JP3355974B2 - 滅菌器の運転方法 - Google Patents
滅菌器の運転方法Info
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Description
滅菌するための滅菌器における運転方法の改良に関する
ものである。
菌槽内に密閉収容し、この滅菌槽内へ蒸気を送り込むこ
とによって加熱滅菌する装置である。この滅菌工程に先
立つ前処理工程として、前記滅菌槽とこれに収容した被
滅菌物を予熱する操作と、前記滅菌槽内を真空吸引し、
この真空吸引中に前記滅菌槽内へ若干の蒸気を数回供給
して、被滅菌物内を含めて前記滅菌槽内の空気を排除す
る操作を行っている。前者の予熱は、滅菌工程時に送り
込まれる蒸気の凝縮量を抑制するためであり、後者の空
気の排除は、滅菌工程時に送り込まれる蒸気を被滅菌物
内部まで作用させ、確実な滅菌を行うためである。被滅
菌物を予熱するための構成としては、加熱用の蒸気ジャ
ケットを前記滅菌槽の外周に設けたり、電熱ヒータを前
記滅菌槽の外周や前記滅菌槽内に設けたりしている。
程時の予熱は、前記蒸気ジャケットや前記電熱ヒータに
よる輻射伝熱と前記滅菌槽内における空気の自然対流で
の伝熱によるものである。そのため、患者用衣服や手術
衣などの被滅菌物をカストと呼ばれる滅菌用金属缶内に
納めて滅菌する場合、この被滅菌物の内部まで充分に予
熱するのは難しい。また、前記のように、前処理工程に
おいては空気を排除する際に蒸気を供給しているが、前
記滅菌槽内は減圧状態であるため、その蒸気温度は、減
圧状態に対応する飽和蒸気温度(たとえば、−0.8kg
/cm2Gでは約60℃である。)であり、供給される蒸
気の温度よりも低くなっている。そのため、前記滅菌槽
内の蒸気によって被加熱物が冷やされることになり、被
滅菌物の予熱には、長時間を要する。しかし、この予熱
が充分に行われないと、後の滅菌工程において低温状態
の被滅菌物に蒸気が接触して凝縮し、前記カスト内の被
滅菌物が濡れた状態になったり、前記カスト内に凝縮水
が溜まるという問題が発生する。
菌物を乾燥させるための後処理工程を実行するが、この
ように凝縮水が大量に生じると、後処理工程に長い時間
が必要になる。しかも、後処理工程は、一般に水封式真
空ポンプなどによって前記滅菌槽内の空気を排除して乾
燥する真空乾燥方式であるため、真空ラインの洩れなど
もあって長時間を要していた。すなわち、前記蒸気滅菌
器においては、前処理工程に長時間を要しており、この
前処理工程の時間短縮が、蒸気滅菌器の効率的な運用
上、重要な課題となっている。
とする課題は、滅菌器の前処理工程時、滅菌槽のみなら
ず被滅菌物の内部まで短時間で昇温し、しかも滅菌槽内
の空気の排除を短時間で行うことである。
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、滅菌槽内の被滅菌物を所定の温度に昇温するととも
に、前記滅菌槽内の空気の排除を行う前処理工程を行っ
た後、滅菌工程を行う滅菌器の運転方法であって、前記
前処理工程時、前記滅菌槽内へ蒸気を導入し、この蒸気
の導入を前記滅菌槽内が所定圧力となるまで継続し、そ
の後蒸気を排出することによって前記滅菌槽内の空気を
排除し、これらの蒸気の導入と排出を前記滅菌槽内が大
気圧以上の状態で所定回数行うことを特徴としている。
において、前記滅菌槽内へ所定圧力まで蒸気を導入した
後、この圧力を一定時間保持してから排出することを特
徴としている。
において、蒸気の導入および排出を複数回繰り返し行う
ことを特徴としている。
において、蒸気の導入および排出を複数回繰り返し行う
際、各回の蒸気導入終了時の前記滅菌槽内の圧力が順次
増加するようにしたことを特徴としている。
において、蒸気の導入および排出を複数回繰り返し行う
際、各回の蒸気排出終了時の前記滅菌槽内の圧力が順次
増加するようにしたことを特徴としている。
において、蒸気の導入および排出を複数回繰り返し行う
際、各回の蒸気導入終了時の前記滅菌槽内の圧力が順次
増加し、かつ各回の蒸気排出終了時の前記滅菌槽内の圧
力が順次増加するようにしたことを特徴としている。
は、蒸気で前記滅菌槽内をパージすることにより空気を
排除する操作を含むことを特徴としている。
に用いる蒸気が過熱蒸気であることを特徴としている。
処理工程において、蒸気の排出時、蒸気を凝縮させなが
ら排出することを特徴としている。
ついて説明する。この発明は、滅菌器の前処理工程に適
用されるものである。この前処理工程とは、滅菌工程に
先立って、被滅菌物を内部まで均一に昇温するととも
に、被滅菌物内部を含めて滅菌槽内の空気を排除する工
程であって、後続の各工程を効率良く行うための工程で
ある。すなわち、蒸気滅菌器の場合は、滅菌工程で供給
される蒸気が被滅菌物の表面で凝縮するのを可能な限り
