JP6916605B2 - 歯間清掃具 - Google Patents

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Description

本発明は、歯間清掃具に関する。
歯の間に詰まった歯垢を除去する歯間清掃具としては、従来、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、所定間隔をおいて配置された支持片の間にフロスと呼ばれる線材を配置し、両支持片を手で把持可能なハンドル部で連結したタイプの歯間清掃具が提案されている。このような歯間清掃具では、線材として、種々の素材が用いられているが、中でも、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデンは強度に優れ、また、歯間へ挿入されやすいことから好適に用いられる。
特開平7−136193号公報
ところが、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデン、特にポリエチレンは、ナイロン等の他の素材に比べて耐熱性に劣るため、次のような問題があった。すなわち、通常、射出成形時に設定されるような、220℃以上の樹脂温度により、支持片及びハンドル部を射出成形すると、線材が溶けてしまうという問題があった。そのため、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデンを線材の素材として用いる場合には、射出時の樹脂温度を低くする(170〜190℃程度)必要がある。しかしながら、樹脂温度を低くすると、樹脂の流動性が十分に得られず、樹脂がハンドル部や支持片を成形する成形型の全体に行き渡りがたいという問題があった。特に、歯間清掃具の成形型は、支持片と対応するキャビティの先端付近に、線材が配置されているため、樹脂の流れが線材に妨げられ、樹脂が支持片のキャビティの先端まで到達しがたいという特有の問題があることを見出した。このように、樹脂が支持片のキャビティの先端まで十分に行き渡らないと、成形された支持片から線材が抜けやすくなったり、支持片の先端付近の成形不良が生じるが、樹脂の流動性を確保するために樹脂の射出時の温度を高くすると、線材が熱により溶け、切れやすくなるという問題があった。
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデン製の線材を用いても、樹脂の充填不良を防止し、ひいては線材の切れを防止することができる歯間清掃具を提供することを目的とする。
本発明に係る歯間清掃具は、所定間隔をおいて配置される一対の支持片と、前記一対の支持片を連結し、手で把持可能なハンドル部と、前記一対の支持片の間で延びる、少なくとも1つのマルチフィラメントを有する線材と、を備え、前記各マルチフィラメントは、ポリエチレンまたはポリフッ化ビニリデンにより形成され、前記各支持片は、互いに対向する側の第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有し、前記線材の両端部は、それぞれ、前記各支持片を前記第1面と第2面との間で貫通し、前記支持片及びハンドル部は、メルトマスフローレートが7g/10min以上のポリスチレンによって形成されている。
この構成によれば、メルトマスフローレートが7g/10min以上のポリスチレンにより、支持片及びハンドル部を構成している。そのため、ポリスチレンの射出時の温度が低くても、支持片及びハンドル部を形成する成形型の全体に亘ってポリスチレンを行き渡らせることができる。特に、支持片を成形するキャビティには、線材が配置され、樹脂の流れを妨げるおそれがあるが、上記のようなメルトマスフローレートのポリスチレンを利用することで、射出時の温度が低くても、樹脂を支持片の先端まで十分に行き渡らせることができ、且つ線材が溶けて使用時に切れやすくなるということを防ぐことができる。
また、ポリスチレンは、成形後の収縮が小さいため、例えば、成形後に支持片間の距離が短くなるように清掃具本体が収縮するのを防止することができる。これにより、支持片の間で線材が緩むのを防止することができる。
上記歯間清掃具は、種々の形態にすることができるが、例えば、前記ハンドル部を、前記線材の延びる方向と平行に延びるように、前記一対の支持片に連結することができる。
