JP6920507B2 - 光学カモフラージュフィルター - Google Patents

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Description

光は、例えば鏡面反射又は拡散反射として、異なる仕方で表面から反射し得る。不透明材料では、材料の最表面層上において、例えば空気/材料界面において、鏡面反射が生じ得、反射は入射光の全スペクトルを伝えることができる。鏡面反射は、全反射光の4%未満を占め得る、テカリ又は光沢として発現し得る。対照的に、拡散反射が材料の上面下では生じ得、選択された波長又は色を伝えることができる。例えば、非金属物体の拡散反射では色が見え得る。両方の種類の反射は、例えば、クリアトップコートで被覆されたペイントコートを含む表面などのハイブリッド表面で観察され得る。それゆえ、空気/仕上げ塗り界面では鏡面反射が生じ得、仕上げ塗り/ペイント塗膜界面では拡散反射が生じ得る。
光学フィルターは、光通信システム、センサ、イメージング、科学及び産業光学機器、並びにディスプレイシステムなどの多種多様の用途において使用されている。光学フィルターは、光を含む入射電磁放射の透過を管理する光学層を含み得る。光学フィルターは入射光の一部分を反射又は吸収し、入射光の他の部分を透過させることができる。光学フィルター内の光学層は、波長選択性、光透過率、光学的透明性、光学ヘイズ、及び屈折率が異なり得る。
一例では、本開示は、発光器又は受光器の一方又は両方を含み得る例示的なシステムを記載する。このシステムは、発光器又は受光器の一方又は両方に隣接する光学フィルターを含み得る。光学フィルターは波長選択性散乱層を含む。波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し得る。近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比である。波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し得る。可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である。
一例では、本開示は、発光器又は受光器の一方又は両方に隣接して光学フィルターを配置することを含む例示的な技術を記載する。光学フィルターは波長選択性散乱層を含む。波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し得る。波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し得る。
一例では、本開示は、光学フィルターを含む例示的な物品を記載する。光学フィルターは波長選択性散乱層を含む。波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し得る。波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し得る。
一例では、本開示は、光学フィルターを含む例示的な物品を記載する。光学フィルターは波長選択性散乱層を含む。波長選択性散乱層は、60%未満の平均近赤外散乱、10%より大きい平均可視散乱、及び20未満の%全可視反射率と%拡散可視反射率との差を有し得る。
一例では、本開示は、発光器又は受光器の一方又は両方を含み得る例示的なシステムを記載する。例示的なシステムは、発光器又は受光器の一方又は両方に隣接する光学フィルターを含み得る。光学フィルターは、可視波長を実質的に散乱させるように構成された波長選択性散乱層を含み得る。光学フィルターは、波長選択性反射層、及び少なくとも1つの波長選択性吸収層を含み得る。各波長選択性層は、近赤外波長を透過するように構成され得る。
一例では、本開示は、発光器又は受光器の一方又は両方に隣接して光学フィルターを含み得る例示的な物品を記載する。光学フィルターは、可視波長を実質的に散乱させるように構成された波長選択性散乱層を含み得る。光学フィルターは、波長選択性反射層、及び少なくとも1つの波長選択性吸収層を含み得る。各波長選択性層は、近赤外波長を透過するように構成され得る。
一例では、本開示は、発光器又は受光器の一方又は両方を含み得る例示的なシステムを記載する。例示的なシステムは、発光器又は受光器の一方又は両方に隣接する光学フィルターを含み得る。光学フィルターは、波長選択性反射層、及び少なくとも1つの波長選択性吸収層を含み得る。各波長選択性層は、近赤外波長を透過するように構成され得る。光学フィルターは、380〜800nmにおいて0.1%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて50%より大きい近赤外透過率を有し得る。
一例では、本開示は、発光器又は受光器の一方又は両方に隣接して光学フィルターを含み得る例示的な物品を記載する。光学フィルターは、波長選択性反射層、及び少なくとも1つの波長選択性吸収層を含み得る。各波長選択性層は、近赤外波長を透過するように構成され得る。光学フィルターは、380〜800nmにおいて0.1%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて50%より大きい近赤外透過率を有し得る。
本発明の1つ以上の態様の詳細を添付の図面及び以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなる。
本発明の上記及び他の態様は、以下の詳細な説明において、これを添付の図と併せて読むことで、より明らかになる。
光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。 光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。
光学フィルターを含む例示的なシステムの概念的略図である。 光学フィルターを含む例示的なシステムの概念的略図である。 光学フィルターを含む例示的なシステムの概念的略図である。 光学フィルターを含む例示的なシステムの概念的略図である。 光学フィルターを含む例示的なシステムの概念的略図である。 光学フィルターを含む例示的なシステムの概念的略図である。
例示的な光学フィルターと、視認可能なパターン及び不可視の近赤外パターンを表示する電子ディスプレイとを含む例示的なシステムの概念図である。 例示的な光学フィルターと、視認可能なパターン及び不可視の近赤外パターンを表示する電子ディスプレイとを含む例示的なシステムの概念図である。 例示的な光学フィルターと、視認可能なパターン及び不可視の近赤外パターンを表示する電子ディスプレイとを含む例示的なシステムの概念図である。 例示的な光学フィルターと、視認可能なパターン及び不可視の近赤外パターンを表示する電子ディスプレイとを含む例示的なシステムの概念図である。
例示的な技術のフローチャートである。
例示的な光学フィルターとインクパターンとを含む例示的な物品の写真である。
ソーラーパネルの写真である。 例示的な光学フィルターによってカモフラージュされたソーラーパネルの写真である。
例示的な光学フィルターとインクパターンとを含む例示的な物品の写真である。
例示的な光学フィルターと近赤外LEDとを含む例示的なシステムの写真である。 例示的な光学フィルターと近赤外LEDとを含む例示的なシステムの写真である。 例示的な光学フィルターと近赤外LEDとを含む例示的なシステムの写真である。
例示的な光学フィルターの表面の原子間力顕微鏡(atomic force microscopy、AFM)写真である。
例示的な光学フィルターの走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy、SEM)写真である。 例示的な光学フィルターの走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy、SEM)写真である。
例示的な光学フィルターについての%反射率及び%透過率対波長を示すチャートである。
例示的な光学フィルターについての%透過率対波長を示すチャートである。 例示的な光学フィルターについての%透過率対波長を示すチャートである。
例示的な光学フィルターについての%透過率対波長を示すチャートである。
例示的な光学フィルターについての散乱効率対波長を示す、ミー散乱の結果を示すチャートである。
媒体と複数の粒子とを含む例示的な波長選択性散乱層についての、近赤外散乱比を粒径及び屈折率差の関数として示すチャートである。
近赤外黒色インクコーティングを含む近赤外フィルムと近赤外黒色インクコーティングを含まない近赤外フィルムとのウェットアウトを比較した写真である。 近赤外黒色インクコーティングを含む近赤外フィルムと近赤外黒色インクコーティングを含まない近赤外フィルムとのウェットアウトを比較した写真である。 近赤外黒色インクコーティングを含む近赤外フィルムと近赤外黒色インクコーティングを含まない近赤外フィルムとのウェットアウトを比較した写真である。 近赤外黒色インクコーティングを含む近赤外フィルムと近赤外黒色インクコーティングを含まない近赤外フィルムとのウェットアウトを比較した写真である。
図16A〜図16Dの近赤外フィルムについての%透過率対波長を示すチャートである。
例えば、有色吸収層を含む例示的な近赤外フィルムの写真である。 例えば、有色吸収層を含む例示的な近赤外フィルムの写真である。
近赤外反射防止コーティングがコーティングされた反射多層光学フィルムについての%透過率対波長を、近赤外反射防止コーティングがない反射多層光学フィルムと比較して示すチャートである。
可視光成分を有する赤外線LEDを含む例示的なシステムの写真である。 吸収層を有さない反射多層光学フィルムにより可視光成分がフィルタリングされる、赤外LEDを含む例示的なシステムの写真である。
赤外染料コーティングがない反射多層光学フィルムについての%透過率対波長を示すチャートである。
赤外染料コーティングを有する反射多層光学フィルムについての%透過率対波長を、染料コーティングがない比較用の光学フィルターに比較して示すチャートである。
本開示の特定の図の特徴は必ずしも原寸に比例して描かれているとは限らず、図は、本明細書に開示されている技術の非排他例であることを理解されたい。
本開示において、「可視」は、約400nm〜約700nmの範囲の波長を指し、「近赤外」は約700nm〜約2000nmの範囲の波長、例えば約800nm〜約1200nmの範囲の波長を指す。ULI(ultra-low index、超低屈折率)フィルムは、全体が
本明細書において参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0038990号に記載されている、バインダー、複数の粒子、及び複数の相互接続空隙を含む光学フィルムを指す。
周囲電磁放射源は、特定の波長の、又は特定の光源からの光を受光するように構成された受光器、あるいは特定の波長の光を発光するように構成された発光器と干渉し得る。例えば、可視波長は、例えば、受光器内又は発光器内のノイズを増大させることによって、近赤外波長の受光、感知、又は透過に干渉し得る。電磁放射源も意図せずに明らかにされ得る。例えば、近赤外波長のみを発光するように構成された発光器によって発光された光は視認可能ではないが、発光を担う装置又は構造体、例えば発光器の筐体が視認可能になり得る。カモフラージュ技術は、所望の近赤外波長の透過の阻止、干渉、又は減少を不必要に生じさせ得るため、発光器のマスキング、隠蔽、又はその他の仕方のカモフラージュは課題を提示し得る。本開示の諸例に係る光学フィルターは、可視波長による望ましくない光学干渉を防止し、あるいは電磁放射源を視覚からカモフラージュし、その一方で、所望の近赤外波長が発光器によって透過されること、又は受光器によって受光されることを少なくとも部分的に可能にし、あるいはその一方で、比較的高い透明度による近赤外波長の透過を可能にするために用いられ得る。
例えば、近赤外波長を受光又は感知するよう動作する受光器は可視波長から遮蔽され、可視波長によって生じ得る近赤外波長の受光又は感知との干渉を防止することができる。近赤外波長を透過するよう動作する光透過体は、可視波長を散乱させることによって、視覚に対してカモフラージュされ得る。例えば、散乱された可視波長は、近赤外波長の透過を妨げることなく、光透過体の存在を隠蔽することができる。
表面からの鏡面反射量は、空気界面のフレネル反射によって決定され得る。透明な最上層を有する不透明な表面については、全ての鏡面反射は上部の空気界面から生じ、残りの反射は下層からの拡散反射であると想定され得る。不透明な着色材料もまた、その屈折率を用いて上面上におけるフレネル反射を算出し、他の全ての反射は拡散性であると扱いつつ、同様のモデルに従うことができるであろう。例示的な光学フィルターは、透明基板上又は反射フィルム上に配置された拡散コーティングを有し得る。透明基板上に拡散コーティングがコーティングされる場合には、それは、その下にある要素を隠すために、より高いヘイズを有し得る。反射体上にコーティングがコーティングされる場合には、コーティングは、入射光を反射によって2回拡散させることになる。この場合には、コーティングはより少ないヘイズを有し得る。