防止して、蒸気による所定の滅菌効果を確保し、かつ滅
菌工程後の乾燥に要する時間を短縮する。また、ガス滅
菌器の場合は、被滅菌物および前記滅菌槽内を所定の温
度に保持することにより、滅菌ガスによる所定の滅菌効
果を確保する。
程において、前記滅菌槽内へ蒸気を導入し、そして排出
する操作を前記滅菌槽内が大気圧以上の状態で所定回数
行うことにより、前記滅菌槽および被滅菌物の予熱と前
記滅菌槽内の空気の排除とを行う。すなわち、前記滅菌
槽および被滅菌物の予熱は、前記滅菌槽内へ導入した蒸
気による直接的な加熱であるため、前記滅菌器における
前処理工程の時間を短縮することができる。さらに、蒸
気は、空気よりも比重が小さく、両者の密度差が大きい
ため、蒸気と空気との混合が生じ難い。そこで、蒸気に
よって前記滅菌槽内の空気を押し出し、前記滅菌槽内を
蒸気で満たすことによって、空気の排除を効率良く行う
ことができる。
工程時に被滅菌物の内部まで蒸気の熱を作用させること
ができるとともに、滅菌工程後の乾燥時間の短縮を図る
ことができ、ガス滅菌器の場合には、被滅菌物の内部ま
で滅菌ガスを作用させることができる。ここで、前記滅
菌槽内への蒸気の導入に際しては、流速を小さく制限し
て、前記滅菌槽内の空気との混合を抑制するのが好まし
い。
って、前記滅菌槽をその耐圧扉を含めて直接予熱するこ
とができ、同時に被滅菌物も直接予熱することができる
から、蒸気ジャケットや電熱ヒータのような前記滅菌器
を大型化,複雑化するような加熱手段を不要とし、前記
滅菌器の小型化,軽量化を達成することができる。
高圧であるほど,また高温であるほど大きな効果を発揮
するが、蒸気の圧力および温度は、被滅菌物の形状や材
質の他、この発明を適用する滅菌器の構造によって決定
する。たとえば、被滅菌物が加熱により変形や劣化を生
じるものである場合には、圧力や温度を比較的低く設定
する。
導入に際して、前記滅菌槽内へ所定圧力まで導入し、こ
の圧力を一定時間保持してから排出する。この操作によ
り、前記滅菌槽内の飽和蒸気温度は、ほぼ一定に維持さ
れるため、この間に前記滅菌槽内は所定の温度に予熱さ
れる。この場合、被滅菌物が、布帛などのようなもので
あっても、その内部まで蒸気が容易に浸透する。そのた
め、被滅菌物は、その内部まで均一に、しかも確実に予
熱される。さらに、被滅菌物の内部まで確実に予熱され
ると、被滅菌物の内部の空気が膨張し、この膨張により
被滅菌物からの分離が促進される。
工程において、蒸気の導入および排出を複数回繰り返し
行うことにより、蒸気の排出ごとに前記滅菌槽内に残留
する空気を排除することができるため、最終的な空気の
残存量は、ごく少なくなる。
導入および排出を複数回繰り返し行う場合、各回ごとに
導入する蒸気の圧力を順次増加させることにより、蒸気
の保有熱量を順次増加させる。この場合には、蒸気の導
入ごとに被滅菌物への加熱度合が順次高まるため、被滅
菌物を効果的に昇温することができる。
導入および排出を複数回繰り返し行う場合、各排出時の
前記滅菌槽内の圧力を前回の排出終了時よりも順次高い
圧力とすることにより、前記滅菌槽内の温度の低下量を
少なくする。この場合には、蒸気の排出時に、被滅菌物
からの放熱を抑えることができ、これにより被滅菌物の
温度を連続的に上昇させることができるため、被滅菌物
の中心部まで均一に昇温することができる。
導入および排出を複数回繰り返し行う場合、各回ごとに
導入する蒸気の圧力を順次増加させ、かつ各回の排出終
了時の圧力を前回の排出終了時よりも高くすることによ
り、蒸気の導入ごとに被滅菌物への加熱度合を順次高
め、かつ前記滅菌槽内の飽和蒸気温度の低下量を少なく
する。これにより、被滅菌物からの放熱を抑えると同時
に、被滅菌物の温度を連続的に上昇させることができ、
被滅菌物の中心部まで均一に予熱することができる。
工程時、蒸気で前記滅菌槽内をパージする操作を行うこ
とにより、前記滅菌槽内の空気の排除を行う。このパー
ジする操作は、前記滅菌槽へ蒸気を供給すると同時に、
排気管などを開放して排出するもので、前記滅菌槽内の
空気の排除を効果的に行う。すなわち、蒸気によって前
記滅菌槽内部の空気を置換するとともに、前記滅菌槽内
の空気との比重差を利用し、空気を押し出すように排除
する。この場合には、蒸気を前記滅菌槽の上方から導入
し、空気を前記滅菌槽の下方から排出する構成とする
と、この比重差を効果的に利用することができる。ま
た、この時、ディフューザなどの拡散手段を用いて、前
記滅菌槽内全体にまんべんなく蒸気を供給することによ
り、空気を均一に押し出し、所要時間を短縮する。
工程時、前記滅菌槽内へ導入する蒸気を過熱蒸気とす
る。過熱蒸気は、飽和蒸気に比べて凝縮し難く、発生す
るドレンの量が減少するほか、液滴分を蒸気として取り
