JP2003026741A - 重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP2003026741A
JP2003026741A JP2001215126A JP2001215126A JP2003026741A JP 2003026741 A JP2003026741 A JP 2003026741A JP 2001215126 A JP2001215126 A JP 2001215126A JP 2001215126 A JP2001215126 A JP 2001215126A JP 2003026741 A JP2003026741 A JP 2003026741A
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unsaturated polyester
polyester resin
acid
polymerizable unsaturated
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JP2001215126A
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Shinya Ueno
慎也 植野
Toshio Mita
俊夫 三田
Osamu Nakagawa
修 中川
Rie Tashiro
理恵 田代
Mitsuyuki Kanzaki
満幸 神崎
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い強度、特に引張り強度や向上した耐
水性を有する不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 両末端に(メタ)アクリロイル基を有す
る直鎖状ポリエステル(A)とエチレン性不飽和単量体
(B)とを含み、前記直鎖状ポリエステル(A)が、
(a)エチレングリコール構成成分及び他のポリオール
構成成分と(b)テレフタル酸構成成分及び他の二塩基
酸構成成分とを含有するものであり、且つ該テレフタル
酸構成成分含有量が全酸成分中5〜80モル%であるこ
とを特徴とする重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子両末端に水酸
基を有するテレフタレートオリゴマーを特定量含有して
得られた両末端に(メタ)アクリロイル基を有する直鎖
状ポリエステルを含有する重合性不飽和ポリエステル樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子両末端に(メタ)アクリロイル基を
有する直鎖状ポリエステルとエチレン性不飽和単量体か
らなる(メタ)アクリロイル基含有ポリエステル樹脂組
成物としては、特開平03−002212号、特開平0
4−202410号等により知られている。しかし、こ
れらの特許の(メタ)アクリロイル基含有ポリエステル
樹脂組成物は、実質的にポリエステル構造がグリコール
と無水フタル酸及び/又はフマル酸とからなり、テレフ
タレートオリゴマーを用いて得られたものでなく、実用
的ではあるものの、市場で要求されるより高い引張り強
度を満足するものではない。しかも、これら従来技術の
樹脂組成物はいずれも廃棄されたPETを有効利用した
ものではなく、通常の工業原材料を用いて製造されるも
のである。
【0003】また、PETを原材料として用いた不飽和
ポリエステルとエチレン性不飽和単量体からなる不飽和
ポリエステル樹脂組成物も、特開平08−151438
号、特開平08−295729号等により知られてい
る。しかし、これらの不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、分子骨格中に重合性二重結合を有し、エチレン性不
飽和単量体と反応して硬化物が得られるものの、両末端
に重合性二重結合を有していないため、架橋密度が不十
分となり、より高い剛性のものが得られず、また末端に
カルボキシル基を有するため、耐水性の向上が望めない
という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
高い強度、特に引張り強度や向上した耐水性を有する不
飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、重合性不飽和ポリエステル樹脂の開
発について鋭意研究した結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は、両末端に(メタ)アクリ
ロイル基を有する直鎖状ポリエステル(A)とエチレン
性不飽和単量体(B)とを含み、前記直鎖状ポリエステ
ル(A)が、(a)エチレングリコール構成成分及び他
のポリオール構成成分と(b)テレフタル酸構成成分及
び他の二塩基酸構成成分とを含有するものであり、且つ
該テレフタル酸構成成分含有量が全酸成分中5〜80モ
ル%であることを特徴とする重合性不飽和ポリエステル
樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用される直鎖状ポリエ
ステル(A)としては、両末端に(メタ)アクリロイル
基を有し、(a)エチレングリコール構成成分及び他の
ポリオール構成成分と(b)テレフタル酸構成成分及び
他の二塩基酸構成成分とを含有するものであり、且つ該
テレフタル酸構成成分含有量が全酸成分中5〜80モル
%である。
【0008】本発明での直鎖状ポリエステル(A)に使
用されるグリコールとしては、エチレングリコール及び
他のポリオールを必須成分としている。他のポリオール
としては、例えばプロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、ジクロヘキサンジメタノー
ル、2,4,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル等に代表されるアルキレングリコール類;ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレング
