JPH0129490B2 - - Google Patents

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JPH0129490B2
JPH0129490B2 JP29316285A JP29316285A JPH0129490B2 JP H0129490 B2 JPH0129490 B2 JP H0129490B2 JP 29316285 A JP29316285 A JP 29316285A JP 29316285 A JP29316285 A JP 29316285A JP H0129490 B2 JPH0129490 B2 JP H0129490B2
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unsaturated
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Eiichiro Takyama
Michiaki Arai
Takao Arai
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Showa Highpolymer Co Ltd
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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水で濡れた基材表面や湿潤状態下の
基材表面への密着性および接着性にすぐれた塗料
および接着剤、特に水中の大面積施工の容易なラ
イニング、パテ、シーリング等に有用な硬化性組
成物に関する。
〔従来の技術〕
現在、ライニング、パテ、シーリング等に利用
されている樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニル
エステル樹脂およびポリウレタン樹脂等があり、
これらの樹脂はそれぞれに特長を生かして広く活
用されている。
しかし、これら既存の樹脂は、濡れた基材(例
えばコンクリート)面に塗装して良く密着させる
とか、または海岸で塗装直後に海水に浸されると
いつた場合などでは基材との密着性や接着性等の
性能が満足すべきものでなく、改良を求められて
いるのが実情である。
水中硬化型の樹脂としては、例えばキシリレン
ジアミンとダイマー酸との縮合によつて得られる
ポリアミド樹脂を硬化剤に用いたエポキシ樹脂も
知られているが、しかし、この樹脂は実際には水
面接着はバラツキが甚しく、信頼性に乏しい難点
を有する。その上速硬化性としなければならずポ
ツトライフが20〜30分と短かく大面積の施工には
向いていない。
一般に作業現場で鉄鋼製構築物に保護ライニン
グする場合などは、完全に錆を落して塗装するこ
とが困難な場合が少なくない。従つて、浮いた錆
を落す程度で塗装しなければならない場合も多
く、かような悪条件でも十分な接着性と防錆性と
が求められるケースがある。
合成樹脂エマルジヨンとセメントを混合して使
用する方法は従来から知られているが、この方法
は硬化に長時間を要すること、塗装後皮膜が未硬
化の状態で水に接触したり、または高湿度の環境
下に置かれると、皮膜が流出または著しい硬化の
遅れを生ずること、コンクリート面のようないわ
ば多孔質で、ある程度吸水性のある表面は良い
が、金属面のように全く吸水しない面では、硬化
性が遅く、接着性が必ずしも十分でないこと、皮
膜の厚みによつてはヘアークラツクが発生し、皮
膜の役割を果さなくなること、等の欠点を有す
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、上述した実情に鑑みて、水で濡
れた基材表面や湿潤状態下の基材表面への密着性
および接着性にすぐれた塗料および接着剤、特に
ライニング、パテ、シーリング等に有用な硬化性
組成物について、種々研究した結果、側鎖二重結
合型アクリルゴムを用いる本発明の硬化性組成物
が、上記のごとき悪条件下でも塗装可能であり、
かつ水で濡れた基材表面や湿潤状態下の基材表面
への密着性および接着性にすぐれ且つ水中の大面
積施工にも優れていることを見出し、本発明を完
成するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明の硬化性組成物は、 (A) アクリル酸エステル、アクリロニトリルおよ
びヒドロキシル基含有モノマーを共重合して得