込むことができるため、滅菌工程へ移行する前に被滅菌
物に付着している水分を効率良く除去しつつ昇温するこ
とができる。そのため、前処理工程において、蒸気の導
入および排出を複数回繰り返し行う場合には、この過熱
蒸気の排出ごとに、過熱蒸気内へ取り込んだ水分を前記
滅菌槽の外へ排出することができるため、被滅菌物の乾
燥の度合が高まる。
さらに加熱したり、急激に減圧するなどの手段を利用す
る。たとえば、飽和蒸気を加熱する場合、前記滅菌器が
蒸気を使用するものの場合においては、前記滅菌器に元
来接続されている蒸気発生器からの蒸気と熱交換するこ
とによって加温する。この方法は、特に蒸気滅菌器にお
いて、既存の装置を利用することができる上で有効であ
るが、ガス滅菌器において、前処理工程や加湿工程にお
いて蒸気を用いるものにも適用することができる。
水分離器を通すことによって乾き度を向上させ、この状
態で減圧することにより、過熱蒸気とすることも可能で
ある。この場合の減圧の手段としては、一般的な減圧弁
を使用する他、飽和蒸気を前記滅菌槽内へ導入する際、
前記滅菌槽内の圧力を飽和蒸気の圧力より低く設定して
おけば、この飽和蒸気が前記滅菌槽内へ流入した時点
で、急激に減圧されて過熱蒸気となる。
内の加熱(あるいは予熱)や蒸気の発生に電熱手段を使
用するものでは、この電熱手段の一部,あるいは新たに
設置した電熱手段によって飽和蒸気を加熱する。この電
熱手段としては、一般的な電熱ヒータの他、誘導加熱,
誘電加熱の原理を利用した加熱手段を含む。ここで、蒸
気滅菌器のように蒸気発生器を備えたものでも、過熱蒸
気の加熱に電熱手段を用いる場合や、逆に電熱手段を備
えた滅菌器であっても、過熱蒸気の加熱のために蒸気発
生器を設けてこの蒸気を使用する場合も含む。
菌槽から蒸気を排出する際、蒸気を凝縮させ、体積を減
少させながら凝縮水として排出することにより、前記滅
菌槽から短時間で効率良く排出する。蒸気を凝縮する手
段としては、周知のものを種々適用することができる
が、たとえば水などを冷却媒体とした熱交換器を利用す
る。また、蒸気(過熱蒸気も含む。)の吸引排出手段と
しては、周知の真空ポンプを利用することができるが、
前記滅菌器からは、蒸気だけでなく液滴分が排出される
ため、水封式真空ポンプや流体圧を利用したエゼクタ形
式の真空ポンプ(たとえば、ジェットポンプ)を用いる
のが好ましい。この際、使用水量の点からは、水封式真
空ポンプが有利であるが、ジェットポンプを利用し、作
動のための流体として水を選択した場合には、冷却装置
と兼用することができる。
いて詳細に説明する。ここで、図1は、この発明に係る
滅菌器の運転方法における蒸気の供給パターンの第一実
施例を説明するための図面であり、図2は、この発明に
係る滅菌器の運転方法を適用する蒸気滅菌器の一例を示
す説明図である。
例について、図2を参照しながら、説明する。図2にお
いて、被滅菌物を収容するための滅菌槽1は、耐圧扉
(図示省略)を設けた被滅菌物の出入口があり、この耐
圧扉を閉じることで前記滅菌槽1内を完全に密閉するこ
とができるようになっている。
などに使用する蒸気が通る第一給蒸ライン3を接続して
ある。ここで、給蒸とは、蒸気の供給のことを指す。こ
の第一給蒸ライン3には、蒸気の流れ方向上流側から順
に気水分離器4,第一給蒸弁5および圧力調整のための
給蒸圧調整弁6を設けてある。さらに、前記第一給蒸ラ
イン3における前記給蒸圧調整弁6の下流側には、過熱
蒸気供給弁7および飽和蒸気供給弁8を並列に設け、そ
の下流側には蒸気加熱用の熱交換器9を設けてある。こ
こで、前記気水分離器4は、前記第一給蒸ライン3から
の蒸気の乾き度を高めて、前記滅菌槽1へ効率的に熱を
供給するためのものであり、前記滅菌槽1や前記熱交換
器9内での凝縮水(ドレン)の発生を抑制する。また、
前記過熱蒸気供給弁7を通過する蒸気流量は、前記飽和
蒸気供給弁8を通過する蒸気流量よりも少量に設定して
ある。
ルタ12を備えた給気ライン13を接続してあり、この
給気ライン13の途中には給気弁14を設けてある。
3から分岐する第三給蒸ライン15を接続してある。こ
の第三給蒸ライン15の途中に設けた第三給蒸弁16の
開閉制御によって、蒸気の供給を制御する。前記第三給
蒸ライン15からの蒸気は、前記熱交換器9内におい
て、前記第一給蒸ライン3内の蒸気を加熱した後、第一
ドレンライン17を介して排出される。この第一ドレン
ライン17の途中には、第一スチームトラップ19を設
け、ドレンのみを排出するようにしている。
槽1に接続してあり、またその途中に冷却装置20を設
けてある。この冷却装置20は、この実施例では冷却液
を一方の熱媒体とする熱交換器として例示するもので、
途中に冷却弁24を備えた冷却液供給ライン25と排水
ライン26とを接続してある。この排水ライン26は、
前記排出ライン18と合流させてもよい。
