成物の塗布層と、賦形型層用樹脂組成物の塗布層に積層された熱可塑性樹脂の第1基材層と、を含む積層体を得る。
硬化工程では、積層体を硬化条件下に供して賦形型層用樹脂組成物の塗布層を硬化し、破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成される賦形型層を得る。
このように、母型フィルムからその微細凹凸構造を型取りするため、微細凹凸構造の型を容易に作成することができる。また、微細凹凸構造の賦形のための金型が不要となる。
上記(2)のフレキシブル賦形型フィルムの製造方法は、さらに剥離工程を含んでよい。剥離工程では、賦形型層から母型フィルムを剥離する。
(3)
本発明の三次元加工用フィルムは、フレキシブル賦形型層と被賦形層とを含む。フレキシブル賦形型層は、第1基材層、および当該第1基材層に積層された賦形型層を含み、賦形型層は、第1基材層とは反対側に微細凹凸構造の表面を有する。被賦形層は、賦形型層の微細凹凸構造の表面に積層されている。
第1基材層は、それぞれ熱可塑性樹脂で構成されている。
賦形型層は、破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成されている。
被賦形層は、硬化性樹脂組成物で構成されている。
このように、三次元加工用フィルムは熱可塑性樹脂で構成された第1基材層に所定の伸度を有する硬化樹脂(つまり架橋樹脂)の賦形型層と未硬化成分を含む樹脂組成物(つまり未架橋樹脂組成物またはプレ架橋樹脂組成物の)被賦形層とが積層されているため、加工対象の曲面に沿って全ての層が追従可能でありながら賦形型層の微細凹凸構造の形状が良好に維持される。これによって被賦形層は、層全体が、加工対象の曲面に沿った形状に追従するとともに、その表面が、良好に維持された賦形型層の微細凹凸構造の形状に賦形される。さらに、被賦形層は、追従形状かつ賦形形状で硬化されることで、所望の三次元変形を受けた状態で良好な表面硬度を実現することができる。したがって、加工中および加工後のいずれにおいても微細凹凸構造の形状維持性が良好となる。
(4)
上記(3)の三次元加工用フィルムは、被賦形層に積層された第2基材層をさらに含んでよい。第2基材層は、熱可塑性樹脂で構成される。
これによって、第1基材層および第2基材層の間に、所定の伸度を有する硬化樹脂(つまり架橋樹脂)の賦形型層と未硬化成分を含む樹脂組成物(つまり未架橋樹脂組成物またはプレ架橋樹脂組成物の)被賦形層とを挟んでいるため、加工対象の曲面に沿う第2基材層の変形にすべての層が追従可能でありながら賦形型層の微細凹凸構造の形状が良好に維持される。
(5)
本発明の三次元加工用フィルムの製造方法は、(1)に記載のフレキシブル賦形型フィルムと、賦形型層の微細凹凸構造の表面上に硬化性樹脂組成物の被賦形層と、被賦形層上に熱可塑性樹脂の第2基材層と、を積層して、フレキシブル賦形型フィルムと被賦形層と第2基材層との積層体を三次元加工用フィルムとして得る。
これによって、上記(4)の三次元加工用フィルムを容易に得ることができる。
(6)
上記(5)の三次元加工用フィルムの製造方法は、フレキシブル賦形型フィルムと被賦形層と第2基材層との積層体から第2基材層を剥離する工程を含んでよい。
これによって、上位(3)の三次元加工用フィルムを容易に得ることができる。
(7)
上記(5)または(6)の三次元加工フィルムの製造方法は、
積層体における被賦形層を、フレキシブル賦形型層の微細凹凸構造の表面上に硬化性樹脂組成物の希釈溶液を塗布した後溶媒を揮発させることにより当該硬化性樹脂組成物の第1塗布層を得る工程と;第2基材層上に硬化性樹脂組成物の第2塗布層を得る工程と;第1塗布層と第2塗布層とを接合させる工程と、によって得てよい。
これによって、微細凹凸構造に硬化性樹脂組成物が良好に充填されることができるため、優れた転写性が得られる。特に、微細凹凸構造の凹凸ピッチがナノメートルオーダーである場合により有用である。
なお、上記(7)において、第1塗布層は微細凹凸構造の表面上に直接的に積層されるが、第2塗布層は第2基材上に直接的または間接的に積層されてよい。
(8)
本発明の三次元加工成形体の製造方法は、貼付工程と硬化工程とを含む。
貼付工程では、加工対象の表面を構成する曲面上に、(3)または(4)の三次元加工用フィルムを貼付する。硬化工程では、曲面上に貼付された三次元加工用フィルムを硬化条件下に供して硬化性樹脂組成物の被賦形層を硬化し、賦形層を得る。
このように、所定の伸度を有しかつ硬化された賦形型層を有する三次元加工用フィルムを用いることによって、三次元加工成形体を、加工中および加工後のいずれにおいても微細凹凸構造の形状維持性が良好なものとして得ることができる。
上記(7)の三次元加工成形体の製造方法は、さらに剥離工程を含んでよい。剥離工程では、賦形層からフレキシブル賦形型層を剥離する。
フレキシブル賦形型フィルムの一例の模式的断面図を示す。 フレキシブル賦形型フィルムの第2変形例の模式的断面図を示す。 フレキシブル賦形型フィルムの製造方法の一例を模式的に示す。 図3の続きを示す。 フレキシブル賦形型フィルムの製造方法の他の例を模式的に示す。 フレキシブル賦形型フィルムの製造方法のさらなる他の例を示す。 三次元加工用フィルムの一例の模式的断面図を示す。 三次元加工用フィルムの他の例の模式的断面図を示す。 三次元加工用フィルムの製造方法の一例を模式的に示す。 図9の続きを示す。 三次元加工用フィルムの製造方法の他の例を模式的に示す。 三次元加工用フィルムの製造方法のさらなる他の例を模式的に示す。 三次元加工用フィルムの製造方法の別のさらなる他の例を模式的に示す。 図13の製造方法と同様の製造方法で得られる三次元加工用フィルムのさらなる他の例を示す。 図12の三次元加工用フィルムを、三次元加工成形体の製造方法に適した態様に作成する方法の例を模式的に示す。 三次元加工成形体の製造方法の一例を模式的に示す。 図16の方法で得られる三次元加工成形体を模式的に示す。 三次元加工成形体の製造方法の他の例によって得られる三次元加工成形体を模式的に示す。
[1.フレキシブル賦形型フィルム]
図1に、フレキシブル賦形型フィルムの一例の模式的断面図を示す。図1に示すフレキシブル賦形型フィルム100は、第1基材層110と賦形型層150とを含む。フレキシブル賦形型フィルム100は、後述(図3)の三次元加工用フィルム200を作成するために用いられるものであり、当該三次元加工用フィルム200の一部を構成する要素となる。本発明のフレキシブル賦形型フィルムは肉薄の賦形型であるため、広面積に亘る賦形処理を容易にする。
[1−1.第1基材層]
第1基材層110は、熱可塑性樹脂で構成される。これによって、所望の三次元形状に沿って容易に熱変形を受けることができる。熱可塑性樹脂としては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)もしくはポリウレタンなどが挙げられる。これらの樹脂の中でも、熱変形をより容易に受けることが可能にする観点、および透明性を獲得する観点から、非晶性樹脂であることが好ましい。非晶性樹脂は、ガラス転移点Tgが室温(25℃)以上、好ましくは90℃以上であることが好ましい。具体的には、PMMA、PC、COP、およびPSなどがより好ましく挙げられる。第1基材層110を構成する熱可塑性樹脂が透明樹脂であることは、たとえば、後述の三次元加工用フィルム200の被賦形層250’を活性エネルギー線硬化する点などで好ましい。
[1−2.賦形型層]
賦形型層150は、第1基材層110に積層されている。賦形型層150は、第1基材層110が積層されている側とは反対側に、微細凹凸構造Rfを有する。また、賦形型層150は、所定の伸度を有する非熱可塑性樹脂の硬化体で構成されている。
[1−2−1.微細凹凸構造]
微細凹凸構造Rfの形状としては特に限定されず、所望の機能性(つまり後述図17の三次元加工成形体500の表面で発現させるべき機能性)を生じさせる形状の雌型であればよい。所望の機能性としては特に限定されず、たとえば、反射防止機能、プリズム機能、装飾機能、滑り防止機能、細胞培養字の足場としての機能、細胞付着防止機能などが挙げられる。本発明では、微細凹凸構造Rfとして、特定の一の形状が選択されることで特定の一の機能を生じさせてもよいし、複数種の形状が複合されることで複数の機能を生じさせてもよい。
微細凹凸構造Rfの凹凸ピッチp1(つまり、最近接の凹部CCの最深点間の距離)は、その転写構造に発現させる機能に応じ、たとえばナノメートルオーダー(具体的には1nm以上1000nm未満)となるように凹凸が形成されてよい。
微細凹凸構造Rfの凹凸ピッチp1がナノメートルオーダーである場合において、凹凸ピッチp1が特に400nm以下、好ましくは150nm以下である場合、三次元加工成型体を形成する際に、たとえば成型体の表面の反射率を低減するように加飾することができる。また、三次元加工用フィルムの使用時の変形をあらかじめ予測して、凹凸ピッチを小さく設計しておくことで、三次元形状への変形後に適当な機能が発揮されるような調整もできる。この場合における凹凸ピッチp1の範囲内の下限は特に限定されないが、たとえば予め小さめに作成したピッチから三次元形状への変形後に小さすぎないピッチを確保し適当な機能を発揮させる観点から、たとえば100nmであってよい。
微細凹凸構造Rfの凹凸ピッチp1がナノメートルオーダーである場合において、凹部CCの深さは、たとえば100nm以上250nm以下であってよい。凹部CCの深さが上記下限以上であることは、低反射性が確保できない波長部分が出てくることで反射色が色づいて見えることを抑制する点で好ましく、上記上限以下であることは、賦形を容易にする点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、凹部CCの深さは100nm以上250nm以下であることがより好ましい。
