JP2017000577A - 歯間清掃具 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯間挿入時及び歯間清掃時に、清掃部の折れを効果的に防止する。
【解決手段】ハンドル基材部11及び細長い軸状の芯基材部12を有し、樹脂組成物からなる基材部10と、芯基材部12を被覆する被覆部21a及び被覆部20aに一体的に成形した突起部21bを含む清掃用軟質部21を有し、エラストマからなる軟質部20を備え、芯基材部12と清掃用軟質部21とで歯間清掃用の清掃部2を構成し、清掃用軟質部21の長さが10〜18mm、先端から基端側へ1〜6mmまでの径が0.6〜1.3mmの範囲であり、清掃用軟質部21の先端が遊離端となるように水平方向に固定した状態で、前記先端から基端側へ2.5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の清掃用軟質部21の変位量が6.5mm以上であり、かつ基材部10を構成する樹脂組成物が合成樹脂と板状充填材とを含むことを特徴とする歯間清掃具1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、歯間清掃具に関する。
歯間清掃具は、例えば、歯間に挟まった食べ物滓や、主に歯の根元に付着し易い歯石の原因となる歯垢等を取り除き、虫歯や歯周病の予防を図るために広く用いられている。歯間清掃具としては、例えば、合成樹脂からなる基材部と、エラストマからなる軟質部とを備え、基材部が、持ち手となるハンドル基材部、及びハンドル基材部の先端部に連設された細長い軸状の芯基材部を有し、軟質部が、芯基材部の先端側を被覆する清掃用軟質部を有し、芯基材部の先端側及び清掃用軟質部を清掃部とする樹脂製歯間清掃具が実用化されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような歯間清掃具は、清掃部を歯間に挿入することにより歯垢や食べ物滓を除去し、また、清掃部で歯の根元をマッサージすることにより炎症を緩和するように構成されている。
従来の樹脂製歯間清掃具は、例えば、複数の第1成形空間を設けた第1金型、及び第1成形空間と同数の第2成形空間を設けた第2金型を用い、複数の第1成形空間に合成樹脂を供給し、複数の基材部がランナ部で連結された一次成形品を成形する工程と、該一次成形品を第2成形空間に装填してエラストマを供給し、芯基材部の表面に軟質部を成形する工程と、を含む2色成形法により、複数の歯間清掃具の連結体として製造されている。
特許文献4に記載の2色成形法では、第2金型を用いた軟質部の成形時に、細長い軸状の芯基材部がエラストマの射出圧等により所定位置からずれ、エラストマの被覆不良等の成形不良が発生するのを防止するために、第2成形空間の軟質部形成予定領域に、一次成形品に対してほぼ垂直な方向に対向配置され、近接及び離反可能に支持された1対の位置決め用の保持ピンを複数箇所に設けた第2金型を用いることを開示している。この第2金型によれば、芯基材部の先端部及び基端部等の表裏に一対の保持ピンを当接させることにより、上記成形不良の発生を防止することができる。
特許第4236571号公報 特許第3002668号公報 特表2001−506514号公報 国際公開第2013/176297号公報
清掃部の歯間への挿入時には、軸方向に対して大きな圧縮応力が作用する。また、臼歯特に大臼歯や前歯裏側等の歯間清掃時には、清掃部の先端部から中間部にかけて60°〜90°湾曲させた状態で歯間に挿入し、出し入れする必要があることから、清掃部に大きな曲げ荷重が作用する。このため、基材部を構成する合成樹脂が比較的高い機械特性を有するものであっても、歯間清掃時に芯基材部ひいては清掃部の折れ、復元性のない変形等が起こり易くなる。
清掃部を歯間に挿入する際には、清掃部特にその先端部を撓ませる必要がある。しかし、大臼歯や下顎前歯裏側等の歯間のように清掃部を大きく湾曲させる必要がある場合には、急激な撓みが生じることにより、清掃部の先端部の位置を制御することが困難になり、清掃部の歯間挿入性が低下する。また、清掃部が撓まない場合には、歯間挿入時や歯間清掃時に清掃部に対して過度の負荷が生じることで、主に清掃部の破断が生じ易くなる。
ガラス繊維を含む樹脂材料からなる基材部を備える歯間清掃具は、清掃部の歯間挿入性、及び歯間清掃時の清掃部の折れ防止の点で非常に優れている。しかし、該歯間清掃具は、ガラス繊維が細長い軸状の芯基材部を剛直化させることから、芯基材部は軸方向の剛性が高いものの、比較的撓み難く折れ易い。このため、該歯間清掃具は、繰り返し使用により清掃部の折れが生じる場合があり、改良の余地がある。
また、ポリエーテルサルフォン等のスーパーエンジニアリングプラスチックからなる芯基材部は、撓み易くなって清掃部の折れを防止できる。しかし、スーパーエンジニアリングプラスチックの成形には非常に高い射出温度が必須となることから、基材部を射出成形した後の冷却時間が長くなり、歯間清掃具の生産性が低下する。また、材料コストが高く、射出成形機等の生産設備に過度の熱負担が掛かり、老朽化が進み易いこと等から、トータルの製造コストが高くなる。
本発明の目的は、清掃部の歯間への挿入時、及び清掃部による歯間清掃時に、清掃部の折れを効果的に防止し得る、歯間清掃具を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、合成樹脂と板状充填材とを含む樹脂組成物からなる基材部を用い、芯基材部先端側とこれを被覆する清掃用軟質部とで構成された清掃部に所定の撓み特性を付与することにより、芯基材部と清掃用軟質部との一体的な構造変化が起こり易くなることによるものと考えられるが、清掃部の折れを顕著に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(9)の歯間清掃具を提供する。