られる側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル
ゴムの側鎖ヒドロキシル基と、分子中にそれぞ
れ少くとも1個のイソシアナート基とアクリロ
イル基またはメタクリロイル基(以下、両者を
(メタ)アクリロイル基という)を有する不飽
和イソシアナートのイソシアナート基とを反応
させて得られる、側鎖にウレタン結合を介して
(メタ)アクリロイル基を有する側鎖二重結合
型アクリルゴム、 (B) エポキシ樹脂のエポキシ基とフエノール類の
フエノール基とを反応して得られるフエノール
変性エポキシ樹脂又は多価フエノール化合物と
モノエポキシドとの反応生成物から成る多価ア
ルコール成分と、α―β不飽和多塩基酸または
その無水物とを一成分として含み、任意の多塩
基酸を併用するか或はせずにエステル化して得
られる不飽和アルキツド、 (C) 重合性単量体および (D) セメント からなり、(B)成分の使用量が(A)成分100重量部に
対し10〜150重量部、(C)成分の使用量が(A)成分と
(B)成分の合計量に対し0.3〜3倍、(D)成分の使用
量が(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100重量
部に対し50〜250重量部であることを特徴とする
ものである。
〔作用〕
本発明で用いられる側鎖二重結合型アクリルゴ
ムは、アクリル酸エステル、アクリロニトリルお
よびヒドロキシル基含有モノマーを共重合して得
られる側鎖にヒドロキシル基を有するアクリルゴ
ムの側鎖ヒドロキシル基と、分子中にそれぞれ少
くとも1個のイソシアナート基と(メタ)アクリ
ロイル基を有する不飽和イソシアナートのイソシ
アナート基とを反応させて得られるものである。
側鎖にヒドロキシル基を有するアクリルゴムの
モノマー成分として使用されるアクリル酸エステ
ルとしては、アクリル酸のメチル、エチル、ブチ
ル、2―エチルヘキシルなどのエステル類が挙げ
られるが、その中でアクリル酸エチルエステル、
アクリル酸ブチルエステルが好適である。また、
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、メチロールア
クリルアミド等が挙げられ、その中でヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタク
リレートが好ましい例である。
アクリル酸エステル、アクリロニトリルおよび
ヒドロキシル基含有モノマーの共重合は、70〜
90:5〜25:1〜15の重量比で、好適には75〜
85:10〜20:20:5〜10の重量比で実施される。
共重合反応は、アクリルゴムの製造法に従つて
実施可能である。例えば前記組成範囲内の三成分
の混合モノマーをアニオン系活性剤を用いて乳化
重合するか、又は有機溶媒溶液中で共重合して、
側鎖にヒドロキシル基を有するアクリルゴムが得
られる。
本発明で用いられる不飽和イソシアナートは、
分子中にそれぞれ少くとも1個のイソシアナート
基と(メタ)アクリロイル基を有するものであ
り、大別して次の2種類が挙げられる。
(イ) 米国ダウ・ケミカル社から市販されているイ
ソシアナートエチルメタクリレート(以下
IEMという)。
(ロ) ジイソシアナートと(メタ)アクリロイル基
含有の不飽和モノアルコールとの付加生成物 ジイソシアナートとして2,4―トリレンジ
イソシアナート、(メタ)アクリロイル基含有
の不飽和モノアルコール(以下単に不飽和モノ
アルコールという)として2―ヒドロキシエチ
ルメタクリレートを用いて製造した不飽和イソ
シアナートを示す。
不飽和イソシアナートの製造には、原則として
はジイソシアナート1モルに対して、不飽和モノ
アルコール1モルを用いることになるが、2,4
―トリレンジイソシアナートのように、2個のイ
ソシアナート基の間に著しい反応性の差がある場
合でも、モデル的に描かれる不飽和イソシアナー
トが単独で得られるわけではなく、通常次の3種
類のジイソシアナート、不飽和イソシアナート、
オリゴアクリレートの混合物が形成される。
これらの成分のうちで望ましくないのは、遊離
のジイソシアナートで、これが残留しているとゲ
ル化を生ずるか、或は異常に粘度が増大して取扱
いが困難となる。
側鎖ヒドロキシル基を有するアクリルゴムと反
応する場合、ジイソシアナートの残存量は0.1(重
量%)以下でなければならない。
遊離のジイソシアナートを除くためには、不飽