それゆえ、例示的なシステムは、受光器及び発光器の一方又は両方と、可視波長の透過を少なくとも部分的に減少させることができ、その一方で、近赤外波長の透過を少なくとも部分的に可能にする波長選択性散乱層とを含む光学フィルターを含み得る。例えば、波長選択性散乱層は、入射可視光の大部分を拡散させることができる。本開示による例示的なシステム及び物品は、近赤外光を比較的高い透明度で透過させ、その一方で、例えば可視波長を選択的に散乱又は反射させることによって可視波長の透過を減少させる例示的な波長選択性散乱層を含む例示的な光学物品を含み得る。
図1A〜図1Kは、光学フィルターを含む例示的な物品の横断面図である。図1Aは例示的な物品10aの横断面図を示す。物品10aは、基板12と、波長選択性散乱層14とを含む。基板12は、ガラス、ポリマー、金属、又は任意の他の好適な硬質、半硬質若しくは軟質の材料、並びにそれらの組み合わせを含み得る。図1Aの例示的な物品10aでは、基板12が層として示されているが、諸例では、基板12は、平坦な表面、実質的に平坦な表面、又はテクスチャー化表面を有し得る任意の適切な三次元形状を取ることができる。諸例では、基板12は、例えば、パーソナルコンピューティングデバイス又は通信デバイス(例えば携帯電話又はスマートウォッチ)などの電子デバイスの、ハウジング、スクリーン、一部又は表面を含み得る。
波長選択性散乱層14は、可視光を選択的に散乱させ、近赤外光を透過させる。諸例では、波長選択性散乱層は、約0.9未満、約0.8未満、約0.7未満、約0.6未満、又は約0.5未満の近赤外散乱比を有し得る。近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比である。例えば、(例えば、帯域幅1300nm、500nm、100nm、10nm、1nmの)選択された狭近赤外波長帯域又は広近赤外波長帯域における平均散乱を求めることができ、選択された狭可視波長帯域又は広可視波長帯域における平均散乱を求めることができ、あるいは、それぞれの平均の比を求めることができる。例えば、波長選択性散乱層14は、約0.5より大きい、又は約0.7より大きい、又は約0.9より大きい可視反射ヘイズ率を有し得る。可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である。諸例では、波長選択性散乱層14は入射可視光の約50%未満を透過させることができる。諸例では、波長選択性散乱層14は入射近赤外光の約50%超を透過させることができる。諸例では、波長選択性散乱層14は入射可視光の約50%未満を透過させ、入射近赤外光の約50%超を透過させることができる。諸例では、波長選択性散乱層14は入射可視光の約50%超を散乱させることができる。例えば、波長選択性散乱層14は、入射可視光の約50%超を散乱させることによって、入射可視光の約50%未満を透過させることができる。諸例では、波長選択性層14は入射可視光の約50%超を白色光として散乱させることができる。
波長選択性散乱層14は、それぞれの所定の屈折率を有する媒体と複数の粒子とを含み得る。諸例では、波長選択性散乱層14はビーズ状の拡散層を含み得る。例えば、波長選択性散乱層14は、媒体と、媒体中に分散されたビーズとを含み得る。ビーズ状の拡散層の媒体は、ガラス、ポリマー、又は任意の他の好適な光学媒体、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。ビーズは、シリカ、ガラス、ポリマー、有機、無機、金属酸化物、ポリスチレン、又は他の好適な散乱材料、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。拡散層は、空気などの気体を含む細孔を含み得る。諸例では、気体を含む細孔はビーズ内に封入されていてもよい。
波長選択性散乱層14は、第1の屈折率を有する光学媒体を含み得る。光学媒体は複数の粒子を含み得る。複数の粒子は、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.1未満となるように第2の屈折率を有し得る。諸例では、複数の粒子は約5μm未満の平均粒径を有し得、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差は約0.1未満であり得る。諸例では、複数の粒子は約1μm未満の平均粒径を有し得、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差は約0.2未満であり得る。諸例では、複数の粒子は約0.5μm未満の平均粒径を有し得、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差は約0.4未満であり得る。諸例では、複数の粒子は約0.3μm未満の平均粒径を有し得、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差は約0.6未満であり得る。諸例では、複数の粒子は約0.2μm未満の平均粒径を有し得、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差は約1.8未満であり得る。
諸例では、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率は、下記の図15の線82の下の領域から選択される。それゆえ、波長選択性散乱層14の近赤外散乱比は0.2未満になり得る。諸例では、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率は、図15の線84の下の領域から選択される。それゆえ、波長選択性散乱層14の近赤外散乱比は0.4未満になり得る。諸例では、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率は、図15の線86の下の領域から選択される。それゆえ、波長選択性散乱層14の近赤外散乱比は0.6未満になり得る。諸例では、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率は、図15の線88の下の領域から選択される。それゆえ、波長選択性散乱層14の近赤外散乱比は0.8未満になり得る。諸例では、波長選択性散乱層14の近赤外散乱比は0.7未満になり得るか、又は0.5未満になり得る。諸例では、それぞれの線82、84、86、88の下の領域、又は任意の他の領域は、粒径下限によって境界付けされ得る。例えば、領域は、10nm、又は30nm、又は50nmを超える粒径、あるいはレイリー散乱が発現又は支配し得る粒径よりも大きい粒径のみを含み得る。
諸例では、波長選択性散乱層14は、50%未満、少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%の全可視反射率を有し得る。諸例では、全可視反射率は50%未満であってもよく、波長選択性散乱層14は可視ヘイズによって物体を隠蔽し得る。諸例では、全可視反射率は50%より大きくてもよく、波長選択性散乱層14は可視反射と可視ヘイズとの組み合わせによって物体を隠蔽し得る。諸例では、波長選択性散乱層14は、60%未満、又は40%未満の平均近赤外散乱を有し得る。諸例では、波長選択性散乱層は、10%より大きい、又は25%より大きい、又は58%より大きい平均可視散乱を有し得る。諸例では、波長選択性散乱層14の%全可視反射率と%拡散可視反射率との差は20未満であり得る。諸例では、波長選択性散乱層は、40%未満の平均近赤外散乱、及び58%より大きい平均可視散乱率を有し得、%全可視反射率と%拡散可視反射率との差は18未満であり得る。
諸例では、波長選択性散乱層14は、少なくとも15%、又は少なくとも25%、又は少なくとも35%、又は少なくとも50%の可視ヘイズを有し得る。諸例では、光学フィルター10aは、微細複製表面構造などの表面光学微細構造を含み得る。
諸例では、波長選択性散乱層14は、バインダーと、複数の粒子と、複数の相互接続空隙とを含むULI層を含み得る。光学フィルター中の複数の相互接続空隙の体積分率は約20%以上であり得る。バインダーと複数の粒子との重量比は約1:2以上であり得る。
図1Bは、例示的な物品10bの横断面図を示す。物品10bは、基板12と、波長選択性散乱層14と、反射層16とを含み得る。物品10bにおいては、波長選択性散乱層14と基板12との間に反射層16が示されているが、諸例では、物品10bは基板12を含まなくてもよく、波長選択性散乱層は反射層16上に配置されていてもよい。諸例では、基板12は、例えば、基板12の主表面、又は内部中に、反射層16を含み得る。諸例では、反射層16は基板12の下方に配置されていてもよい。諸例では、反射層16は基板12の上方に配置されていてもよい。諸例では、反射層16は穿孔されていてもよい。諸例では、物品10bは可視光の50%未満を反射し、近赤外光の50%超を透過させることができる。諸例では、反射層16は、例えば選択された波長のみを反射する波長選択性であり得る。反射層16は、多層光学フィルム、ダイクロイック反射体、干渉フィルム、無機多層積層体、金属誘電体積層体、研磨された基板、ミラー、反射型偏光子、又は反射金属若しくはガラス表面などの反射表面を含み得る。諸例では、物品10bは、反射層と波長選択性散乱層14との間、又は波長選択性散乱層14の上方の、又は物品10b内の任意の層に隣接して位置する染料層(図示せず)を含み得る。染料層は、反射層16の可視反射を低減するように、近赤外において透過性又は透明であり得、かつ、可視においてニュートラルであり得るスペクトル選択性染料を含み得る。諸例では、染料層は、少なくとも30%、50%、70%、又は90%の吸収を有し得る。諸例では、染料層は、可視色を有し、その一方で、近赤外では透過性のままであるように着色されてもよい。
図1Cは、例示的な物品10cの横断面図を示す。物品10cは、基板12と波長選択性散乱層14とを含み得る。物品10cは、任意選択的に、図1Cに示すように、反射層16、インク受容層18、印刷パターン層22、及び保護層24のうちの1つ以上を含み得る。図1Cは物品10c内の層のための特定の配置を示しているが、それぞれの層は任意の適切な構成に再配置されてもよい。例えば、反射層12が存在する場合には、基板16を省略してもよい。保護層24はシーラント層を含み得る。諸例では、インクパターン層22は、インク受容層18上に堆積され得るインク又は顔料の印刷パターンを含む。諸例では、インク受容層は省略されてもよく、インクパターン層22は波長選択性散乱層14上に堆積されてもよい。諸例では、保護層24は、インクパターン層22と波長選択性散乱層14との間に配置されていてもよい。諸例では、2つの保護層24が配置されていてもよく、一方はインクパターン層22の上方に、他方は波長選択性散乱層14に隣接して配置されていてもよい。
図1Dは、例示的な物品10dの横断面図を示す。物品10dは、基板12と、波長選択性散乱層14と、第1のシーラント層26と、第2のシーラント層28とを含み得る。第1のシーラント層26及び第2のシーラント層28の両方のうちの一方はラテックスコーティングを含み得る。各シーラント層は、例えば、水分又は他の反応物若しくは崩壊剤の侵入を防止又は低減することによって、波長選択性散乱層14の完全性を保護し得る。各シーラント層は、波長選択性散乱層14に対して構造支持及び物理的安定性をも提供し得る。例えば、第1のシーラント層26及び第2のシーラント28の一方又は両方は、波長選択性散乱層14が製造基板から剥離又は除去され、その後、製品基板、例えば基板12上に移送され、適用されることを可能にし得る。
図1Eは、例示的な物品10eの横断面図を示す。物品10eは、基板12と、基板12に隣接する波長選択性散乱層14と、波長選択性散乱層14上に堆積されたインクパターン層24とを含み得る。各センサセグメント32a、32b、32c、32dを含むセンサ層32が、基板12に隣接して配置され得る。諸例では、基板12は省略されてもよく、波長選択性散乱層14はセンサ層32上に堆積されてもよい。諸例では、波長選択性散乱層14は、各センサセグメント32a、32b、32c、及び32dと整列され得る、各選択性散乱セグメント14a、14b、14c、及び14dを含み得る。選択性散乱セグメントのうちの1つ以上は省略されてもよく、そのため、波長選択性散乱層14は、各センサセグメントのうちの少なくとも1つと整列され得る少なくとも1つの穿孔を含み得る。異なる選択性散乱セグメントは、近赤外散乱比、可視ヘイズ率、又は各選択性散乱セグメントと整列したセンサセグメントの性能を向上させることができる他の光学特性を変更することによって調整され得る。図1Eの波長散乱層14及びセンサ層32内には、4つのセグメントが表示されているが、諸例では、波長散乱層14及びセンサ層32は任意の適当な数のセグメントを有し得る。図1Eの例では、センサ層32が記載されているが、諸例では、物品10eは、センサセグメントの代わりに光源32a、32b、32c、及び32dを含み得る。
