JPH0745556B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH0745556B2
JPH0745556B2 JP62141512A JP14151287A JPH0745556B2 JP H0745556 B2 JPH0745556 B2 JP H0745556B2 JP 62141512 A JP62141512 A JP 62141512A JP 14151287 A JP14151287 A JP 14151287A JP H0745556 B2 JPH0745556 B2 JP H0745556B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水で濡れた基材表面や湿潤状態下の基材表面
への密着性および接着性にすぐれた塗料および接着剤に
関するものである。特に水中において大面積施工の容易
なライニング、パテ、シーリング等に有用な硬化性樹脂
組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
現在、ライニング、パテ、シーリング等に利用されてい
る樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂お
よびポリウレタン樹脂などがあり、これらの樹脂はそれ
ぞれに特長を生かして広く活用されている。
しかし、これら既存の樹脂は、濡れた基材(例えばコン
クリート)面に塗装して良く密着させるとか、または海
岸で塗装直後に海水に浸されるといった場合などにおい
ては、基材との密着性や接着性などの性能が満足すべき
ものでなく、改良を求められているのが実情である。
水中硬化型の樹脂としては、例えばキシリレンジアミン
とダイマー酸との縮合によって得られるポリアミド樹脂
を硬化剤に用いたエポキシ樹脂も知られているが、しか
し、この樹脂は実際には水面接着はバラツキが甚だし
く、信頼性に乏しい難点を有する。その上速硬化性とし
なければならずポットライフが20〜30分と短く大面積の
施工には向いていない。
一般に、作業現場で、鉄鋼製構築物に保護ライニングす
る場合などでは、完全に錆を落として塗装することが困
難な場合が少なくない。従って、浮いた錆を落とす程度
で塗装しなければならない場合も多く、かような悪条件
でも十分な接着性と防錆性とが求められるケースがあ
る。
合成樹脂エマルジョンとセメントを混合して使用する方
法は従来から知られている。しかしこの方法は、硬化に
長時間を要すること、塗装後皮膜が未硬化の状態で水に
接触したり、または高湿度の環境下に置かれると、皮膜
が流出または著しい硬化の遅れを生ずること、コンクリ
ート面のようないわば多孔質で、ある程度吸水性のある
表面は良いが、金属面のように全く吸水しない面では、
硬化性が遅く、接着性が必ずしも十分でないこと、皮膜
の厚みによってはヘアークラックが発生し、皮膜の役割
を果たさなくなること、などの欠点を有する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、したがって、上述した実情に鑑みて、既存の
樹脂では満足すべき性能の得られなかった、水で濡れた
基材表面や湿潤状態下の基材表面への密着性および接着
性に優れた塗料および接着剤、特に水中での大面積施工
の容易なライニング、パテ、シーリング等に有用な硬化
性樹脂組成物を提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明は、 (A)次の(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の中か
ら選ばれる、主鎖が炭素−炭素結合からなり、側鎖にウ
レタン結合またはエステル結合を介して(メタ)アクリ
ロイル基を有する側鎖不飽和ポリマー、 (イ)スチレン、(メタ)アクリル酸エステルおよびア
クリロニトリルから選ばれる重合性モノマーと、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート(以下、ヒドロキシ
ル基を有するモノマー)との共重合によって得られる、
側鎖にヒドロキシル基を含む共重合体、と 多価イソシアナートと前記ヒドロキシル基を有するモノ
マーとの付加物で遊離のイソシアナート基を有する不飽
和イソシアナート、またはイソシアナートアルキル(メ
タ)アクリレート、 とを反応させて得られる側鎖不飽和ポリマー、 (ロ)前記重合性モノマーとグリシジル(メタ)アクリ
レートまたはエポキシ樹脂のモノ(メタ)アクリレート
(以下、グリシジル基を有するモノマー)との共重合に
よって得られる、側鎖にグリシジル基を含む共重合体、
と (メタ)アクリル酸、 とを反応させて得られる側鎖不飽和ポリマー、 (ハ)前記重合性モノマーと(メタ)アクリル酸との共
重合によって得られる、側鎖にカルボキシル基を含む共
重合体、と 前記グリシジル基を有するモノマー、 とを反応させて得られる側鎖不飽和ポリマー、 (ニ)前記重合性モノマーと無水マレイン酸との共重合
によって得られる、側鎖に酸無水物基を含む共重合体、
と 前記ヒドロキシル基を有するモノマー、 とを反応させて得られる側鎖不飽和ポリマー、 (B)エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール類のフェ
ノール基とを反応して得られるフェノール変性エポキシ
