以下、図1〜図14を用いて、本発明に係る画像形成装置を説明する。画像形成装置として複合機100を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100)
図1に基づき、実施形態に係る複合機100の一例を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
図1に示すように、複合機100は制御部1、記憶部2、画像読取部3(ジョブ実行部に相当)、操作パネル4、印刷部5(ジョブ実行部に相当)、通信部6(ジョブ実行部に相当)、本体スピーカー7、カメラ8(人検知部に相当)、人感センサー80(人検知部に相当)、受話器70、無線通信部60を含む。
制御部1は複合機100の各部を制御する。制御部1はCPU11、画像処理回路12、再生処理部13を含む。CPU11は演算、制御を行う。画像処理回路12は画像処理を画像データに施す。再生処理部13は、音声データを音声(音波)として再生するためのアナログ電気信号を生成する。
記憶部2は不揮発性の記憶装置として、ROM21、ストレージ22(HDD又はSSD)を含む。記憶部2は揮発性の記憶装置としてRAM23を含む。記憶部2は制御用プログラムやデータを記憶する。
原稿を読み取るジョブのとき、制御部1は原稿を画像読取部3に読み取らせる。画像読取部3は、原稿の画像データを生成する。原稿を読み取るジョブには、例えば、コピージョブ、送信ジョブ、FAX送信ジョブがある。コピージョブのとき、制御部1は、画像読取部3が生成した原稿の画像データに基づく印刷を印刷部5に行わせる。コピージョブのとき、画像読取部3と印刷部5がジョブを実行するジョブ実行部として機能する。送信ジョブのとき、制御部1は、画像読取部3の読み取りに基づく画像データを通信部6に送信させる。FAX送信ジョブのとき、制御部1は、画像読取部3の読み取りに基づく画像データを通信部6にFAX送信させる。送信ジョブ、FAX送信ジョブのとき、画像読取部3と通信部6がジョブを実行するジョブ実行部として機能する。操作パネル4でなされた設定に基づき、制御部1はジョブ実行部にジョブを実行させる。
制御部1は操作パネル4と通信可能に接続される。操作パネル4は、表示パネル41、タッチパネル42、ハードキー43を含む。制御部1は表示パネル41の表示を制御する。制御部1は設定画面を表示パネル41に表示させる。また、制御部1は操作用画像を表示パネル41に表示させる。操作用画像は、設定のための画像である。操作用画像は、例えば、ソフトキーやボタンである。制御部1は、タッチパネル42の出力に基づき、操作された操作用画像を認識する。制御部1は操作されたハードキー43を認識する。操作パネル4は使用者の操作(操作用画像やハードキー43への操作)を受け付ける。操作パネル4はジョブの設定を受け付ける。
印刷部5は用紙を搬送しつつ、用紙に印刷を行う。印刷部5は、印刷用データに基づき印刷を行い、排出トレイに印刷物を排出する。印刷部5は、給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。制御部1は印刷部5の動作を制御する。給紙部5aは用紙を収容する用紙カセットを含む。印刷ジョブのとき、制御部1は給紙部5aに用紙を供給させる。制御部1は用紙を用紙搬送部5bに搬送させる。制御部1は、画像データに基づくトナー像を画像形成部5cに形成させる。制御部1は、形成したトナー像の搬送用紙への転写を画像形成部5cに行わせる。制御部1は、トナー像が転写された用紙の加熱、加圧を定着部5dに行わせる。これにより、用紙にトナー像が定着する。制御部1は、定着済(印刷済)の用紙を排出トレイまで用紙搬送部5bに搬送させる。
通信部6は通信制御回路、通信用メモリー、通信ソケット、通信ソフトウェアを含む。通信部6は有線でコンピューター200と通信する。コンピューター200は、例えば、PCである。通信部6は、複数のコンピューター200と通信可能である。
例えば、本体スピーカー7は操作パネル4に取り付けられる。本体スピーカー7は操作パネル4以外の位置に取り付けられてもよい。制御部1は音声データに基づき生成したアナログ電気信号を本体スピーカー7に入力できる。この場合、本体スピーカー7から音声データに基づく音声が再生される。また、制御部1は生成したアナログ電気信号を受話器70の内蔵スピーカー7171に入力できる。この場合、受話器70の内蔵スピーカー71から音声データに基づく音声が再生される。
カメラ8は操作パネル4の操作者を撮影する。操作者を撮影できるように、カメラ8を操作パネル4に取り付けることができる。また、複合機100の側面にアームを設け、アームにカメラ8が取り付けられてもよい。いずれにしても、操作者が写るように、カメラ8の向きがセットされる。
カメラ8は、レンズ、イメージセンサー、カメラモジュール回路を含む。レンズは入射された光をイメージセンサーに導く。イメージセンサーは、面状に並べられた複数の受光素子を含む。イメージセンサーの各受光素子は、受光量に応じたアナログ信号(画像信号)を出力する。カメラモジュール回路は、イメージセンサーが出力する画像信号を処理し、撮影データ(画像データ)を生成する。カメラ8は、撮影データ(画像データ)を記憶部2に出力する。撮影データは記憶部2に記憶される。
人感センサー80は人の存在(有無)を検知するセンサーである。例えば、人感センサー80は焦電型赤外線センサーである。人が放射する赤外線を受けたとき、人感センサー80の出力が変化する。人感センサー80の出力値(電圧値)は、制御部1に入力される。制御部1は人感センサー80の出力値と予め定められた閾値を比較する。出力値が閾値を超えているとき、制御部1は複合機100の周囲(近く)に人がいると判定する。出力値が閾値以下のとき、制御部1は複合機100の周囲(近く)に人がいないと判定する。
