JP5515731B2 - 洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、医療器具の他、電子部品や機械部品などを洗浄する洗浄方法に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、カスト(8)を出入自在に収納するための蓋(1)を有するチャンバー(2)を設け、このチャンバー(2)内下方に洗浄水(26)を加熱する加熱部(ヒータ10)を設け、前記チャンバー(2)に洗浄水(26)を給水する給水部(シャワーノズル14)とその洗浄水(26)を排水する排水部(12)と内部の圧力を減圧する真空ポンプ(19)とを接続し、この真空ポンプ(19)と前記チャンバー(2)との間にこのチャンバー(2)から吸引された蒸気を冷却して液化する熱交換器(18)を設け、この熱交換器(18)にその冷却能力を調節して前記洗浄水(26)の温度を一定に維持するための制御機構(流量制御弁24)を設けたことを特徴とする洗浄滅菌装置が知られている(請求項4、第2図)。
特開昭61−109567号公報
洗浄装置においては、洗浄槽内の液体を入れ替えて、複数回洗浄を行ったり、洗浄後に濯ぎを行ったりする場合が多い。また、洗浄または濯ぎ後には、被洗浄物の乾燥を図る場合もある。なお、ここでの濯ぎとは、被洗浄物についた洗浄液を洗浄することを意味し、洗浄の一種と捉えることもできる。
しかしながら、従来の洗浄装置はいずれも、単に、洗浄槽内の貯留液を排水した後、新たな液体を貯留して、洗浄槽内の液体を入れ替えている。また、単に、洗浄槽内の貯留液を排水した後、乾燥工程を実施している。
このような方法では、たとえば、被洗浄物がチューブの場合や、被洗浄物が袋穴を有する場合、洗浄槽内から液体を排出しても、チューブ内や袋穴内に液体が残留して、液体の入れ替えが円滑になされないおそれがある。また、被洗浄物の乾燥に長時間を要したり、被洗浄物の乾燥が不十分になったりするおそれがある。
ところで、被洗浄物を乾燥させる方法として、従来、通風や送風を用いることもあるが、その場合には、アダプターが必要になったり、通風量の確保が必要になったりする。
本発明が解決しようとする課題は、洗浄槽内および被洗浄物内の液体の入れ替えを容易で確実に図ることにある。また、好ましくは、新たな部品を要することなく、被洗浄物の乾燥を短期間で確実に図ることを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、洗浄槽内の液体に被洗浄物を浸漬して洗浄または濯ぎを図った後、前記洗浄槽内から液体を排出し、その後、前記被洗浄物に残る液体の飽和蒸気圧以下まで前記洗浄槽内を減圧後、復圧し、再び減圧することで前記被洗浄物からの液切りを図り、前記被洗浄物の洗浄または濯ぎは、加熱手段により前記洗浄槽内の液体を設定温度まで加熱した後、減圧手段による前記洗浄槽内からの排気を継続して前記洗浄槽内の圧力を低下させる過程で、この減圧による前記洗浄槽内の液体の沸騰中に気相給気手段により前記洗浄槽内の気相部へ外気を導入して前記洗浄槽内を液体の沸騰が止むまで瞬時に一時的に復圧することを繰り返す動作を含むことを特徴とする洗浄方法である。
請求項1に記載の発明によれば、洗浄槽内から液体を排出後、洗浄槽内を減圧して、簡易に被洗浄物からの液切りを図ることができる。しかも、洗浄槽内の減圧を複数回行うことで、被洗浄物からの液切りを一層確実に図ることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、洗浄槽内を減圧して貯留液を沸騰させ、この沸騰中に洗浄槽内を瞬時に復圧して、貯留液の沸騰を一気に止める。この復圧時、それまでの沸騰により貯留液中に生じていた水蒸気の気泡は、瞬時に凝縮する。この凝縮時の圧力波や圧力差で、貯留液が攪拌および移送され、被洗浄物の洗浄または濯ぎが図られる。
請求項2に記載の発明は、前記液切り後、前記洗浄槽内に再び液体を貯留して、前記被洗浄物の洗浄または濯ぎを図ることを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法である。
請求項2に記載の発明によれば、洗浄槽内の液体を排出後、被洗浄物からの液切りを図った上で、洗浄槽内に再び液体を入れることで、たとえば、被洗浄物がチューブの場合や、被洗浄物が袋穴を有する場合でも、液体の入れ替えを確実に図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記洗浄槽内への液体の貯留と、前記被洗浄物の洗浄または濯ぎと、前記洗浄槽内からの液体の排出と、前記被洗浄物からの液切りとを含むサイクルを、設定回数行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法である。
請求項3に記載の発明によれば、洗浄槽内の液体の入れ替え時に、被洗浄物からの液切りを行うことで、洗浄槽内および被洗浄物内の液体を確実に入れ替えつつ、被洗浄物の洗浄または濯ぎを図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記液切りにより、前記被洗浄物の乾燥を図るか、前記液切り後、前記被洗浄物の乾燥を図ることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の洗浄方法である。
請求項4に記載の発明によれば、液切り工程自体で被洗浄物の乾燥を図るか、液切り工程後に乾燥を実施することができる。
本発明によれば、洗浄槽内および被洗浄物内の液体の入れ替えを容易で確実に図ることができる。また、洗浄槽内からの排水後で、被洗浄物の乾燥前に、被洗浄物からの液切りを実施すれば、被洗浄物の乾燥を短期間で確実に図ることができる。しかも、新たな部品を要することもない。
