JP6919205B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
その画像形成装置とは、定着部において発生する高温の空気を給紙機構におけるペーパーカセット内に送り込むためのダクトと、そのダクトから送り込まれる空気を除湿するフィルターと、そのフィルターを通過した高温乾燥空気をペーパーカセット内に送り込み同時に定着部を冷却するファンと、ペーパーカセット内の温度と湿度を検知する温湿度センサと、ペーパーカセット内に設けられペーパーカセット内に送り込まれた高温乾燥空気を排出する排出口と、その排出口の開口部を調整する遮断板と、温湿度センサが検知する温度と湿度に従い排出口と遮断板とにより形成される開口部の大きさを制御する制御部とを具備するものである。
その画像形成装置とは、記録シート上に画像を形成する画像形成部と、記録シート上に画像を加熱によって定着させる定着部と、画像形成部の周辺の温度および湿度をそれぞれ計測する温度センサおよび湿度センサと、画像形成部と定着部との間を通過して画像形成部から離れる経路に通風する(外気を取り入れて流す)第1ファンと、画像形成部に通風する(外気を取り入れて流す)第2ファンと、温度センサおよび湿度センサの計測結果を用いて第1ファンおよび第2ファンを個別に制御するファン制御部とを備え、ファン制御部は、画像形成部が動作中であるときの温度センサの計測結果が予め定められた範囲内にある場合に、湿度センサの計測湿度が低い場合よりも高い場合の方が第1ファンをより高速で回転させる制御を可能にしたものである。
このことを解決するために、例えば、吸湿や結露が生じる構成部分が配置された場所にヒータ等の加熱手段を個別に設けることも考えられる。しかし、この場合は製造コストや消費電力量を増大させてしまう。
また他の解決手段として、画像形成装置ではトナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着部がその加熱により空気が暖められているので、定着部で加熱された空気を前記した吸湿や結露が生じる構成部分が配置された場所に送り込むことも考えられる。しかし、その加熱された空気を常に送り込むようにすると、加熱された空気を必要としない場所や時期にも送り込むようになって不具合を生じるおそれがある。
トナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着部と、
前記定着部で加熱された空気を流して装置外部に排出させる排気流路と、
前記排気流路内の前記空気を排出方向に移動させる送り手段と、
前記空気を送り込むべき複数の対象構造部と、
前記排気流路の前記送り手段よりも排出方向下流側の部位と前記複数の対象構造部の間を個別につないで前記空気を流す複数の分岐流路を有する通気流路と、
前記排気流路と前記通気流路の分岐部で前記空気の流すべき流路を調節する調節部と、
前記通気流路の前記複数の分岐流路とつなぐ各分岐部の少なくとも一部の分岐部で前記空気の流すべき分岐流路を個別に調節する個別調節部と、
を備え、
前記複数の分岐流路は、前記複数の対象構造部の各下方の位置に存在するよう配置されているとともに、その各分岐流路の上面に前記通気流路から流れ込む前記空気を流路外に放出する開口部が設けられているものである。
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1又はA2の画像形成装置において、装置内部の温度および湿度を検出する検出手段を更に備え、前記調節部が前記検出手段の検出結果に応じて作動するものである。
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A1からA3のいずれかの画像形成装置において、前記調節部が、主電源の投入時、画像形成動作の開始直前時、画像形成動作の終了直後時の少なくとも1つの時期に前記空気を前記通気流路に流すよう作動するものである。
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A1からA5のいずれかの画像形成装置において、前記対象構造部が、トナー像を感光体に形成する作像工程部、前記作像工程部に供給する記録媒体を収容する媒体収容部、電源ユニット部および原稿読取部の少なくとも1つであるものである。
