JP3355974B2 - 滅菌器の運転方法 - Google Patents

滅菌器の運転方法

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JP3355974B2 JP35802596A JP35802596A JP3355974B2 JP 3355974 B2 JP3355974 B2 JP 3355974B2 JP 35802596 A JP35802596 A JP 35802596A JP 35802596 A JP35802596 A JP 35802596A JP 3355974 B2 JP3355974 B2 JP 3355974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用品などを
菌するための滅菌器における運転方法の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、蒸気滅菌器は、被滅菌物を滅
菌槽内に密閉収容し、この滅菌槽内へ蒸気を送り込むこ
とによって加熱菌する装置である。この滅菌程に先
立つ前処理程として、前記滅菌槽とこれに収容した被
滅菌物を予熱する操作と、前記滅菌槽内真空吸引し、
この真空吸引中に前記滅菌槽内若干の蒸気を数回供給
して、被滅菌物内を含めて前記滅菌槽内の空気を排除す
る操作を行っている。前者の予熱は、滅菌工程時に送り
込まれる蒸気の凝縮量を抑制するためであり、後者の空
気の排除は、滅菌工程時に送り込まれる蒸気を被滅菌物
内部まで作用させ、確実な滅菌を行うめである。被滅
菌物を予熱するための構成としては、加熱用の蒸気ジャ
ケットを前記滅菌槽の外周に設けたり、電熱ヒータを
滅菌槽の外周や前記滅菌槽内に設けたりしている。
【0003】のような蒸気滅菌器において、前処理
程時の予熱は、前記蒸気ジャケットや前記電熱ヒータに
よる輻射伝熱と前記滅菌槽内における空気の自然対流
伝熱によるものである。そのため、患者用衣服や手術
衣などの被滅菌物をカストと呼ばれる滅菌用金属缶内に
納めて滅菌する場合、この被滅菌物の内部まで充分に予
熱するのは難しい。また、前記のように前処理程に
おいては空気を排除する際に蒸気を供給しているが、
滅菌槽内は減圧状態であるため、その蒸気温度は、減
圧状態に対応する飽和蒸気温度(たとえば、−0.8kg
/cm2Gでは約60℃である。)であり、供給される蒸
気の温度よりも低くなっている。そのため、前記滅菌槽
内の蒸気によって被加熱物が冷やされることになり、被
滅菌物の予熱には、長時間を要する。しかし、この予熱
が充分に行われないと、後の滅菌程において低温状態
の被滅菌物に蒸気が接触して凝縮し、前記カスト内の被
滅菌物が濡れた状態になったり、前記カスト内に凝縮水
が溜まるという問題が発生する。
【0004】そこで、一般には、滅菌程の後に、被滅
菌物を乾燥させるための後処理程を行するが、この
ように凝縮水が大量に生じると、後処理程に長い時間
が必要になる。しかも、後処理工程は、一般に水式真
空ポンプなどによって前記滅菌槽内の空気を排除して乾
燥する真空乾燥方式であるため、真空ラインの洩れなど
もあって長時間を要していた。すなわち、前記蒸気滅菌
器においては、前処理に長時間を要しており、この
前処理程の時間短縮が、蒸気滅菌器の効率的な運用
上、重要な課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明解決しよう
とする課題は、滅菌器の前処理時、滅菌槽のみなら
ず被滅菌物の内部まで短時間で昇温、しかも滅菌槽内
の空気の排除を短時間で行ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、滅菌槽内の被滅菌物を所定の温度に昇温するととも
に、前記滅菌槽内の空気の排除を行う前処理程を行っ
た後、滅菌程を行う滅菌器の運転方法であって前記
前処理程時、前記滅菌槽内蒸気を導入し、この蒸
導入を前記滅菌槽内が所定圧となるまで継続し、そ
の後蒸気を排出することによって前記滅菌槽内の空気を
排除し、これらの蒸気の導入と排出を前記滅菌槽内が大
気圧以上の状態で所定回数行うことを特徴としている。
【0007】請求項2に記載の発明は、前記前処理工程
おいて、前記滅菌槽内定圧力まで蒸気を導入した
後、この圧力を一定時間保持してから排出することを特
徴としている。
【0008】請求項3に記載の発明は、前記前処理工程
おいて、蒸気の導入および排出を複数回繰返し行う
ことを特徴としている。
【0009】求項4に記載の発明は、前記前処理工程
おいて、蒸気の導入および排出を複数回繰返し行う
際、各回の蒸気導入終了時の前記滅菌槽内の圧力が順次
増加するようにしたことを特徴としている。
【0010】請求項5に記載の発明は、前記前処理工程
において、蒸気の導入および排出を複数回繰り返し行う
際、各回の蒸気排出終了時の前記滅菌槽内の圧力が順次
増加するようにしたことを特徴としている。
【0011】請求項6に記載の発明は前記前処理工程
において、蒸気の導入および排出を複数回繰返し行う
際、各回の蒸気導入終了時の前記滅菌槽内の圧力が順次
増加し、かつ各の蒸気排出終了時の前記滅菌槽内の圧
力が順次増加するようにしたことを特徴としている。
【0012】求項7に記載の発明は、前記前処理工程
は、蒸気で前記滅菌槽内をパージすることにより空気を
排除する操作を含むことを特徴としている。
【0013】求項8に記載の発明は、前記前処理