上述の微細凹凸構造Rfの第1変形例として、微細凹凸構造Rfは、ナノメートルオーダーの凹凸ピッチp1に代えて、マイクロメートルオーダー(好ましくは1μm以上10μm未満)の凹凸ピッチp2となるように形成されていてもよい。この場合、微細凹凸構造Rfの転写構造において入射光を散乱させるアンチグレア効果などを得ることができる。
微細凹凸構造の凹凸ピッチp2がマイクロメートルオーダーである場合において、凹凸ピッチp2が特に3μm以上、好ましくは5μm以上である場合、微細凹凸構造Rfの転写構造において、光を散乱させることで表面を白っぽく視認させることができる。この場合における凹凸ピッチp2の範囲内の上限は特に限定されないが、ギラギラ感(光輝粒子感)の抑制の観点から、たとえば20μm、好ましくは10μmであってよい。
微細凹凸構造の凹凸ピッチp2がマイクロメートルオーダーである場合において、凹部の深さは、たとえば0.1μm以上2μm以下であってよい。当該深さが上記下限以上であることは、光散乱を効果的に生じさせる点で好ましく、上記上限以下であることは、ギラギラ感(光輝粒子感)の抑制の点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、当該高さは0.4μm以上1μm以下であることがより好ましい。
上述の微細凹凸構造の第2変形例を具えるフレキシブル賦形型フィルムの模式的断面図と一部拡大図を図2に示す。図2に示すフレキシブル賦形型フィルムの賦形型層150aの微細凹凸構造Rfaは、主凹凸Mfaと、主凹凸Mfaの表面を構成する副凹凸Sfaとを含む複合凹凸構造である。主凹凸Mfaは上述の凹凸ピッチp2で形成されており、副凹凸Sfaは上述の凹凸ピッチp1で形成されている。これによって、微細凹凸構造Rfaの転写構造において反射率を抑えつつ低い反射光を散乱することで、黒度の高い三次元加工成型体を与えることができる。
以下の説明において、賦形型層として図1に示した賦形型層150を挙げて説明するが、図2に示した賦形型層150aを含めあらゆる形状の微細凹凸構造を有する賦形型層についても同様に適用できる。
[1−2−2.非熱可塑性樹脂の硬化体]
賦形型層150を構成する非熱可塑性樹脂の硬化体は、破断伸度が10%以上である。これによって、賦形型層150は、第1基材層110の三次元形状への変形に追随して容易に変形することができる。このような効果をより良好に得る観点から、破断伸度は好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上であってよい。破断伸度の範囲内の上限は特に限定されないが、伸度に伴い膜厚を薄くしすぎない観点から、たとえば100%、好ましくは200%であってよい。ここで、破断伸度を示す%の量は、元の長さ(未伸長である初期長さ)に対する破断時の伸び量を表し、たとえば10%は初期長さの1.1倍、100%は初期長さの2倍に伸びることを示す。
一方で、賦形型層150は非熱可塑性樹脂の硬化体で構成されている。仮に賦形型層150が熱可塑性樹脂で構成されれば、ガラス転移点以上で弾性が消失し粘性変形が引き起こされるため、微細凹凸構造Rfが粘性によって自己的に消失したり、三次元形状に変形させられる際の成形圧力によって消失したりする。本発明の賦形型層150では既に架橋により樹脂の三次元ネットワークが形成されている。このため、賦形型層150は弾性を生じる範囲内で変形する。したがって、賦形型層150が熱条件にさらされた時、および三次元形状への成形圧力にさらされた時であっても、微細凹凸構造Rfは、その転写構造が上述の所望の機能性を損なうまでに崩れることがない。
非熱可塑性樹脂の硬化体としては、熱硬化性樹脂の硬化体であってもよいし活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化体であってもよい。なお、本発明においては、非熱可塑性および硬化性という用語は、熱硬化性と活性エネルギー線硬化性との両方を総括して意味するものとする。これらのうち、硬化のコントロール容易性などの観点からエネルギー線硬化性であることが好ましい。活性エネルギー線は通常紫外線であるが、その他の例として、可視光および電子線なども挙げられる。
非熱可塑性樹脂の硬化体の例としては、硬化性エラストマーが挙げられる。硬化性エラストマーは、硬化性樹脂の構成単位と、エラストマーの構成単位とを有するポリマーであってよい。硬化性樹脂の構成単位としては、(メタ)アクリレート系ポリマー由来単位、
ウレタンアクリレート系ポリマー由来単位、アクリルアクリレート系ポリマー由来単位、エポキシアクリレート系ポリマー由来単位、ポリエステルアクリレート系ポリマー由来単位などが挙げられる。賦形型層150の透明性を確保する観点からは、(メタ)アクリレート系ポリマー由来単位であることが好ましい。エラストマーの構成単位としては、ポリイソブチレン由来単位、ポリブタジエン由来単位、スチレン−ブタジエン共重合体由来単位、およびエチレン−プロピレン共重合体由来単位、ならびにこれらの水添物由来の単位などが挙げられる。
このような硬化性エラストマーは、硬化性樹脂の構成単位であるモノマーおよび/またはオリゴマーとエラストマーとを共重合させることによって得られるものであってよい。
非熱可塑性樹脂の硬化体の破断伸度を所望の量で得るための方法として、硬化性樹脂の構成単位とエラストマーの構成単位との量比の調整を適宜行うことができる。また、当該方法として、共重合させるべき上述のオリゴマーの分子量の調整と上述のエラストマーの分子量の調整とを行うことで、非熱可塑性樹脂の硬化体のエラストマー部分の長さを調整してもよい。
さらに、非熱可塑性樹脂の硬化体には、フレキシブル賦形型フィルム100の製造において母型フィルムM(後述図4)との剥離性を良好とする観点、および三次元加工成形体500の製造において賦形層250(後述図16)との剥離性を良好とする観点から、シリコーン樹脂および/またはフッ素樹脂の構成単位がさらに含まれていてよい。
[2.フレキシブル賦形型フィルムの製造方法]
図3から図4にフレキシブル賦形型フィルムの製造方法の一例を、図5に当該製造方法の他の例を、図6に当該製造方法のさらなる他の例を模式的に示す。
[2−1.積層工程−1]
図3から図4に示す製造方法においては、図3の(i)に示すように第1基材層110となる熱可塑性樹脂フィルムを用意し、図3の(ii)に示すように当該熱可塑性樹脂フィルムの片面上に賦形型層用硬化性樹脂組成物の塗布層150’を形成する。賦形型層用硬化性樹脂組成物は、硬化後に賦形型層150を与える硬化性樹脂組成物である。この硬化性樹脂組成物は、25℃での粘度がたとえば10mPa・s以上500mPa・s以下となるように調製することができる。なお、粘度は、JIS Z 8803に準拠して単一円筒形粘度計としてB型粘度計を用い、No.7ローター、23℃で測定した値である。硬化性樹脂組成物の塗布方法としては特に限定されず、たとえば、ダイコート、グラビヤ印刷、ディップ法などが挙げられる。
なお、説明の便宜上、賦形型層用樹脂組成物の塗布層150’を第1基材層110の下側に示しているが、実際の製造においては第1基材層110の上に当該塗布層150’を形成してよい。
別途、母型フィルムMを用意する。母型フィルムMは、その表面に微細凹凸構造Rを有する。微細凹凸構造Rは、三次元加工対象物の表面に付与されるべき構造であり、所望の機能性を発現するものが限定なく選択される。所望の機能性としては特に限定されず、たとえば、反射防止機能、プリズム機能、装飾機能、滑り防止機能、細胞培養字の足場としての機能、細胞付着防止機能などが挙げられる。本発明では、微細凹凸構造Rとして、特定の一の形状が選択されることで特定の一の機能を生じさせるものであってもよいし、複数種の形状が複合されることで複数の機能を生じさせるものであってもよい。
微細凹凸構造Rの具体的な形状の例としては、たとえば、円錐形状(先端が丸みを帯びた円錐形状であってよい)を凸部として当該凸部が点在する構造(たとえばモスアイ構造)、賦形型層150面に沿って延在する凸条が複数並列する構造(たとえば並行波形構造、より具体的には位相差板構造など)、ワイヤーグリッド構造、および、細胞培養シートにみられる100nm以上300nm以下の太さの柱状構造を無数に配置した構造などが挙げられる。
母型フィルムMは、フレキシブル賦形型フィルム100の製造工程で微細凹凸構造Rを消失させない限り任意の樹脂で構成されていてよい。
このように母型フィルムMを用いることは、エンボスロールなどの高価な金型を不要とするため、製造コストの大幅削減を可能にする。
図4の(iii)に示すように、賦形型層用樹脂組成物の塗布層150’に母型フィルムMを貼り合わせる。母型フィルムMを貼り合わせることで、微細凹凸構造Rの表面に賦形型層用樹脂組成物が入り込む。これによって、塗布層150’の面に微細凹凸構造Rfが形成される。なお、賦形型層用樹脂組成物の塗布層150’は、母型フィルムMを貼り合わせるまでに半硬化されていてもよいし、未硬化であってもよい。半硬化される場合、硬化割合がたとえば2%以上50%以下となるように硬化してよい。
このようにして、第1基材層110と賦形型層用樹脂組成物の塗布層150’と母型フィルムMとが積層された積層体を得る。
[2−2.硬化工程]
得られた積層体は、塗布層150’を構成する賦形型層用樹脂組成物に応じた硬化条件に付され、塗布層150’を完全硬化する。これによって、破断伸度が10%以上の非熱可塑性樹脂の硬化体で構成される賦形型層150を得る。
