JP2008161271A - 歯ブラシ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】刷毛が裂けたり、割れたりすることを改善した歯ブラシを提供する。
【解決手段】刷毛の毛束2が植毛面3aに複数並んで植設されたヘッドカセット3と、ヘッドカセット3を固定するヘッド固定部4が設けられたブラシ本体5とを備える歯ブラシ1であって、ヘッドカセット3の植毛面3aに植設された毛束2の少なくとも一部又は全てが、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる刷毛を含み、ヘッドカセット3は、毛束2の一端を加熱溶融することによって形成された溶融塊2aをエラストマー樹脂からなる樹脂成形部3b内に埋設した状態で、植毛面2aに並ぶ複数の毛束2と樹脂成形部3bとを一体に成形した構造を有する。
【選択図】図1
【解決手段】刷毛の毛束2が植毛面3aに複数並んで植設されたヘッドカセット3と、ヘッドカセット3を固定するヘッド固定部4が設けられたブラシ本体5とを備える歯ブラシ1であって、ヘッドカセット3の植毛面3aに植設された毛束2の少なくとも一部又は全てが、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる刷毛を含み、ヘッドカセット3は、毛束2の一端を加熱溶融することによって形成された溶融塊2aをエラストマー樹脂からなる樹脂成形部3b内に埋設した状態で、植毛面2aに並ぶ複数の毛束2と樹脂成形部3bとを一体に成形した構造を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、刷毛の毛束が植毛面に複数並んで植設されたヘッドカセットをブラシ本体のヘッド固定部に固定してなる歯ブラシ及びその製造方法に関する。
歯ブラシを製造する際の植毛方法としては、刷毛の毛束を二つ折りにし、その間に平線と呼ばれる抜止め具を挟んで植毛穴に固定する平線植毛法や、毛束の下端をヘッド部となる溶融樹脂中に圧入して固定する熱融着法、毛束の下端を加熱して溶融塊を形成した後に、金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填してヘッド部と一体に成形するインモールド法などが、従来より一般的に用いられている。
このうち、平線植毛法では、ヘッド部の植毛面に並ぶ複数の植毛穴に基本的に同一の毛束を植設する。このため、ヘッド部の植毛面に所望の毛束を植設したい場合には、複数の植毛設備を用いて毛束を変更することも可能であるが、設備が大掛かりとなってしまう。
一方、熱融着法では、ヘッド部の植毛面に所望の毛束を植設することが可能である。しかしながら、熱融着法では、毛束の下端がヘッド部に溶融固着された状態となるため、外観が悪くなり、毛束の基端部にバリが生じることもある。また、ヘッド部の寸法が大きくなるため、その改善を求められている。
一方、インモールド法では、ヘッド部の植毛面に所望の毛束を植設することが可能である。しかしながら、インモールド法では、ヘッド部の成形時に毛束の隙間から樹脂が流出して、毛束の基端部にバリが生じることがあり、その使用性において改善が求められている。
また、最近の植毛技術としては、予め歯ブラシのヘッド部に対応するヘッドカセットを準備し、このヘッドカセットの植毛穴に刷毛の毛束を挿入した後、毛束の一端を加熱溶融してヘッドカセットに固定し、この毛束が植設されたヘッドカセットをブラシ本体を成形する金型内に配置し、インモールド成形などでブラシ本体と一体に固着させるアンカーフリー法(AFT法)と呼ばれる植毛方法が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
このAFT法では、ヘッド部(ヘッドカセット)の植毛面に所望の毛束を植設することが可能であり、また、ヘッドカセットを予め成形して準備しているので、毛束の基端部にバリを生じることを抑えることができる。
ところで、歯ブラシに用いられる刷毛(フィラメント)については、耐久性の向上を図るため、最近ではポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT樹脂)からなる刷毛を用いることが提案されている。しかしながら、PTT樹脂からなる刷毛は、毛開きに対する耐久性が良い一方で、刷毛の急激な劣化によって刷毛が裂けたり、割れたりすることがあるため、その改善が求められている。
特開2003−102552号公報
特開2004−181215号公報