リコール等に代表されるポリアルキレングリコール類;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、テトラブロモビスフェノールA等に代表される2価
フェノールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイ
ドに代表されるアルキレンオキサイドとの付加反応生成
物などが挙げられる。
【0009】上記直鎖状ポリエステル(A)の必須成分
であるエチレングリコールは、エチレン性不飽和単量体
への溶解性を確保するためには全グリコール中5〜80
モル%となるように使用するのが好ましい。エチレング
リコール以外のグリコールは、エチレングリコール単独
ではエチレン性不飽和単量体への溶解性が著しく低下す
るという理由から必ず併用する必要がある。かかる他の
グリコールとしては、上記するものであるが、特にエー
テル結合を有する脂肪族グリコールが柔軟性付与の特性
をもたらすことから好ましい。かかるエーテル結合を有
する脂肪族グリコールとしては、好ましくはジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコールが挙げられる。尚、好ましいグリコールの使用
例としてはこれらのグリコールを主成分(全グリコール
成分の50重量%以上)とし、更に他のグリコール、例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
上記するグリコールを本発明の目的を損なわない限り使
用できる。
【0010】また、本発明での直鎖状ポリエステル
(A)に使用される二塩基酸としては、テレフタル酸及
び他の二塩基酸が必須構成成分である。他の二塩基酸と
しては、例えば、重合性不飽和基を有していない二塩基
酸としてオルトフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテト
ラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロ
モフタル酸、ニトロフタル酸、マロン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、1,12−ドデカン2酸、ハ
イミック酸、ヘット酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフ
ェニルジカルボン酸およびこれらの酸無水物等があげら
れ、また不飽和脂肪族二塩基酸として無水マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン
酸およびこれらの酸無水物等があげられる。
【0011】上記直鎖状ポリエステル(A)の必須構成
成分であるテレフタル酸は、全酸成分中で5〜80モル
%、好ましくは10〜70モル%となるように使用され
る。かかる5モル%よりも少ないと、テレフタレート骨
格に起因する強度の向上がなくなり、また80モル%を
越えるとエチレン性不飽和単量体への溶解性が著しく低
下するため好ましくない。テレフタル酸成分以外の二塩
基酸は、テレフタル酸成分単独ではエチレン性不飽和単
量体への溶解性が著しく低下するという理由から必ず併
用する必要がある。かかる他の二塩基酸としては、上記
するものであるが、特に無水フタル酸がテレフタレート
の結晶性を低下させ、エチレン性不飽和単量体への溶解
性を向上させる特性をもたらすことから好ましい。
【0012】上記直鎖状ポリエステル(A)の二塩基酸
のうち、重合性不飽和基を有していない二塩基酸は必須
成分として用いるのが好ましく、不飽和脂肪族二塩基酸
は併用してもしなくても良い。不飽和脂肪族二塩基酸を
併用する場合には、ポリエステル鎖中に重合性二重結合
を有するため硬化物の剛性が高くなる。そのため、不飽
和脂肪族二塩基酸の使用量は、全酸成分中で0〜75モ
ル%が好ましい。また、不飽和脂肪族二塩基酸を併用し
ない場合には、靭性の高い硬化物をもたらすことができ
る。
【0013】本発明のポリエステル(A)の構成成分で
あるエチレングリコール及びテレフタル酸としては、そ
れぞれのモノマーとして供給してもよいが、簡便に入手
でき、しかも廃棄品の再利用の点から回収されたポリエ
チレンテレフタレート(以下、PETという)を原料と
して供給することができる。
【0014】PETとしては、エチレングリコール及び
テレフタル酸又はそのアルキルエステルを主成分として
得られたものであり、勿論合成品でも差しつかえない
が、資源の有効利用の観点からすると、回収された廃棄
品が好ましい。かかる回収された廃棄品のPETとして
は、化学繊維、エンジニアリングプラスチック、飲料容
器、シート、成形トリム残等である。本発明では、これ
らの回収されたPETの破砕した物を使用する。これら
回収された廃棄品のPET粉砕物の大きさは、好ましく
は縦×横(1〜20mm×1〜20mm)の大きさにされた
ものである。本発明に用いられる回収された廃棄品のP
ETは、その原料としてテレフタル酸とエチレングリコ
ールとを主成分とするが、その他成分としてイソフタル
酸等の他の飽和二塩基酸またはシクロヘキサンジメタノ
ール、ジエチレングリコール等の他のグリコールを使用
したものも含むものである。
【0015】本発明では、回収PETの有効利用方法と
して、ラジカル硬化性樹脂の樹脂骨格にポリエチレンテ
レフタレート由来のポリエステル骨格を含み実用上問題
のない物性、例えば、伸び、靱性、柔軟性、強度を保持
しつつ、低温硬化性に優れ、空気存在下でも完全硬化す
るPETを必須原料成分として使用した重合性不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を提供できることを利点の一つと
している。
【0016】本発明で使用するPETを使用する場合、
グリコールによりアルコリシス反応によってPETを分
解し、分子末端に水酸基を有するテレフタレートオリゴ
マー(a)として使用に供される。その際に用いられるグ
リコールは、前述するグリコールが上げられるが、エー