受話器70は内蔵スピーカー71を含む。受話器70は、固定型電話機の送受話器を模した形状でもよい。受話器70はイヤホンでもよい。受話器70はヘッドホンのように頭に装着するものでもよい。何れの場合でも、内蔵スピーカー71は受話器70のうち、耳に当てる部分に取り付けられる。なお、内蔵スピーカー71の出力ワット数は、本体スピーカー7よりも小さい。アナログ電気信号の入力先に応じて、制御部1は、アナログ電気信号の振幅(電力)を調整する。
無線通信部60は、無線通信用制御回路、通信用メモリー、通信ソフトウェアを含む。無線通信部60は、無線により、携帯通信装置300や音声再生デバイス400と通信できる。携帯通信装置300は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピューター、ノート型PCである。音声再生デバイス400は、いわゆるIoT(Internet of Things)機器である。音声再生デバイス400は、通信ネットワークに接続可能なスピーカーである。通信規格に特に制限はない。例えば、無線通信部60は、Wi−Fi規格、Bluetooth(登録商標)規格、LPWA(Low Power Wide Area)に分類される規格のうち、何れか1つ又は複数の規格に基づく通信を行える。
(設定操作に手間取っているか否かの判定)
次に、図2、図3を用いて、実施形態に係る複合機100での判定処理の一例を説明する。図2は、実施形態に係る複合機100での判定処理の一例を示す図である。図3は、実施形態に係る記憶部2の記憶内容の一例を示す図である。
制御部1は、操作者が操作パネル4での設定操作に手間取っているか否かを判定する。そして、手間取っていると判定したとき、第1ガイダンスデータ91に基づき、第1音声ガイダンス(ジョブの設定手順の音声での説明)の再生を本体スピーカー7に開始させる。言い換えると、操作者が設定操作に戸惑っていると判断したとき、制御部1は、設定操作の音声ガイダンスを開始する。図3に示すように、記憶部2は、第1音声ガイダンスを行うためのデータ(第1ガイダンスデータ91)を不揮発的に記憶する。第1ガイダンスデータ91は、予め録音された第1音声ガイダンスの音声データを含む。
図2を用いて、第1音声ガイダンスを開始するか否か(設定操作に手間取っているか)の判定処理の流れの一例を説明する。図2のスタートは、カメラ8が操作パネル4を操作する人物(操作者)を撮影した時点である。制御部1は所定の周期でカメラ8に撮影を行わせる。カメラ8は周期的に撮影データを生成する。制御部1は、撮影データに基づき、カメラ8が人(操作者)を撮影したか否かを判断する。例えば、制御部10は、撮影データのうち、肌色の画素のかたまり(肌色画素領域)を認識する。肌色と扱う画素値は予め定められる。制御部10は、肌色画素領域のサイズ(広さ)が予め定められた領域閾値を超えたとき、カメラ8が操作者を撮影したと判定する。
記憶部2は、カメラ8に撮影されている人(操作者)の年齢を推定するアプリケーション(年齢推定用アプリケーション24)を含む。年齢推定用アプリケーション24と撮影データに基づき、制御部1は、撮影された操作者の年齢を推定する(ステップ♯11)。例えば、子供ほど(年齢が低いほど)、目、鼻、口が寄っている傾向がある。そこで、制御部1は、撮影データにおける目、鼻、口、顎先の位置を認識し、目と鼻の距離及び鼻と口の距離の合計を、鼻から顎先までの距離で除して比率を求めてもよい。比率が小さいほど、制御部1は年齢が低いと推定してもよい。制御部1は皺や弛みを撮影データから抽出してもよい。制御部1は抽出した皺、弛みの数が多いほど、推定した値に大きな年齢を加算してもよい。公知のアルゴリズムを利用して、制御部1は年齢を推定してもよい。
次に、制御部1は、推定年齢が属する年齢帯を判定する(ステップ♯12)。言い換えると、制御部1は、カメラ8に撮影されている操作者の年齢が第1年齢帯2a、第2年齢帯2b、第3年齢帯2cの何れに属するかを判定する。複数の年齢帯が予め定められる。例えば、図3に示すように、第1年齢帯2a、第2年齢帯2b、第3年齢帯2cが予め定められる。操作パネル4は各年齢帯が属する年齢の設定を受け付けてもよい。この場合、制御部1は、設定された年齢帯を記憶部2に記憶させ、適用する。
例えば、0〜12歳が第1年齢帯2aとされる。表示パネル41には多くの文字が表示される。そのため、複合機100の設定操作はこどもにとって難しい場合がある。そこで、第1年齢帯2aを、こどもに対応する年齢帯とできる。また、例えば、60歳以上を第3年齢帯2cとできる。お年寄りは、複合機100の設定操作が複雑と感じる難しい場合がある。そこで、第3年齢帯2cを、お年寄りに対応する年齢帯とできる。そして、第2年齢帯2bには、第1年齢帯2a、第3年齢帯2c以外の年齢を含めることができる。例えば、13〜59歳を第2年齢帯2bとすることができる。
判定した年齢帯に応じて、制御部1は、基準時間を定める(ステップ♯13)。具体的に、推定年齢が第1年齢帯2aと第3年齢帯2cに属するとき、制御部1は、基準時間として第1基準時間T1を適用する。推定年齢が第2年齢帯2bに属するとき、制御部1は基準時間として第2基準時間T2を適用する。第1基準時間T1と第2基準時間T2は予め定められる。記憶部2は第1基準時間T1と第2基準時間T2を不揮発的に記憶する。第1基準時間T1は第2基準時間T2よりも短い。
次に、制御部1は、操作者が立ち尽くしているか否かを判定する(ステップ♯14)。具体的に、制御部1は、カメラ8が操作者を撮影し続けており、かつ、操作パネル4(タッチパネル42、ハードキー43)への操作の無い時間が基準時間続いたとき、操作者が立ち尽くしていると判定する。
まだ立ち尽くすと判定するほど、操作の無い時間が短くないとき(ステップ♯14のNo)、制御部1は、操作者が迷っている動作をしているか否かを判定する(ステップ♯15)。例えば、制御部1は、現時点から所定期間分の撮影データを確認する。所定期間は、例えば、数秒〜10秒程度である。そして、各撮影データにおいて、制御部1は、目のうちの瞳(黒目)の位置を判定し、瞳の位置に基づき、視線を認識する。そして、制御部1は、視線の動きを判定する。迷いがある場合、人の視線はさまよう。キョロキョロする場合、人の視線は、左右方向で複数回揺れる。制御部1は、所定期間の間に予め定められた回数以上、視線が左右方向で往復したとき、迷っている動作をしていると判定する。