(1)樹脂組成物からなる基材部と、基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、基材部は、持ち手となるハンドル基材部と、ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、軟質部は、芯基材部を被覆する被覆部と、被覆部の長手方向に間隔を空けて外方に突出状に、被覆部に一体的に形成した複数の突起部とを含む清掃用軟質部を少なくとも有し、芯基材部と清掃用軟質部とで歯間清掃用の清掃部を構成した歯間清掃具であって、樹脂組成物が合成樹脂と板状充填材とを含み、かつ清掃用軟質部の長さが10〜18mm、及び清掃用軟質部の先端から基端側へ1〜6mmまでの径が0.6〜1.3mmの範囲であり、清掃用軟質部の基端を固定しかつ清掃用軟質部の先端が遊離端となるように該歯間清掃具を水平方向に保持した状態で、清掃用軟質部の先端から基端側へ2.5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の清掃部の変位量が6.5mm以上である(以下、清掃部の変位量が6.5mm以上であることを「所定の撓み特性」と呼ぶことがある。)ことを特徴とする歯間清掃具。
上記(1)の歯間清掃具では、清掃部の撓み特性として、清掃用軟質部の先端から2.5mmの位置に20gの荷重を掛けた時の清掃部の変位量(以下単に「清掃部変位量(A)」と称することがある。)が6.5mm以上という所定の範囲を設定している。そして、上記(1)の歯間清掃具によれば、タルク等の板状充填材と合成樹脂とを含む樹脂組成物からなる基材部を用い、かつ清掃部に所定の撓み特性を持たせる、すなわち、清掃部の上記方法による変位量が所定範囲となるように、例えば、芯基材部の径、清掃用軟質部を構成するエラストマの種類、清掃用軟質部の厚み等を適宜選択することにより、清掃部が良好な歯間挿入性を有し、かつ大臼歯や下顎前歯裏側等の大きな曲げ荷重が作用する歯間の清掃時においても芯基材部ひいては清掃部の折れを顕著に防止することができる。
本発明において、上記のような効果が得られる理由は現状では明らかではないが、次のように推測される。上記のような構成を採用しても、清掃部の剛性等の機械特性が特段に向上するわけではない。しかし、芯基材部が板状充填材を含みかつ比較的小径に構成されて撓み性を有するものとなり、また、清掃用軟質部も元々撓み性に富むエラストマからなるものであることから、清掃用軟質部の先端部分に所定の撓み特性を設定することにより、清掃用軟質部とこれを被覆した芯基材部の先端部分とが外部からの荷重に対して一体的な構造変化を起こし易くなり、清掃部の折れを防止しているものと考えられる。
なお、本明細書において、清掃部の変位量とは、荷重負荷後の清掃部(清掃用軟質部)先端の、荷重負荷前の水平方向に固定された清掃部の軸に対する距離である。より具体的には、荷重負荷後の清掃部先端から、荷重負荷前の水平方向に固定された清掃部の軸に下した垂線の長さである。また、本明細書において、清掃用軟質部の先端とは、清掃用軟質部の先端部分曲面の頂点を意味する。
(2)清掃部変位量が6.5mm〜8.5mmの範囲である上記(1)の歯間清掃具。
上記(2)の歯間清掃具によれば、清掃部変位量(A)を上記所定の範囲とすることにより、清掃部の歯間挿入性を損なうことなく、歯間清掃時、特に大臼歯や下顎前歯裏側等の歯間清掃時に、清掃部の折れ(破断)を防止できる。清掃部変位量(A)が6.5mm未満の場合には、臼歯部等の歯間への挿入時における清掃部の急激な角度変化等により清掃部の折れ、損傷等が起こる危険性が高くなる。一方、清掃部変位量(A)が8.5mmを超えると、歯間挿入時に清掃部の先端部分の位置が安定しないことから、清掃部先端部分の操作性が低下し、挿入しようとした歯間への挿入が困難となり、歯茎を傷付ける原因となるおそれがある。
(3)清掃用軟質部の基端を固定し、かつ清掃用軟質部の先端が遊離端となるように歯間清掃具を水平方向に保持した状態で、清掃用軟質部の先端から基端側へ5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の清掃部の変位量が6mm以上である上記(1)又は(2)の歯間清掃具。
上記(3)の歯間清掃具によれば、清掃用軟質部の先端から5mmの位置に20gの荷重を掛けた時の清掃部の変位量(以下単に「清掃部変位量(B)」と称することがある。)を上記範囲とすることにより、芯基材部及び清掃用軟質部の外部からの荷重に対する構造変化の一体性が増し、清掃部の歯間挿入性をさらに向上させながら、歯間清掃時の折れ防止性をさらに高めることができる。
(4)清掃用軟質部は第1側部と第2側部とを有し、第1側部と第2側部のそれぞれに清掃部凹部が清掃部の軸方向に所定の間隔を空けて2個以上形成され、清掃部凹部は、清掃用軟質部を貫通して、芯基材部表面に形成された芯基材部凹部に繋がる、上記(1)〜(3)のいずれかの歯間清掃具。
芯基材部の複数箇所に一対の保持ピンを当接させた状態でエラストマを被覆して軟質部を成形する2色成形法では、成形後の軟質部に保持ピンに由来する複数の貫通孔がその軸方向に間隔を空けて形成されると共に、該貫通孔に繋がって露出する芯基材部表面に微細な深さを有する芯基材部凹部が形成される。本明細書では、軟質部の貫通孔とそれに繋がる芯基材部凹部とからなる凹部を、清掃部凹部と称する。
また、清掃部の第1、第2側部とは、清掃部を成形する第2金型における、一方の金型で成形される清掃部外周面の片側半部、及び他方の金型で成形される清掃部外周面の残りの片側半部をそれぞれ意味する。
上記(4)の歯間清掃具は、清掃部が清掃部凹部を有する実施形態である。該歯間清掃具は、保持ピンを用いる軟質部成形工程を含む歯間清掃具の製造方法により得られる。清掃部凹部は、歯間清掃時等に大きな応力の集中を引き起こし、清掃部の折れを発生させるおそれがあるが、清掃部の撓み特性として清掃部変位量(A)や清掃部変位量(B)を上記所定の範囲とすることにより、清掃部凹部及びその周辺での応力の集中を緩和し、清掃部の良好な歯間挿入性を保ちながら、歯間清掃時の清掃部の折れを防止することができる。