本発明では、少なくとも硬化工程が完了した時点で、フレキシブル賦形型フィルム100が完成する。フレキシブル賦形型フィルム100は、その微細凹凸構造Rfに母型フィルムMが積層された状態で保存されてよい。この場合、母型フィルムMをフレキシブル賦形型フィルム100の微細凹凸構造Rfの保護フィルムとして使用することができる。
[2−3.剥離工程]
硬化後は、図4の(iv)に示すように、母型フィルムMを剥離してもよい。フレキシブル賦形型フィルム100は、母型フィルムMが剥離された状態で保存されてもよい。
剥離された母型フィルムMは、本製造工程で再利用することができる。このような再利用も、製造コストの削減を可能にする。また、母型フィルムM自体が金型に比べて大幅に安価であるため、再利用回数は母型フィルムMの劣化度合いに応じて適宜決定し、別の新しい母型フィルムMに更新することができる。このように更新の点でも、何千回もの転写が想定される従来の金型に求められる離型剤層の更新を考慮すると、大幅なコスト削減が可能になる。
[2−4.積層工程−2]
本発明では、積層工程において各層を積層する順番は上述の態様に限定されない。積層工程の変形例として、まず図5(i)に示すように母型フィルムMを用意し、図5(ii)に示すように母型フィルムMの微細凹凸構造R上に賦形型層用樹脂組成物の塗布層150’を形成する。その後、当該塗布層150’に第1基材層110となる熱可塑性樹脂フィルムを積層する。これによって、図4(iii)に示した積層体を得ることができる。
[2−5.積層工程−3]
図6には、積層工程の別の変形例を示す。まず図6(i)に示すように母型フィルムMを用意し、図6(ii)に示すように賦形型層用硬化性樹脂組成物の塗布層(塗布層150’)を構成するための賦形型層用硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物を塗布し、希釈層150’’を形成する。この賦形型層用硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物は、25℃での粘度がたとえば2mPa・s以上20mPa・s以下となるように調製することができる。あるいは、固形分濃度が、1重量%以上15重量%以下、好ましくは1重量%以上10重量%以下、より好ましくは1重量%以上5重量%以下となるように調製することができる。あるいは、溶剤希釈率(固形分重量比)が5倍以上15倍以下、好ましくは7倍以上12倍以下に希釈することができる。当該粘度または固形分濃度が上記下限以上であることは、微細凹凸構造Rの凹凸差より大きい厚みの希釈層150’’を形成しやすくなる点で好ましく、上記上限以下であることは、微細凹凸構造Rの表面に入り込みやすくなる点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、賦形型層用硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物は、25℃での粘度が5mPa・s以上15mPa・s以下、あるいは、固形分濃度が、3重量%以上10重量%以下となるように調製することがより好ましい。
なお、上記の粘度は、JIS Z 8803に準拠して測定することで得られる。
希釈層150’’中の溶剤は揮発させられ、図6(iii)に示すように塗布層150’が得られる。別途、図3(ii)と同様の第1基材層110と賦形型層用硬化性樹脂組成物の塗布層(本変形例では塗布層150’と同じ組成の塗布層150’)との積層物を用意し、塗布層150’と塗布層150’とを接合させる。接合は、加熱加圧によって行うことができる。接合時の加熱条件としては50℃以上150℃以下であってよい。加熱条件が上記下限以上であることは、接合面の表面活性化、例えば表面におけるタック性獲得の点で好ましく、上記上限以下であることは、流動性が生じることで形状の変形防止、母型フィルムの形状変形防止の点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、当該温度は80℃以上120℃以下であることがより好ましい。接合時の加圧条件としては、0.3kgf/cm以上10kgf/cm以下であってよい。加圧条件が上記下限以上であることは、空気層の排斥、密着性確保の点で好ましく、上記上限以下であることは、母型フィルムの変形を生じさせない点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、当該加圧条件は0.3kgf/cm以上5kgf/cm以下であることがより好ましい。
これによって、塗布層150’と塗布層150’とが一体化した賦形型層用硬化性樹脂組成物の塗布層150’が形成される。この塗布層150’を硬化することによって、賦形型層150が得られる。
尚、図6(iii)では、溶剤揮発後の塗布層115’の表面が、母型フィルムMの微細凹凸構造Rの先端表面と一致する高さに形成されているが、この態様に限定されるものではない。たとえば、塗布層115’の表面が、母型フィルムMの微細凹凸構造Rの先端表面を超える高さに形成されていてもよい。
本変形例は、微細凹凸構造Rの凹凸ピッチ(図1および図2、凹凸ピッチp1)がナノメートルオーダーである場合に有用である。特に、凹凸ピッチが500nm以下、より好ましくは300nm以下、凹凸差が10nm以上、より好ましくは50nm以上である場合に有用である。賦形型層用硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物は微細凹凸構造Rのナノメートルオーダーの小さな凹凸ピッチに容易に入り込み、そのように入り込んだ状態で溶剤を揮発させることで凹部に固形分を残すことができるため、賦形型層150への良好な転写性が発揮される。
[3.三次元加工用フィルム]
図7に、三次元加工用フィルムの一例の模式的断面図を示す。
図7に示す三次元加工用フィルム200は、フレキシブル賦形型層100と被賦形層250’と第2基材層220とを含む。
フレキシブル賦形型層100は、上述のフレキシブル賦形型フィルム100と同じである。したがって、フレキシブル賦形型層100は、第1基材層110と賦形型層150とを含む。
[3−1.被賦形層]
被賦形層250’は、その構成材料が雌型である賦形型層150の微細凹凸構造Rfの表面に入り込んでいることにより、微細凹凸構造Rfに対応する微細凹凸構造Rを有する。この微細凹凸構造Rは、上述の母型フィルムMの微細凹凸構造Rと同じである。被賦形層250’を構成する樹脂は、硬化性樹脂組成物であるため、微細凹凸構造Rfに入り込みやすい。したがって、精度の高い賦形が可能となる。硬化性樹脂組成物は、未硬化成分を含んでいればよく、具体的には、未架橋樹脂組成物またはプレ架橋樹脂組成物であってよい。硬化性樹脂組成物で構成されることにより、被賦形層250’は、第2基材層220およびフレキシブル賦形型層100の三次元形状への変形に追随して自由に変形し、変形後の形状で硬化されることで賦形層250(後述図16、図17)を与えることができる。
被賦形層250’は、上述の母型フィルムMから型取りされた賦形型層150によって賦形されるため、形状の点では、母型フィルムMと同様の機能性を生じさせる微細凹凸構造Rを生じさせることができる。一方で、被賦形層250’は母型フィルムMとは独立しているため、材料の点では、母型フィルムMの構成樹脂と同じものだけでなく異なるものも広く選択することができる。たとえば、被賦形層250’は、母型フィルムMにはない機能性を硬化後の賦形層250に付与するために、母型フィルムMとは異なる機能性樹脂(たとえば、撥水性樹脂、撥油性樹脂、高硬度樹脂、自己修復性樹脂など)を与える樹脂組成物で構成することができる。
被賦形層250’を構成する硬化性樹脂組成物は、硬化後(賦形層250)の物性として、ナノインデンテーション法により圧子を押し込んだ際の最大押し込み深さhmaxに対する押し圧解放時の圧痕深さhfの割合が65%以下となるように構成されるものであってよい。当該割合が65%以下であることは、三次元加工成型体の最終物性として良好な硬度が得られる点で好ましい。好ましい硬度は、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験でB以上、好ましくはH以上である。
このような効果をより良好に得る観点から、当該割合は50%以下であることがより好ましく、表面硬度を上げる観点からは当該割合は小さいほど好ましい。したがって当該割合の下限値は0%(弾性成分にして100%)であってよい。
なお、ナノインデンテーション法とは、試料に対して圧子と呼ばれる針などの微小な荷重付与手段を用いて負荷(押し込み)および除荷(押し圧開放)を行い、荷重と変位との関係を導出する方法である。
被賦形層250’を構成する硬化性樹脂組成物に含まれる未硬化成分は、重合性官能基を有していれば特に限定されない。重合性官能基としては、ラジカル、カチオン、アニオンなどを生じさせて重合を引き起こす基であればよく、重合性不飽和基およびエポキシ基などが挙げられる。重合性不飽和基は(メタ)アクリレート基およびアクリルアミド基などが挙げられる。
未硬化成分にはオリゴマーを含んでよい。オリゴマーとしては、たとえば、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリオール系(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素系(メタ)アクリレートオリゴマー、シリコーン系(メタ)アクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル類(不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等)のオリゴマー、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する後述のモノマーの単独重合体または共重合体等などが挙げられる。