操作者が迷っている動作をしていると判定できないとき(ステップ♯15のNo)、制御部1は、先に設定画面の操作がなされてから、操作が無いまま基準時間が経過したか否かを確認する(ステップ♯16)。操作が無いまま基準時間が経過していないとき(ステップ♯16のNo)、制御部1は、設定ミスを繰り返しているか否かを確認する(ステップ♯17)。例えば、制御部1は、設定画面を元に戻す操作が、所定回数以上、予め定められたミス確認時間T3の間に行われたとき、制御部1は、設定ミスを繰り返していると判定する。ミス確認時間T3は予め定められる。記憶部2はミス確認時間T3を不揮発的に記憶する(図3参照)。設定画面を元に戻す操作は、例えば、画面内に配された戻るボタンをタッチする操作である。また、ハードキー43としてキャンセルキーが設けられているとき、キャンセルキーを押す操作を、設定画面を元に戻す操作と扱ってもよい。
設定ミスを繰り返していると判定できないとき(ステップ♯17のNo)、制御部1はカメラ8が操作者を撮影しているかを確認する(ステップ♯18)。操作者がいなくなったとき(ステップ♯18のNo)、本フローは終了する(エンド)。カメラ8が操作者を撮影しているとき(ステップ♯18のYes)、フローはステップ♯14に戻る。
立ち尽くしていると判定できたとき(ステップ♯14のYes)、操作者が迷っている動作をしていると判定できたとき(ステップ♯15のYes)、先に設定画面の操作がなされてから、操作が無いまま基準時間が経過したとき(ステップ♯16のYes)、又は、設定ミスを繰り返していると判定できたとき(ステップ♯17のYes)、制御部1は設定操作に手間取っていると判定する(ステップ♯19→エンド)。
(設定操作に手間取っていると判定したときの処理)
次に、図4〜図7を用いて、実施形態に係る制御部1が設定操作に手間取っていると判定したときの処理の流れの一例を説明する。図4は、実施形態に係る第1音声ガイダンスの流れの一例を示す図である。図5は、実施形態に係る第1選択画面44の一例を示す図である。図6は、実施形態に係る複合機100の第1音声ガイダンスの流れの一例を示す図である。図7は、実施形態に係る進捗状況表示画面45の一例を示す図である。
図4のスタートは、制御部1が設定操作に手間取っていると判定した時点である。まず、制御部1は、第1音声ガイダンスの開始を通知する(ステップ♯21)。例えば、制御部1は、記憶部2から、第1音声ガイダンスの開始を通知するための音声データを読み出す。制御部1は、読み出した音声データに基づき、アナログ電気信号を生成し、本体スピーカー7に入力する。これにより、本体スピーカー7は、「設定操作を説明するための音声ガイダンスを開始します」のような通知を再生する。
次に、制御部1は、第1選択画面44を表示パネル41に表示させる(ステップ♯22)。第1選択画面44はジョブの種類を選択するための画面である。制御部1は、第1選択画面44を用いて、ジョブの種類を選択させる。制御部1は音声で案内する設定操作を絞り込む。図5に示すように、制御部1は、複数のジョブ種類選択ボタンB1を第1選択画面44に表示させる。図5の例では、制御部1は、コピージョブを選択するためのジョブ種類選択ボタンB1と、送信ジョブを選択するためのジョブ種類選択ボタンB1と、FAX送信ジョブを選択するためのジョブ種類選択ボタンB1を表示させる。制御部1は、他の種類のジョブを選択するための選択ボタンを表示させてもよい。制御部1は他種のジョブを選択できるようにしてもよい。
このとき、制御部1は、記憶部2から、ジョブの種類の選択を促すための音声データを読み出してもよい。制御部1は、読み出した音声データに基づき、アナログ電気信号を生成し、本体スピーカー7に入力する。例えば、本体スピーカー7は、「ジョブの種類を選択して下さい。」といった音声を再生する。これにより、操作者は操作パネル4でジョブの種類を選択すべきことを認識できる。
操作パネル4はジョブの種類の選択を受け付ける。制御部1は、選択されたジョブの種類を認識する(ステップ♯23)。制御部1は選択された種類のジョブの設定操作を説明する音声ガイダンス(第1音声ガイダンス)を開始する(ステップ♯24)。このように、設定操作に手間取っていると判定したとき、制御部1は、第1音声ガイダンスの再生を本体スピーカー7に開始させる。そして、本フローは終了する(エンド)。
記憶部2は第1ガイダンスデータ91を記憶する。第1ガイダンスデータ91は、コピージョブ用データ91aと、送信ジョブ用データ91bbと、FAX送信ジョブ用データ91cを含む。コピージョブ用データ91aは、コピージョブの設定操作を音声で説明するための音声データを含む。送信ジョブ用データ91bは、送信ジョブの設定操作を音声で説明するための音声データを含む。FAX送信ジョブ用データ91cは、FAX送信ジョブの設定操作を音声で説明するための音声データを含む。記憶部2は、ジョブの種類ごとに、第1音声ガイダンスを行うためのデータを不揮発的に記憶する。
各ジョブでは、設定項目が多数用意される。不慣れな者、設定操作に手間取っている者に多数の設定項目を設定させることは適切ではない。第1音声ガイダンスでは、一部の設定項目(予め定められた設定項目)を設定させる。例えば、コピージョブの第1音声ガイダンスでは、部数、印刷色(カラー/モノクロ)、用紙サイズ、倍率の設定項目の設定を行わせる。送信ジョブの第1音声ガイダンスでは、宛先、色(カラー/モノクロ)、解像度、送信するデータのサイズの設定項目の設定を行わせる。
図6のスタートは、選択された種類のジョブの第1音声ガイダンスを開始する時点である。ここで、第1音声ガイダンスで設定させる設定項目の個数は決まっている。また、各設定項目の設定順も決まっている。例えば、コピージョブの第1音声ガイダンスの場合、部数→印刷色(カラー/モノクロ)→用紙サイズ→倍率の案内順とされる。第1音声ガイダンスの各設定項目の設定順は予め定められる。