テル結合を有する脂肪族グリコールが好ましい。該グリ
コールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
また、これらのグリコールを主成分(全グリコール成分
の50重量%以上)とする場合、他のグリコールとし
て、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル等を併用することができる。
【0017】本発明で使用するアルコリシス反応で生成
する分子末端に水酸基を有するテレフタレートオリゴマ
ー(a)は、式、EG−(TPA−EG or Gly)nで表
わされるもので、nが1〜5のグリコールの混合物が好
ましい。但し、式中の記号は、Gly:エーテル結合を有
する脂肪族グリコール、EG:エチレングリコール、T
PA:テレフタル酸である。更に、好ましくは、nが2
〜3である次の、(i)EG−TPA−Gly−TPA−E
G、(ii)EG−TPA−Gly−TPA−EG−TPA−
Gly、の(i)(ii)を、テレフタレートオリゴマー(a)成
分の50重量%以上含有するものである。また、アルコ
リシス反応する際のPETに対するグリコールの添加量
は、テレフタル酸/エチレングリコール1ユニット(分
子量192)に対して等モル以上、好ましくは1〜10
モルである。
【0018】本発明でのポリエステル(A)は、上記P
ETを原料として得られるほかにグリコール成分と二塩
基酸成分とを用いて合成することもできる。即ち、エチ
レングリコール及び他のグリコールのアルコール成分と
テレフタル酸又はそのエステル及び他の二塩基酸又はそ
のエステルなどの酸成分とを酸性分が過剰となるように
反応せしめて、両末端にカルボキル基を有するポリエス
テルを得ることができる。また、エチレングリコールと
テレフタル酸又はそのエステルとを反応せしめて両末端
に水酸基を有するエチレンテレフタレートオリゴマーを
合成し、次いでそのオリゴマーに他の二塩基酸及び他の
グリコールを追加して重合し、両末端にカルボキル基を
有するポリエステルを得ることもできる。
【0019】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物をJIS規格K−6251による注型硬化板とした
時の引張伸び率が好ましくは80〜300%となるよう
な軟質樹脂にするには、直鎖状ポリエステル(A)中に
占める芳香族二塩基酸の構造単位を好ましく15〜60
重量%とする。こうした引張伸び率の樹脂硬化物を得る
には不飽和脂肪族二塩基酸を併用しないのが好ましい。
その際のエーテル結合を有する脂肪族グリコールの構造
単位は、10〜35重量%であることが好ましい。
【0020】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物をJIS規格K−6251による注型硬化板とした
時の引張強度が好ましくは150〜1300kgf/cm2
なるような硬質樹脂にするには、直鎖状ポリエステル
(A)中に占める芳香族二塩基酸の構造単位を好ましく
は1〜50重量%、及び不飽和脂肪族二塩基酸1〜30
重量%とすることが好ましい。こうした引張強度の樹脂
硬化物を得るには不飽和二塩基酸を併用することが好ま
しい。その際のエーテル結合を有する脂肪族グリコール
の構造単位は、10〜35重量%であることが好まし
い。
【0021】本発明で使用する分子両末端に(メタ)ア
クリロイル基を有する直鎖状ポリエステル(A)は、テ
レフタレートオリゴマー(a)と二塩基酸(b)との反応の際
に、不飽和二塩基酸を使用しないことにより生成する飽
和ポリエステルの末端カルボキシル基にグリシジル(メ
タ)アクリレートを付加反応させたもの及びテレフタレ
ートオリゴマー(a)と不飽和脂肪族二塩基酸と、芳香族
二塩基酸からなる二塩基酸(b)との反応により生成する
不飽和ポリエステルの末端カルボキシル基にグリシジル
(メタ)アクリレートを付加させたものがある。
【0022】本発明で使用される分子両末端に(メタ)
アクリロイル基を有する直鎖状ポリエステル(A)の数
平均分子量は、好ましくは1500〜3000、特に好
ましくは1800〜2800である。分子量が上記範囲
であれば、強度物性が高く、硬化時間が長くなく生産性
に優れる。
【0023】本発明で使用されるエチレン性不飽和単量
体(B)としては、分子両末端に(メタ)アクリロイル
基を有する直鎖状ポリエステル(A)と共重合可能な不
飽和モノマーあるいは不飽和オリゴマー等が用いられ
る。分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する
(メタ)アクリル酸モノエステルモノマーが特に好まし
い。具体的な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸2−ハイドロキシエ
チル、アクリル酸2−ハイドロキシプロピル、アクリル
酸β−エトキシエチル、アクリル酸2−シアノエチル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジエチルアミノ
エチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸デシ
ル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸ステアリ
ル、メタアクリル酸2−ハイドロキシエチル、メタアク
リル酸2−ハイドロキシプロピル、p−t−ブチルシク
ロヘキシルメタアクリレート、メタアクリル酸フェニル
カルビトールアクリレート、ノニルフェニルカルビトー
ルアクリレート、ノニフェノキシプロピルアクリレー
ト、N−ビニルピロリドン、ポリカプロラクトンアクリ
レート、アクリロイルオキシエチルフタレート、アクリ
ロイルオキシサクシネート、ジシクロペンテニルアクリ
レート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレー
ト、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカ
ニルメタアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌルアクリレート等が挙げられる。
【0024】エチレン性不飽和単量体(B)として、上
記(メタ)アクリロイル基を1個有するエチレン性不飽
和単量体と共に用いられる分子中に少なくとも2個の重
合性不飽和二重結合を有する多官能不飽和不飽和モノマ
ーを併用することができる。この種のモノマーは、硬化
物表面の耐摩耗性、耐擦傷性、耐摺動性、耐薬品性等を
向上する目的で好ましく使用される。多官能不飽和モノ
マーは、好ましくは、多官能の(メタ)アクリル酸エス
テルモノマーであり、例えばエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレートのようなアルカンジオールジ−
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、
トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフマレート等が挙げられ、これらは単独
で、又は2種以上で用いられる。
【0025】エチレン性不飽和単量体(B)として上記
(メタ)アクリロイル基を1個有するエチレン性不飽和
単量体と共に用いられる不飽和単量体としては、空乾性
を有する重合性不飽和モノマーも併用することもでき
る。例えばジシクロペンタジエン、トリシクロデカン等
のアクリル酸誘導体、ジシクロペンテニルオキシエチル
アクリレート、トリシクロ〔5-2-1-02,6〕デカニルアク
リレート等を挙げることができる。
【0026】エチレン性不飽和単量体(B)として上記
(メタ)アクリロイル基を1個有するエチレン性不飽和
単量体と共に用いられる不飽和単量体としては、不飽和
アルコール単量体も併用することもできる。この不飽和
アルコール単量体とは、(メタ)アクリロイル基と水酸
基とを有するモノマーであり、具体例としては、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸ヒドロキシプロピル等がある。
【0027】これらのエチレン性不飽和単量体以外の例
えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
等のビニルモノマーを併用してもよい。
【0028】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、分子両末端に(メタ)アクリロイル基を有する
直鎖状ポリエステル(A)とエチレン性不飽和単量体
(B)との混合割合、即ち(A):(B)の重量割合
は、好ましくは20〜80重量%:80〜20重量%
で、より好ましくは30〜70重量%:70〜30重量
%である。
【0029】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物の製造は、次の方法により行うことが出来る。即
ち、その方法としては、例えば回収されたPETとエチ
レングリコール以外のグリコール、好ましくはエーテル
結合を有する脂肪族グリコールとを窒素雰囲気下で、好
ましくは200〜260゜Cの温度に加熱することにより、アル
コリシス反応を行って両末端に水酸基を有するテレフタ
レートオリゴマーを得る。次いで、このテレフタレート
オリゴマーとテレフタル酸以外の他の二塩基酸、好まし
くは芳香族二塩基酸を主成分とする二塩基酸と、エチレ
ングリコール以外の他のグリコール、好ましくはエーテ
ル結合を有する脂肪族グリコールとを、窒素雰囲気下で
好ましくは180〜220゜Cの温度で加熱することによりエス
テル化反応を行い分子両末端にカルボキシル基を有する
直鎖状ポリエステルを得る。又は、テレフタル酸又はそ
のエステル及び他の二塩基酸、好ましくは芳香族二塩基
酸を主成分とする二塩基酸とエチレングリコール及び他
のグリコール、好ましくはエーテル結合を有する脂肪族
グリコールとを、窒素雰囲気下で好ましくは180〜220゜C
の温度で加熱することによりエステル化反応を行い分子
両末端にカルボキシル基を有する直鎖状ポリエステルを
得る。
【0030】次いで、この直鎖状ポリエステルの両末端
カルボキシル基にグリシジル(メタ)アクリレートを、
好ましくは120〜140゜Cの温度で付加反応させることによ
り、分子両末端に(メタ)アクリロイル基を有する直鎖
状ポリエステル(A)を得る。この直鎖状ポリエステル
(A)をエチレン性不飽和単量体(B)で溶解させて本
発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物を得る。
【0031】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、コーティング材、舗装材用途に用いる場合、空
気乾燥性をもたらす空気乾燥性不飽和ポリエステルを併
用するのが好ましい。この空気乾燥性不飽和ポリエステ
ルとしては、空気乾燥性の官能基を有する化合物、例え
ば、アリルエーテル基を有するグリコール(例えば、エ
チレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリ
コールモノアリルエーテル等)や環状脂肪族基を有する
二塩基酸(例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エンド
メチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、シス−3−メチル−4−シクロヘキセ
ン−シス−1,2−ジカルボン酸等)と、グリコール、
不飽和二塩基酸及び飽和二塩基酸とを用いて得られる不
飽和ポリエステルが好ましく挙げられる。
【0032】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物に空気乾燥性の不飽和ポリエステル(C)を併用す
る際には、本発明で使用する分子両末端に(メタ)アク
リロイル基を有する直鎖状ポリエステル(A)に対する
該空気乾燥性の不飽和ポリエステル(C)の重量比率
(A):(C)が、90〜50重量%:10〜50重量
