JP6927926B2 - エレベーターシステムおよびエレベーターの群管理制御方法 - Google Patents

エレベーターシステムおよびエレベーターの群管理制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレベーターシステムおよびエレベーターの群管理制御方法に関する。
エレベーターは、ビルの中の縦方向の移動手段として、日々多くの利用者をスムーズかつ安全に輸送している。特に大きなビルでは、利用者数が多いため、複数台のエレベーターが設置され、これら複数台のエレベーターは、群管理システムにより1つのグループとして統括的に管理されている。
このような統括的に管理されるエレベーターシステムは、ビルの各階の利用者に対して、できる限り効率良くエレベーターを運行制御させて、利用者の乗り場での待ち時間を抑制することが必要になる。
そして、このような効率の良いエレベーターの運行制御には、エレベーターの乗り場の状況をセンサで検出することが重要である。
エレベーター乗り場を撮像装置によって検出する例は、例えば特許文献1が知られている。特許文献1に記載されている技術は、エレベーターの乗り場あるいはその近傍を撮像する撮像装置を、エレベーターの乗り場の三方枠の上枠部分や上枠を成す幕板部分、乗り場呼び登録装置に設けている。そして、この撮像装置の画像認識により車椅子の利用者を判別して運転モードを切り替える動作を行うものである。
また、特許文献2には、乗りかごの中のカメラにより、乗りかごが乗り場に到着してドアが開いた時に乗り場で待つ乗客を検出し、乗客が乗りかごに乗車可能かどうかを検出する例が示されている。
特開2001−302121号公報 特開2017−160001号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、エレベーターの三方枠の上枠部分や上枠を成す幕板部分、あるいは乗り場呼び登録装置に撮像装置を設けて乗り場にいる利用者を撮像している。この方法では、エレベーターの利用者自身、撮影されていることがよく分かるため、エレベーターの利用者自身が不快に感じたり、嫌に思ったりすることがあり、実際の導入が難しいという問題があった。
また、三方枠に撮像装置を設けることは、エレベーターの意匠上も問題が多い。すなわち、エレベーター乗り場は、デザイン的にもビルの中の重要な位置付けにあり、三方枠は乗り場ドアと共にデザイン性を重視して選定される。このため、ビルのオーナーや管理者側にとっても、三方枠に撮像装置を設けることは許容できないという事情もある。
また、通常、乗り場呼び登録装置は、利用者の平均身長よりも低い位置に設けられるため、乗り場呼び登録装置に撮像装置を設けると、前の方にいる利用者に視界を遮られて、撮像装置が検出できる範囲が限定される恐れがある。特に出勤時や昼食時のような混雑時にはドア付近にいる一部の利用者だけしか検出できない場合が多くなる。
一方、特許文献2に記載される技術は、乗りかごの中のカメラにより、乗りかごが乗り場に到着してドアが開いた時に乗り場で待つ乗客を検出する方法である。この方法では、乗りかごが乗り場に到着した後で乗り場の乗客が分かるため、対応が遅れるという問題が起こる。例えば、乗りかごの到着後に、乗車不可能と検出され、次の乗りかごを当該階に引き戻したとしても、乗客は既に待っていた時間に加えて、次の乗りかごが到着するまで、長時間待たなければならない。
また、特許文献2には、乗りかご以外に乗り場の天井にカメラを設置する例も示されている。しかし、この例の場合には、乗り場の意匠が悪くなる、利用者が撮影されていることを不快に感じる、さらに天井のカメラへの電源供給や通信が建屋の内部に配線を通さねばならないなど、多くの課題が残されることになる。
以上の課題を踏まえ、本発明の目的は、利用者に不快な意識を持たせることなく、また乗り場の意匠にも影響を与えないで、エレベーター乗り場の状況を適切に検出することができるエレベーターシステムおよびエレベーターの群管理制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明は、乗り場で利用者を乗りかごに乗せて運行するエレベーターシステムであって、エレベーター乗り場ドアの近傍に設置され、乗り場呼びに対して配車されるエレベーター号機を利用者に報知する予約案内灯と、エレベーター号機が乗り場に到着することを報知する到着案内灯の双方の機能を有する案内装置を備える。
また、本発明のエレベーターシステムは、案内装置内に設けられ、エレベーター号機の乗りかごを待つ利用者を検出するセンサを含む人数検出装置と、乗り場のエレベーター号機に設けられる1個または複数の人数検出装置からの検出情報に基づいて乗り場人数を算出する乗り場人数算出装置と、乗り場人数算出装置により算出された乗り場利用者の数に基づいて、エレベーター号機の運行を制御するエレベーター群管理制御装置と、を備える。
そして、人数検出装置の検出方向は、案内装置の正面方向に対して、それぞれ乗り場入口の方向に傾けて配置されており、乗り場の全てのエレベーター号機に設置した案内装置に設けられる全ての人数検出装置で検出した乗り場の利用者数に基づいて、割当てエレベーター号機の乗りかごを待つ乗り場の人数を、重複を排除して算出するようにしている。
本発明によれば、利用者に撮影されているという意識をさせずに、乗り場の意匠にも悪影響を与えることがなく、エレベーター乗り場の状況を適切に検出できるので、エレベーターの運行効率を著しく向上させることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムの全体構成例を示す図である。 図1に示した全体構成例のうち、人数検出装置、乗り場人数算出装置、エレベーター群管理制御装置の機能を説明するための機能ブロック図である。 本発明の実施の形態例に係るホールランタンの構造例を示した図である。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理の手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムに用いられる、図3とは異なるホールランタンの構造例を示した図である。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムに用いられる、図3、図6とは異なるホールランタンの構造例を示した図である。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理法の一例を示す図である。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出方法の一例を示す上面図である。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出方法の他の一例を示す上面図である。 本発明の第2の実施の形態例に係るエレベーターシステムの全体構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理法の一例を示す上面図である。 本発明の第2の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理の手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理法の他の一例を示す上面図である。 本発明の第1または第2の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場に人がいない場合の検出処理方法を説明するための上面図である。 本発明の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて用いられる、図1、図3、図6とは異なるホールランタンの構造例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場入り口が2か所ある場合の、乗り場にいる利用者の人数検出処理法の一例を示す上面図である。 図17に示す本発明の第3の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理の手順を説明するためのフローチャートである。 図17および図18に示す本発明の第3の実施形態例に係るエレベーターシステムの乗り場人数の変化を図式した概念図である。 乗り場入り口が2か所ある場合の、本発明の第3の実施の形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者の人数検出処理法の他の一例を示す上面図である。
<本発明の実施の形態例>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態例について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という)に係るエレベーターシステムの全体構成例を示す図である。図1は、ビル内の任意の階にいる利用者の数を検出する際の、エレベーター乗り場の状況を示している。
図1に示すように、本例のエレベーターシステムは、ホールランタン1、ホールランタン1の内部に組み込まれた人数検出装置2、エレベーターの乗り場ドア3、乗り場ドアを囲う三方枠4、乗り場呼びボタン5を備える。ここで、ホールランタン1は、エレベーター号機の予約案内灯および到着案内灯を含むため、「案内装置」と呼ぶこともできる。
また、図1には、エレベーターの利用者6と人数検出装置2の検出方向2aとその検出エリア7(2つの一点鎖線で挟まれた領域)が示されている。さらに、本例のエレベーターシステムは、複数の人数検出装置2からの情報を基に乗り場人数を検出する乗り場人数算出装置8、および乗り場人数算出装置からの情報に基づいてエレベーター号機の運行を制御するエレベーター群管理制御装置9を備える。そして、エレベーター乗り場10は、乗り場で待つ利用者用の誘導線11、誘導線11によって定められた人数検出装置2の視界に合わせた待機エリア12により構成されている。
図1の例は、エレベーターの乗り場10において、三方枠4もしくは三方枠4の近傍に設置されるホールランタン1に人数検出機能を持った人数検出装置2を組み込んだ例である。ここで三方枠4とは、乗り場ドア3の左右の枠と上側の枠の3つの枠を含む呼び名である。なお、人数検出装置2については、図2で詳述する。
まず、乗り場呼びボタン5が押されて乗り場呼びが新規に登録されると、エレベーター群管理制御装置9によりその乗り場呼びに割当てられたエレベーター号機のホールランタン1が発光(点灯)する。すなわち、ホールランタン1は、エレベーター号機がその階に呼ばれたことを報知する案内装置としての役割を果たす。