(5)第1側部に形成された2個以上の清掃部凹部と、第2側部に形成された2個以上の清掃部凹部とが、芯基材部を挟んでそれぞれ対面状に配置された、上記(4)の歯間清掃具。
上記(5)の歯間清掃具は、清掃部の第1、第2側部における、芯基材部を介して対向する位置にそれぞれ清掃部凹部を有する実施形態である。このような実施形態でも、清掃部の撓み特性として清掃部変位量(A)や清掃部変位量(B)を上記所定の範囲とすることにより、清掃部凹部及びその周辺での応力の集中を緩和し、清掃部の良好な歯間挿入性を保ちながら、歯間清掃時の清掃部の折れを防止することができる。
(6)清掃部凹部の少なくとも1個が、清掃部の軸方向に長い凹部である、上記(4)又は(5)の歯間清掃具。
上記(6)の歯間清掃具は、清掃部凹部を清掃部の軸方向に長い凹部とした実施形態である。このような清掃部凹部は、歯間清掃時等に大きな応力が集中するのを緩和する作用を示し、さらに清掃部が上記所定の撓み特性を持つことから、保持ピンを用いる軟質部成形工程を含む歯間清掃具の製造方法において、清掃部の歯間挿入性及び歯間清掃時の耐折れ性の向上した歯間清掃具を得ることができる。なお、上記のような清掃部凹部を形成するためには、例えば、保持ピンの断面形状を適宜選択すればよい。
(7)板状充填材が、ガラスフレーク、マイカ、及びクレーよりなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(6)のいずれかの歯間清掃具。
上記(7)の歯間清掃具によれば、基材部を構成する樹脂組成物に上記特定の板状充填材を添加することにより、芯基材部が比較的良好な撓み性(弾力性)を有するものとなることから、清掃部全体としての折れを良好に防止できる。なお、板状充填材とは、板状又は鱗片状又は薄片状の形状を有し、寸法がミクロンオーダである無機化合物である。
(8)板状充填材の含有量が、樹脂組成物全量の10〜50重量%である上記(1)〜(7)のいずれかの歯間清掃具。
上記(8)の歯間清掃具によれば、板状充填材を全量の10〜50重量%含む樹脂組成物を用いることにより、清掃部変位量(A)及び/又は(B)の調整が容易になり、また、芯基材部先端部及びそれを被覆する清掃用軟質部から構成される清掃部の一体的な構造変化を比較的容易に得ることができるものと考えられる。このため、上記(8)の歯間清掃具によれば、清掃部の良好な歯間挿入性を維持しながら、歯間清掃時、特に大臼歯や下顎前歯裏側の歯間清掃時に大きな曲げ荷重が作用しても、清掃部の折れを防止することができる。
(9)合成樹脂が、融点150℃以上の熱可塑性樹脂である上記(1)〜(8)のいずれかの歯間清掃具。
上記(9)の歯間清掃具によれば、基材部の成形時間を短縮して、歯間清掃具の生産性向上及び製造コストの低減化を図ることができる。
基材部の成形時間、特に成形後の冷却時間を短縮して生産効率を高めることで、歯間清掃具の生産性を向上でき、ひいては歯間清掃具の製造コストを低減することができる。なお、前記効果を一層高める観点から、融点が150℃以上の熱可塑性樹脂の中でも、少なくとも一部が結晶性である熱可塑性樹脂がより好ましい。
本発明の歯間清掃具によれば、歯間挿入時や歯間清掃時における、清掃部の折れ(破断)を効果的に防止することができる。
歯間清掃具連結体の構成を模式的に示す正面図である。 図1に示す歯間清掃具連結体の要部の構成を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 歯間清掃具連結体の連結部付近を拡大して模式的に示す正面図である。 図3に示すIV−IV切断面線における断面図である。 第1実施形態の歯間清掃具に備わる清掃部を拡大して示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図5(a)に示すVI−VI切断面線における断面図である。 第2実施形態の清掃部の構成を拡大して模式的に示す正面図である。 図7に示す清掃部の断面図である。 第3実施形態の清掃部の構成を拡大して模式的に示す正面図である。
本発明の歯間清掃具は、基材部を構成する材料として、合成樹脂と板状充填材とを含む樹脂組成物を用いると共に、清掃部が所定の撓み特性を有するように設定することを特徴とする。
清掃部の所定の撓み特性とは、長さが10〜18mm、及び先端から基端側へ1〜6mmまでの径が0.6〜1.3mmの範囲である清掃用軟質部を有する歯間清掃具を、清掃用軟質部の基端を固定し、かつ清掃用軟質部の先端が遊離端となるようにを水平方向に保持した状態で、清掃用軟質部の先端から基端側へ2.5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の清掃部変位量(A)が6.5mm以上、好ましくは6.5mm以上8.5mm以下、より好ましくは6.5mm以上7.5mm以下、さらに好ましくは6.7mm以上7.4mm以下である特性である。
また、清掃部変位量(A)が前記範囲内であると共に、上記と同様に歯間清掃具を水平方向に固定した状態で、清掃用軟質部の先端から基端側に5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の清掃部変位量(B)が6mm以上であることが好ましい。清掃部変位量(B)は、好ましくは6mm以上7mm以下、より好ましくは6.1mm以上6.7mm以下である。
清掃部変位量(A)が前記範囲内にあることにより、清掃部の歯間への挿入性や清掃部先端の操作性等を損なうことなく、清掃部の歯間清掃時、特に大臼歯や下顎前歯裏側等の清掃部に大きな曲げ荷重が掛かる歯間の清掃時に、清掃部の折れを防止することができる。また、清掃部変位量(A)が前記範囲内にあると共に、清掃部変位量(B)が前記範囲内にあることにより、清掃部の歯間への挿入性を向上させながら、清掃部の耐折れ性をさらに向上させることができる。