の下流側で、真空ライン21,排気ライン22および第
二ドレンライン23の3系統に分岐する。前記真空ライ
ン21には、真空制御弁27および真空ポンプ28を設
け、前記排気ライン22には、排気弁29を設け、第二
ドレンライン23には、第二スチームトラップ30を設
けてある。
ライン31を接続してある。この第三ドレンライン31
の途中には、第三スチームトラップ33を設けてある。
蒸気滅菌器の運転を制御する制御装置40を設けてあ
り、この制御装置40は、予め設定された手順に基づ
き、前記蒸気滅菌器の運転状態を監視する検出手段から
の信号に応じて、前記真空ポンプ28や前記各弁を適切
に制御する。ここで、図示する実施例では、前記検出手
段として、前記滅菌槽1内の圧力を監視する圧力検出手
段41や、前記滅菌槽1内の温度を前記排出ライン18
の温度に基づいて監視する温度検出手段42を例示して
いる。
菌物を搬入後、つぎの手順にしたがって滅菌作業を行
う。ここで、以下の説明において、前記各弁はその動作
を明記してなければ基本的に閉じているものとする。ま
た、前記滅菌槽1内の圧力の変化は、図1を参照しなが
ら説明する。
は、高圧であるほど,また高温であるほどより大きな効
果を発揮するが、蒸気の圧力および温度は、被滅菌物の
形状や材質の他、この発明を適用する蒸気滅菌器の構造
によって決定する。すなわち、被滅菌物が加熱により変
形や劣化を生じる場合には、温度を比較的低く設定す
る。既存の蒸気滅菌器に適用する場合には、蒸気滅菌器
の耐圧限界を考慮してその圧力を決定するが、一般的な
蒸気滅菌器では、その耐圧がおおよそ2.5kg/cm2G
であるため、蒸気の圧力は2.2kg/cm2G程度とす
る。一方、既存の蒸気滅菌器に適用するのではなく、新
規に製造するものに適用する場合には、このような制限
にはとらわれない。また、滅菌工程で供給する飽和蒸気
の圧力も同様である。以下の実施例では、過熱蒸気およ
び飽和蒸気は、前記滅菌槽1内へ同じ設定圧力まで供給
するものとして説明する。
最初の蒸気滅菌器の起動時,あるいは同日であっても時
間の経過により前記滅菌槽1が冷えている状態での起動
時)、暖気工程を行う。すなわち、前記第一給蒸弁5お
よび前記飽和蒸気供給弁8を開放し、蒸気発生器(図示
省略)からの蒸気を前記第一給蒸ライン3を介して、前
記滅菌槽1へ供給する。ここで、前記耐圧扉は閉鎖して
いるものとする。
蒸気)は、前記気水分離器4によって液滴分(飽和水や
凝縮水など)が除去されて乾き度が向上している。そし
て、前記第一給蒸ライン3内の蒸気は、前記給蒸圧調整
弁6で所定圧力(たとえば、2.2kg/cm2G)に調整
された後、前記滅菌槽1内へ流入し、前記滅菌槽1およ
び前記耐圧扉を内側から加熱する。そして、前記滅菌槽
1を加熱した蒸気は、ドレンとして、前記第二ドレンラ
イン23から排出される。以上の操作により、前記滅菌
槽1は、前記耐圧扉を含めて全体が予熱される。この
際、前記気水分離器4で分離された液滴分は、前記第三
ドレンライン31を介して排出される。
記排気弁29を開くことにより、前記排気ライン22か
ら蒸気を排出し、前記滅菌槽1内を大気圧の状態とす
る。このとき、前記第三給蒸弁16を開放し、蒸気を前
記第三給蒸ライン15から前記熱交換器9へ供給するこ
とにより、前記第一給蒸ライン3を流れる蒸気を加熱
し、前記滅菌槽1内へ過熱蒸気を供給するようにしても
よい。これによって、前記滅菌槽1内に生じるドレン量
を減少させることができる。
るのが好ましいが、連続した滅菌作業時には省略するこ
とができる。すなわち、前記滅菌槽1が冷えた状態であ
ると、前処理工程以降において、蒸気の凝縮量が多いた
めである。
前記滅菌槽1は暖気工程により所定の温度に昇温してい
る。また、前記気水分離器4により、前記熱交換器9へ
は高乾き度の飽和蒸気が供給されている。この状態で、
前記第三給蒸弁16を開放して前記第三給蒸ライン15
から前記熱交換器9への給蒸を開始する。前記熱交換器
9内へ供給される蒸気は、前記第一給蒸ライン3内の蒸
気(飽和蒸気)を加熱するのに用いられる。
排気弁29を開放すると、前記第一給蒸ライン3内の蒸
気は、前記滅菌槽1へ向けて流れ、その途中の前記熱交
換器9において加熱されて過熱蒸気となる。この過熱蒸
気は、前記滅菌槽1内へ流入すると、減圧されて膨張
し、さらに過熱度が高まる。蒸気を過熱蒸気として前記
滅菌槽1内へ導入することにより、前記滅菌槽1内の空
気は、前記排出ライン18へ向けて押し出され、前記排
出ライン18から前記排気ライン22を経て排除され
る。このように、過熱蒸気を前記滅菌槽1内へ導入し、
そのまま排出する,いわゆるパージ操作を行うことによ
り、比重の大きい空気は、比重の小さい過熱蒸気によっ
て上方から下方に押し込まれるようにして、前記排出ラ