図1Fは、例示的な物品10fの横断面図を示す。物品10fは、基板12と、波長選択性散乱層14と、反射層16と、波長選択性吸収層34とを含み得る。反射層16は、波長選択性反射層を含み得る。例えば、反射層16は、波長選択性干渉フィルター又は波長選択性多層光学フィルムを含み得る。いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、可視透過率よりも高い赤外透過率を有する任意の好適な染料又は顔料を、例えば、可視波長を実質的に吸収する一方で、近赤外波長を透過する近赤外黒色インクを含み得る。例えば、波長選択性吸収層34は、Spectre(商標)インク、例えばSpectre(商標)100、110、120、130、140、150又は160(Epolin、Newark,NJ);ミマキのインク、例えばミマキES3、SS21、BS3、SS2又はHS(ミマキグローバル、日本国長野県東御市);又はセイコーのインク、例えばセイコー1000、1300、SG700、SG740又はVIC(株式会社セイコーアドバンス、日本国)などの染料又はインクを含み得る。諸例では、波長選択性吸収層34は、シアン、マゼンタ、イエロー又はブラックの染料成分のうちの1つ以上を含んでもよく、あるいは、例えば、所定の色に関連付けられる所定の波長帯域、ピーク又はスペクトルを散乱又は反射させることによって任意の所望の色を有する染料を含んでもよい。いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、可視透過率よりも高い赤外透過率を有し得るスペクトル選択性多層吸収フィルムを含み得る。諸例では、波長選択性吸収層34の色は、物品10fの外観を全体として調製するために、例えば、物品10fの主表面により示される物品10fの外観の色を変更するように、反射される波長又は散乱される波長を調製するために選択され得る。波長選択性吸収層34は、可視波長を遮断する一方で、少なくとも一部の又は実質的に全ての近赤外波長を透過し得る。いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、染料又は顔料の一方又は両方を含む別個のコーティングを含み得る。いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、染料を含まなくてもよく、近赤外透過可視遮断顔料を含んでもよい。例えば、波長選択性吸収層34は、Lumogen(登録商標)Black FK 4280又はLumogen(登録商標)Black FK 4281(BASF、Southfield,MI)を含み得る。いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、多層フィルムを含み得、その多層フィルムの層のうちの1つ以上は、染料又は顔料のうちの一方又は両方を含む。いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、接着剤層、ポリマー層、スキン層、あるいは、染料又は顔料を含む多層フィルムの任意の他の層を含み得る。いくつかの例では、物品1fは、別個の波長選択性吸収層34を含まなくてもよく、代わりに、任意の他の好適な層に波長選択性染料又は顔料を含み得る。いくつかの例では、波長選択性吸収層34又は物品10fの任意の他の層は、染料又は顔料のみを所定のパターン又は領域に含み得る。いくつかの例では。波長選択性吸収層34は、所定の波長帯域のそれぞれのサブバンドを少なくとも吸収する1つ以上の吸収染料又は顔料を含むことによって、広帯域吸収、例えば、所定の波長帯域にわたる吸収を示し得る。
いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、拡散又は散乱を示すために、ビーズ又は粒子を含み得る。例えば、波長選択性吸収層34は、媒体、及びその媒体中に分散したビーズ又は粒子を含み得る。媒体は、ガラス、ポリマー、又は任意の他の好適な光学媒体、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。ビーズ又は粒子は、シリカ、ガラス、ポリマー、有機、無機、金属酸化物、ポリスチレン、又は他の好適な散乱材料又はそれらの組み合わせを含み得る。波長選択性吸収層34は、拡散性又は散乱性の空隙又は細孔を含み得、空隙又は細孔は、空気などの気体を含み得る。
それゆえ、各波長選択性層(14、16、34)は、近赤外波長を透過し得る。例えば、波長選択性層のうちの1つ以上又は物品10f全体は、例えば、830nmより大きい波長において、5%より大きい透過率、又は10%より大きい、又は20%より大きい、又は50%より大きい、又は7%より大きい近赤外透過率を有し得る。諸例では、物品10fは、5%未満、又は1%未満、又は約0を透過することができる。例えば、物品10fは、830nmより大きい波長について、10%より大きい近赤外透過率を有し得る。例えば、物品10fは、850nmより大きい波長について、20%より大きい近赤外透過率を有し得る。例えば、物品10fは、870nmより大きい波長について、50%より大きい近赤外透過率を有し得る。例えば、物品10fは、900nmより大きい波長について、50%より大きい近赤外透過率を有し得る。諸例では、物品10fは、900nmより大きい波長について、75%より大きい平均近赤外透過率を有し得る。
いくつかの例では、図1Fに示すように、波長選択性吸収層34は、波長選択性散乱層14と波長選択性反射層16との間にあり得る。波長選択性散乱層34を波長選択性吸収層14の後ろに配置することが、波長選択性散乱層14のグレースケール又は見かけの白色度を調整するために使用されてもよい。上述したように、波長選択性吸収層34は、視覚的外観、例えば、所定の色空間における色座標を調整するために、非中間色を含み得る。諸例では、波長選択性吸収層34は、全近赤外透過率を実質的に低減することなく、光学フィルターの全可視反射率を所定の大きさだけ低減し得る。例示的な物品10fは、別個の波長選択性吸収層34を含むが、いくつかの例では、例えば、図1Gの例示的な物品10gでは、波長選択性散乱層もまた吸収層として作用するように、波長選択性散乱層14gに波長選択性染料を加えてもよい。諸例では、波長選択性散乱層14は、染色された波長選択性散乱層14g上に配置されていてもよい。
いくつかの例では、図1Hに示すように、例示的な物品10hは、波長選択性散乱層14と波長選択性吸収層34との間に配置された波長選択性反射層16を含み得る。波長選択性吸収層34は、全近赤外透過率を実質的に低減することなく、物品10hの主表面の全域にわたって全可視反射率を一様に低減することができる。全可視反射率の一様な低減は、ウェットアウトを低減又は防止するために使用され得る。ウェットアウトは、物品10hの全ての層を通る可視光漏れ又は可視光の透過から起こり得る現象であり、その結果、光学フィルターの一様な外観における中断、乱れ、異常、ばらつき又は障害が現れる。例えば、光学フィルターが下地基板と接触する領域は、ウェットアウトを示すことがあり、それによって、光学フィルターを通して接触領域に対応する形状が視認可能であり得る。波長選択性吸収層34は、物品10hの全域にわたって可視反射率を一様に低減し、可視光漏れを防止し、その一方で、物品10hの主表面にわたって中断又は乱れが見えないように、近赤外波長の透過を依然として可能とすることができ、したがって、ウェットアウトが回避される。
いくつかの例では、波長選択性吸収層34は、波長選択性反射層16の主表面に隣接する完全な中間区域を占め得る。ただし、いくつかの例では、図1Hに示すように、波長選択性吸収層34は、波長選択性反射層16の主表面に隣接する一部の領域を占めることがあり、光拡散層36は、波長選択性反射層16の主表面に隣接する残りの領域を占めている。この構成は、波長選択性吸収層34を作製するために必要とされ得る近赤外染料の量を低減するために使用され得、例えば、比較的暗い光又は可視光の吸収構成要素が、光拡散層36に隣接して配置され得る。可視光吸収構成要素、例えばセンサが、波長選択性反射層16の領域に隣接して配置される例では、その領域内でウェットアウトが発現しないことが期待できる。したがって、その領域を波長選択性吸収層34で覆う必要はなく、代わりに、その構成要素に隣接して光拡散層36を使用して、例えば、近赤外染料に係るコストを低減することができる。
いくつかの例では、例示的な物品は、波長選択性散乱層14を含まなくてもよく、図1I〜図1Kに示すように、波長選択性反射層16及び波長選択性吸収層34のみを含んでもよい。いくつかの例では、図1Iに示すように、例示的な物品10iは、基板12に隣接して配置された波長選択性反射層16を含んでもよく、波長選択性吸収層34は、基板12と波長選択性反射層16との間にある。いくつかの例では、図1Jに示すように、例示的な物品10jは、基板12に隣接して配置された波長選択性反射層16を含んでもよく、波長選択性反射層16は、波長選択性吸収層34と基板12との間にある。いくつかの例で、図1Kに示すように、例示的な物品10kは、第1の波長選択性吸収層34aと第2の波長選択性吸収層34bとの間に波長選択性反射層16を含んでもよい。波長選択性吸収層34、34a及び34bを使用して、波長選択性反射層16による可視波長の一様でない遮断を補償することができる。例えば、波長選択性反射層16が可視波長の大部分の透過を遮断し得る一方で、波長選択性反射層16は依然として、特定の可視波長のピーク又は帯域の通過を可能にし得る。それゆえ、波長選択性反射層16は、いくらかの「可視光」を漏らすことがあり、例えば視覚から、波長選択性反射層16により隠蔽すべき物体が見えることがある。波長選択性染料は、少なくとも、波長選択性反射層16により透過されるそれらの可視波長を遮断するように選択することができ、それにより、例示的な物品10i〜10kは、全可視波長を実質的に遮断し、その一方で、近赤外波長を透過する。
諸例では、例示的な物品10i〜10kは、380〜800nmにおいて0.1%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて50%より大きい近赤外透過率を有し得る。諸例では、例示的な物品10i〜10kは、380〜800nmにおいて0.01%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて75%より大きい近赤外透過率を有し得る。諸例では、例示的な物品10i〜10kは、図1A〜図1Eを参照して上述したように、シーラント層又は保護層を更に含み得る。
図1A〜図1Kは、それぞれの物品10a〜10kを、平坦な層を含むように示しているが、様々な例では、物品10a〜10kは、任意の好適な形状、周囲又は断面を取り得、物品10a〜10kの層は、規則的、不規則、又は複合的な曲率を取り得るか、あるいは異なる領域内では、平坦な、若しくは湾曲した幾何形状を取るか、又はさもなければ、層若しくは物品10a〜10kの真下の基板の外径に一致し得る。例えば、物品10a〜10kは、半球状又はレンズ状形状、あるいは、不規則な外形を有する表面をとり得る。いくつかの例では、それぞれの波長選択性層、例えば波長選択性散乱層14、反射層16、及び波長選択性吸収層34のうちのいずれかは、例えは、基板12又は下地層の少なくとも一部の区域、約1〜約100%の区域を覆う空間的に変動する又は周期的なパターンを有することによって、主寸法にわたって変動する形状又は厚さを有し得る。更に、上述したいくつかの例では、図1A〜図1Kの物品10a〜10kは、基板12を含んでもよく、他の例では、物品10a〜図10kは、基板12を含まなくてもよい。いくつかの例では、基板12はフレキシブルであり得る。いくつかの例では、物品10a〜10kは、フレキシブルであり得、フレキシブル基板上に配置されてもよい。例えば、フレキシブル基板は、光源、センサ、又は光電池を含み得る。いくつかの例では、物品10a〜10kは、連続的にフレキシブルであってもよく、あるいは、所定の領域においてのみフレキシブルであってもよい。それゆえ、図1A〜図1Kを参照して説明した諸例による例示的な物品は、可視波長の透過を遮断し、その一方で、近赤外波長の透過を可能にする光学フィルターを含み得る。例示的な物品及び光学フィルターは、以下に説明する例示的な光学システムにおいて使用され得る。
図2A〜図2Fは、光学フィルターを含む例示的な光学システムの概念的略図である。図2Aは、光学フィルター10及び受光器40を含む例示的な光学システムの概念的略図である。諸例では、受光器40は、光センサ、カメラ、CCD、又は少なくとも光の所定の波長領域を感知するように構成された任意の他のセンサを含み得る。例えば、受光器40は近赤外センサを含み得る。諸例では、受光器40は、光を受光する物体、例えば、入射光を少なくとも部分的に吸収する物体、例えば、太陽熱ヒータ、又は光を受光する任意の他の物体を含み得る。光学フィルター10は、以上において図1A〜図1Eを参照して説明されたとおりの、波長選択性散乱層を含む例示的な光学フィルターのうちの任意のもの、又は本開示に記載の他の例示的な光学フィルターを含み得る。図2Aに示すように、光学フィルター10は受光器40に隣接して配置されていてもよい。入射近赤外線42aは近赤外波長を含んでもよく、光学フィルター10を通して受光器40へ実質的に透過され得る。入射可視光線44aは可視波長を含んでもよく、光学フィルター10によって実質的に反射又は散乱され得、これにより、受光器40は可視光線44aから少なくとも部分的に遮蔽され、近赤外線42aを少なくとも部分的に受光する。諸例では、受光器は光学フィルター10によって可視光線44aから実質的に又は完全に遮蔽され得、近赤外線42aの実質的に全てを受光し得る。