上記した本発明の特徴は、芯基材部を有する基材部と、芯基材部の先端部分を被覆する清掃用軟質部とで構成された清掃部を備える歯間清掃具であれば、特に限定なく適用できる。すなわち、本発明の特徴を適用する清掃部は、清掃部凹部を有するものに限定されない。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、歯間清掃具連結体1Aの構成を模式的に示す正面図である。図2は、歯間清掃具連結体1Aの要部の構成を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図3は、歯間清掃具連結体1Aの連結部13付近を拡大して模式的に示す正面図である。図4は、図3に示すIV−IV切断面線における断面図である。図5は、歯間清掃具1に備わる清掃部2を拡大して示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図6は、図5(a)に示すVI−VI切断面線における断面図である。
本実施形態の歯間清掃具1は、図1〜図2に示すように、その機能で区別すると、歯間清掃用の清掃部2と、持ち手としてのハンドル部3とを備え、その構成素材で区別すると、合成樹脂と板状充填材とを含む樹脂組成物からなる基材部10と、エラストマからなる軟質部20とを備える。
歯間清掃具1は、例えば、複数個の歯間清掃具1を連結部13により切り離し可能に並列状に連結してなる歯間清掃具連結体1Aの形態に製作され、利用者は、歯間清掃具連結体1Aの一端から順番に歯間清掃具1を連結部13において切り離して、歯間清掃具1を順次使用することになる。なお、図1は、歯間清掃具連結体1Aの要部の構成を示すのみであり、歯間清掃具連結体1Aにおいて並列状に連結する歯間清掃具1の個数は特に限定されず、任意の個数とすることができる。
以下、歯間清掃具1を、基材部10及び軟質部20という区分けに基づいて説明する。
基材部10は、合成樹脂と板状充填材とを含む樹脂組成物からなり、図1〜図4に示すように、持ち手となるハンドル部3を構成する扁平な細長い板状のハンドル基材部11と、ハンドル基材部11の先端部に連設された細長い軸状の芯基材部12と、幅方向に隣り合うハンドル基材部11を切り離し可能に連結する連結部13と、を備える。
ハンドル基材部11は、本実施形態では扁平な細長い板状に形成したが、指で保持して歯間を清掃し易い形状であれば、扁平な細長い板状以外の任意の形状、例えば円形、オーバル形状(楕円形、長円形、角丸長方形、卵形、小判型、俵型等)、涙滴形状や多角形などの横断面形状の棒状、円形や楕円形や多角形などの平面形状の板状等に形成することもできる。ハンドル基材部11の先端部は芯基材部12側へ行くにしたがって幅狭に構成されて、芯基材部12に滑らかに連設されている。
ハンドル基材部11の寸法は、指で保持して歯間を清掃し易い寸法であれば任意の寸法に設定でき、図1〜図2に示す形状のハンドル基材部11では、例えば長さL1は10mm〜25mm、幅W1は4mm〜10mm、把持部分の厚さt1は1.0mm〜2.0mmに設定できる。このように、ハンドル基材部11を薄肉に構成しているので、基材部10を成形するときに、ハンドル基材部11の収縮による寸法バラツキを少なくできるとともに、ヒケを防止して、軟質部20を成形するための金型への基材部10の装填不良を防止できる。
芯基材部12は、略直線状の細長い軸状に形成され、ハンドル基材部11の先端側に連設された基端側軸部(露出部)12aと、基端側軸部12aに連設された先端側軸部(芯本体)12bと、を有する。先端側軸部12bは清掃用軟質部21により被覆されている。本実施形態の芯基材部12は先端側へ行くにしたがって縮径する緩やかなテーパ形状に形成されているが、これに限定されず、基端側軸部12aをその全長にわたってほぼ同径の軸状に形成し、かつ先端側軸部12bのみを先端側へ行くにしたがって縮径する緩やかなテーパ形状に形成してもよく、また、基端側軸部12a、及び先端側軸部12bをその全長にわたってほぼ同径に構成してもよい。
芯基材部12における、基端側軸部12aの長さL2は、歯間清掃具1の操作性等を考慮して、例えば10mm〜40mm、好ましくは10mm〜25mmに設定される。ここで、基端側軸部12aは、ハンドル基材部11の幅狭に構成される先端部側面の湾曲部の終点から清掃用軟質部21の基端部までをいう。清掃部2の歯間への挿入性、応力集中緩和の観点からL2の断面形状は円形が好ましいが、楕円、扁平な四角などの断面形状であっても構わない。一方、先端側軸部12b(清掃用軟質部21)の長さL3は、清掃用軟質部21の厚みや、清掃部2の歯間に対する清掃性を考慮して、例えば9mm〜18mmの範囲から、先端側軸部12bと清掃用軟質部21とで構成される清掃部2の長さが10〜18mmとなるように適宜選択される。また、先端側軸部12bの先端側部分の直径は例えば0.4mm〜0.6mmの範囲、先端側軸部12bの基端側部分の直径は例えば0.8mm〜2.0mmの範囲から、清掃部2の先端から基端側へ1〜6mmまでの径が0.6〜1.3mmになるように適宜選択される。先端側軸部12bの直径の選択は、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するための手段の一つとなる。また、芯基材部12の断面形状は、歯間挿入性、応力の集中緩和等の観点から、円形が好ましいが、オーバル形状、涙滴形状、多角形等であってもよい。
また、先端側軸部12bの、清掃用軟質部21により被覆された先端部分の曲面終端部における直径Dは例えば0.5〜1.2mmに設定され、先端側軸部12bの最先端部から少なくとも5mm以上の領域を確実に歯間に挿入できるように構成されている。
また、芯基材部12の中心線に対するテーパ形状のなす角度θは、清掃部2の歯間への挿入性等を考慮して、例えば0.2°〜1.5°に設定される。本実施形態では、角度θが芯基材部12の全長にわたってほぼ同じになるように設定しているが、これに限定されず、芯基材部12の先端側へ行くにしたがって連続的又は段階的に小さくなるように設定することもできる。