に用いる蒸過熱蒸気であることを特徴としている。
【0014】さらに請求項9に記載の発明は、前記前
処理工程において、蒸気の排出時、蒸気を凝縮させなが
ら排出することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて説明する。この発明は、滅菌器の前処理程に適
用されるものである。この前処理程とは、滅程に
先立って、被滅菌物を内部まで均一に昇温するととも
に、被滅菌物内部を含めて滅菌槽内の空気を排除する
程であって、後続の各程を効率良く行うための程で
ある。すなわち、蒸気滅菌器の場合は、滅菌程で供給
される蒸気が被滅菌物の表面で凝縮するのを可能な限り
防止して、蒸気による所定の滅菌効果を確保し、かつ滅
程後の乾燥に要する時間を短縮する。また、ガス滅
菌器の場合は、被滅菌物および前記滅菌槽内を所定の温
度に保持することにより滅菌ガスによる所定の滅菌効
果を確保する。
【0016】まず、請求項1に記載の発明は、前処理
程において、前記滅菌槽内蒸気を導入し、そして排出
する操作を前記滅菌槽内が大気圧以上の状態で所定回数
行うことにより、前記滅菌槽および被滅菌物の予熱と
滅菌槽内の空気の排除とを行う。すなわち、前記滅菌
および被滅菌物の予熱は、前記滅菌槽内導入した蒸
気による直接的な加熱であるため、前記滅菌器における
前処理程の時間を短縮することができる。さらに、蒸
気は、空気よりも比重が小さく、両者の密度差が大きい
ため、蒸気と空気との混合が生じ難い。そこで、蒸気に
よって前記滅菌槽内の空気を押し出し、前記滅菌槽内を
蒸気で満たすことによって空気の排除を効率行う
ことができる。
【0017】したがって、蒸気滅菌器の場合には、滅菌
程時に被滅菌物の内部まで蒸気の熱を作用させること
ができるとともに滅菌程後の乾燥時間の短縮
ことができ、ガス滅菌器の場合には、被滅菌物の内部ま
で滅菌ガスを作用させることができる。ここで前記
菌槽内への蒸気の導入に際しては、流小さく制限し
て、前記滅菌槽内の空気との混合を抑制するのが好まし
い。
【0018】さらに、前記滅菌槽内導入する蒸気によ
って、前記滅菌槽をその耐圧扉を含めて直接予熱するこ
とができ、同時に被滅菌物も直接予熱することができる
から、蒸気ジャケットや電熱ヒータのような前記滅菌器
を大型化複雑化するような加熱手段を不要とし、前記
滅菌器の小型化軽量化を達成することができる
【0019】ここで、前記滅菌槽内導入する蒸気は、
高圧であるほどた高温であるほど大きな効果を発揮
するが、蒸気の圧力および温度は、被滅菌物の形状や材
質の他、この発明を適用する滅菌器の構造によって決定
する。たとえば、被滅菌物が加熱により変形や劣化を生
じるものである場合には、圧力や温度を比較的低く設定
する。
【0020】つぎに、請求項2に記載の発明は、蒸気の
導入に際して、前記滅菌槽内定圧力まで導入し、こ
の圧力を一定時間保持してから排出する。この操作によ
り、前記滅菌槽内の飽和蒸気温度は、ほぼ一定に維持さ
れるため、この間に前記滅菌槽内は所定の温度に予熱さ
れる。この場合、被滅菌物が、布帛などのようなもので
あっても、その内部まで蒸気が容易に浸透する。そのた
め、被滅菌物は、その内部まで均一に、しかも確実に予
熱される。さらに、被滅菌物の内部まで確実に予熱され
ると、被滅菌物の内部の空気が膨張し、この膨張により
被滅菌物からの分離が促進される。
【0021】つぎに、請求項3に記載の発明は、前処理
工程において、蒸気の導入および排出を複数回繰返し
行うことにより、蒸気の排出ごと前記滅菌槽内に残留
する空気を排除することができるため、最終的な空気の
残存量は、ごく少なくなる。
【0022】つぎに、請求項4に記載の発明は、蒸気の
入および排出を複数回繰返し行う場合、各回ごと
導入する蒸気の圧力を順次増加させることにより、蒸
の保有熱量を順次増加させる。この場合には、蒸気の導
ごとに被滅菌物への加熱度合が順次高まるため、被滅
菌物を効果的に昇温することができる
【0023】つぎに、請求項5に記載の発明は、蒸気の
入および排出を複数回繰返し行う場合、各排出時の
前記滅菌槽内の圧力を前回の排出終了時よりも順次高い
圧力とすることにより、前記滅菌槽内の温度の低下量を
少なくする。この場合には、蒸気の排出時に、被滅菌物
らの放熱を抑えることができ、これにより被滅菌物の
温度を連続的に上昇させることができるため、被滅菌物
の中心部まで均一に昇温することができる。
【0024】つぎに、請求項6に記載の発明は、蒸気の
入および排出を複数回繰返し行う場合、各回ごと
導入する蒸気の圧力を順次増加させ、かつ各回の排
了時の圧力を前回の排終了時よりも高くすることによ
、蒸気の導入ごとに被滅菌物への加熱度合を順次高
め、かつ前記滅菌槽内の飽和蒸気温度の低下量を少なく
する。これにより、被滅菌物からの放熱を抑えると同時
に、被滅菌物の温度を連続的に上昇させることができ
滅菌物の中心部まで均一に予熱することができる。
【0025】つぎに、請求項7に記載の発明は、前処理
時、蒸気で前記滅菌槽内をパージする操作を行うこ
とにより、前記滅菌槽内の空気の排除を行う。このパー
ジする操作は、前記滅菌槽蒸気を供給すると同時に、
排気管などを開放して排出するもので、前記滅菌槽内の
空気の排除を効果的に行う。すなわち、蒸気によって
滅菌槽内部の空気を置換するとともに、前記滅菌槽内
の空気との比重差を利用し、空気を押し出すように排除
する。この場合には、蒸気を前記滅菌槽の上方から導入
