JP3071149B2 - 鉄道車両外板へのパテ塗膜の形成方法 - Google Patents

鉄道車両外板へのパテ塗膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装作業性などに優れ
た鉄道車両外板表面へのパテ塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両外板表面は、美観を持たせると
共に腐食などを防止するために、通常は、先ず、プライ
マー塗装し、次いで、表面を平滑化させるために、パテ
塗装(パテ付け)し、さらに、サーフェーサー塗装し、
上塗塗装して、仕上げられている。ところで、プライマ
ー塗装、サーフェーサー塗装及び上塗塗装においては、
通常、スプレー塗装法が用いられているが、パテ塗装に
ついては、通常、1〜10mm程度の膜厚にする必要が
あるので、金属製ヘラが、パテ付けに用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉄道車
両は、道路車両に比較して、外板表面積が非常に広く、
その上、鉄道車両の外板のひずみ(うねり)を修正し
て、平滑化させるために、通常、3〜6回程度、人力に
よるパテ付け作業が必要となるが、上述のような、ヘラ
によるパテ付け方法では、多くの作業時間を要するだけ
でなく、作業者に可成りの熟練が必要となり、所謂、作
業性が非常に悪いという問題点があった。
【0004】そこで、スプレー式で、熟練をさほど必要
としない、しかも、簡単な操作で、パテ塗膜を形成する
方法が、特開平7−328523号公報にて、既に開示
されている。この方法は、従来の方法に比較して、画期
的な方法といえるが、スタティックミキサーを使用して
いるために、長期間の使用で故障しやすく、パッキング
類の交換修理が必要であり、また、主剤成分と硬化剤成
分が、若干、均一に混合された状態で吐出され難いとい
う問題がある。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るものであり、スタティックミキサーを使用しなくて
も、短時間で、且つ、熟練を必要とすることなく、簡単
な操作で、更に、長期間、安定な塗装作業を実現でき、
必要な厚さのパテ塗膜を得られる、鉄道車両外板へのパ
テ塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、鉄
道車両外板表面に、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル系
モノマー及び充填剤を必須成分とする主剤成分と、有機
過酸化物を必須成分とする硬化剤成分とからなるパテ組
成物をスプレー塗装して、パテ塗膜を形成する方法にお
いて、スプレー塗装に適した圧力で圧送された前記主剤
成分、圧縮空気により圧送された前記硬化剤成分及び別
途圧縮空気を、それぞれ、別個にスプレーガンに導入
し、前記圧縮空気により圧送された硬化剤成分と前記別
途圧縮空気の一部とを、スプレーガンの内部後方に設け
たノズルにより予備混合させ、該予備混合物と前記別途
圧縮空気の残部とを、スプレーガンの内部前方にて合流
させると共に衝撃材に衝突させ、その衝撃波効果によ
り、均質混合された前記硬化剤成分と前記別途圧縮空気
の混合物を、スプレーガン先端部で、前記主剤成分と合
流混合させながら吐出させて、スプレー塗装することを
特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、その好ましい
実施の形態について、詳細に説明する。本発明において
使用するパテ組成物は、主剤成分と硬化剤成分とからな
る二液型パテ組成物である。主剤成分は、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニル系モノマー及び充填剤を必須成分と
し、さらに、必要に応じて硬化促進剤、安定剤などの各
種添加剤、改質樹脂、可塑剤、溶剤などを配合したもの
から構成される。
【0008】不飽和ポリエステル樹脂としては、通常の
パテ組成物に使用されている不飽和ポリエステル樹脂を
利用することができるが、本発明においては、特に、不
飽和ポリエステル樹脂として、(イ)α,β−不飽和多
塩基酸と飽和多塩基酸との、モル比9:1〜3:7、好
ましくは、8:2〜4:6の混合物からなる多塩基酸成
分:30〜60重量%と、(ロ)多価アルコール成分:
10〜40重量%と、(ハ)ヨウ素価40以上のアリル
化合物および/または動植物油からなる空乾性成分:3