なお、本実施の形態では、ハンドル基材部11の長手方向に延びる中心線と芯基材部12の軸線とを略同一軸線状に配置したI型の歯間清掃具1に本発明を適用したが、ハンドル基材部11の中心線と芯基材部12の軸線とを任意の位置関係に配置した歯間清掃具に対しても本発明を適用でき、例えばハンドル基材部11の中心線と芯基材部12の軸線とを間隔をあけて平行配置した歯間清掃具に本発明を適用することもできるし、ハンドル基材部11の中心線を芯基材部12の軸線に対して、例えば120°の角度を付けて設けた、所謂L型の歯間清掃具に対しても本発明を適用できる。
図2〜図4に示すように、連結部13は、隣接するハンドル基材部11間においてハンドル基材部11に一体的に形成され、ハンドル基材部11の基端部側と先端部側とに長手方向に間隔をあけて1対ずつ設けられている。連結部13はハンドル基材部11の長さ方向に細長く、正面視において台形状(図3では等脚台形状)に形成されている。連結部13の個数は、任意に設定可能で、1個だけ設けることも可能であるが、そのように構成すると、歯間清掃具1の製造時に、隣接する基材部10の連結強度を十分に確保できず、基材部10の成形後、型開きするときに連結部13が破断して、基材部10がバラバラになり、軟質部20の成形ができなくなったり、連結部13が折れ曲がって、軟質部20を成形するための第2成形空間の適正位置に基材部10を装填できず、成形不良が発生したりすることがあるので、ハンドル基材部11の長さ方向に間隔をあけて2個以上設けることが好ましい。
連結部13の横断面は台形状又は三角形状(図4では等脚台形状又は二等辺三角形状)に形成され、図4に仮想線で示すように、境界部13aを中心に隣接する歯間清掃具1を相互に重ね合わせる方向へ折り曲げて、境界部13aに曲げ力を集中させるとともに、ハンドル基材部11の側縁の円弧状の側面11aが連結部13の外面に接触することで、テコの原理により境界部13aに対して引き離す方向への大きな力を作用させて、境界部13aにおいて連結部13の大きな変形を伴わずに歯間清掃具1を綺麗に切り離すことができるように構成されている。ただし、連結部13の形状は、連結部13を中心に隣接する歯間清掃具1を相互に重ね合わせる方向へ折り曲げることで、容易に且つ綺麗に切り離すことができるように構成されていれば任意の形状に形成することができる。
基材部10を構成する材料としては、合成樹脂と粒状充填材とを含む樹脂組成物が用いられる。
合成樹脂としては、歯間清掃具の分野で常用される合成樹脂を特に限定なく使用でき、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリアミド、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独で又は必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
上記した熱可塑性樹脂の中でも、清掃部2の折れを防止する観点から、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等の融点150℃以上の熱可塑性樹脂が好ましく、清掃部2の折れ防止や成形加工性の観点から、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等がより好ましく、ポリプロピレンがさらに好ましい。ポリプロピレンは、成形温度が低く、サイクルタイムを短縮して生産性を向上できるとともに、成形設備に対する熱負荷が少ないことから特に好ましい。熱可塑性樹脂の種類の選択は、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するための手段の一つとなる。熱可塑性樹脂は1種を単独で又は必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
板状充填材は、板状の形状、及びミクロンオーダの寸法を有する無機化合物である。なお、本明細書において、板状の形状とは、鱗片状又は薄片状の形状を包含する。板状充填材としては特に限定されず、公知のものを使用できるが、芯基材部12(特に後述する先端側軸部12b)への適度な剛性(特に芯基材部12の軸方向の剛性)や撓み性の付与、人体に対する安全性、入手容易性等の観点から、例えば、タルク、ガラスフレーク、クレー等が好ましく、クレーがより好ましく、タルクが更に好ましい。板状充填材は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。板状充填材の種類の選択は、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するための手段の一つとなる。
合成樹脂及び板状充填材としては、いずれも、各種市販品を使用できる。
また、清掃部変位量(A)や清掃部変位量(B)が外れない範囲で、基材部10を構成する樹脂組成物中に、板状充填材と共に、ガラス繊維、ワラストナイト、チタン酸カリウム繊維等の各種繊維状充填材を配合することもできる。
基材部10を構成する樹脂組成物において、板状充填材の含有量は特に限定されないが、例えば、基材部10特に芯基材部12に適度な機械特性や柔軟性又は撓み性を付与し、清掃部変位量を上記所定範囲に調整する観点から、樹脂組成物全量の5〜50重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましい。なお、合成樹脂としてポリプロピレンを用いた場合には、板状充填材の含有量は、樹脂組成物全量の20〜45重量%がさらに好ましく、30〜40重量%が特に好ましい。また、合成樹脂としてポリブチレンテレフタレートを用いた場合には、板状充填材の含有量は、樹脂組成物全量の15〜45重量%がさらに好ましく、18〜30重量%が特に好ましい。板状充填材の含有量の選択は、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するための手段の一つとなる。
