JP5412233B2 - 歯ブラシ - Google Patents
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Description
こうした問題に対し、特定の硬さのエラストマー樹脂で植毛穴の周縁部を構成した歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献1)。この歯ブラシは、刷掃時における刷毛の基部への応力の分散により、毛折れの抑制が図られている。
この問題に対して、緩衝部の面積を広げて、緩衝部と基台との接着面積を増加させ、接着強度を向上させる対応が挙げられるが、エラストマー樹脂は高価であり、経済面で好ましくない。加えて、基台の側面等に緩衝部が存在すると、刷掃時の歯との接触により、緩衝部が欠落する懸念がある。
前記接合面は、前記植毛面に対して100〜150°の傾斜面であることが好ましく、前記接合面には、前記基台と前記緩衝部とのいずれか一方に凸部が形成されると共に、同他方に前記凸部に嵌合する凹部が形成されていることがより好ましく、前記緩衝部は、前記基台上の厚さが0.1〜1.0mmであることが好ましく、前記ヘッド部の側面と前記緩衝部の外周縁との間の植毛面方向の距離は、0.1〜0.9mmであることが好ましい。
本発明によれば、接合面が植毛面に対して100〜150°とされているため、成形時におけるバリ発生の防止が図れる。
本発明によれば、基台と緩衝部とのいずれか一方に凸部が形成されると共に、同他方に凸部に嵌合する凹部が形成されているため、緩衝部と基台との接着性のさらなる向上が図れる。
本発明によれば、緩衝部の厚さが0.1〜1.0mmであるため、歯ブラシの使用性を損なうことなく、緩衝部と基台との接着性のさらなる向上が図れる。
本発明によれば、ヘッド部の側面から緩衝部の外周縁までの距離は、0.1〜0.9mmであるため、歯ブラシの使用性と植毛強度を損なうことなく、緩衝部と基台との接着性のさらなる向上が図れる。
ヘッド部2は、有底円筒状の植毛穴4が複数形成された基台20と、この基台20の植毛穴4が形成された面21上を覆う緩衝部30とで構成される。これにより、植毛穴4の穴周縁部42は、緩衝部30により構成される。植毛穴4は、植毛面5からの深さDが3.0〜5.0mm程度とされ、穴径dが1.5〜3.0mm程度とされる。
二次成形において、従来技術(特許文献1等)のように接合面22の傾斜角θが90°であると、第一割型により基台20が圧迫され、接合面22は植毛穴4方向に傾く。接合面22が植毛穴4方向に傾くと、第一割型とアール面7との間に隙間が生じる。この状態で、二次樹脂を射出すると、アール面7と第一割型との間の隙間に二次樹脂が流れ込み、バリとなりやすい。
本発明の歯ブラシ1は、接合面22がヘッド部2の外側に向かう傾斜面とされているため、基台20が第一割型に圧迫されても、接合面22が容易に植毛穴4側に傾くことなく、アール面7と第一割型との間に隙間を生じることが防止される。この結果、境界部32近傍でバリが生じにくく、刷掃時にバリに起因する緩衝部30の剥離・欠落等が防止される。加えて、二次樹脂が充填される空間(流路)が確保されるため、二次樹脂の充填不足(ショートショット)の防止が図れる。
例えば、接合面には、基台と緩衝部とのいずれか一方に凸部が形成されると共に、同他方に凸部に嵌合する凹部が形成されていてもよい。
例えば、図3に示すヘッド部102のように、基台120と緩衝部130との接合面122は、基台120に形成された凸部124と、緩衝部130に形成された凹部132とが嵌合されたものであってもよい。
また、例えば、図4に示すヘッド部202のように、基台220と緩衝部230との接合面222は、基台220に形成された凹部224と、緩衝部230に形成された凸部232とが嵌合されたものであってもよい。
なお、凸部124、232は、例えば、円錐形状、角錐形状、円柱状、角柱状等の突起部が複数形成されたものでもよいし、接合面に沿って帯状に形成されたリブ等であってもよい。
表1の仕様に従い、図1に示す歯ブラシ1と同様の歯ブラシを作製した。基台を構成する一次樹脂にはPPを用い、緩衝部を構成する二次樹脂には、スチレン系エラストマー樹脂(硬度60)を用いた。PTT製(φ0.2mm)の刷毛を20本からなる毛束とし、植毛機(ZAHORANSKY社製)を用いて、該毛束を二つ折りにして平線と共に23個の植毛穴に打ち込んだ(250shot/min)。
作製した各例の歯ブラシについて、ショートショット、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度を評価し、その結果を表1に示す。
接合面の角度を180°、即ち植毛面と平行とし、境界部が側面の領域に位置するようにした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを作製した。作製した歯ブラシについて、ショートショット、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度を評価し、その結果を表1に示す。
接合面の角度を90°とし、境界部が植毛面の領域に位置するようにした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを作製した。作製した歯ブラシについて、ショートショット、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度を評価し、その結果を表1に示す。
ショートショットの評価は、各例の歯ブラシを目視で確認し、その結果を下記評価基準に従って分類して評価した。
<評価基準>
○:緩衝部の形状に欠けや変形は、認められない。
△:緩衝部の形状に大きな変形は認められないものの、一部に欠けが見られた。
×:緩衝部の形状に大きな変形が認められた。
バリ発生の評価は、各例の歯ブラシを目視でバリ発生の有無を確認し、下記評価基準に従って分類して評価した。
<評価基準>
◎:バリの発生は全く認められなかった。
○:境界部の20%未満の領域でバリ発生が見られた。
△:境界部の20%以上30%未満の領域でバリ発生が見られた。
×:境界部の30%以上の領域でバリ発生が認められた。
剥離の難易は、各例の歯ブラシを5人のモニターが使用し、境界部の剥離が確認できた時点の使用回数の平均値を下記評価基準に従って分類して評価した。
