JPH10216615A - パテ塗膜の形成方法 - Google Patents

パテ塗膜の形成方法

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JPH10216615A
JPH10216615A JP4468697A JP4468697A JPH10216615A JP H10216615 A JPH10216615 A JP H10216615A JP 4468697 A JP4468697 A JP 4468697A JP 4468697 A JP4468697 A JP 4468697A JP H10216615 A JPH10216615 A JP H10216615A
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liquid
main component
coating film
weight
putty coating
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JP4468697A
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Yasuo Haruta
泰夫 春田
Tamotsu Kamiura
保 上浦
Katsuaki Onishi
克明 大西
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道車両外板の塗装において、主剤と硬化剤
の混合が十分に行われ、かつ臭気の少ない、パテをスプ
レー塗装する方法を提供する。 【解決手段】 パテ塗膜の形成方法は、主剤成分aから
なるA液と、主剤成分bおよび硬化剤成分とからなるB
液とをスタティックミキサーを用いて混合し、エアレス
スプレーによって塗布するものである。ここで、A液と
B液との混合比は1:15〜15:1の範囲である。さ
らに、主剤成分aおよび主剤成分bは、不飽和ポリエス
テル樹脂、不飽和モノマー、充填剤および添加剤を含ん
でおり、硬化剤成分は、有機過酸化物および可塑剤を含
んでいる。また、上述の混合比でA液とB液とを混合し
た状態において、A液とB液との合計量に対する硬化剤
成分の占める割合は、0.5〜5重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、パテ塗膜の形成方
法、特に鉄道車両外板へのパテ塗膜の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両外板の塗装におけるパテ塗装
は、ヘラを用いて人力で行われることが多く、多大な作
業時間および熟練を必要とするものである。この問題を
解決するために、パテをスプレー塗装する方法の開発が
行われている。特開平7−328523には、硬化剤成
分と圧縮空気とを混合したものを、スプレーガンの先端
で主剤成分と合流混合させる方法が開示されている。こ
の方法では、スプレーガンの先端において空気による混
合を行うため、主剤と硬化剤の混合が十分でないこと、
および臭気を発生する点で問題が残る。さらに、スプレ
ーガンにホースが3本とりつけられているためにガンの
重量が重くなり、作業性が悪くなるという問題点を有す
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術が有する問題点を解決するものであり、主剤と硬化
剤の混合が十分に行われ、かつ臭気の少ない、パテをス
プレー塗装する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のパテ塗膜の形成
方法は、主剤成分aからなるA液と、主剤成分bおよび
硬化剤成分とからなるB液とをスタティックミキサーを
用いて混合し、エアレススプレーによって塗布するもの
である。ここで、A液とB液との混合比は1:15〜1
5:1の範囲である。さらに、主剤成分aおよび主剤成
分bは、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和モノマー、充
填剤および添加剤を含んでおり、硬化剤成分は、有機過
酸化物および可塑剤を含んでいる。また、上述の混合比
でA液とB液とを混合した状態において、A液とB液と
の合計量に対する硬化剤成分の占める割合は、0.5〜
5重量%である。
【0005】
【発明の実施の形態】
主剤成分 本発明のパテ塗膜の形成方法にはA液およびB液が用い
られる。A液は主剤成分aからなり、B液は主剤成分b
および硬化剤成分からなるものである。ここで、主剤成
分aおよび主剤成分bは、不飽和ポリエステル樹脂、不
飽和モノマー、充填剤および添加剤を含んでいる。
【0006】上記の主剤成分aおよび上記の主剤成分b
に含まれる不飽和ポリエステル樹脂は、一般にパテに用
いられているものを使用することができる。このような
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和多塩基酸と多価アル
コールとの縮合によって得ることができるが、空乾性を
有する成分の共存下で縮合を行うことが好ましい。上記
の不飽和多塩基酸の具体例としては、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など