まず、制御部1は、案内順が最初の設定項目の設定操作を案内する音声を再生する(ステップ♯31)。そして、制御部1は、案内順が最初の設定項目の設定画面を表示パネル41に表示させる(ステップ♯32)。例えば、コピージョブが選択されたとき、制御部1は、「部数を設定して下さい。」のような音声を本体スピーカー7に再生させる。再生される音声と表示される設定画面に基づき、使用者は操作パネル4に設定を行う。
制御部1は、案内している設定項目の設定が完了したか否かの確認を続ける(ステップ♯33のNo→ステップ♯33)。例えば、制御部1は、案内している設定項目の設定の完了を認識するための完了ボタンを表示パネル41に表示させてもよい。完了ボタンが操作されたとき、制御部1は、案内している設定項目の設定が完了したと判定してもよい。
案内している設定項目の設定が完了したと確認できたとき、制御部1は、進捗状況表示画面45を表示パネル41に表示させる(ステップ♯34)。図7は、進捗状況表示画面45の一例を示す。進捗状況表示画面45内に、制御部1は、設定すべき設定項目の残数45aを表示させる。また、進捗状況表示画面45内に、制御部1は、現在の設定の進捗率45bを表示させる。進捗率45bは、第1音声ガイダンスで設定完了済の設定項目数を、第1音声ガイダンスで設定する全設定項目で除した値である。図7は、設定項目の残数45aと進捗率45bの両方を表示する例を示す。制御部1は、設定項目の残数45aと進捗率45bの何れか一方のみを表示させてもよい。制御部1は、進捗状況表示画面45を所定時間表示させる。所定時間は、例えば、数秒である。
次に、制御部1は、案内順が最後の設定項目の設定が完了したか否かを確認する(ステップ♯35)。言い換えると、制御部1は案内が完了したか否かを確認する。完了していないとき(ステップ♯35のNo)、進捗状況表示画面45の表示後、所定時間経過したとき、制御部1は、案内順が次の設定項目の設定操作を案内する音声を再生する(ステップ♯36)。そして、制御部1は、案内順が次の設定項目の設定画面を表示パネル41に表示させる(ステップ♯37)。ステップ♯37の後、フローはステップ♯33に戻る。
案内順が最後の設定項目の設定が完了したとき(ステップ♯35のYes)、制御部1は、設定に基づき、ジョブを実行させる(ステップ♯38)。例えば、コピージョブのとき、制御部1は、画像読取部3、印刷部5を動作させる。送信ジョブ、FAX送信ジョブのとき、制御部1は、画像読取部3、通信部6を動作させる。
(第1音声ガイダンスの中止)
次に、図5、図7を用いて、実施形態に係る第1音声ガイダンスの中止の一例を説明する。設定操作に手間取っていると判定してから、第1音声ガイダンスに基づく設定が完了するまでの間、制御部1は中止ボタンB2を表示パネル41に表示させる。図5、図7に示すように、制御部1は、中止ボタンB2を表示パネル41に表示させる。中止ボタンB2が操作されたとき、制御部1は第1音声ガイダンスを中止する。これにより、いつでも音声ガイダンスを中止することができる。制御部1は、設定操作に手間取っていると判定してから、第1音声ガイダンスに基づく設定が完了するまでの間、常に中止ボタンB2を表示パネル41に表示させてもよい。
(エラー発生の検知)
次に、図8を用いて、実施形態に係る複合機100でのエラー発生の検知の一例を説明する。図8は、実施形態に係る複合機100でのエラー発生を検知する部分の一例を示す図である。
図8に示すように、複合機100は複数のセンサーを含む。例えば、用紙搬送センサー51(検知センサーに相当)、用紙有無センサー52(検知センサーに相当)、トナーセンサー53(検知センサーに相当)を含む。用紙搬送センサー51は、用紙搬送部5bの用紙搬送経路上に複数設けられる。各用紙搬送センサー51は、用紙があるときとないときとで出力レベルが変化する。各用紙搬送センサー51の出力は制御部1に入力される。各用紙搬送センサー51の出力に基づき、制御部1は、各用紙搬送センサー51の設置位置への用紙の到達を認識できる。また、制御部1は、各用紙搬送センサー51の設置位置からの用紙の通過を認識できる。
給紙開始から各用紙搬送センサー51が用紙到達を検知すべき時間帯が予め定められる。制御部1は、用紙到達を検知すべき時間帯に用紙到達を検知できない用紙搬送センサー51の設置位置でジャム(用紙の詰まり)が発生したことを検知する。また、給紙開始から各用紙搬送センサー51が用紙通過を検知すべき時間帯が予め定められる。制御部1は、用紙通過を検知すべき時間帯に用紙通過を検知できない用紙搬送センサー51の設置位置でジャムが発生したことを検知する。これらの時間帯を定めたデータがジャム検知用データ94として記憶部2に不揮発的に記憶される(図3参照)。各用紙搬送センサー51の出力とジャム検知用データ94に基づき、制御部1はジャムのエラー発生を検知する。
用紙有無センサー52は、給紙部5aに設けられる。用紙有無センサー52は、給紙部5aに収容される用紙があるときとないときとで出力レベルが変化する。用紙有無センサー52の出力は制御部1に入力される。各用紙有無センサー52の出力に基づき、制御部1は用紙切れのエラー発生を検知できる。トナーセンサー53は画像形成部5cに設けられる。トナーセンサー53はトナー切れを検知する。トナーセンサー53の出力は制御部1に入力される。各トナーセンサー53の出力に基づき、制御部1はトナー切れのエラー発生を検知できる。
(第2音声ガイダンスの再生対象)
次に、図9、図10を用いて、実施形態に係る複合機100でのエラー発生検知時の音声ガイダンスの流れの一例を説明する。図9は、実施形態に係る第2選択画面46の一例を示す図である。図10は、実施形態に係る第2音声ガイダンスの再生対象の決定の流れの一例を示す図である。