このため、ホールランタン1は、エレベーター号機の割当て予約を行うため、予約案内灯という呼ばれることもある。特に乗り場呼び登録時に、即時にエレベーター号機を予約案内する即時予約方式のエレベーター群管理では、呼び登録からエレベーター乗りかごが到着までホールランタン1が点灯し続けるので、利用者は予約されたエレベーター号機を常時確認することができる。
また、即時予約機能を持たないエレベーター号機の群管理を行う場合でも、割当てられたエレベーター号機乗りかごの到着直前で、案内装置であるホールランタン1が発光して到着を知らせるため、ホールランタン1は、到着案内灯とも呼ばれる。
以下、ホールランタン1は予約案内灯及び到着案内灯を含む機能を備える案内装置として説明する。なお、人数検出装置2は、画像センサを備えた通常のカメラの他に、レーザーセンサ、赤外線センサ、あるいは熱検知センサなどで構成してもよい。
再び図1に戻り、説明を続ける。人数検出装置2は、ホールランタン1の内部に設けられており、ホールランタン1によって案内されるエレベーター号機の前で待つ利用者6の人数を検出する。
ここで、ホールランタン1内に人数検出装置2を設ける利点としては、以下の1)〜5)が挙げられる。
1)図1に示すように、利用者6は、予約したエレベーター号機の確認や到着時の確認のため、ホールランタン1が見える位置でエレベーター号機を待つため、ホールランタン1は、それが設置される位置からも利用者6を確認しやすい。
2)ホールランタン1の内部に人数検出装置2が格納されているため、利用者に撮影されているという不快な意識をさせることなく、利用者6の人数を検出することができる。
3)ホールランタン1は、利用者6から見やすいように高い位置にあるため、乗り場の利用者6を俯瞰しやすく、人数検出装置2の視界をさえぎる死角が生じにくい。
4)ホールランタン1には発光のための電源供給線、および点灯、消灯、点滅のタイミングを制御するための通信線が建屋から配線されており、これらを人数検出装置2で利用できるため、よけいな配線作業、加工作業の手間が不要になる。
5)ホールランタン1の内部に人数検出装置2が収納されているため、乗り場の意匠を損ねることがなく、ビルの意匠に対しても悪い影響を及ぼさない。
ホールランタン1内に設けられる人数検出装置2で検出されたデータは、通信線を介して乗り場人数算出装置8に集められる。乗り場人数算出装置8は、当該階の乗り場10にある複数のエレベーター号機の人数検出装置2からのデータを組み合わせて、最終的な乗り場10の利用者人数の検出値を算出する。
この利用者人数の検出値は、乗り場人数算出装置8からエレベーター群管理制御装置9に伝送される。エレベーター群管理制御装置9では、利用者人数の検出値に基づいて、その乗り場10に割り当てる予定の乗りかごにて満員による積み残しが発生しないか否かを判定する。そして、積み残しが発生すると判定した場合には、エレベーター群管理制御装置9は、事前に新たなエレベーター号機の当該階への追加割当てを行う。
これにより、特に当該階のエレベーター乗り場10が混雑している場合には、満員による積み残しで利用者6がさらに長く待つような状況を回避することができるので、エレベーター号機の運行効率を向上させることが可能になる。エレベーター群管理制御装置9は、特に乗り場10にエレベーター号機が複数台ある場合に、これら複数のエレベーター号機の運行を最適に群管理するための制御装置である。
上述したように、乗り場10にある複数のエレベーター号機の乗り場ドア3の近傍には、ホールランタン1が設けられている。本例のエレベーターシステムでは、同じ乗り場10のホールランタン1の全てもしくはその中のいくつかに人数検出装置2を組み込む形態が考えられる。必ずしも全てのホールランタン1内に人数検出装置2を設ける必要はない。
したがって、乗り場10にある複数の人数検出装置2のどれを如何に使用するかというバリエーションのある制御が可能になり、より効率良くかつ精度の高い乗り場利用者の検出方法が可能になる。これら複数の人数検出装置2の制御は、エレベーター群管理制御装置9により実行される。
再び図1に戻り、説明を続ける。ホールランタン1内の人数検出装置2は、例えば画像センサを有するカメラの場合、その画像センサの視界の方向2aは乗り場の真正面の角度よりも、そのホールランタン1が設置されたエレベーター号機の乗り場ドア3側の方向を向くように傾けるのがよい。その理由は、利用者6の心理として、予約したエレベーター号機にできるだけ速やかに乗車したいという気持ちがあるため、そのエレベーター号機の乗り場ドア3の近くで待つ傾向があるからである。
このため、乗り場呼びがなされたエレベーター号機のホールランタン1の周囲の領域でかつ乗り場ドア3に近い方向にセンサの視界の方向2aを向けると利用者6の検出がし易くなる。図1に示す人数検出装置2の視界の方向2aは、そのような例を表している。
さらに、図1に示すように、エレベーター乗り場10で待つ利用者6用の誘導線11を乗り場ドア3側に向けて、人数検出装置2の視界に合わせた待機エリア12を設けると、より精度良く利用者6の人数を検出することができる。この場合、利用者6に対する誘導線11はホールランタン1の近傍に設けられ、誘導線11によって設定される待機エリア12と人数検出装置2の検出領域7を一致させることが重要になる。
上述したように、ホールランタン1と組合せた人数検出装置2を備えたエレベーターシステムによれば、利用者6は無意識のうちに不快な気分を生じることがなく、かつ乗り場10の意匠(デザイン)に悪い影響を与えることもない。さらに、電源線や通信線も容易に確保でき、人数検出の視界が高い位置でかつエレベーター号機を待つ利用者6に近い距離から検出することができるため、乗り場10で待つ利用者6の人数を容易にかつ高精度に検出することができる。また、この検出情報に基づいて混雑時の速やかな追加のエレベーター号機の割当てができるので、エレベーターの運行効率を上げることができる。
図1の例では、ホールランタン1内に設けた人数検出装置2を乗り場10にいる利用者6の数の検出に使用した。しかし、人数検出装置2として画像センサを有するカメラを用いる場合、人数検出装置2を乗り場人数の検出だけでなく、エレベーター号機の乗り場10全体の状況を検出する装置として利用することもできる。例えば、乗り場10にいる利用者6が乗りかごに乗込もうとしているのか、そうでないのかを利用者の動作状況から判定することもできる。
特に乗りかごに乗込もうとする利用者6は確認のためホールランタン1を見る可能性が高いので、ホールランタン1内の画像センサで利用者6の視線を認識して、エレベーター乗りかごへの乗り込みを判定することも可能である。
また、乗り場10全体に人がいない(無人である)ことを検出することも重要な機能である。例えば、乗り場10全体が無人であることが分かれば、最終のかご呼びでその乗り場10に到着したエレベーター号機があった場合に、かご内の乗客が全て降車したならば戸開時間の満了を待たずにすぐ乗り場ドアを閉めて出発することができる。これにより無駄な戸開時間をなくすことができるので、エレベーター号機の運行時間の短縮を図ることが可能になる。
また、乗り場呼びが誤って登録された場合や、いたずらで乗り場呼びが登録された場合でも前もってそれを判定することができ、その階へのエレベーター号機の割当てをキャンセルして無駄な運転を抑制することもできる。
このような乗り場10の無人の検出は、エレベーター号機の乗り場全体を広く検出対象にする必要があり、このため、乗り場10にある全てのエレベーター号機のホールランタン1の人数検出装置2を動作させることで、乗り場10全体を検出することが考えられる。このように、乗り場10全体を容易に検出できる点も、ホールランタン1に人数検出装置2を設けた利点である。
<本例のエレベーターシステムの処理機能>
図2は、図1に示す本例のエレベーターシステムにおいて、人数検出装置2、乗り場人数算出装置8およびエレベーター群管理制御装置9にいたる処理の全体を説明するための図である。
図2に示すように、ここでは、人数検出装置2は、各階の乗り場10における各エレベーター号機の全てに設けられているものとして説明する。しかし、既に説明したように、人数検出装置2は、各階の乗り場のエレベーター号機の全てに設ける必要はなく、また、全ての階のエレベーター号機のホールランタン1に設ける人数検出装置2の数は、必ずしも同じにする必要はない。人数検出装置2を設置する数は、各階のエレベーター号機の利用状況に応じて適宜変更することが可能である。
図2に示すように、各階のエレベーター乗り場10に設置される人数検出装置2は、検出部(カメラ)20および人数算出処理部21を備える。そして、人数算出処理部21は、頭部検出処理部22とカウント処理部23を備える。
また、乗り場人数算出装置8は、乗り場呼びがあった場合の乗り場10にいる利用者6の人数を算出する。すなわち、乗り場人数算出装置8は、各階の乗り場10に設けられる1個または複数の人数検出装置2からの情報に基づいて、各階における乗り場呼び対する割当てエレベーター号機周りの乗り場10にいる利用者6の人数を算出する。この利用者人数の算出は、乗り場人数算出装置8の乗り場人数算出処理部81で行われる。
また、エレベーター群管理制御装置9は、積み残し発生予測処理部91および追加割当て処理部92を備える。図2では、エレベーター群管理制御装置9と乗り場人数算出装置8を区分けして記載しているが、これらは1つのコンピュータシステムとして実現することもできる。図2で、乗り場人数算出装置8とエレベーター群管理制御装置9を一点鎖線(符号なし)で囲んでいるのは、1つのコンピュータシステムとして実現できることを示している。すなわち、エレベーター群管理制御装置9における一部の機能を乗り場人数の算出に用いることも可能である。このような場合には、乗り場人数算出装置8とエレベーター群管理制御装置9を併せて広義のエレベーター群管理制御装置と呼ぶことができる。
まず、人数検出装置2の検出部(カメラ)20により、割当てエレベーター号機付近の乗り場10の状況が撮影される。すると、人数算出処理部21の頭部検出処理部22により、その撮影された画像から乗り場10にいる利用者6の頭部が検出される。なお、利用者6の頭部の検出については周知の技術が用いられるので、ここでは詳述しない。
頭部検出処理部22で検出された利用者6の頭部の数は、カウント処理部23に供給され、ここで利用者6の頭部の計数が行われて、乗り場10の利用者6の人数が算出される。この乗り場利用者6の人数の算出処理は、乗り場呼びがなされた各階のエレベーター号機に設置される人数検出装置2により行われ、これによって割当てエレベーター号機を待つ乗り場10の利用者6の人数が検出される。
