JP6924410B2 - 蒸気釜 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気ジャケットにより食品を加熱する蒸気釜に関し、特に100℃未満の温度で食品を加熱できる蒸気釜に関するものである。
食品が収容される内釜の周囲にジャケットを備え、ジャケット内に蒸気を供給して、内釜内の食品を加熱する蒸気釜が知られている。蒸気釜では、ジャケット内からの空気排除を確実に行わなければ、ジャケットへの給蒸(蒸気供給)によりジャケット内の圧力を調整しても、所望温度で食品を加熱することができない。
また、従来の蒸気釜では、ジャケット内が正圧になることで100℃以上の蒸気で満たされ、内釜の壁面温度も100℃を超える。そのため、たとえば餡やクリームソースなど、食品によっては焼き付きが発生しうまく調理ができない場合がある。これに対処するために、ジャケット内に蒸気ではなく温水を入れるのでは、ジャケットに対する温水の循環設備に費用を要することになる。また、温水を用いた場合、ジャケット内に温度ムラを生じやすい。
一方、下記特許文献1に開示されるように、蒸気エゼクタを用いて、ジャケット内を減圧することで、100℃未満での低温調理が可能な蒸気釜も提案されている。しかしながら、蒸気エゼクタのような減圧手段が必要となる。
特開平7−328423号公報(段落0017、図1)
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で安価に、ジャケットからの空気排除を確実に行える蒸気釜を提供することにある。また、食品を100℃未満でも加熱可能な蒸気釜を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品が収容される内釜と、この内釜の外側に設けられて蒸気が供給されるジャケットと、このジャケットに対する蒸気の給排出を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ジャケット内へ蒸気を供給して加圧する給蒸操作と、前記ジャケット外へ蒸気を排出する排蒸操作とによって、前記ジャケット内からの空気排除工程を行う蒸気釜であって、前記空気排除工程において、前記給蒸操作と前記排蒸操作とを複数回繰り返し、前記給蒸操作では、前記ジャケット内への蒸気供給を、第一設定時間行うか、第一設定圧力になるまで行い、前記排蒸操作では、前記ジャケット外への蒸気排出を、第二設定時間行うか、第二設定圧力になるまで行い、前記ジャケット内の圧力を検出する圧力センサと、前記ジャケット内の温度を検出する温度センサとを備え、前記圧力センサによる検出圧力相当の飽和温度と、前記温度センサによる検出温度との温度差が第一設定値以下になるまで、前記空気排除工程を行うことを特徴とする蒸気釜である。
また、請求項2に記載の発明は、食品が収容される内釜と、この内釜の外側に設けられて蒸気が供給されるジャケットと、このジャケットに対する蒸気の給排出を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ジャケット内へ蒸気を供給して加圧する給蒸操作と、前記ジャケット外へ蒸気を排出する排蒸操作とによって、前記ジャケット内からの空気排除工程を行う蒸気釜であって、前記ジャケット内の圧力を検出する圧力センサと、前記ジャケット内の温度を検出する温度センサとを備え、前記圧力センサによる検出圧力相当の飽和温度と、前記温度センサによる検出温度との温度差が第二設定値以上になると、前記空気排除工程を行うことを特徴とする蒸気釜である。
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、蒸気エゼクタや真空ポンプのような減圧手段を用いることなく、ジャケットに対する給蒸操作と排蒸操作とによって、ジャケット内からの空気排除を図ることができる。ジャケット内から空気排除した後、ジャケット内に蒸気供給することで、ジャケット内の圧力ひいては温度を所望に調整して、内釜内の食品をムラなく所望温度で加熱することができる。また、減圧手段や温水循環手段を設置しないことで、構成の簡素化とコストの削減を図ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、空気排除工程において、給蒸操作と排蒸操作とを複数回繰り返すことで、ジャケット内からの空気排除を図ることができる。その際、給蒸操作や排蒸操作を、時間または圧力により、簡易に制御することができる。