し、空気を前記滅菌槽の下方から排出する構成とする
と、この比重差を効果的に利用することができる。ま
た、この時、ディフューザなどの拡散手段を用いて、
滅菌槽全体にまんべんなく蒸気を供給することによ
り、空気を均一に押し出し、所要時間短縮する
【0026】つぎに、請求項8に記載の発明は、前処理
時、前記滅菌槽内導入する蒸気を過熱蒸気とす
る。過熱蒸気は、飽和蒸気に比べて凝縮し難く、発生す
るドレンの量が減少するほか、液滴分を蒸気として取り
むことができるため、滅菌へ移行する前に被滅菌
物に付着している水分を効率良く除去しつつ昇温するこ
とができる。そのため、前処理工程において、蒸気の導
入および排出を複数回繰返し行う場合には、この過熱
蒸気の排出ごとに、過熱蒸気内取り込んだ水分を前記
滅菌槽の外排出することができるため、被滅菌物の乾
燥の度合が高まる。
【0027】熱蒸気を得る手段としては、飽和蒸気を
さらに加熱したり、急激に減圧するなどの手段を利用す
る。たとえば、飽和蒸気を加熱する場合、前記滅菌器が
蒸気を使用するものの場合においては、前記滅菌器に元
来接続されている蒸気発生器からの蒸気と熱交換するこ
とによって加温する。この方法は、特に蒸気滅菌器にお
いて、既存の装置を利用することができる上で有効であ
るが、ガス滅菌器において前処理程や加湿程にお
いて蒸気を用いるものにも適用することができる。
【0028】また、前記蒸気発生器などからの蒸気を気
水分離器を通すことによって乾き度を向上させ、この状
態で減圧することにより過熱蒸気とすることも可能で
ある。この場合の減圧の手段としては、一般的な減圧弁
を使用する他、飽和蒸気を前記滅菌槽内へ導入する際、
前記滅菌槽内の圧力を飽和蒸気の圧力より低く設定して
おけば、この飽和蒸気が前記滅菌槽内流入した時点
急激に減圧されて過熱蒸気となる。
【0029】また、一部の滅菌器のように、前記滅菌槽
内の加熱(あるいは予熱)や蒸気の発生に電熱手段を使
用するものでは、この電熱手段の一部あるいは新たに
設置した電熱手段によって飽和蒸気を加熱する。この電
熱手段としては、一般的な電ヒータの他、誘導加熱
誘電加熱の原理を利用した加熱手段を含む。ここで、蒸
気滅菌器のように蒸気発生器を備えたものでも、過熱蒸
気の加熱に電熱手段を用いる場合や、逆に電熱手段を備
えた滅菌器であっても、過熱蒸気の加熱のために蒸気発
生器を設けてこの蒸気を使用する場合も含む。
【0030】さらに、請求項9に記載の発明は前記
菌槽から蒸気を排出する際、蒸気を凝縮させ、体積を減
少させながら凝縮水として排出することにより、前記
菌槽から短時間で効率良く排出する。蒸気を凝縮する手
段としては、周知のもの種々適用することができる
が、たとえば水などを冷却媒体とした熱交換器を利用す
る。また、蒸気(過熱蒸気も含む。)の吸引排出手段と
しては、周知の真空ポンプを利用することができるが、
前記滅菌器からは、蒸気だけでなく液滴分が排出される
ため、水封式真空ポンプや流体圧を利用したエゼクタ形
式の真空ポンプ(たとえば、ジェットポンプ)を用いる
のが好ましい。この際、使用水量の点からは、水封式真
空ポンプが有利であるが、ジェットポンプを利用し、作
動のための流体として水を選択した場合には、冷却装置
と兼用することができる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。ここで、図1は、この発明に係る
滅菌器の運転方法における蒸気の供給パターンの第一実
施例を説明するための図面であり、図2は、この発明に
係る滅菌器の運転方法を適用する蒸気滅菌器の一例を示
す説明図である。
【0032】まず、この発明を適用する蒸気滅菌器の一
例について、図2を参照しながら、説明する。図2にお
いて、被滅菌物を収容するための滅菌槽1は、耐圧扉
(図示省略)を設けた被滅菌物の出入口があり、この耐
圧扉を閉じることで前記滅菌槽1内を完全に密閉するこ
とができるようになっている
【0033】前記滅菌槽1には、前処理程や滅菌
などに使用する蒸気が通る第一給蒸ライン3を接続して
ある。ここで、給蒸とは、蒸気の供給のことを指す。こ
の第一給蒸ライン3には、蒸気の流れ方向上流側から順
に気水分離器4,第一給蒸弁5および圧力調整のための
給蒸圧調整弁6を設けてある。さらに、前記第一給蒸ラ
イン3における前記給蒸圧調整弁6の下流側には、過熱
蒸気供給弁7および飽和蒸気供給弁8を並列に設け、そ
の下流には蒸気加熱用の熱交換器9を設けてある。こ
こで、前記気水分離器4は、前記第一給蒸ライン3から
の蒸気の乾き度を高めて、前記滅菌槽1効率的に熱を
供給するためのものであり、前記滅菌槽1や前記熱交換
器9内での凝縮水(ドレン)の発生を抑制する。また、
前記過熱蒸気供給弁7を通過する蒸気流量は、前記飽和
蒸気供給弁8を通過する蒸気流量よりも少量に設定して
ある。
【0034】また前記滅菌槽1には、一端に空気フィ
ルタ12を備えた給気ライン13を接続してあり、この
給気ライン13の途中には給気弁14を設けてある。
【0035】前記熱交換器9には、前記第一給蒸ライン
3から分岐する第三給蒸ライン15を接続してある。こ
の第三給蒸ライン15の途中に設けた第三給蒸弁16の
開閉制御によって、蒸気の供給を制御する。前記第三給
蒸ライン15からの蒸気は、前記熱交換器9内におい
て、前記第一給蒸ライン3内の蒸気を加熱した後、第一
ドレンライン17を介して排出される。この第一ドレン
ライン17の途中には、第一スチームトラップ19を
