JP6917795B2 - パテ用組成物、並びにこれを用いた構造体、移動体および鉄道車両 - Google Patents

パテ用組成物、並びにこれを用いた構造体、移動体および鉄道車両 Download PDF

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Description

本発明は、パテ用組成物、並びにこれを用いた構造体、移動体および鉄道車両に関する。
鉄道車両のボディーを構成する金属表面には凹凸を補修するためのパテが設けられ、このパテ上に装飾用の塗膜が形成されている。
このようなパテには、容易に剥離しないように、下地となる金属材料や被覆される塗膜との優れた密着性が求められており、これを改善するものとして、不飽和ポリエステル樹脂に特定の架橋モノマーを含有させた組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この組成物は、架橋モノマーとして、スチレンおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有しており、これらを含有することでパテと亜鉛メッキ鋼板などとの耐熱密着性を向上できる点で優れている。
特開平11−61036号公報
他方、特に鉄道車両においては、美観を損なわないように、上述したようなパテに対してブリスタ(水ぶくれ)の抑制も求められている。
しかしながら、上述したような従来のパテ用の組成物では、依然としてブリスタの発生を十分に抑制することができず、優れた密着性とブリスタ抑制性とを両立するには至っていない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性と付与することが可能なパテ用組成物を提供することにある。
本発明は、
(1)[A]不飽和ポリエステル、
[B]重合性不飽和化合物、
[C]重合開始剤、および
[D]充填剤
を含有するパテ用組成物であって、
[B]重合性不飽和化合物が、
(B1)スチレン、並びに
(B2)グリシジル基、第2アミンおよび第3アミンからなる群より選択される少なくとも1種の基または構造と、エチレン性不飽和基とを含む化合物であることを特徴とするパテ用組成物、
(2)(B2)化合物のSP値が8以上12以下である前記(1)に記載のパテ用組成物、
(3)(B2)化合物が、グリシジルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、およびジメチルアミノエチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である前記(1)または(2)に記載のパテ用組成物、
(4)[B]重合性不飽和化合物の含有量が、[A]不飽和ポリエステル100質量部に対して50質量部以上150質量部以下である前記(1)から(3)のいずれか1項に記載のパテ用組成物、
(5)(B1)スチレンと(B2)化合物とのモル比が、10:90以上80:20以下である前記(1)から(4)のいずれか1項に記載のパテ用組成物、
(6)前記(1)から(5)のいずれか1項に記載のパテ用組成物を用いて形成されたパテを有する構造体、
(7)前記(1)から(5)のいずれか1項に記載のパテ用組成物を用いて形成されたパテを有する移動体、並びに
(8)前記(1)から(5)のいずれか1項に記載のパテ用組成物を用いて形成されたパテを有する鉄道車両
に関する。
なお、本明細書において「SP値(溶解パラメータ)」とは、Fedorsの式δ2=ΣE/ΣVにより算出される計算値を意味する。但し、δはSP値(単位:√(cal/cm))、Eは蒸発エネルギー、Vはモル体積である。なお、Fedorsの方法については、日本接着協会誌、1986年22巻566ページに記載されている。
本発明は、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性とを付与することが可能なパテ用組成物を提供することができる。したがって、当該パテ用組成物は、高い密着性と良好な外観とが求められる構造体に好適に使用することができる。
<パテ用組成物>
本発明のパテ用組成物は、[A]不飽和ポリエステル、[B]重合性不飽和化合物、[C]重合開始剤、および[D]充填剤を含有する。また、当該組成物は、本発明の効果を損なわない限り、[E]任意成分を含有してもよい。このように、当該パテ用組成物は、上記各成分を含有しているので、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性とを付与することができる。これは、[B]重合性不飽和化合物が(B1)スチレンおよび(B2)化合物を有しているので、(B1)スチレンが有する疎水性と、(B2)化合物の特定の官能基による密着性とが相俟って、当該パテ用組成物が優れた密着性およびブリスタ抑制性を付与するものと推察される。以下、各成分について詳述する。
<[A]不飽和ポリエステル>
[A]不飽和ポリエステルは、得られるパテの主成分となるものである。[A]不飽和ポリエステルとしては、不飽和二塩基酸と多価アルコールとの重縮合物、またはこの重縮合物を変性したものである。なお、[A]不飽和ポリエステルは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸等;無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などの酸無水物等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
上記重縮合物を変性したものとしては、例えば、不飽和ポリエステル鎖をグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA型エポキシなどのエポキシ化合物、トルエンジイソシアネート、イソプロペニル−ジメチル−ベンジルイソシアネートなどのイソシアネート化合物等で変性したもの等が挙げられる。
また、[A]不飽和ポリエステルの市販品としては、例えば、サンドーマCN−203、同CN−273、同1864G、同1800、同CN−703、同CN−705、同CN−351、同CN−470(以上、DICマテリアル製)、ユピカ5523、ユピカ7123(以上、日本ユピカ製)等が挙げられる。