請求項1に記載の発明によれば、圧力センサによる検出圧力相当の飽和温度と、温度センサによる検出温度との温度差が第一設定値以下になるまで、空気排除工程を行うことで、ジャケット内の空気排除を所望のレベルまで行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、圧力センサによる検出圧力相当の飽和温度と、温度センサによる検出温度との温度差が第二設定値以上になると、空気排除工程を行うことで、ジャケット内からの空気排除を図ることができる。これにより、運転中にジャケット内に空気が溜まることを防止して、所期の加熱を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記空気排除工程後、前記ジャケット内への蒸気供給を制御して、前記ジャケット内を大気圧未満の圧力としつつ、前記内釜内の食品を加熱可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸気釜である。
請求項3に記載の発明によれば、ジャケット内を大気圧未満の圧力としつつ、100℃未満の蒸気で満たすことで、内釜内の食品を100℃未満の温度で加熱することができる。
請求項4に記載の発明は、前記ジャケット内からのドレン排出手段を備え、このドレン排出手段は、前記ジャケットからのドレンを貯留するドレンタンクと、このドレンタンクからの排出路に設けられた排出弁とを備え、所定時間ごとに前記ドレンタンクからドレンを排出するか、前記ドレンタンク内の水位もしくは食品の温度上昇速度に基づき前記ドレンタンクからドレンを排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気釜である。
請求項4に記載の発明によれば、スチームトラップではなく、ドレンタンクとそれからの排出弁とを用いることで、ジャケット内が大気圧未満であっても、ジャケット内からのドレン排出を図ることができる。また、所定時間ごとにドレンタンクからドレンを排出するか、ドレンタンク内の水位もしくは食品の温度上昇速度に基づきドレンタンクからドレンを排出することで、ドレンタンク内にドレンが溜まるのを防止することができる。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記内釜内の食品の撹拌装置を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸気釜である。
請求項5に記載の発明によれば、蒸気ニーダとして構成することで、撹拌装置により内釜内の食品を撹拌しながら加熱することができる。
本発明の蒸気釜によれば、簡易な構成で安価に、ジャケットからの空気排除を確実に行える蒸気釜を実現することができる。また、食品を100℃未満でも加熱可能な蒸気釜を実現することができる。
本発明の一実施例の蒸気釜を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1の蒸気釜のジャケット内の圧力変化の一例を示すグラフである。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の蒸気釜1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
本実施例の蒸気釜1は、食品が収容される内釜2と、この内釜2の外側に設けられて蒸気が供給されるジャケット3と、このジャケット3内への給蒸手段4と、ジャケット3内からのドレン排出手段5と、前記各手段4,5を制御する制御手段(図示省略)とを備える。
内釜2は、上方へ開口した有底の中空容器である。図示例では、内釜2は、上方へ開口した有底円筒状とされ、底壁は略半球状に下方へ膨出して形成されている。但し、内釜2は、図示例に限らず、たとえば、軸線を左右方向へ沿って配置された横向き略円筒状で、その左右両端部が左右方向外側へ円弧状に膨出する端壁にて閉塞されると共に、左右両端部を除いた周側壁の上部に、上方へ開口するホッパーが設けられた構成とされてもよい。