〜30重量%とを反応させて得られた、酸価:70以
下、数平均分子量:1000〜4000の不飽和ポリエ
ステル樹脂を用いると、乾燥性に優れ、クラックが生じ
難く、且つ、研磨性などに優れたパテ塗膜が得られる。
【0009】α,β−不飽和多塩基酸としては、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シト
ラコン酸などがあり、また、飽和多塩基酸としては、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水フタル酸、
フタル酸、イソフタル酸、テトラハイドロ無水フタル酸
などがあるが、耐クラック性などの観点から、飽和多塩
基酸は、脂肪族系のものを主体とすることが好ましい。
なお、多塩基酸成分において、α,β−不飽和多塩基酸
と飽和多塩基酸とのモル比が、上記の範囲から外れる場
合には、パテ塗膜の乾燥性、研磨性、耐クラック性など
のいずれかが、不十分になることもあるので、上記の範
囲内の値を選択することが、実施の上で好ましい。
【0010】また、多価アルコール成分としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、水添加ビスフェノールA、ビスフェノールA
のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの誘
導体などがある。
【0011】空乾性成分は、パテ塗膜の研磨性を向上さ
せるために使用するものであり、そのために、ヨウ素
価:40以上のアリル化合物および/または動植物油で
あることが好ましく、具体例としては、アリルグリシジ
ルエーテル、アリルグリコール、グリセリン(ジまたは
モノ)アリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリ
ルエーテルなどのアリル化合物;大豆油、アマニ油、脱
水ヒマシ油、キリ油、魚油あるいはこれらのエステル交
換油、脂肪酸類などの動植物油がある。
【0012】上記成分以外にも、パテ塗膜の伸縮に対す
る耐久性や付着性を向上させるために、アルキルグルシ
ジルエステル、ジシクロペンタジエンなどの成分を、不
飽和ポリエステル樹脂成分中に、反応成分として併用す
ることも可能である。
【0013】また、本発明で用いる不飽和ポリエステル
樹脂において、多塩基酸成分、多価アルコール成分およ
び空乾性成分の相対量は、厳格に制限されるものではな
いが、それらの総重量を基準にして、それぞれ、30〜
60重量%、10〜40重量%および3〜30重量%で
あることが適当である。
【0014】このような不飽和ポリエステル樹脂は、常
法により製造され、例えば、多塩基酸成分、多価アルコ
ール成分および空乾性成分を、150〜250℃で、重
縮合反応させるか、または、多塩基酸成分の全部または
一部と多価アルコール成分とを、120〜220℃で、
反応させた後、残りの多塩基酸成分と空乾性成分とを添
加し、120〜220℃で、反応させることにより得ら
れる。なお、不飽和ポリエステル樹脂は、パテ組成物の
作業性、耐水性などの観点から、数平均分子量:100
0〜4000、酸価:70以下のものが適当である。
【0015】ビニル系モノマーとしては、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルト
ルエン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、グ
リシジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アリクレート、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、ジアクリルフタレートなどが代表的なものとして挙
げられる。
【0016】また、充填剤としては、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、マイカ、シ
リカなどの体質顔料、酸化チタン、ベンガラ、カーボン
ブラック、酸化鉄、シアニンブルーなどの無機あるいは
有機系着色顔料、その他、ガラス繊維、ガラスバルー
ン、プラスチックバルーンなどが代表的なものとして挙
げられる。
【0017】必要に応じ配合される添加剤としては、コ
バルト、マンガン、カルシウムなどの金属とナフテン
酸、オクチル酸などの有機酸との金属塩化合物、第3級
アミン類などの硬化促進剤;ハイドロキノンなどの安定