%で混合されることが好ましい。該(C)が10重量%
より小さい場合、樹脂硬化物の表面乾燥性が悪くなる。
該(C)が50重量%より大きい場合、樹脂硬化物の引
張強度、引き裂き強度、耐水性、耐湿熱性等の特性が悪
くなるので好ましくない。
【0033】また、本発明で使用する分子両末端に(メ
タ)アクリロイル基を有する直鎖状ポリエステル(A)
と空気乾燥性の不飽和ポリエステル(C)とを加えたポ
リマー分(A+C)と、エチレン性不飽和単量体(B)
との配合重量比率[(A+C):(B)]は、好ましく
は20〜80重量%:80〜20重量%である。(A+
C)が20重量%より小さい場合、樹脂硬化物の硬化性
が悪くなる。
【0034】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、舗装材、モルタル用途に使用する場合には骨材
を含有するのが好ましい。この骨材は、細骨材及び又は
粗骨材であり、例えば、砕石、砂岩、寒水石、大理石、
石英、花崗岩、石灰石、珪石等の天然岩石であり、珪
砂、川砂等の砂が細骨材として好ましく用いられる。軽
量化の為に、焼結頁岩、パーライト、シラスバルーン、
ガラスバルーン等の軽量骨材を使用できる。また、JIS
G 5901-1968で規定される1号珪砂(平均粒径5〜2.
5mm)、2号珪砂(粒径2.5〜1.2mm)、3号珪砂(粒径
1.2〜0.6mm)、4号珪砂(粒径0.6〜0.3mm)、5号珪砂
(粒径0.3〜0.15mm)、6号珪砂(粒径0.15〜0.074m
m)、7号珪砂(粒径0.074mm以下)も使用できる。用い
る骨材の平均粒径は、好ましくは0.05〜20mm、
より好ましくは、0.1〜10mmである。その添加量
は、不飽和ポリエステル樹脂組成物中に、好ましくは2
0〜92.5重量%である。
【0035】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、ゲル化を防止する目的や、生成する樹脂の保存
安定性あるいは硬化性調整の目的で重合禁止剤を含有す
ることが推奨される。ここで、使用される上記重合禁止
剤として代表的なものを挙げれば、ハイドロキノン、p
−t−ブチルカテコール若しくはモノ−t−ブチルハイ
ドロキノンなどのハイドロキノン類;ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル若しくはジ−t−ブチル−p−クレゾ
ールなどのフェノール類:p−ベンゾキノン、ナフトキ
ノン若しくはp−トルキノンなどのキノン類;ナフテン
酸銅の如き銅塩などがある。
【0036】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物には、樹脂硬化物の、硬化収縮を低減する目的で、
熱可塑性樹脂を添加することが好ましい。熱可塑性樹脂
の具体例としては、メチルメタアクリレート、エチルメ
タアクリレート、ブチルメタアクリレート、メチルアク
リレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸又はメ
タアクリル酸の低級アルキルエステル類、スチレン、塩
化ビニル、酢酸ビニルなどの単量体の単独重合体又は共
重合体類、前記ビニル単量体の少なくとも1種と、ラウ
リルメタアクリレート、イソビニルメタアクリレート、
アクリルアミド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタア
クリルニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、セチル
ステアリルメタアクリレートよりなる重合体の少なくと
も1種の共重合体などのほか、セルロースアセテートブ
チレート及びセルロースアセテートプロピオネート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、飽和ポリエステル等を挙
げることができる。その添加量は、樹脂組成物100重
量部に対して0〜50重量部が好ましく、0〜35重量
部が特に好ましい。
【0037】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、より空気乾燥性を向上させる目的でパラフィン
及び/又はワックス類を併用してもよい。
【0038】用いられるパラフィン及び/又はワックス
としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレン
ワックスやステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリ
ン酸等の高級脂肪酸等が挙げられるが、好ましくはパラ
フィンワックスが用いられる。このパラフィン及び/又
はワックスの添加量としては、成分(A)、(B)、
(C)合計100重量部に対して、0.1〜5重量部、
好ましくは0.2〜2重量部である。
【0039】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、通常重合開始剤を添加して硬化する。重合開始
剤としては、熱重合開始剤が用いられる。また、場合に
よっては光重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤の使
用量は、不飽和ポリエステル樹脂組成物100重量部に
対して通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量
部である。
【0040】また、本発明の重合性不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、硬化促進剤、すなわち重合開始剤の有機
過酸化物をレドックス反応によって分解し、活性ラジカ
ルの発生を容易にする物質を添加することもできる。硬
化促進剤としては、例えばコバルト系、バナジウム系、
マンガン系等の金属石鹸類、第3級アミン類、第4級ア
ンモニウム塩、メルカプタン類等があげられる。
【0041】前記熱重合開始剤としては、有機過酸化物
が挙げられ、具体的にはジアシルパーオキサイド系、パ
ーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジア
ルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パ
ーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカ
ーボネート系等の公知のものが使用され、混練条件、養
生温度等に応じて適宜選択使用される。
【0042】前記光重合開始剤としては、例えば、ベン
ゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル
系、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイ
ルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメ
チルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソ
プロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェ
ノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキ
サントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオ
キサントン系などが挙げられる。
【0043】前記硬化促進剤としては、例えば、ナフテ
ン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸バナジ
ル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウムなどの有機金属
塩が挙げられ、またアミン類にはジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルパラトル
イジン、N,N−ジヒドロキシエチルパラトルイジン、
N−エチル−メタトルイジン、トリエタノールアミン、
メタトルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フ
ェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン
等があげられる。
【0044】硬化促進剤の添加量は、通常使用されてい
る量であり、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂組成
物100重量部に対して0.01〜4重量部である。上
記重合開始剤は組合せて使用されても良い。
【0045】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物には、上記添加剤以外に、繊維強化材、充填材、顔
料、染料等の着色剤等を添加しても良い。
【0046】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、成形材料、防水材の用途に使用される際に繊維
強化材を使用することが好ましい。使用される繊維強化
材としては、例えばガラス繊維、アミド、アラミド、ビ
ニロン、ポリエステル、フェノール等の有機繊維、カー
ボン繊維、金属繊維、セラミック繊維或いはこれらを組
合せたものが挙げられる。施工性、経済性を考慮した場
合、好ましいのはガラス繊維、有機繊維である。また、
繊維の形態は、平織り、朱子織り、不織布、マット状等
があるが、施工法、厚み保持等よりマット状が好まし
い、また、ガラスロービングを20〜100mmにカッ
トしてチョップドストランドにして使用することも可能
である。
【0047】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、パテ、シーリング材、コーティング材、防水
材、成形材料等の用途に使用される際に、充填剤を使用
することが好ましい。この充填材としては、例えば、炭
酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タル
ク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラス粉、ガラス
ビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム、セルロース糸、
硅砂、川砂、寒水石、大理石屑、砕石など公知のものが
挙げられ、なかでも硬化時半透明性を与えるのでガラス
粉、水酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどが好ましく
挙げられる。
【0048】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、布、クラフト紙への含浸補強する材料等の用途
に使用される。さらにステアリン酸亜鉛、チタン白、亜
鉛華、その他各種顔料安定剤、難燃剤等の他の添加剤を
添加することもできる。
【0049】本発明の重合性不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、例えば、コーティング材、パテ、シーリング
材、ライニング材、防水材、道路マーキング材、舗装材
等の用途に用いることができる。
【0050】本発明の樹脂組成物は、伸び、靭性、柔軟
性、低温硬化性、強度、空気乾燥性、低収縮性、耐水性
に優れた性能を有し、特に被覆(コーテイング)材用樹
脂として優れたものである。また、本発明は、環境保護
の観点から大きな問題としてとりざたされている廃PE
Tボトルの処理方法として、ケミカルリサイクル方法、
有効利用方法を提供することができる。
【0051】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すもの
で「%」は特に断わりのない限り重量基準である。
【0052】合成例1〔飽和ポリエステルメタクリレー
ト(A−1)の合成〕 温度計、攪拌機および冷却器を具備した5L三ツ口フラ
スコに、ジエチレングリコール1229.6g(11.