け、ドレンのみを排出するようにしている
【0036】出ライン18は、その上流端を前記滅菌
槽1に接続してあり、またその途中に冷却装置20を
てある。この冷却装置20は、この実施例では冷却液
を一方の熱媒体とする熱交換器として例示するもので、
途中に冷却弁24を備えた冷却液供給ライン25と排水
ライン26とを接続してある。この排水ライン26は
前記排出ライン18と合流させてもよい。
【0037】前記排出ライン18は、前記冷却装置20
の下流側で、真空ライン21,排気ライン22および第
二ドレンライン23の3系統に分岐する。前記真空ライ
ン21には真空制御弁27および真空ポンプ28を
前記排気ライン22には排気弁29を設け、第二
ドレンライン23には第二スチームトラップ30を
てある。
【0038】また、前記気水分離器4には、第三ドレン
ライン31を接続してある。この第三ドレンライン31
の途中には、第三スチームトラップ33を設けてある
【0039】さらに、図示する実施例においては、前記
蒸気滅菌器の運転を制御する制御装置40を設けてあ
り、この制御装置40は、予め設定された手順に基づ
き、前記蒸気滅菌器の運転状態を監視する検出手段から
の信号に応じて、前記真空ポンプ28や前記各弁を適切
に制御する。ここで、図示する実施例では、前記検出手
段として、前記滅菌槽1内の圧力を監視する圧力検出手
段41や、前記滅菌槽1内の温度を前記排出ライン18
の温度に基づいて監視する温度検出手段42を例示して
いる。
【0040】以上の構成において、前記滅菌槽1に被滅
菌物を搬入後、つぎの手順にしたがって滅菌作業を行
う。ここで、以下の説明において、前記各弁はその動作
を明記してなければ基本的に閉じているものとする。ま
た、前記滅菌槽1内の圧力の変化は、図1を参照しなが
ら説明する。
【0041】ここで、前記滅菌槽1内導入する蒸
は、高圧であるほど,また高温であるほどより大きな効
果を発揮するが、蒸気の圧力および温度は、被滅菌物の
形状や材質の他、この発明を適用する蒸気滅菌器の構造
によって決定する。すなわち、被滅菌物が加熱により変
形や劣化を生じる場合には、温度を比較的低く設定す
る。既存の蒸気滅菌器に適用する場合には、蒸気滅菌器
の耐圧限界を考慮してその圧力を決定するが、一般的な
蒸気滅菌器ではその耐圧がおおよそ2.5kg/cm2
であるため、蒸気の圧力は2.2kg/cm2G程度とす
る。一方、既存の蒸気滅菌器に適用するのではなく、新
規に製造するものに適用する場合には、このような制限
にはとらわれない。また、滅菌程で供給する飽和蒸気
の圧力も同様である。以下の実施例では、過熱蒸気お
び飽和蒸気は、前記滅菌槽1内同じ設定圧力まで供給
するものとして説明する
【0042】前記蒸気滅菌器は、冷態起動時(その日の
最初の蒸気滅菌器の起動時あるいは同日であっても時
間の経過により前記滅菌槽1が冷えている状態での起動
時)、暖工程行う。すなわち、前記第一給蒸弁5お
よび前記飽和蒸気供給弁8を開放し、蒸気発生器(図示
省略)から蒸気を前記第一給蒸ライン3を介して、前
記滅菌槽1供給する。ここで、前記耐圧扉閉鎖して
いるものとする。
【0043】前記第一給蒸ライン3を流れる蒸気(飽和
蒸気)は、前記気水分離器4によって液滴分(飽和水や
凝縮水など)が除去されて乾き度が向上している。そし
て、前記第一給蒸ライン3内の蒸気は、前記給蒸圧調整
弁6で所定圧力(たとえば、2.2kg/cm2G)に調整
された後、前記滅菌槽1内流入し、前記滅菌槽1お
前記耐圧扉を内側から加熱する。そして、前記滅菌槽
1を加熱した蒸気は、ドレンとして、前記第二ドレンラ
イン23から排出される。以上の操作により、前記滅菌
槽1は、前記耐圧扉を含めて全体が予熱される。この
際、前記気水分離器4で分離された液滴分は、前記第三
ドレンライン31を介して排出される。
【0044】この後、前記飽和蒸気供給弁8を閉じ、
排気弁29を開くことにより、前記排気ライン22か
ら蒸気を排出し、前記滅菌槽1内を大気圧の状態とす
る。このとき、前記第三給蒸弁16を開放し、蒸気を
第三給蒸ライン15から前記熱交換器9供給するこ
とにより、前記第一給蒸ライン3を流れる蒸気を加熱
し、前記滅菌槽1内過熱蒸気を供給するようにしても
よい。これによって、前記滅菌槽1内に生じるドレン量
を減少させることができる。
【0045】以上の暖気程は、冷態起動時には実行す
るのが好ましいが、連続した滅菌作業時には省略するこ
とができる。すなわち、前記滅菌槽1が冷えた状態であ
ると、前処理程以降において、蒸気の凝縮量が多いた
めである。
【0046】つぎに、前処理程を行うが、このとき
前記滅菌槽1は暖気工程により所定の温度に昇温してい
る。また、前記気水分離器4により、前記熱交換器9
は高乾き度の飽和蒸気が供給されている。この状態で、
前記第三給蒸弁16を開放して前記第三給蒸ライン15
から前記熱交換器9への給蒸を開始する。前記熱交換器
9内供給される蒸気は、前記第一給蒸ライン3内の蒸
気(飽和蒸気)を加熱するのに用いられる。
【0047】そして、前記過熱蒸気供給弁7および前記
排気弁29を開放すると、前記第一給蒸ライン3内の蒸
気は、前記滅菌槽1向けて流れ、その途中の前記熱交
換器9において加熱されて過熱蒸気となる。この過熱蒸
気は、前記滅菌槽1内流入すると減圧されて膨張
し、さらに過熱度が高まる。蒸気を過熱蒸気として前記
滅菌槽1内導入することにより、前記滅菌槽1内の空
気は、前記排出ライン18へ向けて押し出され、前記