このような形態の歯間清掃具は、支持片近傍を把持しながらハンドル部を操作し、線材を目的とする歯間まで直接移動させた後、歯間に挿入するといった使用を行うため、線材が支持片の間で緩んでないほうが、線材を歯間に挿入しやすい。これに対して、本発明に係る歯間清掃具は、上記のように成形後に収縮しがたいポリスチレンを用いているため、成形後に支持片間の距離が短くなるのを防止でき、これによって線材が緩むのを防止することができる。したがって、本発明は、ハンドル部が線材と平行に延びるタイプの歯間清掃具に適用するのが特に好ましい。
上記歯間清掃具において、前記線材は、複数の前記マルチフィラメントで形成することができる。このようにすると、通常、当該線材を形成する各マルチフィラメントの太さは小さくなるが、このような場合であっても、線材が射出された樹脂の熱により溶けるのを防止でき、線材が切れにくくなる。
上記各歯間清掃具において、前記各マルチフィラメントは、100〜250デニールとすることができる。線材が熱の影響を受けて切れることには、線材の太さが影響する。本発明においては、マルチフィラメントが上記のように細い場合であっても、マルチフィラメントが切れにくくなる。一方、マルチフィラメントが太すぎると歯間に挿入しがたくなるため、上記のような太さにすると、線材を歯間に挿入しやすくなる。
上記各歯間清掃具において、前記各マルチフィラメントは、ポリエチレンにより形成されることが好ましい。具体的に、ポリフッ化ビニリデンに比べ、ポリエチレンの方が耐熱性に劣るところ、本発明によれば、線材が射出された樹脂の熱により溶けるのを防止でき、線材が切れにくくなり、且つ樹脂の充填不良も防止できるため、本発明は、ポリエチレンにより形成されたマルチフィラメントを有する歯間清掃具に適用することが特に好ましい。
本発明に係る歯間清掃具によれば、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデン製の線材を用いても、樹脂の充填不良を防止し、ひいては線材が切れることを防止することができる。
本実施形態に係る歯間清掃具の正面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1の歯間清掃具を製造する成形型の概略を示す図である。 図1の歯間清掃具の製造方法の一部を示す図である。 本発明に係る歯間清掃具の他の例を示す平面図である。 本発明に係る歯間清掃具の他の例を示す斜視図である。 実施例1〜4及び比較例に係る歯間清掃具を示す正面図(a)及び底面図(b)である。 参考例に係る歯間清掃具の写真である。 実施例4に係る歯間清掃具の写真である。
以下、本発明に係る歯間清掃具の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る歯間清掃具の正面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1の図面内での方向を基準に説明を行う。また、ハンドル部については、図1の左側を先端側、右側を後端側と称することがある。但し、本発明はこの方向の規定により発明が限定されるものではない。
<1.歯間清掃具の概要>
図1に示すように、この歯間清掃具は、樹脂製の清掃具本体10と、この清掃具本体10に取付けられ、歯間の歯垢を除去するための線材3と、を備えている。清掃具本体10は、棒状に延びるハンドル部1を備えており、このハンドル部1から一対の支持片21、22が所定間隔をおいて突出している。ここでは、ハンドル部1の端部から突出する支持片を第1支持片21と称し、これと平行に延びる支持片を第2支持片22と称する。そして、両支持片21,22の間には、上述した線材3が配置され、ハンドル部1と平行に配置されている。そして、線材3の両端部は、各支持片21,22にそれぞれ連結されている。以下、各部材について詳細に説明する。
<2.清掃具本体>
清掃具本体10を構成する両支持片21、22及びハンドル部1は、ポリスチレン(以下、単に「樹脂」ということがある)により一体的に成形されている。特に、本実施形態で使用されるポリスチレンは、メルトマスフローレートが7g/10min以上であり、8g/10min以上であることが好ましく、9g/10min以上であることが好ましい。一方、このポリスチレンのメルトマスフローレートの上限は、17g/10min以下であることが好ましく、16g/10min以下であることがより好ましく、14g/10minであることが更に好ましい。メルトマスフローレートは、JIS K7210に準拠し、荷重5.00kg、温度200℃の条件(条件H)下で測定したものである。