ジャケット3は、蒸気が供給されることで、内釜2内を加熱する。ジャケット3は、本実施例では、内釜2の上下方向中途部から下方領域に設けられる。具体的には、内釜2は、前記下方領域が底壁も含めて二重壁構造とされ、内外の壁体間の空間がジャケット3とされる。
給蒸手段4は、ジャケット3内へ蒸気を供給する。具体的には、給蒸手段4は、ジャケット3内へのジャケット給蒸路6を備え、このジャケット給蒸路6には、ジャケット給蒸弁7が設けられている。ジャケット給蒸弁7は、開度調整可能な電動弁(たとえば比例弁)から構成されるのが好ましい。ジャケット給蒸弁7の開閉を制御することで、ジャケット3内への給蒸の有無を切り替えることができる。また、ジャケット給蒸弁7の開度を制御することで、ジャケット3内への給蒸の量を調整することができる。
ドレン排出手段5は、ジャケット3内へ供給された蒸気の凝縮水(ドレン)を外部へ排出(排水)する。また、本実施例のドレン排出手段5は、後述する空気排除工程S1(図2)において、ジャケット3内の蒸気や空気なども外部へ排出(排蒸・排気)する。
具体的には、ドレン排出手段5は、ジャケット3からのドレンを受け入れて貯留するドレンタンク8と、このドレンタンク8からの排出路9に設けられた排出弁10とを備える。ドレンタンク8は、連通路11を介して、ジャケット3の下部と接続されている。連通路11には、ジャケット3からドレンタンク8へ向けて順に、仕切弁12と逆止弁13とが設けられている。仕切弁12を開放することで、ジャケット3内とドレンタンク8内とを連通させて、ジャケット3内のドレンをドレンタンク8へ排出することができる。
ドレンタンク8の下部には、外部への排出路9が設けられ、この排出路9には排出弁10が設けられている。さらに、ドレンタンク8には、好ましくは、タンク給蒸路14を介して蒸気が供給可能とされる。図示例の場合、ジャケット給蒸路6には、ジャケット給蒸弁7よりも上流側において、タンク給蒸路14が分岐して設けられており、このタンク給蒸路14がドレンタンク8の上部に接続される。タンク給蒸路14にはタンク給蒸弁15が設けられており、このタンク給蒸弁15を開けることで、給蒸源からの加圧蒸気をドレンタンク8内へ供給することができる。
その他、図1において二点鎖線で示すように、ジャケット3の下部には、所望により、スチームトラップ16および逆止弁17を備えた管路や、手動弁18および逆止弁19を備えた管路などを設けておいてもよい。なお、手動弁18は、基本的には閉じられた状態に維持される。
さらに、蒸気釜1には、好ましくは、圧力センサ20、温度センサ21および品温センサ22が設けられる。圧力センサ20は、ジャケット3内の圧力を検出する。図示例では、圧力センサ20は、ジャケット給蒸路6の内、ジャケット給蒸弁7よりも下流側に設けられるが、ジャケット3に設けられてもよい。一方、温度センサ21は、ジャケット3内の温度を検出する。温度センサ21は、好ましくはジャケット3内の気相部の温度を検出する。そして、品温センサ22は、内釜2内の食品の温度を検出する。
制御手段は、前記各センサ20〜22の検出信号および/または経過時間などに基づき、前記各手段4,5などを制御する制御器(図示省略)である。具体的には、ジャケット給蒸弁7、仕切弁12、排出弁10、タンク給蒸弁15の他、圧力センサ20、温度センサ21および品温センサ22などは、制御器に接続される。そして、制御器は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、ジャケット3内からの空気排除後、内釜2内の食品の加熱を図る。
図2は、本実施例の蒸気釜1のジャケット3内の圧力変化の一例を示すグラフであり、横軸が時間t、縦軸がジャケット3内の圧力Pを示している。本実施例の蒸気釜1は、ジャケット3からの空気排除工程S1と、内釜2内の食品の加熱工程S2とを実行可能である。以下、各工程について、説明する。
≪空気排除工程S1≫