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、所望の毛束を植設することでき、PTT樹脂などの耐久性に優れた刷毛を用いた場合であっても、刷毛が裂けたり、割れたりすることを改善することができる歯ブラシ及びその製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、刷毛の毛束が植毛面に複数並んで植設されたヘッドカセットと、前記ヘッドカセットを固定するヘッド固定部が設けられたブラシ本体とを備え、前記ヘッドカセットの植毛面に植設された毛束の少なくとも一部又は全てが、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる刷毛を含み、前記ヘッドカセットは、前記毛束の一端を加熱溶融することによって形成された溶融塊をエラストマー樹脂からなる樹脂成形部内に埋設した状態で、前記植毛面に並ぶ複数の毛束と前記樹脂成形部とを一体に成形した構造を有することを特徴とする歯ブラシである。
また、請求項2に係る発明は、前記ヘッドカセットに、前記樹脂成形部と一体に成形された被覆部が前記毛束の基端部の周囲を被覆した状態で前記植毛面から突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシである。
また、請求項3に係る発明は、刷毛の毛束が植毛面に複数並んで植設されたヘッドカセットと、前記ヘッドカセットを固定するヘッド固定部が設けられたブラシ本体とを備える歯ブラシの製造方法であって、前記ヘッドカセットを作製する際は、前記ヘッドカセットの植毛面に植設される毛束の少なくとも一部又は全てに、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる刷毛を用い、前記ヘッドカセットに対応する形状のキャビティを構成する一対の金型のうち、一方の金型の前記ヘッドカセットの植毛面を形成する側の面に設けられた複数の保持孔に、それぞれ前記刷毛を束ねた毛束を挿入し、各保持孔から前記一方の金型のキャビティ側に突出された各毛束の一端を加熱溶融して溶融塊を形成した後に、前記一方の金型に対して他方の金型を突き合わせることによって形成されるキャビティ内に、加熱溶融されたエラストマー樹脂を充填し、前記各毛束の溶融塊が埋設された状態の樹脂成形部を成形することを特徴とする歯ブラシの製造方法である。
以上のように、本発明によれば、ヘッドカセットに所望の毛束を植設することでき、PTT樹脂などの耐久性に優れた刷毛を用いた場合であっても、この刷毛の毛束とエラストマー樹脂からなる樹脂成形部とを一体に成形することで、刷掃時に刷毛の基端部に繰り返し加わる応力を柔軟な樹脂成形部によって緩和できるため、刷毛が裂けたり、割れたりすることを改善することができる。
以下、本発明を適用した歯ブラシ及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
(歯ブラシ)
図1に示すように、本発明を適用した歯ブラシ1は、刷毛の毛束2が植毛面3aに複数並んで植設されたヘッドカセット3と、このヘッドカセット3を固定するヘッド固定部4が設けられたブラシ本体5とを備えている。
(歯ブラシ)
図1に示すように、本発明を適用した歯ブラシ1は、刷毛の毛束2が植毛面3aに複数並んで植設されたヘッドカセット3と、このヘッドカセット3を固定するヘッド固定部4が設けられたブラシ本体5とを備えている。
ブラシ本体5は、図示を省略するが、使用者が把持するハンドル部を有しており、このハンドル部の先端に位置するヘッド部6には、図2に示すように、ヘッドカセット3に対応した凹形状を為すヘッド固定部4が設けられている。
ブラシ本体5は、その材質について特に限定されないものの、例えば、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート樹脂(CP)、ポリアリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂(PCTA、PCTG)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、生分解性樹脂などの樹脂材料を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ブラシ本体5は、このような樹脂材料を用いて、例えば射出成形法などによって成形したものからなる。また、ブラシ本体5は、上述したハンドル部のグリップ性を良くするために、上述した樹脂材料と、例えば熱可塑性エラストマーやシリコン樹脂などを組み合わせて多色成形したものであってもよい。
ヘッドカセット3は、図1及び図2に示すように、毛束2の一端を加熱溶融することによって形成された溶融塊2aをエラストマー樹脂からなる樹脂成形部3b内に埋設した状態で、植毛面3aに並ぶ複数の毛束2と樹脂成形部3bとを一体に成形した構造を有している。