イン18から排除される。同時に、この過熱蒸気自体の
保有熱により、前記滅菌槽1および前記耐圧扉が内側か
ら加熱され、被滅菌物も加熱される。
に残留する空気が膨張するため、被滅菌物からの分離が
促進され、分離した空気は過熱蒸気によって押し出さ
れ、前記排出ライン18から排除される。ここで、前記
のように、前記過熱蒸気供給弁7を通過する蒸気流量を
前記飽和蒸気供給弁8を通過する蒸気流量よりも少なく
設定してあるため、前記滅菌槽1内へ流入する過熱蒸気
が前記滅菌槽1内に残留する空気を攪拌するのを抑制
し、空気の排除を効果的に行うことができる。
記排気弁29を閉じると、前記滅菌槽1内の圧力は、過
熱蒸気の導入とともに図1に示すように上昇する。過熱
蒸気の供給は、前記滅菌槽1内が所定圧力となるまで継
続し、この圧力に到達した時点で、前記排気弁29を開
放し、過熱蒸気の排出を行う。この排出の際には、前記
滅菌槽1に残留する空気が、再び過熱蒸気によって押し
出されるようにして排除される。そして、前記滅菌槽1
内部の過熱蒸気をほとんど排出して圧力がほぼ大気圧ま
で低下すると、前記排気弁29を閉じ、前記と同様の手
順で過熱蒸気の導入および排出を行う。
り、前記滅菌槽1内および被滅菌物内に取り込まれてい
る空気の排除を行う。この過熱蒸気の導入および排出を
交互に数回繰り返し行うことで、被滅菌物中に含まれる
空気まで充分に排除し、後の滅菌工程における蒸気の加
熱むらなどを軽減することができる。
入および排出を複数回繰り返し行うことにより、過熱蒸
気の排出ごとに、過熱蒸気内に取り込んだ水分を前記滅
菌槽1の外へ排出することができる。そのため、被滅菌
物の乾燥の度合を高めることができ、これによっても被
滅菌物の内部まで予熱する作用を促進することができ
る。また、過熱蒸気の導入および排出は、前記過熱蒸気
供給弁7および前記排気弁29の開閉操作のみによって
行うことができるため、従来のような空気を排出するた
めの真空吸引手段が不要になる。さらに、この前処理工
程における過熱蒸気の排出に際して、前記冷却弁24を
開放して前記冷却装置20へ冷却液を供給し、前記冷却
装置20によって、前記排出ライン18へ流入した過熱
蒸気を急速に凝縮させることにより、排出時間をさらに
短縮することができる。
作について、この発明を適用した蒸気滅菌器と、従来の
水封式真空ポンプを使用した一般的な蒸気滅菌器とで、
前記滅菌槽1内の空気を同レベルまで排除するのに要す
る時間を計測すると、前者では7分であり、後者では1
5分であった。また、布帛などの被滅菌物をカスト内に
収容したものを用いて、被滅菌物の中心部の温度が15
0℃となるまでに要する時間を計測すると、前者では3
分であり、後者では15分であった。このとき、この発
明を適用した蒸気滅菌器へは、圧力2.2kg/cm2G,
温度145℃の過熱蒸気を供給した。
縮できることを意味し、従来のように、滅菌作業ごとに
予熱のための操作と空気排除のための操作を独立して設
ける必要もないため、前処理工程はさらに時間を短縮す
ることができ、滅菌作業全体の時間を大幅に短縮するこ
とができる。また、滅菌工程時に供給される蒸気の熱
が、残留空気によって妨げられることなく、確実に被滅
菌物に伝達される。また、前処理工程を前記時間よりも
若干長くすることにより、空気の残存率がさらに低下す
るため、滅菌工程時に供給される蒸気の熱が、残留する
空気によって被滅菌物に作用するのを阻害されることが
なく、被滅菌物全体を均一に加熱し、滅菌することがで
きる。
を導入することにより、その比重差を利用して前記滅菌
槽1内の空気を排除し、被滅菌物を直接的に加熱するこ
とによって予熱を行うことができる。さらに、過熱蒸気
からの熱により、被滅菌物に付着していた水滴(凝縮
水)が過熱蒸気内へ蒸気として取り込まれ、この状態で
過熱蒸気とともに排出される。しかも、この予熱は、従
来の蒸気滅菌器のように、蒸気ジャケットによる前記滅
菌槽1の内壁からの輻射熱に頼るものではなく、過熱蒸
気による直接的な加熱であるため、滅菌工程へ移行する
前に被滅菌物を効率良く昇温することができる。したが
って、前記蒸気滅菌器における前処理工程の時間を短縮
することができ、さらに蒸気滅菌器の場合には、滅菌工
程時、被滅菌物の内部まで蒸気の熱を作用させることが
できるとともに、後処理工程における乾燥時間を短縮す
ることができる。
菌槽1内を予熱し、前記滅菌槽1内の空気を排除する前
処理工程が終了し、次工程の滅菌工程においては、過熱
蒸気に代えて飽和蒸気を導入する。この切替えは、滅菌
工程の開始時、前処理工程に引き続いて過熱蒸気を供給
し、前記滅菌槽1内の圧力が前記滅菌工程の設定圧力よ
り若干低い段階で、前記過熱蒸気供給弁7を閉じ、前記
飽和蒸気供給弁8を開放することによって行う。この切
替えにより、前記滅菌槽1内の蒸気温度を所定の滅菌温