出ライン18から前記排気ライン22を経て排除され
る。このように、過熱蒸気を前記滅菌槽1内導入し、
そのまま排出する,いわゆるパージ操作を行うことによ
り、比重の大きい空気は、比重の小さい過熱蒸気によっ
て上方から下方に押し込まれるようにして、前記排出ラ
イン18から排除される。同時に、この過熱蒸気自体の
保有熱により、前記滅菌槽1および前記耐圧扉が内側か
ら加熱され、被滅菌物も加熱される。
【0048】また、被滅菌物の加熱により、被滅菌物内
に残留する空気が膨張するため、被滅菌物からの分離が
促進され、分離した空気は過熱蒸気によって押し出さ
れ、前記排出ライン18から排除される。ここで、前記
のように、前記過熱蒸気供給弁7を通過する蒸気流量を
前記飽和蒸気供給弁8を通過する蒸気流量よりも少なく
設定してあるため、前記滅菌槽1内流入する過熱蒸気
前記滅菌槽1内に残留する空気を攪拌するのを抑制
し、空気の排除を効果的に行うことができる。
【0049】以上のパージ操作を一定時間行った後、
排気弁29を閉じると、前記滅菌槽1内の圧力は、過
熱蒸気の導入とともに図1に示すように上昇する。過熱
蒸気の供給は、前記滅菌槽1内が所定圧力となるまで継
続し、この圧力に到達した時点で、前記排気弁29を開
放し、過熱蒸気の排出を行う。この排出の際には、前記
滅菌槽1に残留する空気が再び過熱蒸気によって押し
出されるようにして排除される。そして、前記滅菌槽1
内部の過熱蒸気をほとんど排出して圧力がほぼ大気圧ま
で低下すると、前記排気弁29を閉じ、前と同様の手
順で過熱蒸気の導入および排出を行う。
【0050】この過熱蒸気の導入と排出の繰返しによ
り、前記滅菌槽1内および被滅菌物内に取込まれてい
る空気の排除を行う。この過熱蒸気の導入および排出
交互に数回繰り返し行うことで、被滅菌物中に含まれる
空気まで分に排除し、後の滅菌程における蒸気の加
熱むらなどを軽減することができる
【0051】また、前処理程において、過熱蒸気の導
入および排出を複数回繰返し行うことにより、過熱蒸
気の排出ごとに、過熱蒸気内に取り込んだ水分を前記
菌槽1の外排出することができる。そのため、被滅菌
物の乾燥の度合を高めることができ、これによっても被
滅菌物の内部まで予熱する作用を促進することができ
る。また、過熱蒸気の導入および排出は、前記過熱蒸気
供給弁7および前記排気弁29の開閉操作のみによって
行うことができるため、従来のような空気を排出するた
めの真空吸引手段が不要になる。さらに、この前処理
程における過熱蒸気の排出に際して、前記冷却弁24を
開放して前記冷却装置20冷却液を供給し、前記冷却
装置20によって、前記排出ライン18流入した過熱
蒸気を急速に凝縮させることにより、排出時間をさらに
短縮することができる
【0052】ここで、前処理程における空気の排除操
作について、この明を適用した蒸気滅菌器と、従来の
水封式真空ポンプを使用した一般的な蒸気滅菌器とで、
前記滅菌槽1内の空気を同レベルまで排除するのに要す
る時間を計測すると、前者では7分であり、後者では1
5分であった。また、布帛などの被滅菌物をカスト内に
収容したものを用いて、被滅菌物の中心部の温度が15
0℃となるまでに要する時間を計測すると、前者では
であり、後者では15分であった。このとき、この
明を適用した蒸気滅菌器は、圧力2.2kg/cm2G,
温度145℃の過熱蒸気を供給した。
【0053】このことは、前処理程を1/2以下に短
縮できることを意味し、従来のように滅菌作業ごと
熱のための操作と空気排除のための操作を独立して設
ける必要もいため、前処理程はさらに時間を短縮
ることができ、滅菌作業体の時間を大幅に短縮するこ
とができる。また、滅菌程時に供給される蒸気の熱
が、残留空気によって妨げられることく、確実に被滅
菌物に伝達される。また、前処理程を前記時間よりも
若干長くすることにより、空気の残存率がさらに低下
るため、滅菌程時に供給される蒸気の熱が残留する
空気によって被滅菌物作用するのを阻害されることが
なく、被滅菌物全体を均一に加熱し、滅菌することがで
きる。
【0054】以上のように、前記滅菌槽1内へ過熱蒸気
を導入することにより、その比重差を利用して前記滅菌
槽1内の空気を排除し、被滅菌物を直接的に加熱するこ
とによって予熱を行うことができる。さらに、過熱蒸気
からの熱により、被滅菌物に付着していた水滴(凝縮
水)が過熱蒸気内蒸気として取り込まれ、この状態で
過熱蒸気とともに排出される。しかも、この予熱は、従
来の蒸気滅菌器のように、蒸気ジャケットによる前記
菌槽1の内壁からの輻射熱に頼るものではなく、過熱蒸
気による直接的な加熱であるため、滅菌へ移行する
前に被滅菌物を効率良く昇温することができる。したが
って、前記蒸気滅菌器における前処理程の時間を短縮
することができ、さらに蒸気滅菌器の場合には、滅菌
、被滅菌物の内部まで蒸気の熱を作用させることが
できるとともに後処理程における乾燥時間短縮
ることができる。
【0055】以上の操作により、被滅菌物および前記
菌槽1内を予熱し、前記滅菌槽1内の空気を排除する
処理工程が終了し、次程の滅菌程においては過熱
蒸気にえて飽和蒸気を導入する。この切替えは、滅菌
程の開始時、前処理程に引き続いて過熱蒸気を供給
し、前記滅菌槽1内の圧力が前記滅菌程の設定圧力よ
り若干低い段階で、前記過熱蒸気供給弁7を閉じ、前記
飽和蒸気供給弁8を開放することによって行う。この
えにより、前記滅菌槽1内の蒸気温度を所定の滅菌温