剤が、代表的なものとして挙げられる。
【0018】また、改質樹脂としては、セルロースアセ
テートブチレート、シクロペンタジエン化油などが挙げ
られる。
【0019】主剤成分における各成分の配合割合につい
ては、不飽和ポリエステル樹脂とビニル系モノマーとの
重量比が30:70〜80:20、好ましくは、45:
55〜65:35であることが好ましい。なお、前者が
上記範囲よりも少ないと、硬化性やパテ塗膜の肉特性が
低下する傾向にあり、一方、上記範囲よりも多いと、パ
テ塗膜の硬度が低下し、また、研磨の際に傷がつき易く
なる傾向にある。
【0020】不飽和ポリエステル樹脂とビニル系モノマ
ーとの混合物:100重量部に対して、充填剤は50〜
400重量部、好ましくは、100〜250重量部、ま
た、硬化促進剤は0〜10重量部、好ましくは、1〜5
重量部、また、安定剤は0〜10重量部、好ましくは、
1〜5重量部の配合とすることが適当である。
【0021】一方、硬化剤成分は、有機過酸化物硬化剤
を必須成分とし、さらに、必要に応じて、可塑剤や前記
の添加剤や着色顔料などを配合したものから構成され
る。
【0022】有機過酸化物硬化剤としては、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、ベンゾインパーオキサイド、
アセチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジターシャリブチルパーオキサイド、シクロヘキサ
ノンパーオキサイドなどが代表的なものとして挙げられ
る。
【0023】可塑剤としては、フタル酸ジメチルエステ
ル、フタル酸ジエチルエステル、フタル酸ジオクチルエ
ステルなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチ
ルエステル、セバシン酸ジブチルエステルなどの脂肪族
二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエ
ートなどのグリコールエステル類が代表的なものとして
挙げられる。なお、硬化剤成分は、有機過酸化物単独で
もよいが、好ましくは、可塑剤と併用する。
【0024】有機過酸化物硬化剤と可塑剤との配合割合
は、重量比で3:7〜8:2、好ましくは、5:5〜
7:3であることが適当である。
【0025】また、主剤成分と硬化剤成分との配合割合
は、主剤成分中の不飽和ポリエステル樹脂とビニル系モ
ノマーとの合計量と、硬化剤成分中の有機過酸化物の量
との重量比で100:0.5〜100:5、好ましく
は、100:1〜100:3となるような割合であるこ
とが適当である。
【0026】次に、本発明の鉄道車両外板表面へのパテ
塗膜の形成方法について、その実施の形態を、図面を参
照して、具体的に説明する。図1は、本発明の実施に際
して使用する塗装手段の概略構成図であり、図2は、同
じく、スプレーガンの側断面図である。ここで、符号1
は、主剤成分用加圧タンクであり、符号2は、硬化剤成
分用加圧タンクである。加圧タンク1内の主剤成分は、
約0.5〜4Kg/cm2 の圧力で、エアレス塗装機4
に送り込まれる。
【0027】エアレス塗装機4には、ヒーター5が付設
されており、好ましくは、主剤成分を30〜50℃に加
温して、スプレー塗装が容易となるように、その粘度を
90〜150ポイズ(リオン粘度計ローターNO.2)
に低下させるが、上述の加温は、必ずしも必要ではな
い。
【0028】低粘度化された主剤成分は、エアレス塗装
機4に装備されているポンプ機構により、約90〜21
0Kg/cm2 、好ましくは、120〜180Kg/c
2の圧力で、スプレーガン3に導入する。一方、加圧
タンク2内の硬化剤成分は、圧縮空気により、1〜5K
g/cm2 、好ましくは、1.5〜3Kg/cm2 の圧
力で、スプレーガン3に導入する。また、同時に、前記
硬化剤成分を圧送するための圧縮空気とは別の圧縮空気
を約1〜8Kg/cm2 、好ましくは、2〜5Kg/c
2 の圧力で、スプレーガン3に導入する。なお、これ
らの主剤成分、硬化剤成分及び別途圧縮空気は、図2に
示す通り、スプレーガン3にそれぞれ別個に導入する。
【0029】圧縮空気により圧送された硬化剤成分は、
図2に示す通り、分岐したルート6を経由してきた別途
圧縮空気の一部として合流し、その合流物がノズル7を
通過することにより、互いに粗混合し、予備混合され
る。
【0030】ノズル7は、スプレーガン3の先端部方向
に向かうに従って狭くなる通路を形成しており、ノズル