<[B]重合性不飽和化合物>
[B]重合性不飽和化合物は、当該パテ用組成物を硬化させると共に、隣接する層との密着性を向上させる成分である。[B]重合性不飽和化合物は、(B1)スチレンおよび(B2)化合物で構成されている。なお、(B1)スチレンおよび(B2)化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B1)スチレン]
(B1)スチレンは、後述する(B2)化合物と共に当該パテ用組成物を硬化させる成分である。当該パテ用組成物が(B1)スチレンを含有していることで、パテ形成時の速乾性も期待することができる。
[(B2)化合物]
(B2)化合物は、グリシジル基、第2アミンおよび第3アミンからなる群より選択される少なくとも1種の基または構造と、エチレン性不飽和基とを含む化合物である。
グリシジル基とエチレン性不飽和基とを含む化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート(SP値9.9)、グリシジルメタクリレート(SP値9.8)等が挙げられる。
第2アミン構造とエチレン性不飽和基とを含む化合物としては、例えば、N−イソプロピルアクリルアミド(SP値10.6)などの(メタ)アクリルアミド系モノマー、N−ビニルアセトアミド(SP値10.9)等が挙げられる。
第3アミン構造とエチレン性不飽和基とを含む化合物としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート(SP値9.2)などの(メタ)アクリル系モノマー、N,N−ジメチルアクリルアミド(SP値10.6)、N,N−ジエチルアクリルアミド(SP値10.2)などの(メタ)アクリルアミド系モノマー、N−ビニルピロリドン(SP値11.4)、N−ビニルカプロラクタム(SP値10.8)、N−アクリロイルモルフォリン(SP値11.2)、アクリロニトリル(SP値11.1)等が挙げられる。
これらの中で、(B2)化合物としては、(B1)スチレンとの相溶性向上の観点から、SP値が8以上12以下であることが好ましい。これにより、均一な組成物を得ることができ、結果として均質なパテを形成することができる。
また、上述した中では、(B2)化合物としては、(B1)スチレンとの相溶性向上、塗膜等との密着性向上、ブリスタ抑制性向上の観点から、第3アミン構造とエチレン性不飽和基とを含む化合物であることも好ましく、グリシジルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、およびジメチルアミノエチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
[B]重合性不飽和化合物の含有量の下限としては、硬化性向上の観点から、[A]不飽和ポリエステル100質量部に対して、50質量部が好ましく、70質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、粘度の大幅な低下を防止して作業性を向上させる観点から、[A]不飽和ポリエステル100質量部に対して、150質量部が好ましく、120質量部がより好ましい。したがって、[B]重合性不飽和化合物の含有量は、塗布作業を容易に行うことができると共に、硬化性を効果的に向上させることができる観点から、[A]不飽和ポリエステル100質量部に対して50質量部以上150質量部以下であることが好ましく、70質量部以上120質量部以下がより好ましい。
(B1)スチレンと(B2)化合物とのモル比としては、10:90以上80:20以下であることが好ましく、30:70以上70:30以下であることがより好ましい。このように上記モル比を上記範囲とすることで、優れた密着性と、作業時の速乾性および硬化促進とを図ることができる。
<[C]重合開始剤>
[C]重合開始剤は、重合反応を開始し易くする成分である。当該パテ用組成物が[C]重合開始剤を含有することで、加熱や放射線照射等による硬化を容易に開始させることができる。
[C]重合開始剤は、使用する[A]不飽和ポリエステルの種類、所望のポットライフおよび温度における硬化時間等によって広範囲に選択することができる。[C]重合開始剤としては、例えば、熱エネルギーによりラジカルを発生させる熱開始剤、放射線エネルギーによりラジカルを発生させる紫外線開始剤、電子線開始剤等が挙げられる。なお、[C]重合開始剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱開始剤としては、例えば、ケトンペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシケタールなどの有機過酸化物等が挙げられる。
上記紫外線開始剤としては、例えば、アシルホスフィンオキシド系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が挙げられる。
上記電子線開始剤としては、例えば、ハロゲン化アルキルベンゼン、ジサルファイド系化合物等が挙げられる。
これらの中で、[C]重合開始剤としては、室温での硬化性と作業性の観点から、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシドが好ましく、ヒドロペルオキシドがより好ましく、クメンハイドロパーオキサイドがさらに好ましい。
[C]重合開始剤の含有量としては、[A]不飽和ポリエステル100質量部に対して、0.1質量部〜6質量部が好ましく、0.5質量部〜4質量部がより好ましく、1質量部〜3質量部がさらに好ましい。[C]重合開始剤の含有量を上記範囲とすることで、容易かつ適時に重合反応を開始させることができる。
なお、[C]重合開始剤は、硬化しない条件であれば予めパテ用組成物に配合しておいてもよいが、通常は使用時(硬化時)に配合され、特に上述した熱開始剤は、使用時に配合することが好ましい。
<[D]充填剤>