空気排除工程S1では、ジャケット3内へ蒸気を供給して加圧する給蒸操作S11と、ジャケット3外へ蒸気を排出する排蒸操作S12とによって、ジャケット3内からの空気排除を図る。空気排除工程S1では、仕切弁12は開けられた状態に維持される一方、タンク給蒸弁15は閉じられた状態に維持される。そして、給蒸操作S11では、排出弁10を閉じた状態で、ジャケット給蒸弁7を開けて、ジャケット3内に蒸気を供給して、ジャケット3内を加圧する。一方、排蒸操作S12では、ジャケット給蒸弁7を閉じた状態で、排出弁10を開けて、ジャケット3の内外の差圧(つまりジャケット3内の圧力と大気圧との差圧)を利用して、ジャケット3外へ流体を排出する。この際、ジャケット3内の蒸気や空気だけでなく、ジャケット3内(さらにはドレンタンク8内)のドレンも、排出路9から外部へ排出される。
空気排除工程S1では、給蒸操作S11と排蒸操作S12とのセットを、少なくとも1回、好ましくは複数回繰り返す。この際、前述したとおり、ジャケット給蒸弁7の開放と、排出弁10の開放とを、交互に切り替えればよい。
給蒸操作S11では、ジャケット3内への蒸気供給を、第一設定時間行うか、第一設定圧力P1になるまで行う。時間で制御する場合(つまり第一設定時間だけ給蒸操作S11を行う場合)も、その給蒸操作S11により、ジャケット3内が第一設定圧力P1付近にまで加圧されるように、第一設定時間が設定される。第一設定圧力P1は、大気圧P0を超える圧力で設定され、たとえば、2kgf/cmG(飽和温度135℃相当)とされる。
排蒸操作S12では、ジャケット3外への蒸気排出を、第二設定時間行うか、第二設定圧力P2になるまで行う(第二設定圧力P2<第一設定圧力P1)。排蒸操作S12では、大気圧P0付近(大気圧P0またはその直前)までジャケット3内から排蒸してもよいし、大気圧P0よりも所定以上高い圧力までの排蒸に止めてもよい。いずれにしても、給蒸操作S11により加圧されたジャケット3内の流体を、排蒸操作S12において一気に外部へ排出することで、ジャケット3内からの空気排除を図ることができる。
空気排除工程S1では、給蒸操作S11と排蒸操作S12とのセットを、設定回数(たとえば2〜3回)、繰り返すのがよい。あるいは、圧力センサ20による検出圧力相当の飽和温度と、温度センサ21による検出温度との温度差が第一設定値以下になるまで、空気排除工程S1を行うのがよい。すなわち、ジャケット3内からの空気排除が進むと、温度センサ21の検出温度が、圧力センサ20の検出圧力に対する飽和温度に近づくので、その温度差が第一設定値(たとえば2℃)以下になれば、ジャケット3内からの空気排除がなされたとして、空気排除工程S1を終了すればよい。ジャケット3内の圧力と温度との関係の確認は、常時行ってもよいし、たとえば、給蒸操作S11と排蒸操作S12とのセットを一つ終えるごとに行ってもよいし、各給蒸操作S11を終えるタイミングで行ってもよい。
≪加熱工程S2≫
加熱工程S2は、内釜2内に食品が収容された状態でなされる。加熱工程S2では、ジャケット3内へ蒸気を供給して、ジャケット3内を設定圧力(ジャケット3内は飽和蒸気で満たされるので設定温度ということもできる)に保つことで、内釜2内の食品を加熱する。加熱工程S2では、圧力センサ20の検出圧力を設定圧力(食品の加熱目標温度を飽和温度とする圧力)に維持するように、ジャケット給蒸弁7の開閉または開度を調整すればよい。この際、図2に示すように、ジャケット3内を大気圧P0未満の圧力としつつ、内釜2内の食品を100℃未満の比較的低温(たとえば60℃以上100℃未満)で加熱することもできる。
すなわち、空気排除工程S1においてジャケット3内の空気を排除し、ジャケット3内には基本的に蒸気のみが存在する状況とできるので、蒸気の凝縮を待つことで、ジャケット3内を大気圧P0未満の圧力とすることができ、以後、大気圧P0未満の設定圧力を維持するように、ジャケット3内への給蒸を制御すればよい。これにより、内釜2内の食品を100℃未満の低温で加熱することができる。たとえば、食品を80℃で加熱しようとする場合、ジャケット3内の圧力を−0.5kgf/cmG程度に維持すればよい。そして、設定時間の経過など、所定の終了条件を満たせば、ジャケット給蒸弁7を閉じて、加熱工程S2を終了する。なお、食品の加熱中、ジャケット3内の制御目標圧力(前記設定圧力)を変更することで、食品の加熱温度を変更してもよい。