各支持片21、22は板状に形成されており、各支持片21、22の表面の名称について、以下では、図1の紙面の手前を前面211,221、紙面の奥側を後面212,222、図1の右側を右面213(第1面),223(第2面)、左側を左面214(第2面),224(第1面)と称することとする。そして、図2に示すように、各支持片21,22の前後方向の厚みは、ハンドル部1から各支持片21、22の先端にいくにしたがって小さくなるように形成されている。また、各支持片21,22において、線材3が通過する箇所は、各支持片21,22の先端付近、つまり先端からの距離Lが4mm以内が好ましく、3.2mm以内がさらに好ましい。各支持片21,22の厚みや線材3が通過する箇所をこのようにすることで、例えば、ハンドル部1用の樹脂が、ハンドル部1側から射出された場合、各支持片21、22の先端付近に樹脂が到達する際に、樹脂の温度を低くすることができるため、高温の樹脂により線材3が溶融して切断または損傷されてしまうという問題を防止することができる。なお、距離Lの下限は、通常1mm程度である。
また、図3に示すように、第1支持片21の厚みが、左面214から右面213にいくにしたがって小さくなっている。一方、第2支持片22の厚みは、右面223から左面224にいくにしたがって小さくなっている。すなわち、各支持片21,22は、第1面側に向かうにつれて、厚みが小さくなっている。このように構成することで、上記のように、樹脂の温度を低くしやすくなり、成形時の樹脂の熱によって線材3が切断または損傷されるのを防止することができる。
さらに、第1支持片21の左面214及び第2支持片22の右面223には、線材3の端部が配置される小さい凹部(図示省略)がそれぞれ形成されており、これら凹部が形成されている箇所から線材3の端部が突出している。
<3.線材>
次に、線材3について説明する。線材3は、1本のマルチフィラメントまたは複数のマルチフィラメント31を束ねたものである。以下では、特に、複数のマルチフィラメント31で線材を構成した場合について説明する。各マルチフィラメント31は、ポリエチレンにより形成された複数のモノフィラメントを撚ったものである。ポリエチレンは、摩擦係数が小さいため、歯間を滑りやすく、歯垢を掻き取りやすいという利点がある。なお、マルチフィラメント31は、モノフィラメントを撚らずに束にしたものであってもよい。ポリエチレン以外には、例えば、ポリフッ化ビニリデンを用いることもできる。但し、ポリフッ化ビニリデンに比べ、ポリエチレンの方が耐熱性に劣るところ、本発明に係る歯間清掃具によれは、線材が射出された樹脂の熱により溶けるのを防止でき、線材が切れにくくなり、且つ樹脂の充填不良も防止できることから、本発明は、ポリエチレンにより形成されたマルチフィラメント31を有する歯間清掃具に適用することが特に好ましい。
各マルチフィラメント31の太さは、特には限定されないが、例えば、100〜250デニールとすることが好ましく、100〜160デニールであることがさらに好ましい。これは、100デニールよりも小さいと、当該マルチフィラメント31が各支持片21,22から離脱したり、樹脂の熱によって線材3が切れるおそれがあり、250デニールよりも大きいと歯間に挿入しにくくなる可能性がある。
また、線材3を構成するマルチフィラメント31の数は、特には限定されないが、例えば、複数本であることが好ましく、3〜5本にすることがさらに好ましい。マルチフィラメント31が1本であると、各支持片21,22から離脱したり、歯垢の掻き取り効果が小さくなる可能性があるため、複数であることが好ましい。特に、マルチフィラメント31の数を3本以上にすると、線材3の離脱が防止され、また、支持片21,22から抜けにくくなり、歯垢の掻き取り効果も向上する。その一方で、7本以下にすると、歯間に入りやすくなり、操作性を向上させ、結果として歯垢の掻き取り効果を向上することができる。
マルチフィラメント31を構成するモノフィラメントの数は、15〜120本であることが好ましく、30〜100本であることがさらに好ましく、50〜100本であることが特に好ましい。これは、次の理由による。すなわち、モノフィラメントの数が少ないと、線材3が支持片21,22から離脱したり、切れやすくなるからである。また、樹脂(ポリスチレン)とモノフィラメントとが絡みにくくなり、線材3が各支持片21,22から抜けやすくなる。一方、モノフィラメントの数が多いと、モノフィラメントの間に樹脂が入りにくくなり、これによっても線材3が各支持片21,22から抜けやすくなる。そこで、モノフィラメントの数を上記範囲とすることで、線材3が抜けるのを防止することができる。