7の先は、再び、通路が急に拡大した状態となってい
る。なお、ノズル7の最も狭い通路径は約1〜3mmが
適当である。
【0031】このように、予備混合された硬化剤成分と
別途圧縮空気の一部は、スプレーガン3の内部前方付近
で、別途圧縮空気の残部と合流し、その合流物が衝撃材
(邪魔板)8に衝突し、その際の衝撃波効果により、硬
化剤成分と圧縮空気とが均質に混合される。
【0032】このように、均質に混合された硬化剤成分
と圧縮空気とは、前述の主剤成分とスプレーガン3の先
端部で合流、混合しながら、鉄道車両外板表面に向かっ
て吐出され、必要な厚さのパテ塗膜を形成する。
【0033】本発明の方法においては、スプレーガンの
内部にノズル、衝撃材を設けているため、硬化剤成分と
圧縮空気とが均質に混合されるので、主剤成分と硬化剤
成分とが吐出される際、均一に接触混合できるようにな
り、かつ、スタティックミキサーを使用した場合のよう
に、長期使用により故障が生じ易くなることも回避で
き、構造も簡単で、洗浄などのメンテナンスが容易であ
る。
【0034】なお、主剤成分と硬化剤成分からなるパテ
組成物は、スプレーガン3の引き金9の操作により開閉
操作し、パテの供給/遮断を行なう。
【0035】パテ塗膜は、鉄道車両の構体のひずみが修
正できるまで、パテ組成物をスプレー塗装し、硬化させ
た後、必要に応じて、通常のペーパー/サンダ研磨する
ことにより形成される。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を、実施例により、更に詳細
に説明する。なお、この実施例中において、「部」およ
び「%」は、それぞれ、「重量部」および「重量%」で
ある。 (実施例1)下記組成の主剤成分(粘度400ポイズ/
20℃)を用意した: 不飽和ポリエステル樹脂ワニス 33% スチレン 8% 酸化チタン 5% タルク 52% ハイドロキノン 1% ナフテン酸コバルト塩 1% 上記の不飽和ポリエステル樹脂ワニスは無水マレイン酸
/アジピン酸/無水フタル酸=50/30/20(モル
比)からなる多塩基酸成分と、ジエチレングリコールか
らなる多価アルコール成分と、トリメチロールプロパン
ジアリルエーテルからなる空乾性成分とを反応させて得
た不飽和ポリエステル樹脂(酸価:10、数平均分子
量:1800、空乾性成分割合:7.5%)の65%ス
チレン溶液である。
【0037】下記組成の硬化剤成分を用意した: メチルエチルケトンパーオキサイド 55% ジメチルフタレート 44% アゾ系黄色顔料 1% 二液型エポキシ樹脂プライマーを塗布した磨鋼板(10
00×200cm)に、図1および図2に示す塗装手段
で、上記主剤成分と硬化剤成分からなる無溶剤型パテ組
成物を、平均膜厚:約3mmになるように、下記のスプ
レー塗装の条件下で、全面にスプレー塗装した。塗装は
120秒間という短時間で完了した。因みに、従来のヘ
ラでパテ付けする場合は、30分を要していた。 スプレー塗装条件: 主剤成分と硬化剤成分の混合割合=100:3; 主剤成分の加圧タンクからエアレス塗装機への送入圧=
4Kg/cm2 ; 主剤成分のエアレス塗装機内での温度、粘度=40℃、
120ポイズ; 主剤成分のエアレス塗装機からスプレーガンへの送入圧
=150Kg/cm2; 硬化剤成分のスプレーガンへの送入圧=2.5Kg/c
2 ; 圧縮空気のスプレーガンへの送入圧=5Kg/cm2
【0038】(実施例2〜5)実施例1で使用した無溶
剤型パテ組成物から得られるパテ塗膜の性能を評価する
ために、実施例1と同様の条件で、パテ塗膜を形成し、
そのパテ塗膜の研磨性、ヒートサイクル性、耐水付着
性、抗張力、伸び率の各試験を実施した。それらの試験
方法は次の通りであった。
【0039】実施例2 研磨性: 二液型エポキシ樹脂プライマーを塗布した磨
鋼板(150×70×0.8mm)にパテ組成物をスプ
レー塗装(膜厚:3mm)した後、室温で4時間放置
し、耐水ペーパー#150を用いて手で研磨し、研磨し
やすさを評価した。
【0040】実施例3 ヒートサイクル性: 上記磨鋼板にパテ組成物をスプレ
ー塗装(膜厚:3mm)した後、室温で1日放置し、そ
の後、80℃の乾燥機に2時間入れ、その後、直ちに−
10℃の冷凍室に2時間入れ、これを4回繰り返した後
に、パテ塗膜表面を目視評価した。
【0041】実施例4 耐水付着性: 上記の磨鋼板にパテ組成物をスプレー塗
装(膜厚:1mm)した後、室温で1日放置し、その
後、60℃の温水に4時間浸漬し、乾燥させ、その試験