樹脂、または 多価フェノール化合物とモノエポキシドとの反応生成
物、 から成る多価アルコール成分と、 α−β不飽和多塩基酸またはその無水物であり、これに
必要により任意の多塩基酸を併用した酸成分、 とをエステル化反応して得られる不飽和アルキッド、 (C)重合性単量体、および (D)硬化剤、 からなる硬化性樹脂組成物であり、 (A)100重量部に対し(B)は10〜500重量部、(A)
および(B)の合計量100重量部に対し(C)は30〜300
重量部、(A)、(B)および(C)の合計量100重量
部に対し(D)は0.5〜10重量部の割合で配合した、硬
化性樹脂組成物を提供して、これらの問題を解決しよう
とするものである。
〔作 用〕
本願発明の硬化性組成物は、以上のような構成からなる
ので、これを水で濡れた基材表面や湿潤状態下の基材表
面に適用しても、密着性および接着性に優れ、かつ耐水
性および耐薬品性等にも優れており、水中での大面積の
施工に好適である。
〔発明の具体的説明〕
成分A 本発明の組成物を構成する成分中、成分(A)として用
いる側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポリマーに
は幾つかの合成法があり、その種類も幾つかあるが、一
般的には次の方法による。
すなわち、炭素−炭素2重結合を有する重合性モノマー
(i)と、該モノマーと重合しうる重合性二重結合およ
び(メタ)アクリロイル基導入用官能基(例えば酸無水
物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基)
を共有する重合性モノマー(ii)とを共重合して得られ
る共重合体(a)に、該モノマー(ii)に由来する前記
(メタ)アクリロイル基導入用官能基と反応しうる基
(例えばヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアナート
基、カルボキシル基)および(メタ)アクリロイル基を
共有する化合物(b)をウレタン化またはエステル化反
応させることによって合成される。
共重合体(a)、すなわち成分(A)のポリマー主鎖を
形成するモノマー(i)としては、炭素−炭素二重結合
を有する重合性モノマーであれば、特に制限を加える必
要はないが、例えばスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレン、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ル類、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ビニルピロリドン、酢酸ビニルなどが代表的であ
り、それぞれ単独または混合して用いることができる。
共重合体(a)の他の成分である、側鎖(メタ)アクリ
ロイル基導入用官能基を有するモノマー(ii)は、前記
化合物(b)の反応性の基とウレタン化またはエステル
化反応を起こす酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、エポキシ基などの官能基を有する重合性モノマ
ーである。このうち酸無水物基を有するモノマーとして
は例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸があり、カル
ボキシル基を有するモノマーとしては例えばアクリル
酸、メタクリル酸があり、ヒドロキシル基を有するモノ
マーとしては例えば不飽和モノアルコール類、例えば2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、メチロー
ルアクリルアミドがあり、エポキシ基を有するモノマー
としてはグリシジル(メタ)アクリレートおよびエポキ
シ樹脂のモノ(メタ)アクリレートなどが代表例として
あげられる。
また、共重合体(a)に側鎖(メタ)アクリロイル基を
導入する化合物(b)は、共重合体(a)中のモノマー
(ii)に由来する官能基とウレタン化またはエステル化
反応を起こすヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアナ
ート基、カルボキシル基などの反応性基および(メタ)
アクリロイル基を共有する化合物である。この化合物
(b)は、共重合体(a)中の官能基の種類に従って下
記の化合物が使用される。例えば、共重合体(a)中の
酸無水物基とエステル化反応して側鎖に(メタ)アクリ
ロイル基を導入する化合物(b)としては、上記した例
えば2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの不飽和モ
ノアルコール類があり、共重合体(a)の側鎖カルボキ
シル基とエステル化反応して(メタ)アクリロイル基を
導入する化合物(b)としては、不飽和モノエポキシ化
合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、特にグ
リシジルメタクリレート、エポキシ樹脂のモノ(メタ)
アクリレートなどがあり、共重合体(a)の側鎖ヒドロ
キシル基とウレタン化反応する化合物(b)としては、
イソシアナートエチルメタクリレート、前述の不飽和モ
ノアルコール例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート
等と多価イソシアナートとの反応により得られる不飽和