加熱工程S2中、仕切弁12を開けておくことで、ジャケット3内で生じたドレンは、重力によりドレンタンク8へ流出して、ドレンタンク8内に貯留される。そして、ドレンタンク8内のドレンは、設定タイミングで、外部へ排出される。ドレンタンク8内のドレンの外部への排出は、仕切弁12を閉じる一方、排出弁10を開ければよい。その際、タンク給蒸弁15を開ければ、給蒸源からの加圧蒸気で、ドレンタンク8内のドレンを外部へ押し出して、迅速に排出することができる。
ドレンタンク8からのドレンの排出は、所定時間ごとに行うか、ドレンタンク8内の水位に基づき行うか、食品の温度上昇速度に基づき行うことができる。所定時間ごとにドレンタンク8からドレンを排出する場合、所定時間ごとに一定時間だけ、ドレンを排出する操作(仕切弁12を閉じる一方、排出弁10とタンク給蒸弁15を開ける操作)を実行すればよい。同様に、ドレンタンク8内の水位に基づき制御する場合、ドレンタンク8内の水位をセンサで監視して、上限水位を上回ればドレンを排出する操作を実行すればよい。あるいは、品温センサ22の検出温度により、食品(初期投入量は既知)の温度上昇速度を監視すれば、ドレンの発生量を把握することができるので、ドレンタンク8に所定のドレンが溜まったと判断するタイミングで、ドレンを排出する操作を実行すればよい。
ところで、空気排除工程S1は、たとえば次のタイミングで実行することができる。
(a)内釜2内に食品が収容される前に、空気排除工程S1を実行する。たとえば、日ごとの初回の運転開始時(典型的には朝一)に、まずは空気排除工程S1を行う。内釜2内への食品の投入前に空気排除工程S1を行うことで、加熱負荷がないので、ジャケット3内の圧力を素早く上昇させることができ、空気排除工程S1を迅速に行える。また、食品に無駄な加熱を与えることがなく(言い換えれば食品の加熱条件を変えることなく)、ジャケット3内からの空気排除を図ることができる。
内釜2内に食品が収容される前に空気排除工程S1を実行後、ジャケット3内を所定圧力(言い換えれば所定温度)で維持するスタンバイ状態S3とするのがよい。スタンバイ状態S3は、前記加熱工程S2と同様の工程であるが、内釜2内に食品が収容されていない点で異なる。また、スタンバイ状態S3におけるジャケット3内の圧力(温度)は、その後の加熱工程S2における設定圧力(設定温度)と同一であってもよいし、これよりも低くてもよい。その後、食品を加熱したい場合には、内釜2内に食品を投入して、ジャケット3内を設定圧力(設定温度)で設定時間保持するなどすればよい。加熱工程S2終了後にも、次回の加熱工程S2に備えて、スタンバイ状態S3を維持してもよい。
(b)内釜2内に食品が収容された後に、空気排除工程S1を実行する。たとえば、各回の加熱開始時に、空気排除工程S1を行う。すなわち、内釜2内に食品を投入した状態で、所定のスタートボタンを押すことにより、空気排除工程S1を実行した後、引き続いて、加熱工程S2を実行する。加熱工程S2終了後には、ジャケット3内への給蒸も停止しておけばよいが、場合により、前述したスタンバイ状態S3としてもよい。
前記(a)および(b)のいずれの場合も、蒸気釜1の運転中(加熱工程S2中および/またはスタンバイ状態S3中)、ジャケット3内の温度と圧力との関係が崩れた場合には、再度、空気排除工程S1を行うのがよい。具体的には、ジャケット3内の圧力と温度とを監視し、圧力センサ20による検出圧力相当の飽和温度と、温度センサ21による検出温度との温度差が第二設定値以上になると、空気排除工程S1を行えばよい。言い換えれば、温度センサ21による検出温度が、圧力センサ20による検出圧力相当の飽和温度よりも第二設定値以上低くなった場合、空気排除工程S1を行えばよい。あるいは、運転中、定期的に(またはドレンタンク8の水位センサの検出信号などに基づき)、空気排除工程S1を行ってもよい。これらの場合において、内釜2内に食品が収容されている状態では、食品の加熱に影響のない温度(たとえば飽和温度105℃相当圧力)までの給蒸操作S11と、排蒸操作S12とにより、ジャケット3内からの空気排除を図るのが好ましい。また、内釜2内に食品が収容されている場合には、内釜2内に食品が収容されていない場合(あるいは運転開始時に行う初回の空気排除工程S1)よりも、給蒸操作S11による加圧レベル(第一設定圧力P1)を下げるのが好ましい。いずれにしても、運転中に所望により空気排除工程S1を実行可能とすることで、ジャケット3内に空気が溜まることを防止して、所期の食品加熱を図ることができる。