を挙げることができる。また、上記の多価アルコールの
具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、水素添加ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプ
ロピレンオキサイドの誘導体などを挙げることができ
る。一方、上記の空乾性を有する成分は、得られる塗膜
の研磨性を改良するために使用するものであり、ヨウ素
価が40以上であるものが好ましい。このようなものと
して、アリルグリシジルエーテル、アリルグリコール、
グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエ
ーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテルなど
のアリル化合物や大豆油、アマニ湯、脱水ヒマシ油、キ
リ油、魚油あるいはこれらのエステル交換油、脂肪酸類
などの動植物油を挙げることができる。
【0007】本発明で用いられる主剤成分aおよび主剤
成分bに含まれる不飽和ポリエステル樹脂の製造は、一
般に知られた方法によって行われるが、例えば、不飽和
多塩基酸、多価アルコールおよび空乾性を有する成分を
150〜250℃で縮合させるか、または不飽和多塩基
酸の全部または一部と多価アルコールとを150〜22
0℃で反応させた後、残りの不飽和多塩基酸と空乾性を
有する成分を添加し、120〜220℃で反応させるこ
とによって得ることができる。ここで、不飽和多塩基
酸、多価アルコールおよび空乾性を有する成分のそれぞ
れの量は、全体の合計重量を100重量部としたとき
に、不飽和多塩基酸が30〜60重量部、多価アルコー
ルが10〜40重量部および空乾性を有する成分が3〜
30重量部であることが好ましい。
【0008】なお、得られる塗膜の耐クラック性改良の
観点から、不飽和多塩基酸の10〜70モル%は、飽和
多塩基酸に置き換わっていることが好ましく、20〜6
0モル%であることがさらに好ましい。飽和多塩基酸の
具体例として、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラハ
イドロフタル酸などが挙げられるが、脂肪族のものが好
ましい。また、上記の不飽和多塩基酸、多価アルコール
および空乾性を有する成分以外にも、耐久性や付着性の
向上のためにアルキルグリシジルエステル、ジシクロペ
ンタジエンなどを加えて、上記不飽和ポリエステル樹脂
を製造することも可能である。
【0009】このようにして得られる、本発明で用いら
れる主剤成分に含まれる不飽和ポリエステル樹脂は、作
業性の点から数平均分子量1000〜4000、酸価7
0以下のものが好ましい。
【0010】一方、本発明で用いられる主剤成分aおよ
び主剤成分bに含まれる不飽和モノマーとしては、スチ
レン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルト
ルエン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、(メ
タ)アクリル酸エチル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、アクリロニトリル、ジアクリルフタレートなどを
挙げることができる。
【0011】また、本発明で用いられる主剤成分aおよ
び主剤成分bに含まれる充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、マイ
カ、シリカなどの体質顔料、酸化チタン、ベンガラ、カ
ーボンブラック、酸化鉄、シアニンブルーなどの着色顔
料、その他グラスファイバー、ガラスバルーン、プラス
チックバルーンなどを挙げることができる。
【0012】本発明で用いられる主剤成分aおよび主剤
成分bは、添加剤を含むことができる。このような添加
剤としては、種々のものを使用が可能であるが、硬化反
応制御剤が含まれていることが好ましい。このような硬
化反応制御剤としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン
酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸コバル
ト、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウムなどの
有機酸の金属塩や三級アミンなどの硬化促進剤や、ハイ
ドロキノンなどの硬化遅延剤を挙げることができる。本
発明において、硬化促進剤は、パテ塗膜形成後の硬化時
間の短縮の目的で、一方、硬化遅延剤は、A液およびB
液の安定性を確保する目的で使用されるものである。な
お、硬化促進剤と硬化遅延剤の量を調整することで、本
発明で得られるパテ塗膜の硬化時間の制御が可能であ
る。
【0013】上記の主剤成分aおよび主剤成分bは、硬
化反応制御剤として硬化促進剤および/または硬化遅延
剤を含むことが可能である。しかし、一般的には、主剤
成分aは、添加剤として硬化促進剤を含んでおり、主剤
成分bが、前記添加剤として硬化遅延剤を含んでいるこ