度まで上昇させる時間を短縮することができる。この
前記熱交換器9への蒸気の供給は、前記第三給蒸弁
16を閉ることにより停止しておく。ここで前記構
においては、前処理程終了時に前記滅菌槽1内の過
熱蒸気を排出した後であれば、飽和蒸気の供給を開始す
ることができ、また滅菌に過熱蒸気を使用する特殊な場
合には、飽和蒸気の供給替えることく、そのま
ま過熱蒸気を供給する。
【0056】そして前記温度検出手段42により検出
された前記滅菌槽1内温度が、前記設定圧力に対応す
る飽和蒸気温度となれば、滅菌時間の計測を開始し、こ
の状態を滅菌処理に必要な時間保持する。この滅菌
において、被滅菌物は、前処理程において分に加熱
されているため、前記第一給蒸ライン3から供給される
飽和蒸気が被滅菌物の表面に接して凝縮することはな
く、水滴の発生が防止される。そのため、被滅菌物の内
部まで蒸気の熱を作用させることができ、滅菌効果が確
実なものとなる。
【0057】滅菌程に続く後処理程においては、
飽和蒸気供給弁8を閉じることにより、前記滅菌槽1
への飽和蒸気の供給を停止し、前記冷却装置20を作動
させるとともに、前記真空ポンプ28を作動させ。そ
して、前記排気弁29を開放し、前記滅菌槽1内の飽和
蒸気を排出する。この際、飽和蒸気は、前記冷却装置2
0によって急速に凝縮し、その体積が大幅に減少するた
め、前記排気ライン22から効率良く、即座に排出され
る。
【0058】そして、前記滅菌槽1内の圧力が大気圧に
近づけば、前記排気弁29を閉じ、前記真空制御弁27
を開く。すると、前記滅菌槽1内に残留する飽和蒸気
は、前記真空ポンプ28の真空吸引によってさらに排出
され、このとき前記滅菌槽1内発生したドレンも同様
に吸引除去される。さらに、前記冷却装置20の作用に
より、前記滅菌槽1からの蒸気(過熱蒸気を含む。)を
凝縮しながら排出する。この後処理程では、前記の
うに滅菌程において被滅菌物への水滴の付着が防止
され、被滅菌物濡れが少ないため、後処理程の時間
短縮することができる。
【0059】以上の蒸気の供給状態は、前記蒸気滅菌器
設けられている前記圧力検出手段41や前記温度検出
手段42によって検出するが、これらとは別個に過熱蒸
気の供給配管に検出手段を取り付けて検出することも可
能である。そして、この検出結果に基づいて所定の供給
状態となるように、前記各弁や前記真空ポンプ28を制
御する。また、前記滅菌槽1内蒸気を導入した後、こ
の状態を保持する時間は、前記制御装置40に適宜のタ
イマ手段(図示省略)を付設したり、前記制御装置40
自体に組込むことによって設定する。
【0060】処理程が終了すれば、前記給気弁14
を開いて、前記滅菌槽1前記空気フィルタ12を介
して外部と通じさせ、大気圧と同圧にする。この後、
耐圧扉を開いて被滅菌物を取り出し、全程が終了す
。ここで、前記蒸気滅菌器の運転を継続する場合に
は、前処理程以降の操作を繰り返すが、この時点で
記蒸気滅菌器の運転を終了する場合には、前記第一給蒸
弁5,前記第三給蒸弁16などの各弁を閉る。
【0061】以上のように、前記構成によれば、被滅菌
物の予熱を確実に行うことができ、前処理工程の短縮化
を図ることができる。これにより、後の工程での水滴の
付着を防止することができることから、後処理工程の時
間を短縮することができ、一連の滅菌作業全体の時間を
短縮することができる。
【0062】以上の説明においては、前処理程時に
滅菌槽1内導入する過熱蒸気の圧力は全て、同じ所
定圧力に到達した時点で排出しているが、図1に二点鎖
線で示すように、過熱蒸気を所定圧力まで導入した後、
この所定圧力を一定時間保持してもよい。この場合に
は、過熱蒸気が被滅菌物(特に布帛などのような被滅菌
物の場合)の内部確実に、しかも均一に浸透すること
になり、被滅菌物の内部まで昇温することができるとと
もに、被滅菌物の内部に残留する空気も確実に排除する
ことができる。
【0063】つぎに、この発明の第二実施例について、
図3を参照しながら説明する。図3に示すように、前処
程において過熱蒸気の導入および排出を複数回繰
返し行う場合、過熱蒸気の排時には、前記滅菌槽1
内の圧力を前回の排終了時の圧力よりも順次高い圧力
とする。これにより、前記滅菌槽1内の温度の低下量を
少なくして被滅菌物からの放熱を抑え、被滅菌物の温度
を連続的に上昇させる ことができるため、被滅菌物の中
心部まで均一に昇温することができる。すなわち、前記
滅菌槽1内の圧力が大気圧となるまで排出を行うと、
滅菌槽1内の蒸気温度は、大気圧下の飽和蒸気温度
(略100℃)まで下がってしまう。そのため、被滅菌
物の表面温度は、過熱蒸気によって上昇させたとして
も、ふたたび前記飽和蒸気温度まで低下することになる
(2kg/cm2Gの飽和蒸気温度は、約133℃)。被滅
菌物内部の温度変化は、表面温度に遅れて生じるため、
このように表面側が冷やされると、内部の温度の上昇度
合は増加しない。そこで、図3に示すように、第1回目
の過熱蒸気の排出に際して、大気圧まで排出せず、それ
より若干高い圧力で中断し、即座につぎの過熱蒸気の導
入を行い、以下、順次、過熱蒸気の排時には、前記
菌槽1内の圧力を前回の排終了時の圧力よりも順次高
い圧力とする。これにより、被滅菌物の表面温度は、図
3に点線で示すように、過熱蒸気の導入および排出操作
に若干遅れるがほぼ同期して上昇下降、被滅菌物
の中心温度は、図3に二点鎖線で示すように、過熱蒸気
の排終了時の圧力の上昇に対応して、低下すること