本実施例の蒸気釜1によれば、蒸気エゼクタや真空ポンプのような減圧手段がなくても、ジャケット3内への給蒸による加圧と、ジャケット3外への排蒸による加圧解除(前述したとおり必ずしも大気圧P0まで戻す必要はない)とにより、ジャケット3内からの空気排除を図ることができる。そして、ジャケット3内から空気排除を図ることで、その後、ジャケット3内を所望温度の蒸気で満たして、所期の加熱を図ることができる。その際、ジャケット3内を大気圧未満の圧力としつつ、100℃未満の蒸気で満たすことで、内釜2内の食品を100℃未満の温度(たとえば80℃以上100℃未満)で加熱することができる。そのため、餡やホワイトソースなどの低温加熱が必要な食品についても、焦げ付きを防止しつつ加熱調理することができる。また、減圧手段や温水循環手段を設置しないことで、構成の簡素化とコストの削減を図ることができる。
なお、本実施例の蒸気釜1では、ジャケット3内を大気圧P0以上として、100℃を超える蒸気により、内釜2内の食品を加熱することも可能である。その際、ジャケット3内の圧力によっては、ドレンタンク8を用いたドレン排出手段5を用いずに、スチームトラップ16を用いて機械的に外部へドレンを排出可能となる。但し、その場合でも、スチームトラップ16を設置せずに、ドレン排出手段5によりドレンを排出することも可能である。
また、本実施例の蒸気釜1では、たとえば105℃未満の温度での加熱も可能となる。すなわち、従来の蒸気釜のように、仮にスチームトラップ16のみでドレンを排出しようとした場合、スチームトラップ16の性能確保のため、ジャケット3内には1kgf/cmG(飽和温度120℃相当)以上で蒸気を満たす必要があったが、本実施例のように、ドレンタンク8を用いたドレン排出手段5を設置して、給蒸操作S11と排蒸操作S12とにより空気排除を図る構成とすれば、たとえば100℃以上105℃未満の温度での加熱も可能となる。
本発明の蒸気釜1は、前記実施例の構成(制御を含む)に限らず適宜変更可能である。特に、食品が収容される内釜2と、この内釜2の外側に設けられて蒸気が供給されるジャケット3と、このジャケット3に対する蒸気の給排出を制御する制御手段とを備え、制御手段は、ジャケット3内へ蒸気を供給して加圧する給蒸操作S11と、ジャケット3外へ蒸気を排出する排蒸操作S12とによって、ジャケット3内からの空気排除工程S1を行うのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
たとえば、前記実施例において、スチームトラップ16および逆止弁17を備えた管路と、手動弁18および逆止弁19を備えた管路との内、一方または双方の設置は省略することができる。また、前述したとおり、前記実施例において、タンク給蒸弁15付きのタンク給蒸路14の設置も、場合により省略することができる。
また、空気排除工程S1において、第一設定圧力P1までの給蒸操作S11と、第二設定圧力P2(<第一設定圧力P1)までの排蒸操作S12とを繰り返す際、各回における第一設定圧力P1同士または第二設定圧力P2同士は、必ずしも同一である必要はない。たとえば、給蒸操作S11と排蒸操作S12とのセットを繰り返す際、第一設定圧力P1および/または第二設定圧力P2が段階的に高まるように制御してもよい。
また、給蒸操作S11と排蒸操作S12とのパルス操作により空気排除する蒸気釜1において、低温加熱したい食品の場合、例えば、初回のパルスは2kgf/cmGまで上げて、2回目、3回目は、加圧到達圧力を次第に下げていくようにしてもよい。こうすることで、食品を必要以上に加熱することなくジャケット3内の空気を排除することができる。
また、2回目の給蒸中に、蒸気釜1の加熱設定温度或いは食品温度以上にジャケット3内の圧力が上昇した場合、ジャケット3内で蒸気が凝縮し蒸気圧力の上昇が鈍る(或いは低下する)状態になる。この時に、排蒸操作S12に移るような制御を、例えば2回目以降に行うことで、内釜2の温度を極力上昇させずに、ジャケット3内からの空気排除が可能となる。