制御部1はエラー発生を検知する。エラー発生時、制御部1は、第2ガイダンスデータ92に基づき、第2音声ガイダンス(エラー解消作業の音声での説明)の再生を開始させることがある。言い換えると、エラー発生時に条件が揃えば、制御部1は、エラー解消作業の音声ガイダンスを開始する。図3に示すように、記憶部2は、第2音声ガイダンスを行うためのデータ(第2ガイダンスデータ92)を不揮発的に記憶する。第2ガイダンスデータ92は、予め録音された第2音声ガイダンスの音声データを含む。
エラー発生検知時、制御部1は、人感センサー80の出力に基づき、人がいるか否か(複合機100の近くに人がいるか否か)を判定する。人感センサー80が人の存在を検知しているとき、制御部1は、複合機100の近くに人がいると判定する。人感センサー80が人の存在を検知していないとき、制御部1は、複合機100の近くに人がいないと判定する。また、制御部1は、カメラ8の撮影データに基づき、制御部1は複合機100の近くに人がいるか否かを判定してもよい。最新の撮影データに含まれる肌色画素領域のサイズ(広さ)が領域閾値を超えているとき、制御部1は、複合機100の近くに人がいると判定してもよい。
第2音声ガイダンスの再生対象は複数ある。図10のフローチャートに基づき、制御部1は再生対象を決定する。図10のスタートは、制御部1は、エラー発生を検知したときに人がいると判定できたときである。言い換えると、エラー発生検知時、制御部1が複合機100周辺に人が存在していると判定した時点である。
まず、制御部1は、第2選択画面46を表示パネル41に表示させる(ステップ♯41)。図9は第2選択画面46の一例を示す。第2選択画面46は、第1選択ボタンB3と第2選択ボタンB4を含む。第1選択ボタンB3は、携帯通信装置300で第2音声ガイダンスを再生するためのボタンである。第2選択ボタンB4は、本体スピーカー7で第2音声ガイダンスを再生するためのボタンである。
制御部1は、第1選択ボタンB3が操作されたか否かを確認する(ステップ♯42)。第1選択ボタンB3が操作されたとき(ステップ♯42のYes)、制御部1は、携帯通信装置300を再生対象に決定する(ステップ♯43)。携帯通信装置300にイヤホンをつなげることで、エラー解消の作業者だけが第2音声ガイダンスを聞くことができる。第2音声ガイダンスが他人の騒音にならない。そして、本フローは終了する(エンド)。第1選択ボタンB3が操作されていないとき(ステップ♯42のNo)、制御部1は、第2選択ボタンB4が操作されたか否かを確認する(ステップ♯44)。
第2選択ボタンB4が操作されたとき(ステップ♯44のYes)、制御部1は、本体スピーカー7を再生対象に決定する(ステップ♯45)。そして、本フローは終了する(エンド)。第2選択ボタンB4が操作されていないとき(ステップ♯44のNo)、制御部1は、受話器70が取られたか否かを確認する(ステップ♯46)。
複合機100は受話器スイッチ72を含む(図8参照)。複合機100は受話器台を備える。受話器台に受話器70が置かれる。受話器スイッチ72は受話器台に設けられる。受話器スイッチ72は、受話器70が受話器台から外れているか(取られているか)否かにより出力が変化する。受話器スイッチ72の出力は制御部1に入力される。受話器スイッチ72の出力に基づき、制御部1は、受話器70が取られたか否か(受話器台から外されたか否か)を判定する。受話器70が取られたとき(ステップ♯46のYes)、制御部1は、受話器70を再生対象に決定する(ステップ♯47)。そして、本フローは終了する(エンド)。受話器70が取られていないとき(ステップ♯46のNo)、フローはステップ♯42に戻る。
(第2音声ガイダンスの再生)
次に、図11、図12を用いて、実施形態に係る第2音声ガイダンスの再生処理の一例を説明する。図11は、実施形態に係る第2音声ガイダンスの再生処理の一例を示す図である。図12は、実施形態に係る作業進捗状況表示画面47の一例を示す図である。
図11のスタートは、制御部1が第2音声ガイダンスの再生対象を決定した時点である。まず、制御部1は、第2音声ガイダンスの開始を通知させる(ステップ♯51)。例えば、制御部1は、記憶部2から第2音声ガイダンスの開始を通知するための音声データを読み出す。携帯通信装置300に再生させるとき、制御部1は、携帯通信装置300に向けて、読み出した音声データを無線通信部60に送信させる。本体スピーカー7で再生するとき、制御部1は、読み出した音声データに基づくアナログ電気信号を本体スピーカー7に入力する。内蔵スピーカー71(受話器70)で再生するとき、制御部1は、読み出した音声データに基づくアナログ電気信号を受話器70に入力する。「エラー解消作業を説明するための音声ガイダンスを開始します」のようなメッセージが再生される。
なお、再生対象が携帯通信装置300のとき、制御部1は、第2音声ガイダンスを再生する携帯通信装置300を特定してもよい。この場合、制御部1は、無線通信部60と通信可能な携帯通信装置300を検索してもよい。そして、制御部1は、検索により通信できた携帯通信装置300を表示パネル41に表示させてもよい。作業者は、第2音声ガイダンスを再生する携帯通信装置300を選択する。例えば、自分の所持する携帯通信装置300を選択する。操作パネル4は、携帯通信装置300の選択を受け付ける。制御部1は、選択された携帯通信装置300を音声データの送信先と定める。
記憶部2は第2ガイダンスデータ92を記憶する。例えば、第2ガイダンスデータ92は、ジャム処理用データ92a、用紙切れ用データ92b、トナー切れ用データ92cを含む。ジャム処理用データ92aは、ジャムのエラー解消作業を音声で説明するための音声データを含む。用紙切れ用データ92bは、用紙切れのエラー解消作業を音声で説明するための音声データを含む。トナー切れ用データ92cは、トナー切れのエラー解消作業を音声で説明するための音声データを含む。記憶部2は、他のエラーを解消するためのデータを記憶してもよい。記憶部2は、エラー種類に応じて、第2音声ガイダンスを行うためのデータを不揮発的に記憶する。