基材部10を構成する樹脂組成物と、後述する軟質部20を構成するエラストマとが相溶性を有することが好ましい。この場合には、芯基材部12の先端側軸部12bと清掃用軟質部21とのより一体的な構造変化が起こると共に、清掃用軟質部21の芯基材部12の先端側軸部12bからの剥離を効果的に防止できるので、清掃部2の折れ防止性、及び歯間清掃具1の耐久性をさらに高めることができる。
軟質部20は、図1〜図4に示すように、エラストマを用いて基材部10の芯基材部12に一体成形したもので、芯基材部12の先端側軸部12bに外装した清掃用軟質部21を備える。ただし、軟質部20として、先端側軸部12bの基端部(すなわち先端側軸部12bと基端側軸部12aとの境界近傍の先端側軸部12b)に、基端側軸部12aが歯間に進入するのを規制する環状の進入規規制部を設けたり、また、ハンドル基材部11に滑り止め部を設けたりすることも可能である。進入規制部や滑り止め部は、清掃用軟質部21とは独立に形成することも可能であるが、歯間清掃具1の成形に用いられる金型の構造が複雑になるので、清掃用軟質部21の基端部に連なるように成形したり、清掃用軟質部21と同時成形したりすることが好ましい。
清掃用軟質部21は、芯基材部12の先端側軸部12bに被覆される被覆部21aと、被覆部21aに長さ方向及び/又は幅方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成した複数の突起部21bとを有している。
被覆部21aの厚みは、厚過ぎたり薄過ぎたりすると、清掃部2に上記所定の撓み特性を付与できないおそれがある。さらに、厚過ぎると被覆部21aに覆われている先端側軸部12bの直径を小さくする必要が生じるため、歯間への挿入時における清掃部2の剛性が大きく低下するだけでなく、成形時にカルマン渦が発生し易くなったり、カルマン渦の影響を大きく受けたりする恐れがあるため好ましくない。また、被覆部21aの厚みが薄過ぎると、被覆部21aを先端側軸部12bの基端側まで形成し難くなり、被覆部21aの先端側軸部12bからの剥離が生じたりするので好ましくない。このため、被覆部21aの厚みは、例えば0.1mm〜0.2mmの範囲から選択されるが、基材部10を構成する樹脂組成物の組成、清掃用軟質部21を構成するエラストマの種類等に応じて、前記範囲外から選択してもよい。被覆部21aの厚みの選択は、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するための手段の一つとなる。
突起部21bは、被覆部21aの表面から外方に向けて突出するように設けられる。複数の突起部21bは、被覆部21aの表面において任意のパターンに配列することが可能であるが、例えば、複数の突起部21bが所定のピッチで被覆部21aの長さ方向に並んだ列を、被覆部21aの周方向に複数設けた配列パターン、複数の突起部21bが所定のピッチで被覆部21aの周方向に並んだ列を、被覆部21aの長さ方向に複数設けた配列パターン、さらに複数の突起部21bが不規則に配置された配列パターン等が挙げられる。
突起部21bの基端部の断面積や長さ、個数や配設ピッチは、任意に設定可能であるが、成形性及び清掃性等を考慮して、突起部21bの基端部の断面積は、0.03mm〜1.5mm程度に設定することが好ましく、突起部21bの長さは0.5mm〜2.0mm程度に設定することが好ましく、突起部21bの個数は20個〜100個に設定することが好ましく、突起部21bの配設ピッチは0.5mm〜1.5mmに設定することが好ましい。また、本実施形態の突起部21bは、円錐状の形状を有しているが、これに限定されず、例えば、軸方向に扁平な平板状の先細形状のものを採用することもできる。更に、突起部21bの断面形状としては、円形以外に、オーバル形状、涙滴型や多角形などの任意の断面形状のものを採用できる。
なお、本発明では、清掃用軟質部21の軸方向寸法(長さ)を、10〜18mmの範囲に設定する。清掃用軟質部21の長さが10mm未満では、歯間清掃具1の歯間清掃性能が不十分になるおそれがある。また、清掃用軟質部21の長さが18mmを超えると、清掃部変位量(A)及び/又は清掃部変位量(B)を所定の範囲に設定することが難しくなり、清掃部2の折れを十分に防止できないおそれがある。また、本発明では、清掃用軟質部21の長さを上記所定範囲内とすると共に、清掃用軟質部21の先端から基端側へ6mmまでの領域において、清掃用軟質部21の径を0.6〜1.3mmの範囲に設定する。前記範囲外では、清掃部変位量(A)及び/又は清掃部変位量(B)を所定の範囲に設定することが難しくなり、清掃部2の折れを十分に防止できないおそれがある。
軟質部20、すなわち清掃用軟質部21を構成するエラストマとしては、スチレン系、オレフィン系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマ、6ナイロン、6−6ナイロン、6−10ナイロン、6−12ナイロン等のナイロン系エラストマ、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、合成ゴムなどの熱硬化性エラストマなどを採用できる。特に、基材部10を構成する合成樹脂又は樹脂組成物との相溶性を有する材料が好ましく、例えば基材部10をポリプロピレンで構成する場合には、軟質部20をポリオレフィン系エラストマ又はスチレン系エラストマで構成することが好ましい。
好ましい他のエラストマとして、例えば、ショアA値が5以上、好ましくは10〜50、より好ましくは20〜50、さらに好ましくは30〜40であるエラストマが挙げられる。このようなショアA値を有するエラストマの具体例として、例えば、オレフィン系エラストマに比して、低硬度グレードにおいても流動特性が高く、かつ合成樹脂との接着特性も良好な、スチレン系エラストマが挙げられる。