また、この画像形成装置によれば、複数の分岐流路が複数の対象構造部の各下方の位置に存在するよう配置されていない場合に比べて、通気流路から流れ込む定着部で加熱された空気を各分岐流路から各対象構造部にむけてそれぞれ上昇移動させて送り込むことができる。
さらに、この画像形成装置によれば、複数の分岐流路で空気の流すべき流路を個別に調節する個別調節部が設けられていない場合に比べて、空気を複数の対象構造部ごとに必要なときに送り込むことができる。
上記発明A3の画像形成装置では、調節部が装置内部の温度および湿度の検出結果に応じて作動しない場合に比べて、定着部で加熱された空気を所要の対象構造部に適切な時期に適切な量で送り込むことができる。
上記発明A4の画像形成装置では、調節部が主電源の投入時、画像形成動作の開始直前時、画像形成動作の終了直後時の少なくとも1つの時期に定着部で加熱された空気を通気流路に流すよう作動しない場合に比べて、定着部で加熱された空気を所要の対象構造部にあらかじめ定めた所要の時期に送り込むことができる。
上記発明A6の画像形成装置では、定着部で加熱された空気を、作像工程部、媒体収容部、電源ユニット部および原稿読取部の少なくとも1つに対して必要なときに送り込むことができる。
図1および図2は、実施の形態1に係る画像形成装置1の全体の構成を概略的に示すものである。
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1は、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を感光体に形成する作像工程部2と、作像工程部2に記録媒体の一例である記録用紙9を供給する給紙部4と、トナー像を加熱して記録用紙9に定着させる定着部5と、作像工程部2で形成するトナー像の画像情報が記録された原稿90の画像情報を読み取る原稿読取部6を備えている。画像情報は、例えば、文字、図形、写真、着色などの情報である。
図1等の各図面に記載の符号X,Y,Zを付した矢印は、各図面において想定した3次元空間の幅、高さおよび奥行の各方向を示す直交座標軸(の方向)になる。
筐体10は、支持部材、外装カバー(開閉扉を含む)、仕切り部材等の材料を用いて支持構造部や外装部や仕切り空間が形成されている。また、筐体10の上部には、画像が形成された記録用紙9を排出する排出口12と、その排出口12から排出された記録用紙9を収容するための排出収容部13が設けられている。図1と図2に示す一点鎖線は、筐体10の内部に設けられる記録用紙9の主な搬送経路である。
この4つの作像装置20(Y,M,C,K)はいずれも、図1に示されるように、感光ドラム21、帯電装置22、露光装置23、現像装置24、一次転写装置25、ドラム清掃装置26等で主に構成されている。実施の形態1では、4つの作像装置20(Y,M,C,K)が筐体10の内部空間のほぼ中央部において作像装置20K,20C,20M,20Yの順に次第に高い位置に存在するよう傾斜して並べられた状態で配置されている。なお、図1では、作像装置20を構成する装置等の符号(21〜26)を作像装置20Yにすべて付しているが、それ以外の作像装置20M,20C,20Kには省略して一部の符号のみを付している。
帯電装置22は、各感光ドラム21の外周面における像保持面を所要の電位に帯電させるものである。この帯電装置22としては、例えば、感光ドラム21の少なくとも像保持面に接触した状態で配置されて帯電電流が供給される帯電ロール等の接触部材を備えた接触型の帯電装置が採用されている。
ドラム清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に残留するトナー等の不要物を除去して清掃するものである。
複数の支持ロール32a〜32dは、中間転写ベルト31をその外周面が各作像装置20(Y,M,C,K)における一次転写位置(各感光ドラム21と一次転写装置25が対向する部位)を通過するように、その内周面から所望の状態に保持して回転自在に支持する。支持ロール32aは中間転写ベルト31を回転させる駆動ロールおよび中間転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして、支持ロール32bは二次転写のバックアップロールとして、支持ロール32c、32dは中間転写ベルト31の一次転写面を形成するよう保持する面出しロールとして、それぞれ構成されている。