[D]充填剤は、パテの嵩を増す成分である。なお、[D]充填剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[D]充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト、石灰石、セッコウ、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン、およびこれらに表面処理を施したもの等が挙げられる。
これらの中で、[D]充填剤としては、高い作業性、強度および経済性、並びに優れた美観を備える観点から、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルクが好ましく、タルクがより好ましい。
[D]充填剤の含有量としては、[A]不飽和ポリエステルおよび[B]重合性不飽和化合物の合計量100質量部に対して、通常50質量部〜250質量部である。
<[E]任意成分>
当該パテ用組成物は、本発明の効果を損なわない限り、硬化促進剤、重合禁止剤、着色剤、減粘剤等の粘度調節剤、脱泡剤、シランカップリング剤、パラフィン等の空気遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤、補強材等を含有してもよい。なお、[E]任意成分は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、[E]任意成分の含有量は、それぞれの目的に応じて適宜選択することができる。
硬化促進剤は、硬化反応の速度を速めて得られる樹脂の硬さや強度を高める成分である。硬化促進剤剤としては、例えば、金属石鹸類、金属キレート類、アミン類等が挙げられる。硬化促進剤は、あらかじめパテ用組成物に配合してもよく、硬化直前に配合してもよい。
上記金属石鹸類としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等が挙げられる。
上記金属キレート類としては、例えば、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等が挙げられる。
上記アミン類としては、例えば、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリンなどのアニリン類;p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2- ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、m−トルイジンなどのトルイジン類;4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒドなどのアミノベンズアルデヒド類;トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン等が挙げられる。
硬化促進剤の含有量としては、[A]不飽和ポリエステルと[B]重合性不飽和化合物との合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部であること好ましい。
重合禁止剤は、重合を阻害する成分である。重合禁止剤としては、例えば、トリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。重合禁止剤の含有量としては、[A]不飽和ポリエステルと[B]重合性不飽和化合物との合計量100質量部に対して、0.001〜0.1質量部であることが好ましい。
着色剤は、当該パテ用組成物を所望の色に着色する成分である。着色剤としては、例えば、チタンホワイト、カーボンブラックなどの無機顔料類;フタロシアニンブルー、キナクリドンレッドなどの有機顔料類等が挙げられる。
<パテ用組成物の調製>
本発明のパテ用組成物は、[A]不飽和ポリエステル、[B]重合性不飽和化合物、[C]重合開始剤、[D]充填剤、および[E]任意成分を所定の割合で混合することにより調製することができる。
<パテの形成方法>
例えば、[A]不飽和ポリエステル、[B]重合性不飽和化合物、[D]充填剤、および[E]任意成分をあらかじめ配合した配合物を用い、硬化直前に[C]重合開始剤を上記配合物に配合して当該パテ用組成物を調製し、これを構造体上に塗布した後、所定の雰囲気、温度および時間を経ることで硬化したパテを得ることができる。上記雰囲気としては、通常大気である。上記温度としては、室温および加温のいずれであってもよいが、通常外気温が低い場合には加温、外気温が高い場合には室温で行われる。上記時間としては、上記温度および硬化度合いにより適宜決定することができる。なお、上記条件を変更しながら段階的に硬化させてもよい。
<構造体>
本発明の構造体は、当該パテ用組成物を用いて形成されたパテを有している。上述したように、当該パテ用組成物は、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性とを付与することが可能なパテ用組成物を提供することができるので、密着性と良好な外観とが求められる固定物、移動体などの構造体表面の形成に好適に用いることができる。
<移動体>
本発明の移動体は、当該パテ用組成物を用いて形成されたパテを有している。上述したように、当該パテ用組成物は、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性とを付与することが可能なパテ用組成物を提供することができるので、密着性と良好な外観とが求められる自動車、鉄道車両等の移動体表面の形成に好適に用いることができる。
<鉄道車両>
本発明の鉄道車両は、当該パテ用組成物を用いて形成されたパテを有している。上述したように、当該パテ用組成物は、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性とを付与することが可能なパテ用組成物を提供することができるので、密着性と良好な外観とが求められる機関車、客車等の鉄道車両表面の形成に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<パテ用組成物の調製>
パテ用組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