和モノアルコールの成分を規定のモル数よりも多
くするか、或は反応終了後減圧留去してジイソシ
アナートを除くことがが必要である。
また、不飽和モノアルコールは(メタ)アクリ
ロイル基を有しているので、高温下の減圧は(メ
タ)アクリロイル基を重合させ、結果としてゲル
化するので、重合防止剤の選定、酸素気流中での
減圧といつた手段が必要である。
別のいわば副産物であるオリゴアクリレート
は、本発明の障害にはならない。
その存在量が定まつたものであるならば、物性
向上、例えば熱変形温度の上昇にはかえつて有用
なものとなる。
従つて、実際上容易な不飽和イソシアナートの
製造方法はジイソシアナート1モルに対して、不
飽和モノアルコールを1モル以上用いることであ
り、最も適当なモル比は1.2モル以上1.5モル以下
である。
例えばジイソシアナート1モルに対して、不飽
和モノアルコール1.2モル用いた場合は次の混合
物が得られる。
これはそのまま側鎖にヒドロキシル基を有する
アクリルゴムとの反応に利用可能である。
不飽和イソシアナートを形成するためのジイソ
シアナートは、例えば次の種類があげられる。
2,4―トリレンジイソシアナート、2,4―
トリレンジイソシアナートと2,6―トリレンジ
イソシアナートとの混合物、パラフエニレンジイ
ソシアナート、ジフエニルメタンジイソシアナー
ト、1,5―ナフチレンジイソシアナート、キシ
リレンジイソシアナート、水素化キシレンジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
イソホロンジイソシアナート。
望ましいタイプは2,4―トリレンジイソシア
ナート、イソホロンジイソシアナートのように2
個のイソシアナート基の反応性に差のあるもので
ある。
更に、ジイソシアナートとの反応に用いられる
不飽和モノアルコールとしては、アクリル酸、メ
タクリル酸にアルキレンモノエポキシドを反応さ
せて得られる1分子中に(メタ)アクリロイル基
とヒドロキシル基とを有する種類のものがあげら
れる。好適には、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ートが使用される。
側鎖にヒドロキシル基を有するアクリルゴムと
不飽和イソシアナートとの反応割合は、ヒドロキ
シル基1当量に対して、イソシアナート基(即ち
不飽和イソシアナート)0.01当量以上であるが、
望ましくは0.1当量以上1当量以下である。
イソシアナート基が0.01当量以下では、硬化性
組成物の物性、例えば接着性、硬度が十分に発揮
されない。
また1当量以上のイソシアナート基の使用は反
応するヒドロキシル基は消失しており、生成した
ウレタン結合に更にイソシアナート基が反応して
アロハネート結合を形成する結果、粘度が増大
し、強いチキソトロピー性を示すようになる。
最も望ましい範囲は、ヒドロキシル基1当量に
対してイソシアナート基0.1当量以上1当量以下
である。
反応の際、ゲル化を防止するために、重合防止
剤を用いることは必要であり、3級アミン、有機
錫化合物のような反応促進剤を用いることは時間
短縮に有利である。
本発明で用いられる不飽和アルキツドは、エポ
キシ樹脂のエポキシ基とフエノール類のフエノー
ル基とを反応して得られるフエノール変性エポキ
シ樹脂又は多価フエノール化合物とモノエポキシ
ドとの反応生成物から成る多価アルコール成分
と、α―β不飽和多塩基酸またはその無水物とを
一成分として含み、任意の多塩基酸を併用するか
或はせずにエステル化して得られるものである。
不飽和アルキツドは前記側鎖二重結合型アクリ
ルゴムに粘着性を付与すると同時に、それ自身も
重合性単量体と共重合して架橋樹脂成分となる作
用を有している。
フエノール変性エポキシ樹脂の製造に用いられ
るエポキシ樹脂としては、ビスフエノールAジグ
リシジルエーテル型、ノボラツクポリグリシジル
エーテル型、分子内二重結合を酸化した所謂過酢
酸型などがあげられ、いづれも相当する市販品が
あり、好適に使用される。その中で、コスト、物
性の点で最も望ましいものは、ビスフエノールA
ジグリシジルエーテル型の比較的低分子量のタイ
プのものである。
フエノール類は1価のフエノール系化合物、例
えばフエノール、クレゾール類、キシレノール
類、パラ置換アルキルフエノール類、パラフエニ
ルフエノール、パラクミルフエノール、α―ナフ
トール、βナフトールなどがあげられる。
エポキシ基とフエノール性水酸基との反応比率
は、実質的にエポキシ基1当量に対して水酸基