ベルト清掃装置36は、中間転写ベルト31の二次転写装置35が接触する部位(二次転写位置)を通過した外周面部分に残留して付着するトナー、紙粉等の不要物を除去して清掃するものである。
送出装置42は、用紙収容体41から記録用紙9を1枚ずつ用紙搬送路にむけて送り出すものである。この送出装置42は、用紙収容体41が複数ある場合には、その各用紙収容体41に個別に配置される。
加熱用回転体51は、矢印で示す所要の方向に回転駆動するとともに図示しない加熱手段により加熱されて表面温度が所要の温度に保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱手段である。この加熱用回転体51としては、例えば、ロール形態の加熱ロールが採用されるが、ベルト形態のものであってもよい。また、加熱用回転体51は、その外周面の表面温度が図示しない温度センサで検出され、その検出結果に応じて加熱手段の動作が制御されることで所要の温度に保持される。
加圧用回転体52は、加熱用回転体51の回転軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転する加圧手段である。この加圧用回転体52としては、例えば、ロール形態の加圧ロールが採用されるが、ベルト形態のものであってもよい。
この定着部5は、加熱用回転体51と加圧用回転体52が接触する部位が、トナー像を保持する記録用紙9が導入されて定着処理(加圧および加熱)される定着処理部として形成される。
また、この筐体10は、図3に示されるように、作像工程部2と定着部5の背面側にほぼ鉛直方向に延びる前後仕切り板18を配置している。これにより、筐体10は、作像工程部2と定着部5の背面側と筐体10の背面板11との間に空間が存在する構造になっている。この前後仕切り板18の背面側の空間には、例えば、作像工程部2と定着部5の駆動装置や回転伝達装置、図示しない電源ユニット部などが配置される。
移動式読取ユニット63は、原稿台62の下方側の空間において原稿台62に置かれた原稿90の画像情報を、走査移動させる照明光源や反射鏡、レンズ等の光学部品で照明したときに得られる反射光を固定された撮像素子に結像させて読み取らせる形式の読取装置である。
固定式読取ユニット64は、筐体10の上面部の片側端部に設けられた光透過性の読み取り窓部に可動部65における後述の原稿搬送装置(67)にて搬送される原稿90を通過させ、その通過する原稿90の画像情報を、筐体10内に固定された照明光源や光学部品で照明したときに得られる反射光を固定された撮像素子に結像させて読み取らせる形式の読取装置である。
また、可動部65は、原稿90を積み重ねて置く板状の原稿収容部材66と、原稿収容部材66に置かれた原稿90を固定式読取ユニット64で画像情報を読み取らせるように点線で示す搬送経路67aに沿って1枚ずつ搬送する原稿搬送装置67とが設けられている。
さらに、可動部65は、原稿搬送装置67を除く上面部に、固定式読取ユニット64の読み取りが終了した原稿90を排出する原稿排出面68が設けられている。
このような画像形成装置1では、以下に説明する基本的な画像形成動作が行われる。ここでは、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成される多色画像、いわゆるフルカラー画像を形成する場合を例にして説明する。
この帯電後、露光装置23が、その各感光ドラム21の帯電された像保持面に対して画像情報に基づいて4つの色成分(Y,M,C,K)に分解されて送信される画像信号に対応した露光(光の照射)をそれぞれ行う。この際、プリント動作の場合には画像形成装置1の外部から入力される画像情報に基づく露光が行われる。またコピー動作の場合には、原稿読取部6で読み取られた読取画像(画像情報)に基づく露光が行われる。この露光により、各感光ドラム21の像保持面には、所定の電位で構成される各色成分の静電潜像が個別に形成される。
続いて、各現像装置24(Y,M,C,K)が、各感光ドラム21の像保持面に形成された各色成分の静電潜像の部分に現像ロールから対応する色のトナーを供給して静電的に付着させることにより静電潜像を現像する。これにより、各感光ドラム21における各色成分の静電潜像は、その色成分に対応する4色(Y,M,C,K)のトナー像としてそれぞれ顕像化される。