ただし、後述するように、乗り場10の利用者6の人数検出は、必ずしも割当てエレベーター号機に配置された人数検出装置2だけで行われるものではない。各乗り場10に設けられるエレベーター号機に設置される複数の人数検出装置2からの情報を利用して乗り場10にいる利用者6の人数を正確に検出する方法も考えられる。どのエレベーター号機に設置した人数検出装置2からの情報を使って乗り場の利用者人数を検出するかについては、エレベーター群管理制御装置9によって制御される。
各階のエレベーター乗り場10に設置される人数検出装置2で検出された乗り場の利用者6の数、すなわち乗り場呼びが行われた階の乗り場10の利用者6の人数は、乗り場階に設けた各人数検出装置2から乗り場人数算出装置8に供給される。すなわち、乗り場人数算出装置8は、各階のエレベーター号機前の人数検出装置2で検出された乗り場人数の値と、エレベーター群管理制御装置9で制御される各階の乗り場呼び情報およびその呼びに対する割当てエレベーター号機の情報を基に、乗り場10の利用者6の人数を算出する。
ここで、3階で上方向の乗り場呼びが生じている場合、その3階上方向の乗り場呼びに対する利用者6の人数を算出する場合を例として説明する。ここでは、3階で上方向の割当てエレベーター号機が2号機であるとする。この場合、3階の乗り場10にいる利用者6は、割当てエレベーター号機である2号機の前で待っている可能性が高い。乗り場呼びボタンが押されると、即時に割当てエレベーター号機のホールランタン1が点灯する即時予約案内方式で、割当て号機の2号機が案内されている場合も同様である。
このとき、3階のエレベーター乗り場10の人数検出装置2で検出した人数を基に、割り当てエレベーター号機である2号機の前で待つ利用者6の人数が算出される。そして、既に説明したように、3階の乗り場10における利用者人数の検出に際して、エレベーター2号機の人数検出装置2だけを用いてもよいが、エレベーター2号機の周りのエレベーター号機、あるいは対面のエレベーター号機の人数検出装置2を用いるようにしてもよい。
すなわち、乗り場10にある複数のエレベーター号機に付属する人数検出装置2を用いて、乗り場10の利用者6の人数を算出することもできる。ただし、この場合、複数のエレベーター号機に設けられる人数検出装置2で同一人を検出することがあるが、そのような場合には、公知の手法により同一人の重複を排除して数えるようにする。
この重複を排除する検出処理は、割当てエレベーター号機周りの複数の人数検出装置2により人数検出が行われた場合の処理になるが、この重複排除の処理は乗り場人数算出装置8の乗り場人数算出処理部81によって行われる。すなわち、エレベーター号機の乗り場呼びが行われると、乗り場人数算出装置8の乗り場人数算出処理部81は、割当てエレベーター号機の周りの複数の人数検出装置2からの人数検出値を処理することによって重複を排除した利用者人数が算出される。なお、各階の乗り場呼び情報およびその呼びに対する割当てエレベーター号機に関する情報は、エレベーター群管理制御装置9から乗り場人数算出装置8へ通信により伝送される。
エレベーター群管理制御装置9は、乗り場人数算出装置8から送られる各乗り場呼びに対する利用者6の人数データから、積み残し発生予測処理部91にて、乗り場10で乗りかごに乗り切れなかった積み残しの利用者の発生を予測する。この予測は、乗りかご内の人数の予測値と乗り場呼びの人数、乗りかごの乗車可能人数に基づいて行われる。なお、この積み残し発生予測処理部91による処理の詳細は、図13のフローチャートを参照して後述する。
積み残し発生予測処理部91で利用者6の積み残しが発生したと予測される場合には、追加割当て処理部92により、当該階の当該方向(上または下方向)に向かう割当てエレベーター号機が追加される。
以上説明したように、図2で示した人数検出装置2、乗り場人数算出装置8およびエレベーター群管理制御装置9からなる構成を備えることにより、ある階で発生した乗り場呼びに対する利用者6の人数を、より正確に検出することができる。なお、このとき利用者6の人数を割当て号機前の適切な領域に絞り込むことが重要になる。そして、乗り場呼びの利用者人数に関する情報を用いて、利用者6の多くが積み残されるような場合も、事前に予測して追加のエレベーター号機を割当てるようにする。その結果、利用者6の待ち時間を大幅に短縮することが可能になる。
<ホールランタン1の内部構造の説明>
図3は、本例のエレベーターシステム(図1参照)における案内装置(予約案内灯)として機能するホールランタン1の構造例を示す。図3(A)はホールランタン1の正面図、図3(B)は側面図である。図3の例は、ホールランタン1に人数検出装置2を設けた構造の一例であり、ホールランタン1の下側の底部に人数検出装置2が配置されている。なお、図3の例はあくまでも一例であり、後述するように、本例のエレベーターシステムで用いられる人数検出装置2付きホールランタン(案内装置)1は、この例に限定されない。
図3(A)に示すように、案内装置である予約案内灯は、ホールランタン1、ホールランタン1の発光部を覆うカバー1a、ホールランタン1の下側にある人数検出装置2を覆うカバー1b、ホールランタン1の上側にあるダミーのカバー1cを備える。また、予約案内灯は、下方向へ向かうエレベーターの予約案内を知らせる下方向発光部1d、上方向へ向かうエレベーターの予約案内を知らせる上方向発光部1eを備える。さらに、ホールランタン1の発光部からの光を遮るための遮光板1f、外光からの光を遮るための偏光板1g、および人数検出装置2を備える。
次に、図3(B)に示すように、上記以外に、本例のエレベーターシステムに用いられる予約案内灯は、発光部1d、1eで構成されるホールランタン1本体と人数検出装置2に対する共通の回路基板1hを備える。そして、ホールランタン1は、この回路基板1hに電源を供給する電源線1iと、回路基板1hと乗り場人数算出装置8もしくはエレベーター群管理制御装置9を結ぶ通信線1jを有している。
また、図3(A)に示すように、人数検出装置2はホールランタン1の下側底部に設けられている。この下側底部の位置であれば、乗り場10の状況を検出する上で視界を遮るものがなく、かつホールランタン1からの光を遮るものも少なくすることができる。覆いとなるカバーは3つの部分から構成される。すなわち、ホールランタン1本体の発光部1d、1eを覆うカバー1a、ホールランタン1の下側底部の人数検出装置2を覆うカバー1b、ホールランタン1の上側天井部にあるダミーのカバー1cである。
ここで、人数検出装置2を覆うカバー1bは、カメラなどの人数検出装置2の視界を通すものでなければならない。したがって、カバー1bは、例えばアクリル樹脂のような材質でかつ内部のカメラが見えづらいような色のものを用いるのがよい。カバー1cは、ホールランタン1の外観の上下対称性を保つようにダミーで設けるものであり、カバー1bと外観が同じになっている。
このような構造をもつカバーを設けることで、人数検出装置2を利用者6に気付かれにくくすることができ、ホールランタン1の外観の意匠も従来のものと同様の形を保つことができる。
また、人数検出装置2に含まれる撮影装置をカメラのような画像センサとした場合、ホールランタン1の発光部1d、1eの光や乗り場の照明などの外光で、利用者6の検出が妨げられることがある。これを防ぐため、本例のエレベーターシステムに用いられるホールランタン1には、遮光板1fと偏光板1gが設けられている。
遮光板1fは、ホールランタン1の発光部1dと人数検出装置2の間に配置されており、ホールランタン1からの光を防ぐ機能を持つ。偏光板1gは、周囲の外光の影響を防ぐために設けられる。
特に、図3に示すように、ホールランタン1の下側底部に人数検出装置2を設けると、ホールランタン1の下方に位置する乗り場10の視界を妨げることなく、遮光板1fと偏光板1gが配置できるので好都合である。
次に、図3(B)に示すように、従来のエレベーターシステムのホールランタン1に備えられている電源線1iと通信線1jを、本例のエレベーターシステムで新たに追加される人数検出装置2に対して共用している。
このため、図3(B)に示すように、ホールランタン1本体(発光部1d、1eで構成)と人数検出装置2に対する共通の回路基板1hが設けられる。そして、この回路基板1hに電源線1iと通信線1jを配線し、これを共通の回路基板1h上で分配して、ホールランタン1本体と人数検出装置2のそれぞれで使用するようにする。
また、背景技術の欄で説明したように、仮に人数検出装置2を単独でエレベーター乗り場の壁や天井に設置する場合には、電源と通信の確保が難しくなる。特に、電源は有線で供給する必要があるため、配線のための昇降路側や建屋側の工事が新たに必要となる。
しかし、図3の例では、元々の従来のエレベーターシステムで用いられているホールランタン1で使用している配線を利用するため、人数検出装置2のための特別な配線作業は不要である。
さらに、既設のエレベーターに対しても配線などはそのままの状態にして、ホールランタン1を従来のものから、人数検出装置2付きのホールランタン1にそのまま交換すればよいという利点もある。特に、既設のホールランタン1に人数検出装置2を後付けすることにより、本例のホールランタン1とすることができるので好都合である。すなわち、ビルのエレベーター号機の稼動後に非常に混雑が激しくなるようなビルの場合、図3に示すような人数検出装置2付きのホールランタン1に交換すれば、乗り場10の人数を簡単に検出することができ、運行効率が改善される可能性が高まる。
なお、図3(B)に示すように、人数検出装置2の視界の方向2a、つまりレンズの方向2aは、垂直面で見た場合、乗り場10(図1参照)の下方に向けて傾いている。これにより、ホールランタン1の下側底部に人数検出装置2を設けた場合には、人数検出装置2の直下の乗り場ドア付近で待っている利用者6も検出することができる。したがって、乗り場ドア付近を含めて、乗り場10の中央までを検出領域に含めるように、人数検出装置2の撮影角度を定めることができ、利用者6の人数をより精度良く検出することが可能となる。
<本例のエレベーターシステムの処理手順>
図4は、図1に示したエレベーターシステムに関する乗り場10にいる利用者6の人数検出処理の手順を示すフローチャートである。図4には、人数検出装置2付きのホールランタンによる人数検出の一連の処理が示されている。
まず、対象としている階において新規の乗り場呼び登録があるかどうかを判定する(S1)。新規乗り場呼び登録がない場合(S1のNo)には、新規乗り場呼びの登録があるまで待機する。新規乗り場呼び登録があった場合(S1のYes)は、当該乗り場呼びに対するエレベーター号機の割当てを行い、その割当てエレベーター号機のホールランタン1を点灯させる(S2)。そして、ホールランタン1が点灯されたか否かをチェックする(S3)。