イソシアナートなどがあり、共重合体(a)中の側鎖エ
ポキシ基とエステル化反応する化合物(b)としては、
アクリル酸、メタクリル酸などをあげることができる。
上記の(メタ)アクリロイル基を有する不飽和イソシア
ナートは、分子中に(メタ)アクリロイル基とイソシア
ナート基を各1個ずつ共に有することが理想的である
が、反応中のゲル化防止の見地から、多価イソシアナー
ト1モル当り不飽和モノアルコール1モル以上を反応さ
せて不飽和イソシアナート中のイソシアナート基の残存
割合を0.2〜0.9(モル比)にする必要がある。例えばジ
イソシアナート1モルに対して不飽和アルコール1.1モ
ルから1.8モルの範囲で反応させ、イソシアナート基を
残存させることが必要であり、この残存イソシアナート
基は、モノマー(i)と(ii)で得られら共重合体
(a)主鎖のヒドロキシル基との反応に利用される。
このように、成分(A)として用いる側鎖に(メタ)ア
クリロイル基を有するポリマーには種々の種類がある
が、その中でも、側鎖にウレタン結合またはエステル結
合を介して(メタ)アクリロイル基を有し、主鎖が炭素
−炭素結合である側鎖不飽和ポリマーが代表例としてあ
げられる。
以下に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する本願発
明の成分(A)のポリマーの代表的な具体例および製造
方法を説明する。
(1)側鎖にウレタン結合を介して(メタ)アクリロイ
ル基を有する側鎖不飽和ポリマー (イ)特開昭59−230019号公報、同60−38403号公報に
記載されているもので、次のようなものである。
側鎖にヒドロキシル基を含む共重合体(a)と、多価イ
ソシアナートと(メタ)アクリロイル基を有する不飽和
モノアルコールとの付加物で遊離のイソシアナート基を
有する不飽和イソシアナート(b)とを、重合性単量体
中で(a)のヒドロキシル基と(b)のイソシアナート
基とを反応させることにより硬化可能な側鎖不飽和ポリ
マー(A)が得られる。そのなかでも、下記一般式
〔I〕で示されるポリマーが本発明において好適に使用
される。
〔ただし、R1,R2は水素またはメチル基であり、Gはジ
イソシアナートの残基を表し、Mは50〜300、nは70〜9
9、mは1〜30、lは2または3の整数である。〕 具体的には、側鎖にヒドロキシル基を含むポリマーとし
て2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートまたは
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとスチレ
ンとの共重合体(a)を用い、それに不飽和イソシアナ
ート(b)としてトリレンジイソシアナートと2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートの付加物を反応させて
得られるものが最適である。
(ロ)前記の側鎖にヒドロキシル基を含む共重合体
(a)と、イソシアナートエチルメタクリレート(b)
とを反応させることよりなる硬化可能な側鎖不飽和ポリ
マー(A)も用いられる。
(ハ)イソシアナートエチルメタクリレートと、スチレ
ン、メチルメタクリレート等ビニルモノマーとの共重合
によって得られる、側鎖にイソシアナートを含む共重合
体(a)と、(メタ)アクリロイル基を有する不飽和ア
ルコール(b)とを反応させることより得られる側鎖不
飽和ポリマー(A)も用いられる。
(2)側鎖にエステル結合を介して(メタ)アクリロイ
ル基を有する側鎖不飽和ポリマー、 (ニ)側鎖にグリシジル基を含む共重合体(a)と、
(メタ)アクリル酸(b)とを反応させることより得ら
れる側鎖不飽和ポリマー(A)であり、下記一般式〔I
I〕で示されるポリマーが代表的である。
〔ただし、R1,R2,M,n,mの定義は前記と同じ〕 具体的には、スチレンとグリシジル(メタ)アクリレー
トとの共重合体に、(メタ)アクリル酸をエルテル化反
応させて得られるものが好適である。また、グリシジル
(メタ)アクリレートの1部に代えてアリルグリシジル
エーテルを用いたものも好適に使用される。
(ホ)側鎖にカルボキシル基を含む共重合体(a)と、
不飽和エポキシ化合物(b)とを反応させて得られる上
記一般式〔II〕で示されるポリマーがあげられる。具体
的には、スチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体
に、グリシジル(メタ)アクリレートを反応させて得ら
れるものが好適である。
(ヘ)特開昭61−258817号に記載の方法で得られるポリ
マー。
[工程A](メタ)アクリル酸1モルに対してエポキシ
樹脂1モル以上とを反応させて得られる、分子中に(メ
タ)アクリロイル基とエポキシ基とを有する不飽和エポ
キシ樹脂を少なくとも一成分として含む成分と、ビニル
モノマーとを、ラジカル重合触媒を用いて共重合させる
ことにより、生成ポリマーの側鎖にエポキシ基を有する
共重合体(a)をつくり、次いで、 [工程B]工程[A]から得られた反応混合物中に残存
するエポキシ基と実質的に等モルの(メタ)アクリル酸
(b)を加えて、エポキシ基とカルボキシル基の反応を
行わせることによって、側鎖不飽和ポリマー(A)が得
られる。
その中でも、下記一般式〔III〕で示されるポリマーが
好適である。
〔ただし、R1,R2,M,n,mは前記と同様である。R3,R4は水