度まで上昇させる時間を短縮することができる。このと
き、前記熱交換器9への蒸気の供給は、前記第三給蒸弁
16を閉じることにより停止しておく。ここで、前記構
成においては、前処理工程終了時に前記滅菌槽1内の過
熱蒸気を排出した後であれば、飽和蒸気の供給を開始す
ることができ、また滅菌に過熱蒸気を使用する特殊な場
合には、飽和蒸気の供給へ切り替えることなく、そのま
ま過熱蒸気を供給する。
された前記滅菌槽1内の温度が、前記設定圧力に対応す
る飽和蒸気温度となれば、滅菌時間の計測を開始し、こ
の状態を滅菌処理に必要な時間保持する。この滅菌工程
において、被滅菌物は、前処理工程において充分に加熱
されているため、前記第一給蒸ライン3から供給される
飽和蒸気が被滅菌物の表面に接して凝縮することはな
く、水滴の発生が防止される。そのため、被滅菌物の内
部まで蒸気の熱を作用させることができ、滅菌効果が確
実なものとなる。
記飽和蒸気供給弁8を閉じることにより、前記滅菌槽1
への飽和蒸気の供給を停止し、前記冷却装置20を作動
させるとともに、前記真空ポンプ28を作動させる。そ
して、前記排気弁29を開放し、前記滅菌槽1内の飽和
蒸気を排出する。この際、飽和蒸気は、前記冷却装置2
0によって急速に凝縮し、その体積が大幅に減少するた
め、前記排気ライン22から効率良く、即座に排出され
る。
近づけば、前記排気弁29を閉じ、前記真空制御弁27
を開く。すると、前記滅菌槽1内に残留する飽和蒸気
は、前記真空ポンプ28の真空吸引によってさらに排出
され、このとき前記滅菌槽1内で発生したドレンも同様
に吸引除去される。さらに、前記冷却装置20の作用に
より、前記滅菌槽1からの蒸気(過熱蒸気を含む。)を
凝縮しながら排出する。この後処理工程では、前記のよ
うに、滅菌工程において被滅菌物への水滴の付着が防止
され、被滅菌物の濡れが少ないため、後処理工程の時間
を短縮することができる。
に設けられている前記圧力検出手段41や前記温度検出
手段42によって検出するが、これらとは別個に過熱蒸
気の供給配管に検出手段を取り付けて検出することも可
能である。そして、この検出結果に基づいて所定の供給
状態となるように、前記各弁や前記真空ポンプ28を制
御する。また、前記滅菌槽1内へ蒸気を導入した後、こ
の状態を保持する時間は、前記制御装置40に適宜のタ
イマ手段(図示省略)を付設したり、前記制御装置40
自体に組み込むことによって設定する。
を開いて、前記滅菌槽1内を前記空気フィルタ12を介
して外部と通じさせ、大気圧と同圧にする。この後、前
記耐圧扉を開いて被滅菌物を取り出し、全工程が終了す
る。ここで、前記蒸気滅菌器の運転を継続する場合に
は、前処理工程以降の操作を繰り返すが、この時点で前
記蒸気滅菌器の運転を終了する場合には、前記第一給蒸
弁5,前記第三給蒸弁16などの各弁を閉じる。
物の予熱を確実に行うことができ、前処理工程の短縮化
を図ることができる。これにより、後の工程での水滴の
付着を防止することができることから、後処理工程の時
間を短縮することができ、一連の滅菌作業全体の時間を
短縮することができる。
記滅菌槽1内へ導入する過熱蒸気の圧力は全て、同じ所
定圧力に到達した時点で排出しているが、図1に二点鎖
線で示すように、過熱蒸気を所定圧力まで導入した後、
この所定圧力を一定時間保持してもよい。この場合に
は、過熱蒸気が被滅菌物(特に布帛などのような被滅菌
物の場合)の内部へ確実に、しかも均一に浸透すること
になり、被滅菌物の内部まで昇温することができるとと
もに、被滅菌物の内部に残留する空気も確実に排除する
ことができる。
図3を参照しながら説明する。図3に示すように、前処
理工程において、過熱蒸気の導入および排出を複数回繰
り返し行う場合、過熱蒸気の排出時には、前記滅菌槽1
内の圧力を前回の排出終了時の圧力よりも順次高い圧力
とする。これにより、前記滅菌槽1内の温度の低下量を
少なくして被滅菌物からの放熱を抑え、被滅菌物の温度
を連続的に上昇させる ことができるため、被滅菌物の中
心部まで均一に昇温することができる。すなわち、前記
滅菌槽1内の圧力が大気圧となるまで排出を行うと、前
記滅菌槽1内の蒸気温度は、大気圧下の飽和蒸気温度
(略100℃)まで下がってしまう。そのため、被滅菌
物の表面温度は、過熱蒸気によって上昇させたとして
も、ふたたび前記飽和蒸気温度まで低下することになる
(2kg/cm2Gの飽和蒸気温度は、約133℃)。被滅
菌物内部の温度変化は、表面温度に遅れて生じるため、
このように表面側が冷やされると、内部の温度の上昇度
合は増加しない。そこで、図3に示すように、第1回目
の過熱蒸気の排出に際して、大気圧まで排出せず、それ
より若干高い圧力で中断し、即座につぎの過熱蒸気の導
入を行い、以下、順次、過熱蒸気の排出時には、前記滅