とが好ましい。また、主剤成分aが硬化促進剤および硬
化遅延剤を含んでおり、主剤成分bが、硬化反応制御剤
としては硬化遅延剤のみを含んでいることがより好まし
い。ここでいう「硬化遅延剤のみ」とは、硬化反応を実
質的に促進しない程度の硬化促進剤を含んでいても構わ
ない。
【0014】本発明で用いられる主剤成分aおよび主剤
成分bにおける上記の各構成成分の割合は、以下のよう
に決定される。上記の不飽和ポリエステル樹脂と不飽和
モノマーとの重量比は、35:65〜85:15である
ことが好ましく、45:55〜80:20であることが
さらに好ましい。不飽和ポリエステル樹脂の割合が35
を下回ると、硬化性に問題を生じる恐れがあり、85を
上回ると、研磨性が低下する恐れがある。
【0015】一方、充填剤の量としては、上記の不飽和
ポリエステル樹脂と不飽和モノマーとの合計重量100
重量部に対して、50〜400重量部が好ましく、80
〜250重量部がさらに好ましい。
【0016】また、本発明で用いられる主剤成分aおよ
び主剤成分bが添加剤として、硬化促進剤および/また
は硬化遅延剤を含む場合、後述する混合比で上記の主剤
成分aを含むA液と上記の主剤成分bを含むB液とを混
合した状態において、A液とB液との合計量に対する、
主剤成分aと主剤成分bとに含まれる硬化促進剤または
硬化遅延剤の占める割合が、それぞれ0.5〜5重量%
になるように設定されることが好ましい。この他の添加
剤を用いる場合には、効果を発現し、かつ塗膜物性に対
して悪影響を及ぼさない範囲で使用することが好まし
い。
【0017】本発明で用いられる主剤成分aと主剤成分
bとは、上述した添加剤の含有の有無を除けば、上記の
構成成分およびその割合を満たしていれば、同一であっ
ても異なっていてもよい。A液およびB液の製造を考慮
すると、添加剤以外は、同一であることが好ましい。
【0018】硬化剤成分 本発明のパテ塗膜の形成方法に用いられるB液は、上記
の主剤成分bおよび硬化剤成分とからなるものである。
ここで、硬化剤成分は、有機過酸化物および可塑剤を含
んでいる。有機過酸化物の具体例としては、メチルケト
ンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アセチ
ルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ
ターシャリーブチルパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイドなどを挙げることができる。また、可塑
剤の具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、セバシン酸ジブチ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエートなどを挙げる
ことができる。
【0019】本発明で用いられる硬化剤成分における、
上記の有機過酸化物と可塑剤との重量比は、10:90
〜70:30であることが好ましく、20:80〜6
0:40であることがさらに好ましい。有機過酸化物の
割合が10を下回ると、硬化性に問題を生じる恐れがあ
り、90を上回ると、主剤成分bおよび硬化剤成分から
なるB液の取扱に問題が生じる恐れがある。本発明で用
いられる硬化剤成分は、上記の有機過酸化物と可塑剤以
外に着色顔料を含むことができる。着色顔料としては、
上述の主剤成分のところで述べたものが使用できる。着
色顔料を用いる場合には、着色顔料が硬化剤成分中で占
める割合が0.5〜5重量%を占めるように配合される
ことが好ましい。
【0020】A液およびB液 本発明のパテ塗膜の形成方法には、A液およびB液が用
いられる。A液は、上述した主剤成分aからなり、B液
は主剤成分bおよび硬化剤成分からなるものである。上
記のB液における硬化剤成分は、後述する混合比でA液
とB液とを混合した状態において、A液とB液との合計
量に対する硬化剤成分の占める割合が、0.5〜5重量
%になるように設定されるものである。上記のA液およ
びB液は、上述した原料を混合することにより製造する
ことができる。なお、上記の主剤成分aおよび主剤成分
bに含まれる不飽和ポリエステル樹脂は、スチレンなど
の不飽和モノマーに溶解させたワニスとして市販されて
いるものを使用することができる。このようなワニスを
用いる場合には、ワニスに含まれる不飽和モノマー分を
計算に入れて、混合を行う必要がある。なお、B液につ
いては、主剤成分bと硬化剤成分との混合は、塗装直前
に行うことが好ましい。
【0021】パテ塗膜の形成方法 本発明のパテ塗膜の形成方法は、上述のA液とB液とを
スタティックミキサーを用いて混合し、エアレススプレ
ーによって塗布するものである。スタティックミキサー
およびエアレススプレーは、別々に用意することも可能
ではあるが、スタティックミキサーを備えた2液エアレ
ススプレー塗装機を用いることが好ましく、例えば、旭
サナック株式会社から、APWシリーズとして市販され
ているものを使用することができる。なお、本発明に用
いられるスタティックミキサーは、高粘度に対応できる
ものを用いることが好ましい。
【0022】本発明のパテ塗膜の形成方法におけるA液