素またはメチル基であり、pは0〜5の整数である。〕 同様に、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂に代えて、
ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂を用い
たものも好適に使用される。
(ト)ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸との共重合
によって得られる側鎖にカルボキシル基を含む共重合体
(a)に、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応
によって得られるエポキシ基と(メタ)アクリロイル基
とを共に有する上記不飽和エポキシ樹脂(b)を反応さ
せて得られる、一般式〔III〕で表される側鎖不飽和ポ
リマーがあげられる。
使用されるエポキシ樹脂は上記と同様である。
(チ)側鎖に酸無水物基を含む共重合体(a)に、(メ
タ)アクリロイル基を有する不飽和アルコール(b)を
反応させて得られる側鎖不飽和ポリマー(A)があげら
れる。そのなかでも、下記一般式〔IV〕で示されるポリ
マーが好適に使用される。
〔ただし、R1,R2,n,mおよびMは前記したとおりであ
る〕 具体的には、酸無水物基を有するポリマーとしてスチレ
ンと無水マレイン酸との共重合体を用い、それに2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートを反応させて得られ
るものが最適である。
更に、エステル化の結果生じた遊離カルボキシル基をエ
ポキシ基またはヒドロキシル基および(メタ)アクリロ
イル基とを共有しているモノマーと反応させることによ
って得られる遊離のカルボキシル基のないポリマーも本
発明において使用可能である。
本発明のポリマー(A)を合成するために使用される共
重合反応、ウレタン化反応およびエステル化反応には、
慣用の手段が採用される。例えば、共重合反応には、有
機過酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合触媒が、エ
ステル化反応には、第3級アミン、アミン塩、第4級ア
ンモニウム塩、金属塩などの反応触媒が反応促進のため
に使用される。
以上の側鎖不飽和ポリマーは、分子量5000以上望ましく
は1万以上10万以下が望ましい。5000以下の分子量では
硬化性、物性が必ずしも十分ではなく、10万以上では粘
度が高くなって作業性が悪くなる。
側鎖不飽和ポリマー中の(メタ)アクリロイル基の比率
は、1モル%以上30モル%以下が望ましい。最も適当な
範囲は5モル%以上20モル%以下である。
成分B 本発明の組成物を構成する不飽和アルキッド(B)は、
エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール類のフェノール
基とを反応して得られるフェノール変性エポキシ樹脂ま
たは多価フェノール化合物とモノエポキシドとの反応生
成物から成る多価アルコール成分と、α−β不飽和多塩
基酸またはその無水物とを一成分として含み、任意の多
塩基酸を併用するか或はせずにエステル化して得られる
ものである。
不飽和アルキッド(B)は、前述の側鎖に(メタ)アク
リロイル基を有するポリマー(A)に粘着性を付与する
と同時に、それ自身も重合性単量体(C)と共重合して
架橋樹脂成分となる作用を有している。
フェノール変性エポキシ樹脂の製造に用いられるエポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル型、ノボラックポリグリシジルエーテル型、分子内二
重結合を酸化したいわゆる過酢酸型などがあり、いづれ
も相当する市販品があり、好適に使用され得る。その中
で、コスト、物性の点で最も望ましいものは、ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル型の比較的低分子量のも
のである。
フェノール変性エポキシ樹脂の製造に用いるフェノール
類は、1価のフェノール系化合物、例えばフェノール、
クレゾール類、キシレノール類、パラ置換アルキルフェ
ノール類、パラフェニルフェノール、パラクミルフェノ
ール、α−ナフトール、β−ナフトールなどがあげられ
る。
エポキシ基とフェノール性水酸基との反応比率は、実質
的にエポキシ基1当量に対して水酸基0.5以上1当量以
下である。エポキシ樹脂とフェノール類の反応は、第3
級アミン、第4級アンモニウム塩などの反応触媒の存在
下150℃付近の温度で行われる。
多価フェノール化合物とモノエポキシドとの反応も上記
と同様に、フェノール性水酸基とエポキシ基が実質的に
等モルになるように実施される。多価フェノール化合物
としてはビスフェノールAおよびノボラック(低分子
量)が、モノエポキシドとしてはエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、ブチレンオキシド、フェニルグリシ
ジルエーテルが最も有用である。
以上の多価アルコール成分とエステル化するのに使用さ
れるα−β不飽和多塩基酸またはその酸無水物として
は、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸があげられ、本発明の目的には十分である。フタル