ステップS3で、ホールランタン1が点灯された場合(S3のYes)には、その割当てエレベーター号機の乗り場ドア前方の乗り場領域に対する利用者6の人数検出を開始する(S4)。この人数検出は、ホールランタン1に付加された人数検出装置2で行われる。つまり、ステップS4の人数検出は、主として割当てエレベーター号機に設けられるホールランタン1の人数検出装置2を用いて実行される。ステップS3で、ホールランタン1が点灯されていないと判定された場合(S3のNo)は、ホールランタン1が点灯するまで待機する。
上述したように、各階の乗り場のエレベーター号機に設けられる人数検出装置2は、1個または複数のどちらの場合もあり得るが、この人数検出装置2で検出された人数検出値は、乗り場人数算出装置8の処理を経て、エレベーター群管理制御装置9へ伝送される(S5)。そして、エレベーター群管理制御装置9において、乗り場人数算出装置8で算出された乗り場10の人数が当該割当てエレベーター号機に対する満員判定しきい値を超えているかどうかが判定される(S6)。
ステップS6の判定が満員判定となり、積み残し発生が予測される場合(S6のYes)には、当該階へのエレベーター号機の追加割当てを行う(S7)。そして、当該割当てエレベーター号機の乗りかごが乗り場に到着したか否かを判定する(S8)。ステップS8で、当該エレベーター号機の乗りかごが乗り場に到着したと判定されない場合(S8のNo)は、乗り場10に乗りかごが到着するまでステップS5の人数検出の処理を繰り返す。ステップS8で当該割当てエレベーター号機の乗りかごが乗り場に到着したと判定された場合(S8のYes)は、エレベーター群管理制御装置9は、人数検出モードを、かごの乗降有りの検出モードである、かご到着時の人数検出モードに切替える(S9)。
なお、ステップS6の判定が満員判定ではない場合(S6のNo)には、ステップS7、ステップS8の処理を行わないで、ステップS9の処理を行う。ステップS9で人数検出モードの切り替えを行うのは、割当てエレベーター号機の到着時は乗りかごから降りる利用者と乗りかごへ乗り込む利用者の双方がいるからである。すなわち、割当てエレベーター号機が乗り場に到着前であれば、乗り場で待っている利用者6だけを検出すればよいので、割当てエレベーター号機の到着の前と後で状況が変わることになる。
次に、当該割当てエレベーター号機が乗り場10から出発したかどうかを判定する(S10)。ステップS10で、当該割当てエレベーター号機が乗り場から出発したと判定された場合(S10のYes)は、当該割当てエレベーター号機に対して乗りかごが満員で乗れなかった場合の積み残し人数を検出する積み残し人数検出モードを実施する(S11)。ステップS10で、当該割当てエレベーター号機が乗り場10から出発していないと判定された場合(S10のNo)は、ステップS9の処理を繰り返す。
なお、既にステップS7の処理で、積み残しを予測してエレベーター号機の追加割当てを実施しているが、予測よりも積み残しの人数が多かった場合や予測より積み残しの人数が少なかった場合には、積み残し人数の結果を検知する。そして、さらに追加の割当てを実施したり、追加の割当てを変更したり、さらには追加割当てをキャンセルするなどの処理を行う。
その結果、所定時間が経過して積み残し人数検出モードは終了となり、当該割当てかご号機に対する人数検出を終了する(S12)。その後はまたステップS1の処理に戻って人数検出を繰り返す。
以上説明したように、ホールランタン1に備えられた人数検出装置2の特徴を活かして、ホールランタン1や人数検出装置2によりエレベーターの制御動作と連動した人数検出処理を実施することによって、より正確に乗り場のエレベーターの利用者の人数を検出することができ、その結果、エレベーターの運行効率を向上させることができる。
図4のフローチャートで説明したように、本例のエレベーターシステムの特徴は、乗り場呼び登録後、その呼びに割当てられたエレベーター号機が定まって、そのエレベーター号機のホールランタン1が点灯後に乗り場10の利用人数の検出を開始する点にある。
また、乗り場呼びボタンが押されると即時に割当てエレベーター号機が設定される即時予約方式の群管理制御では、ホールランタン1が点灯した場合は、そこに利用者6が集まる可能性が高い。そのため、割当てエレベーター号機の領域、つまり割当てエレベーター号機の点灯中のホールランタン1の位置を中心に人数検出を実施すればより精度の良い利用者人数の検出が可能になる。また割当てエレベーター号機が乗り場に到着した後の乗客の乗降中は、それに合わせた検出モードで検出を行う。さらに出発後にその乗りかご満員で乗込めなかった利用者がいた場合は、その人数を積み残し人数として検出するようにする。
<人数検出処理の具体例の動作説明>
図5は、図4のフローチャートに対応する人数検出処理の動作を説明するためのタイムチャートである。図5のタイムチャートは、ホールランタン1の状態の時間経過を示すタイムチャートA1、人数検出処理の状態の時間経過を示すタイムチャートA2、検出した人数値の時間経過を示すタイムチャートA3をそれぞれ表している。これら3つのタイムチャートの時間軸A4は、タイムチャートA1〜A3で同期している。
まず、ホールランタン1のタイムチャートA1は、縦軸A5に示すように、点灯と消灯の2つの状態を示している。縦軸の符号A5の時点で新規の乗り場呼びが登録されて即座に割当てエレベーター号機が選定され、そのエレベーター号機のホールランタン1が点灯する(A6)。その後、ホールランタン1は、点灯を継続し(A7)、割当てエレベーター号機の乗りかごの到着前となると(A8の時点)、それを知らせるため、点滅状態となる(A9)。
そして、割当てエレベーター号機が乗り場10に到着すると消灯する(A10の時点)。その後、ホールランタン1は消灯状態のままで、乗りかごが戸閉されて(A11の時点)、乗り場を出発する(A12の時点)。そして、積み残しの人数処理が終了する(A13の時点)。
人数検出処理の状態の時間経過を示すタイムチャートA2は、縦軸A14に示すように、人数検出処理のオンとオフの2つの状態を表している。ホールランタン1の点灯で人数検出はオン状態となり(A15)、割当てエレベーター号機の到着で人数検出がオフになる。割当エレベーター号機の到着から戸閉までの期間(A16)では、特別な処理は行われない。なお、図4のフローチャートでは、割当エレベーター号機の到着から戸閉までの期間は、不図示の別の乗降時の人数検出モードになる。そして、当該エレベーター号機が戸閉後より再び所定時間で人数検出を行う(A17)。ここではエレベーター号機の出発後の積み残し人数を検出している。
次に、検出した人数値の時間経過を示すタイムチャートA3は、縦軸A18で検出した人数を表している。割当てエレベーター号機のホールランタン1が点灯して人数検出処理がオンとなった時点から乗り場人数の検出を開始し、曲線A19のように時間の経過と共に利用人数を検出していく。ここで一点鎖線A20は当該エレベーター号機の乗りかごに対する満員判定しきい値であり、検出人数がこのしきい値を超えた時(A21)で積み残し発生予測を行って、エレベーター号機の追加割当ての処理を行う。
そして、そのまま割当てエレベーター号機が到着するまで人数を検出しつづける(A22)。乗り場人数算出装置8で算出された人数データは、逐次、エレベーター群管理制御装置9に伝送されて、エレベーター号機の群管理制御に反映される。そして、当該エレベーター号機が戸閉後に人数検出を再開し(A23)、所定時間後に確定する積み残し人数を検出する(A24)。
上述したように、本例のエレベーターシステムでは、人数検出開始のタイミングが極めて重要な意味を持っており、この人数検出のタイミングは、新規の乗り場呼びの登録後で、かつ割当てエレベーター号機に設けられるホールランタン1の点灯後になる。そして、割当てエレベーター号機の乗りかごの到着時点におけるホールランタン1の消灯時に人数検出が終了となる。この間、エレベーター群管理制御装置9は、人数検出装置2の通信線とホールランタン1の通信線を共有することにより、乗り場10の利用者6の人数を踏まえて複数のエレベーター号機の群管理制御を行うことができる。また、このような時間的な動作によって、乗り場人数算出装置8は、より正確にかつタイミング良く利用者6の人数を検出することができる。
<ホールランタン1の異なる構造例(第2の例)の説明>
図6は、本例のエレベーターシステムに係るホールランタン1(予約案内灯)で、図3とは異なる構造の例を示している。図3に示すホールランタン1と異なる点は、ホールランタン1の本体(発光部)の上下の両側に、人数検出装置2b、2cをそれぞれ備えた点である。これによって、より乗り場10の検出領域が広がるとともに、人数検出の精度を上げることができる。また、後述するようにホールランタン1の発光による光を適切に回避することも可能となる。図6において、図3と同じものは同じ符号を付しており、説明は省略する。
図6において、図3と異なる部分はホールランタン1の本体である発光部の上側の人数検出装置2cを設けた点である。この構造に合わせて、下側と同様に上側の人数検出装置2c用のカバー1b、ホールランタン1の発光部の光を遮断する遮光板1f、外光の影響を回避する偏光1gが設けられている。これらの部品は、下側のカバー1b、遮光板1f、偏光板1gと同じものである。
図6に示す構造のホールランタン1では、ホールランタン1の発光による光をさらに回避することができる。具体的には、下方向の発光部1dが発光状態の時は上側の検出装置2cで乗り場10にいる利用者6の人数を検出し、上方向の発光部1eが発光状態の時は下側の検出装置2bで乗り場10にいる利用者6の人数を検出するようにする。
このように、上側の人数検出装置2cと下側の人数検出装置2bを、上側の発光部1eと下側の発光部1dの点灯状態に応じて切り替えることで、ホールランタン1の発光の影響を極力回避することができる。
さらに、上側の人数検出装置2cと下側の人数検出装置2bの検出領域を分けることで、より乗り場10の広範囲な領域を対象とすることも可能である。例えば、下側の人数検出装置2bは当該ホールランタン1の近い側の乗り場の領域を検出し、上側の人数検出装置2cは当該ホールランタン1から遠い側の乗り場の領域を検出するようにする。これにより、ホールランタン1から乗り場10に向かっての領域全体を広く検出の対象とすることができる。この結果、例えば非常に混雑してエレベーター利用者が待つ領域が広がっている場合でも適用することができる。
<ホールランタン1の異なる構造例(第3の例)の説明>
図7は、本例のエレベーターシステムにおけるホールランタン1で、図3の第1の例、図6の第2の例とは異なる構造例(第3の例)を示した図である。