さらに、当該オリゴマーは、単官能オリゴマーおよび2官能以上の多官能オリゴマーのいずれであってもよいが、硬化後に適度な架橋密度を得る観点から、2官能以上の多官能オリゴマーであることが好ましく、2官能以上の多官能オリゴマーは、側鎖に反応性重合基を有するものであることがより好ましい。
未硬化成分にはモノマーを含んでよい。モノマーは、雌型である賦形型層150の微細凹凸構造Rfの表面に入り込みやすい粘度に調整するなどの観点で、反応性希釈剤(溶剤)として含ませられてよい。モノマーは、単官能性モノマーおよび2官能以上の多官能性モノマーのいずれであってもよい。
具体的には、単官能モノマーとしては、例えば(メタ)アクリレート類(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等);(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;スチレン類(スチレン、α−メチルスチレン等);(メタ)アクリルアミド類((メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)などが挙げられる。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミドなどの二官能モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレートなどの三官能モノマーが挙げられる。さらに、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能のモノマー、およびこれら多官能モノマーのエチレンオキシド付加物やプロピレンオキシド付加物など;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレートなども挙げられる。
被賦形層250’を構成する硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含むことができる。重合開始剤としては、たとえば、Irgacure651,184,1173,127(BASF社製)などが挙げられる。
被賦形層250’を構成する硬化性樹脂組成物は、上述したオリゴマー、モノマー、ポリマー母材、および重合開始剤に加え、任意の添加剤を含んでよい。添加剤としては、離型剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、強化剤、耐衝撃性改質剤などが挙げられる。なお、被賦形層250’を構成する硬化性樹脂組成物は、硬化後(賦形層250、後述図17)に透明樹脂を与えるものであってよい。この場合、たとえば加工対象550の曲面551の色および/または模様を透過させて視認させる観点、第2基材層220の被賦形層250’とは反対側の面に設けられていてよい意匠層、または着色された場合の第2基材層220を透過させて視認させる点で好ましい。
[3−2.第2基材層]
第2基材層220は、熱可塑性樹脂で構成される。これによって、所望の三次元形状に沿って容易に熱変形を受けることができるとともに、変形後の形状を維持することができる。熱可塑性樹脂は、フレキシブル賦形型フィルム100における第1基材層110と同様に、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)もしくはポリウレタンなどが挙げられる。これらの樹脂の中でも、熱変形をより容易に受けることが可能にする観点から、非晶性樹脂であることが好ましい。非晶性樹脂は、ガラス転移点Tgが室温(25℃)以上、好ましくは90℃以上であることが好ましい。具体的には、PMMA、PC、COP、およびPSなどがより好ましく挙げられる。
第2基材層220を構成する熱可塑性樹脂は透明樹脂であってよい。透明樹脂であることは、たとえば加工対象550の曲面551の色および/または模様を透過させて視認させる観点、または、第2基材層220の被賦形層250’とは反対側の面に設けられていてよい意匠層を透過させて視認させる点で好ましい。あるいは、第2基材層220を構成する樹脂自体が着色されていてもよい。
なお、三次元加工用フィルム200を用いて三次元加工成形体を製造するときは、第1基材層110および第2基材層220ともに加工対象の曲面に沿って三次元変形するため、第2基材層220を構成する熱可塑性樹脂は、第1基材層110を構成する熱可塑性樹脂と物性を揃えるために同一の樹脂であってよい。しかしながら、本発明は、第1基材層110および第2基材層220を構成する熱可塑性樹脂が互いに異なっていることも許容する。
[3−3.他の層]
三次元加工用フィルム200は、本発明の効果を損なわない限り、図示されない他の層が1または複数設けられていてもよいし、第2基材層220が捨象されてもよいし、当該他の層が設けられかつ第2基材層220が捨象されてもよい。
たとえば、他の層として、第2基材層220の、被賦形層250’と反対側の面に、粘着層(たとえば後述図15の三次元加工用フィルム200cにおける粘着層S)および意匠層(たとえば後述図15の三次元加工用フィルム200cにおける意匠層D)の少なくともいずれかが積層されていてもよい。粘着層および意匠層の両方が積層される場合は、粘着層と被賦形層250’との間に意匠層が介在するように積層することができる。
意匠層の具体例としては、たとえば、顔料による印刷層、印刷が予定されている樹脂層、および着色された樹脂で構成される層、メタリック調外観を呈するメタルフレーク含有層などが挙げられる。
粘着層は、三次元加工用フィルム200を三次元加工対象の表面に接着させる。さらに、粘着層は、三次元加対象の表面の曲面と、当該曲面に沿って変形させられた時の第2基材層220の面との曲率が異なる部分が生じても、粘着層を構成する粘着性樹脂によって両面の間の空間が充填されるため、反射光を良好に抑制することができる。粘着性樹脂は、屈折率が1.4以上1.53以下であるものが好ましい。これによって、反射光抑制効果が良好に得られる。粘着性樹脂の具体例としては、たとえば偏光板またはバックライトの接合に使用される材料が挙げられ、より具体的な例としては(メタ)アクリル系粘着材料が挙げられる。
他の層としては、上述の意匠層および粘着層のほかにも、適宜接着層が介在していてもよい。当該接着層は、賦形型層150と被賦形層250’との間を除き、いずれの層間に設けられてもよい。
また、他の層として、第2基材層220と被賦形層250’との間に、離型層が設けられていてもよい。離型層を有する三次元加工用フィルムの一例の模式的断面図を図8に示す。図8に示す三次元加工用フィルム200bは、フレキシブル賦形型層100と、被賦形層250’と、プライマー層240bと、離型層230bと、第2基材層220とを含む。同様の離型層を有する三次元加工用フィルムの他の例の模式的断面図を図14(後述)に示す。図14に示す三次元加工用フィルム200dは、被賦形型層250a’が異なることを除いて三次元加工用フィルム200bと同様である。
離型層230bは第2基材層220に接着しており、三次元加工用フィルム200bの保存時には第2基材層220とともに三次元加工用フィルム200bを保護し、三次元加工用フィルム200bの使用時には、第2基材層220とともにプライマー層240bから剥離される。
離型層230bを構成する樹脂は、プライマー層240bを構成する樹脂との剥離強度が第2基材層220を構成する樹脂との剥離強度よりも小さいことで、剥離時に第2基材220とともにプライマー層240bから剥離されるものであれば特に限定されない。たとえば、アクリルメラミン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。さらに、離型層230bを構成する樹脂には、シリコーン樹脂および/またはフッ素樹脂の構成単位が含まれていてもよい。
プライマー層240bは、被賦形層250’と離型層230bとの密着性、および/または、離型層230bが剥離された後の被賦形層250’と当該被賦形層250’に積層される他の層との密着性を保つために設けられる。剥離後に積層される他の層としては、意匠層または粘着層が挙げられる。意匠層および粘着層としては上述と同様である。プライマー層240bを構成する樹脂としては特に限定されないが、たとえば、ウレタン樹脂系プライマー樹脂(たとえば、アクリルポリオールとイソシアネートとの混合樹脂組成物、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの混合組成物)などが挙げられる。
[3−4.厚み]
三次元加工用フィルム200の総厚Tは、例えば25μm以上200μm以下であってよい。総厚Tが上記下限であることは、加工対象表面への貼り付け容易性の点で好ましく、上記上限以下であることは、加工対象表面の曲面への追随性が良好となる点で好ましい。これらの効果をより好ましく得る観点から、総厚Tは50μm以上188μm以下であることがより好ましい。
第1基材層110の厚みt11は、たとえば10μm以上200μm以下であってよい。厚みt11が上記下限以上であることは、塗工工程でのテンションじわの抑制性などの取り扱い容易性の点で好ましく、上記上限以下であることは、加工対象表面の曲面への追随性が良好となる点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、厚みt11は20μm以上100μm以下であることがより好ましい。
