JP6913899B2 - 溶接裏当て用鋼板 - Google Patents
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そこで、本発明は、現場で溶接裏当て用鋼板を容易に曲げて溶接用裏当て金とするよう、該溶接裏当て用鋼板の角形鋼管のコーナー部の内曲面部に当てるべき部分に、一群の溝が並列に配置されて形成された溝群を工夫して、前記溶接ビードがずれた位置にあっても、角形鋼管のコーナー部の内曲面部に正確に整合して曲げることの出来る溶接裏当て用鋼板を提供することを目的とする。
(1)
角形鋼管である溶接母材の突き合わせ溶接のための、溶接母材のコーナー部の内寸に合わせて曲げて用いられる帯状の溶接裏当て用鋼板において、曲げられて裏当て金として使用されるとき、前記溶接母材の内面に形成される溶接ビードの幅方向の少なくとも一部を収容するため、前記溶接裏当て用鋼板の下辺から上辺に向けて延びる収容凹部を前記溶接裏当て用鋼板の長手方向の一方の端部または中央部に形成し、一方、前記溶接裏当て用鋼板の前記コーナー部の内曲面部に当てるべき部分に、一群の溝が並列に配置された溝群が形成されており、各溝の形状を角形とした場合、溶接裏当て用鋼板における外周円の半径をr(mm)、裏当て用鋼板の厚さをt(mm)、溝の数をn、そして溝の幅をw(mm)としたとき、前記溝群は、下記の式1
n×w=2πr/4(角部における外周長)−2π(r−t)/4(内周長) 式1
から計算された数の溝からなる中央溝群と、前記溶接ビードの角形鋼管における横方向の位置のズレに対応するための、前記中央溝群の両側に連続して形成された溝からなるズレ対応手段とを備えており、
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の端部に設けられているとき、該収容凹部の断面形状が陸上トラックの1/2形状の一部の形状であり、溶接裏当て用鋼板の中央部に設けられているとき、陸上のトラックの1/2形状である
ことを特徴とする溶接裏当て用鋼板。
(2)
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の端部に設けられているとき、前記収容凹部の断面形状が陸上トラックの1/4形状であり、その幅が5〜60mmであり、深さは2〜6mmである前記(1)の溶接裏当て用鋼板。
(3)
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の中央部に設けられているときの、陸上のトラックの1/2形状であるとき、その幅が10〜120mmであり、深さが2〜6mmである前記(1)の溶接裏当て用鋼板。
(4)
角形鋼管である溶接母材の突き合わせ溶接のための、溶接母材のコーナー部の内寸に合わせて曲げて用いられる帯状の溶接裏当て用鋼板において、曲げられて裏当て金として使用されるとき、前記溶接母材の内面に形成される溶接ビードの幅方向の少なくとも一部を収容するため、前記溶接裏当て用鋼板の下辺から上辺に向けて延びる収容凹部を前記溶接裏当て用鋼板の長手方向の一方の端部または中央部に形成し、一方、前記溶接裏当て用鋼板の前記コーナー部の内曲面部に当てるべき部分に、一群の溝が並列に配置された溝群が形成されており、各溝の形状を角形とした場合、溶接裏当て用鋼板における外周円の半径をr(mm)、裏当て用鋼板の厚さをt(mm)、溝の数をn、そして溝の幅をw(mm)としたとき、前記溝群は、下記の式1
n×w=2πr/4(角部における外周長)−2π(r−t)/4(内周長) 式1
から計算された数の溝からなる中央溝群と、前記溶接ビードの角形鋼管における横方向の位置のズレに対応するための、前記中央溝群の両側に連続して形成された溝からなるズレ対応手段とを備えており、
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の端部に設けられているとき、該収容凹部の断面形状が半円状の一部の形状であり、溶接裏当て用鋼板の中央部に設けられているとき、半円状であり、
前記半円状の半径が5〜50mmであることを特徴とする溶接裏当て用鋼板。
(5)
前記ズレ対応手段の溝の数が、1〜8個である前記(1)〜(4)のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
(6)
前記収容凹部が溶接裏当て用鋼板の下辺から上辺まで全体に亘って延びている前記(1)〜(5)のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
(7)