この第3の例は、ホールランタン1の本体である発光部の側面に、人数検出装置2を配置している。すなわち、第3の例は、図3または図6に示す第1または第2の例のように、上下に配置することが難しい場合や、側面に配置することでより乗り場10の状況を検出しやすい場合に有効な構造になる。図7でも、図3と同じものは同じ符号を付しており、説明を省略する。
上述したように、図7の例で、図3、図6の例と異なる部分はホールランタン1の発光部の側面に人数検出装置2を配置した点である。この構造に合わせて、下側と同様に側面側の検出装置用のカバー1k、ホールランタン1の発光部1d、1eの光を遮断する遮光板1mが設けられている。これらの部品は、図3の下側に設けたカバー1b、遮光板1f同じものである。
<乗り場利用者の人数検出処理方法の説明>
図8は、図1に示す本例のエレベーターシステムにおいて、乗り場10にいる利用者6の人数を検出する人数検出処理法の例を示す図である。
図8に示す例は、人数検出装置2による人数検出に際して、ホールランタン1の発光部の光の影響を回避する検出方法を示している。
図8の例は、ホールランタン1の点灯時に短い時間の消灯期間を設け、その消灯期間中に乗り場の人数を検出する。具体的な方法は以下の3通りが考えられる。
1)乗り場の利用者6の人数を検出するタイミング毎に、例えば5〜10秒毎に短い時間の消灯時間を設けて、その消灯中に乗り場の利用者6の人数を検出する方法、
2)乗り場の利用者6の人数の増加傾向に合わせて、混雑時など短時間に人数が増加する場合は短い周期で消灯時間を設け、閑散時など人数がほとんど増加しない場合は長い周期で消灯時間を設けて、その消灯中に乗り場の利用者6の人数を検出する方法、
3)点灯と消灯を短時間で繰り返す点滅期間を設けて、その点滅期間の消灯中に乗り場の利用者6の人数を検出する方法、などである。
上記の1)〜3)のいずれの方法も消灯期間を設けて、ホールランタンの発光部の消灯中に乗り場の利用人数を検出するため、発光部の光の影響を回避することができる。
以下、図8を参照して上記1)に関する処理の動作例を説明する。図8は、2つの時間波形グラフで上記の1)の処理動作を説明するものであり、上側のグラフB1はホールランタン1の発光状態の時間波形を示している。
それに対して、下側のグラフB2は、人数検出装置2の検出処理の状態の時間波形を示している。横軸B3は上側のグラフB1と同一の時間軸を表している。
まずホールランタン1の発光状態の時間波形グラフB1の縦軸B4は、ホールランタン1の発光状態、すなわち消灯状態B5と点灯状態B6の2つの状態があることを示している。
図8の上側のグラフB1に示すように、点灯期間B7a、B7b、B7cの間に、短い時間の消灯期間B8a、B8b、B8cが設けられている。
また、人数検出装置2の検出処理の状態の時間波形グラフである下側のグラフB2では、縦軸B9は人数検出処理のオンとオフの状態を示している。すなわち、人数を検出するオン状態B10と、人数を検出しないオフ状態B11の2つの状態を示している。
既に述べたように、人数検出装置2による人数検出は、消灯期間に間欠的に行われる。なぜなら、乗り場の利用人数は基本的に時間と共に増加する特性を持っており、大きく増減して変動する可能性が少ないため、このような間欠的な検出でも問題ないと考えられるからである。このため、図8に示すような消灯時間B8a、B8b、B8cを意図的に設けて、人数検出装置2による人数検出を行っている。
図8に示すホールランタン1の消灯時間B8aは、利用者6に故障などと勘違いされないようにできるだけ短い時間でよいが、その一方でその消灯時間B8a内で乗り場の利用人数を十分検出可能な程度に長い時間を確保する必要がある。
人の目の特性を考えると、例えば10m秒以下であれば、消灯時間を利用者に気付かれない可能性が高い。したがって、凡そ10m秒以下の時間長の消灯時間とすれば、間欠的な消灯を利用者に気付かれずに、かつ利用者の人数を検出することが可能になると考えられる。
ホールランタン1の点灯時間と消灯時間を図8に示すような制御を行うならば、ホールランタン1に人数検出装置2を組み込む上での課題となるホールランタン1の発光による光が人数検出の妨げとならないようにすることができる。これはホールランタン1の点灯と消灯、人数検出装置2のオンとオフをエレベーターシステム側で制御できることを意味する。さらに利用者人数は、例えば5〜10秒毎のタイミングで間欠的に検出しても制御上は特に問題がないことが分かっている。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(1)>
図9は、本例のエレベーターシステムで、乗り場における利用者の人数検出の方法の具体例(1)を示している。図9は、エレベーター乗り場全体を上から俯瞰した上面図であり、以下、この図9を用いて利用者の人数検出法を説明する。
図9に示すように、群管理される6台のエレベーター号機101〜106が3台ずつ対向配置されている。すなわち1号機101、2号機102及び3号機103は、乗り場10の左側に配置され、4号機104、5号機105及び6号機106は、乗り場10の右側に対向して配置されている。
図9では、乗り場入り口14からエレベーター号機の乗り場10に入った複数の利用者6が、乗り場呼びに割当てられたエレベーター2号機102の前で待っている状況が示されている。ここで、ホールランタン1は、符号201〜206で示すように、エレベーターの各号機(1号機〜6号機)それぞれに備えられている。
ここで、図9の例では、乗り場を通り抜けできない状態、つまり乗り場10への入り口は1か所になっている。このような場合、通常ホールランタン1は、入り口側から見やすい位置に取り付けられるのが通常である。したがって、左側のエレベーター号機101〜103では、ホールランタン201〜203は、エレベーター号機の乗り場ドアの左側に配置され、右側のエレベーター号機104〜106では、ホールランタン204〜206は、エレベーター号機の乗り場ドアの右側に配置されている。
なお、エレベーター号機の乗り場ドアの左右のどちら側にホールランタン1を配置するかは、乗り場10の状況に応じて任意に決めることができる。乗り場10への入り口が複数(例えば2か所)ある場合であっても、比較的多くの利用者6が入ってくる入り口に近い側(図9の例と同じ)にホールランタン1を配置することもある。また、左右のエレベーター号機で、ホールランタン1を配置する位置を、例えば乗り場ドアの右側または左側のどちらかの側に配置することも考えられる。
いずれにしても、各ホールランタン201〜206のうち、1個ないし複数のホールランタン1は、図3で示した人数検出装置2を備えた構造になっており、図9の例では、利用者6の乗り場呼びに対して左側のエレベーター2号機102が割り当てられた例を示す。そして、図9では、乗り場呼びで割り当てられたエレベーター2号機102のホールランタン202が点灯した状態を示している。
図9の右側には、ホールランタン1(202)の構造が示されているが、このホールランタン202の構造は、図3で示したホールランタン1の構造と同じなので説明は省略する。
上述のように、割当てエレベーター号機である2号機102のホールランタン202は、発光部1dが点灯しており、利用者6はこのホールランタン202を中心に割当られたエレベーター2号機102の前に集まって、その乗りかごの到着を待つことになる。
エレベーター2号機102のホールランタン202には、その下側に人数検出装置2が取り付けられており、人数検出装置2は、この位置から2号機周辺の乗り場領域を一点鎖線で囲まれた検出領域7として、乗り場10の利用者6の人数を検出する。
人数検出装置2が例えば画像センサを有するカメラの場合には、そのセンサの検出方向の中心軸2aは、ホールランタン202の真正面方向に引いた直線2dよりも乗り場ドア302の方向に傾けた方向に向くように設定されている。この結果、人数検出装置2は、乗り場ドア302の前方を検出領域7とすることができる。
一般に、割当てエレベーター号機である2号機102に乗車予定の利用者6は、ホールランタン202を視認できてかつ乗りかごに乗り込みやすい位置で待つ。つまり、図9に示すように、エレベーター2号機102のホールランタン202を中心に2号機102の乗り場ドア302側に集まるものと考えられる。このため、上記のようなホールランタン202の真正面方向に引いた直線よりも乗り場ドアの方向に傾けた方向2aに検出方向の中心軸を向けると、より正確に利用者6の人数を検出することができる。
なお、図9に示すように、割当て号機であるエレベーター2号機102のホールランタン202に取付けられた人数検出装置2で人数を検出する場合、ホールランタン202からの発光光の対策が必要である。すなわち、図3に示した発光部1d、1eと人数検出装置2の間の遮光板1f、及び図8に示した消灯時間(B8a〜B8c)を設けて消灯中に人数検出を行うための動作との組合せが重要になる。
以上説明したように、本例のエレベーターシステムにおいて、ホールランタン1に設置した人数検出装置2に用いられる画像センサは、ホールランタン1から真正面に引いた直線に対して、そのホールランタン1のエレベーター号機の乗り場ドア側に傾いた方向を向けている。こうすることで、その割当て号機の到着を待っている利用者の人数をより正確に検出することが可能になる。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(2)>
図10は、本例のエレベーターシステムにおいて、図9とは異なる、乗り場における利用者の人数検出の方法の具体例(2)を示す。図10において、図9と同じものは同一符号を付し説明は省略する。
図10において、図9と異なる点は、割当てエレベーター号機である2号機102と向い合せの位置にあるエレベーター5号機105に設けたホールランタン205の人数検出装置2で割当て号機である2号機102の到着を待つ利用者6の人数を検出する点である。
図10に示す具体例(2)では、割当て号機である2号機102と向い合せの位置にある5号機105のホールランタン205の人数検出装置2により、一点鎖線で囲まれた検出領域7に含まれる、2号機102の利用者6の人数を検出する。
ここで、ホールランタン205の人数検出装置2の検出方向2eは、図9で説明した検出方向2aの定め方と同様に設定すればよい。
図10における人数検出装置2の検出方向2eは、割当てエレベーター号機である2号機102の対面側の位置から割当て号機を待つ利用者6を適正な視界に入れて検出可能な方向になる。