板を90度に折り曲げ、剥離の有無を調べた。
【0042】実施例5 抗張力及び伸び率: プラスチック板にパテ組成物をス
プレ塗装(膜厚:1mm)した後、室温で1日放置し、
パテ塗膜を剥離した。このパテ塗膜を、10×50mm
にカットし、得られた試験片を、引張り試験機にて、引
張りスピード:5mm/分で、抗張力、伸び率を測定し
た。
【0043】それらの結果は、表1に示す通りであっ
た。得られたパテ塗膜は、実施例1に記載した通り、塗
装作業性よく、短時間で塗装できるだけでなく、表1か
らも明らかの通り、優れた性能のパテ塗膜であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の鉄道車
両外板表面へのパテ塗膜の形成方法により、鉄道車両外
板表面の新規塗装、塗り替え塗装、あるいは、補修塗装
のいずれにおいても、熟練を必要とすることなく、簡単
な操作で且つ短時間で、更に、安定なる塗装作業性に
て、所要の厚さのパテ塗膜を形成することが可能とな
り、また、主剤成分と硬化剤成分とは、スプレーガン先
端部で混合されるため、ポットライフなどに問題がな
く、そして、両者は、均質に混合された状態で、パテ塗
膜を形成するので、本来の物理的、化学的特性に優れ
た、均質なパテ塗膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す塗装手段の構成図であ
る。
【図2】スプレーガンの側断面図である。
【符号の説明】
1 主剤成分用加圧タンク 2 硬化剤成分用加圧タンク 3 スプレーガン 4 エアレス塗装機 5 ヒーター 6 分岐ルート 7 ノズル 8 衝撃材 9 引き金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 孝成 大阪府大阪市此花区西九条六丁目1番 124号 大日本塗料株式会社内 (72)発明者 富澤 和雄 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社 那須工場内 (72)発明者 木村 昂 大阪府大阪市此花区西九条六丁目1番 124号 大日本塗料株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−93431(JP,A) 特開 平7−328523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 C09D 5/34 C09D 4/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両外板表面に、不飽和ポリエステ
    ル樹脂、ビニル系モノマー及び充填剤を必須成分とする
    主剤成分と、有機過酸化物を必須成分とする硬化剤成分
    とからなるパテ組成物をスプレー塗装して、パテ塗膜を
    形成する方法において、スプレー塗装に適した圧力で圧
    送された前記主剤成分、圧縮空気により圧送された前記
    硬化剤成分及び別途圧縮空気を、それぞれ、別個にスプ
    レーガンに導入し、前記圧縮空気により圧送された硬化
    剤成分と前記別途圧縮空気の一部とを、スプレーガンの
    内部後方に設けたノズルにより予備混合させ、該予備混
    合物と前記別途圧縮空気の残部とを、スプレーガンの内
    部前方にて合流させると共に衝撃材に衝突させ、その衝
    撃波効果により、均質混合された前記硬化剤成分と前記
    別途圧縮空気の混合物を、スプレーガン先端部で、前記
    主剤成分と合流混合させながら吐出させて、スプレー塗
    装することを特徴とする、鉄道車両外板へのパテ塗膜の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 主剤成分、硬化剤成分及び別途圧縮空気
    を、それぞれ、90〜210Kg/cm2 、1〜5Kg
    /cm2 及び1〜8Kg/cm2 の圧力で、スプレーガ
    ンに導入することを特徴とする、請求項1に記載の鉄道
    車両外板へのパテ塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 温度30〜50℃に予熱した主剤成分
    を、スプレーガンに導入することを特徴とする、請求項
    1または2に記載の鉄道車両外板へのパテ塗膜の形成方
    法。
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