とB液との混合比は、用いるスタティックミキサーによ
って異なるものであるが、1:15〜15:1の比率で
混合することが一般的である。上記スタティックミキサ
ー内における主剤と硬化剤の混合を良好に行うために
は、A液とB液との混合比は、A液:B液=4:1〜
1:4であることが好ましく、2:1〜1:2がさらに
好ましい。
【0023】本発明のパテ塗膜の形成方法では、スタテ
ィックミキサーによって所定の比率で混合されたA液と
B液との混合物が、エアレスガンに供給され、被塗物に
対して塗布されるものである。塗布条件は、用いるエア
レスガンのシステムによって異なり、限定されるもので
はない。被塗物としては、パテ塗装を実施するものであ
れば限定されないが、鉄道車両外板への塗布に用いた場
合、効率的にパテ塗膜を形成することができる。なお、
鉄道車両外板に対してパテ塗膜を形成した場合には、数
時間後に塗膜表面が硬化し、ペーパーやサンダーによる
研磨を行うことができる。
【0024】
【実施例】
実施例1 <A液の製造>不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量
2700、酸価15、空乾性を有する成分の全体成分に
占める割合25重量%、66%スチレン溶液)39重量
部、スチレン12重量部、酸化チタン4重量部、タルク
43部、ハイドロキノン1重量部およびナフテン酸コバ
ルト1重量部を混合して、A液を得た。 <B液の製造>A液の製造に用いた不飽和ポリエステル
樹脂39重量部、スチレン12重量部、二酸化チタン4
重量部、タルク43部およびハイドロキノン2重量部を
混合して、主剤成分bを得た。また、シクロヘキサノン
パーオキサイド30重量部、ジメチルフタレート69重
量部およびアゾ系黄色顔料1重量部を混合して硬化剤成
分を得た。この主剤成分b96重量部と硬化剤成分4重
量部とを混合して、B液を得た。
【0025】<塗布工程>被塗物として、二液型エポキ
シ樹脂プライマーを塗装した1000cm×200cm
の大きさのJIS G 3141に基づく磨鋼板を用意
した。APW3000(旭サナック株式会社製、スタテ
ィックミキサーを備えた二液エアレスシステム)に先に
製造したA液およびB液を入れた。A液とB液との混合
比を1:1に設定し、圧力比1:33、吐出量3.7L
/分、吐出圧力150kgf/平方cmの塗装条件で、
平均膜厚が約2mmになるように上記の磨鋼板への塗装
を行った。塗装時間は300秒であり、ヘラを用いて行
った場合の40分に比べて極めて短時間で塗装が完了し
た。なお、このようにして塗布されたパテ塗膜は、3時
間室温で乾燥することにより研磨可能な表面を有する膜
を得ることができた。
【0026】実施例2 <A液の製造>不飽和ポリエステル樹脂39重量部、ス
チレン12重量部、酸化チタン4重量部、タルク43
部、ハイドロキノン1.25重量部およびナフテン酸コ
バルト0.75重量部を混合して、A液を得た。 <B液の製造>不飽和ポリエステル樹脂39重量部、ス
チレン12重量部、二酸化チタン4重量部、タルク43
部およびハイドロキノン2重量部を混合して、主剤成分
bを得た。また、シクロヘキサノンパーオキサイド30
重量部、ジメチルフタレート69重量部およびアゾ系黄
色顔料1重量部を混合して硬化剤成分を得た。この主剤
成分b94重量部と硬化剤成分6重量部とを混合して、
B液を得た。
【0027】<塗布工程>被塗物として、実施例1で用
いたのと同じ磨鋼板を用意した。APW3000(旭サ
ナック株式会社製、スタティックミキサーを備えた二液
エアレスシステム)に先に製造したA液およびB液を入
れた。A液とB液との混合比を2:1に設定し、圧力比
1:32、吐出量3.8L/分、吐出圧力120kgf
/平方cmの塗装条件で、平均膜厚が約2mmになるよ
うに上記の磨鋼板への塗装を行った。塗装時間は300
秒であった。なお、このようにして塗布されたパテ塗膜
は、3時間室温で乾燥することにより研磨可能な表面を
有する膜を得ることができた。
【0028】貯蔵安定性の評価 実施例1および実施例2で製造したA液は常温で6ヶ月
ゲル化せず安定であった。これに対して、実施例1およ
び実施例2で製造したB液は常温で2週間ゲル化せず安
定であった。一方、実施例1および実施例2のA液とB
液をそれぞれの混合比で混合したものは、数10分で粘
度の上昇が確認され、1時間後にはゲル化していること
が確認された。
【0029】パテ塗膜物性の評価 ・折り曲げ性 実施例1および実施例2に基づき、室温で16時間乾燥
後のパテ塗膜が形成された鋼板をそれぞれ得た。また、
実施例1について、A液とB液との混合状態と同じ配合
を有するパテ組成物を、本発明の形成方法を用いず、ヘ
ラで同様に形成した。これら3種のパテ塗膜が形成され
た鋼板を、特開平5−123645号公報に記載されて
いる曲げ試験機および条件で、クラック発生時点での押
し棒の降下距離を測定した。その結果を以下の表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】・抗張力および伸び率 実施例1および実施例2で磨鋼板の代わりにポリプロピ
レン板を用いて、パテ塗膜を形成した。16時間室温で
乾燥後、剥離し、カッターナイフで10×50mmにカ