[A]不飽和ポリエステル
A−1:CN−703(ディーエイチ・マテリアル製、固形分約65%)
A−2:CN−705(ディーエイチ・マテリアル製、固形分約63%)
[B]重合性不飽和化合物
(B1)成分
B1−1:スチレン(和光純薬工業製、試薬特級)
(B2)成分
B2−1:N−ビニルピロリドン(日本触媒製、SP値11.4)
B2−2:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業製、試薬特級、SP値9.8)
B2−3:ジメチルアミノエチルアクリレート(東京化成工業製、SP値9.2)
B2−4:N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(東京化成工業製、SP値14.4)
B2−5:2−ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒製、SP値12.45)
B2−6:アクリルアミド(和光純薬工業製、和光1級、SP値14.2)
[C]重合開始剤
C−1:クメンハイドロパーオキサイド(日油製、型番:パークミルH−80)
C−2:ジアシルパーオキサイド(日油製、型番:ナイパーBW)
[D]充填剤
D−1:タルク(日本タルク製、型番:タルクSW、粒子径:平均12μm)
D−2:タルク(日本タルク製、型番:タルクMS、粒子径:平均14μm)
[E]任意成分
E−1:コバルト系促進剤(DIC製、RP−136)
E−2:アミン系促進剤(試薬:ジメチルアニリン)
[実施例1]
[A]不飽和ポリエステルとして(A−1)を用い、この(A−1)から蒸留によりスチレンを取り除いて固形分が100%となるようにした。次いで、得られた(A−1)100部に(B1)成分として(B1−1)25質量部、(B2)成分として(B2−1)45質量部、[D]充填剤として(D−1)150質量部、並びに[E]任意成分として(E−1)2質量部および(E−2)0.5質量部を配合し、この配合物の高速ディソルバーで15分撹拌した。次いで、上記撹拌した配合物に[C]重合開始剤としての(C−1)1.5質量部を加えて十分に撹拌し実施例1のパテ用組成物を調製した。
[実施例2〜実施例および比較例1〜比較例4]
配合する各成分の種類および配合量(質量部)を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に操作して、各パテ用組成物を調製した。
Figure 0006917795
<評価>
密着性およびブリスタ抑制性を評価し、その結果を表2に示す。
[密着性]
各パテ用組成物を、アルミニウム板(合金番号:A6N01、サイズ:70mm×150mm×0.8mm)上に2mm厚で塗布し、25℃にて24時間放置することで硬化させてパテ板を得た。次いで、得られたパテ板を#400耐水ペ−パ−で軽く研磨し、アクリルウレタン樹脂系上塗り塗料(関西ペイント製、型名:レタンPG80ホワイトベース)を用いたスプレー塗装により塗膜が形成された塗装板を作製した。この際、25℃にて24時間乾燥させ、乾燥後の塗膜の膜厚が50μmになるように調整した。次いで、上記塗膜が形成された塗装板を用い、これを60℃の温水に72時間浸漬した後、40℃で24時間乾燥させ、クロスカット試験(JIS K 5600−5−6に準拠)を行って密着性を評価した。評価結果はJIS K 5600−5−6に準拠し、0〜5で評価した。
[ブリスタ抑制性]
上述の[密着性]の項で説明した方法と同じ方法で作製した塗装板を用い、これを70℃の温水に100時間浸漬した後、温水を軽く拭き取って1時間以内に表面状態を観察した。このとき、ブリスタの発生が全く認められなければブリスタ抑制性は良好「A」、僅かに認められればやや不良「B」、容易に認められれば不良「C」とした。
Figure 0006917795
表2の結果から分かるように、比較例ではブリスタ抑制性が不良であったのに対し、実施例については密着性およびブリスタ抑制性のいずれも良好であった。
本発明は、十分な密着性と優れたブリスタ抑制性とを付与することが可能なパテ用組成物を提供することができる。したがって、当該パテ用組成物は、高い密着性と良好な外観とが求められる構造体に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. [A]不飽和ポリエステル、
    [B]重合性不飽和化合物、
    [C]重合開始剤、および
    [D]充填剤
    を含有するパテ用組成物であって、
    [B]重合性不飽和化合物が、
    (B1)スチレン、並びに
    (B2)2アミンおよび第3アミンからなる群より選択される少なくとも1種の造と、エチレン性不飽和基とを含む化合物であり、
    前記(B2)化合物のSP値が8以上12以下であることを特徴とするパテ用組成物。
  2. (B2)化合物が、−ビニルピロリドン、およびジメチルアミノエチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のパテ用組成物。
  3. [B]重合性不飽和化合物の含有量が、[A]不飽和ポリエステル100質量部に対して50質量部以上150質量部以下である請求項1または請求項に記載のパテ用組成物。
  4. (B1)スチレンと(B2)化合物とのモル比が、10:90以上80:20以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のパテ用組成物。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のパテ用組成物を用いて形成されたパテを有する構造体。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のパテ用組成物を用いて形成されたパテを有する移動体。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のパテ用組成物を用いて形成されたパテを有する鉄道車両。
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