1つのエラー解消には、複数の作業を順番に行う必要がある。第2音声ガイダンスでは、エラー解消に必要な作業を予め定められた順番で説明する。例えば、用紙切れのエラーの第2音声ガイダンスでは、給紙部5aの用紙カセットの取り外し→用紙の補充部数→用紙カセットの再セットの順番で説明する。
次に、制御部1は、案内順が最初のエラー解消作業を案内する音声を再生させる(ステップ♯52)。そして、制御部1は、案内順が最初のエラー解消作業の説明画面を表示パネル41に表示させる(ステップ♯53)。例えば、トナー切れのエラーが発生しているとき、制御部1は、「前カバーを開けて下さい。」のような音声を再生させる。再生対象が携帯通信装置300のとき、制御部1は、携帯通信装置300に向けて、対応する音声データを無線通信部60に送信させる。再生対象が本体スピーカー7のとき、制御部1は、対応する音声データに基づき、本体スピーカー7に音声を再生させる。再生対象が内蔵スピーカー71(受話器70)のとき、制御部1は、対応する音声データに基づき、内蔵スピーカー71に音声を再生させる。
制御部1は、案内しているエラー解消作業が完了したか否かを確認する(ステップ♯54)。制御部1は、この確認を続ける(ステップ♯54のNo→ステップ♯54)。例えば、複合機100は、前カバーセンサー54、側面カバーセンサー55、カセット着脱センサー56を含む。前カバーセンサー54は、複合機100の前カバーの開閉状態を検知する。前カバーセンサー54の出力は制御部1に入力される。制御部1は、前カバーセンサー54の出力に基づき、前カバーの開閉状態を認識する。側面カバーセンサー55は、複合機100の側面カバーの開閉状態を検知する。側面カバーセンサー55の出力は制御部1に入力される。制御部1は、側面カバーセンサー55の出力に基づき、側面カバーの開閉状態を認識する。カセット着脱センサー56は、給紙部5aの用紙カセットの着脱状態を検知する。カセット着脱センサー56の出力は制御部1に入力される。制御部1は、カセット着脱センサー56の出力に基づき、用紙カセットの着脱状態を認識する。案内しているエラー解消作業で操作すべき部分が開けられたとき、又は、閉じられたとき、制御部1は、案内しているエラー解消作業が完了したと判定してもよい。エラー解消作業が完了したかを確認するため、更に別のセンサーを設けてもよい。
案内しているエラー解消作業の完了を確認できたとき、制御部1は、作業進捗状況表示画面47を表示パネル41に表示させる(ステップ♯55)。図12は、作業進捗状況表示画面47の一例を示す。この画面内に、制御部1は、行うべきエラー解消作業の残数47aを表示させる。また、この画面内に、制御部1は、現在のエラー解消作業の進捗率47bを表示させる。進捗率47bは、第2音声ガイダンスで実行済のエラー解消作業を、第2音声ガイダンスで案内するエラー解消作業の総数で除した値である。図12は、エラー解消作業の残数47aと進捗率47bの両方を表示する例を示す。制御部1は、残数と進捗率47bの何れか一方のみを表示させてもよい。
次に、制御部1は、案内順が最後のエラー解消作業が完了したか否かを確認する(ステップ♯56)。言い換えると、制御部1は案内が完了したか否かを確認する。完了していないとき(ステップ♯56のNo)、制御部1は、案内順が次のエラー解消作業を案内する音声を再生する(ステップ♯57)。そして、制御部1は、案内順が次のエラー解消作業の説明画面を表示パネル41に表示させる(ステップ♯58)。ステップ♯58の後、フローはステップ♯54に戻る。案内順が最後のエラー解消作業が完了したとき(ステップ♯56のYes)、本フローは終了する(エンド)。
(エラー発生の通知)
次に、図13を用いて実施形態に係る複合機100でのエラー発生通知の一例を説明する。図13は実施形態に係る複合機100でのエラー発生通知の一例を示す図である。
上述のように、エラー発生検知時、制御部1は、人感センサー80又はカメラ8の出力に基づき、人がいるか否か(複合機100の近くに人がいるか否か)を判定する。エラー発生検知時に人がいないと判定したとき、複合機100の周囲には誰もいないことになる。第2音声ガイダンスを開始しても無駄である。この場合、音声でエラー発生を通知する。制御部1は室内にいる者にエラー解消を促す。記憶部2は、音声でエラー発生を通知するためのデータ(エラー通知用データ93)を不揮発的に記憶する(図3参照)。エラー通知用データ93は、エラーを通知するための音声データを含む。
図13のスタートは、制御部1は、エラー発生を検知したときに人がいないと判定したときである。言い換えると、エラー発生検知時、制御部1が複合機100周辺に人が存在いないと判定した時点である。まず、制御部1は、計時を開始する(ステップ♯61)。例えば、制御部1のCPUが時間を計る。時間を計るための時計回路を制御部1に設けてもよい。次に、制御部1は、人感センサー80の検知エリアを拡大する(ステップ♯62)。具体的に、制御部1は、人感センサー80の出力値と比較する閾値を小さくする。言い換えると、人感センサー80の感度を上げる。これにより、閾値を小さくする前では検知できない距離にいる人を検知できるようになる。次に、制御部1は、エラーが解消したか否かを確認する(ステップ♯63)。制御部1は、用紙搬送センサー51、用紙有無センサー52、トナーセンサー53のようなエラーを検知するためのセンサーの出力に基づき、エラーが解消したか否かを確認する。
エラーが解消したとき(ステップ♯63のYes)、本フローは終了する(エンド)。一方、エラーが解消していないとき(ステップ♯63のNo)、制御部1は、エラー発生から予め定められた待ち時間T4が経過したか否かを確認する(ステップ♯64)。言い換えると、制御部1は、ステップ♯61で計時を開始した時間が待ち時間T4になったか否かを確認する(図3参照)。待ち時間T4は適宜定められる。例えば、待ち時間T4は、数十秒〜数分程度とされる。操作パネル4は待ち時間T4の設定を受け付けてもよい。この場合、制御部1は、設定された待ち時間T4を適用する。