賦形型層150の厚みt15は、凹部CC(図1参照)の深さなどにより異なりうるが、たとえば2μm以上20μm以下であってよい。厚みt15が上記下限以上であることは、層厚の安定性の点、および、三次元加工成形体の製造においてフレキシブル賦形型層100の剥離を容易にする点などにおいて好ましく、上記上限以下であることは、賦形型層150の三次元形状への追随性を良好にする点において好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、厚みt15は、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。
第2基材層220の厚みt22は、たとえば10μm以上100μm以下であってよい。厚みt11が上記下限以上であることは、塗工工程でのテンションじわの抑制性などの取り扱い容易性の点で好ましく、上記上限以下であることは、剥離工程で巻取り容易性などの点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、厚みt22は20μm以上75μm以下であることがより好ましい。また、第2基材層220が剥離される場合(たとえば図15参照)の剥離容易性の観点から、第2基材層220の厚みt22は、第1基材層110の厚みt11よりも薄い方が好ましい。
被賦形層250’の厚みt25は、当該層を構成する硬化性樹脂組成物の性質、およびそれに応じて決定される塗布方法などにより異なりうるが、たとえば3μm以上30μm以下であってよい。厚みt25が上記下限以上であることは、層厚の安定性の点で好ましく、上記上限以下であることは、三次元加工用フィルム200の層厚を過度に肥大させない点、および当該層を構成する硬化性樹脂組成物が活性エネルギー線硬化性である場合は照射される活性エネルギー線の層内減衰および重合の不均一を防止する点で好ましい。
粘着層が積層される場合、当該粘着層の厚みは特に限定されないが、5μm以上50μmであってよい。これによって、加工対象表面の曲面への良好な追随性が得られる。
三次元加工用フィルム200bにおける離型層230bの厚みは、たとえば0.4μm以上1.0μm以下であってよい。当該厚みが上記下限以上であることは、膜の均一性により連続膜が得られやすいため離型効果の安定性の点で好ましく、上記上限以下であることは工程上、硬化時間が長くなりすぎず且つ離型効果の安定性の点で好ましい。
また、プライマー層240bの厚みは、たとえば0.5μm以上1.0μm以下であってよい。当該厚みが上記下限以上であることは、膜の均一性により連続膜が得られやすいためプライマーとしての密着性の安定性の点で好ましく、上記上限以下であることはプライマー層の層間剥がれが起きにくい点で好ましい。
[3−5.破断伸度]
三次元加工用フィルム200,200a,200b,200c,200d全体の破断伸度は、10%以上であってよい。これによって、三次元加工用フィルムが、加工対象表面の三次元形状に追随して容易に変形することができる。このような効果をより良好に得る観点から、三次元加工用フィルム200,200a,200b,200c,200d全体の当該破断伸度は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上であってよい。破断伸度の範囲内の上限は特に限定されないが、伸度に伴い膜厚を薄くしすぎない観点から、たとえば100%、好ましくは200%であってよい。
[4.三次元加工用フィルムの製造方法]
図9から図10に、三次元加工用フィルムの製造方法の一例を、図11に当該製造方法の他の例を、図12に当該製造方法のさらなる他の例を模式的に示す。なお、図12においては、説明の便宜上、三次元加工用フィルムおよびその製造途中の積層体の上下方向を、図10および図11におけるものとは逆に記載している。
[4−1.製造方法−1]
図9から図10に示す製造方法においては、図9(i)に示すように第2基材層220となる熱可塑性樹脂フィルムを用意し、図9の(ii)に示すように当該熱可塑性樹脂フィルムの片面上に、被賦形層250’を構成するための硬化性樹脂組組成物の塗布層250p’を形成する。この硬化性樹脂組成物は、25℃での粘度がたとえば10mPa・s以上500mPa・s以下となるように調製することができる。硬化性樹脂組成物の塗布方法としては特に限定されず、たとえば、ダイコート、グラビヤ印刷、ディップ法などが挙げられる。
図10(iii)に示すように、別途フレキシブル賦形型フィルム100を用意し、図10(iv)に示すように、フレキシブル賦形型フィルム100を、塗布層250p’に貼り付ける。この時、フレキシブル賦形型フィルム100の賦形型層150が有する微細凹凸構造Rfの表面に、塗布層250p’の硬化性樹脂組組成物が入り込む。これによって、微細凹凸構造Rを有する被賦形層250’が形成される。
このようにして、フレキシブル賦形型層100と被賦形層250’と第2基材層220とが積層された積層体を三次元加工用フィルム200として得る。
なお、被賦形層250’をプレ架橋樹脂組成物で構成されたものとして得る場合、プレ架橋樹脂組成物を得るための半硬化はいつ行ってもよい。たとえば、塗布層250’を形成した後かつ塗布層250’にフレキシブル賦形型フィルム100を貼り付ける前であってもよいし、塗布層250’にフレキシブル賦形型フィルム100を貼り付けた後であってもよい。半硬化される場合、硬化割合がたとえば2%以上50%以下となるように硬化してよい。
[4−2.製造方法−2]
フレキシブル賦形型層100と被賦形層250’と第2基材層220との積層順は、上述の態様に限定されない。変形例として、まず図11(i)に示すようにフレキシブル賦形型フィルム100を用意し、図11(ii)に示すようにフレキシブル賦形型フィルム100の賦形型層150上に、硬化性樹脂組成物を塗布し、被賦形層250’を構成する。この時、硬化性樹脂組成物が賦形型層150の微細凹凸構造Rfの表面に入り込むように塗布されるため、微細凹凸構造Rを有する被賦形層250’が形成される。
なお、説明の便宜上、被賦形層250’をフレキシブル賦形型フィルム100の下側に示しているが、実際の製造においてはフレキシブル賦形型フィルム100の上に被賦形層250’を形成してよい。
[4−3.製造方法−3]
図12には、被賦形層250’を形成する工程が異なる変形例を示す。まず図12(i)に示すように、図11(i)と同様のフレキシブル賦形型フィルム100を用意し、図12(ii)に示すように被賦形層(被賦形層250’)を構成するための硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物を塗布し、希釈層250p’’を形成する。この硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物は、25℃での粘度がたとえば2mPa・s以上20mPa・s以下となるように調製することができる。あるいは、固形分濃度が、1重量%以上15重量%以下、好ましくは1重量%以上10重量%以下、より好ましくは1重量%以上5重量%以下となるように調製することができる。あるいは、溶剤希釈率(固形分重量比)が5倍以上15倍以下、好ましくは7倍以上12倍以下に希釈することができる。当該粘度または固形分濃度が上記下限以上とすることは、微細凹凸構造Rfの凹凸差より大きい厚みの希釈層250p’’を形成しやすくなる点で好ましく、上記上限以下とすることは、微細凹凸構造Rfの表面に入り込みやすくなる点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物は、25℃での濃度が5mPa・s以上15mPa・s以下、あるいは、固形分濃度が、3重量%以上10重量%以下となるように調製することがより好ましい。
なお、上記の粘度は、JIS Z 8803に準拠して測定することで得られる。
希釈層250p’’中の溶剤は揮発させられ、図12(iii)に示すように第1塗布層250p’が得られる。別途、図9(ii)と同様の第2基材層220と硬化性樹脂組組成物の塗布層(本変形例では塗布層250pと同じ組成の第2塗布層250p’)との積層物を用意し、第1塗布層250p’と第2塗布層250p’とを接合させる。接合は、加熱加圧によって行うことができる。接合時の加熱条件としては50℃以上150℃以下であってよい。加熱条件が上記下限以上であることは、接合面の表面活性化、例えば表面におけるタック性獲得の点で好ましく、上記上限以下であることは、流動性が生じることで形状の変形防止、フレキシブル賦形型フィルムの形状変形防止の点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、当該温度は80℃以上120℃以下であることがより好ましい。接合時の加圧条件としては、0.3kgf/cm以上10kgf/cm以下であってよい。加圧条件が上記下限以上であることは、空気層の排斥。密着性確保の点で好ましく、上記上限以下であることは、フレキシブル賦形型フィルムの変形を生じさせない 点で好ましい。これらの効果をより良好に得る観点から、当該加圧条件は0.3kgf/cm以上5kgf/cm以下であることがより好ましい。
これによって、第1塗布層250p’と第2塗布層250p’とが一体化した被賦形層250’が形成される。