図2Bは、光学フィルター10、受光器40、発光器46、及び物体48を含む例示的な光学システムの概念的略図である。諸例では、発光器46は、可視波長、近赤外波長、又は紫外波長を含む、光又は電磁放射の任意の好適な波長の発生源を含み得る。諸例では、発光器46は、電球、白熱光源、小型蛍光灯、LED、ライトガイド、又は任意の自然光源若しくは人工光源を含み得る。諸例では、発光器46は光を発生しなくてもよく、光源によって発生された光を反射又は透過させるのみでもよい。光学フィルター10は受光器40と物体48との間に配置されていてもよい。発光器は、光学フィルター10の、受光器40と同じ側に配置されていてもよい。発光器46から透過された近赤外線42bは、近赤外波長を含んでもよく、光学フィルター10を通して物体48に実質的に透過され得る。光42bは物体48によって反射され得、反射光は物体48の光学特性によって変更され得る。反射光線42は光学フィルター10を通して受光器40へ実質的に透過され得る。入射可視光線44bは可視波長を含んでもよく、光学フィルター10によって実質的に反射又は散乱され得、これにより、受光器40及び発光器46の一方又は両方は可視光線44aから少なくとも部分的に遮蔽される。諸例では、受光器は光学フィルター10によって可視光線44bから実質的に又は完全に遮蔽され得、近赤外線42bの実質的に全てを受光し得る。
図2Cは、光学フィルター10、受光器40、及び物体48を含む例示的な光学システムの概念的略図である。光学フィルター10は受光器40と物体48との間に配置されていてもよい。入射近赤外線42cは近赤外波長を含んでもよく、物体48及び光学フィルター10を通して受光器40へ実質的に透過され得る。入射可視光線44cは可視波長を含んでもよく、光学フィルター10によって実質的に反射又は散乱され得、これにより、受光器40は可視光線44cから少なくとも部分的に遮蔽され、近赤外線42cを少なくとも部分的に受光する。諸例では、受光器40は光学フィルター10によって可視光線44cから実質的に又は完全に遮蔽され得、近赤外線42cの実質的に全てを受光し得る。
図2Dは、光学フィルター10及び受光器40を含む例示的な光学システムの概念的略図である。光学フィルター10は受光器40に隣接して配置されていてもよい。入射近赤外線42dは近赤外波長を含んでもよく、光学フィルター10から受光器40へ実質的に反射され得る。入射可視光線44dは可視波長を含んでもよく、光学フィルター10によって実質的に反射又は散乱され得、これにより、受光器40は可視光線44dを少なくとも部分的に受光し、その一方で、近赤外線42dを少なくとも部分的に受光する。
図2Eは、光学フィルター10、受光器40、及び発光器46を含む例示的な光学システムの概念的略図である。光学フィルター10は、発光器46と受光器40との間に配置されていてもよい。発光器46から透過された近赤外線42eは近赤外波長を含んでもよく、光学フィルター10を通して受光器40へ実質的に透過され得る。入射可視光線44eは可視波長を含んでもよく、光学フィルター10によって実質的に反射又は散乱され得、これにより、発光器46は可視光線44eから少なくとも部分的に遮蔽される。諸例では、発光器46は、光学フィルター10によって可視光線44eから実質的に又は完全に遮蔽され得る。図2Eの例示的な光学システムにおいては、受光器40が記載されているが、諸例では、図2Eの例示的な光学システムは受光器40を含まなくてもよい。例えば、例示的な光学システムは発光器46及び光学フィルター10を含み得、光学フィルター10は、発光器46を、視覚によって見えてしまうことから隠蔽し得る。
図2Fは、光学フィルター10、受光器40、発光器46、及び物体48fを含む、例示的な光学システムの概念的略図である。諸例では、発光器46は、近赤外波長の発生源、例えば、近赤外電球又はLEDを含み得る。例えば、発光器は、レーザ、レーザダイオード、又は注入レーザを含み得る。受光器40は、近赤外波長に反応するセンサ又はカメラを含み得る。例えば、センサは、ジェスチャ・センサ、光学式タッチセンサ、又は、連続的に感知されている光ビームの乱れを検出するセンサなどの光電センサを含み得る。センサは、1種類の又は異なる種類のセンサのアレイ又は任意の他のグループを含み得る。光学フィルター10は、受光器40と物体48fとの間に配置されていてもよい。発光器46は、光学フィルター10の、受光器40と同じ側に配置されていてもよい。発光器46から透過された近赤外線42bは、近赤外波長を含んでもよく、光学フィルター10を通して物体48fに実質的に透過され得る。近赤外線42bは物体48によって反射され得、反射した近赤外線は物体48fの光学特性によって変更され得る。反射光線42は光学フィルター10を通して受光器40へ実質的に透過され得る。いくつかの例では、入射可視光線44bは可視波長を含んでもよく、光学フィルター10によって実質的に反射又は散乱され得、これにより、受光器40及び発光器46の一方又は両方は可視光線44aから少なくとも部分的に遮蔽される。諸例では、受光器は光学フィルター10によって可視光線44bから実質的に又は完全に遮蔽され得、近赤外線42bの実質的に全てを受光し得る。
いくつかの例では、虹彩走査システムは、例えば、物体48fが眼又は虹彩を含み、受光器40が、発光器46により放射されかつ物体48fにより跳ね返された近赤外光を受光する虹彩スキャナである、図2Fの例示的な光学システムを含み得る。発光器46が近赤外波長を放射し得る一方で、発光器46は、例えば使用者又はビューアに発光器46の存在を明らかにし得る可視波長もまた放出し得る。可視波長の透過を遮断して、発光器46を視覚からカモフラージュするために、波長選択性層16を含む物品が使用される一方で、波長選択性反射層16は、一部の可視波長、例えば、可視波長のピーク又は帯域を透過することを可能にし得る。いくつかの例では、光学フィルター10は、図1i〜図1kを参照して上述したように、波長選択性反射層16により透過された可視波長の透過を遮断する波長選択性吸収層34を含んでもよい。それゆえ、諸例では、光学フィルター10は、380〜800nmにおいて0.1%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて50%より大きい近赤外透過率を有し得る。したがって、光学フィルター10は、発光器46が可視波長を放射する場合であっても、視覚から発光器46をカモフラージュし、その一方で、虹彩走査システムが、光学フィルター10全体に両方向で近赤外波長を透過することによって虹彩を走査することを可能にし得る。いくつかの例では、図2Fの例示的な光学システムは、2つ以上の光学フィルター10を含み得る。例えば、発光器46又は受光器40に隣接して第1の光学フィルターが配置されていてもよく、物体48fの主表面に隣接して第2の光学フィルターが配置されていてもよい。いくつかの例では、第1及び第2の光学フィルターは、同一又は異なる光学フィルターをそれぞれ含む。いくつかの例では、光学フィルター10は、再帰反射性フィルムを含んでもよく、あるいは、再帰反射経路にわたって又はそれに沿って配置されていてもよい。いくつかの例では、物体48fは、再帰反射性フィルムを含み得る。図2Fを参照して虹彩走査システムについて説明しているが、いくつかの例では、図2Fの例は、視覚から隠蔽又はカモフラージュされるべく可視波長を放射しつつ、識別のために近赤外波長を使用する任意の生体システム又は識別システムを含んでもよい。例えば、図2Fの例示的なシステムは、指紋スキャナ、顔認識システム、又は熱認識システムを含み得る。
諸例では、光学フィルター10は、少なくとも1つの取り外し可能又は再配置可能な層を含み得るか、あるいは光学フィルター10は全体として取り外し又は再配置可能であり、そのため、光学フィルター10は、光学フィルター10の下の、又はそれに隣接する基板に対して取り外し又は再配置可能である。諸例では、光学フィルター10の周囲は、発光器46又は受光器40の一方又は両方の周囲を越えて延びてもよく、あるいは光学フィルター10の主表面の領域は、発光器46又は受光器40の一方又は両方の表面積よりも大きくてもよいし小さくてもよい。諸例では、光学フィルター10は、電子機器、回路、基板、センサ、送信機などの他の構成要素を、光学フィルターによってこれらの構成要素を視覚から遮蔽することによって、カモフラージュするように構成され得る。諸例では、1つ以上の発光器46又は受光器40、例えばアレイを、光学フィルター10に隣接して配置することができるであろう。諸例では、発光器46又は受光器40の一方又は両方は、光学フィルター10から、例えば、少なくとも1cm、又は10cm、又は1m、又は10m、又は100m、又は1km、相対的に離れているか、あるいはなお更に離れていてもよい。図2A〜図2Fでは、例えば、発光器46及び受光器40の一方又は両方と光学フィルター10との間の、直接経路が示されているが、諸例では、発光器46及び受光器40の一方又は両方と光学フィルター10との間の光は、光学的に導かれた経路、反射経路、又は屈折若しくはフィルタリングを含む光学的操作を含む経路、又は異なる光学媒体を通って進む経路を含む、非直接的経路をたどり得る。
このように、諸例では、光学フィルター10は、受光器40を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽し、その一方で、受光器40が近赤外波長を受光することを実質的に可能にするように構成され得る。例えば、光学フィルター10は、受光器40、発光器46、又は物体48のうちの1つ以上を隠蔽又はカモフラージュするように構成され得る。諸例では、光学フィルター10は、例えば、図2A〜図2Fを参照して上述したように可視波長を散乱させることによって、受光器40又は発光器46の一方又は両方を視覚からカモフラージュするように構成され得る。
図3A〜図3Dは、例示的な光学フィルターと、視認可能なパターン及び不可視の近赤外パターンを表示する電子ディスプレイとを含む例示的なシステムの概念図である。電荷結合素子(charge-coupled device、CCD)などの撮像センサは近赤外領域内で検出するため、可視的に反射可能なグラフィックを含む標示を生成することが可能であろう。標示は、カメラによって検出可能である不可視画像を隠蔽することができるであろう。例えば、画像は、例えば、バーコード、2Dバーコード、又はQRコードなどの、信号又は情報を符号化する所定のパターンを含むことができるであろう。QRコードの物理的サイズは、それらが包含し得る情報量を制限し得る。しかし、不可視QRコードは、可視グラフィックを乱す、又は損なうことなく、標示と同じ物理的大きさを有することができるであろう。一例では、電子ディスプレイ60は、ディスプレイ60の背後に隠蔽されたそれぞれの可視及び近赤外発光器によって放射された可視及び近赤外光パターンを同時に表示する能力を有し得る。電子ディスプレイ60は、以上において図1A〜図1Eを参照して説明された例示的な光学フィルターで被覆されていてもよい。例えば、電子ディスプレイ60は、図3Bに示すように、視認可能であるパターン62と不可視の近赤外パターン64とを同時に表示し得る。パターン62は、相対的により小さいQRコード、又は相対的により小さい表示フットプリントを有する他のインダイシア(indicia)を含み得、パター
ン64は、相対的により大きいQRコード、又は相対的により大きなフットプリントを有する他のインダイシアを含み得る。パターン62は、光学フィルター(図示されていない)による可視波長の反射又は散乱の結果、視認可能になり得る。図3Aにおいて見られるように、パターン62のみが視認可能であり、パターン64は、近赤外波長において比較的高い透明度で提示されている一方で、視覚に対して不可視のままとなり得る。それゆえ、近赤外波長を感知する能力を有するカメラは、十分な解像度で、例えば、パターン64内に包含され得る情報を復号するのに十分な解像度で、パターン64を感知することができる。図3Cに示す例では、所定のパターンのみがディスプレイ60上で視認可能であり、その一方で、図3Dに示すように、近赤外カメラよってのみ検出可能な不可視の近赤外パターンがディスプレイ60上に同時に表示され得る。それゆえ、3A、3B、3C、及び3Dのそれぞれの例示的なシステムでは、例示的な光学フィルターを用いて、所定の可視パターンのみを見せつつ、近赤外パターンの発生源を隠蔽又はカモフラージュすることができる。一部の例では、不可視の近赤外パターン64を用いて秘匿情報を符号化することができ、その一方で、視認可能なパターン62を用いて、視認可能な情報、又は少なくとも、符号化可能であるが符号化しても視認可能な情報を提示することができる。例えば、パターン62は、ウェブサイトなどの、情報の第1のセットを符号化することができ、その一方で、パターン64は、ディスプレイ60の位置などの、情報の第2のセットを符号化することができる。諸例では、電子ディスプレイ60は、可視パターン、不可視パターン、又はその両方を表示し得る。諸例では、電子ディスプレイ60は複数のパターンを表示し得る。諸例では、電子ディスプレイは、静的パターン又は動的パターンを表示し得る。それゆえ、例示的な光学フィルターは、高透明度の近赤外透過を有するカモフラージュをもたらし得る。