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の上辺から所定間隔隔てた位置まで延びており、前記溶接裏当て用鋼板の前記収容凹部が形成されていない上部部分をルートギャップ決定部とした前記(1)〜(6)のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
(8)
前記ルートギャップ決定部の高さが、4〜10mmである前記(7)の溶接裏当て用鋼板。
(9)
曲げられたときの形状が「L」字形、「ロ」字形、または「コ」字形、である前記(1)〜(8)のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
(10)
前記溶接ビードは、溶接時において、溶接部に形成されることがある増肉部を含む前記(1)〜(9)のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
(11)
前記1〜(10)のいずれかの溶接裏当て用鋼板を曲げて形成した溶接用裏当て金。
図1は、本発明の実施の態様による鋼管の溶接裏当て用鋼板を示す斜視図、図2は、図1の溶接裏当て用鋼板の右側面図、図3は、図1および図2に示した溶接裏当て用鋼板を曲げて形成した裏当て金を鋼管に取り付ける状態を示した斜視図、図4は、図1および図2に示した溶接裏当て用鋼板を曲げて形成した裏当て金を鋼管に取り付けた状態を示した平面図、そして、図5は、溶接裏当て用鋼板の変形例を示す図であり、(a)は収容凹部の断面形状が陸上トラックの1/4形状であるときの平面図、(b)は1/2形状であるときの平面図である。
ここで、本明細書において、陸上トラックの1/2形状とは、図5(b)に示されているように、所定の長さの第1の直線、この第1の直線と同一の長さで有り、該第1の直線に対し所定の間隔を隔てて平行に配置された第2の直線(第1の直線と第2の直線は、両端の位置が揃えられている)、第1の直線と第2の直線の対向する一方端部を結ぶ外にふくれる第1の半円弧、および第1の直線と第2の直線の対向する他方端部を結ぶ外にふくれる第2の半円弧からなる陸上トラック形状を、その長軸方向に延びる対称軸で2つに切った一方の形状をいう。
また、本明細書において、陸上トラックの1/4形状とは、図5(a)に示されているように、前記陸上トラック形状を、その長軸方向および短軸方向に延びる2つの対称軸で4つに切った一つの形状をいう。
n×w=2πr/4(角部における外周長)−2π(r−t)/4(内周長) 式1
から計算された数の溝からなる中央溝群16aと、前記溶接ビードWの角形鋼管における横方向の位置のズレD(図4参照)に対応するための、前記中央溝群16aの両側に連続して形成された溝からなるズレ対応手段用溝または溝群16bを設けたものである。このズレ対応手段用溝または溝群16bの数は、1〜8個が好ましく、実際の溶接ビードの位置のズレDの大きさを考えると。2〜4個が特に好ましい。本溶接裏当て用鋼板10は、前記溝群により容易に曲げることができるので、特にズレ対応手段用溝または溝群16bにより角形鋼管のコーナー部に正確に整合させて曲げることができる。
ここで、本明細書において、溶接ビードとは、溶接時において、図10に示したように、溶接部に形成されることがある増肉部W1を含むものとする。
また溝形成部における残存板厚は、1.2〜2.5mmとする。これらの条件は理論的考案と実験による検証によって定めたものである。
この実施の形態による溶接裏当て用鋼板においては、図6に示されているように、鋼板の中央部または中央部近傍に前記ビードを収容する収容凹部が設けられている。この場合において、収容凹部の断面形状は、図に示した陸上トラックの1/2形状または半円状であることが好ましい。半円状の半径は、5〜50mmであることが好ましい。また、前記収容凹部の断面形状が陸上トラックの1/2形状であるとき、その幅は10〜120mmであり、深さは2〜6mmであることが好ましい。
この溶接裏当て用鋼板は、図7に示されているように、コの字状に曲げられて、溶接用裏当て金として用いられる。
12:収容凹部
14:ルートギャップ決定部
16:溝群
16a:中央溝群
16b:ズレ対応手段用溝または溝群
102:溶接母材(角形鋼管)
103:溶接母材(ダイヤフラム)
104:梁
Claims (11)