エラストマの種類の選択は、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するための手段の一つとなる。
以上のように、清掃部2に上記した所定の撓み特性を付与するためには、例えば、先端側軸部12bの直径や断面形状(ここでは芯基材部12の軸方向に垂直な方向の断面形状)、基材部10を構成する樹脂組成物における合成樹脂種類や板状充填材の種類、含有量、軟質部20を構成するエラストマの種類、清掃用軟質部21の厚み等を適宜選択すればよい。
清掃部2は、図5及び図6に示すように、複数の清掃部用凹部14を有する。清掃部凹部14は、被覆部21aの突起部21bが形成されていない領域において、被覆部21aを厚み方向に貫通し、芯基材部12の表面に形成された芯基材部凹部14aに繋がる凹部である。すなわち、清掃部用凹部14は、被覆部21aに形成された貫通孔と、それに繋がる芯基材部凹部14aとからなる。清掃部凹部14は、芯基材部12に軟質部20を被覆成形する際に、芯基材部12の位置ずれ等を防止するために、芯基材部12に位置決めピンを当接させた状態でエラストマを射出することにより形成される凹部である。
本実施形態では、清掃部凹部14は、図5及び図6に示すように、清掃部2の第1、第2側部にそれぞれ3個ずつ設けられ、清掃部2の軸方向において同じ位置にある第1、第2側部の各清掃部凹部14は、芯基材部12を挟んで対面状に配置されている。したがって、本実施形態では、芯基材部12を介して対向する位置に配置された一対の清掃部凹部14が、清掃部2の軸方向に間隔をあけて3か所に設けられている。このように対向配置された一対の清掃部用凹部14の個数は特に限定されず、1個でも複数個でも良いが、好ましくは2個以上、より好ましくは3〜4個以上である。
一対の清掃部用凹部14の個数を3〜4個以上とすることにより、歯間挿入時や歯間清掃時に清掃部2に作用する曲げ応力を分散させることができるとともに、保持ピンによる芯基材部12のホールド性を確保しつつ、芯基材部凹部14aの深さを浅くすることにより、歯間清掃時において、局部的に大きな曲げ応力が作用することによる芯基材部12の折れを効果的に防止できる。
清掃部2の軸方向に対する清掃部凹部14の配設間隔は、全て同じ間隔に設定してもよいが、一部或いは全部を相互に異なる間隔に設定してもよい。例えば、清掃部2の先端側へ行くにしたがって配設間隔が狭く又は広くなるように構成することができるが、配設間隔は、略一様若しくは前記清掃部の先端側へ行くにしたがって狭くなるように設定することが好ましい。
1組の清掃部凹部14は、対面状に配置することが好ましいが、周方向に一部重なる範囲内、即ち清掃部2の軸方向に対する清掃部凹部14の長さの範囲内で、清掃部2の軸方向にずらした位置に設けることもできる。また、図6に示すように、第1側部の清掃部凹部14と第2側部の清掃部凹部14とは同一軸線状に配置することが好ましいが、第1側部の清掃部凹部の中心線と第2側部の清掃部凹部の中心線とが、清掃部2の半径方向に一定距離ずらして平行配置することもできる。
また、清掃部凹部14をオーバル形状や涙滴形状や長方形などのように細長形状に形成する場合には、例えば図7に示す清掃部2Aのように、長方形の清掃部凹部14Aを周方向に隣接する突起部21b間に、長手方向が清掃部2Aの軸方向となるように形成することが好ましい。すなわち、清掃部凹部14Aは、清掃部2Aの軸方向に長い凹部となっている。このように構成すると、清掃部凹部14Aの幅を狭くして、保持ピンの幅を小さくしつつ、芯基材部12に対する保持ピンのホールド性を十分に確保しつつ、芯基材部凹部14Aaを設けた位置において発生する応力を緩和できるので好ましい。
清掃部凹部14の芯基材部凹部14aの底面は、図6に示すように、芯基材部凹部14aの深さ方向と直交する方向の平坦面で構成することも好ましいが、図8に示す清掃部凹部14Bの芯基材部凹部14Baのように、芯基材部12の外面に沿う円弧面で構成したり、図9に示す清掃部凹部14Cの芯基材部凹部14Caのように、中央部が盛り上がった2等辺三角形状の2つの傾斜面で構成したりすることができる。
歯間清掃具1は、従来の樹脂製歯間清掃具と同様に、例えば、2つの金型を用いる2色成形法により製造される。すなわち、基材部10の立体形状に対応する成形空間を有する第1金型を用い、第1金型の成形空間に樹脂組成物の溶融混練物を射出し冷却して基材部10を得、次に歯間清掃具1の立体形状に対応する成形空間を有する第2金型を用い、得られた基材部10を所定位置に装填した第2金型の成形空間にエラストマの溶融物を射出し又は熱硬化性エラストマを注入して加熱し、その後冷却して、基材部10に軟質部20を一体成形することにより、歯間清掃具1を得ることができる。
また、複数個の第1成形空間を設けた第1金型、及び第1成形空間と同数の第2成形空間を設けた第2金型を用い、複数個の第1成形空間に樹脂組成物を供給し、複数個の基材部がランナ部で連結された一次成形品を製作し、該一次成形品を第2金型の第2成形空間に装填し、複数個の第2成形空間にエラストマを供給することで、複数個の歯間清掃具を同時成形した歯間清掃具連結体を得ることもできる。
なお、歯間清掃具1のこのような2色成形法は公知であり、例えば、国際公開2013/176297号公報等に記載されている。
次に、歯間清掃具の評価試験について説明する。
まず、ポリプロピレン(融点:163℃)に、表1に示す割合(重量%)でタルク及び/又はガラス繊維を配合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を用い、基材部を製作し、基材部における芯基材部の先端側軸部(断面形状;ほぼ円形)の表面にポリスチレンエラストマ(ショアA硬度30)からなる清掃用軟質部(厚み約0.1mm)を設け、
全長48mm、ハンドル基材部の寸法15mm(最大幅長さ)×6.5mm、清掃部(清掃用軟質部)寸法6.5mm(長さ)×0.65mm(径)の、図1に示す歯間清掃具を作製した。