図4は例示的な技術のフローチャートである。例示的な技術は、発光器46又は受光器40の一方又は両方に隣接して光学フィルター10を配置すること(52)を含み得る。光学フィルター10は、以上において図1A〜図1E及び図2A〜図2Eを参照して説明されたとおりの、波長選択性散乱層を含む。例示的な技術は任意選択的に、光学フィルター10と発光器46又は受光器40の一方又は両方との間に反射層16を配置すること(54)を更に含み得る。光学フィルター10は任意選択的に、発光器46又は受光器40の一方又は両方をカモフラージュし得る(56)。光学フィルター10は任意選択的に、発光器又は受光器の一方又は両方を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽し得る(58)。
上述の物品は、多層フィルムを含んでもよく、あるいは、複数の層を含んでもよく、いくつかの例では、1つ以上の層を、隣接層へと配合してもよく、あるいは、隣接層と視覚的に区別不可能なぼかされた境界を形成してもよい。いくつかの例では、多層フィルム又は物品は、認識可能な境界又は主表面が1つ以上の層を分離せず、かつ、異なる層が隣接層に移行し得るように処理され得る。いくつかの例では、層は、物理的に別個の又は個別の層ではなく、所定の実質的に平坦な又は湾曲した幾何学的領域を表し得る。
このように、本開示による例示的なシステム、物品、及び技術は、例えば可視波長を選択的に散乱又は反射させることによって可視波長の透過を減少させながら近赤外光を比較的高い透明度で透過させる例示的な波長選択性散乱層を含む例示的な光学物品を含み得る。
提供された本開示による例示的な物品又は技術は、以下の非限定的な実施形態及び例によって例示される。
実施形態
本開示の実施形態としては、下記に列挙した項目が挙げられる。
項目1.発光器又は受光器の一方又は両方と、
前記発光器又は前記受光器の一方又は両方に隣接する光学フィルターであって、前記光学フィルターは波長選択性散乱層を含み、前記波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し、前記近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比であり、前記波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し、前記可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である、光学フィルターと、を含むシステム。
項目2.波長選択性散乱層が、約0.7未満の近赤外散乱比を有する、項目1に記載のシステム。
項目3.波長選択性散乱層が、約0.6未満の近赤外散乱比を有する、項目1に記載のシステム。
項目4.波長選択性散乱層が、約0.6より大きい可視反射ヘイズ率を有する、項目1〜3のいずれか1つに記載のシステム。
項目5.波長選択性散乱層が、約0.7より大きい可視反射ヘイズ率を有する、項目1〜4のいずれか1つに記載のシステム。
項目6.発光器又は受光器の一方又は両方が近赤外域内の動作波長を有する、項目1〜5のいずれか1つに記載のシステム。
項目7.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%未満を透過し、波長選択性散乱層が入射近赤外光の約50%超を透過する、項目1〜6のいずれか1つに記載のシステム。
項目8.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%超を散乱する、項目1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
項目9.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%超を白色光として散乱する、項目1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
項目10.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約5μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.1未満である、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目11.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約1μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.2未満である、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目12.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約0.5μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.4未満である、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目13.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約0.3μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.6未満である、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目14.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約0.2μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約1.8未満である、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目15.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線82の下の領域から選択される、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目16.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線84の下の領域から選択される、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目17.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線86の下の領域から選択される、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目18.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線88の下の領域から選択される、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目19.波長選択性散乱層が少なくとも25%の可視ヘイズを有する、項目1〜18のいずれか1つに記載のシステム。
項目20.光学フィルターが表面光学微細構造を含む、項目1〜19のいずれか1つに記載のシステム。
項目21.発光器が近赤外LED又は近赤外レーザを含む、項目1〜20のいずれか1つに記載のシステム。
項目22.受光器が、近赤外カメラ、又は近赤外受光帯域を有する光センサを含む、項目1〜21のいずれか1つに記載のシステム。
項目23.波長選択性散乱層が、バインダー、複数の粒子、及び複数の相互接続された空隙を含み、波長選択性散乱層内における複数の相互接続された空隙の体積分率が約20%以上であり、複数の粒子に対するバインダーの重量比が約1:2以上である、項目1〜9のいずれか1つに記載のシステム。
項目24.光学フィルターが反射層を含む、項目1〜23のいずれか1つに記載のシステム。
項目25.光学フィルターがビーズ状の拡散層を含む、項目1〜23のいずれか1つに記載のシステム。
項目26.光学フィルターが、受光器を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽し、その一方で、受光器が近赤外波長を受光することを実質的に可能にするように構成されている、項目1〜25のいずれか1つに記載のシステム。
項目27.光学フィルターが、受光器又は発光器の一方又は両方を視覚からカモフラージュするように構成されている、項目1〜26のいずれか1つに記載のシステム。
項目28.光学フィルターが、可視波長を散乱させることによって受光器又は発光器の一方又は両方を視覚から少なくとも部分的にカモフラージュするように構成されている、項目27に記載のシステム。
項目29.発光器又は受光器の一方又は両方に隣接して光学フィルターを配置する工程を含む方法であって、前記光学フィルターは波長選択性散乱層を含み、前記波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し、前記近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比であり、前記波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し、前記可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である、方法。
項目30.光学フィルターと発光器又は受光器の一方又は両方との間に反射層を配置する工程を更に含む、項目29に記載の方法。
項目31.発光器又は受光器の一方又は両方を少なくとも部分的にカモフラージュすることを含む方法であって、前記カモフラージュすることは項目29又は30に記載の方法を含む、方法。
項目32.発光器又は受光器の一方又は両方を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽する工程を含む方法であって、遮蔽する工程は項目29又は30に記載の方法を含む、方法。
項目33.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%超を散乱する、項目29〜32のいずれか1つに記載の方法。
項目34.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%超を白色光として散乱する、項目33に記載の方法。
項目35.光学フィルターを含む物品であって、前記光学フィルターは波長選択性散乱層を含み、前記波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し、前記近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比であり、前記波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し、前記可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である、物品。
項目36.波長選択性散乱層は、約0.7未満の近赤外散乱比を有する、項目35に記載の物品。
項目37.波長選択性散乱層は、約0.6未満の近赤外散乱比を有する、項目36に記載の物品。
項目38.波長選択性散乱層が、約0.6より大きい可視反射ヘイズ率を有する、項目35〜37のいずれか1つに記載の物品。
項目39.波長選択性散乱層が、約0.7より大きい可視反射ヘイズ率を有する、項目35〜37のいずれか1つに記載の物品。
項目40.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%未満を透過し、波長選択性散乱層が入射近赤外光の約50%超を透過する、項目35〜39のいずれか1つに記載の物品。
項目41.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%超を散乱する、項目35〜40のいずれか1つに記載の物品。
項目42.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%超を白色光として散乱する、項目35〜40のいずれか1つに記載の物品。