図10の例のように、割当てエレベーター号機と向かい合った対面側のエレベーター号機の人数検出装置2から割当てエレベーター号機の利用人数を検出する利点は、ホールランタン205が点灯していないため、光の影響を考慮しなくてよい点である。図10の右側に、エレベーター5号機105のホールランタン205の拡大図を示すが、この図に示すように、発光部1d、1eが点灯していないので、遮光板無しの構造でもよく、その分人数検出装置2の構造を簡素化することができる。
<第2の実施形態例のエレベーターシステムの全体構成例>
図11は、図1の第1の実施形態例とは異なる第2の実施形態例のエレベーターシステムの全体構成例を示す図である。図1と異なる点は、乗り場10の利用者6の検出に、乗り場10の入り口14近傍のエレベーター号機に設けたホールランタン1の人数検出装置2を用いる点である。つまり、図11の例では、エレベーター乗り場の入り口14から乗り場10へ入場する利用者6aを検出対象としている。図11において、図1と同じものは同じ符号を付して、説明は省略する。
図11に示すように、エレベーター号機に設けたホールランタン1に組込まれた人数検出装置2は乗り場10に入ってくる利用者6aを検出するため、検出方向2fが乗り場入り口14を向いている。これに対して、図1の例では、ホールランタン1に組み込まれる人数検出装置2の検出方向2aは、割当てエレベーター号機の到着を待つ利用者6の人数を検出するため、乗り場ドア3側に向けている点が異なっている。
この図11の例では、人数検出装置2付きのホールランタン1を乗り場入り口14の近傍のみに設置すればよいので、人数検出装置2付きのホールランタン1の個数を減らすことができる。すなわち、図11の例では、人数検出装置2を取り付けたホールランタン1を乗り場10の入り口14近傍のエレベーター号機に取り付けて、乗り場入り口14から入る利用者6aを検出すればよい。そして、乗り場入り口14から入る利用者6aの人数を乗り場10にいる利用者6の人数に加えることによって乗り場でエレベーターを待つ利用者の人数を算出することができる。つまり、直接に利用者6の人数を検出するのではなく、乗り場10に入場する利用者6aの人数から間接的に乗り場10にいる利用者6の数を推定することになる。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(3)>
図12は、図11に示す第2の実施形態例のエレベーターシステムにおいて、乗り場にいる利用者6の人数検出方法の具体例(3)を示している。図12は、図9と同様に、ある階のエレベーター号機の乗り場全体を上から見た状況を示す上面図である。図12において、図9と同様の要素は同じ符号を付して、説明は省略する。
図12の例は、乗り場入り口14に近いエレベーター号機である1号機101と4号機104で乗り場に入ってくる利用者6aを検出する例である。具体的には、乗り場入り口14のエレベーター1号機101のホールランタン201の人数検出装置2とエレベーター4号機のホールランタン204の人数検出装置2により、乗り場10に入ってくる利用者を検出する。
ここで、ホールランタン201の人数検出装置2の検出方向2fおよびホールランタン204の人数検出装置2の検出方向2gは、各ホールランタン201、204の正面方向に対して、それぞれ乗り場入り口14の方向を向けている。これにより、乗り場10に入場する人数をより正確に検出することができる。なお、ホールランタン201の人数検出装置2は、一点鎖線7aで示した扇形の範囲が検出エリアとなり、ホールランタン204の人数検出装置2は、同じく一点鎖線7bの範囲が検出エリアとなる。
この乗り場10に入ってくる利用者6aの数と、既に乗り場にいる利用者6の数を積算することで、割当てエレベーター号機である2号機102の到着を待っている利用者6の合計人数を算出することが可能となる。
<第2の実施形態例におけるエレベーターシステムの人数検出方法>
図13は、図11および図12に示した第2の実施形態例のエレベーターシステムにおいて、乗り場10にいる利用者6の人数検出処理を説明するためのフローチャートである。
以下に述べるように、乗り場入り口14から乗り場10に入ってくる利用者6aの検出は、乗り場入り口14のエレベーター1号機101と4号機104に設けたホールランタン201、204の人数検出装置2で行われる。
まず、ホールランタン201、204のそれぞれの人数検出装置2で、当該階の乗り場10の入り口14から入ってくる利用者6aを検出したかどうかを判定する(S21)。もし、入り口14から入ってくる人を検出した場合には(S21のYes)、その入ってくる人数△Pを検出する(S22)。
そして、この検出人数を△Pを用いて、式(1)により、乗り場の待ち人数の推定値Pを更新する(S23)。
P =P+△P (1)
ステップS21で、入り口14から入ってくる人を検出しない場合には(S21のNo)、検出するまで待つ。
次に、当該階の乗り場10に乗り場呼びで呼ばれた割当てエレベーター号機の乗りかごが到着したかどうかを判定する(S24)。ステップS24で割当てエレベーター号機の乗りかごが到着していないと判定された場合は(S24のNo)、ステップS21〜S23の処理を繰り返し、割当てエレベーター号機の到着を待つ。
ステップS24で割当てエレベーター号機が到着したと判定された場合は(S24のYes)、そのエレベーター号機の乗りかごに当該階より乗り込んだ人の人数Qを検出する(S25)。この乗りかごに乗り込んだ人数Qは、乗り場10の人数検出装置、および乗りかご内の不図示の人数検出装置で検出することが可能である。乗りかご内の人数検出装置としては、周知の荷重センサまたは乗りかご内に設置されるカメラなどが用いられる。
次に、割当てエレベーター号機の乗りかごが当該階を出発したかどうかを判定する(S26)。このステップS26の判定は、図11に示すエレベーター群管理制御装置9により行われる。
ステップS26で、割当てエレベーター号機の乗りかごが出発したと判定された場合は(S26のYes)、式(2)により、当該階の乗り場10に残っている人数Rを算出する(S27)。この人数Rは、割当て号機の乗りかごが満員となったため、乗り切れずに積み残された人数に相当する。
R=P−Q (2)
ここで、R<0なる場合には、R=0とする。
次に、式(2)で求めた乗り場に残っている人数Rを、乗り場10の待ち人数の推定値Pの新たな初期値とする(S28)。
P=R (3)
なお、乗り場10が非常に混雑した状況でなければ、乗り切れずに積み残された人数Rは「0」となるため、新たに設定される乗り場の待ち人数の推定値Pの初期値は、基本的にゼロになる。
ステップS26で割当てエレベーター号機が出発しない場合(S26のNo)には、ステップS25の処理を繰り返す。
次に、割当てエレベーター号機の乗りかごが出発してから所定時間経過後に、当該階の乗り場10において新たな乗り場呼びの登録が無いかどうかを判定する(S29)。ステップS29で、新たな乗り場呼びが無ければ(S29のYes)、その乗り場10には人はいないはずであり、当該乗り場の待ち人数推定値PをP=0にリセットし(S30)、処理を終了してステップS21に戻る。
ステップS29で新たな乗り場呼びがあったと判定された場合には(S29のNo)、乗り場10に新たな利用者6が現れたことになるので、ステップS30の処理を飛ばして、ステップS21の処理に戻る。
上述したように、図12で説明した乗り場入り口14付近のエレベーター号機である1号機101または4号機104のホールランタン201、204だけに人数検出装置2を設置することで、通常のホールランタン1よりも部品点数が多く、特殊な構造になる人数検出装置2付きのホールランタン1の個数を減らすことができる。
また、ビル全体で考えた場合に、多数の人が集まるロビー階のような、より精度の高い人数検出が必要な階では、全てのエレベーター号機に設けたホールランタン1を人数検出装置2付きとすることも考えられる。そして、ロビー以外の一般階は、乗り場入り口14のエレベーター号機のホールランタン1のみを人数検出装置2付きとするような構成とすることで、必要な人数検出精度を確保しつつ、人数検出装置2付きのホールランタン1の個数を減らすことができる。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(4)>
図14は、本例のエレベーターシステムにおいて、乗り場10にいる利用者6の人数検出方法の他の例を示す図である。
図14も、図9および図12と同様に、ある階のエレベーターの乗り場10全体を上から見た上面図であり、図9および図12と同様の要素は同じ符号を付している。
図14の例では、乗り場10にある6台のエレベーター号機101〜106の全てが人数検出装置2付きのホールランタン201〜206であり、乗り場全体を検出対象として割当てエレベーター号機の乗りかごを待つ利用者6の人数を検出している。
図14に示すように、乗り場呼びがなされ、割当てエレベーター号機(ここでは2号機102)の到着を待っている利用者6に対して、前方、後方、さらに斜めの各方向からの人数検出装置2の検出領域により、乗り場10全体がカバーされている。このため、図14の例では、乗り場10にいる利用者6の数を検出する場合の検出の死角をなくすことができる。しかし、一方で、複数のカメラによる同一人の重複検出もあるので、図2に示す乗り場人数算出装置8により、重複排除の処理を行うようにしている。
また、エレベーター群管理制御装置9におけるエレベーター群管理に関する情報から割当てエレベーター号機が2号機102と分かる。このため、その割当てエレベーター2号機の前方の領域を中心にした人数検出が行えるので、エレベーター2号機102を待つ利用者6の人数をより正確に検出することができる。
さらに、この方法によれば、乗り場入り口14にあるエレベーター号機のホールランタン201、204に設置した人数検出装置2を用いることで、乗り場入り口14から割当てエレベーター2号機102へ向かう利用者も認識することができる。このため、全体の利用者6の数を早期に予測でき、積み残しの発生もより早く予測して対応することが可能となる。
また、この図14の例では、割当てエレベーター2号機102の前で既に待っている利用者6の人数と乗り場入り口14から入ってくる利用者6aの人数の和で全体の利用者6の人数を算出する。なお、上記のような各人数検出装置2の結果を統合する処理は、図1に示した乗り場人数算出装置8で実行される。
図14に示すように、当該階の乗り場10の全エレベーター号機に人数検出装置2付きホールランタン201〜206を設置すると、乗り場10全体を広いく検出領域にすることができる。そして、これら全てのホールランタン201〜206に設置した人数検出装置2の検出結果を組合せることで、より広い視野で、かつ正確に利用者6の人数を検出することが可能になる。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(5)>