0.5以上1当量以下である。
エポキシ樹脂とフエノール類の反応の際は、3
級アミン、第4級アムモニウム塩などの反応触媒
の存在下150℃付近の温度で行われる。
多価フエノール化合物とモノエポキシドとの反
応も上記と同様にして実施される。
多価フエノール化合物としてはビスフエノール
Aが、モノエポキシドとしてはエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、フ
エニルグリシジルエーテルが最も有用である。
以上の多価アルコール成分とエステル化するの
に使用されるα―β不飽和多塩基酸又はその酸無
水物としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸があげられ、本発明の目的に
は十分である。
エステル化は不活性気流中200〜210℃の高温下
で実施される。
不飽和アルキツドの使用割合は、側鎖二重結合
型アクリルゴムの100重量部に対して10〜500重量
部、望ましくは50〜300重量部である。
本発明で使用される重合性単量体は、前記の側
鎖二重結合型アクリルゴムおよび不飽和アルキツ
ドを溶解し、また共重合して架橋成分となるもの
であり、硬化後の塗膜の耐水性、接着性の向上の
点から選択されたものであるが、同時に上記ゴム
及び不飽和アルキツドが固体であるためそのまま
では成形硬化するのに不便であるので、それを溶
解して取扱いを容易にする目的で使用される。
本発明において用いられる重合性単量体として
は、例えば次の種類が挙げられる。
(A) メタクリル酸エステル類、例えばメタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸ターシヤリブチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テト
ラヒドロフルフリル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸トリメチロールプロパン。
(ロ) アクリル酸エステル類、例えばアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオ
ールジアクリレート。
(ハ) 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル。
(ニ) 単独では側鎖二重結合型アクリルゴムを溶解
する力はないが、他の溶剤例えばメチルエチル
ケトンに溶解した後重合性単量体を希釈剤とし
て添加し、不飽和イソシアナートを反応させ
て、溶剤、モノマーに対する溶解性を増大させ
た後、必要に応じてメチルエチルケトンを溜去
してモノマー溶液とする方法もある。
これに適するモノマー類としては、例えばスチ
レン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、メタ
クリロニトリルなどを加えることが出来る。
以上の諸モノマーは、何れも混合使用できるこ
とは勿論である。本発明の重合性単量体は、前記
ゴム及び不飽和アルキツドに配合して使用される
が、前記ゴム又は不飽和アルキツドの製造の際に
溶媒として使用して配合するのが好ましい。最も
好ましい単量体としては、メチルメタクリレート
である。
重合性単量体の使用量としては、前記ゴム及び
不飽和アルキツドを溶解する量以上が必要であ
り、個々のモノマーの種類によつてその量は相違
するが、通常は前記ゴムと不飽和アルキツドの合
計量に対し0.3〜3倍の範囲で好適に使用される。
本発明において使用されるセメントは、水中ま
たは湿潤状態下、特に水中での硬化促進、硬化物
の硬度発現に必要なものである。セメントとして
は、一般にポルトランドセメントと呼ばれる普通
に市販されている種類のもの、またはアルミナセ
メントで十分であるが、白セメントも使用するこ
とができる。
セメントの使用量は、前記ゴム、不飽和アルキ
ツド及び重合性単量体の合計量100重量部に対し
50〜250重量部好適には100〜160重量部である。
本発明の硬化性組成物の硬化には過酸化物が使
用される。過酸化物が欠ける場合には最終硬度の
発現に長時間を要し、実用性がかなり損なわれ
る。
過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオ
キシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチ
ルアセトンパーオキシド、アセト酢酸エチルパー
オキシド等のケトンパーオキシド類、ラウロイル
パーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のアシ
ルパーオキシド類、クメンハイドロパーオキシ
ド、t―ブチルハイドロパーオキシド等のハイド
ロパーオキシド類、t―ブチルパーオキシベンゾ
エートのようなパーオキシエステル類のごとき有
機過酸化物があげられる。
過酸化物の配合量は、前記ゴム、不飽和アルキ
ツド及び重合性単量体の合計量の100重量部に対
して0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部で
ある。過酸化物の配合量が0.5重量部未満では、
常温での硬化性が不十分となり、一方、過酸化物
の配合量が10重量部より多い場合には、増量によ
る効果が認められないばかりでなく、コスト高と
逆に硬化物の物性低下を招くという難点を有す
る。
過酸化物の硬化を促進させるためには、過酸化
物と硬化促進剤を併用することが好ましい。硬化
促進剤としては、例えばコバルトの有機酸塩、バ
ナジウムのアセチルアセトネート、ジメチルアニ
リン等があげられる。
硬化促進剤の配合量は、前記合計量の100重量
部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5
重量部の範囲内が適当である。
本発明の硬化性組成物は、側鎖二重結合型アク
リルゴム、不飽和アルキツド、重合性単量体、セ
メントおよび必要に応じて過酸化物、硬化促進剤
を均一に混合することによつて調製されるが、さ
らに必要に応じて他の充填剤、補強材、着色剤、
不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂の
ごときラジカル硬化型樹脂、その他の添加剤を配
合してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。
実施例 1 鎖二重結合型アクリルゴム〔A〕の合成 アクリル酸エチル80モル(%)、アクリロニト
リル15モル(%)、2―ヒドロキシエチルアクリ
レート5モル(%)なる組成の混合モノマーをア
ニオン系活性剤を用い乳化重合し、塩析、水洗、
乾燥して得られた側鎖にヒドロキシル基を有する
アクリルゴム200部を、メチルメタクリレート300
部に溶解した粘稠な溶液に、ヒドロキシエチルメ
タクリレート1モルとイソホロンジイソシアナー
ト1.2モルとの付加物である不飽和イソシアナー
ト35g、ヒドロキノン0.02g、ジブチル錫ジラウ
レート0.3部加え、約70℃にて5時間、空気気流
中で加熱撹拌すると、赤外分析の結果、遊離のイ
ソシアナート基はほとんど消失し、側鎖二重結合
型アクリルゴム〔A〕のメチルメタクリレート溶
液が得られた。
不飽和アルキツド〔B〕の合成 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入
管を備えた1のセパラブルフラスコに、エポキ
シ樹脂として旭ダウ社のDER―330を350g、3,
5―キシレノール232g(エポキシ基1当量に対
して水酸基0.95当量)、ベンジルジメチルアミン
1.8gを仕込み加熱すると、110℃を越えたころよ
り急速に発熱を開始するので、冷却して160℃以
上上にならないようにする。
次いで150〜160℃で5時間反応すると、赤外線
分光分析の結果遊離のエポキシ基は完全に消滅し
たことが確認された。
次いでフマル酸110gを加え200〜210℃、窒素
ガス気流中でエステル化すると、酸価は14.1とな
つたので、ヒドロキノン0.12gを加え、金属バツ
ト中に注入、固化させた。
融点約110〜115℃、暗褐色の不飽和アルキツド
〔B〕が得られた。
平均分子量は4600であつた。
次の配合物を混練し、パテ状の水中硬化型接着
剤を得た。
側鎖二重結合型アクリルゴム〔A〕 30 不飽和アルキツド〔B〕 10 メチルメタクリレート 30 セメント 100 クメンハイドロパーオキシド 2 ナフテン酸コバルト(6%Co) 1 接着剤は水中で1夜後には硬化した。これを水
中で研磨鋼板同志の引張りせん断による接着強
さ、或はエルコメーターによる塗膜の引張り強さ
を水中硬化3日後に測定した所、次の結果が得ら
れた。
引張りせん断による接着強さ 80〜107Kg/cm2 エルコメーターによる塗膜の引張り強さ
30〜50Kg 実用的には十分なものと判断された。