酸、テレフタール酸、イソフタール酸などの飽和多塩基
酸およびその無水物も必要に応じ使用される。エステル
化は不活性気流中200〜210℃の高温下で実施される。
本発明の組成物における不飽和アルキッド(B)の使用
割合は、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポリマ
ー(A)の100重量部に対して10〜500重量部、望ましく
は20〜300重量部である。
成分C 本発明で使用される重合性単量体(C)は、前述の側鎖
に(メタ)アクリル基を有するポリマー(A)および不
飽和アルキッド(B)を溶解し、また共重合して架橋成
分となるものである。これは硬化後の塗膜の耐水性、接
着性の向上の点から選択されるものであるが、さらに上
記ポリマー(A)および不飽和アルキッド(B)が固体
であるためそのままでは成形硬化するのに不便であるの
で、それを溶解して取扱いを容易にする目的で使用され
る。
本発明において用いられる重合性単量体(C)として
は、例えば次の種類があげられる。
(イ) メタクリル酸エステル類、例えばメタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸ターシャリブチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラ
ヒドロフルフリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル
酸トリメチロールプロパン。
(ロ) アクリル酸エステル類、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ブタンジオ
ールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレー
ト。
(ハ) ビニルエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル。
(ニ) 芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、ビニル
トルエン。
以上の諸モノマーは、何れも混合使用できることは勿論
である。本発明の重合性単量体(C)は、前記ポリマー
(A)および不飽和アルキッド(B)に配合して使用さ
れるが、前記ポリマー(A)または不飽和アルキッド
(B)の製造の際に溶媒として使用して配合するのが好
ましい。最も好ましい単量体としては、メタクリル酸メ
チル、スチレンである。
重合性単量体(C)の使用量としては、前記ポリマー
(A)および不飽和アルキッド(B)を溶解する量以上
が必要であり、個々のモノマーの種類によってその量は
相違するが、通常は前記ポリマー(A)と不飽和アルキ
ッド(B)の合計量に対し0.3〜3倍の範囲で好適に使
用される。
成分D 本発明の硬化性樹脂組成物の硬化には、硬化剤として過
酸化物が使用される。硬化剤を使用しない場合には最終
硬度の発現に長時間を要し、実用性がかなり損なわれ
る。
硬化剤に好適な過酸化物としては、メチルエチルケトン
パーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチ
ルアセトンパーオキシド、アセト酢酸エチルパーオキシ
ドなどのケトンパーオキシド類、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシドなどのアシルパーオキシド
類、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロ
パーオキシドなどのハイドロパーオキシド類、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエートのようなパーオキシエステル
類のごとき有機過酸化物があげられる。
過酸化物の配合量は、前記ポリマー(A)、不飽和アル
キッド(B)および重合性単量体(C)の合計量の100
重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量
部である。過酸化物の配合量が0.5重量部未満では、常
温での硬化性が不十分となり、一方、過酸化物の配合量
が10重量部より多い場合には、増量による効果が認めら
れないばかりでなく、コスト高となりまた硬化物の物性
低下を招くという難点を有する。
過酸化物による硬化を促進させるためには、過酸化物と
硬化促進剤を併用することが好ましい。硬化促進剤とし
ては、例えばコバルトの有機酸塩、バナジウムのアセチ
ルアセトネート、ジメチルアニリンなどがあげられる。
硬化促進剤の配合量は、前記の組成物合計量の100重量
部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部の範囲内が適当である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、側鎖に(メタ)アクリロ
イル基を有するポリマー(A)、不飽和アルキッド
(B)、重合性単量体(C)、硬化剤(D)および必要
に応じて硬化促進剤を均一に混合することによって調製
されるが、更に必要に応じて充填剤、補強材、着色剤、
不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂のごとき
ラジカル硬化型樹脂、その他の添加剤を配合してもよ