待ち時間T4が経過していないとき(ステップ♯64のNo)、フローはステップ♯63に戻る。エラー発生からの時間が待ち時間T4を経過しているとき(ステップ♯64のYes)、制御部1は人がいるか否かを判定する(ステップ♯65)。人感センサー80の出力に基づき、制御部1は人がいるか否かを判定してもよい。カメラ8の撮影データに基づき、制御部1は人がいるか否かを判定してもよい。
待ち時間T4の経過時点で人がいると判定しているとき(ステップ♯65のYes)、制御部1は、エラー発生の通知を第1音量で行う(ステップ♯66)。待ち時間T4の経過時点で人がいないと判定しているとき(ステップ♯65のNo)、制御部1は、エラー発生の通知を第2音量で行う(ステップ♯67)。第2音量は第1音量よりも大きい。
制御部1は、エラー通知用データ93に基づきエラー発生の通知を行う。具体的に、制御部1は、エラー通知用データ93に基づきアナログ電気信号を生成する。制御部1は、生成したアナログ電気信号を本体スピーカー7に入力する。これにより、本体スピーカー7は、エラー発生したことを知らせる音声を再生する。第2音量で再生するとき、制御部1は、第1音量で再生するときよりもアナログ電気信号の振幅を大きくする。
ステップ♯66、ステップ♯67により、本フローは終了する(エンド)。なお、制御部1は、エラーが解消するまで、音声によるエラー発生の通知を繰り返してもよい。操作パネル4は音声による通知の繰り返し回数や、通知の時間的間隔の設定を受け付けてもよい。この場合、制御部1は、設定された繰り返し回数と時間的間隔に基づき、音声によるエラー発生の通知を繰り返し再生する。
(音声再生デバイス400を用いたエラー発生の通知)
次に、図14を用いて、実施形態に係る音声再生デバイス400を用いたエラー発生の通知の一例を説明する。図14は、実施形態に係る音声再生デバイス400を用いたエラー発生の通知の一例を示す図である。
図14のスタートは、制御部1がエラー発生を検知した時点である。まず、制御部1は無線通信部60と通信可能な音声再生デバイス400を検索させる(ステップ♯71)。例えば、制御部1は、数メートル〜十数メートル内のIoT機器であって、データに基づき音声を再生可能なスピーカーを検索する。例えば、制御部1は、IoT機器であって、館内放送のためのスピーカーを見つけることがある。
音声再生デバイス400を発見したとき、制御部1は、音声再生デバイス400に向けて、エラー通知用データ93を無線通信部60に送信させる(ステップ♯72)。制御部1は、エラー発生の通知を音声再生デバイス400に行わせる(ステップ♯73→エンド)。多くの人に複合機100でエラーが発生したことを知らせることができる。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、操作パネル4、記憶部2、本体スピーカー7、ジョブ実行部(画像読取部3、印刷部5、通信部6)、制御部1を含む。操作パネル4は、設定画面を表示する表示パネル41と、タッチパネル42を含む。操作パネル4はジョブの設定を受け付ける。記憶部2は、操作パネル4でのジョブの設定手順を音声で説明する第1音声ガイダンスを行うための第1ガイダンスデータ91を記憶する。ジョブ実行部はジョブを実行する。制御部1は、操作パネル4でなされた設定に基づき、ジョブ実行部にジョブを実行させる。制御部1は、操作パネル4での設定操作に手間取っているか否かを判定する。制御部1は、手間取っていると判定したとき、第1ガイダンスデータ91に基づき、第1音声ガイダンスを本体スピーカー7で再生する。操作パネル4での設定操作に手間取っている(戸惑っている)者に対してのみ、第1音声ガイダンスを行うことができる。設定操作に不慣れな者に対してのみ、自動的に第1音声ガイダンスを開始することができる。一方で、設定操作に慣れている者に対して、第1音声ガイダンスを行わないようにすることができる。
画像形成装置はカメラ8を含む。カメラ8は操作パネル4の操作者を撮影するために設置され、撮影データを出力する。制御部1は、撮影データに基づき、人が撮影データに含まれているか否かを判定する。カメラ8が人を撮影しているが、操作パネル4への操作が無い時間が予め定められた基準時間続いたとき、制御部1は、設定操作に手間取っていると判定する。操作者が操作パネル4を操作しないまま、操作パネル4の前で立ち尽くしている場合、設定操作に手間取っていると判定することができる。第1音声ガイダンスの必要性が高いか否かを正確に判定することができる。為す術がわからずに棒立ち状態の操作者のために、速やかに第1音声ガイダンスを開始することができる。
制御部1は、所定周期でカメラ8に撮影させる。カメラ8が出力した複数枚の撮影データに基づき、制御部1はカメラ8に撮影されている人の視線の動きを判定する。視線の動きに基づき、制御部1は設定操作に手間取っているか否かを判定する。操作に迷って視線を移動させている場合、設定操作に手間取っていると判定することができる。第1音声ガイダンスの必要性が高いか否かを正確に判定することができる。操作者が為す術がわからずにキョロキョロしている場合、速やかに第1音声ガイダンスを開始することができる。
制御部1は、先に設定画面の操作がなされてから、操作が無いまま基準時間が経過したとき、設定操作に手間取っていると判定する。操作パネル4に触れたものの、以後の設定操作がわからずに操作者が停止状態の場合、設定操作に手間取っていると判定することができる。第1音声ガイダンスの必要性が高いか否かを正確に判定することができる。操作者が次に何をすればよいかわからずに固まっている場合、速やかに第1音声ガイダンスを開始することができる。