本発明の洗浄装置の一実施例を示す概略構成図である。 本発明の洗浄方法の一実施例を示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の洗浄装置および洗浄方法は、被洗浄物を洗浄するものであるが、洗浄に代えてまたはこれに加えて、被洗浄物を濯ぎ(消毒を含む)するものであってもよい。すなわち、洗浄装置および洗浄方法は、被洗浄物の洗浄および濯ぎの内、少なくとも一方を実行可能とされる。
図1は、本発明の洗浄装置の一実施例を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。
本実施例の洗浄装置1は、被洗浄物2が収容される洗浄槽3と、この洗浄槽3内へ水を供給する給水手段4と、洗浄槽3内へ洗浄剤または濯ぎ剤を供給する給液手段5と、洗浄槽3内を加熱する加熱手段6と、洗浄槽3内の気体を外部へ吸引排出して洗浄槽3内を減圧する減圧手段7と、減圧された洗浄槽3内の気相部へ外気を導入する気相給気手段8と、減圧された洗浄槽3内の液相部へ外気を導入する液相給気手段9と、洗浄槽3内の液体を排出する排水手段10とを備える。
さらに、洗浄装置1は、洗浄槽3内の気相部の圧力を検出する圧力センサ11と、洗浄槽3内の液相部の温度(つまり洗浄液または濯ぎ液の温度)を検出する液温センサ12と、これらセンサ11,12の検出信号などに基づき前記各手段4〜10を制御する制御手段13とを備える。なお、洗浄槽3内の気相部の圧力を検出する圧力センサ11に代えてまたはこれに加えて、洗浄槽3内の気相部の温度を検出する温度センサ(図示省略)を備えてもよい。飽和環境下では圧力と温度とを換算することができるので、圧力センサ11と温度センサとの内、いずれのセンサを用いることもできる。
被洗浄物2は、洗浄を図りたい物品であり、たとえば、医療器具、電子部品または機械部品である。被洗浄物2は、チューブのような管状の物品や、袋穴を有する物品でもよい。その場合でも、管内や穴内の洗浄を効果的に図ることができる。
《洗浄槽3》
洗浄槽3は、内部空間の減圧に耐える中空容器である。図示例の洗浄槽3は、上方へ開口して中空部を有する本体14と、この本体14の開口部を開閉する蓋15とを備える。本体14に蓋15をした状態では、本体14と蓋15との隙間はパッキン16で封止される。
《給水手段4》
給水手段4は、洗浄槽3内へ水を供給する。洗浄槽3内へ供給する水は、軟水または純水であるのが好ましい。図示例では、給水手段4は、第一給水路17を介して洗浄槽3内へ軟水を供給すると共に、第二給水路18を介して洗浄槽3内へ純水(RO水)を供給する。洗浄槽3内への軟水の供給は、第一給水路17に設けた第一給水弁19の開閉により切り替えられ、洗浄槽3内への純水の供給は、第二給水路18に設けた第二給水弁20の開閉により切り替えられる。第一給水弁19より下流の第一給水路17と、第二給水弁20より下流の第二給水路18とは、共通給水路21として統一してもよい。
本実施例のように、給水手段4が軟水と純水とを供給できる場合、用途に合わせて水の種類を使い分けることができる。たとえば、洗浄水として軟水を用い、濯ぎ水として純水を用いることができる。但し、第二給水路18および第二給水弁20を省略して、洗浄槽3内には軟水のみを供給可能としてもよいし、逆に、第一給水路17および第一給水弁19を省略して、洗浄槽3内には純水のみを供給可能としてもよい。
《給液手段5》
給液手段5は、洗浄槽3内へ洗浄剤または濯ぎ剤を供給する。本実施例では、給液手段5は、洗浄槽3内へ洗浄剤を供給する第一給液手段22と、洗浄槽3内へ濯ぎ剤を供給する第二給液手段23とを備える。
第一給液手段22は、第一タンク24内の洗浄剤を、第一給液路25を介して洗浄槽3内へ供給する。第一給液路25には、第一タンク24の側から順に、第一給液弁26とオリフィス27とが設けられる。洗浄槽3内を減圧した状態で、第一給液弁26を開くことで、洗浄槽3内へ洗浄剤を供給することができる。本実施例では、給水手段4による洗浄水(軟水)に、第一給液手段22による洗浄剤を混入することで、洗浄液とする。
第二給液手段23は、第二タンク28内の濯ぎ剤(たとえば潤滑防錆剤)を、第二給液路29を介して洗浄槽3内へ供給する。第二給液路29には、第二タンク28の側から順に、第二給液弁30とオリフィス31とが設けられる。洗浄槽3内を減圧した状態で、第二給液弁30を開くことで、洗浄槽3内へ濯ぎ剤を供給することができる。本実施例では、給水手段4による濯ぎ水(純水)に、第二給液手段23による濯ぎ剤を混入することで、濯ぎ液とする。
但し、第一給液手段22と第二給液手段23との内、一方または双方は、所望により省略することができる。たとえば、第二給液手段23を省略して、給水手段4による水だけで濯ぎを行ってもよい。また、第一給液手段22と第二給液手段23とを省略して、給水手段4による水だけで洗浄または濯ぎを行ってもよい。
さらに、洗浄剤を含む水を洗浄液とする場合にも、給水手段4による水に予め洗浄剤を混入しておけば、第一給液手段22を省略することができる。つまり、給水手段4は、水を供給する以外に、洗浄剤を含む水、またはその他の洗浄液を、洗浄槽3内へ供給する手段であってもよい。
同様に、濯ぎ剤を含む水を濯ぎ液とする場合にも、給水手段4による水に予め濯ぎ剤を注入しておけば、第二給液手段23を省略することができる。つまり、給水手段4は、水を供給する以外に、濯ぎ剤を含む水、またはその他の濯ぎ液を、洗浄槽3内へ供給する手段であってもよい。
《加熱手段6》