く上昇し続ける。したがって、一番温度の上昇し難い被
滅菌物の中心部まで、確実に昇温することができる。
【0064】また、図3に示すように、前処理程にお
いて過熱蒸気の導入および排出を複数回繰返し行う場
合、各回ごとに導入する過熱蒸気の圧力を順次増加させ
ることにより、過熱蒸気の保有熱量を順次増加させても
よい。この場合には、過熱蒸気の導入ごとに被滅菌物へ
の加熱度合が順次高まるため、被滅菌物を効果的に昇温
することができ、また各ごとの導入開始から終了まで
の時間を短縮することができるため、全体として前処理
程の時間を短縮することができる。
【0065】以上のように、前記構成によれば、前処理
程の時間を短縮することができ、さらに蒸気滅菌器の
場合には、滅菌程時の蒸気を被滅菌物の内部まで作用
させることができるとともに、後処理程での乾燥時間
短縮することができ、ガス滅菌器の場合には、滅菌
程時に被滅菌物の内部まで滅菌ガスを作用させることが
できる。
【0066】さらに、前記構成によれば、前処理程に
おける被滅菌物の予熱に際しては、蒸気ジャケットのよ
うな加熱手段が不要である。ただし、暖程後の待機
時や滅菌程後の後処理工程において、予熱後の前記
菌槽1からの放熱を防止し、温度持するのが熱効率
上好ましい。そのため、図2に示す蒸気滅菌器において
は、温度維持用の加熱管2を設けてある。この加熱管2
前記滅菌槽の温度維持(保温)を目的とするもの
であるから、前記滅菌槽1全体を取り囲む蒸気ジャケッ
トのように、大がかりで嵩高いものとする必要はない。
具体的に、図2を参照しながら説明すると、以下のとお
りである。
【0067】前記加熱管2は、前記滅菌槽1の周囲を取
り囲むように配置してある。前記加熱管2の上流端
は、前記第一給蒸ライン3における前記給蒸圧調整弁6
の下流から分岐する第二給蒸ライン10を接続してあ
る。この第二給蒸ライン10の途中には、第二給蒸弁1
1を設けてある。さらに、前記加熱管2の下流端
四ドレンライン32を接続してある。この第四ドレン
ライン32の途中には、第四スチームトラップ34を
てある。前記加熱管2への蒸気の供給は、暖程時
前記第二給蒸弁11を開放することにより、前記第二
給蒸ライン10を介して行われる。蒸気は、前記加熱管
2を流通して前記滅菌槽1を加熱した後、ドレンとして
前記第四ドレンライン32から排出される。そして、暖
程以降においても、前記第二給蒸弁11をそのまま
開として、前記加熱管2内に蒸気を流通させた状態を維
持し、前記滅菌槽1を所定の温度に維持するための保温
手段として機能させる。
【0068】以上のような運転方法は、図2に示す蒸気
滅菌器の他、たとえば蒸気ジャケットを備えた一般的な
蒸気滅菌器においても適することができることは云う
までもない。このような蒸気ジャケットを備えた蒸気
菌器に適用する場合には、前記蒸気ジャケットへの給蒸
は、前記加熱管2と同様に行う。すなわち、冷態起動時
などの暖気程時には、前記滅菌槽1と同時に前記蒸気
ジャケット給蒸する。そして、暖程以降も、その
まま前記蒸気ジャケット内に蒸気を流通させた状態を維
持し、前記滅菌槽を所定の温度に維持する。この場合
前記蒸気ジャケットは、被滅菌物の予熱のための加熱
手段としてではなく、前記滅菌槽の温度維持のための
保温手段としての機能させているため、供給する蒸気の
量が大幅に少なくなる。
【0069】
【発明の効果】求項1に記載の発明によれば、大気圧
以上の状態で蒸気によって滅菌槽および被滅菌物を直接
的に加熱することができるため、これらの予熱を短時間
で行うことができ、しかも蒸気と空気との比重差を利用
して、蒸気によって空気を押し出すよう排除すること
できるから、空気の排除を効率く短時間で行うこと
ができる。さらに、蒸気の熱によって前記滅菌槽内の空
気が膨張するため、空気の排除と、被滅菌物からの空気
の分離が促進され、被滅菌物の内部に滞留する空気まで
確実に排除することができる。したがって、前処理
の時間短縮することができるとともに前記滅菌槽や
被滅菌物を確実に予熱し、前記滅菌槽内の空気を確実に
排除することができるため、滅菌程における滅菌効果
を高めることができる。
【0070】また前記滅菌槽内導入する蒸気によっ
て、前記滅菌槽をその耐圧扉を含めて直接予熱すること
ができ、同時に被滅菌物も直接予熱することができるか
ら、蒸気ジャケットや電熱ヒータのような滅菌器の構造
を大型化複雑化するような加熱手段を不要とし、滅菌
器の小型化軽量化を達成することができる
【0071】また、請求項2に記載の発明によれば、蒸
気が被滅菌物の内部にまで均一に、しかも確実に浸透
し、前記滅菌槽内および被滅菌物内の空気を膨張させな
がら分離することができる。
【0072】また、請求項3に記載の発明によれば、
滅菌槽内の残存空気量をごく低レベルまで低減するこ
とができる。
【0073】また、請求項4に記載の発明によれば、蒸
気の導入ごとに被滅菌物への加熱度合を順次高め、被滅
菌物を効果的に昇温することができ、また各ごとの導
入開始から終了までの時間を短縮することができるた
め、全体として前処理程の時間を短縮することができ
る。
【0074】また、請求項5に記載の発明によれば、
滅菌槽内の飽和蒸気温度の低下量を少なくして被滅菌
物からの放熱を抑え、被滅菌物の温度を連続的に上昇
せることができ、これにより被滅菌物の中心部まで均一
に予熱することができる。
【0075】また、請求項6に記載の発明によれば、蒸
気の導入ごとに被滅菌物への加熱度合を順次高め、かつ