実施例 2 側鎖二重結合型アクリルゴム〔C〕の合成 撹拌機、還流コンデンサー、ガス導入管、温度
計を付した1lセパラブルフラスコに、アクリル酸
ブチル75(モル%)、アクリロニトリル15モル
(%)、2―ヒドロキシプロピルメタクリレート10
モル(%)の混合モノマーを300g、メチルエチ
ルケトン300g、アゾビスイソブチロニトリル2.5
gを仕込み、窒素ガス気流中、60℃で10時間重合
すると、重合率は98.2%に達したので、ハイドロ
キノン0.1g加え中止した。
次でイソシアナートエチルメタクリレート30
g、ジブチル錫ジラウレート3g、パラベンゾキ
ノン0.3gを加え、更に60℃で5時間反応すると、
赤外分析の結果遊離のイソシアナート基は完全に
消失したことが確認された。
還流コンデンサーを分溜コンデンサーに変え、
当初メチルエチルケトン約120c.c.を溜出させた後、
メタクリル酸イソブチル300g、メタクリル酸ジ
エチレングリコールエステル50gを加え、約200
mmHgの減圧下に残存メチルエチルケトンを溜去
する。
ガスクロマトグラフ分析で、残つたメチルエチ
ルケトンが0.5(%)以下となつた時点で、メタク
リル酸メチル150gを追加し、側鎖二重結合型ア
クリルゴム(C)がモノマー溶液として得られた。
不飽和アルキツド〔D〕の合成 撹拌機、分溜コンデンサー、ガス導入管、温度
計を付した1セパラブルフラスコに、ビスフエ
ノールAプロピレンオキシド付加物380g、フマ
ル酸116gを仕込み、180〜210℃窒素気流中でエ
ステル化して酸価37.1の段階で中止、ハイドロキ
ノン0.1gを加え金属製バツトに注入、固化させ
た。
得られた不飽和アルキツドは融点約80℃、黄褐
色の樹脂であつた。
次の配合物を水中にてコンクリート対コンクリ
ートの突合せ接着を行つた。
試験片の寸法は50mm×50mm×750mmで、1週間
水中浸漬したものを用いた。
側鎖二重結合型アクリルゴム〔C〕 60部 不飽和アルキツド〔D〕の50%メチルメタクリ
レート溶液 40 白セメント 140 過酸化ベンゾイル 2 ジメチルパラトルイジン 0.2 混練物は水中で約30分でゲル化し、1夜後には
硬化していた。
コンクリート対コンクリートの接着物を3日後
に水中より引揚げ、曲げテストを行つた所、接着
箇所ではなく、コンクリート面の破断が起つた。
〔発明の効果〕
本発明の硬化性組成物は、水中で硬化し、しか
も水中または湿潤状態下であつても、所望の基材
表面への密着性および接着性にすぐれ、かつ耐水
性および耐薬品性等にすぐれているので、塗料、
接着剤として有用である。特に水中の広い面積の
ライニング、注型に好適であるので海洋構築物の
水面下の保護ライニングや排水ピツトの補修など
に有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) アクリル酸エステル、アクリロニトリル
    およびヒドロキシル基含有モノマーを共重合し
    て得られる側鎖にヒドロキシル基を有するアク
    リルゴムの側鎖ヒドロキシル基と、分子中にそ
    れぞれ少くとも1個のイソシアナート基とアク
    リロイル基またはメタクリロイル基を有する不
    飽和イソシアナートのイソシアナート基とを反
    応させて得られる、側鎖にウレタン結合を介し
    てアクリロイル基またはメタクリロイル基を有
    する側鎖二重結合型アクリルゴム、 (B) エポキシ樹脂のエポキシ基とフエノール類の
    フエノール基とを反応して得られるフエノール
    変性エポキシ樹脂又は多価フエノール化合物と
    モノエポキシドとの反応生成物から成る多価ア
    ルコール成分と、α―β不飽和多塩基酸または
    その無水物とを一成分として含み、任意の多塩
    基酸を併用するか或はせずにエステル化して得
    られる不飽和アルキツド、 (C) 重合性単量体および (D) セメント からなり、(B)成分の使用量が(A)成分100重量部に
    対し10〜150重量部、(C)成分の使用量が(A)成分と
    (B)成分の合計量に対し0.3〜3倍、(D)成分の使用
    量が(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100重量
    部に対し50〜250重量部である硬化性組成物。
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