記憶部2は、基準時間として、第1基準時間T1と第2基準時間T2を記憶する。制御部1は、撮影データに基づき、カメラ8に撮影されている人の年齢を推定する。推定した年齢が予め定められた第1年齢帯2a、又は、予め定められた第3年齢帯2cに属するとき、制御部1は、基準時間として第1基準時間T1を適用する。推定した年齢が予め定められた第2年齢帯2bに属するとき、制御部1は、基準時間として第2基準時間T2を適用する。第1基準時間T1は第2基準時間T2よりも短い。第1年齢帯2aは、第2年齢帯2b、第3年齢帯2cよりも若い年齢を含む。第2年齢帯2bは、第1年齢帯2aよりも上の年齢を含み、かつ、第3年齢帯2cよりも若い年齢を含む。第3年齢帯2cは、第1年齢帯2a、第2年齢帯2bよりも上の年齢を含む。操作者の年齢を推定し、推定年齢に応じて、基準時間を長くしたり短くしたりすることができる。例えば、子供や高齢者に対しては基準時間を短くし、第1音声ガイダンスを開始しやすくすることができる。
操作パネル4は、設定画面に操作用画像を表示する。制御部1は、設定画面を元に戻す操作が、所定回数以上、予め定められたミス確認時間T3の間に行われたとき、操作パネル4での設定操作に手間取っていると判定する。操作ミスや設定操作のやり直しを繰り返している場合、設定操作に手間取っていると判定することができる。第1音声ガイダンスの必要性が高いか否かを正確に判定することができる。操作者が正しい設定操作がわからず、試行錯誤している場合、速やかに第1音声ガイダンスを開始することができる
制御部1は、中止ボタンB2を表示パネル41に表示させる。中止ボタンB2が操作されたとき、制御部1は、第1音声ガイダンスを中止する。不要な第1音声ガイダンスを停止することができる。
制御部1は、音声ガイダンスに基づき、操作パネル4で設定がなされるごとに、音声ガイダンスに基づくジョブの設定完了までの残り設定項目数(残数45a)と、現在の設定の進捗率45bの何れか一方、又は、両方を表示パネル41に表示させる。第1音声ガイダンスに基づくジョブ設定の進捗状況を知らせることができる。第1音声ガイダンスを受けている者の不安を和らげることができる。
画像形成装置(複合機100)は、エラー発生を検知するための検知センサー(用紙搬送センサー51、用紙有無センサー52、トナーセンサー53)と、人の存在を検知するための人検知部(人感センサー80、カメラ8)と、携帯通信装置300と無線通信する無線通信部60と、を含む。記憶部2はエラー解消作業を音声で説明する第2音声ガイダンスを行うための第2ガイダンスデータ92を記憶する。制御部1は、検知センサーの出力に基づき、エラー発生を検知する。制御部1は、人検知部の出力に基づき、人がいるか否かを判定する。エラー発生を検知したときに人がいると判定できたとき、制御部1は、第1選択ボタンB3を表示パネル41に表示させる。第1選択ボタンB3が操作されたとき、制御部1は、携帯通信装置300に向けて第2ガイダンスデータ92に含まれる音声データを無線通信部60に送信させる。制御部1は、第2音声ガイダンスを携帯通信装置300に再生させる。特定の携帯通信装置300で第2音声ガイダンスを再生することができる。携帯通信装置300にイヤホンを取り付ければ、携帯通信装置300の所持者のみに第2音声ガイダンスを聞かせることができる。画像形成装置で第2音声ガイダンスを再生するよりも、第2音声ガイダンスをうるさく感じる人数を減らすことができる。
画像形成装置(複合機100)は、内蔵スピーカー71を含む受話器70と、受話器70がとられたことを検知する受話器スイッチ72と、を含む。人がいると判定している状態でエラー発生を検知した場合に、受話器70がとられたとき、制御部1は、第2ガイダンスデータ92に基づき、第2音声ガイダンスを内蔵スピーカー71で再生する。画像形成装置に取り付けられた受話器70で第2音声ガイダンスを聞くことができる。携帯通信装置300を別途用意しなくても、エラーを解除しようとする者のみに第2音声ガイダンスを聞かせることができる。画像形成装置で第2音声ガイダンスを再生するよりも、第2音声ガイダンスをうるさく感じる人数を減らすことができる。
人がいると判定している状態でエラー発生を検知したとき、制御部1は、第2選択ボタンB4を表示パネル41に表示させる。第2選択ボタンB4が操作されたとき、制御部1は、第2ガイダンスデータ92に基づき、第2音声ガイダンスを本体スピーカー7で再生する。画像形成装置の近くにいる者に第2音声ガイダンスを聞かせることができる。
記憶部2は音声でエラー発生を通知するためのエラー通知用データ93を記憶する。エラー発生を検知したとき、制御部1は、無線通信部60と通信可能な音声再生デバイス400を検索する。音声再生デバイス400を発見したとき、制御部1は、音声再生デバイス400に向けて、エラー通知用データ93を無線通信部60に送信させる。制御部1は、エラー発生の通知を音声再生デバイス400に行わせる。音声再生デバイス400(IoT機器)を用いて、エラーの発生をオフィス内の人々に知らせることができる。本体スピーカー7の音量を大きくしなくても、多くの人にエラー発生を知らせることができる。
画像形成装置(複合機100)は、人検知部として人感センサー80を含む。記憶部2は、音声でエラー発生を通知するためのエラー通知用データ93を記憶する。エラー発生を検知したときに人がいないと判定したとき、制御部1は、人感センサー80の検知エリアを拡大する。エラー発生から予め定められた待ち時間T4が経過してもエラーが解消されない場合、待ち時間T4の経過時点で人がいると判定しているとき、制御部1は、エラー通知用データ93に基づき、エラー発生の通知を第1音量で本体スピーカー7に行わせる。経過時点で人がいないと判定しているとき、制御部1は、エラー通知用データ93に基づき、エラー発生の通知を第2音量で本体スピーカー7に行わせる。第2音量は第1音量よりも大きい。画像形成装置の近くに人がいる場合、エラー発生の通知の音量を自動的に抑えることができる。エラー発生の通知をうるさく感じさせないようにすることができる。一方、画像形成装置の近くに人がいない場合、エラー発生の通知の音量を意図的かつ自動的に大きくすることができる。画像形成装置でエラーが発生していること、エラーを解消すべきことを誰かに気づかせることができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。