また、前記実施例では、食品の加熱工程S2において、ジャケット3内の圧力に基づき、ジャケット3への給蒸を制御したが、場合により、内釜2の温度(壁温)や食品の温度に基づき、ジャケット3への給蒸を制御してもよい。
さらに、前記実施例において、蒸気釜1を蒸気ニーダとして構成してもよい。すなわち、蒸気釜1は、内釜2内の食品の撹拌装置を備えてもよい。たとえば、内釜2内の左右を架け渡すように軸を設け、その軸に径方向外側へ延出するアームを介して撹拌羽根を設けておき、食品の加熱中、撹拌羽根を回転させてもよい。
1 蒸気釜
2 内釜
3 ジャケット
4 給蒸手段
5 ドレン排出手段
6 ジャケット給蒸路
7 ジャケット給蒸弁
8 ドレンタンク
9 排出路
10 排出弁
11 連通路
12 仕切弁
13 逆止弁
14 タンク給蒸路
15 タンク給蒸弁
16 スチームトラップ
17 逆止弁
18 手動弁
19 逆止弁
20 圧力センサ
21 温度センサ
22 品温センサ
P0 大気圧
P1 第一設定圧力
P2 第二設定圧力
S1 空気排除工程(S11:給蒸操作、S12:排蒸操作)
S2 加熱工程
S3 スタンバイ状態

Claims (5)

  1. 食品が収容される内釜と、この内釜の外側に設けられて蒸気が供給されるジャケットと、このジャケットに対する蒸気の給排出を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記ジャケット内へ蒸気を供給して加圧する給蒸操作と、前記ジャケット外へ蒸気を排出する排蒸操作とによって、前記ジャケット内からの空気排除工程を行う蒸気釜であって、
    前記空気排除工程において、前記給蒸操作と前記排蒸操作とを複数回繰り返し、
    前記給蒸操作では、前記ジャケット内への蒸気供給を、第一設定時間行うか、第一設定圧力になるまで行い、
    前記排蒸操作では、前記ジャケット外への蒸気排出を、第二設定時間行うか、第二設定圧力になるまで行い、
    前記ジャケット内の圧力を検出する圧力センサと、前記ジャケット内の温度を検出する温度センサとを備え、
    前記圧力センサによる検出圧力相当の飽和温度と、前記温度センサによる検出温度との温度差が第一設定値以下になるまで、前記空気排除工程を行う
    ことを特徴とする蒸気釜。
  2. 食品が収容される内釜と、この内釜の外側に設けられて蒸気が供給されるジャケットと、このジャケットに対する蒸気の給排出を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記ジャケット内へ蒸気を供給して加圧する給蒸操作と、前記ジャケット外へ蒸気を排出する排蒸操作とによって、前記ジャケット内からの空気排除工程を行う蒸気釜であって、
    前記ジャケット内の圧力を検出する圧力センサと、前記ジャケット内の温度を検出する温度センサとを備え、
    前記圧力センサによる検出圧力相当の飽和温度と、前記温度センサによる検出温度との温度差が第二設定値以上になると、前記空気排除工程を行う
    ことを特徴とする蒸気釜。
  3. 前記空気排除工程後、前記ジャケット内への蒸気供給を制御して、前記ジャケット内を大気圧未満の圧力としつつ、前記内釜内の食品を加熱可能である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸気釜。
  4. 前記ジャケット内からのドレン排出手段を備え、
    このドレン排出手段は、前記ジャケットからのドレンを貯留するドレンタンクと、このドレンタンクからの排出路に設けられた排出弁とを備え、
    所定時間ごとに前記ドレンタンクからドレンを排出するか、前記ドレンタンク内の水位もしくは食品の温度上昇速度に基づき前記ドレンタンクからドレンを排出する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気釜。
  5. 前記内釜内の食品の撹拌装置を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸気釜。
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