図15は、本例のエレベーターシステムに関する乗り場10にいる利用者6の人数検出方法の特別な例として、乗り場に人がいない場合の例を示す図である。図15は、図14と同様にある階のエレベーターの乗り場10全体を上から見た上面図であり、構成要素も図14と全く同じなので、同一符号を付している。
図15は、例えば、行き先の階を呼ぶ乗りかご呼びで乗りかごが停止し、乗りかご内の乗客が全て降車した後、乗り場10に利用者がいなくなった状態を示している。この状況であれば、エレベーター群管理制御装置9は、戸が開いている期間が満了時間に達する前に、乗りかごのドアを閉めて出発するように各エレベーター号機の運行を制御することができる。この結果、無駄な停止時間をなくすことができるので、出勤混雑時などに運行効率を上げることができる。
また、エレベーター群管理制御装置9は、いたずら呼びがあった場合や、乗りかご呼びがあっても先着のエレベーター号機の乗りかごに利用者6全員が乗った場合など、乗り場10に待つ人がいない場合にもそれを検出して、乗り場呼びをキャンセルすることができる。したがって、乗り場10に利用者6がいない階への無駄な停止を減らすことができるので、運行効率の向上を図ることができる。
上記のように乗り場に人がいないこと(人数がゼロであること)を検出するには、乗り場10全体を検出する必要がある。このとき、乗り場入り口14に利用者6aが入ってこないことを検出する必要があるので、乗り場10と入り口14を検出するために、乗り場10の全エレベーター号機101〜106に人数検出装置2付きのホールランタン201〜206を設置することが好ましい。
<ホールランタン1と人数検出装置2の他の構造例>
図16は、本例のエレベーターシステムにおけるホールランタン1の他の構造例を示している。図3と同様に図16(A)は正面図、図16(B)は側面図である。図16でも、図3、図6と同じ要素は同じ符号を付し、説明は省略する。
図16の例は、図6で示した人数検出装置2b、2cの代わりに、ホールランタン1の電源線1rと通信線1sから分配された電源と通信の接続口(接点口)1m、1nを備える。この電源と通信の接点となる接続口(接点口)1m、1nは、ホールランタン1の上下のそれぞれに設けられており、ホールランタン1の発光部1d、1eとの間に遮光板1f、1fが設けられている。
また、ホールランタン1の発光部1d、1eを覆うカバー1o、1pが下部と上部に設けられる。そして、電源と通信の接点となる接続口(接点口)1m、1nは、ホールランタン1本体に対する電源線1rと通信線1sが接続されている回路基板1qと同一基板上にあり、電源と通信線を共有している。
このように、電源と通信の接点となる接続口(接点口)1m、1nに、例えばカメラ、画像センサなどを取り付けることで、図3や図6と同じく乗り場10にいる人の数を検出することができる。
図16に示すホールランタン1は、電源と通信の接点となる接続口(接点口)を備える構造になっているため、必要に応じて自由にカメラ、画像センサなどを取り付けたり、取り外したりすることができるという利点がある。例えば、初期状態では、電源と通信の接点となる接続口(接点口)1m、1nには何もつけない状態でエレベーターシステムをビルに導入し、ビルに導入した後にオプションでホールランタン1に人数検出装置2を取り付けるようにすることもできる。
例えば、本例のエレベーターシステムをビルに導入した後に、特定の階の乗り場が非常に混雑することが分かった場合など、その混雑する乗り場10のホールランタン1に人数検出装置2を後付けで取り付けることも考えられる。また、エレベーター号機の運行効率を上げたいなどといったビル側のニーズに応じて、図16に示すホールランタンの1の接続口(接点口)にカメラや画像センサなどを含む人数検出装置2を後付けで取り付けることもできる。
この場合、ロビー階など、特定の階が非常に混雑するので、その階だけにカメラや画像センサを取り付けて人数検出を行うこともでき、これにより運行効率を上げることが可能になる。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(6)>
図17は、本発明の第3の実施形態例のエレベーターシステムにおける乗り場利用者の人数を検出する方法を説明するための上面図である。
すなわち、図11、図12に示す第2の実施形態例のエレベーターシステムでは、乗り場の入り口が1か所だけであったが、図17の例では、乗り場10への入り口が2か所ある例、つまり乗り場10を通り抜けることができる例を示している。図17において、図12と同様の要素は同じ符号を付しており、説明は省略する。
図17に示すように、エレベーター乗り場には、入り口14aと入り口14bの2か所が設けられている。図12の例では、乗り場10への入り口14は1つだけなので、入り口14から乗り場10に入ってくる人はすべてエレベーターの利用者と考えてよい。しかし、図17では、入り口14aと入り口14bが2か所設けられているので、エレベーターを利用する人の他にもエレベーターホールを通路として利用する人もいると考えられる。
この場合、入り口14aまたは14bからの入場者のうち、エレベーター号機が来るのを待っている利用者6を正確に検出するためには、入り口14aと入り口14bから出入りする人の数を計算により求める必要がある。すなわち、乗り場10の入り口14aと入り口14bにあるエレベーター号機のホールランタン1の全てに人数検出装置2を設置して、入り口14aと入り口14bの両方を出入りする人の数を検出しなければならない。つまり、乗り場10に入ってくる合計人数ΔPと乗り場10から出て行く合計人数ΔEの両方を検出する必要がある。
具体的には、乗り場入り口14aのエレベーター1号機101とエレベーター4号機104のホールランタン201、204と、乗り場入り口14bのエレベーター3号機103とエレベーター6号機106のホールランタ203、206に人数検出装置2を設置する。乗り場10に入ってくる合計人数ΔPは、入り口14aから入ってくる人数ΔPaと入り口14bから入ってくる人数ΔPbの合計である。
なお、図17では、ホールランタン201〜206の取り付け位置は、全てのエレベーター号機の左側にしているが、乗り場10の意匠あるいは乗り場10への利用者6の出入りの状況等を踏まえて、任意に決めることができるものである。
また、乗り場から出て行く合計人数ΔEは、入り口14aから出て行く人数ΔEaと、入り口14bから出て行く人数ΔEbの合計である。
なお、入り口14aまたは入り口14bから出て行く人の中には、エレベーター号機から降車した人の数Tが含まれている。
<第3の実施形態例におけるエレベーターシステムの人数検出方法>
図18は、図17に示した出入り口が2か所ある本発明の第3の実施形態例に係るエレベーターシステムにおいて、乗り場10にいる利用者6の人数検出処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図18を参照して、第3の実施形態例の処理について詳細に説明する。この乗り場の利用者人数の検出は、乗り場入り口14aのエレベーター号機101、104のホールランタン201、204に設けた人数検出装置2と、乗り場入り口14bのエレベーター号機103、106のホールランタン203、206に設けた人数検出装置2によって行われる。ここで入り口14aに近い乗り場を1番乗り場、入り口14bに近い乗り場を2番乗り場として説明する。
まず、1番乗り場、2番乗り場の入り口14a、14bから入ってくる人(ΔP)を検出したか否かが判定される(S31)。ステップS31で乗り場に入ってくる人を検出しなければ(S31のNo)、乗り場への人の進入があるまで待機する。ステップS31で乗り場の入り口から人の進入を検出した場合(S31のYes)には、乗り場10に入ってくる人の数ΔPと、乗り場から出て行く人の数ΔEを検出する(S32)。但し、最初の入場者が検出されたすぐ直前に到着した号機から降車した人数をΔEから排除するために、初めての出て行く人の検出は、最初入場者検出の一定時間後から開始する。ただし、この一定時間は乗り場をそのまま通過する時間よりも遙かに小さい時間である。
そして、次式(4)により乗り場10に残っている利用者6の人数の推定値Pを算出する(S33)。
P=P+ΔP−ΔE (4)
次に、エレベーター号機の1号機101〜6号機106のいずれかのエレベーター号機が到着した否かが判定される(S34)。いずれかのエレベーター号機の到着がない場合には(S34のNo)、到着するまでステップS32、S33の処理を繰り返す。すなわち、(4)式で計算される乗り場利用者6の人数は、いずれかのエレベーター号機が到着するまで、リアルタイムで更新される。
ステップS34で、エレベーター号機の1号機101〜6号機106のいずれかのエレベーター号機が到着したと判定された場合には(S34のYes)、当該エレベーター号機に乗車した人数Q(乗車人数)と降車した人数T(降車人数)を算出する。この算出は、乗り場10のホールランタン1に設けた人数検出装置2と、エレベーター号機の乗りかごに設けた不図示の荷重センサなどを用いて、図14で説明した方法と同様な手法により行われる(S35)。
次に、乗り降りが行われたエレベーター号機が出発したか否かが判定される(S36)。ステップS36で当該エレベーター号機が出発しない場合(S36のNo)には、ステップS35の処理を繰り返す。
ステップS36で当該エレベーター号機が出発した場合(S36のYes)には、当該階に残っている人数R’と、この人数R’から降車人数Tを除いた乗り場人数Rを(5)式および(6)式により算出する。
R’=P−Q+T (5)
R =P−Q (6)
ここで、Rは実際の待機人数となる。R<0の場合は、R=0、R’=Tとする。
そして、(5)式のR’を用いて、乗り場人数の推定値Pの新たな初期値を設定する(S38)。
P=R’ (7)
次に、ステップS36でエレベーター号機が出発してから、所定時間経過後に、当該乗り場で継続または新規の乗り場呼びの登録が無いか否かを判定する(S39)。
ステップS39で、継続または新規の乗り場呼びの登録が無ければ(S39のYes)、その階の乗り場10にエレベーターを待つ人はいないはずであり、当該階の乗り場の待ち人数推定値PをP=0にリセットする(S40)。また、ステップS39で継続または新規の乗り場呼びの登録があったと判定された場合(S39のNo)には、ステップS32の処理に戻る。