い。特に本組成物を水中にある塗布面に塗布する場合に
あっては、充填剤を配合すれば塗布作業が容易になり、
かつ油膜を防止することが可能となるので好ましい。充
填剤の種類としては、通常の樹脂組成物に用いられるも
のであれば特に制限はなく、例えばタルク、炭酸カルシ
ウム、ガラスフレーク、ポルトランドセメントなどが好
適に用いられる。
以下に実施例をあげて、本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例 1〕 成分(A):側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポ
リマー(M)の合成 攪拌機、還流コンデンサー、温度計付ガス導入管、滴下
ロートを備えた2セパラブルフラスコに、スチレン28
g、t−ブチルドデシルメルカプタン3gを仕込み、窒素
気流中温度100℃でイソブチルメタクリレート284g、無
水マレイン酸98g、n−ドデシルメルカプタン5gの混合
物を滴下する。
滴下開始後、温度を120℃に上昇させ、同温度で4時間
を要して滴下を終了させる。滴下終了後、更に1時間同
温度で加熱を続けると固形分は45(%)となったので、
温度を100℃に下げ、ハイドロキノン0.2g、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート130g、パラトルエンスルホン
酸2gを加え、同温度で6時間反応した。赤外分析の結果
ポリマー中の酸無水物の吸収は約70(%)程度消失した
ものと判断された。
このようにして、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有す
るポリマー(M)が、粘度9.1ポイズ、ハーゼン色数350
で得られた。
成分(B):不飽和アルキッド(N)の合成 攪拌機、分溜コンデンサー、ガス導入管、および温度計
を備えた1四つ口フラスコに、エポキシ樹脂として油
化シェルエポキシ社のエピコート827を370g、パラクレ
ゾール195g(エポキシ基とフェノール性水酸基の比率は
1:0.9)、ベンジルジメチルアミン1.5gを仕込み、150〜
160℃で5時間反応させた。赤外線分光分析の結果、遊
離のエポキシ基は完全に消滅したことが確認された。
次いでフマル酸110gを加え、不活性気流中200〜210℃で
6時間加熱すると、酸価は19.6となったので、ヒドロキ
ノン0.13gを加え、金属バット中に注入、固化させた。
黄褐色、融点約110℃〜115℃の不飽和アルキッド(N)
が得られた。平均分子量は3200であった。
硬化性組成物 次の配合により、パテ状の水中硬化型樹脂組成物を調製
した。
ポリマー(M) 50 重量部 不飽和アルキッド(N) 30 重量部 スチレン 20 重量部 タルク 75 重量部 ベンゾイルパーオキシド 2 重量部 ジメチルアニリン 0.2重量部 塗布試験 上記樹脂組成物を、錆び鋼板の表面の浮き錆のみをワイ
ヤブラシを用いて落とした試験片に、水中でゴムべらで
塗布し、そのまま放置した。3日後に試験片をとり出
し、エルコメーターを用いて接着強度を測定したとこ
ろ、22〜28kg/cm2であり、塗膜の剥離ではなく基材の錆
皮膜の破壊であった。
〔実施例 2〕 成分(A):側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポ
リマー(P)の合成 (スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の製
造) 圧力調整器、圧力計、安全弁を具備した内径4mm、長さ
1.5mのステンレス製反応器にスチレン(76重量%)、グ
リシジルメタクリレート(23重量%)、n−ドデシルメ
ルカプタン(1重量%)の混合物を、毎分1.7gの速度で
供給し、200℃、5〜7kg/cm2の条件で反応させた。その
結果、スチレンの反応率は58%、グリシジルメタクリレ
ートの反応率は73%であり、無色透明の粘稠な共重合体
組成物が得られた。
(側鎖(メタ)アクリロイル基の導入) 攪拌機、温度計、還流冷却器を具備した1セパラブル
フラスコに上記共重合体組成物(200g)、スチレン(20
0g)、メタアクリル酸(27.9g、0.32モル)ハイドロキ
ノン(0.2g)を仕込み、100℃、5時間反応させた。そ
の結果メタクリル酸の反応率は95%であり、生成したポ
リマー(P)の樹脂溶液は淡黄色透明で、粘度は15ポイ
ズ(25℃)であった。
成分(B):不飽和アルキッド(Q)の合成 攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を具備
した1セパラブルフラスコに、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂として、油化シェルエポキシ社製エピコート
807を350g、フェノール179g(エポキシ基対フェノール
性OHの比率1:0.95)を、50℃で均一に混合した後、トリ
メチルベンジルアンモニウムクロライド0.5gを加え、15
5〜160℃で3時間反応させた。赤外線分光分析の結果、
エポキシ基の吸収は完全に消滅したことが認められた。
次いで無水マレイン酸90gを加え、200〜210℃不活性気
流中でエステル化すると、5時間後には酸価21.4となっ
た。
ハイドロキノン0.1gを加え、金属製バットに注入、冷却
した。融点約100℃、平均分子量約2600の不飽和アルキ