また、マルチフィラメント31の1m当たりの撚り数の上限としては、500回以下であることが好ましい。具体的には、300回以下であることが好ましく、200回以下であることがさらに好ましく、170回以下であることが特に好ましい。これは、次の理由による。すなわち、マルチフィラメント31の撚り数が多すぎると、後述するように、モノフィラメントの間に樹脂が入り込みにくく、各支持片21,22から抜けやすくなる。そこで、撚り数を500回以下とすると、モノフィラメントの間に樹脂が入り込みやすくなり、線材3が抜けるのを防止することができる。また、前記マルチフィラメント31の1m当たりの撚り数の下限としては、撚られていなくてもよく特に限定されるものではないが、歯間清掃具の製造時に、モノフィラメントがばらついて広がりにくく製造しやすいという観点から、例えば、5回以上が好ましい。
さらに、マルチフィラメント31には、強化材を含有させることができる。強化剤としては、例えば、ガラス繊維、アミド繊維などの繊維状強化材、タルクなどの顆粒状強化材、板状ガラス、マイカ等の板状強化材などを挙げることができる。
<4.線材と支持片の連結>
続いて、線材3と各支持片21、22との連結方法について説明する。図1に示すように、線材3の両端部は、各支持片21、22を貫通している。具体的に説明すると、線材3の左端部は、第1支持片21の右面213を通過し、左面214から突出しており、突出した線材3のマルチフィラメント31が互いに熱溶着されて一体化し、塊32を形成している。同様に、線材3の右端部は、第2支持片22の左面224を通過し、右面223から突出しており、突出した線材3のマルチフィラメント31が互いに熱溶着されて一体化し、塊32を形成している。これらの塊32は、束ねられたマルチフィラメントの外径よりも大きくなっている。
<5.歯間清掃具の製造方法>
次に、上記のように構成された歯間清掃具の製造方法について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
まず、図4に示すような射出成形用の成形型100を準備する。この成形型100には、複数の清掃具本体10を成形するために、複数のキャビティ101が設けられている。この成形型において、樹脂を注入するためのゲート102は、ハンドル部1に設けられている。なお、図示を省略するが、成形型100には、樹脂を吐出するノズルから分岐する複数の樹脂の通路、いわゆるランナーを備えており、ノズルから各ランナーを介して各ゲート102へと樹脂が供給される。また、キャビティ101の数及びそれに伴うランナーの数は特には限定されず、ランナーの長さはキャビティ101の配置によって異なる場合があり、すべてが同じではない。そして、射出成形を行う際には、成形型に線材3を配置する。このとき、線材3は、複数のキャビティ101に亘って、各キャビティ101の両支持片21、22に対応する部分の間で延びるように配置される。
次に、キャビティ101に清掃具本体10用の樹脂を注入する。上記のように、まず、樹脂は、射出されるとランナーを介してゲート102に到達し、当該ゲート102より、キャビティ101内に注入される。そして、当該ゲート102は、ハンドル部1に設けられているため、注入された樹脂は、ランナー及びハンドル部1を介して各支持片21、22の先端付近に到達するときには、成形型100によって冷やされ、射出されたときよりも温度が十分に低下している。そのため、清掃具本体用の樹脂の温度によって線材3が溶融するのを防止することができる。すなわち、線材3は、高温の樹脂によって溶融し、切断されるおそれがあるが、上記のようにゲート102を各支持片21、22から離し、さらに線材3を両支持片21、22の先端付近に配置することで、線材3の溶融を防止することができる。
また、図2に示すように、各支持片21、22の厚みがハンドル部1側から線材3側にいくにしたがって小さくなっており、さらに、図3に示すように、各支持片21,22の厚みが線材3が露出する側にいくにしたがって小さくなっているため、樹脂がゲート102から各支持片21,22の端部側にいくに過程で、成形型によって冷されやすくなる。これによっても、線材3が樹脂によって溶融するのを防止することができる。