本変形例は、賦形型層150が所定の伸度を有し柔らかいため、硬化性樹脂組成物の塗布時の負荷により賦形型層150の微細凹凸構造Rfの形状を崩さない点で好ましい。特に、本変形例は、微細凹凸構造Rfの凹凸ピッチ(図1および図2、凹凸ピッチp1)がナノメートルオーダーである場合に有用である。特に、凹凸ピッチが500nm以下、より好ましくは300nm以下、凹凸差が10nm以上、より好ましくは50nm以上である場合に有用である。硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物は微細凹凸構造Rfの形状を崩すことなくナノメートルオーダーの小さな凹凸ピッチに容易に入り込み、そのように入り込んだ状態で溶剤を揮発させることで凹部に固形分を残すことができるため、被賦形層250’への良好な転写性が発揮される。
[4−4.製造方法−4]
図12に示した製造方法では、第1塗布層250p’と第2塗布層250p’とが実質的に同じ組成であるため、それらの接合後は実質的に両者の区別がつかない単一組成の被賦形層250’が形成される。
一方、図13に示した製造方法では、第1塗布層250pa’および第2塗布層250p’として、それぞれ異なる組成の樹脂組成物が用いられる。図13(i)に示すように、微細凹凸構造Rfの表面に第1塗布層250pa’を形成し、一方で、第2基材220上に第2塗布層250p’を形成する。第1塗布層250pa’と第2塗布層250p’とを接合し、厚み方向に組成が異なる被賦形層250a’が形成される。これによって、三次元加工用フィルム200aが得られる。
ここで、図13(i)では、第1塗布層250p’の表面が微細凹凸構造Rfの先端表面と一致する高さに形成されているが、この態様に限定されるものではない。たとえば、第1塗布層250p’の表面が微細凹凸構造Rfの先端表面を超える高さに形成されていてもよい。
第1塗布層250pa’を構成する樹脂組成物と第2塗布層250p’を構成する樹脂組成物とは、互いに接合可能(少なくとも、フレキシブル賦形型層100を剥離する際に分離しない)であるかぎり、様々に異なる機能を有する樹脂組成物を選択して組み合わせることができる。
異なる機能の組み合わせの一例として、第1塗布層250pa’を構成する樹脂組成物が、硬化後に自己修復機能を有する低硬度の硬化体を与えるものであり、第2塗布層250p’を構成する樹脂組成物が、硬化後に高硬度の硬化体を与えるものである組み合わせが挙げられる。この場合、上述の低硬度の硬化体の硬度は、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験でたとえばH以下であってよく、上述の高硬度の硬化体の硬度はたとえば4H以上であってよい。これによって、三次元加工成形体において、賦形層の表面層(第1塗布層250pa’由来)は自己修復機能を持たせているにも関わらず、賦形層の深部層(第2塗布層250p’由来)の高硬度により、当該賦形層の見かけ上の硬度を向上させることができる。
異なる機能の組み合わせの他の例として、第1塗布層250pa’を構成する樹脂組成物が、フッ素系スリップ剤およびケイ素系スリップ剤などの、滑り性を与えるために用いられるスリップ剤を含み、第2塗布層250p’を構成する樹脂組成物が、当該スリップ剤を含まない組み合わせが挙げられる。滑り性は、JIS K7125に準拠して測定することができる。滑り性を持たせることで、表面の擦り耐性を向上させることが出来る。擦り耐性は、たとえばスチールウール耐性試験により評価することができる。具体的には、#0000のスチールウールを、被評価面に押し当てて擦った後の傷の本数で評価することができる。この場合、接触面積、荷重、擦り距離、および擦り回数の条件は予め決定した値で設定される。
当該異なる機能の組み合わせの他の例は、たとえば図14に示すように被賦形層250a’にプライマー層240b(後述)が積層された構造を有する三次元加工用フィルム200dを製造する場合に特に有用である。上述のスリップ剤は、樹脂組成物中、表面張力の少ない方向(たとえば、空気層がある方向、または同質の材質で構成される層)に移動しやすい性質を持っている。図14に示す積層構造を有する三次元加工用フィルム200dにおいて、もし、賦形層250aを構成する樹脂組成物が上述のスリップ剤を含む単一組成であると仮定すると、スリップ剤は膜厚の薄いプライマー層240bの方向に移動しやすい。一方で、微細凹凸構造Rの表面は、三次元成形体の製造方法においてフレキシブル賦形型層100との剥離(後述図16参照)を生じさせる界面であるから、スリップ剤がプライマー層240b側に移動し反対側の剥離界面で低濃度化することは、フレキシブル賦形型層100の剥離性の点で不利となる。しかしながら、図14に示すように、被賦形層250a’を、微細凹凸構造Rの表面側でスリップ剤を含む樹脂組成物で構成し、プライマー層240b側でスリップ剤を含まない樹脂組成物で構成することで、プライマー層240b側へのスリップ剤の移動を抑制し、微細凹凸構造Rの表面側に効果的にスリップ剤をとどめることができる。その結果、被賦形層250a’の硬化物に良好な剥離性を発揮させることができる。
なお、図13および図14の態様は、図12の態様と異なり、微細凹凸構造Rfの凹凸ピッチはナノメートルオーダーであってもマイクロメートルオーダーであっても有用である。当該凹凸ピッチがナノメートルオーダーである場合またはマイクロメートルオーダーである場合は図12の場合と同様に、一旦、硬化性樹脂組成物の溶剤希釈物の希釈層(図12(ii)の希釈層250p’に相当)を形成した後に溶剤を揮発させることで図13(i)の第1塗布層250pa’を形成してよいし、当該凹凸ピッチがマイクロメートルオーダーである場合は硬化性樹脂組成物の非希釈物を直接塗布することで図13(i)の第1塗布層250pa’を形成してよい。
[4−5.製造方法−5]
上述の製造方法は、三次元加工用フィルム200の製造方法を挙げて説明したが、三次元加工用フィルム200bを製造する場合にも同様に適用することができる。三次元加工用フィルム200bを製造する場合は、たとえば、図9(i)の第2基材層220となる熱可塑性樹脂フィルムを用意し、当該熱可塑性樹脂フィルムの片面上に、離型層用樹脂組成物の塗布層と、プライマー層用樹脂組成物の塗布層とをこの順に形成した後に、被賦形層250’を構成するための硬化性樹脂組組成物の塗布層250p’を形成することができる。得られた積層物を図10の製造方法および図12の製造方法に適用することで、三次元加工用フィルム200bが得られる。あるいは、図11(ii)の積層物を用意し、被賦形層250’側に、プライマー層用樹脂組成物の塗布層と、離型層用樹脂組成物の塗布層とをこの順に積層し、その後、第2基材層220を積層することで、三次元加工用フィルム200bが得られる。
[4−6.他の工程]
本製造方法においては、意匠層を設ける工程および粘着層を設ける工程の少なくともいずれかを含んでよい。これらの工程を行うタイミングは当業者が適宜決定してよい。たとえば、三次元加工用フィルム200の製造方法において、フレキシブル賦形型層100と被賦形層250’と第2基材層220との積層体を得た後に行うことができる。より具体的には、当該積層体を得た後に、第2基材層220に印刷を行うことにより意匠層を設け、さらに粘着材樹脂組成物を塗布することによって粘着層を設けることができる。
また、離型層230bを含む三次元加工用フィルム200bは、実際に三次元加工成形体の製造に用いる際には当該製造に適した態様の三次元加工用フィルム200cとして作成される。図15(i)に示すように、三次元加工用フィルム200bは、離型層230bおよび第2基材220が剥離されることで、図15(ii)に示すようにプライマー層240bが露出させられる。さらに、図15(iii)に示すように、プライマー層240bに意匠層Dおよび粘着層Sを積層することで、三次元加工用フィルム200cが得られる。
[5.三次元加工成形体の製造方法]
[5−1.製造方法−1]
図16から図17に、本発明の三次元加工成形体の製造方法の一例を模式的に示す。図16から図17に示す製造方法では、図7に示した三次元加工用フィルム200を用い、貼付工程と硬化工程とを行うことで、加工対象550の曲面551を加飾する。加工対象550における曲面551が、加工対象550の表面加工すべき表面(微細凹凸構造Rによる機能を付与すべき表面)のうち最も曲率半径が小さい曲面部分とすると、曲面551の曲率半径はたとえば2mm以下、さらには1.5mm以下であっても、良好な表面加工効果を得ることができる。
[5−1−1.貼付工程]
貼付工程では、加工対象550の表面を構成する曲面551上に、三次元加工用フィルム200を貼り付ける。この時、図16に示すように、三次元加工用フィルム200の第2基材層220側を加工対象550の曲面551に密着させる。密着させる方法としては特に限定されないが、たとえば、真空成型、真空成型およびTOM(三次元表面被覆工法)成型などが挙げられる。
貼付工程では、三次元加工用フィルム200の第1基材層110および第2基材層220のTg以上、Tg+20℃以下の温度条件で加熱しすることで加工対象550の曲面551に沿って密着するように三次元加工用フィルム200を三次元変形させることが好ましい。加熱条件が上記下限以上であることで第1基材層110および第2基材層220が粘性変形し、上記上限以下であることで第1基材層110および第2基材層220における部分的な伸びに起因する亀裂の発生を防止しやすくなる。
また、三次元加工用フィルム200の賦形型層150は、所定の破断伸度を有していることにより、第1基材層110および第2基材層220の三次元変形に追随して容易に変形する。それとともに、三次元加工用フィルム200の賦形型層150は、非熱可塑性樹脂の硬化体で構成されていることにより、熱および成形圧力を受けても、微細凹凸構造Rfの形状が、賦形する微細凹凸構造Rが発現すべき所望の機能性を損なうまでに崩れることがない。
さらに、三次元加工用フィルム200の被賦形層250’は硬化性樹脂組成物で構成されているため、賦形型層150の変形に応じて自由に変形する。