6モル)、PETボトルの粉砕物1344g(テレフタ
ル酸/エチレングリコール各7モル相当分)、ジブチル
錫オキサイド1.38gを仕込んで窒素雰囲気下220℃
まで昇温させ、同温度で4時間反応を続け、ソリッド酸
価が3.0 になったところで、120゜Cまで冷却し、無水フ
タル酸1776g(12.0モル)を仕込んで、210℃
まで昇温させ、同温度で6.5時間反応を続け、70%
スチレン(以下SMと略す)溶液での酸価25、ガードナ
ー粘度Uになったところで、トルハイドロキノン0.5
14gを加え、130゜Cまで冷却し、窒素/空気=1/1
雰囲気下でグリシジルメタアクリレート392.4g
(2.76モル)を仕込み、130゜Cで2時間反応を行
い、75%メチルメタアクリレート(以下MMAと略
す)溶液での酸価2.0になったところで、90゜Cまで冷却
し、MMA1508.7g、5%ナフテン酸銅0.08
7g、t−ブチルカテコール0.291gを加え、不揮
発分75%の液状樹脂を得た。
【0053】合成例2〔不飽和ポリエステルメタクリレ
ート(A−2)の合成〕 温度計、攪拌機および冷却器を具備した5L三ツ口フラ
スコに、ジエチレングリコール801.4g(7.56
モル)、テレフタル酸597.6g(3.6モル)、エ
ステル化触媒FASCAT4100を1.40g仕込んで窒素雰囲
気下220℃まで昇温させ、同温度で4時間反応を続け、
酸価が0.2になったところで、120゜Cまで冷却し、ジエチ
レングリコール763.2g(7.2モル)、エチレン
グリコール223.2g(3.6モル)、無水フタル酸
1598.4g(10.8モル)、無水マレイン酸44
1g(4.5モル)、トリメチルハイドロキノン2.1
48gを仕込んで、210℃まで昇温させ、同温度で1
5.5時間反応を続け、70%SM溶液での酸価12.3、
ガードナー粘度Yになったところで、トルハイドロキノ
ン0.558gを加え、130゜Cまで冷却し、窒素/空気
=1/1雰囲気下でグリシジルメタアクリレート18
2.4g(1.28モル)を仕込み、130゜Cで1時間反
応を行い、75%MMA溶液での酸価1.3になったとこ
ろで、90゜Cまで冷却し、MMA1267.7g、5%ナ
フテン酸銅0.112gを加え、不揮発分75%の液状
樹脂を得た。
【0054】合成例3〔飽和ポリエステルメタクリレー
ト(A−3)の調製〕 合成例1と同様の反応を行い、反応終了後にスチレン
(SM)1810.4g、5%ナフテン酸銅0.093
g、t−ブチルカテコール0.312gを加え、不揮発
分70%の液状樹脂を得た。
【0055】合成例4〔不飽和ポリエステルメタクリレ
ート(A−4)の調製〕 合成例2と同様の反応を行い、反応終了後にスチレン
(SM)1521.2g、5%ナフテン酸銅0.100
g、t−ブチルカテコール0.334gを加え、不揮発
分70%の液状樹脂を得た。
【0056】合成例5〔空乾性付与型不飽和ポリエステ
ル(C−1)の調製〕 温度計、攪拌機および冷却器を具備した5L三ツ口フラ
スコにトリエチレングリコール1407g(9.38モ
ル)、ジエチレングリコール489.72g(4.62
モル)、無水フタル酸752.2g(4.9モル)、
PMAA1162g(7.0モル)、ジブチル錫オキサ
イド1.88g、トルハイドロキノン0.51gを仕込
んで窒素雰囲気下205℃まで昇温させ、同温度で12時
間反応を続け、70%SM溶液での酸価10.2になったと
ころで、120゜Cまで冷却し、無水マレイン酸205.8
g(2.1モル)を仕込んで、190℃まで昇温させ、同
温度で5.5時間反応を続け、75%MMA溶液での酸
価19.2、ガードナー粘度Vになったところで、MMA1
245.9g、5%ナフテン酸銅0.074g、t-ブチ
ルカテコール0.25gを加え、不揮発分75%の液状
樹脂を得た。
【0057】比較合成例1〔飽和ポリエステルメタクリ
レート(EA−1)の合成〕 温度計、攪拌機および冷却器を具備した5L三ツ口フラ
スコに、トリエチレングリコール1302g(8.68
モル)、ジエチレングリコール589.72g(4.6
2モル)、無水フタル酸2072g(14モル)、ジブ
チル錫オキサイド1.93gを仕込んで窒素雰囲気下20
5℃まで昇温させ、同温度で16時間反応を続け、70
%SM溶液での酸価19.1、ガードナー粘度Q−Rになっ
たところで、トルハイドロキノン0.528gを加え、
110゜Cまで冷却し、窒素/空気=1/1雰囲気下でグリ
シジルメタアクリレート255.3g(1.8モル)を
仕込み、130゜Cで2.5時間反応を行い、75%MMA
溶液での酸価1.9になったところで、90゜Cまで冷却し、
MMA1293.2g、5%ナフテン酸銅0.079
g、t-ブチルカテコール0.264gを加え、不揮発分
75%の液状樹脂を得た。
【0058】比較合成例2〔不飽和ポリエステルメタク
リレート(EA−2)の合成〕 温度計、攪拌機および冷却器を具備した5L三ツ口フラ
スコに、ジエチレングリコール1590g(15モ
ル)、無水フタル酸1776g(12モル)、無水マレ
イン酸367.5g(3.75モル)、トリメチルハイ
ドロキノン1.795g、ジブチル錫オキサイド1.7
95gを仕込んで窒素雰囲気下210℃まで昇温させ、同
温度で4.5時間反応を続け、酸価が0.2になったとこ
ろで、120゜Cまで冷却し、ジエチレングリコール80
1.4g(7.56モル)、を仕込んで、210℃まで昇
温させ、同温度で35時間反応を続け、70%SM溶液
での酸価10.2、ガードナー粘度Y2−Zになったところ
で、90゜Cまで冷却し、窒素/空気=1/1雰囲気下でグ
リシジルメタアクリレート129.8g(0.91モ
ル)を仕込み、130゜Cで1時間反応を行い、75%MM