ッド(Q)が得られた。
硬化性組成物および塗布試験 粉砕した不飽和アルキッド(Q)の等重量のスチレンで
60〜70℃に加熱、溶解し、常温まで冷却して得た不飽和
ポリエステル樹脂50重量部と、ポリマー(P)50重量部
を混合し、ナフテン酸コバルト1重量部クメンハイドロ
パーオキシド3重量部を加えた組成物を、コンクリート
を水槽中に10日間放置したのち取出した直後の濡れた片
表面に塗布した。
組成物は常温で2日後には硬化し、密着は良好であっ
た。薄いステンレス板を用いて塗膜を剥離しようとした
所、ほぼ全面にわたりコンクリート基材が塗膜に付着し
て剥離された。
〔実施例 3〕 成分(A):側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポ
リマー(R)の合成 (スチレン−メタクリル酸共重合体の製造) 攪拌機、ガス導入管付温度計、還流コンデンサー、滴下
ロートを備えた3セパラブルフラスコにメタクリル酸
35g(0.41モル)、スチレンモノマー800g(7.7モル)、
メチルエチルケトン400g、アゾビスイソブチロニトリル
5.0g、ドデシルメルカプタン12gを仕込み、窒素雰囲気
下75〜80℃で10時間重合した。
ハイドロキノン0.5gを加えて重合を禁止した。
スチレンモノマーの重合率は76%、メタクリル酸の重合
率は93%であり、平均分子量(重量)約5万の共重合体
(a)が得られた。
(側鎖(メタ)アクリロイル基の導入) 攪拌機、ガス導入管付温度計、還流コンデンサー、滴下
ロートを備えた3セパラブルフラスコにエポキシ樹脂
として油化シェルエポキシ社のエピコート827を360g
(2当量)、メタクリル酸138g(1.6当量)、ベンジル
ジメチルアミン1.2g、パラベンゾキノン0.12gを仕込
み、120〜130℃窒素雰囲気下で3時間反応すると、酸価
はほとんどゼロとなり、不飽和エポキシ樹脂(b)が淡
赤褐色シロップ状で得られた。
樹脂(b)は、計算上は式〔V〕の化合物が170g、式
〔VI〕のビニルエステル樹脂が325gおよび式〔VII〕の
原料エポキシ樹脂3gとの混合物である。
前述したスチレン−メタクリル酸共重合体(a)の溶液
全量を、不飽和エポキシ樹脂液(b)中に混入した。さ
らにトリフェニルホスフィン5g、パラベンゾキノン0.10
gを加え加熱を行い、沸点110℃になる迄、メチルエチル
ケトン溶媒を溜出させ、同温度で5時間反応させた。
液体クロマトグラフィーによると、式〔V〕の化合物と
式〔VI〕の化合物の存在比率が、反応前を1としたとき
の約0.15となっていた。
スチレンモノマー1000gを間欠的に添加しながら、30〜5
0mmHgで加熱蒸発を続け、蒸発溜出液から検出されるメ
チルエチルケトンが0.1%以下となったとき操作を終了
した。
このようにして得られた、側鎖に(メタ)アクリロイル
基を有するポリマー(R)は、不揮発分52重量%よりな
る粘度6.2ポイズ(25℃)の黄褐色液であった。
成分(B):不飽和アルキッド(S)の合成 攪拌機、分溜コンデンサー、ガス導入管、温度計を備え
た1セパラブルフラスコに、ビスフェノールAのフェ
ノール性水酸基にプロピレンオキシドを各1モル付加さ
せた付加物を380g、フマル酸116gを仕込み、180〜210℃
窒素気流中でエステル化し、酸価37.1となったとき中止
し、ハイドロキノン0.1gを加え金属製バットに注入、固
化させた。
得られた不飽和アルキッドは、融点約80℃、黄褐色の樹
脂であった。
硬化性組成物 以下の配合により樹脂組成物を得た。
ポリマー(R) 60 重量部 不飽和アルキッド(S) 20 重量部 スチレン 20 重量部 炭酸カルシウム 150 重量部 メチルエチルケトンパーオキシド 1 重量部 ナフテン酸コバルト 0.5重量部 塗布試験 この樹脂組成物を、水中で150mm×25mm×3mmの鋼板の端
部12mmに厚さ3mm程度にパテ付けし、同サイズの鋼板端
部12mmに接着し、圧縮して水中でそのまま硬化させテス
トピースを作成した。これを3日後に水中から取出し、
引張り剪断強さを測定した結果、73〜95kg/cm2の強度を
示した。
〔実施例 4〕 成分(A):側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポ
リマー(T)の合成 (アクリル酸ブチル−ヒドロキシプロピルメタクリレー
トの共重合) 攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、温度計、ガス導
入管を具備した1セパラブルフラスコに1,1,1−トリ
クロロエタン300g、アゾビスイソフタロニトリル0.9g、
n−ドデシルメルカプタン3gを仕込み、80℃で攪拌しな
がら、窒素気流中でアクリル酸ブチル90モル%、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート10モル%の混合液300g
を滴下し、3時間反応させた。アクリル酸ブチルの反応
率は96%であった。
還流コンデンサーを分溜コンデンサーに変え、減圧下で
大部分の1,1,1−トリクロロエタンを溜出した後メタク
リル酸メチル200g、パラベンゾキノン0.12gを加え、更
に減圧下で残存トリクロロエタンを溜出し、最後に失わ
れたメタクリル酸メチル47gを加えた。
(側鎖(メタ)アクリロイル基の導入) 攪拌機、温度計、還流コンデンサー、ガス導入管を具備