加熱手段6は、洗浄槽3内を加熱する。洗浄槽3内を加熱する方法は特に問わないが、図示例の加熱手段6は、洗浄槽3内の底部に配置された電気ヒータ32である。この場合、洗浄槽3内に液体(洗浄液または濯ぎ液)を貯留した状態で、電気ヒータ32に通電することで、洗浄槽3内の液体を加熱することができる。
《減圧手段7》
減圧手段7は、洗浄槽3内の気体を、排気路33を介して外部へ吸引排出して、洗浄槽3内を減圧する。図示例の場合、排気路33には、洗浄槽3の側から順に、気水分離器34、熱交換器35、逆止弁36、および水封式の真空ポンプ37が設けられる。
気水分離器34は、洗浄槽3内からの気体中に含まれる液滴や固形物を除去する。言い換えれば、気水分離器34は、洗浄槽3内からの蒸気中に含まれる液滴を捕捉して、蒸気の乾き度を向上すると共に、蒸気中に含まれる固形物を捕捉して、下流の熱交換器35における詰まりを防止する。
気水分離器34は、その構成を特に問わないが、たとえばデミスター38が用いられる。具体的には、図示例の気水分離器34は、中空容器39と、この容器39内を上部空間と下部空間とに仕切るよう設けられるデミスター38とを備える。気水分離器34の容器39は、デミスター38より下部空間の側壁に、洗浄槽3の気相部からの配管が接続され、デミスター38より上部空間の側壁または上壁に、熱交換器35への配管が接続される。さらに、気水分離器34の容器39は、デミスター38より下部空間の底壁に、洗浄槽3の液相部への配管40が接続される。
熱交換器35は、排気路33内の蒸気を冷却し凝縮させる。熱交換器35は、その種類を特に問わないが、たとえばプレート式熱交換器である。熱交換器35には、熱交給水弁41を介して水が供給され排出される。従って、洗浄槽3内からの蒸気は、熱交換器35において、熱交給水弁41からの水と間接熱交換して、凝縮を図られる。
水封式の真空ポンプ37は、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されて作動される。そのために、真空ポンプ37には、封水給水弁42を介して水が供給され排出される。封水給水弁42は、真空ポンプ37の作動の有無と連動して、開閉される。
《気相給気手段8》
気相給気手段8は、減圧された洗浄槽3内の気相部へ、気相給気路43を介して外気を導入する。気相給気路43には、洗浄槽3へ向かって順に、フィルター44および気相給気弁45が設けられる。従って、洗浄槽3内が減圧された状態で気相給気弁45を開くと、洗浄槽3の内外の差圧により、フィルター44を介した空気を洗浄槽3内へ導入して、洗浄槽3内を復圧することができる。
《液相給気手段9》
液相給気手段9は、減圧された洗浄槽3内の液相部へ、液相給気路46を介して外気を導入する。液相給気路46には、洗浄槽3へ向かって順に、フィルター47および液相給気弁48が設けられる。従って、洗浄槽3内が減圧された状態で液相給気弁48を開くと、洗浄槽3の内外の差圧により、フィルター47を介した空気を、洗浄槽3内の貯留液中に導入することができる。但し、液相給気手段9は、差圧により外気を自然に導入する以外に、圧縮機やポンプから強制的に空気を送り込んでもよい。また、液相給気手段9は、空気を送り込む以外に、所望により空気以外の気体を送り込んでもよい。洗浄槽3内の貯留液中に導入する気体は、後述するように、貯留液を沸騰させる核とするために、貯留液に溶け込みにくい気体ほど好ましい。
ところで、液相給気路46からの空気は、洗浄槽3内の底部に設けた液相給気ノズル49を介して、洗浄槽3内に貯留された液体中に導入される。液相給気ノズル49は、洗浄槽3内の底部に、横向きに配置されたパイプである。液相給気ノズル49は、洗浄槽3内の底部ではあるが底面から離隔して、水平に保持されている。そして、液相給気ノズル49には、パイプの延出方向へ沿って設定間隔で、パイプの周側壁にノズル孔(図示省略)が下方へ開口して形成されている。これにより、洗浄槽3内が減圧された状態で液相給気弁48を開くと、洗浄槽3内に貯留された液体中に均質に気体を導入することができる。
《排水手段10》
排水手段10は、洗浄槽3内の液体を、洗浄槽3の底部から排水路50を介して排出する。排水路50には、排水弁51が設けられている。洗浄槽3内に液体が貯留された状態で排水弁51を開くと、その液体を洗浄槽3外へ自然に排出することができる。なお、図示例では、前述した気水分離器34から洗浄槽3の液相部への配管40は、排水路50の内、洗浄槽3から排水弁51への中途に、接続されている。
《センサ11,12》
さらに、洗浄槽3には、洗浄槽3内の気相部の圧力を検出する圧力センサ11と、洗浄槽3内の液相部の温度を検出する液温センサ12とが設けられる。また、前述したとおり、所望により、圧力センサ11に代えてまたはこれに加えて、洗浄槽3内の気相部の温度を検出する温度センサが設けられる。
また、洗浄槽3には、液位検出器(図示省略)が設けられる。この液位検出器は、洗浄槽3内に設定液位まで液体が貯留されたか否か、洗浄槽3内の貯留液が排水されたか否か、洗浄槽3内に上限液位以上の液体が貯留されていないか否かを検出する。なお、洗浄槽3の側壁上部には、必要以上の貯留液を外部へあふれさせるオーバーフロー路52も設けられている。このオーバーフロー路52には、逆止弁53が設けられている。
《制御手段13》
制御手段13は、前記各センサ11,12の検出信号などに基づき、前記各手段4〜10を制御する制御器54である。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、電気ヒータ32、真空ポンプ37、熱交給水弁41、封水給水弁42、気相給気弁45、液相給気弁48、排水弁51の他、圧力センサ11、液温センサ12および液位検出器は、制御器54に接続されている。そして、制御器54は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、洗浄槽3内の被洗浄物2の洗浄や濯ぎなどを図る。