<評価基準>
◎:使用回数200回において、剥離が確認できなかった。
○:使用回数100回以上200回未満で、剥離が確認された。
△:使用回数50回以上100回未満で、剥離が確認された。
×:使用回数50回未満で、剥離が確認された。
植毛強度は、1つの植毛穴中の毛束を専用器具によってつかみ、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて植毛穴から毛束が抜けるまでの最大引張応力(N)を測定した(引張速度20mm/min、n=20)。この測定値を下記評価基準に分類して、植毛強度を評価した。なお、表中には、評価結果と共に測定値をカッコ内に記載した。
<評価基準>
◎:25N以上
○:20N以上25N未満
△:15N以上20N未満
×:15N未満
ショートショット、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の結果を下記評価基準に従って分類し総合評価とした。
<評価基準>
◎:ショートショットの評価が「○」であり、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の評価が「○」又は「◎」である。
○:ショートショットの評価が「○」であり、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の評価が「△」〜「◎」で、かつ「△」が1つ以上ある、又は、ショートショットの評価が「△」であり、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の評価が「○」〜「◎」である。
△:ショートショットの評価が「△」であり、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の評価が「△」〜「◎」で、かつ「△」が1つ以上ある、又は、ショートショット、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の評価に、「×」が1つある。
×:ショートショット、バリ発生、剥離の難易及び植毛強度の評価に、「×」が2つ以上ある。
一方、接合面の角度を180°とした比較例1は、剥離の難易の評価が「×」であった。接合面の角度を90°とした比較例2では、ショートショットの評価が「×」であった。
このことから、接合面を植毛面に対して傾斜させることで、剥離の難易及び植毛強度を維持しながらショートショット、バリ発生を防止できることが判った。また、本発明の適用した歯ブラシはバリ発生を防止できるため、緩衝部の剥離を抑制できることが判った。
2、102、202 ヘッド部
4 植毛穴
5 植毛面
6 側面
7 アール面
20、120、220 基台
22、122、222 接合面
30、130、230 緩衝部
32 境界部
42 穴周縁部
124、232 凸部
132、224 凹部
Claims (5)
- 刷毛が植設されるヘッド部が、刷毛を植設する植毛面とこれに隣接する側面との間がアール面とされ、前記植毛面に複数の植毛穴が形成されると共に、該植毛穴の周縁部が基台の材質より硬度の低い樹脂からなる緩衝部とされた歯ブラシにおいて、
前記緩衝部が前記アール面の領域で前記基台に接合され、
これら緩衝部と基台との接合面が、前記植毛面を基準とし、前記ヘッド部の外側に向かって傾斜する傾斜面とされていることを特徴とする歯ブラシ。 - 前記接合面は、前記植毛面に対して100〜150°の傾斜面であることを特徴とする、請求項1に記載の歯ブラシ。
- 前記接合面には、前記基台と前記緩衝部とのいずれか一方に凸部が形成されると共に、同他方に前記凸部に嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
- 前記緩衝部は、前記基台上の厚さが0.1〜1.0mmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯ブラシ。
- 前記ヘッド部の側面と前記緩衝部の外周縁との間の植毛面方向の距離は、0.1〜0.9mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯ブラシ。
Priority Applications (5)
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JP2009242457A JP5412233B2 (ja) | 2009-10-21 | 2009-10-21 | 歯ブラシ |
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MYPI2012001593A MY168505A (en) | 2009-10-21 | 2010-10-06 | Toothbrush |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009242457A JP5412233B2 (ja) | 2009-10-21 | 2009-10-21 | 歯ブラシ |
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JP2011087702A JP2011087702A (ja) | 2011-05-06 |
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Family Applications (1)
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JP2009242457A Active JP5412233B2 (ja) | 2009-10-21 | 2009-10-21 | 歯ブラシ |
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2009
- 2009-10-21 JP JP2009242457A patent/JP5412233B2/ja active Active
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JP2011087702A (ja) | 2011-05-06 |
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