前記滅菌槽内の飽和蒸気温度の低下量を少なくすること
により、被滅菌物からの放熱を抑えると同時に、被滅菌
物の温度を連続的に上昇させることができ、これにより
被滅菌物の中心部まで均一に予熱することができる。
【0076】また、請求項7に記載の発明によれば、前
処理程時に前記滅菌槽を蒸気でパージする操作を加え
ることにより、空気の排除を短時間で行うことができ
る。
【0077】また、請求項8に記載の発明によれば、過
熱蒸気を用いることにより、蒸気の熱量が増大するた
予熱を効果的に行うことができるとともに、空気と
の比重差が大きくなって空気の排除効果的に行うこと
ができる。また、過熱蒸気を用いることにより、前記
菌槽内での蒸気の凝縮を抑制し、被滅菌物に付着してい
る水分を過熱蒸気内へ蒸気として取り込んで、効率良く
除去しつつ昇温することができる。また、水分は過熱蒸
気内へ取り込まれた状態で前記滅菌槽の外排出され
ため、被滅菌物の乾燥の度合を高めることができる。
【0078】さらに、請求項9に記載の発明によれば、
前記滅菌槽から蒸気を排出する際、蒸気を凝縮させ、体
積を減少させながら凝縮水として排出することにより、
前記滅菌槽から短時間で効率良く排出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る滅菌器の運転方法における蒸
の供給パターンの第一実施例を説明するための図面であ
る。
【図2】この発明に係る滅菌器の運転方法を適用する蒸
気滅菌器の一例を示す説明図である。
【図3】この発明に係る滅菌器の運転方法における蒸
の供給パターンの第二実施例を説明するための図面であ
る。
【符号の説明】
1 滅菌槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−83351(JP,A) 特開 昭62−84765(JP,A) 特公 昭64−3503(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 2/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滅菌槽1内の被滅菌物を所定の温度に昇
    温するとともに、前記滅菌槽1内の空気の排除を行う
    処理程を行った後、滅菌程を行う滅菌器の運転方法
    であって前記前処理程時、前記滅菌槽1内蒸気を
    導入し、この蒸気の導入を前記滅菌槽1内が所定圧
    なるまで継続し、その後蒸気を排出することによって
    記滅菌槽1内の空気を排除し、これらの蒸気の導入と排
    出を前記滅菌槽1内が大気圧以上の状態で所定回数行う
    ことを特徴とする滅菌器の運転方法。
  2. 【請求項2】 前記前処理工程において、前記滅菌槽1
    定圧力まで蒸気を導入した後、この圧力を一定時
    間保持してから排出することを特徴とする請求項1に記
    載の滅菌器の運転方法。
  3. 【請求項3】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
    よび排出を複数回繰返し行うことを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の滅菌器の運転方法。
  4. 【請求項4】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
    よび排出を複数回繰返し行う際、各回の蒸気導入終了
    時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加するようにしたこ
    とを特徴とする請求項3に記載の滅菌器の運転方法。
  5. 【請求項5】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
    よび排出を複数回繰返し行う際、各回の蒸気排出終了
    時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加するようにしたこ
    とを特徴とする請求項3に記載の滅菌器の運転方法。
  6. 【請求項6】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
    よび排出を複数回繰返し行う際、各回の蒸気導入終了
    時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加し、かつ各の蒸
    気排出終了時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加するよ
    うにしたことを特徴とする請求項3に記載の滅菌器の運
    転方法。
  7. 【請求項7】 前記前処理工程は、蒸気で前記滅菌槽1
    内をパージすることにより空気を排除する操作を含むこ
    とを特徴とする請求項16のいずれか1項に記載の滅
    菌器の運転方法。
  8. 【請求項8】 前記前処理程に用いる蒸過熱蒸気
    であることを特徴とする請求項17のいずれか1項
    記載の滅菌器の運転方法。
  9. 【請求項9】 前記前処理工程において、蒸気の排出
    時、蒸気を凝縮させながら排出することを特徴とする請
    求項18のいずれか1項に記載の滅菌器の運転方法。
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