洗浄装置1は、以上のとおり構成されるが、このような洗浄装置1を用いた洗浄方法の一実施例について、以下に説明する。
図2は、本発明の洗浄方法の一実施例を示すフローチャートである。
ここでは、予洗工程S1、一以上の洗浄工程S2〜S3、一以上の濯ぎ工程S4〜S6、および液切り工程S7の内から選択された工程を順次に実行する。より具体的には、図示例の場合、予洗工程S1、第一洗浄工程S2、第二洗浄工程S3、第一濯ぎ工程S4、第二濯ぎ工程S5、第三濯ぎ工程S6、および液切り工程S7の内、選択された工程を順次に実行する。
これら工程の開始前に、洗浄槽3内には被洗浄物2が収容され、洗浄槽3の蓋15は気密に閉じられる。この際、被洗浄物2は、液相給気ノズル49より上方に配置され、所望により、網状のバスケットなどに入れられて洗浄槽3内に収容される。
ところで、予洗工程S1と洗浄工程S2〜S3とは実施可能な動作が共通しているので、予洗工程S1を洗浄工程S2〜S3の一種と捉えることもできる。また、洗浄工程S2〜S3と濯ぎ工程S4〜S6とは、洗浄槽3内に貯留される液体が洗浄液か濯ぎ液かの差にあるので、濯ぎ工程S4〜S6を洗浄工程S2〜S3の一種と捉えることもできる。さらに、洗浄工程S2〜S3や濯ぎ工程S4〜S6において、洗浄槽3内の液体の温度を高温にすることで、被洗浄物2の消毒を図ることもできるので、洗浄工程S2〜S3や濯ぎ工程S4〜S6には消毒工程を含むと捉えることもできる。
《予洗工程S1および各洗浄工程S2,S3》
予洗工程S1および各洗浄工程S2,S3では、液切り動作、給水動作、洗浄剤投入動作、加温動作、保温動作、冷却動作、復圧動作、および排水動作の内、選択された動作を順次に実行する。
〈液切り動作〉
液切り動作は、減圧手段7により洗浄槽3内を減圧する。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、気相給気弁45、液相給気弁48、排水弁51を閉じると共に、電気ヒータ32を停止した状態で、減圧手段7を作動させればよい。これにより、洗浄槽3内の気体を外部へ吸引排出して、洗浄槽3内を減圧することができる。
被洗浄物2が濡れている状況で、液切り動作として、被洗浄物2にある液体の飽和蒸気圧以下まで洗浄槽3内を減圧することで、被洗浄物2からの液切りを図ることができる。すなわち、以前になされた工程との関係で被洗浄物2が濡れている場合があるが、その場合には、液切り動作を実施することで、洗浄槽3内を減圧して、被洗浄物2からの液切りを図ることができる。
具体的には、液切り動作は、洗浄槽3内から液体が排出された後に行われ、洗浄槽3内を減圧することで、被洗浄物2から残留液の除去を図る。特に、被洗浄物2がチューブの場合や、被洗浄物2が袋穴を有する場合、洗浄槽3内から液体を排出しても、チューブ内や袋穴内に液体が残留するおそれがあるが、この液切り動作により、そのような残留液の除去を図ることができる。
たとえば、被洗浄物2がチューブの場合、洗浄槽3内が減圧されることで、チューブ内の残留液体を沸騰させ、チューブ内を蒸気で満たすことで、チューブ内からの洗浄液の除去を図ることができる。また、その後、洗浄槽3内を復圧することで、チューブ内へ空気を導入することができる。さらに、その復圧後、洗浄槽3内を再び減圧すれば、導入した空気を膨張させ、チューブ内の残液をさらにチューブ外へ押し出すことができる。つまり、洗浄槽3内を減圧後に復圧する操作は、一回に限らず複数回行ってもよい。
液切り動作は、洗浄槽3内の液体を入れ替える際や、洗浄または濯ぎ後に被洗浄物2を乾燥させる際に行うのが好ましい。後者の場合、後述する液切り工程における液切り動作となる。なお、液切り動作では、被洗浄物2からの液切りだけでなく、洗浄槽3内からの液切りも図られる。
洗浄槽3内の液体を排水した後、液切り動作を行うことで、チューブ内や袋穴内に残留していた液体を抜いて空気を満たすことで、次の液体を入れることができる。これにより、チューブ内や袋穴内の液体の入れ替えが確実になされる。また、チューブ内や袋穴内に空気が残留しても、後に説明するように洗浄槽3内は液体を貯留して、減圧後に復圧されるので、減圧することで空気を膨張させ、復圧することでチューブ内や袋穴内へ液体を入れることができる。そして、そのような液体の流動により、チューブ内や袋穴内の洗浄を図ることもできる。しかも、入れ替える前後の液体は、液切り動作を介在させることで、互いに混ざることも防止される。さらに、被洗浄物2を乾燥させる際に液切り動作を行うことで、被洗浄物2を迅速かつ確実に乾燥させることができる。
設定圧力まで洗浄槽3内を減圧するか、設定時間だけ洗浄槽3内を減圧するか、設定圧力まで洗浄槽3内を減圧して設定時間だけ保持するか、洗浄槽3内の減圧と復圧とを繰り返すかした後、減圧手段7の作動を停止する。そして、気相給気弁45を開けて洗浄槽3内を大気圧まで復圧して、液切り動作を終了する。
〈給水動作〉
給水動作は、給水手段4により洗浄槽3内へ水を供給する。具体的には、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、液相給気弁48、排水弁51を閉じる一方、気相給気弁45を開くと共に、電気ヒータ32および減圧手段7を停止した状態で、第一給水弁19を開けばよい。これにより、洗浄水が、洗浄槽3内へ供給される。この際、洗浄槽3内の空気は、気相給気路43を逆流して、洗浄槽3外へ排出される。
但し、給水動作では、気相給気弁45を閉じる代わりに、減圧手段7を作動させてもよい。洗浄槽3内を減圧しつつ給水することで、被洗浄物2がたとえばチューブの場合、チューブ内から空気を追い出すことができる。