樹脂成形部3bに用いられるエラストマー樹脂については、例えば、オレフィン系エラストマー(TPO)、塩化ビニル系エラストマー(TPVC)、スチレン系エラストマー(SBC)、ウレタン系エラストマー(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(TPAE)などを挙げることができる。
ヘッドカセット3の植毛面3aに植設された毛束2のうち、少なくとも一部又は全てに、毛開きに対する耐久性に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT樹脂)からなる刷毛が用いられている。
刷毛の太さは、特に限定されるものではないが、3〜10mil(0.076〜0.254mm)が好ましく、より好ましくは5〜8mil(0.127〜0.203mm)である(1mil=1/1000inch)。また、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性など考慮して、太さの異なる複数の刷毛を組み合わせて用いてもよい。
刷毛の断面形状については、例えば、円形や、楕円形、或いは三角形や四角形などの多角形、星型、三つ葉や四つ葉のクローバー形など特に限定されるものではなく、直線同士や、曲線同士、さらには直線と曲線を組み合わせた不定形のものであってもよい。
刷毛の形状については、毛先の丸め部を除いて外径がほぼ同一であるものを用いてもよく、毛先に向かうに従って徐々に外径が細くなるテーパー状のものを用いてもよい。さらに、刷毛の先端形状については、例えばテーパー状や、ヘラ状、スクレイパー状、球状など任意の形状とすることができる。
また、刷毛については、上述したPTT樹脂からなる刷毛の他にも、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂からなる刷毛をヘッドカセット3の植毛面3aに植設された毛束2の一部に用いることができる。また、これらの樹脂を複数組み合わせた芯鞘構造などの刷毛を用いてもよい。
上述した刷毛を束ねた毛束2は、各刷毛の長さが揃っていてもよく、不揃いであってもよい。また、毛束2の先端における毛切り形状(プロファイル)は、特に限定されるものではなく、例えば、単一平面状や、山切り状、凹凸形状とすることができる。また、植毛面3aの外側と内側、或いは先端側と後端側で異なった形状としてもよく、特に限定されるものではない。
毛束2は、通常は複数本の刷毛を略円形状に束ねたものを用いるが、このような略円形状に束ねたものに限らず、略三角形や略四角形などの略多角形状に束ねてもよく、さらに、略楕円状や、略長円状、略長方形状、略多角形状など長径と短径が異なる形状に束ねたものを用いてもよい。なお、樹脂成形部3b内に埋設された毛束2の周囲には、毛束2の輪郭に沿った形状の貫通孔3cが形成されている。
また、ヘッドカセット3の植毛面3aには、通常は複数の毛束2が格子状や千鳥状に所定の間隔で並んで植設されるが、この毛束2の配列については、特に限定されるものではない。さらに、上述した毛束2の形状や配列、それらの組合せ等については、目的機能に応じて適宜選択することができる。
(歯ブラシの製造方法)
上記歯ブラシ1は、AFT法を用いて製造することができる。具体的に、上記歯ブラシ1を製造する際は、上記ヘッドカセット3を上記ブラシ本体5とは別個に作製する。
上記ヘッドカセット3を作製する際に用いられる射出成形機は、上記ヘッドカセット3に対応する形状のキャビティを構成する一対の金型を有している。このうち、図3に示す一方の金型20は、上記ヘッドカセット3の植毛面3a側を成形する凹部21の底面に、刷毛が束ねられた毛束2を保持する複数の保持孔22を有している。これら複数の保持孔22は、上記ヘッドカセット3の植毛面3aに植設される毛束2の外径及び配列に合わせて設けられている。
上記歯ブラシ1は、AFT法を用いて製造することができる。具体的に、上記歯ブラシ1を製造する際は、上記ヘッドカセット3を上記ブラシ本体5とは別個に作製する。
上記ヘッドカセット3を作製する際に用いられる射出成形機は、上記ヘッドカセット3に対応する形状のキャビティを構成する一対の金型を有している。このうち、図3に示す一方の金型20は、上記ヘッドカセット3の植毛面3a側を成形する凹部21の底面に、刷毛が束ねられた毛束2を保持する複数の保持孔22を有している。これら複数の保持孔22は、上記ヘッドカセット3の植毛面3aに植設される毛束2の外径及び配列に合わせて設けられている。
そして、上記ヘッドカセット3を作製する際は、先ず、図4に示すように、一方の金型20に設けられた複数の保持孔22に、それぞれ上記刷毛を束ねた毛束2を挿入する。このとき、各毛束2の一端を各保持孔22から一方の金型20の凹部21よりも外側に突出させた状態とする。なお、上記刷毛を束ねた毛束2は、スプールより直接挿入したり、予め準備したホルダ内に保持しておいてもよい。