[5−1−2.硬化工程]
硬化工程では、貼り付けられた状態の三次元加工用フィルム200を硬化条件に付す。これによって、非賦形層250’が所望の形状に変形した状態で硬化され、硬度上昇した賦形層250が得られる。
賦形層250の硬度は、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験でB以上、好ましくはH以上であってよい。この場合、賦形層250が加工対象550の三次元形状に追随した態様でありながら高い硬度を発現するため、三次元加工成形体500の最終物性を良好に得ることができる。
本発明では、少なくとも硬化工程が完了した時点で、三次元加工成形体500が完成する。三次元加工成形体500は、その微細凹凸構造Rにフレキシブル賦形型層100が積層された状態で保存されてよい。この場合、フレキシブル賦形型層100を三次元加工成形体500の保護フィルムとして使用することができる。
[5−1−3.剥離工程]
硬化後は、図17に示すように、フレキシブル賦形型層100を剥離して賦形層250を露出させてもよい。これによって、三次元加工成形体500の使用時の態様となる。
なお、フレキシブル賦形型フィルムは使い切りタイプであってよい。この場合、フレキシブル賦形型層100からの微細凹凸構造の転写回数は1回であるため、剥離処理が容易となる。
[5−2.製造方法−2]
図8に示した三次元加工用フィルム200bを用いる場合は、図15に示したように三次元加工用フィルム200cをいったん得た後、上述と同様に、貼付工程、硬化工程および剥離工程を経て加工対象550の三次元加工を行うことができる。これによって得られる三次元加工成形体500cを図18に模式的に示す。図18に示すように三次元加工成形体500cは、三次元加工用フィルム200を用いた場合と異なり、第2基材層220が残らない。
[参考例1]
(ナノ構造低反射形状フィルム(母型フィルム)の作製)
本参考例では、母型フィルムMを作成した。
ベースフィルム上にUV樹脂を塗布した。ここではベースフィルムにクラレ社製PMMA 75μmを使用し、UV樹脂にDSP五協フード&ケミカル社SCシリーズを使用した。他にも、UV樹脂として東洋インキ社製LCHシリーズ、大同化成工業社製ダイオレット5700番シリーズ、アイカ工業社製アイカアイトロンZシリーズなどを用いてもよい。UV樹脂の塗布はアプリケータを用いて行い、その後、80℃1分の条件で塗布層を乾燥させ、積層体を得た。
ナノ構造の低反射型として綜研社製の型ARP100-250を用意した。
積層体の塗布層と低反射型のパターン(微細凹凸構造)面とが接触するように重ね、120℃で、加熱プレスした。
さらに、フュージョン社製のUVランプで積算エネルギーが500mj/cm2となるようにUV照射し、低反射型を剥離した。剥離後の賦形フィルムを黒アクリルにOCAで貼合し、反射率を測定すると、Y値で0.15%であった。したがって、低反射型のパターン(微細凹凸構造)が賦形されていることを確認した。なお、UV照射のランプとしてはフュージョン社 Hバルブを使用した。
[実施例1]
(フィルム型(フレキシブル賦形型フィルム)の作製)
まず、フレキシブル賦形型フィルム100を作製した。本実施例で作製したフレキシブル賦形型フィルム100の微細凹凸構造の凹凸ピッチはナノメートルオーダーである。
参考例1で得られたナノ構造低反射形状の賦形フィルムを母型フィルムとし、パターン(微細凹凸構造)の上に、硬化後も伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)を塗布した(図5に相当する工程)。硬化後も伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)には、東洋インキ社製MOL2000番シリーズを使用した。硬化後も伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)の硬化後の破断伸度(JIS K7127準拠値)は200%である。他にも、硬化後も伸度のある樹脂として、東洋インキ社製MOL3000番シリーズ、DIC社製ユニディックシリーズ、大同化成工業社製ダイオレット5800番シリーズ、日本化工塗料社製トマックスFAシリーズ、アイカ工業社製アイカアイトロンZシリーズなどを用いてもよい。硬化後も伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物、樹脂固形分濃度15重量%)を固形分重量比で10倍希釈し、固形分1.5重量%の溶剤希釈物を調製した。溶剤希釈物を、アプリケータを用いて母型フィルムのパターン(微細凹凸構造)上に塗布した(図6(ii)に相当する工程)。その後、80℃1分で乾燥を施し、塗布層を得た(図6(iii)参照)。クラレ社PMMAフィルムを別途用意し、この上に、硬化後も伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)を希釈なしでアプリケータ塗布を行い、80℃1分で塗布層を乾燥させ、塗布層を得た(図6(iii)参照)。
これらのフィルムを互いに重ねて100℃で加熱プレスを行った(図6(iv)に相当する工程)。更に積算エネルギーが500mj/cm2となるようにUV照射した(図4(iii)に相当する工程)。その後、母型フィルムを剥がし、フレキシブル賦形型フィルムを得た(図4(iv)に相当する工程)。
ここで、母型フィルムの低反射構造の反射率が0.15%、得られたフレキシブル賦形型フィルムのJIS K7361−1に準拠して測定される全光線透過率が94.88%であった。したがって、フレキシブル賦形型フィルムに母型フィルムの低反射構造が転写されていること確認した。
なお、母型フィルムのパターンに、硬化後も伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)の非希釈層を直接的に積層する場合(図3および図5に相当する場合)に比べて、上述のように一旦当該樹脂の希釈物を塗布する方が転写率が良好であること(つまり転写後における全光線透過率の低下率が低減されること)も確認した。
(フレキシブル賦形型フィルムから三次元加工用フィルムの作製)
次に、三次元加工用フィルム200を作製した。
フレキシブル賦形型フィルムにハードコート剤(硬化性樹脂組成物)を塗布した。ハードコート剤(硬化性樹脂組成物)としては、DSP五協フード&ケミカル社SCシリーズを使用した。他にも、ハードコート剤としては、東洋インキ社製LCHシリーズ、大同化成工業社製ダイオレット5700番シリーズ、アイカ工業社製アイカアイトロンZシリーズなどを用いてもよい。ハードコート剤(樹脂固形分濃度15重量%)を固形分重量比で10倍希釈し、固形分1.5重量%の溶剤希釈物を調製した。溶剤希釈物をアプリケータを用いてフレキシブル賦形型フィルムのパターン(微細凹凸構造)上に塗布した(図12(ii)に相当する工程)。その後、80℃1分で乾燥を施し、第1塗布層を得た(図12(iii)参照)。PMMAフィルムをもう1枚用意し、この上に同様にDSP五協フード&ケミカル社SCシリーズを希釈なしでアプリケータ塗布を行い、80℃1分で乾燥を施し、第2塗布層を得た(図12(iii)参照)。これらのフィルムを互いに重ねて、100℃で加熱プレスを行った(図12(iv)に相当する工程)。これによって、三次元加工用フィルム(図12中、三次元加工用フィルム200に相当)を得た。
[実施例2]
(AGフィルム型(フレキシブル賦形型フィルム)の作製)
まず、フレキシブル賦形型フィルム100を作製した。本実施例で作製したフレキシブル賦形型フィルム100の微細凹凸構造の凹凸ピッチはマイクロメートルオーダーである。
アンチグレアフィルム(ヘイズ30)を母型フィルムとして、以下のようにフレキシブル賦形型フィルムを作製した。アンチグレアフィルム(AGフィルム)としては、ヘイズが外部ヘイズのみのものを使用した。まず、AGフィルムのパターン(微細凹凸構造)の上に、硬化後に伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)した。硬化後に伸度のある樹脂(賦形型層用樹脂組成物)としては、東洋インキ社製MOL2000番シリーズを使用した。当該樹脂(賦形型層用樹脂組成物)の硬化後の破断伸度(JIS K7127準拠値)は200%である。他にも、硬化後に伸度のある樹脂としては、東洋インキ社製MOL3000番シリーズ、DIC社製ユニディックシリーズ、大同化成工業社製ダイオレット5800番シリーズ、日本化工塗料社製トマックスFAシリーズ、アイカ工業社製アイカアイトロンZシリーズなどを用いてもよい。樹脂の塗布はアプリケータを用いて行い、その後、80℃1分で塗布層を乾燥させ、積層体(図5(ii)に示す積層体に相当)を得た。
次に、樹脂の上にクラレ社PMMAフィルムを重ね、100℃で加熱プレスを行った。100℃で加熱プレスを行い、更に積算エネルギーが500mj/cm2となるようにUV照射した(図4(iii)に相当する工程)。その後、母型フィルムを剥がし、フレキシブル賦形型フィルムを得た(図4(iv)に相当する工程)。
ここで、母型フィルムであるAGフィルムのヘイズが30、フレキシブル賦形型フィルムのヘイズが同様に30であった。したがって、したがって、フレキシブル賦形型フィルムに母型フィルムのAG形状が転写されていること確認した。
(フレキシブル賦形型フィルムから三次元加工用フィルムの作製)
次に、三次元加工用フィルム200を作製した。
フレキシブル賦形型フィルムにハードコート剤(硬化性樹脂組成物)を塗布した。ハードコート剤(硬化性樹脂組成物)としては、DSP五協フード&ケミカル社SCシリーズを使用した。他にも、ハードコート剤としては、東洋インキ社製LCHシリーズ、大同化成工業社製ダイオレット5700番シリーズ、アイカ工業社製アイカアイトロンZシリーズなどを用いてもよい。