項目43.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約5μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.1未満である、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目44.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約1μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.2未満である、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目45.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約0.5μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.4未満である、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目46.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約0.3μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約0.6未満である、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目47.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率及び約0.2μm未満の平均粒径を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との絶対差が約1.8未満である、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目48.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有しする光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線82の下の領域から選択される、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目49.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線84の下の領域から選択される、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目50.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線86の下の領域から選択される、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目51.波長選択性散乱層が第1の屈折率を有する光学媒体を含み、光学媒体が複数の粒子を含み、複数の粒子が第2の屈折率を有し、複数の粒子の平均粒径、第1の屈折率、及び第2の屈折率が図15の線88の下の領域から選択される、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目52.波長選択性散乱層が少なくとも25%の可視ヘイズを有する、項目35〜51のいずれか1つに記載の物品。
項目53.光学フィルターが表面光学微細構造を含む、項目35〜52のいずれか1つに記載の物品。
項目54.波長選択性散乱層が、バインダー、複数の粒子、及び複数の相互接続された空隙を含み、波長選択性散乱層内における複数の相互接続された空隙の体積分率が約20%以上であり、複数の粒子に対するバインダーの重量比が約1:2以上である、項目35〜42のいずれか1つに記載の物品。
項目55.光学フィルターが反射層を含む、項目35〜54のいずれか1つに記載の物品。
項目56.光学フィルターがビーズ状の拡散層を含む、項目35〜55のいずれか1つに記載の物品。
項目57.光学フィルターが、受光器を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽し、その一方で、受光器が近赤外波長を少なくとも部分的に受光することを可能にするように構成されている、項目35〜56のいずれか1つに記載の物品。
項目58.光学フィルターが、受光器及び発光器の一方又は両方を視覚から少なくとも部分的にカモフラージュするように構成されている、項目35〜56のいずれか1つに記載の物品。
項目59.光学フィルターが、可視波長を少なくとも部分的に散乱させることによって受光器又は発光器の一方又は両方を視覚から少なくとも部分的にカモフラージュするように構成されている、項目58に記載の物品。
項目60.光学フィルターが、波長選択性散乱層に隣接するインク受容コーティングを含む、項目35〜59のいずれか1つに記載の物品。
項目61.光学フィルターが、インク受容コーティング上に配置されたインクパターンを含む、項目35〜60のいずれか1つに記載の物品。
項目62.光学フィルターがシーラント層を含む、項目35〜61のいずれか1つに記載の物品。
項目63.光学フィルターが保護コーティングを含む、項目35〜62のいずれか1つに記載の物品。
項目64.波長選択性散乱層が少なくとも50%の全可視反射率を有する、項目35〜63のいずれか1つに記載の物品。
項目65.波長選択性散乱層が少なくとも60%の全可視反射率を有する、項目64に記載の物品。
項目66.波長選択性散乱層が少なくとも70%の全可視反射率を有する、項目65に記載の物品。
項目67.光学フィルターを含む物品であって、前記光学フィルターは波長選択性散乱層を含み、前記波長選択性散乱層が60%未満の平均近赤外散乱を有し、前記波長選択性散乱層が、10%より大きい平均可視散乱を有し、%全可視反射率と%拡散可視反射率との差が20未満である、物品。
項目68.波長選択性散乱層が40%未満の平均近赤外散乱を有し、前記波長選択性散乱層が、58%より大きい平均可視散乱を有し、前記%全可視反射率と前記%拡散可視反射率との前記差が18未満である項目67に記載の物品。
項目69.発光器又は受光器の一方又は両方と、
発光器又は受光器の一方又は両方に隣接する光学フィルターであって、光学フィルターは、
波長選択性散乱層であって、波長選択性散乱層が、可視波長を実質的に散乱させるように構成されている、波長選択性散乱層と、
波長選択性反射層と、及び
少なくとも1つの波長選択性吸収層とを含み、波長選択性散乱層、
波長選択性反射層、及び
少なくとも1つの波長選択性吸収層のそれぞれが、近赤外波長を透過するように構成されている、光学フィルターと、を含む、
システム。
項目70.光学フィルターが、830nmより大きい波長について、5%未満の可視透過率、及び5%より大きい近赤外透過率を有する、項目69に記載のシステム。
項目71.光学フィルターが、1%未満の可視透過率を有する、項目70に記載のシステム。
項目72.光学フィルターが、830nmより大きい波長について、10%より大きい近赤外透過率を有する、項目70又は71に記載のシステム。
項目73.光学フィルターが、850nmより大きい波長について、20%より大きい近赤外透過率を有する、項目72に記載のシステム。
項目74.光学フィルターが、870nmより大きい波長について、50%より大きい近赤外透過率を有する、項目73に記載のシステム。
項目75.光学フィルターが、900nmより大きい波長について、50%より大きい近赤外透過率を有する、項目74に記載のシステム。
項目76.光学フィルターが、900nmより大きい波長について、75%より大きい平均近赤外透過率を有する、項目75に記載のシステム。
項目77.波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し、近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比であり、波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し、可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である、項目69〜76のいずれか一項に記載のシステム。
項目78.波長選択性散乱層が60%未満の平均近赤外散乱を有し、波長選択性散乱層が、10%より大きい平均可視散乱を有し、%全可視反射率と%拡散可視反射率との差が20未満である項目69〜76のいずれか一項に記載のシステム。
項目79.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%未満を透過し、波長選択性散乱層が入射近赤外光の約50%超を透過する、項目69〜76のいずれか1つに記載のシステム。
項目80.波長選択性散乱層が、バインダー、複数の粒子、及び複数の相互接続された空隙を含み、波長選択性散乱層内における複数の相互接続された空隙の体積分率が約20%以上であり、複数の粒子に対するバインダーの重量比が約1:2以上である、項目69〜79のいずれか1つに記載のシステム。
項目81.発光器が近赤外LED又は近赤外レーザを含む、項目69〜80のいずれか1つに記載のシステム。
項目82.受光器が、近赤外カメラ、又は近赤外受光帯域を有する光センサを含む、項目69〜81のいずれか1つに記載のシステム。
項目83.波長選択性反射層が、多層光学フィルムを含む、項目69〜82のいずれか1つに記載のシステム。
項目84.波長選択性反射層が、波長選択性干渉フィルターを含む、項目69〜83のいずれか1つに記載のシステム。
項目85.光学フィルターが、基板層上に配置されている、項目項69〜84のいずれか一項に記載のシステム。
項目86.光学フィルターが、受光器を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽し、その一方で、受光器が近赤外波長を受光することを実質的に可能にするように構成されている、項目69〜85のいずれか1つに記載のシステム。
項目87.光学フィルターが、受光器又は発光器の一方又は両方を視覚からカモフラージュするように構成されている、項目69〜86のいずれか1つに記載のシステム。
項目88.光学フィルターが、可視波長を散乱させることによって受光器又は発光器の一方又は両方を視覚から少なくとも部分的にカモフラージュするように構成されている、項目87に記載のシステム。
項目89.波長選択性吸収層が、前記波長選択性散乱層と前記波長選択性反射層との間にあり、前記波長選択性吸収層が、全近赤外透過率を実質的に低減することなく、前記光学フィルターの全可視反射率を所定の大きさだけ低減するように構成されている、項目69〜88のいずれか1つに記載のシステム。
項目90.波長選択性反射層が、波長選択性散乱層と波長選択性吸収層との間にあり、波長選択性吸収層が、全近赤外透過率を実質的に低減することなく、光学フィルターの主表面の全域にわたって全可視反射率を一様に低減するように構成されている、項目69〜88のいずれか1つに記載のシステム。
項目91.光学フィルターを含む物品であって、前記光学フィルターは、
波長選択性散乱層であって、可視波長を実質的に散乱させるように構成されている、波長選択性散乱層と、
波長選択性反射層と、
少なくとも1つの波長選択性吸収層と、を含み、波長選択性散乱層、
波長選択性反射層、及び
少なくとも1つの波長選択性吸収層のそれぞれが、近赤外波長を透過するように構成されている、
物品。
項目92.光学フィルターが、830nmより大きい波長について、5%未満の可視透過率、5%より大きい近赤外透過率を有する、項目91に記載の物品。
項目93.光学フィルターが、1%未満の可視透過率を有する、項目92に記載の物品。
項目94.光学フィルターが、830nmより大きい波長について、10%より大きい近赤外透過率を有する、項目92又は93に記載の物品。
項目95.光学フィルターが、850nmより大きい波長について、20%より大きい近赤外透過率を有する、項目94に記載の物品。
項目96.光学フィルターが、870nmより大きい波長について、50%より大きい近赤外透過率を有する、項目95に記載の物品。
項目97.光学フィルターが、900nmより大きい波長について、50%より大きい近赤外透過率を有する、項目96に記載の物品。
項目98.光学フィルターが、900nmより大きい波長について、75%より大きい平均近赤外透過率を有する、項目97に記載の物品。
項目99.波長選択性散乱層は約0.9未満の近赤外散乱比を有し、近赤外散乱比は、平均可視散乱に対する平均近赤外散乱の比であり、波長選択性散乱層は、約0.5より大きい可視反射ヘイズ率を有し、可視反射ヘイズ率は、平均可視全反射率に対する平均可視拡散反射率の比率である、項目91〜98のいずれか1つに記載の物品。
項目100.波長選択性散乱層が60%未満の平均近赤外散乱を有し、波長選択性散乱層が、10%より大きい平均可視散乱を有し、%全可視反射率と%拡散可視反射率との差が20未満である項目91〜99のいずれか1つに記載の物品。
項目101.波長選択性散乱層が入射可視光の約50%未満を透過し、波長選択性散乱層が入射近赤外光の約50%超を透過する、項目91〜100のいずれか1つに記載の物品。
項目102.波長選択性散乱層が、バインダー、複数の粒子、及び複数の相互接続された空隙を含み、波長選択性散乱層内における複数の相互接続された空隙の体積分率が約20%以上であり、複数の粒子に対するバインダーの重量比が約1:2以上である、項目91〜101のいずれか1つに記載の物品。
項目103.波長選択性反射層が、多層光学フィルムを含む、項目91〜102のいずれか1つに記載の物品。
項目104.波長選択性反射層が、波長選択性干渉フィルターを含む、項目91〜103のいずれか1つの記載の物品。
項目105.光学フィルターが、基板層上に配置されている、項目91〜104のいずれか1つに記載の物品。
項目106.光学フィルターが、波長選択性散乱層に隣接するインク受容コーティングを含む、項目91〜105のいずれか1つに記載の物品。
項目107.光学フィルターが、インク受容コーティング上に配置されたインクパターンを含む、項目106に記載の物品。
項目108.光学フィルターがシーラント層を含む、項目91〜107のいずれか1つに記載の物品。
項目109.光学フィルターが保護コーティングを含む、項目91〜107のいずれか1つに記載の物品。