菌槽1内の圧力を前回の排出終了時の圧力よりも順次高
い圧力とする。これにより、被滅菌物の表面温度は、図
3に点線で示すように、過熱蒸気の導入および排出操作
に若干遅れるが、ほぼ同期して上昇,下降し、被滅菌物
の中心温度は、図3に二点鎖線で示すように、過熱蒸気
の排出終了時の圧力の上昇に対応して、低下することな
く上昇し続ける。したがって、一番温度の上昇し難い被
滅菌物の中心部まで、確実に昇温することができる。
いて過熱蒸気の導入および排出を複数回繰り返し行う場
合、各回ごとに導入する過熱蒸気の圧力を順次増加させ
ることにより、過熱蒸気の保有熱量を順次増加させても
よい。この場合には、過熱蒸気の導入ごとに被滅菌物へ
の加熱度合が順次高まるため、被滅菌物を効果的に昇温
することができ、また各回ごとの導入開始から終了まで
の時間を短縮することができるため、全体として前処理
工程の時間を短縮することができる。
工程の時間を短縮することができ、さらに蒸気滅菌器の
場合には、滅菌工程時の蒸気を被滅菌物の内部まで作用
させることができるとともに、後処理工程での乾燥時間
を短縮することができ、ガス滅菌器の場合には、滅菌工
程時に被滅菌物の内部まで滅菌ガスを作用させることが
できる。
おける被滅菌物の予熱に際しては、蒸気ジャケットのよ
うな加熱手段が不要である。ただし、暖気工程後の待機
時や滅菌工程後の後処理工程において、予熱後の前記滅
菌槽1からの放熱を防止し、温度を維持するのが熱効率
上好ましい。そのため、図2に示す蒸気滅菌器において
は、温度維持用の加熱管2を設けてある。この加熱管2
は、前記滅菌槽1の温度維持(保温)を目的とするもの
であるから、前記滅菌槽1全体を取り囲む蒸気ジャケッ
トのように、大がかりで嵩高いものとする必要はない。
具体的に、図2を参照しながら説明すると、以下のとお
りである。
り囲むように配置してある。前記加熱管2の上流端に
は、前記第一給蒸ライン3における前記給蒸圧調整弁6
の下流側から分岐する第二給蒸ライン10を接続してあ
る。この第二給蒸ライン10の途中には、第二給蒸弁1
1を設けてある。さらに、前記加熱管2の下流端には、
第四ドレンライン32を接続してある。この第四ドレン
ライン32の途中には、第四スチームトラップ34を設
けてある。前記加熱管2への蒸気の供給は、暖気工程時
に前記第二給蒸弁11を開放することにより、前記第二
給蒸ライン10を介して行われる。蒸気は、前記加熱管
2を流通して前記滅菌槽1を加熱した後、ドレンとして
前記第四ドレンライン32から排出される。そして、暖
気工程以降においても、前記第二給蒸弁11をそのまま
開として、前記加熱管2内に蒸気を流通させた状態を維
持し、前記滅菌槽1を所定の温度に維持するための保温
手段として機能させる。
滅菌器の他、たとえば蒸気ジャケットを備えた一般的な
蒸気滅菌器においても適用することができることは云う
までもない。このような蒸気ジャケットを備えた蒸気滅
菌器に適用する場合には、前記蒸気ジャケットへの給蒸
は、前記加熱管2と同様に行う。すなわち、冷態起動時
などの暖気工程時には、前記滅菌槽1と同時に前記蒸気
ジャケットへ給蒸する。そして、暖気工程以降も、その
まま前記蒸気ジャケット内に蒸気を流通させた状態を維
持し、前記滅菌槽1を所定の温度に維持する。この場合
の前記蒸気ジャケットは、被滅菌物の予熱のための加熱
手段としてではなく、前記滅菌槽1の温度維持のための
保温手段としての機能させているため、供給する蒸気の
量が大幅に少なくなる。
以上の状態で蒸気によって滅菌槽および被滅菌物を直接
的に加熱することができるため、これらの予熱を短時間
で行うことができ、しかも蒸気と空気との比重差を利用
して、蒸気によって空気を押し出すように排除すること
ができるから、空気の排除を効率良く短時間で行うこと
ができる。さらに、蒸気の熱によって前記滅菌槽内の空
気が膨張するため、空気の排除と、被滅菌物からの空気
の分離が促進され、被滅菌物の内部に滞留する空気まで
確実に排除することができる。したがって、前処理工程
の時間を短縮することができるとともに、前記滅菌槽や
被滅菌物を確実に予熱し、前記滅菌槽内の空気を確実に
排除することができるため、滅菌工程における滅菌効果
を高めることができる。
て、前記滅菌槽をその耐圧扉を含めて直接予熱すること
ができ、同時に被滅菌物も直接予熱することができるか
ら、蒸気ジャケットや電熱ヒータのような滅菌器の構造
を大型化,複雑化するような加熱手段を不要とし、滅菌
器の小型化,軽量化を達成することができる。
気が被滅菌物の内部にまで均一に、しかも確実に浸透
し、前記滅菌槽内および被滅菌物内の空気を膨張させな
がら分離することができる。
記滅菌槽内の残存空気量をごく低レベルまで低減するこ
とができる。
気の導入ごとに被滅菌物への加熱度合を順次高め、被滅