アプリケータを用いてフレキシブル賦形型フィルムのパターン(微細凹凸構造)上に塗布し、80℃1分の条件で乾燥させた(図11(ii)に相当する工程)。その後、PMMAフィルムを重ねて、100℃で加熱プレスを行った(図11(iii)に相当する工程)。これによって、三次元加工用フィルム(図11中、三次元加工用フィルム200に相当)を得た。
[実施例3]
実施例1で作製したナノ構造の三次元加工用フィルムと実施例2で作製したAG構造の三次元加工用フィルムとのそれぞれを、120℃で加熱し、フィルムを引張り10%程引き延ばした状態で500mj/cm2のエネルギーでUV照射を施した(図16に相当する工程)。
その後、フレキシブル賦形型層を剥離した(図17に相当する工程)。
各フィルムを使用した場合の微細凹凸面をSEM観察したところ、フィルムの伸びに追従して形状が変化できていることを確認した。
[実施例4]
(離型層を有する三次元加工用フィルムの作製)
本実施例では、三次元加工用フィルム200を作製した。
まず、実施例1と同様にフレキシブル賦形型フィルムを作成した。
次に、フレキシブル賦形型フィルムにハードコート剤(硬化性樹脂組成物)を塗布した。ハードコート剤(硬化性樹脂組成物)としては、DSP五協フード&ケミカル社SCシリーズを使用した。他にも、ハードコート剤としては、東洋インキ社製LCHシリーズ、大同化成工業社製ダイオレット5700番シリーズ、アイカ工業社製アイカアイトロンZシリーズなどを用いてもよい。ハードコート剤(樹脂固形分濃度15重量%)を10倍希釈し、固形分1.5重量%の溶剤希釈物を調製した。溶剤希釈物をアプリケータを用いてフレキシブル賦形型フィルムのパターン(微細凹凸構造)上に塗布した(図12(ii)に相当する工程)。その後、80℃1分で乾燥を施し、第1塗布層を得た。これによって、フレキシブル賦形型層と硬化性樹脂組成物の第1塗布層との積層物(図12(iii)の下側の積層体に相当)を得た。
PMMAフィルムをもう1枚用意し、この上に離型層を形成した。離型層用樹脂組成物としては、アクリルメラミン樹脂(大日精化社製1140)を使用した。他にも、離型層用樹脂組成物としては、中国塗料社製フォルシードシリーズなどを用いてよい。樹脂の塗布はアプリケータを用いて行い、その後、160℃1分で塗布層を硬化させ、離型層を得た。
離型層に更にプライマー層を積層した。プライマー層用樹脂組成物としては、主剤に例えばDIC社製アクリディックAシリーズを使用し、硬化剤として三井化学のタケネートBシリーズを使用した。硬化剤としては三井化学のタケネートDシリーズを使用してもよい。主剤と硬化剤を混合し、プライマー層用樹脂組成物の塗布はアプリケータを用いて行い、その後、塗布層に160℃1分の熱処理を行い、プライマー層を得た。
プライマー層にさらにDSP五協フード&ケミカル社SCシリーズを希釈なしでアプリケータ塗布を行い、80℃1分で乾燥を施し、第2塗布層を得た。
これによって、PMMAフィルム(第2基材層)、離型層、プライマー層、および硬化性樹脂組成物の第2塗布層がこの順で積層された積層物を得た(図12(iii)の上側の積層体にさらに離型層とプライマー層とが設けられた積層体に相当)。
フレキシブル賦形型層と硬化性樹脂組成物の第1塗布層との積層物と、PMMAフィルム(第2基材層)、離型層、プライマー層、および硬化性樹脂組成物の第2塗布層とがこの順で積層された積層物と、を互いに重ねて、100℃で加熱プレスした。これによって、三次元加工用フィルム(三次元加工用フィルム200bに相当)を得た。
[実施例5]
実施例1で得られた三次元加工用フィルム(全光線透過率94.88%のフレキシブル賦形型フィルムから作製された三次元加工用フィルム)を加工対象表面に貼付け、積算エネルギーが500mj/cm2となるようにUV照射した。その後、フレキシブル賦形型フィルムを剥離した。その結果、三次元加工用フィルムによって微細凹凸構造が転写された加工対象表面のJIS K7361−1に準拠して測定される全光線透過率は93.14%であった。
なお、フレキシブル賦形型フィルムのパターンに、ハードコート剤(硬化性樹脂組成物)の非希釈層を直接的に積層する場合(図10および図11に相当する場合)に比べて、上述のように一旦ハードコート剤(硬化性樹脂組成物)の希釈物を塗布する方が転写率が良好であること(つまり転写後における全光線透過率の低下率が低減されること)も確認した。
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれらのみに限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。
[実施形態における各部と請求項の各構成要素との対応関係]
本明細書におけるフレキシブル賦形型フィルム100およびフレキシブル賦形型層100はそれぞれ請求項における「フレキシブル賦形型フィルム」および「フレキシブル賦形型層」に相当し、第1基材層110は「第1基材層」に相当し、賦形型層150,150aは「賦形型層」に相当し、塗布層150’は「賦形型層用樹脂組成物の塗布層」に相当し、三次元加工用フィルム200,200a,200b,200c,200dは「三次元加工用フィルム」に相当し、第2基材層220は「第2基材層」に相当し、第1塗布層250p’,250pa’は「第1塗布層」に相当し、第2塗布層250p’は「第2塗布層」に相当し、被賦形層250’,250a’は「被賦形層」に相当し、賦形層250は「賦形層」に相当し、三次元加工成形体500,500cは「三次元加工成形体」に相当し、加工対象550は「加工対象」に相当し、曲面551は「曲面」に相当し、母型フィルムMは「母型フィルム」に相当し、微細凹凸構造Rfはフレキシブル賦形型フィルムの「微細凹凸構造」に相当し、微細凹凸構造Rは母型フィルムの「微細凹凸構造」に相当する。
100…フレキシブル賦形型フィルム、フレキシブル賦形型層
110…第1基材層
150,150a…賦形型層
150’…(賦形型層用樹脂組成物の)塗布層
200,200a,200b,200c,200d…三次元加工用フィルム
220…第2基材層
250p’,250pa’…第1塗布層
250p’…第2塗布層
250’,250a’…被賦形層
250…賦形層
500,500c…三次元加工成形体
550…加工対象
551…曲面
M…母型フィルム
Rf…(フレキシブル賦形型フィルムの)微細凹凸構造
R…(母型フィルムおよび賦形層の)微細凹凸構造

Claims (8)

  1. 第1基材層と、前記第1基材層に積層されかつ前記第1基材層とは反対側に微細凹凸構造の表面を有する賦形型層とを含み、
    前記第1基材層が熱可塑性樹脂で構成され、
    前記賦形型層が、破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成された、フレキシブル賦形型フィルム。
  2. 微細凹凸構造の表面を有する母型フィルムと、前記微細凹凸構造の表面に積層された賦形型層用樹脂組成物の塗布層と、前記賦形型層用樹脂組成物の塗布層に積層された熱可塑性樹脂の第1基材層と、を含む積層体を得る積層工程と、
    前記積層体を硬化条件下に供して前記賦形型層用樹脂組成物の塗布層を硬化し、破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成される賦形型層を得る硬化工程と、
    を含む、フレキシブル賦形型フィルムの製造方法。
  3. 第1基材層、および前記第1基材層に積層されかつ前記第1基材層とは反対側に微細凹凸構造の表面を有する賦形型層を含むフレキシブル賦形型層と、
    前記賦形型層の前記微細凹凸構造の表面に積層された被賦形層と、
    を含み、
    前記第1基材層が熱可塑性樹脂で構成され、
    前記賦形型層が、破断伸度が10%以上である非熱可塑性樹脂の硬化体で構成され、
    前記被賦形層が硬化性樹脂組成物で構成された、三次元加工用フィルム。
  4. 前記被賦形層に積層された第2基材層をさらに含み、前記第2基材層が熱可塑性樹脂で構成される、請求項3に記載の三次元加工用フィルム。
  5. 請求項1に記載のフレキシブル賦形型フィルムと、前記賦形型層の前記微細凹凸構造の表面上に硬化性樹脂組成物の被賦形層と、前記被賦形層上に熱可塑性樹脂の第2基材層と、を積層し、前記フレキシブル賦形型フィルムと前記被賦形層と前記第2基材層との積層体を三次元加工用フィルムとして得る、三次元加工用フィルムの製造方法。
  6. 前記積層体から前記第2基材層を剥離する工程を含む、請求項5に記載の三次元加工用フィルムの製造方法。
  7. 前記積層体における前記被賦形層を、
    前記フレキシブル賦形型層の前記微細凹凸構造の表面上に硬化性樹脂組成物の希釈溶液を塗布した後溶媒を揮発させることにより前記硬化性樹脂組成物の第1塗布層を得る工程と、
    前記第2基材層上に硬化性樹脂組成物の第2塗布層を得る工程と、
    前記第1塗布層と前記第2塗布層とを接合させる工程と、
    によって得る、請求項5または6に記載の三次元加工用フィルムの製造方法。
  8. 加工対象の表面を構成する曲面上に、請求項3または4に記載の三次元加工用フィルムを貼付する貼付工程と、
    前記曲面上に貼付された前記三次元加工用フィルムを硬化条件下に供して前記硬化性樹脂組成物の被賦形層を硬化し、賦形層を得る硬化工程と、
    を含む、三次元加工成形体の製造方法。
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