ットし、それぞれ試験片とした。また、実施例1につい
て、A液とB液との混合状態と同じ配合を有するパテ組
成物を、ヘラで同様にポリプロピレン板上に形成して、
上記と同様にして試験片を得た。これら3種の試験片を
引張り試験機テンシロン(東洋ボールドウィン社製)を
使用し、引張りスピード5mm/分で抗張力および伸び
率を測定した。その結果を以下の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】これらの結果から、本発明のパテ塗膜の形
成方法は、従来のヘラによる塗布に比べて塗布時間が短
縮できることが確認できた。また、本発明のパテ塗膜の
形成方法で得られたパテ塗膜は、A液とB液との混合状
態と同じ配合を有するパテ組成物から得られたパテ塗膜
と同等の物性を有することから、主剤と硬化剤の混合が
十分に行われていることが確認できた。
【0034】
【発明の効果】本発明のパテ塗膜の形成方法は、エアレ
ススプレーによって塗布を行うため、人力で塗布する場
合に比べて、極めて短時間で塗装を行うことができる。
また、本発明のパテ塗膜の形成方法は、スタティックミ
キサーを用いるために、A液およびB液に含まれた主剤
と硬化剤との混合を十分に行うことができる。また、混
合がスタティックミキサー内部で行われるため外気との
接触がなく、臭気がほとんど出ない。さらに、本発明の
パテ塗膜の形成方法は、A液とB液との混合が行われな
い限り、それぞれの液は非常に安定であるため、作業性
に優れている。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主剤成分aからなるA液と、主剤成分bお
    よび硬化剤成分からなるB液とをスタティックミキサー
    を用いて混合し、エアレススプレーによって塗布するパ
    テ塗膜の形成方法であって、前記A液と前記B液との混
    合比が1:15〜15:1の範囲であり、前記主剤成分
    aおよび前記主剤成分bは、不飽和ポリエステル樹脂、
    不飽和モノマー、充填剤および添加剤を含んでおり、前
    記硬化剤成分は、有機過酸化物および可塑剤を含んでお
    り、かつ、前記混合比で前記A液と前記B液とを混合し
    た状態において、前記A液と前記B液との合計量に対す
    る前記硬化剤成分の占める割合が、0.5〜5重量%で
    ある、パテ塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記主剤成分aが、前記添加剤として硬化
    促進剤を含んでおり、前記主剤成分bが、前記添加剤と
    して硬化遅延剤を含んでいる、請求項1に記載のパテ塗
    膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記主剤成分aおよび前記主剤成分bに含
    まれる、前記不飽和ポリエステル樹脂と前記不飽和モノ
    マーとの重量比が、それぞれ35:65〜85:15で
    ある、請求項1または請求項2に記載のパテ塗膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】前記主剤成分aおよび前記主剤成分bに含
    まれる、前記充填剤の量が、それぞれの主剤成分に含ま
    れる不飽和ポリエステル樹脂と不飽和モノマーとの合計
    重量100重量部に対して、50〜400重量部であ
    る、請求項1、請求項2または請求項3に記載のパテ塗
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】前記硬化剤成分における、前記有機過酸化
    物と前記可塑剤との重量比が、10:90〜70:30
    である請求項1ないし請求項4に記載のパテ塗膜の形成
    方法。
  6. 【請求項6】前記主剤成分aが、前記添加剤としてさら
    に硬化遅延剤を含んでいる、請求項2に記載のパテ塗膜
    の形成方法。
  7. 【請求項7】前記混合比で、前記主剤成分aを含む前記
    A液と前記主剤成分bを含む前記B液とを混合した状態
    において、前記A液と前記B液との合計量に対する硬化
    促進剤または硬化遅延剤の占める割合が、それぞれ0.
    5〜5重量%である、請求項6に記載のパテ塗膜の形成
    方法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項8に記載されたパテ
    塗膜の形成方法のうち、いずれか1つを用いて形成され
    たパテ塗膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022079236A (ja) * 2020-11-16 2022-05-26 日本ペイント・インダストリアルコ-ティングス株式会社 パテ塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022079236A (ja) * 2020-11-16 2022-05-26 日本ペイント・インダストリアルコ-ティングス株式会社 パテ塗料組成物

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