いずれにしても、洗浄槽3内の設定水位まで洗浄水が供給されると、液位検出器がそれを検知して、第一給水弁19を閉じて、給水動作を終了する。減圧手段7を作動させていた場合、減圧手段7の作動を停止すると共に気相給気弁45を一気に開けることで、被洗浄物2がたとえばチューブの場合、チューブ内へ洗浄水を一気に流入させて、洗浄効果を高めることができる。但し、引き続いて洗浄剤投入動作を実施する場合には、減圧手段7の作動を洗浄剤投入動作の終了まで継続し、洗浄剤投入動作の終了時に、気相給気弁45を開けてもよい。
〈洗浄剤投入動作〉
洗浄剤投入動作は、給液手段5により洗浄槽3内へ洗浄剤を供給する。本実施例では、減圧手段7により洗浄槽3内を減圧後、第一給液手段22により洗浄槽3内へ洗浄剤を引き込むことで、洗浄槽3内の洗浄水に洗浄剤を混入して洗浄液とする。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、気相給気弁45、液相給気弁48、排水弁51を閉じると共に、電気ヒータ32を停止した状態で、減圧手段7を作動させて、洗浄槽3内を所望まで減圧した後、減圧手段7を停止させた状態で、第一給液弁26を開けばよい。
設定時間だけ第一給液弁26を開くなどして、所望量の洗浄剤を洗浄槽3内へ供給した後、第一給液弁26を閉じる一方、気相給気弁45または液相給気弁48を開けて、洗浄剤投入動作を終了する。被洗浄物2がチューブである場合や、被洗浄物2が袋穴を有している場合、気相給気弁45を開いて洗浄槽3内を復圧することで、チューブ内や袋穴内に液体を入れることができる。一方、液相給気弁48を開いて液相部に空気を入れる場合、洗浄槽3内の液体を揺らすことができ、これにより洗浄剤と洗浄水との混合を図り、短時間で洗浄剤を洗浄水中に均一に拡散させることができる。また、液相部へ供給された空気は、洗浄槽3内の液体中を上昇し、やがて気相部へ到達する。気相部の圧力が上昇することで、気相給気弁45を開いた場合と同様の作用効果を得ることができる。具体的には、被洗浄物2がたとえばチューブの場合、チューブ内に液体を入れることができる。
ところで、洗浄槽3内への洗浄剤の供給中に、洗浄槽3内の圧力を監視し、急な圧力上昇があった場合には、第一タンク24内の洗浄剤が空になるなどの理由で、洗浄槽3内に外気を導入したとして、その旨を報知するようにしてもよい。
〈加温動作〉
加温動作は、洗浄槽3内の液体が加温目標温度になるまで、洗浄槽3内の液体を加熱する。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、液相給気弁48、排水弁51を閉じた状態で、電気ヒータ32を作動させればよい。
加温動作中、減圧手段7を停止すると共に、気相給気弁45を開いた状態に維持する。あるいは、加温動作中、減圧手段7による減圧と、その後の気相給気手段8による復圧とを繰り返してもよい。このような制御を気相給気パルス制御ということにする。あるいは、加温動作中、減圧手段7による減圧と、その後の液相給気手段9による復圧とを繰り返してもよい。このような制御を液相給気パルス制御ということにする。
ところで、各給気パルス制御は、加温動作中に限らず、後述するように、保温動作中や冷却動作中にも、所望により実施可能である。但し、どの工程のどの動作で実施するかに応じて、いずれの給気パルス制御を用いるかや、各給気パルス制御に用いる目標圧力や目標温度などは適宜に変更される。また、各給気パルス制御は、それを併用する動作(たとえば加温動作)中には継続して実施してもよいが、その動作中の一時期においてのみ実施してもよい。
被洗浄物2がたとえばチューブの場合、気相給気パルス制御を行うことで、洗浄槽3内の減圧と復圧とにより、チューブ内の残留空気を膨張および圧縮し、チューブ内に液体を流動させて、チューブ内の洗浄を図ることができる。一方、被洗浄物2がたとえば鉗子の場合、蒸気や空気の溜まる箇所がないので、液相給気パルス制御を行うことで、洗浄槽3内の液体中に気体を吹き込んで、洗浄槽3内の液体を揺動させることにより、被洗浄物2の洗浄を図ることができる。
第一洗浄工程S2後に第二洗浄工程S3を行うなど、洗浄工程を複数回行う場合には、各洗浄工程における加温動作の内容を変えてもよい。たとえば、第二洗浄工程S3における加温目標温度は、第一洗浄工程S2における加温目標温度よりも高く設定してもよい。また、第一洗浄工程S2の加温動作では気相給気パルス制御を行い、第二洗浄工程S3の加温動作では液相給気パルス制御を行うようにしてもよい。
加温動作中、液温センサ12により洗浄槽3内の液体の温度を監視して、洗浄槽3内の液体が加温目標温度になれば、電気ヒータ32を停止させて加温動作を終了する。但し、引き続いて保温動作を実施する場合には、そのまま保温動作へ移行する。
〈保温動作〉
保温動作は、加温動作で洗浄槽3内の液体を加温目標温度まで昇温した後、その加温目標温度に液体を設定保温時間だけ保持する。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、排水弁51を閉じた状態で、液温センサ12による検出温度を加温目標温度に維持するように、電気ヒータ32への通電の有無または供給電力を制御すればよい。
保温動作中、減圧手段7を停止する。場合によっては、前述した液相給気パルス制御を行ってもよい。すなわち、気相給気弁45を閉じた状態で、減圧手段7による減圧と、その後の液相給気手段9による復圧とを繰り返してもよい。この液相給気パルス制御の作用効果の詳細については、後述する。