次に、図5に示すように、熱源30を用いて各毛束2の一端を加熱溶融し、これら各毛束2の一端に溶融塊2aを形成する。具体的に、熱源30には、加熱ヒータが用いられ、保持孔22から突出された毛束2の長さを揃えつつ、この加熱ヒータを各毛束2の一端に押し当てる。また、このとき形成される溶融塊2aは、保持孔22の内径よりも大きくする。
なお、熱源30については、上述した加熱ヒータ以外にも、例えば、熱風、温風、熱板、レーザー、超音波、赤外線などの熱的手段を用いることができ、毛束2の一端を溶融させる方法について特に限定されるものではない。また、溶融塊2aの形状については、特に限定されないものの、全体に均一な厚みとすることが好ましい。また、溶融塊2aの形状や大きさを制御するために、毛束2の一端を加熱溶融した直後に、プレートなどを押し当てながら溶融塊2aを整形してもよい。
次に、図6に示すように、他方の金型40で毛束2の溶融塊2aを押しながら、この他方の金型40を一方の金型20側に移動させる。そして、図7に示すように、一方の金型20と他方の金型40とを突き合わせることによって型締めされた状態となる。また、これら一対の金型20,40の内側には、上記ヘッドカセット3に対応した形状のキャビティ50が形成される。このとき、各毛束2の溶融塊2aは、一方の金型20と他方の金型40との突合せ位置まで移動される。なお、上述した他方の金型40ではなく、上記熱源30で毛束2の一端を押しながら、これら各毛束2の一端に溶融塊2aを形成すると同時に、溶融塊2aを突合せ位置まで移動させることも可能である。或いは、型締め前に別部材などで毛束2の溶融塊2aを押しながら、この溶融塊2aを突合せ位置まで移動させてもよい。
次に、図7に示すように、キャビティ50内に加熱溶融された上記エラストマー樹脂を充填し、各毛束2の溶融塊2aが埋設された状態の樹脂成形部3bを成形する。
次に、図8に示すように、各毛束2の他端側を切り揃えた後に、一方の金型20を他方の金型40とは反対側に移動させる。これにより、植毛面3aに並ぶ複数の毛束2と樹脂成形部3bとを一体に成形したヘッドカセット3が離型される。
以上のよう作製されたヘッドカセット3は、図2に示すように、予め作製しておいたブラシ本体5のヘッド固定部4に固定される。ヘッドカセット3をヘッド固定部4に固定する方法については、例えば、インサート成形、ヘッド部への嵌合、超音波溶着、高周波溶着、レーザー溶着、接着剤による接着などの従来公知の方法を用いることができるが、接着剤による接着は、口腔内で使用されるために安全性の点から好ましくない。
以上のような工程を経ることによって作製された歯ブラシ1では、PTT樹脂などの耐久性に優れた刷毛を用いた場合であっても、この刷毛の毛束2とエラストマー樹脂からなる樹脂成形部3bとが一体に成形されたヘッドカセット3をブラシ本体5のヘッド固定部4に固定した構造とすることで、刷掃時に刷毛の基端部に繰り返し加わる応力を柔軟な樹脂成形部3bによって緩和することができる。
したがって、この歯ブラシ1では、刷毛が裂けたり、割れたりすることを改善することが可能である。また、上記歯ブラシ1の製造方法では、ヘッドカセット3に所望の毛束2を植設することも可能である。
したがって、この歯ブラシ1では、刷毛が裂けたり、割れたりすることを改善することが可能である。また、上記歯ブラシ1の製造方法では、ヘッドカセット3に所望の毛束2を植設することも可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記ヘッドカセット3は、上述した構成に加えて、図9に示すような被覆部3dを設けた構成としてもよい。この被覆部3dは、樹脂成形部3bと一体に成形されており、毛束2の基端部の周囲を被覆した状態で植毛面3aから僅かに突出して設けられている。
この場合、刷掃時に刷毛の基端部に繰り返し加わる応力を柔軟な被覆部3dによって更に緩和できることから、刷毛が裂けたり、割れたりすることを更に改善することができる。
例えば、上記ヘッドカセット3は、上述した構成に加えて、図9に示すような被覆部3dを設けた構成としてもよい。この被覆部3dは、樹脂成形部3bと一体に成形されており、毛束2の基端部の周囲を被覆した状態で植毛面3aから僅かに突出して設けられている。
この場合、刷掃時に刷毛の基端部に繰り返し加わる応力を柔軟な被覆部3dによって更に緩和できることから、刷毛が裂けたり、割れたりすることを更に改善することができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1〜6及び比較例1,2)