最初に、各作像装置20(Y,M,C,K)では、その各感光ドラム21上に形成された各色のトナー像が各感光ドラム21の回転によって中間転写ベルト31と向き合う各一次転写位置まで搬送された後、その各一次転写位置で一次転写装置25による転写作用(主に転写電界による静電的作用)を受けることにより、その各色のトナー像が中間転写ベルト31の外周面に対してそれぞれ静電的に一次転写される。各感光ドラム21の像保持面は、一次転写後等においてドラム清掃装置26で清掃される。
続いて、中間転写装置30では、中間転写ベルト31の外周面に一次転写されたトナー像が中間転写ベルト31の矢印Bで示す方向への回転によって二次転写位置まで搬送される。一方、給紙部4では、作像工程部2の作像タイミングに合わせて所要の記録用紙9が用紙収容体41から供給搬送路Rt1を経由して二次転写位置まで搬送される。これにより、中間転写ベルト31上のトナー像は、その二次転写位置で二次転写装置35による転写作用(主に転写電界による静電的作用)を受けることにより記録用紙9に一括して静電的に二次転写される。中間転写ベルト31の外周面は、二次転写後等においてベルト清掃装置36で清掃される。
まず、作像工程部2における中間転写装置30において二次転写が終了した記録用紙9は、その中間転写ベルト31の外周面から剥離された後に中継搬送路Rt2を経由して定着部5の定着装置に搬送される。続いて、定着部5では、トナー像が転写された記録用紙9が加熱用回転体51と加圧用回転体52の間の定着処理部に導入されて加熱および加圧させる。これにより、トナー像を構成するトナーが溶融されて記録用紙9に定着される。
この定着が終了した後の記録用紙9は、その片面への画像形成を行うだけの場合には、排出搬送路Rt3を経由して排出口12まで搬送された後、排出収容部13に排出されて収容される。
またこの際、画像形成動作を要求する指令が複数枚の記録用紙9に画像形成を行う内容であった場合には、上述した一連の動作が要求された枚数分だけ同様に繰り返される。
そして、この画像形成装置1は、定着部5で加熱された空気(以下、単に「加熱空気」とも言う。)Eを利用する送風装置7を備えている。加熱空気Eは、定着部5の加熱用回転体51が加熱手段で加熱されたときにその周囲に生じる空気である。
排気ダクト71の一端部が接続される定着部5における筐体50の一部とは、筐体50のうち加熱空気Eが上昇して集まりやすい上面部や側面部の上部である。筐体50の一部には、筐体50内で発生する加熱空気Eを排気ダクト71にむけて流す排出誘導口が形成されている。また、排気ダクト71の他端部が接続される排気口14は、例えば、筐体10の背面側の側壁に四角形等の所要の開口形状からなる開口部として設けられる。排気口14には、必要に応じてルーバー、集塵フィルター等の付属物が取り付けられる。
この送風ファン72は、定着部5における筐体50の一部と接続される排気ダクト71の一端部寄りの位置か又はその一端部の位置に配置される。また、この送風ファン72は、画像形成装置1の主電源が投入されてから主電源が切断されるまでの期間、作動するようになっている。なお、送風ファン72は、例えば、加熱空気Eの温度又は加熱用回転体51の表面温度の高低度合いに応じて回転数が増減されるように構成したものであってもよい。
対象構造部73としての作像工程部2は、例えば、結露による潜像流れを発生するおそれがある感光ドラム21が主な対象物になる。また、対象構造部73としての給紙部4は、例えば、用紙収容体41に収容されている吸湿した状態にある又は吸湿するおそれのある記録用紙9が主な対象物になる。
通気ダクト74の排気ダクト71の一部に接続される一端部は、排気ダクト71の送風ファン72と排気口14の間の部位に接続されている。通気ダクト74の対象構造部73に接続される他端部は、対象構造部73が1つの場合には、その対象構造部73のうち加熱空気Eを実際に送り込みたい範囲や特定の部分に接近した位置に配置される。
この第1分岐流路76Aは、例えば、作像工程部2における作像装置20(Y,M,C,K)の下方側の位置に存在するよう配置されている。また、第1分岐流路76Aは、加熱空気Eを主に作像装置20(Y,M,C,K)の各感光ドラム21にそれぞれ送り込むため、4つの作像装置20(Y,M,C,K)の並ぶ方向に延びる長さと、その各感光ドラム21の軸方向に延びる幅とを有する扁平な箱状の流路として形成されている。さらに、第1分岐流路76Aは、その箱状の流路の上面に、開口部77として、4つの作像装置20(Y,M,C,K)における(計4つの)感光ドラム21の軸方向にそれぞれ沿って所要の間隔をあけて存在するように複数の開口部77a,77b,77cが同様に設けられている。