洗浄槽3内の液体が加温目標温度になってから設定保温時間経過すると、電気ヒータ32を停止して、保温動作を終了する。たとえば、被洗浄物2がチューブの場合、チューブ内の液温の上昇はチューブ外よりも遅れるが、保温動作を実行することで、チューブ内外の液温を一定に保持することができる。
〈冷却動作〉
冷却動作は、所定の終了条件を満たすまで、洗浄槽3内を減圧し、洗浄槽3内の液体を冷却する。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、液相給気弁48、排水弁51を閉じると共に、電気ヒータ32を停止した状態で、減圧手段7を作動させればよい。
前記終了条件としては、洗浄槽3内の液体が冷却目標温度になるまでとされる。但し、洗浄槽3内が設定圧力になるまでとしたり、設定時間が経過するまでとしたりしてもよい。
冷却動作中、気相給気パルス制御を行うのがよい。気相給気パルス制御を伴う冷却動作では、洗浄槽3内の液体を沸騰させ続けるように洗浄槽3内の減圧を継続し、この間、所定タイミングで、液体の沸騰が止むまで、洗浄槽3内を瞬時に一時的に復圧することが繰り返される。この復圧は、液体の沸騰が止む圧力までなされる。また、瞬時の復圧は、電磁弁からなる気相給気弁45を一気に開けることでなされる。この復圧時にも、減圧手段7は作動させたままでよい。気相給気弁45を開けて洗浄槽3内を復圧して、液体の沸騰を中断させた後は、気相給気弁45を再び閉じて、洗浄槽3内の減圧とそれによる液体の沸騰が図られる。
前記所定タイミングとしては、液温センサ12に基づき洗浄槽3内の液体の温度を監視して、その温度が所定温度ずつ下がるたびとされる。但し、圧力センサ11に基づき洗浄槽3内の圧力を監視して、その圧力が所定圧力ずつ下がるたびとしてもよい。あるいは、洗浄槽3内の気相部に温度センサを設け、この温度センサに基づき洗浄槽3内の気相部の温度を監視して、その温度が所定温度ずつ下がるたびとしてもよい。
このように、気相給気パルス制御を伴う冷却動作では、洗浄槽3内を減圧して液体を沸騰させ、この沸騰中に、洗浄槽3内を瞬時に一時的に復圧して、液体の沸騰を一気に止めることが繰り返される。従って、復圧時、それまでの沸騰により液中に生じていた水蒸気の気泡は、瞬時に凝縮することになる。この凝縮時の圧力波や圧力差で、洗浄槽3内の液体が攪拌および移送され、被洗浄物2の洗浄が図られる。また、被洗浄物2が管や穴を有する場合、洗浄槽3内の減圧により、被洗浄物2の管内や穴内には蒸気溜まりが生じるが、洗浄槽3内の復圧により、そのような蒸気溜まりが瞬時に消滅する。従って、被洗浄物2の管内や穴内に液体を激しく出入りさせることができ、それにより被洗浄物2の洗浄が図られる。
このような処理は、前記終了条件が満たされるまでなされる。典型的には、前述したとおり、洗浄槽3内の液体が冷却目標温度になるまで行われる。前記終了条件が満たされると、減圧手段7の作動を停止して、冷却動作を終了する。
ところで、冷却動作中、気相給気パルス制御に代えて液相給気パルス制御を行ってもよい。つまり、冷却動作中、気相給気弁45を閉じた状態に維持する代わりに、液相給気弁48を開閉して、液相給気パルス制御を行ってもよい。液相給気パルス制御を伴う冷却動作では、洗浄槽3内の液体を沸騰させるかその直前まで洗浄槽3内を減圧した状態で、液相給気弁48を開いて、被洗浄物2よりも下方から洗浄槽3内の液体中に気体を導入して、液体を沸騰させつつ被洗浄物2の洗浄が図られる。
すなわち、減圧手段7により洗浄槽3内の気相部の圧力を洗浄槽3内の液体の蒸気圧以下またはその直前まで下げた状態で、液相給気手段9により、被洗浄物2よりも下方から洗浄槽3内の液体中に気体を導入する。これにより、洗浄槽3内の液体を沸騰、しかも激しく沸騰させることができ、被洗浄物2の洗浄を図ることができる。なお、所定までの減圧と、その減圧により沸騰可能状態の液体中への気体導入による突沸の誘発とを、複数回行ってもよい。
洗浄槽3内の液体を沸騰可能状態とするには、基本的には、洗浄槽3内の気相部の圧力を洗浄槽3内の液体の蒸気圧以下とする必要がある。但し、実際には、洗浄槽3内の液体の蒸気圧よりわずかに高い圧力でも、液体の一部に過熱した部分が存在することで、液体中に気体を導入することによって沸騰が起こる場合がある。そこで、洗浄槽3内の気相部の圧力を洗浄槽3内の液体の蒸気圧以下または場合によりその直前まで下げた状態として、液体中に気体を導入すればよい。
第一洗浄工程S2後に第二洗浄工程S3を行うなど、洗浄工程を複数回行う場合には、各洗浄工程における減圧動作の内容を変えてもよい。たとえば、第二洗浄工程S3における冷却目標温度は、第一洗浄工程S2における冷却目標温度よりも高く設定してもよい。
〈復圧動作〉
復圧動作は、洗浄槽3内を復圧目標圧力まで復圧する。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、液相給気弁48、排水弁51を閉じると共に、電気ヒータ32および減圧手段7を停止した状態で、気相給気弁45を開けばよい。洗浄槽3内が復圧目標圧力まで復圧されると、復圧工程を終了する。
〈排水動作〉
排水動作は、洗浄槽3内の液体を排出する。具体的には、第一給水弁19、第二給水弁20、第一給液弁26、第二給液弁30、液相給気弁48を閉じる一方、気相給気弁45を開くと共に、電気ヒータ32および減圧手段7を停止した状態で、排水弁51を開けばよい。これにより、洗浄槽3内の液体が、洗浄槽3外へ排出される。洗浄槽3内の液体が完全に排出されたことを液位検出器で検知すると、排水弁51を閉じて、排水動作を終了する。
《各濯ぎ工程S4〜S6》