した1セパラブルフラスコに、上記共重合物のメタク
リル酸メチル溶液450g、イソシアナートエチルメタクリ
レート20g、ジブチル錫ラウレート1gを仕込み、乾燥空
気を吹込み、60℃で4時間反応させた。赤外分析の結
果、イソシアナート基は完全に消失したと判断された。
成分(B):不飽和アルキッド(U)の合成 攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を備え
た1セパラブルフラスコに、エポキシ樹脂として旭ダ
ウ社のDEN−431を360g、フェノール170g(エポキシ基1
当量に対して水酸基0.9当量)、ベンジルジメチルアミ
ン1.5gを仕込み、150〜160℃で3時間加熱した。生成物
を赤外線分光分析した結果、遊離のエポキシ基は完全に
消滅したことが確認された。
次いで、フマル酸116g(エポキシ基1当量に対してカル
ボキシル基1当量)を加え、200〜210℃、窒素ガス気流
中でエステル化すると、約5時間で酸価9.4となったの
で、ハイドロキノン0.05gを加え金属製バット中に注入
した。
得られた不飽和アルキッド(U)は、赤褐色、融点約10
0℃であった。
硬化組成物 次の配合により、パテ状の水中硬化型樹脂組成物を得
た。
ポリマー(T) 70 重量部 不飽和アルキッド(U) 20 重量部 メタクリル酸メチル 10 重量部 タルク 75 重量部 ベンゾイルパーオキシド 1 重量部 ジメチルアニリン 0.3重量部 塗布試験 上記組成物を水槽中で鉄板にゴムべらで塗布し、そのま
ま3日間放置した。水槽から鉄板を取出し、塗膜の接着
強度をエルコメーターを用いて測定したところ、40〜60
kg/cm2を示した。これは実用上充分の強度である。
〔発明の効果〕 本発明の硬化性樹脂組成物は、水中で硬化し、しかも水
中または湿潤状態下であっても、所望の基材表面への密
着性および接着性に優れ、かつ耐水性および耐薬品性な
どにも優れているので、塗料、接着剤として有用であ
る。とくに、水中の広い面積のライニング、注型に好適
であるので、海洋構築物の水面下の保護ライニングや排
水ピットの補修などに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−207609(JP,A) 特開 昭58−160366(JP,A) 特開 昭59−58017(JP,A) 特開 昭60−81218(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)次の(イ)、(ロ)、(ハ)および
    (ニ)の中から選ばれる、主鎖が炭素−炭素結合からな
    り、側鎖にウレタン結合またはエステル結合を介して
    (メタ)アクリロイル基を有する側鎖不飽和ポリマー: (イ)スチレン、(メタ)アクリル酸エステルおよびア
    クリロニトリルから選ばれる重合性モノマーと、2−ヒ
    ドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロ
    キシプロピル(メタ)アクリレート(以下、ヒドロキシ
    ル基を有するモノマー)との共重合によって得られる、
    側鎖にヒドロキシル基を含む共重合体、と 多価イソシアナートと前記ヒドロキシル基を有するモノ
    マーとの付加物で遊離のイソシアナート基を有する不飽
    和イソシアナート、またはイソシアナートアルキル(メ
    タ)アクリレート、とを反応させて得られる側鎖不飽和
    ポリマー; (ロ)前記重合性モノマーとグリシジル(メタ)アクリ
    レートまたはエポキシ樹脂のモノ(メタ)アクリレート
    (以下、グリシジル基を有するモノマー)との共重合に
    よって得られる、側鎖にグリシジル基を含む共重合体、
    と(メタ)アクリル酸、とを反応させて得られる側鎖不
    飽和ポリマー; (ハ)前記重合性モノマーと(メタ)アクリル酸との共
    重合によって得られる、側鎖にカルボキシル基を含む共
    重合体、と前記グリシジル基を有するモノマー、とを反
    応させて得られる側鎖不飽和ポリマー; (ニ)前記重合性モノマーと無水マレイン酸との共重合
    によって得られる、側鎖に酸無水物基を含む共重合体、
    と前記ヒドロキシル基を有するモノマー、とを反応させ
    て得られる側鎖不飽和ポリマー、 (B)エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール類のフェ
    ノール基とを反応して得られるフェノール変性エポキシ
    樹脂、または 多価フェノール化合物とモノエポキシドとの反応生成
    物、 から成る多価アルコール成分と、 α−β不飽和多塩基酸またはその無水物であり、これに
    必要により任意の多塩基酸を併用した酸成分、 とをエステル化反応して得られる不飽和アルキッド、 (C)重合性単量体、および (D)硬化剤、 からなる硬化性樹脂組成物であり、 (A)100重量部に対し(B)は10〜500重量部、(A)
    および(B)の合計量100重量部に対し(C)は30〜300
    重量部、(A)、(B)および(C)の合計量100重量
    部に対し(D)は0.5〜10重量部の割合で配合した、硬
    化性樹脂組成物。
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