この第2分岐流路76Bは、例えば、給紙部4における用紙収容体41の下方側の位置に存在するよう配置されている。また、第2分岐流路76Bは、加熱空気Eを主に給紙部4の用紙収容体41に収容されている記録用紙9にむけて送り込むため、用紙収容体41の底面の形状にほぼ沿った平面形状からなる扁平な箱状の流路として形成されている。さらに、第2分岐流路76Bは、その箱状の流路の上面に、開口部77として、用紙収容体41の底面の一部と向き合う複数の開口部77d,77e,77fが設けられている。
具体的には、図5に示されるように、切替え装置75(の駆動部)の動作を制御する制御部である制御手段78に温度センサ15と湿度センサ16の検出結果の情報を送信するように構成し、また、その制御手段78が温度センサ15と湿度センサ16の検出結果に応じてあらかじめ設定された条件下で切替え装置75の動作を制御するように構成している。
定着部5で発生する加熱空気Eを利用する送風装置7においては、温度センサ15の検出温度が所定の温度より高い温度のときであり、しかも湿度センサ16の検出湿度が所定の湿度よりも低い湿度のときには、図3や図4(a)に示されるように、制御手段78の制御により切替え装置75が加熱空気Eを排気ダクト71に流すように動作する。
これにより、定着部5の筐体50内で加熱用回転体51の加熱より発生する加熱空気Eは、送風ファン72の送風作用により排気ダクト71を通して排出口14側にそのまま流される気流E1となり、排出口14から筐体10の外部に排出される。
なおこのときの加熱空気Eは、通気ダクト74に流れることがないので、対象構造部73の作像工程部2や給紙部4に送り込まれることがない。
これにより、定着部5の筐体50内で発生する加熱空気Eは、図6に示されるように、送風ファン72の送風作用により排気ダクト71に一旦流入した後、分岐部P1において切替え装置75の可動部材により進路を変えられて通気ダクト74側に流れる気流E2となる。しかる後、図4(b)に示されるように、加熱空気Eの気流E2の一部が分岐部P2で第1分岐流路76Aに流れ込む気流E3となり、また、その気流E2の残り一部が分岐部P3で第2分岐流路76Bに流れ込む気流E4となる。
またこの際、給紙部4に流れ込んだ加熱空気Eは、用紙収容体41やその周辺部にむけてそれぞれ上昇移動する。これにより、給紙部4では、用紙収容体41に収容されている記録用紙9が例えば高湿環境の影響により吸湿して良好な画像形成ができなくなるおそれがあるものの、送り込まれた加熱空気Eにより記録用紙9の周囲温度が高められることで記録用紙9が吸湿することを未然に防ぐことができる。
さらに、上記加熱空気Eの通気ダクト74に流すときの動作は、温度センサ15の検出温度が所定の温度より高い温度になり、しかも湿度センサ16の検出湿度が所定の湿度よりも低い湿度になった段階で終了する(すなわち、制御手段78の制御により切替え装置75の可動部材が通気ダクト74の流路断面を塞ぐ位置に変位させられる)。なお、この通気ダクト74に流すときの動作は、例えば、あらかじめ定めた所要の時間が経過した段階で終了させるように構成しても構わない。
このため、画像形成装置1では、仮に加熱空気Eを対象構造部73の作像工程部2や給紙部4に常に送り込む構成の場合のような加熱空気Eを必要としない場所や時期にも送り込んでしまうことを回避することができる。加熱空気Eを必要としない場所とは、例えば、定着部5、現像剤カートリッジ28等や、作像工程部2を構成する複数の作像装置20のうちで加熱空気Eを必要としない時期の作像装置20等である。また、加熱空気Eを必要としない時期とは、例えば、温度センサ15の検出温度が所定の温度より高い温度のときや、湿度センサ16の検出湿度が所定の湿度よりも低い湿度のときであり、一般的には画像形成動作の実行中等の時期である。
さらに、この画像形成装置1では、通気流路の通気ダクト74に対象構造部73の作像工程部2や給紙部4と個別につなぐ第1分岐流路76Aや第2分岐流路76Bが設けられていない場合に比べて、加熱空気Eを複数の対象構造部73である作像工程部2や給紙部4にそれぞれ的確に送り込むことができる。