各濯ぎ工程S4〜S6では、液切り動作、給水動作、濯ぎ剤投入動作、加温動作、保温動作、減圧動作、復圧動作および排水動作の内、選択された動作を順次に実行する。この内、液切り動作、給水動作、加温動作、保温動作、減圧動作、復圧動作および排水動作は、上述した各洗浄工程S2〜S3におけるものと同様であるから、その説明を省略する。但し、濯ぎ工程S4〜S6における給水動作では、第一給水弁19に代えて第二給水弁20を開くことで、洗浄槽3内へは濯ぎ水が供給される。また、加温動作、保温動作および減圧動作において、給気パルス制御を行うか否か、給気パルス制御を行う場合には気相給気パルス制御と液相給気パルス制御との内のいずれを行うか、実行しようとする給気パルス制御をどのような圧力や温度で行うかなどは、各工程の各動作に応じて適宜に設定される。
〈濯ぎ剤投入動作〉
濯ぎ剤投入動作は、上述した各洗浄工程S2,S3における洗浄剤投入動作に対応するものであり、異なる点は、洗浄槽3内へ供給される液が、洗浄剤ではなく濯ぎ剤である点にある。つまり、洗浄工程S2〜S3における洗浄剤投入動作では、減圧手段7により洗浄槽3内を減圧後、第一給液弁26を開いて洗浄剤を洗浄槽3へ供給したが、濯ぎ工程S4〜S6における濯ぎ剤投入動作では、減圧手段7により洗浄槽3内を減圧後、第二給液弁30を開いて濯ぎ剤を洗浄槽3へ供給する。このようにして、洗浄槽3内へ濯ぎ剤を引き込むことで、洗浄槽3内の濯ぎ水に濯ぎ剤を混入して濯ぎ液とする。そして、設定時間だけ第二給液弁30を開くなどして、所望量の濯ぎ剤を洗浄槽3内へ供給した後、第二給液弁30を閉じる一方、気相給気弁45または液相給気弁48を開けて、濯ぎ剤投入動作を終了する。
《液切り工程S7》
液切り工程S7は、前記予洗工程S1、前記各洗浄工程S2〜S3および前記各濯ぎ工程S4〜S6における液切り動作およびその後の復圧動作に対応するものである。つまり、液切り工程S7における液切り動作は、洗浄工程S2〜S3などにおける液切り動作に相当し、液切り工程S7における復圧動作は、洗浄工程S2〜S3などにおける復圧動作に相当する。従って、液切り工程S7では、洗浄槽3内が空気で満たされた状態で、洗浄槽3内を減圧した後、洗浄槽3内を大気圧まで復圧する。
上述したとおり、予洗工程S1、第一洗浄工程S2、第二洗浄工程S3、第一濯ぎ工程S4、第二濯ぎ工程S5、第三濯ぎ工程S6および液切り工程S7の内、選択された工程を順次に実行する。たとえば、第一洗浄工程S2、第一濯ぎ工程S4および液切り工程S7を選択することで、洗浄工程、濯ぎ工程および液切り工程の三つを順次に実行する。そして、洗浄工程S2では、たとえば、給水動作、洗浄剤投入動作、加温動作、保温動作、冷却動作、復圧動作、排水動作が選択される。また、濯ぎ工程S4では、たとえば、液切り動作、給水動作、濯ぎ剤投入動作、加温動作、保温動作、冷却動作、復圧動作、排水動作が選択される。さらに、液切り動作S7では、液切り動作と復圧動作が選択される。
この場合、洗浄工程S2の給水動作と洗浄剤投入動作とにより、洗浄槽3内に洗浄液が貯留された後、加温動作および保温動作により、洗浄液が設定温度まで昇温されて保持された後、冷却動作がなされた後、復圧動作により洗浄槽3内を大気圧まで復圧して、排水動作により洗浄液を排出する。
その後、濯ぎ工程S4の液切り動作により、被洗浄物2からの残留液の液切りが図られる。そして、給水動作と濯ぎ剤投入動作とにより、洗浄槽3内に濯ぎ液が貯留された後、加温動作と保温動作とにより、濯ぎ液が設定温度まで昇温されて保持された後、冷却動作がなされた後、復圧動作により洗浄槽3内を大気圧まで復圧して、排水動作により濯ぎ液を排出する。
その後、液切り工程S7の液切り動作により、被洗浄物2からの残留液の液切りが図られる。最後に、復圧動作により、洗浄槽3内が大気圧まで復圧される。液切り工程S7の液切り動作により、被洗浄物2の液切りだけでなく、被洗浄物2の完全な乾燥を行ってもよい。あるいは、液切り工程S7の液切り動作後に、被洗浄物2を別の装置に移すなどして、被洗浄物2の乾燥を行ってもよい。
ところで、前記各工程S1〜S7において、減圧手段7を作動させる際、減圧当初は洗浄槽3内が空気で満たされているので、そのような段階から熱交換器35を機能させるのでは、熱交換器35における冷却用水に無駄を生じる。そこで、熱交給水弁41を閉じた状態で真空ポンプ37を作動させて洗浄槽3内の減圧を開始後、それに遅れる設定タイミングで熱交給水弁41を開くのが好ましい。
つまり、減圧開始当初は、洗浄槽3内から主として空気を抜くことになるので、熱交換器35において蒸気を凝縮させる必要性に乏しい。そこで、減圧開始当初は、熱交給水弁41を閉じておき、真空ポンプ37のみで減圧を図ればよい。その後、蒸気が吸引排出されるようになれば、熱交給水弁41を開いて、熱交換器35を機能させればよい。
熱交給水弁41を開くタイミングは、適宜に設定されるが、たとえば、減圧開始から設定時間が経過した時点、または、洗浄槽3内の圧力が設定圧力以下となった時点などとされる。また、洗浄槽3内の気相部の圧力または温度と、洗浄槽3内の液体の温度とに基づき設定してもよい。
洗浄槽3内の気相部の圧力または温度と、洗浄槽3内の液相部の温度とに基づき、熱交給水弁41を開くタイミングを決定できる理由について説明する。まず、減圧開始当初、洗浄槽3内の圧力は大気圧に近く、洗浄槽3内には空気が多い状況である。洗浄槽3内の減圧が進むに連れて、洗浄槽3内から空気が抜けていくことになる。さらに減圧が進み、洗浄槽3内の気相部の圧力が洗浄槽3内の液体の蒸気圧以下になると、洗浄槽3内の液体は沸騰し、その蒸気により洗浄槽3内はやがて蒸気で満たされる。ここで、前述したとおり、洗浄槽3内の気相部の圧力と温度とは所定の関係にある。また、洗浄槽3内の液体の蒸気圧は、その液体の温度に依存する。従って、洗浄槽3内の気相部の圧力または温度と、洗浄槽3内の液相部の温度とに基づき、沸騰開始点を予想できることになる。そこで、沸騰開始点を予想して、減圧開始後で沸騰開始前の所定タイミング、好ましくは沸騰開始点またはその直前に、熱交給水弁41を開けばよい。