上記で得られた各歯間清掃具を、清掃部が水平方向に延び、かつ清掃部(清掃用軟質部)の先端が遊離端となるように保持具に取付け、清掃用軟質部の先端から基端側に2.5mmの位置に20gの錘を取り付け、清掃用軟質部の先端部分を鉛直方向下方に撓ませ、清掃用軟質部の先端の、荷重負荷前の清掃用軟質部の軸に対する距離として、清掃部変位量(A)(mm)として求めた。同様にして、清掃用軟質部の先端から基端側へ5mmの位置に20gの錘を取り付け、清掃部変位量(B)(mm)を求めた。結果を表1に示す。
〔評価試験(清掃部の耐折れ性試験)〕
圧縮試験機(商品名:オートグラフ、(株)島津製作所製)を用いて、上記で得られた実施例1〜2及び比較例1〜3の歯間清掃具の清掃部を、挿入角度50°又は60°、挿入速度200mm/分で顎模型((株)ニッシン製)の第1、第2大臼歯の歯間に挿入した。この挿入試験を3回ずつ実施し、各歯間清掃具の清掃部の状態を目視観察し、下記基準で評価した。評価結果を表1に示す。
可;3回の挿入試験の中で、清掃部の折れ(破断)は認められなかったものの、清掃部の変形が1度でも認められた。
不可;3回の挿入試験の中で、清掃部の変形が1度でも認められた。
Figure 2017000577
表1から、タルク及びポリプロピレンを含む樹脂組成物を用いて基材部を成形し、芯基材部にエラストマを被覆した歯間清掃具は、清掃部が所定の撓み特性を有することにより、大きな曲げ荷重が掛かる第1、第2大臼歯の歯間清掃に用いても、清掃部が適度に粘りのある撓み性を保ち、清掃部の折れや変形が起こらず、使用寿命を延ばすことができた。これに対し、ポリプロピレンに剛直性を付与するガラス繊維を用いた場合には、清掃部の撓み特性(変位量)が小さくなり、第1、第2大臼歯の歯間清掃時に清掃部の割れが目立った。
なお、実施例1、2の歯間清掃具は、ガラス繊維を用いた比較例1〜3の歯間清掃具よりも優れることはないものの、ほぼ同等の歯間挿入性を有することを、10名のパネラー試験により確認した。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を適宜変更し得ることは勿論である。
1 歯間清掃具
1A 歯間清掃具連結体
2 清掃部
3 ハンドル部
10 基材部
11 ハンドル基材部
12 芯基材部
12a 基端側軸部
12b 先端側軸部
13 連結部
14、14A、14B、14C 清掃部凹部
14、14Aa、14Ba、14Ca 芯基材部凹部
20 軟質部
21 清掃用軟質部
21a 被覆部
21b 突起部

Claims (9)

  1. 樹脂組成物からなる基材部と、前記基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、
    前記基材部は、持ち手となるハンドル基材部と、前記ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部と、を有し、
    前記軟質部は、前記芯基材部を被覆する被覆部と、前記被覆部の長手方向に間隔を空けて外方に突出状に、前記被覆部に一体的に形成した複数の突起部と、を含む清掃用軟質部を少なくとも有し、
    前記芯基材部と前記清掃用軟質部とで歯間清掃用の清掃部を構成した歯間清掃具であって、
    前記樹脂組成物が合成樹脂と板状充填材とを含み、かつ
    前記清掃用軟質部の長さが10〜18mm、及び前記清掃用軟質部の先端から基端側へ1〜6mmまでの径が0.6〜1.3mmの範囲であり、
    前記清掃用軟質部の基端を固定し、かつ前記清掃用軟質部の先端が遊離端となるように前記歯間清掃具を水平方向に保持した状態で、前記清掃用軟質部の先端から基端側へ2.5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の前記清掃部の変位量が6.5mm以上であることを特徴とする歯間清掃具。
  2. 前記清掃部の変位量が6.5mm〜8.5mmの範囲である請求項1に記載の歯間清掃具。
  3. 前記清掃用軟質部の基端を固定し、かつ前記清掃用軟質部の先端が遊離端となるように前記歯間清掃具を水平方向に保持した状態で、前記清掃用軟質部の先端から基端側へ5mmの位置に鉛直方向下方に20gの荷重を掛けた時の前記清掃部の変位量が6mm以上である請求項1又は2に記載の歯間清掃具。
  4. 前記清掃用軟質部は第1側部と第2側部とを有し、前記第1側部と前記第2側部のそれぞれに清掃部凹部が前記清掃部の軸方向に所定の間隔を空けて2個以上形成され、前記清掃部凹部は、前記清掃用軟質部を貫通して、芯基材部表面に形成された芯基材部凹部に繋がる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯間清掃具。
  5. 前記第1側部に形成された2個以上の前記清掃部凹部と、前記第2側部に形成された2個以上の前記清掃部凹部とが、前記芯基材部を挟んでそれぞれ対面状に配置された、請求項4に記載の歯間清掃具。
  6. 前記清掃部凹部の少なくとも1個が、前記清掃部の軸方向に長い凹部である、請求項4又は5に記載の歯間清掃具。
  7. 前記板状充填材が、ガラスフレーク、マイカ、及びクレーよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯間清掃具。
  8. 前記板状充填材の含有量が、前記樹脂組成物全量の10〜50重量%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯間清掃具。
  9. 前記合成樹脂が、融点150℃以上の熱可塑性樹脂である請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯間清掃具。
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