こうして、樹脂の注入が完了すると、所定時間経過後に、成形型100から複数の清掃具本体10を取り出す。このとき、各清掃具本体10においては、線材3が両支持片21、22に埋め込まれた状態で一体化されている。また、複数の清掃具本体10は、1の線材3によって連結された状態となっている。そのため、次の工程として、図5に示すように、各清掃具本体10の第1支持片21の左面214側、及び第2支持片22の右面223側において、線材3を焼き切る。線材3を焼き切る手段50は、特には限定されないが、例えば、火炎や加熱した刃物で焼き切ったり、遠赤外線などの熱光線の照射、あるいは電気放電によって焼き切ったりすることができる。これにより、線材3と清掃具本体10とが一体化された複数の歯間清掃具が形成される。
このように、線材3が焼き切られると、熱によって線材3を構成する複数のマルチフィラメント31が溶融し、一体化することで塊32が形成される。
<6.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1) メルトマスフローレートが7g/10minのポリスチレンにより、両支持片21,22及びハンドル部1を構成しているため、射出時の温度が低い場合であっても、成形時に各支持片21,22の先端までポリスチレンを行き渡らせることができる。特に、各支持片21,22の先端付近には、線材3が貫通しているため、この線材3によってポリスチレンの流れが阻害されるおそれがあるが、上記のようなポリスチレンを使用することで、射出時の温度が低く、且つ線材3が設けられていたとしても、各支持片21,22の先端までポリスチレンを行き渡らせることができる。その結果、線材3が各支持片21,22から離脱するのを防止し、また、線材3が樹脂により溶けることを防ぐことができる。
(2) ポリスチレンは、成形後の収縮が小さいため、例えば、成形後に支持片21,22間の距離が短くなる方向に、清掃具本体10が収縮することを防止することができる。これにより、支持片21,22の間で線材3が緩むのを防止することができる。特に、本実施形態のようなハンドル部1と線材3とが平行なタイプの歯間清掃具は、支持片21,22の近くを把持しながらハンドル部1を操作し、線材3を目的とする歯間まで直接移動させた後、臼歯の歯間に挿入といった使用を行うことが多い。そのため、線材3が支持片21,22の間で緩んでないほうが、線材3を歯間に挿入しやすい。したがって、本実施形態のような歯間清掃具において、清掃具本体をポリスチレンで形成すると、特に有利である。
(3) 線材3を構成するマルチフィラメント31の間に、ポリスチレンを行き渡らせることができ、ポリスチレンとマルチフィラメント31とを強固に固定することができる。その結果、線材3が各支持片21,22から抜けるのを防止することができる。
(4) 各支持片21、22から突出した線材3の両端部において、複数のマルチフィラメント31が熱溶着によって一体化されている。そのため、この一体化された部分が、塊32となって抜け止めとなり、線材3が各支持片21、22から離脱するのを防止することができる。このように、複数のマルチフィラメント31を溶融して塊を形成することで、例えば、1本のモノフィラメントを溶融して塊を形成するのに比べ、複数のマルチフィラメント31の端部同士が連結され、また、大きい塊32を形成することができるため、抜け止め効果をさらに向上することができる。
さらに、2以上のマルチフィラメント31の端部を溶融して塊32を形成した場合、当該2以上のマルチフィラメント31を構成するモノフィラメントの合計数と同数のモノフィラメントからなる1本のマルチフィラメント31の端部を溶融して塊を形成した場合に比べて、抜け止め効果を向上することができる。つまり、線材3を構成するモノフィラメントの本数を増加させ、掻き取り効果などを向上させようとする場合、一本のマルチフィラメント31とする場合に比べて、2本以上のマルチフィラメント31とした方が、抜け止め効果を向上させることができる。
<7.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組合せ可能である。
ハンドル部及び支持片は種々の形態にすることができる。例えば、図6に示すように、第1支持片21の右面213側、及び第2支持片22の左面214側において、各支持片21,22の幅(符号25で示す部分)を広げることができる。こうすることで、各支持片21,22の左右の幅が大きくなるため、両支持片21,22が近づくように、収縮するのを防止することができ、これにより、線材が緩むのを防止することができる。