菌物を効果的に昇温することができ、また各回ごとの導
入開始から終了までの時間を短縮することができるた
め、全体として前処理工程の時間を短縮することができ
る。
記滅菌槽内の飽和蒸気温度の低下量を少なくして被滅菌
物からの放熱を抑え、被滅菌物の温度を連続的に上昇さ
せることができ、これにより被滅菌物の中心部まで均一
に予熱することができる。
気の導入ごとに被滅菌物への加熱度合を順次高め、かつ
前記滅菌槽内の飽和蒸気温度の低下量を少なくすること
により、被滅菌物からの放熱を抑えると同時に、被滅菌
物の温度を連続的に上昇させることができ、これにより
被滅菌物の中心部まで均一に予熱することができる。
処理工程時に前記滅菌槽を蒸気でパージする操作を加え
ることにより、空気の排除を短時間で行うことができ
る。
熱蒸気を用いることにより、蒸気の熱量が増大するた
め、予熱を効果的に行うことができるとともに、空気と
の比重差が大きくなって空気の排除を効果的に行うこと
ができる。また、過熱蒸気を用いることにより、前記滅
菌槽内での蒸気の凝縮を抑制し、被滅菌物に付着してい
る水分を過熱蒸気内へ蒸気として取り込んで、効率良く
除去しつつ昇温することができる。また、水分は過熱蒸
気内へ取り込まれた状態で前記滅菌槽の外へ排出される
ため、被滅菌物の乾燥の度合を高めることができる。
前記滅菌槽から蒸気を排出する際、蒸気を凝縮させ、体
積を減少させながら凝縮水として排出することにより、
前記滅菌槽から短時間で効率良く排出することができ
る。
の供給パターンの第一実施例を説明するための図面であ
る。
気滅菌器の一例を示す説明図である。
の供給パターンの第二実施例を説明するための図面であ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 滅菌槽1内の被滅菌物を所定の温度に昇
温するとともに、前記滅菌槽1内の空気の排除を行う前
処理工程を行った後、滅菌工程を行う滅菌器の運転方法
であって、前記前処理工程時、前記滅菌槽1内へ蒸気を
導入し、この蒸気の導入を前記滅菌槽1内が所定圧力と
なるまで継続し、その後蒸気を排出することによって前
記滅菌槽1内の空気を排除し、これらの蒸気の導入と排
出を前記滅菌槽1内が大気圧以上の状態で所定回数行う
ことを特徴とする滅菌器の運転方法。 - 【請求項2】 前記前処理工程において、前記滅菌槽1
内へ所定圧力まで蒸気を導入した後、この圧力を一定時
間保持してから排出することを特徴とする請求項1に記
載の滅菌器の運転方法。 - 【請求項3】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
よび排出を複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の滅菌器の運転方法。 - 【請求項4】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
よび排出を複数回繰り返し行う際、各回の蒸気導入終了
時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加するようにしたこ
とを特徴とする請求項3に記載の滅菌器の運転方法。 - 【請求項5】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
よび排出を複数回繰り返し行う際、各回の蒸気排出終了
時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加するようにしたこ
とを特徴とする請求項3に記載の滅菌器の運転方法。 - 【請求項6】 前記前処理工程において、蒸気の導入お
よび排出を複数回繰り返し行う際、各回の蒸気導入終了
時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加し、かつ各回の蒸
気排出終了時の前記滅菌槽1内の圧力が順次増加するよ
うにしたことを特徴とする請求項3に記載の滅菌器の運
転方法。 - 【請求項7】 前記前処理工程は、蒸気で前記滅菌槽1
内をパージすることにより空気を排除する操作を含むこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の滅
菌器の運転方法。 - 【請求項8】 前記前処理工程に用いる蒸気が過熱蒸気
であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に
記載の滅菌器の運転方法。 - 【請求項9】 前記前処理工程において、蒸気の排出
時、蒸気を凝縮させながら排出することを特徴とする請
求項1〜8のいずれか1項に記載の滅菌器の運転方法。
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