実施例1〜6及び比較例1,2では、表1に示すヘッドカセットの材質、被覆部の有無が異なる以外は、PTT樹脂からなる刷毛を用いて、上記歯ブラシ1を製造する場合と同様のAFT法を用いて歯ブラシを作製した。
(比較例3)
比較例3では、被覆部が無く、PTT樹脂からなる刷毛を用いて、ブラシ本体がPCTA樹脂からなる歯ブラシをインモールド法により作製した。
(比較例4)
比較例4では、被覆部が無く、PTT樹脂からなる刷毛を用いて、ブラシ本体がPCTA樹脂からなる歯ブラシを熱融着法により作製した。
実施例1〜6及び比較例1,2では、表1に示すヘッドカセットの材質、被覆部の有無が異なる以外は、PTT樹脂からなる刷毛を用いて、上記歯ブラシ1を製造する場合と同様のAFT法を用いて歯ブラシを作製した。
(比較例3)
比較例3では、被覆部が無く、PTT樹脂からなる刷毛を用いて、ブラシ本体がPCTA樹脂からなる歯ブラシをインモールド法により作製した。
(比較例4)
比較例4では、被覆部が無く、PTT樹脂からなる刷毛を用いて、ブラシ本体がPCTA樹脂からなる歯ブラシを熱融着法により作製した。
そして、これら実施例1〜6及び比較例1〜4の歯ブラシについて、モデル耐久性試験機を用いた毛折れ耐久性の評価試験を行った。
具体的に、この評価試験は、各歯ブラシを35℃の温水中に浸潰させた状態で、金属製の波板に毛束を押し当てながら繰り返し往復刷掃させ、これら各歯ブラシに毛折れが発生したときの刷掃回数を調べたものである。なお、モデル耐久性試験機による試験条件は、荷重400g、刷掃幅40mm、往復速度150回/分である。
以下、その評価結果を表1に示す。
具体的に、この評価試験は、各歯ブラシを35℃の温水中に浸潰させた状態で、金属製の波板に毛束を押し当てながら繰り返し往復刷掃させ、これら各歯ブラシに毛折れが発生したときの刷掃回数を調べたものである。なお、モデル耐久性試験機による試験条件は、荷重400g、刷掃幅40mm、往復速度150回/分である。
以下、その評価結果を表1に示す。
表1に示す評価結果から、実施例1〜6の歯ブラシでは、比較例1〜4の歯ブラシに比べて、毛折れに対する耐久性が大幅に向上していることがわかる。特に、実施例4〜6の歯ブラシでは、毛束の基端部の周囲に被覆部を設けることによって、刷掃回数が30万回でも毛折れの発生は見られなかった。
1…歯ブラシ 2…毛束 2a…溶融塊 3…ヘッドカセット 3a…植毛面 3b…樹脂成形部 3c…貫通孔 3d…被覆部 4…ヘッド固定部 5…ブラシ本体 6…ヘッド部 20…一方の金型 21…凹部 22…保持孔 30…熱源 40…他方の金型 50…キャビティ
Claims (3)
- 刷毛の毛束が植毛面に複数並んで植設されたヘッドカセットと、
前記ヘッドカセットを固定するヘッド固定部が設けられたブラシ本体とを備え、
前記ヘッドカセットの植毛面に植設された毛束の少なくとも一部又は全てが、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる刷毛を含み、
前記ヘッドカセットは、前記毛束の一端を加熱溶融することによって形成された溶融塊をエラストマー樹脂からなる樹脂成形部内に埋設した状態で、前記植毛面に並ぶ複数の毛束と前記樹脂成形部とを一体に成形した構造を有することを特徴とする歯ブラシ。 - 前記ヘッドカセットには、前記樹脂成形部と一体に成形された被覆部が前記毛束の基端部の周囲を被覆した状態で前記植毛面から突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
- 刷毛の毛束が植毛面に複数並んで植設されたヘッドカセットと、前記ヘッドカセットを固定するヘッド固定部が設けられたブラシ本体とを備える歯ブラシの製造方法であって、
前記ヘッドカセットを作製する際は、前記ヘッドカセットの植毛面に植設される毛束の少なくとも一部又は全てに、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂からなる刷毛を用い、
前記ヘッドカセットに対応する形状のキャビティを構成する一対の金型のうち、一方の金型の前記ヘッドカセットの植毛面を形成する側の面に設けられた複数の保持孔に、それぞれ前記刷毛を束ねた毛束を挿入し、各保持孔から前記一方の金型のキャビティ側に突出された各毛束の一端を加熱溶融して溶融塊を形成した後に、前記一方の金型に対して他方の金型を突き合わせることによって形成されるキャビティ内に、加熱溶融されたエラストマー樹脂を充填し、前記各毛束の溶融塊が埋設された状態の樹脂成形部を成形することを特徴とする歯ブラシの製造方法。
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