A溶液での酸価2.5になったところで、90゜Cまで冷却
し、MMA1193.26g、5%ナフテン酸銅0.1
5gを加え、不揮発分75%の液状樹脂を得た。
【0059】実施例1〜2(被覆材としての評価) 前記合成例1〜3及び比較合成例1〜2で得られた樹脂
を配合し、所定量の硬化剤を添加して2mmの塗膜を作
製し、塗膜乾燥性、引張り試験を行った。評価結果を表
1に示した。尚、表中の配合は、重量部であり、以下の
表でも同じ。
【0060】
【表1】
【0061】実施例3〜4(注型板物性1) 前記合成例1〜2及び比較合成例1〜2で得られた樹脂
を配合し、所定量の硬化剤を添加して3mm厚の注型板
を作製し、引張り試験を行った。評価結果を表2に示し
た。
【0062】
【表2】
【0063】実施例5〜6(注型板物性2) 前記合成例3〜4で得られた樹脂を配合し、所定量の硬
化剤を添加して3mm厚の注型板を作製し、曲げ試験、
引張り試験を行った。評価結果を表3に示した。
【0064】
【表3】
【0065】なお、上記各表中の略号は以下の通りであ
る。 A−1 合成例1の飽和ポリエステルメタクリレート A−2 合成例2の不飽和ポリエステルメタクリレート A−3 合成例3の飽和ポリエステルメタクリレート A−4 合成例4の不飽和ポリエステルメタクリレート EA−1 比較合成例1の飽和ポリエステルメタクリレート EA−2 比較合成例2の不飽和ポリエステルメタクリレート C−1 合成例5の空乾性付与型不飽和ポリエステル MMA メタアクリル酸メチル n-BA n-ブチルアクリレート 2-EHA 2-エチルヘキシルアクリレート 6%Co-Nap 6%ナフテン酸コバルト PTD-2EO N,N−ジヒドロキシエチルパラトルイジン
【0066】表1〜表3の結果から明らかなごとく、本
発明の組成物は優れた引張り強度を有していることが分
かる。
【0067】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、諸特性、特に引
っ張り強度に優れたものであり、廃PETを有効利用し
て得られることができるものであるため、環境保護の観
点からも有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 修 大阪府大阪市阿倍野区天王寺町北3−5− 25,205 (72)発明者 田代 理恵 大阪府泉大津市田中町4−5−401 (72)発明者 神崎 満幸 大阪府岸和田市畑町500−2 Fターム(参考) 4J027 AB02 AB05 AB06 AB07 AB10 AB15 AB16 AB17 AB18 AB23 AB24 AB25 BA05 BA07 BA08 BA10 BA12 BA13 BA15 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 BA22 BA23 BA29 CD08 4J038 DD191 DD211 FA112 FA261 PA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端に(メタ)アクリロイル基を有す
    る直鎖状ポリエステル(A)とエチレン性不飽和単量体
    (B)とを含み、前記直鎖状ポリエステル(A)が、
    (a)エチレングリコール構成成分及び他のポリオール
    構成成分と(b)テレフタル酸構成成分及び他の二塩基
    酸構成成分とを含有するものであり、且つ該テレフタル
    酸構成成分含有量が全酸成分中5〜80モル%であるこ
    とを特徴とする重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 他の二塩基酸構成成分が不飽和脂肪族二
    塩基酸及び/又は芳香族二塩基酸であることを特徴とす
    る請求項1記載の重合性不飽和ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 直鎖状ポリエステル(A)が、両末端に
    水酸基を有するポリエチレンテレフタレートオリゴマー
    を用いて得られるものであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 両末端に水酸基を有するポリエチレンテ
    レフタレートオリゴマーがポリエチレンテレフタレート
    を脂肪族グリコールでアルコリシス反応することにより
    得られるものであることを特徴とする請求項3記載の重
    合性不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンテレフタレートが回収され
    た廃棄品であることを特徴とする請求項4記載の重合性
    不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 脂肪族グリコールがエーテル結合を有す
    る脂肪族グリコールであることを特徴とする請求項4又
    は5記載の重合性不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 更に骨剤を含有し、モルタルとして用い
    られることを特徴とする請求項1又は2記載の重合性不
    飽和ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 更に空気乾燥性不飽和ポリエステルを含
    有し、コーティング材として用いられることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の重合性不飽和ポリエステル樹脂
    組成物。
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