実施の形態1に係る画像形成装置1では、図4(c)に例示するように、送風装置7における調節部の切替え装置75について、その可動部材を分岐部P1において排気ダクト71の流路断面を塞ぐ位置(図4a)と通気ダクト74の流路断面を塞ぐ位置(図4b)のほぼ中間になる位置に変位させることができるように構成してもよい。
この構成を採用した場合は、切替え装置75の可動部材を停止させる中間の位置を適宜設定することにより、排気ダクト71および通気ダクト74に流すべき加熱空気Eの量を調節することも可能になる。図4(c)に例示する可動部材は、排気ダクト71の流路断面よりも通気ダクト74の流路断面を広く開ける中間の位置で停止させている。
これにより、定着部5の筐体50内で発生する加熱空気Eは、送風ファン72の送風作用により排気ダクト71に一旦流入した後、分岐部P1において切替え装置75の可動部材により進路を変えられてその一部が通気ダクト74側に流れる気流E5aとなり、その残りの一部が排気ダクト71側に流れる気流E5bとなる。このときの気流E5aの空気量は、気流E5bの空気量よりも多い関係になる(E5a>E5b)。
ちなみに、通気ダクト74に減量して流された気流E5aは、図7に例示するように、その一部が第1分岐流路76Aに気流E6として流れ込んだ後に複数の開口部77a,77b,77cを通して流路外に放出されることで対象構造部73の作像工程部2に流れ込む。また、その減量された気流E5aの残り一部が、第2分岐流路76Bに気流E7として流れ込んだ後に複数の開口部77d,77e,77fを通して流路外に放出されることで対象構造部73の給紙部4に流れ込む。
実施の形態1に係る画像形成装置1では、図8に例示するように、送風装置7における調節部の切替え装置75として、排気ダクト71の流路断面に沿って上下方向に変位する可動部材を備えた切替え装置75Bを適用してもよい。この切替え装置75Bは、その可動部材を、分岐部P1における排気ダクト71の流路断面を全開する位置(図8a)と排気ダクト71の流路断面を塞ぐ位置(図8b)と上記全開する位置と塞ぐ位置のほぼ中間になる位置(図8c)にそれぞれ変位させることができる構成になっている。
この切替え装置75Bは、例えば、制御手段78により可動部材を任意の位置で停止できるように制御すればよい。また、その停止させる中間の位置は、例えば、温度センサ15の検出温度や湿度センサ16の検出湿度に応じてあらかじめ設定しておけばよい。
また、その切替え装置75Bの可動部材を排気ダクト71の流路断面を塞ぐ位置で停止させた場合(図8b)は、送風ファン72で送られた加熱空気Eが分岐部P1で通気ダクト74内を気流E2として流された後、第1分岐流路76Aと第2分岐流路76Bに配分されて対象構造部73の作像工程部2と給紙部4にそれぞれ送り込まれる。この際、気流E2は、その直進力により、分岐部P1で通気ダクト74側に流れ込むことが殆どない。
さらに、その切替え装置75Bの可動部材を排気ダクト71の流路断面を少し開けた状態で塞ぐ中間の位置で停止させた場合(図8c)は、送風ファン72で送られた加熱空気Eの一部が分岐部P1で通気ダクト74側に減量された気流E5aとして流される一方で、その残りが排気ダクト71側に気流E5aの流量よりも少ない量の気流E5b(<E5a)として流される。しかる後、通気ダクト74側に減量されて流れた気流E5aは、第1分岐流路76Aと第2分岐流路76Bに分配されて対象構造部73の作像工程部2と給紙部4に減量した量でそれぞれ送り込まれる。
図9は、実施の形態2に係る画像形成装置の要部(主に送風装置)を示している。
この画像形成装置(1)における送風装置7Bは、通気ダクト74の2つの分岐部P2,P3に個別調節部の一例である個別切替え装置79A,79Bを追加して設けた以外は実施の形態1に係る画像形成装置1における送風装置7と同じ構成からなるものである。
第1の個別切替え装置79Aと第2の個別切替え装置79Bはいずれも、実施の形態1における切替え装置75と同様に、板状の可動部材とその可動部材を所定の位置に変位させるように動かす駆動部とで構成されている。また、第1の個別切替え装置79Aと第2の個別切替え装置79Bは、実施の形態1における切替え装置75の場合と同様に、制御手段78により温度センサ15と湿度センサ16が検出した結果に応じて作動するように構成されている(図5に二点鎖線で示される個別切替え装置79A,79Bを参照)。