例えば、上記実施形態では、ハンドル部1を両支持片21、22と直角に延びるように連結しているが、手で把持できるのであれば、ハンドル部1の構成は特には限定されない。例えば、図6に示すように、両支持片21、22の端部を連結し、両支持片21、22とは反対側に延びるような形状、つまり清掃具本体10を全体としてY字状に形成することもできる。
上記実施形態では、線材3の両端部において、すべてのマルチフィラメント31を熱溶着し、一体化しているが、これに限定されない。例えば、すべてのマルチフィラメント31のうち、2以上のマルチフィラメント31同士が熱溶着により一体化していればよい。すなわち、熱溶着された塊32が複数存在するようにマルチフィラメント31同士が熱溶着されていればよい。熱による溶着以外に、超音波など、種々の溶着を行うことも可能である。また、塊32を形成せず、単に、線材3の両端部を各支持片21,22に固定した態様であってもよい。
線材3は、複数のマルチフィラメント31を単に束ねただけであってもよいし、撚っていてもよい。ただし、マルチフィラメント31とポリスチレンを十分に絡み合わせるという観点から、複数のマルチフィラメント31が束ねられた線材3の撚り数は、1m当たり5回以下であることが好ましい。
また、線材3には、清涼剤、粉末香味成分、虫歯の予防又は治療剤などの薬剤を塗布することができる。このような薬剤は、液体状態で線材3に保持されるほか、常温(例えば25℃)において乾燥状態で固着させておくこともできる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
<A.強度試験>
以下の通り、線材の切断強度を確認した。まず、4種類の実施例と、1種類の比較例にかかる歯間清掃具を、以下の通り、作製した。これらの清掃具本体の形状はすべて共通であり、図8に示すとおりである。
(清掃具本体の材料)
・実施例1:ポリスチレン(メルトマスフローレート:9g/10min))
・実施例2:ポリスチレン(メルトマスフローレート:8g/10min))
・実施例3:ポリスチレン(メルトマスフローレート:7g/10min))
・実施例4:ポリスチレン(メルトマスフローレート:16g/10min))
・比較例 :ポリスチレン(メルトマスフローレート:5g/10min))
なお、メルトマスフローレートは、JIS K7210に準拠し、荷重5.00kg、温度200℃の条件(条件H)下で測定したものである。
(線材)
45本の、ポリエチレン製のモノフィラメントを、1m当たり150回撚り、150デニールのマルチフィラメントとし、当該マルチフィラメントを4本使用し、線材とした。
上記清掃具本体及び線材からなる実施例及び比較例を、上記図4及び図5に示す方法により製造した。具体的には、上記実施形態で示したものであり、各支持片を貫通する線材の両端には塊が形成されている。また、ポリスチレンを注入するに当たっては、支持片の先端までポリスチレンが十分に行き渡るように、温度を調整した上で、ポリスチレンの充填を行った。成形型においてポリスチレンを充填するためのノズルには、複数のランナーが接続されており、各ランナーを通過したポリスチレンが成形型のゲートより、キャビティに充填される。
樹脂の温度は、ノズルの先端の温度を指し、また、ノズルからゲートまでのランナーの長さは、概ね60〜80mmである。
(試験方法)
試験にはオートグラフAGS−X(株式会社島津製作所製)を用いた。実施例1〜4及び比較例の線材が下冶具と水平になるように、かつ清掃具本体が下冶具に埋没しないように固定した。上冶具に2.5mmのL形六角レンチの長い方を固定し、L形六角レンチの短い方が線材に引っかかるように高さを調整した。この状態から引張試験を行い、線材が破断するまでの最大点を糸切れ強度とし、評価した。試験条件は以下の通りとする。
・ロードセル:500N
・引張速度:100mm/min
(評価)
上記試験方法による糸切れ強度評価基準を以下のように設定した。
・4:29N以上(1回の使用中に切れることはなく、線材3が切れるまで、複数回繰り返し使用できる。)
・3:24N以上29N未満(1回の使用中に切れることはなく、全ての歯間を容易に清掃できる。)
・2:19N以上24N未満(使用中に線材が切れることは殆ど無く、全ての歯間を十分に清掃できる。)
・1:19N未満(使用中に線材が切れることが多い。)
結果は、以下の通りである。
・実施例1:4(ノズルの先端の樹脂の温度:180℃)
・実施例2:3(ノズルの先端の樹脂の温度:190℃)
・実施例3:2(ノズルの先端の樹脂の温度:205℃)
・実施例4:4(ノズルの先端の樹脂の温度:180℃)