項目110.波長選択性吸収層が、波長選択性散乱層と前記波長選択性反射層との間にあり、前記波長選択性吸収層が、全近赤外透過率を実質的に低減することなく、前記光学フィルターの全可視反射率を所定の大きさだけ低減するように構成されている、項目91〜109のいずれか1つに記載の物品。
項目111.波長選択性反射層が、波長選択性散乱層と波長選択性吸収層との間にあり、波長選択性吸収層が、全近赤外透過率を実質的に低減することなく、光学フィルターの主表面の領域にわたって全可視反射率を一様に低減するように構成されている、項目91〜109のいずれか1つに記載の物品。
項目112.発光器又は受光器の一方又は両方と、
前記発光器又は前記受光器の一方又は両方に隣接する光学フィルタであって、前記光学フィルターが、
波長選択性反射層と、
少なくとも1つの波長選択性吸収層とを含み、波長選択性反射層、及び
少なくとも1つの波長選択性吸収層のそれぞれが、近赤外波長を透過するように構成されており、前記光学フィルターは、380〜800nmにおいて0.1%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて50%より大きい近赤外透過率を有する、光学フィルタ−と、を含む、システム。
項目113.光学フィルターは、380〜800nmにおいて0.01%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて75%より大きい近赤外透過率を有する、項目112のシステム。
項目114.発光器が近赤外LED又は近赤外レーザを含む、項目112又は113に記載のシステム。
項目115.受光器が、近赤外カメラ、又は近赤外受光帯域を有する光センサを含む、項目112〜114のいずれか1つに記載のシステム。
項目116.受光器が、虹彩走査システムを含む、項目112〜115のいずれか1つに記載のシステム。
項目117.項目112〜116のいずれか一項に記載のシステムを含む、虹彩に基づく識別システムを含むシステム。
項目118.波長選択性反射層が、波長選択性干渉フィルターを含む、項目112〜117のいずれか1つに記載のシステム。
項目119.波長選択性反射層が、多層光学フィルムを含む、項目112〜118のいずれか1つに記載のシステム。
項目120.光学フィルターが、基板層上に配置されている、項目項112〜119のいずれか一項に記載のシステム。
項目121.光学フィルターが、受光器を可視波長から少なくとも部分的に遮蔽し、その一方で、受光器が近赤外波長を受光することを実質的に可能にするように構成されている、項目112〜120のいずれか1つに記載のシステム。
項目122.光学フィルターが、受光器又は発光器の一方又は両方を視覚からカモフラージュするように構成されている、項目112〜121のいずれか1つに記載のシステム。
項目123.少なくとも1つの波長選択性吸収層が、第1の波長選択性吸収層及び第2の波長選択性吸収層を含み、波長選択性反射層が、第1の波長選択性吸収層と第2の波長選択性吸収層との間にある、項目112〜122のいずれか1つに記載のシステム。
項目124.光学フィルターを含む物品であって、
波長選択性反射層と、及び
少なくとも1つの波長選択性吸収層とを含み、波長選択性反射層、及び
少なくとも1つの波長選択性吸収層のそれぞれが、近赤外波長を透過するように構成されており、前記光学フィルターは、380〜800nmにおいて0.1%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて50%より大きい近赤外透過率を有する、物品。
項目125.光学フィルターは、380〜800nmにおいて0.01%未満の可視透過率を有し、830〜900nmにおいて75%より大きい近赤外透過率を有する、項目124の物品。
項目126.波長選択性反射層が、波長選択性干渉フィルターを含む、項目124又は125に記載の物品。
項目127.波長選択性反射層が、多層光学フィルムを含む、項目124〜126のいずれか1つに記載の物品。
項目128.光学フィルターが、基板層上に配置されている、項目124〜127のいずれか1つに記載の物品。
項目129.少なくとも1つの波長選択性吸収層が、第1の波長選択性吸収層及び第2の波長選択性吸収層を含み、波長選択性反射層が、第1の波長選択性吸収層と第2の波長選択性吸収層との間にある、項目124〜128のいずれか1つに記載の物品。
項目130.光学フィルターがシーラント層を含む、項目124〜130のいずれか1つに記載の物品。
項目131.光学フィルターが保護コーティングを含む、項目124〜130のいずれか1つに記載の物品。
項目132.波長選択性吸収層が、波長選択性染料又は波長選択性顔料の一方又は両方を含む、項目124〜131のいずれか1つに記載の物品。
項目133.波長選択性吸収層が、波長選択性染料又は波長選択性顔料の一方又は両方を含む、項目69〜90のいずれか1つに記載のシステム。
項目134.波長選択性吸収層が、波長選択性染料又は波長選択性顔料の一方又は両方を含む、項目91〜111のいずれか1つに記載の物品。
項目135.波長選択性吸収層が、波長選択性染料又は波長選択性顔料の一方又は両方を含む、項目112〜123のいずれか1つに記載のシステム。
実施例1
様々なサンプル光学フィルムのための光学特性を決定した。後述のようにサンプル光学フィルムS01〜S34を調製した。サンプルS01〜S33の各々について、分光計(Lambda 900、PerkinElmer)を積分球とともに用いて拡散及び鏡面反射率を取得することで、可視散乱、近赤外散乱、全可視反射率、及び拡散可視反射率を測定した。結果を表1に示す。提示された反射率値は、SPIN(鏡面含む、若しくは全)反射率、及びSPEX(鏡面除く、若しくは拡散)反射率を含む。各サンプルフィルムで被覆された近接センサの感度を決定し、「機能せず」、「機能」、「良」、及び「優良」のうちの1つとして分類した。ヘイズ計(Haze−gard Plus、BYK−Gardner)を用いて、サンプルS01〜S34について、透過率、ヘイズ、及び透明度を決定した。結果を表2に示す。
サンプルS01〜S03はULIフィルムであり、サンプルS02は高ヘイズ高透明度ULIフィルムを含むものであった。サンプルS01は、Silquest A−174
75nmシラン粒子(Momentive)を、60%wt比のペンタエリスリトールトリアクリレートモノマー(SR444、Sartomer)、及び2.5%のIrgacure184(Ciba Specialty Chemicals Company、High Point N.C)と組み合わせることによって調製し、10μmのコーティング厚さに到達した。サンプルS04は、TiOナノ粒子及びシリコーン微粒子のフィルムを含むものであった。サンプルS04は、19.13gのM1192(Miwon)、3.38gのCN9018(Sartomer)、2.5gのTospearl145(Momentive)、12.5gのSR415(Sartomer)、12.5gの、IBOA中42.3wt% TiO(UV−TITAN L−530、Sachtleben)、25gのメチルエチルケトン、及び0.5gの光開始剤TPO−L(BASF)を混合し、#8メイヤーバーを用いて調合物をコーティングすることによって調製した。サンプルS05は、微細複製表面構造を有するフィルムであった(図9)。サンプルS6は、ペンタエリトリトールトリアクリレートバインダー(SR444、Sartomer)及びイソプロピルアルコール溶媒とともに、10μmの乾燥厚さのためにESR2フィルム(Enhanced Specular Reflector、3M)上にコーティングされた3μmのポリスチレンビーズを含むものであった。サンプルS07は、不織布材料(Sony TVモデル40W600Bから取り外した下部拡散板)を含むものであった。サンプルS08は、TiOコーティングPETフィルム、SH2FGST Fasara Film(3M)を含むものであった。サンプルS09及びS10は、ヘイズ値の異なるバルク拡散体である。サンプルS09は、PATTCLR0艶消しアクリレートシート(ePlastics、San Diego、CA)を含むものであった。サンプルS10は、TCL TV(モデル40FD2700)からの拡散板を含むものであった。サンプルS11は、iPad(第1世代、Apple)バックライトからの下部拡散シートであった。サンプルS12は、分散TiO(白色書き込みブロックを有するプラスチック6”x8”小型シールトップ食品袋、Elkay Plastics、Bensenville、ILから)を含むプラスチックフィルムを含むものであった。サンプルS13は、白色紙(HAmmermill Copy Plus多目的プリンタ用紙)を含む。サンプルS14は、微細複製表面構造(iPhone6バックライト)を有するフィルムを含む。サンプルS15〜S22はULI材料のフィルムを含む。サンプルS23は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS04を含む。サンプルS24は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS03を含む。サンプルS25は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS15を含む。サンプルS26は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS16を含む。サンプルS27は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS17を含む。サンプルS28は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS18を含む。サンプルS29は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS19を含む。サンプルS30は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS20を含む。サンプルS31は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS21を含む。サンプルS32は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS2を含む。サンプルS33は、自分自身の上に折り重ねられたサンプルS22を含む。
Figure 0006920507
Figure 0006920507
実施例2
図5は、例示的な光学フィルターとインクパターンとを含む例示的な物品の写真である。ESR2を反射層として用いた。ULI層(サンプルS01コーティング)を波長選択性散乱層と反射層に適用している。乾燥時に厚さ1ミルである、ラテックスコーティング(PrintRite DP 261、Lubrizol))の層をインク受容層とシーラント層との組み合わせとしてULI層上にコーティングしている。インク受容層の上には、インクジェット(溶剤インク)印刷パターンが印刷されている。図5に示すように、インクジェット印刷パターンは鮮明であり、汚れ、ぼやけ、又はその他の欠陥がない。
実施例3
図6Aはソーラーパネルの写真である。図6Bは、例示的な光学フィルターによってカモフラージュされたソーラーパネルの写真である。ESR2層上にULI層(サンプルS01)を堆積させることによって多層光学フィルターを形成した。光学フィルターは、カモフラージュパターン(背景木目に類似した模造木材)を印刷したものであった。図6AのCIGS(copper indium gallium selenide、セレン化銅インジウムガリウム)フィルムソーラーパネルを、図6Bに示すように、例示的な光学フィルターでカモフラージュした。このフィルターは、3M 8211 Optically Clear adhesiveを用いてソーラーパネルに積層した。カモフラージュしたフィルムパネルは、その元の電力の45%を発生した。裏面のESR2フィルムはほぼ全ての可視光を反射した。電力は、IV5ソーラー出力試験装置(PV Measurements,Inc.、Boudler CO)によって測定した。
実施例4
図7は、例示的な光学フィルターとインクパターンとを含む例示的な物品の写真である。光学フィルターは、反射基板上に堆積させたULI層で形成した。光学フィルターの右側は、インク受容層領域として、乾燥後に透明フィルムを形成したラテックスコーティング(PrintRite DP 261,Lubrizol)でコーティングした。インク受容コーティング領域及び非コーティング光学フィルター領域上にパターンをインクジェット印刷した。図7に示すように、左側の非コーティング領域上の印刷品質は、右側のインク受容層をコーティングした領域内よりも劣っていた。例えば、非コーティング領域上の印刷パターンは不明瞭で筋があった。
実施例5
図8A〜図8Cは、(図2Eに示す例示的な光学システムと同様の)例示的な光学フィルターと近赤外LEDとを含む例示的なシステムの写真である。図8Aには、近赤外発光LEDを含む構造が示されている。この構造を、ESR2層上にコーティングされたULIの層(サンプルS01)を含む例示的な光学フィルターによって被覆した。この被覆した構造を赤外線カメラを用いて撮像し、図8Bに示す赤外画像を得た。図8Bに示すように、LED光源の画像は、図8Cに示す不明瞭な赤外画像と比較して、比較的明瞭である。図8Bとは異なり、図8Cの構造(サンプルS06)は、波長選択性散乱層を含む光学フィルターの代わりにビーズ層でコーティングした。図8Cに示すように、非選択性ビーズ層は、非常に低い透明度でIR LEDの画像を透過した。