従って、典型的には、熱交給水弁41を閉じた状態で真空ポンプ37を作動させて洗浄槽3内の減圧を開始後、(a)圧力センサ11の検出圧力を飽和圧力とする温度と、液温センサ12の検出温度との差が設定範囲内に入るか、(b)圧力センサ11の検出圧力と、液温センサ12の検出温度を飽和温度とする圧力との差が設定範囲内に入るか、(c)気相部の温度センサの検出温度と、液温センサ12の検出温度との差が設定範囲内に入ると、熱交給水弁41を開けばよい。
また、前記各工程S1〜S7において、減圧手段7を作動させた後は、洗浄槽3内の減圧に伴って貯留液が真空冷却されるので、液温が徐々に低下する。液温の変化に拘わらず熱交換器35への給水量を一定に保持していたのでは、給水量に無駄が生じる。そこで、減圧手段7により洗浄槽3内を減圧中、洗浄槽3内の洗浄液の温度低下に伴い熱交換器35への給水量を減少させるのがよい。
具体的には、熱交給水弁41を開度調整可能な弁から構成し、洗浄槽3内の液体の温度を液温センサ12で監視して、液温センサ12の検出温度に基づき熱交給水弁41の開度を調整すればよい。あるいは、熱交給水路に熱交給水ポンプを設け、洗浄槽3内の液体の温度を液温センサ12で監視して、液温センサ12の検出温度に基づき熱交給水ポンプをインバータ制御してもよい。
いずれの場合も、熱交換器35への給水を停止した状態で真空ポンプ37を作動させて洗浄槽3内の減圧を開始後、設定タイミングで熱交換器35への給水を開始した後は、洗浄槽3内の液体の温度低下に伴い熱交換器35への給水量を調整するのがよい。
ところで、給水系統の異常により、真空ポンプ37へ封水が供給されない状況が生じた場合に、それを検知できるのが好ましい。そのために、真空ポンプ37への封水給水路に圧力センサ(図示省略)を設置して、封水給水路内の圧力を監視すればよい。あるいは、真空ポンプ37への封水給水路にフローセンサ(図示省略)を設置して、封水給水路内の流れを監視すればよい。あるいは、真空ポンプ37やその下流に封水温度センサ(図示省略)を設置して、封水の温度を監視すればよい。これにより、真空ポンプ37へ封水が供給されているか否かを監視することができる。
また、洗浄槽3内を減圧中、何らかの事情により、洗浄槽3内の高温の液体が排気路33へ導出され続けると、真空ポンプ37に異常を来たすおそれがある。そこで、前記封水温度センサにより封水の温度を監視して、封水の温度が設定を超えると、減圧手段7を停止させるのがよい。これにより、真空ポンプ37の保護を図ることができる。
本発明の洗浄装置および洗浄方法は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、洗浄槽3内の液体に被洗浄物2を浸漬して洗浄または濯ぎを図った後、洗浄槽3内から液体を排出し、その後、洗浄槽3内を減圧することで被洗浄物2からの液切りを図る構成であれば、洗浄や濯ぎの具体的方法は適宜に変更可能である。従って、たとえば液相給気パルス制御を行わない場合には、液相給気手段9の設置を省略することができる。逆に、たとえば超音波洗浄を行おうとする場合には、超音波振動子をさらに設置することもできる。
さらに、デミスター38や熱交換器35の詰まりを監視するようにしてもよい。具体的には、洗浄槽3内の圧力と経過時間とに基づき、洗浄槽3内の減圧速度を監視し、この減圧速度が基準値以下となった場合には、その旨のお知らせを出すようにしてもよい。なお、気水分離器34は、容器39内を上部空間と下部空間とに仕切るようにデミスター38が設けられるが、その上部領域と下部領域との差圧を圧力スイッチで監視することで、デミスター38が詰まっているか否かを把握することができる。
1 洗浄装置
2 被洗浄物
3 洗浄槽
4 給水手段
5 給液手段
6 加熱手段
7 減圧手段
8 気相給気手段
9 液相給気手段
10 排水手段
11 圧力センサ
12 液温センサ
13 制御手段

Claims (4)

  1. 洗浄槽内の液体に被洗浄物を浸漬して洗浄または濯ぎを図った後、前記洗浄槽内から液体を排出し、その後、前記被洗浄物に残る液体の飽和蒸気圧以下まで前記洗浄槽内を減圧後、復圧し、再び減圧することで前記被洗浄物からの液切りを図り、
    前記被洗浄物の洗浄または濯ぎは、加熱手段により前記洗浄槽内の液体を設定温度まで加熱した後、減圧手段による前記洗浄槽内からの排気を継続して前記洗浄槽内の圧力を低下させる過程で、この減圧による前記洗浄槽内の液体の沸騰中に気相給気手段により前記洗浄槽内の気相部へ外気を導入して前記洗浄槽内を液体の沸騰が止むまで瞬時に一時的に復圧することを繰り返す動作を含む
    ことを特徴とする洗浄方法。
  2. 前記液切り後、前記洗浄槽内に再び液体を貯留して、前記被洗浄物の洗浄または濯ぎを図る
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 前記洗浄槽内への液体の貯留と、前記被洗浄物の洗浄または濯ぎと、前記洗浄槽内からの液体の排出と、前記被洗浄物からの液切りとを含むサイクルを、設定回数行う
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。
  4. 前記液切りにより、前記被洗浄物の乾燥を図るか、前記液切り後、前記被洗浄物の乾燥を図る
    ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の洗浄方法。
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