- 角形鋼管である溶接母材の突き合わせ溶接のための、溶接母材のコーナー部の内寸に合わせて曲げて用いられる帯状の溶接裏当て用鋼板において、曲げられて裏当て金として使用されるとき、前記溶接母材の内面に形成される溶接ビードの幅方向の少なくとも一部を収容するため、前記溶接裏当て用鋼板の下辺から上辺に向けて延びる収容凹部を前記溶接裏当て用鋼板の長手方向の一方の端部または中央部に形成し、一方、前記溶接裏当て用鋼板の前記コーナー部の内曲面部に当てるべき部分に、一群の溝が並列に配置された溝群が形成されており、各溝の形状を角形とした場合、溶接裏当て用鋼板における外周円の半径をr(mm)、裏当て用鋼板の厚さをt(mm)、溝の数をn、そして溝の幅をw(mm)としたとき、前記溝群は、下記の式1
n×w=2πr/4(角部における外周長)−2π(r−t)/4(内周長) 式1
から計算された数の溝からなる中央溝群と、前記溶接ビードの角形鋼管における横方向の位置のズレに対応するための、前記中央溝群の両側に連続して形成された溝からなるズレ対応手段とを備えており、
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の端部に設けられているとき、該収容凹部の断面形状が陸上トラックの1/2形状の一部の形状であり、溶接裏当て用鋼板の中央部に設けられているとき、陸上のトラックの1/2形状である
ことを特徴とする溶接裏当て用鋼板。 - 前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の端部に設けられているとき、前記収容凹部の断面形状が陸上トラックの1/4形状であり、その幅が5〜60mmであり、深さは2〜6mmである請求項1の溶接裏当て用鋼板。
- 前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の中央部に設けられているときの、陸上のトラックの1/2形状であるとき、その幅が10〜120mmであり、深さが2〜6mmである請求項1の溶接裏当て用鋼板。
- 角形鋼管である溶接母材の突き合わせ溶接のための、溶接母材のコーナー部の内寸に合わせて曲げて用いられる帯状の溶接裏当て用鋼板において、曲げられて裏当て金として使用されるとき、前記溶接母材の内面に形成される溶接ビードの幅方向の少なくとも一部を収容するため、前記溶接裏当て用鋼板の下辺から上辺に向けて延びる収容凹部を前記溶接裏当て用鋼板の長手方向の一方の端部または中央部に形成し、一方、前記溶接裏当て用鋼板の前記コーナー部の内曲面部に当てるべき部分に、一群の溝が並列に配置された溝群が形成されており、各溝の形状を角形とした場合、溶接裏当て用鋼板における外周円の半径をr(mm)、裏当て用鋼板の厚さをt(mm)、溝の数をn、そして溝の幅をw(mm)としたとき、前記溝群は、下記の式1
n×w=2πr/4(角部における外周長)−2π(r−t)/4(内周長) 式1
から計算された数の溝からなる中央溝群と、前記溶接ビードの角形鋼管における横方向の位置のズレに対応するための、前記中央溝群の両側に連続して形成された溝からなるズレ対応手段とを備えており、
前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の端部に設けられているとき、該収容凹部の断面形状が半円状の一部の形状であり、溶接裏当て用鋼板の中央部に設けられているとき、半円状であり、
前記半円状の半径が5〜50mmであることを特徴とする溶接裏当て用鋼板。 - 前記ズレ対応手段の溝の数が、1〜8個である請求項1〜4のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
- 前記収容凹部が溶接裏当て用鋼板の下辺から上辺まで全体に亘って延びている請求項1〜5のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
- 前記収容凹部が、溶接裏当て用鋼板の上辺から所定間隔隔てた位置まで延びており、前記溶接裏当て用鋼板の前記収容凹部が形成されていない上部部分をルートギャップ決定部とした請求項1〜5のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
- 前記ルートギャップ決定部の高さが、4〜10mmである請求項7の溶接裏当て用鋼板。
- 曲げられたときの形状が「L」字形、「ロ」字形、または「コ」字形、である請求項1〜8のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
- 前記溶接ビードは、溶接時において、溶接部に形成されることがある増肉部を含む請求項1〜9のいずれかの溶接裏当て用鋼板。
- 請求項1〜10のいずれかの溶接裏当て用鋼板を曲げて形成した溶接用裏当て金。
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