実施例6
図9は、例示的な光学フィルターの表面の原子間力顕微鏡(AFM)写真である。光学フィルターは表面テクスチャー化フィルム(サンプルS05)を含むものであった。
実施例7
図10A及び図10Bは例示的な光学フィルターの走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図10Aは、高ヘイズ低透明度ULI層(サンプルS22)を含む光学フィルターを示し、図10Bは、高ヘイズ高透明度ULI層(サンプルS02)を含む光学フィルターを示す。
実施例8
図11は、例示的な光学フィルターについての%反射率及び%透過率対波長を示すチャートである。曲線72は、第1のサンプルULI層(サンプルS01)の%透過を表す。曲線74は、第2のサンプルULI層(サンプルS01、ただし50%、より厚い)の%透過率を表す。曲線76は、第1のサンプルULI層の%透過率を表す。曲線78は、第2のサンプルULI層の%反射率を表す。図11に示すように、両サンプルULI層は、近赤外波長を透過しつつ、可視波長を選択反射した。
実施例9
図12A及び図12Bは、例示的な光学フィルターについての%透過率対波長を示すチャートである。図12Aは、ビーズをコーティングされ、PETで限定されたESR2を含む第1のサンプル光学フィルター(サンプルS06)についての%透過率を示す。図12Bは、ULIをコーティングされ、PETを積層されたESR2を含む第2のサンプル光学フィルターについての透過率を示す。図12A及び図12Bに示すように、どちらのサンプル光学フィルターも近赤外波長を透過したが、ULIコーティングESRはビーズコーティングESRに比べて可視波長の透過を選択的に遮断した。ビーズコーティングESRは可視波長の遮断の程度がより低かった。
実施例10
図13は、サンプルフィルムについての%透過率対波長を示すチャートである。最上部の曲線は、コーティングされていないPETについての%透過率を示し、%透過率はスペクトルの可視領域及び近赤外領域にわたって比較的平坦であることが分かる。中間の曲線及び下の曲線は、#3メイヤーバービーズコーティングPET層、及び#10メイヤーバービーズコーティングPET層についての%透過率をそれぞれ示す。ビーズコートは透過率を低下させたが、ビーズコートは透過率を選択的に低下させず、得られた透過率曲線はスペクトルの可視領域及び近赤外領域にわたって同じく比較的平坦であった。それゆえ、ビーズコーティングPETは、ULIをコーティングすることによって形成した波長選択性散乱層のようにうまく機能しなかった。
実施例11
図14は、粒径の異なる粒子を含む光学フィルターについての散乱効率対波長を示す、ミー散乱の結果を表すチャートである。媒体中に分散された粒子を含む光学フィルターのために、媒体中に分散された粒子の粒径、及び媒体と粒子との屈折率の差の関数としての散乱効率のための、ミー散乱に基づくモデルを用意した。媒体の屈折率を1.5に設定し、散乱粒子の屈折率を1.0に設定することにより、モデルを評価した。粒径を0.2μmから1.0μmまで0.1μmの刻みで変化させた(左から右への曲線)。
実施例12
図15は、媒体と、媒体中に分散された複数の粒子とを含む光学フィルターについての、近赤外散乱比を粒径及び屈折率差の関数として示すチャートである。モデルを用いて、近赤外散乱比に対する、粒径、及び媒体と粒子との屈折率の差の影響を評価し、図15にモデルの結果が提示されている。X軸は屈折率の差(媒体−粒子)を表し、Y軸は粒径(μm単位)を表す。等高線は、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、及び1.8などの異なる散乱比を表す。それゆえ、曲線82は0.2の近赤外散乱比を表す。曲線84は0.4の近赤外散乱比を表す。曲線86は0.6の近赤外散乱比を表す。曲線88は0.8の近赤外散乱比を表す。
実施例13
表3は、空気界面上における、特定の屈折率を有するハイブリッド表面(又は非金属)を模擬することができる拡散コーティングの最小散乱(透過)を提示する。
Figure 0006920507
表面は白色に処理されている。R%は、既知のRIを有する材料に対する空気のフレネル反射によって算出する。100%全反射=フレネル反射+拡散反射と仮定して、SPEX/SPINの理論的最大比(拡散/全可視反射)を算出した。
実施例14
X−Riteを用いて多数のサンプルについての拡散反射率及び全反射率を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006920507
実施例15
近赤外フィルムのウェットアウトを評価した。ウェットアウトとは、特に、光学フィルムが基板に接触する領域での、基板に適用された光学フィルムの一様な外観における目に見える乱れ又は障害である。反射多層光学ESR2フィルム上に、波長選択性の赤外光を透過し可視光を遮断する散乱ULI層を適用することによって、2つの近赤外フィルムを調製した。フィルムのうちの一方に近赤外透過黒色インクを適用した。図16A〜図16Dは、近赤外フィルムのウェットアウトを比較した写真である。図16Aは、それぞれの近赤外フィルムの正面を示し、図16Bは、それらの背面を示しており、一方には近赤外インクコーティングがなく、一方には近赤外インクコーティングがある。両フィルムの背面には両面テープを適用し、それぞれのガラススライドにフィルムを接着した。図16Cは、それぞれの近赤外フィルムの正面を示し、図16Dは、それらの背面を示しており、一方には近赤外インクコーティングがなく、一方には近赤外インクコーティングがあり、各々が両面テープでガラススライドに接着されている。図16Aと図16Cとを比較すると分かるように、近赤外インクコーティングのない近赤外フィルムが、視認可能なウェットアウトを示した一方で、近赤外インクコーティングのある近赤外フィルムは、外観が一様であり、ウェットアウトを示さなかった。図17は、図16A〜図16Dの近赤外フィルムについての%透過率対波長を示すチャートである。図17に示すように、曲線92は、近赤外黒色インクコーティングがない近赤外フィルムについての透過スペクトルを表し、曲線94は、近赤外黒色インクコーティングがある近赤外フィルムについての透過スペクトルを表す。それゆえ、各フィルムが、約800nmよりも低い波長の透過を遮断し続け、その一方で、約800nmよりも高い波長を透過したので、近赤外黒色インクコーティングの適用は、近赤外フィルムの可視光遮断及び赤外透過に著しい影響を与えなかった。これにより、近赤外フィルムの近赤外フィルタリング特性に影響を与えることなく、ウェットアウトが解消された。
実施例16
近赤外フィルムに有色染料を塗布した。図18A〜図18Bは、例えば、有色染料層を含む近赤外フィルムの写真である。反射多層光学ESR2フィルム上に、波長選択性の赤外光を透過し可視光を遮断する散乱ULI層を適用することによって、近赤外フィルムを調製した。図18Aの例では、散乱層の上の反射フィルムから離れた表面にシアン染料を塗布した。この染料コーティングは、図18Aにおいて見られるように、目に見えるムラを示した。図18Bの例では、散乱層と反射フィルムとの間にシアン染料を塗布した。このシアン染料層は、図18Bにおいて見られるように、視覚的に一様なシアンの色合いを近赤外フィルムに付与した。
実施例17
近赤外フィルムに近赤外反射防止コーティングを適用することの効果を評価した。近赤外反射防止コーティングがコーティングされた反射多層光学フィルムの透過率を、赤外反射防止コーティングがない反射多層光学フィルムと比較した。図19は、近赤外反射防止コーティングがコーティングされた反射多層光学フィルム(曲線98)についての%透過率対波長を、近赤外反射防止コーティングがない反射多層光学フィルム(曲線96)と比較して示すチャートである。曲線96において見られるように、反射多層光学フィルムは、主要な反射帯域外で高次高調波を示した。主要な反射帯域に近づくほど高調波リップルが強くなった。曲線98において見られるように、近赤外反射防止コーティングを適用すると、透過率が高くなり、高調波リップルが平滑化された。
実施例18
反射多層光学フィルムによる、赤外光源により放射された可視赤色成分の遮断に対する近赤外染料コーティングの効果を評価した。図20Aは、可視赤外光成分を有する赤外LEDを含む例示的なシステムの写真である。図20Bは、染料コーティングを含まない反射多層光学フィルム(ESR2)により可視光成分がフィルタリングされる、赤外LEDを含む例示的なシステムの写真である。図20Bにおいて見られるように、ESR2フィルムは、赤外LEDにより放射された可視成分の強度をある程度低減した一方で、可視成分の透過を完全には遮断しなかった。図21は、染料コーティングがない反射多層光学フィルム(ESR2)についての%透過率対波長を示すチャートである。図21において見られるように、ESR2が、約830nmを上回る波長(近赤外波長を含む)を透過し、830nmを下回る波長(可視波長を含む)を遮断する一方で、ESR2は、全ての可視波長を遮断することができるわけではない。例えば、透過スペクトルは、380〜450nm、550〜650nmのピークを示した。図22は、赤外染料コーティングを有する反射多層光学フィルムについての%透過率対波長を、染料コーティングがない比較用の光学フィルターに比較して示すチャートである。曲線102、106は、染料コーティングを含まない異なる光学フィルターの透過率を表す。図22において見られるように、曲線102及び106の光学フィルターは、可視波長をある程度遮断する一方で、スペクトルの可視成分を完全には遮断しなかった。対照的に、可視波長を完全に遮断する一方で、近赤外波長を実質的に透過する曲線104は、近赤外染料コーティング、MingBインクIR9508−A及びMingBoインクIR9508−B(Mingbo Anti−Forgery Technology(Shenzhen)Co.,Ltd.、Guangdong,China)から入手可能)を含むESR2フィルムを表す。380〜800nmの波長は、MingBo IRインクにより吸収されるが、830〜900nmの波長は透過される。曲線104の例では、ESR2の両側にMingBo IRインクをコーティングした。380〜800nmの透過率が0%付近であった一方で、830〜900nmの透過率は75%よりも高かった。曲線104を使用して、虹彩走査装置内の赤外光源を隠蔽した。それゆえ、近赤外染料コーティングを適用すると、近赤外波長の透過を可能にする一方で、ESR2による可視成分の遮断が向上した。
本発明の様々な実施例を記載した。これらの及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲内である。

Claims (8)

  1. 光学フィルターを含む物品であって、前記光学フィルターは、
    波長選択性散乱層であって、前記波長選択性散乱層は、可視波長を散乱させるように構成されている、波長選択性散乱層と、
    波長選択性反射層と、
    少なくとも1つの波長選択性吸収層と、を含み、前記波長選択性散乱層、前記波長選択性反射層及び前記少なくとも1つの波長選択性吸収層のそれぞれが、近赤外波長を透過するように構成され
    前記波長選択性吸収層が、前記波長選択性散乱層と前記波長選択性反射層との間にあり、前記波長選択性吸収層が、全近赤外透過率を低減することなく、前記光学フィルターの全可視反射率を所定の大きさだけ低減するように構成されている、物品。
  2. 前記光学フィルターが、830nmより大きい波長について、5%より大きい近赤外透過率を有する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記光学フィルターが、830nmより大きい波長について、10%より大きい近赤外透過率を有する、請求項2に記載の物品。
  4. 前記波長選択性散乱層が、バインダー、複数の粒子、及び複数の相互接続された空隙を含み、前記波長選択性散乱層内における前記複数の相互接続された空隙の体積分率が20%以上であり、前記複数の粒子に対する前記バインダーの重量比が1:2以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
  5. 前記波長選択性反射層が、多層光学フィルムを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
  6. 前記波長選択性反射層が、波長選択性干渉フィルターを含む、請求項1〜5のいずれか一項の記載の物品。
  7. 前記光学フィルターが、前記波長選択性散乱層に隣接するインク受容コーティングを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品
  8. 記波長選択性吸収層が、全近赤外透過率を低減することなく、前記光学フィルターの主表面の領域にわたって前記全可視反射率を一様に低減するように構成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の物品。
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