また、この画像形成装置(1)では、温度センサ15と湿度センサ16が検出した結果に応じて制御手段78により第1の個別切替え装置79Aの動作と第2の個別切替え装置79Bの動作とを制御することにより、例えば、通気ダクト74に流れた加熱空気Eを第1分岐流路76Aおよび第2分岐流路76Bのいずれか一方に流したうえで、最終的に対象構造部73の作像工程部2および給紙部4のいずれか一方に流すことができる。これは、具体的に説明すると、第1の個別切替え装置79Aの可動部材を分岐部P2における通気ダクト74の流路断面を塞ぐ位置にするか、あるいは、第1の個別切替え装置79Aの可動部材を分岐部P2における第1分岐流路76Aの流路断面を塞ぐ位置にすることで実現することができる。なお、この加熱空気Eを単に第1分岐流路76Aおよび第2分岐流路76Bのいずれか一方に流すようにする場合は、第2の個別切替え装置79Bを配置しなくともよい。
この構成の第1の個別切替え装置79Aと第2の個別切替え装置79Bを適用した場合は、第1の個別切替え装置79Aの可動部材と第2の個別切替え装置79Bの可動部材との少なくとも一方を中間の位置で停止させることにより、通気ダクト74から第1分岐流路76Aと第2分岐流路76Bにそれぞれ流れる各加熱空気Eの量を個々に調節(実際には減量)することができる。
図10は、実施の形態3に係る画像形成装置の要部(主に送風装置)を示している。
この画像形成装置(1)における送風装置7Cは、対象構造部73として原稿読取部6と電源ユニット部8を追加したうえで、通気ダクト74に原稿読取部6とつなぐ第3分岐流路76Cと電源ユニット部8とつなぐ第4分岐流路76Dを増設するとともに通気ダクト74の第3分岐流路76Cとの分岐部P4に第3の個別切替え装置79Cを設けた以外は実施の形態1等に係る画像形成装置1における送風装置7(7B)と同じ構成からなるものである。
また、送風装置7Cでは、例えば、第4分岐流路76Dの一端部を排気ダクト71の分岐部P2を超えた終端部(延長部)の部位(分岐部P5)で接続し、その他端部を電源ユニット部8の下方側等の周辺に配置している。第4分岐流路76Dのうち電源ユニット部8の下方側に配置している部分の上面には、所要の開口部77iを設けている。
例えば、通気ダクト74に流れた加熱空気Eを原稿読取部6のみに流す場合は、第3の個別切替え装置79Cの可動部材を通気ダクト74の分岐部P4における流路断面を塞ぐ位置にすればよい。また、通気ダクト74に流れた加熱空気Eを電源ユニット部8のみに流す場合は、第3の個別切替え装置79Cの可動部材を第3分岐流路76Cの分岐部P4における流路断面を塞ぐ位置にし、第1の個別切替え装置79Aの可動部部材を第1分岐流路76Aの分岐部P2における流路断面を塞ぐ位置にし、第2の個別切替え装置79Bの可動部部材を第2分岐流路76Bの分岐部P3における流路断面を塞ぐ位置にすればよい。
また、第4分岐流路76Dを通して電源ユニット部8に流れ込んだ加熱空気Eは、その筐体の周辺部やその内部にむけてそれぞれ上昇移動する。これにより、電源ユニット部8では、電源ユニット部8の構成部品が例えば低温環境の影響により結露して動作不良が発生するおそれがあった場合でも、送り込まれた加熱空気Eにより電源ユニット部8の周囲温度やその内部の温度が高められることで結露の発生が未然に防止される。
この構成の各個別切替え装置79A,79B,79Cを適用した場合は、第1の個別切替え装置79Aの可動部材と第2の個別切替え装置79Bの可動部材と第3の個別切替え装置79Cのの可動部材との少なくとも1つを中間の位置で停止させることにより、通気ダクト74から第1分岐流路76A、第2分岐流路76B、第3分流流路76Cおよび第4分流流路76Dにそれぞれ流れる各加熱空気Eの量を個々に調節(実際には減量)することができる。
実施の形態1〜3では、送風装置7(7B,7C)として複数の対象構造部73を採用した構成例を示したが、送風装置としては、対象構造部73が例えば、作像工程部2、給紙部4、原稿読取部6、電源ユニット部8等のいずれか1つである構成の送風装置であってもよい。対象構造部73が1つである場合、例えば、通気ダクト74の終端部をその対象構造部の近傍位置に配置し、必要により1つ又は複数の開口部を設ければよい。一方、複数の対象構造部73を採用する場合は、その複数の対象構造部73の組み合わせについては任意に選定することができる。