上述した図17、図18では、乗り場の出入り口が2か所ある場合の乗り場人数の検出について説明したが、乗り場の出入り口が2か所以上ある場合でも、同様な方式で乗り場人数の検出を行うことができる。また、図17の例では、乗り場入り口14a、14bのそれぞれに隣接する2つのエレベーター号機のホールランタン1に設置した人数検出装置2を利用したが、この人数検出装置2は、1個でも乗り場出入り口の検出範囲の全てをカバーできる場合には、乗り場出入り口と隣接する一つのエレベーター号機のみに設置してもよい。例えば、図17の例では、乗り場入り口14aと乗り場入り口14bにそれぞれに隣接する各1台のエレベーター号機のホールランタン1に人数検出装置2を設置するようにしてもよい。
図19は、図18のフローチャートに示す処理に対応して、乗り場の待ち人数と乗りかご内の人数の変化を図で示した概念図である。
まず、図18のステップS32の処理が終了して、図19(a)に示すように、乗り場10に5人の利用者6が割当てエレベーター号機を待っている状態を想定する(図18のステップS33のP=5)。
このとき、割当てられたエレベーター号機の乗りかごには、その階に到着直前の状況で3人が乗車しているとする。
ここで、乗りかご内の人数の検出は、乗りかごに設置される不図示の荷重センサで行われる。なお、前述したように、荷重センサの代わりに、乗りかご内にカメラを配置して、カメラで撮影した画像から乗りかごに乗車している人数を検出するようにしてもよい。
図19(b)は、乗り場呼びがあった階に割当てエレベーター号機の乗りかごが到着した時点で、かつ乗りかごのドアが閉じた状態の図である。この時点での乗り場10の利用者人数の推定値は、乗り場の待ち人数5人のままであり、これが乗り場人数の最終値となる。その後は乗りかごから乗り場に降りる人と、乗り場で待っている人が混在してしまうため、乗り場10にいる利用者6の人数が正確に検出できない可能性がある。
したがって、割当てエレベーター号機のドアが開く前の乗り場人数を、乗り場利用者6の最終値として確定する。
図19(c)は、割当てエレベーター号機の乗りかごが乗り場10に到着して、当該エレベーター号機の乗りかごのドアが開き、乗客2人が降車した状態を示している。図19(c)では、降車した2人を点線で示している。エレベーター号機の乗りかごから2人が降車したことは荷重センサ値の時間変化により算定され、2人の降車により乗りかご内の利用者が1人になったことが分かる。
図19(d)は、図19(c)の後で、乗り場10の利用者が割当てエレベーター号機の乗りかごに乗車した状態を示している。
すなわち、エレベーター号機の乗りかごに設置された荷重センサ値の時間変化により、乗車終了後の乗りかご内の人数は4人であることが検出される。そして、乗車終了後の荷重センサ値4人(図19(d)参照)と、乗りかごの降車終了時の荷重センサ値1人(図19(c)参照)の人数値の差から、乗り場から3人が乗込んだと推定することができる。図18のステップS35では、Q=3、T=2となる。
なお、図19(d)では、図19(c)の点線で記した降車した2人は、出入り口14aまたは14b(図18参照)から出て、乗り場10にはいない状態になっている。
そして、この割当てエレベーター号機に乗り込んだ人3人(Q=3)を乗り場の待ち人数の推定値5人(P=5)から引くことにより、乗り場に積み残された人数が2人(図13のステップS27でR=P−Q=2)であると推定することができる。
<乗り場利用者の人数検出方法の具体例(6)>
図20も図17と同様に、本発明の第3の実施形態例である、乗り場10への出入り口が2か所ある場合の処理方法を示す上面図である。図20では、エレベーター乗り場の2つの入り口の側に設けた2つのホールランタンの人数検出装置を用いて、乗り場人数を検出している点で、図17の検出方法とは異なっている。なお、図20において、図17と同様の要素は同じ符号を付しており、説明は省略する。
図20と図17の検出方法の違いは、具体的には、乗り場10のエレベーター号機に設置されるホールランタン1に設けた人数検出装置2の配置箇所およびその検出エリアである。図20の例では、6台のエレベーター号機に設置したホールランタン201〜206のうち、エレベーター1号機101のホールランタン201と、エレベーター6号機106のホールランタン206に人数検出装置2が設置されている。
上述したように、図20では、乗り場入り口14bに近接するエレベーター1号機101のホールランタン201と、乗り場の対角線上に配置される乗り場入り口14aに近接するエレベーター6号機のホールランタン206のそれぞれに人数検出装置2を設置している。このため、図20の例では、ホールランタン201と対象人物の間に別の人物が重なって撮影された場合でも、その別の人物がホールランタン206の人数検出装置2で撮影されるため、1人として誤検出されるのを防ぐことができる。すなわち、2個のホールランタン201とホールランタン206に設けた2つの人数検出装置2を用いることにより、対象人物の死角をなくして、複数人が1人として誤検出されることがなくなる。
さらに、図20では、乗り場10の利用者を撮影する人数検出装置2を2個設けているが、四隅にあるエレベーター号機のホールランタン1(201、203、204、206)の4個に人数検出装置2を設けることも考えられる。この場合には、4個の人数検出装置2の検出エリアが乗り場10の内側方向に向いたステレオカメラとして用いることもでき、これにより人数検出の更なる精度向上を図ることができる。
なお、本発明は上記した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例や変形例の構成に置き換えることが可能であり、さらに、ある実施の形態例の構成に他の実施の形態例やその変形例の構成に置き換えることも可能である。また、実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1、201〜206・・・ホールランタン (案内装置)
101〜106・・・エレベーター号機(1号機〜6号機)
2・・・ホールランタン1の内部に組み込まれた人数検出装置
20・・・検出部(カメラ等)
21・・・人数算出処理部
22・・・頭部検出処理部
23・・・カウント処理部
3・・・エレベーターの乗り場ドア
4・・・乗り場ドアを囲う三方枠
5・・・乗り場呼びボタン
6・・・乗り場にいるエレベーターの利用者
6a・・・乗り場の入り口付近にいるエレベーターの利用者
7、7a、7b・・・人数検出装置の検出エリア
8・・・乗り場人数算出装置
81・・・乗り場人数算出処理部
9・・・エレベーター群管理制御装置
91・・・積み残し発生予測処理部
92・・・追加割当て処理部
10・・・エレベーター乗り場
11・・・乗り場で待つ利用者用の誘導線
12・・・誘導線によって定められた待機エリア

Claims (7)

  1. 乗り場で利用者を乗りかごに乗せて運行するエレベーターシステムであって、
    エレベーター乗り場ドアの近傍に設置され、乗り場呼びに対して配車されるエレベーター号機を利用者に報知する予約案内灯と、エレベーター号機が乗り場に到着することを報知する到着案内灯の双方の機能を有する案内装置と、
    前記案内装置内に設けられ、前記エレベーター号機の乗りかごを待つ利用者を検出するセンサを含む人数検出装置と、
    前記乗り場のエレベーター号機に設けられる1個または複数の前記人数検出装置からの検出情報に基づいて乗り場人数を算出する乗り場人数算出装置と、
    前記乗り場人数算出装置により算出された乗り場利用者の数に基づいて、前記エレベーター号機の運行を制御するエレベーター群管理制御装置と、を備え、
    前記人数検出装置の検出方向は、前記案内装置の正面方向に対して、それぞれ乗り場入口の方向に傾けて配置される、
    前記エレベーター群管理制御装置は、前記乗り場の全てのエレベーター号機に設置した案内装置に設けられる全ての前記人数検出装置で検出した乗り場の利用者数に基づいて、割当てエレベーター号機の乗りかごを待つ乗り場の人数を、重複を排除して算出する
    エレベーターシステム。
  2. 乗り場入口が1か所の場合、前記人数検出装置は、乗り場入口の片側または両側の隣接エレベーター号機の前記案内装置に設置され、
    前記人数検出装置により、乗り場に入ってくる利用者を検出して、既に乗り場にいる利用者の数に積算することにより乗り場にいる利用者の人数を算出する、
    請求項1に記載のエレベーターシステム。
  3. 乗り場入口が2か所またはそれ以上の場合、前記人数検出装置は、全ての乗り場入口の片側または両側の隣接エレベーター号機の案内装置に設置され、
    複数の入り口から乗り場に入ってくる合計人数と、乗り場から出ていく合計人数を検出して乗り場に残る人数を積算する
    請求項1に記載のエレベーターシステム。
  4. 乗り場の前記人数検出装置で検出した乗り場に残っている利用者の数の積算値と、前記エレベーター号機の乗りかごに乗降車した人数の検出とを連動させて、
    エレベーター号機の乗りかごを待機している人数を算出する、
    請求項2または3に記載のエレベーターシステム。
  5. 群管理システムに含まれる任意のエレベーター号機の乗りかごが当該乗り場階から出発して一定時間経過後に、継続してまたは新規に前記エレベーター号機の乗りかごの乗り場呼びがなければ、その時点の乗り場利用者の人数を0としてリセットする
    請求項4に記載のエレベーターシステム。
  6. 乗り場で利用者を乗りかごに乗せて運行するエレベーターの群管理制御方法であって、
    乗り場呼びに対するエレベーター号機の割当てを行い、割当てエレベーター号機の案内装置を点灯するステップと、
    前記案内装置に設けられる人数検出装置および/または他のエレベーター号機の案内装置に設置される人数検出装置により、前記割当てエレベーター号機の乗りかごを待つ利用者の人数を検出するステップと、
    前記乗り場のエレベーター号機に設けられる1個または複数の前記人数検出装置からの検出情報に基づいて乗り場の利用者人数を算出するステップと、
    前記算出された乗り場利用者の数に基づいて、前記エレベーター号機の運行を制御するステップと、を含み、
    前記乗り場の全てのエレベーター号機に設置した案内装置に設けられる全ての前記人数検出装置で検出した乗り場の利用者数に基づいて、割当てエレベーター号機の乗りかごを待つ乗り場の人数を、重複を排除して算出する
    エレベーターの群管理制御方法。
  7. 乗り場の出入り口に設置された複数の人数検出装置により、新たに乗り場に入ってくる利用者と乗り場から出て行く利用者との差の人数を、既に乗り場にいる利用者の人数に積算して乗り場利用者の人数を算出する
    請求項6に記載のエレベーターの群管理制御方法。
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