・比較例 :1(ノズルの先端の樹脂の温度:230℃)
以上より、メルトマスフローレートが7g/10min以上のポリスチレンを清掃具本体とした実施例1〜4は、比較例よりも大きい糸切れ強度を示し、歯間を十分に清掃できる程度の強度が得られた。また、メルトマスフローレートが高いほど、ポリスチレンの温度を低くしても、支持片の先端までポリスチレンが十分に行き渡っていることが分かった。一方、比較例では、230℃まで温度を上げなければ、ポリスチレンが支持片の先端まで到達しないため、線材に到達する際の樹脂の温度が高く、線材が溶融している可能性があり、これによって強度が低いと考えられる。
したがって、実施例1〜4に係る歯間清掃具は、ポリスチレンが、支持片の先端まで十分に行き渡り、ポリエチレン製の線材を用いても、線材が支持片周辺において切れるのを防止できる、使用に十分に耐えうるものであることが分かった。
<B.樹脂材料の収縮による線材の緩み>
続いて、参考例として、ポリプロピレンによって、図8に示す清掃具本体を、実施例1〜4及び比較例を作製したときと同じ成形型で作製した。参考例の支持間距離を、ワンショット3D形状測定器 VR3000(株式会社キーエンス製)を用いて確認したところ、成形後の支持片間の距離が、18.182mmとなっていた。その結果、例えば、図9に示すような線材の緩みが発生していることが分かった。
一方、実施例4において、支持片間の距離を確認したところ、成形後の支持片間の距離が、18.445mmとなっていた。そして、図10に示すように、線材の緩みは確認できなかった。更に、実施例1〜3の歯間清掃具においても、同様に支持片間の距離が、参考例のものよりも大きくなっていた。したがって、清掃具本体にポリスチレンを用いると、成形後に収縮が少ないため、線材の緩みが生じないことが分かった。
1 ハンドル部
21,22 支持片
3 線材
31 マルチフィラメント

Claims (5)

  1. 所定間隔をおいて配置される一対の支持片と、
    前記一対の支持片を連結し、手で把持可能なハンドル部と、
    前記一対の支持片の間で延びる、少なくとも1つのマルチフィラメントを有する線材と、
    を備え、
    前記各マルチフィラメントは、ポリエチレンまたはポリフッ化ビニリデンにより形成され、
    前記各支持片は、互いに対向する側の第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有し、
    前記線材の両端部は、それぞれ、前記各支持片を前記第1面と前記第2面との間で貫通し、
    前記支持片及びハンドル部は、メルトマスフローレートが7g/10min以上、16g/10min以下溶融したポリスチレンによって形成され、
    正面視において、前記第1面及び前記第2面の一方から他方に向かう方向と直交する方向における前記各支持片の厚みは、各支持片の根元から先端にいくにしたがって小さくなる、歯間清掃具。
  2. 所定間隔をおいて配置される一対の支持片と、
    前記一対の支持片を連結し、手で把持可能なハンドル部と、
    前記一対の支持片の間で延びる、少なくとも1つのマルチフィラメントを有する線材と、
    を備え、
    前記各マルチフィラメントは、ポリエチレンまたはポリフッ化ビニリデンにより形成され、
    前記各支持片は、互いに対向する側の第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有し、
    前記線材の両端部は、それぞれ、前記各支持片を前記第1面と前記第2面との間で貫通し、
    前記支持片及びハンドル部は、メルトマスフローレートが7g/10min以上、16g/10min以下溶融したポリスチレンによって形成され、
    前記各支持片の厚みが、前記第2面から前記第1面にいくにしたがって小さくなる、歯間清掃具。
  3. 前記ハンドル部は、前記線材の延びる方向と平行に延びるように、前記一対の支持片に連結されている、請求項1または2に記載の歯間清掃具。
  4. 前記線材は、複数の前記マルチフィラメントで形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の歯間清掃具。
  5. 前記各マルチフィラメントは、100〜250デニールである、請求項1から4のいずれか一項に記載の歯間清掃具。
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