すなわち、その構成例とは、例えば、画像形成装置1の主電源を投入した時、画像形成動作が開始される直前の時、画像形成動作が終了した直後の時の少なくとも1つの時期に加熱空気Eを通気ダクト74にあらかじめ定めた所要の時間だけ流すように作動させるという構成である。ここで、画像形成動作の開始直前時とは、その開始指令を受けてから作像工程部2での露光工程(潜像形成)が開始されるまでの間の時期である。また、画像形成動作の終了直後時とは、最後の画像形成動作による画像が形成された記録用紙9が排出口12から排出された時点からの所要の時間帯である。
この構成の場合は、特に複数の温度センサ15と湿度センサ16を複数の対象構造部73の周辺にそれぞれ配分して配置すれば、1つの温度センサ15と湿度センサ16を配置して調節部の切替え装置75(75B)等の動作を制御する場合に比べて、その各対象構造部73に対して加熱空気Eをより適切な時期やより適切な量で送り込むことが可能になる。
ペルチェ素子81は、例えば、加熱空気Eが通気ダクト74に流されるときに、定着部5から離れるに従い加熱空気Eの温度が次第に低下することがあっても、必要に応じてペルチェ素子81を作動させることで加熱空気Eを再加熱することが可能になる。このペルチェ素子81は、分岐流路76(A〜D)に配置するようにしても構わない。
また、通気ダクト74や分岐流路76(A〜D)の必要な箇所には、除湿剤などを配置することも可能である。
2 …作像工程部(対象構造部の一例)
4 …給紙部(対象構造部の一例)
5 …定着部
6 …原稿読取部(対象構造部の一例)
8 …電源ユニット部(対象構造部の一例)
9 …記録用紙(記録媒体の一例)
15…温度センサ(検出手段の一例)
16…湿度センサ(検出手段の一例)
21…感光ドラム(感光体の一例)
71…排気ダクト(排気流路の一例)
72…送風ファン(送り手段の一例)
73…対象構造部
74…通気ダクト(通気流路の一例)
75,75B…切替え装置(調節部の一例)
76A,76B,76C,76D…分岐流路
77a〜77i…開口部
79A,79B,79C…個別切替え装置(個別調節部の一例)
P1〜P5…分岐部
Claims (6)
- トナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着部と、
前記定着部で加熱された空気を流して装置外部に排出させる排気流路と、
前記排気流路内の前記空気を排出方向に移動させる送り手段と、
前記空気を送り込むべき複数の対象構造部と、
前記排気流路の前記送り手段よりも排出方向下流側の部位と前記複数の対象構造部の間を個別につないで前記空気を流す複数の分岐流路を有する通気流路と、
前記排気流路と前記通気流路の分岐部で前記空気の流すべき流路を調節する調節部と、
前記通気流路の前記複数の分岐流路とつなぐ各分岐部の少なくとも一部の分岐部で前記空気の流すべき分岐流路を個別に調節する個別調節部と、
を備え、
前記複数の分岐流路は、前記複数の対象構造部の各下方の位置に存在するよう配置されているとともに、その各分岐流路の上面に前記通気流路から流れ込む前記空気を流路外に放出する開口部が設けられている画像形成装置。 - 前記調節部は前記空気の流すべき量を調節する請求項1に記載の画像形成装置。
- 装置内部の温度および湿度を検出する検出手段を更に備え、
前記調節部は前記検出手段の検出結果に応じて作動する請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記調節部は、主電源の投入時、画像形成動作の開始直前時、画像形成動作の終了直後時の少なくとも1つの時期に前記空気を前記通気流路に流すよう作動する請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記個別調節部は前記空気の流すべき量を調節する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記対象構造部は、トナー像を感光体に形成する作像工程部、前記作像工程部に供給する記録媒体を収容する媒体収容部、電源ユニット部および原稿読取部の少なくとも1つである請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
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