JP2014231093A - 溶接用裏当金 - Google Patents
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Abstract
【課題】角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金を、作業者が現場において曲げ、角コラムの形状に合わせて容易に当てることができるようにすること、及び溶接の際に裏当金を抜けにくくすること。
【解決手段】2つの平行な長辺11を有する矩形の薄い金属板よりなる裏当金の片面に長辺に垂直な3本以上の溝12を近接して形成し、溝12の深さを長辺に近い部分ほど浅く、溝の中央に近い部分ほど深いものとする。また、3本以上の溝12の幅を、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くする。
【選択図】図1
【解決手段】2つの平行な長辺11を有する矩形の薄い金属板よりなる裏当金の片面に長辺に垂直な3本以上の溝12を近接して形成し、溝12の深さを長辺に近い部分ほど浅く、溝の中央に近い部分ほど深いものとする。また、3本以上の溝12の幅を、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くする。
【選択図】図1
Description
本発明は、角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金に関する。
角鋼管柱やボックス柱などの角コラムは、捩り剛性が高くかつ曲げ剛性に方向性がないなどの優れた力学的特性を有することから、例えば鉄骨建築の柱として多用されている。また、角コラムを鉄骨建築の柱として使用する場合、梁との接合方法として、図6に示すように、角コラム20を鋼板(ダイヤフラム鋼板と呼ばれる)に溶接接合し、そのダイヤフラム鋼板30に梁40を溶接接合する、いわゆる通しダイヤフラム接合形式と呼ばれる方法が多用される。この接合形式を採用する場合、柱である角コラム20とダイヤフラム鋼板30との溶接は図7に溶接部の断面を示すように一般に突き合わせ溶接が用いられ、溶接に際して裏当金10が用いられる。ここで、角コラムの4つの角部はある曲率をもった断面形状をなしており、裏当金もその曲率に沿った形状とする必要がある。
このことから、上述のように角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金について、これを作業者が現場において曲げ、角コラムの形状に合わせて当てることができるようにするため、従前よりいくつかの提案がなされており、その一つとして、金属板の片面に溝を形成したものが知られている(例えば特許文献1)。
このように金属板の片面に溝を形成した裏当金において、裏当金を角コラムの角部の曲率に沿った形状に曲げやすくする点からは、溝を深くしてその溝位置における残存板厚は薄くすることが望まれる。しかし、溝位置における残存板厚を薄くすると、溶接の際に抜けが生じ、ロボット溶接の場合には、作業が停止してしまい、設定のしなおし等を行わなければならず、作業効率が極端に落ちてしまうという新たな問題が発生してしまう。
一方、角コラム内面の角部の曲率(曲率半径R)にはばらつきがあり、裏当金にも製造誤差が幾分ある。したがって、裏当金の溝の寸法形状、溝の間隔は計算値より幾分か余裕を見て製作することが必要である。しかし、この余裕が過大な場合には裏当金の曲げの中心が決まらず、作業の手間が増える問題があった。この問題の解決のために、複数の溝の外側寄りの溝深さを浅くして曲げの中心を予定位置に近づけるなどの提案がなされているが(特許文献2)、この場合、溝底の厚み(残存板厚)が増すと曲げに必要なモーメントが大となり、曲げにくくなる欠点があった。
本発明が解決しようとする課題は、角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金を、作業者が現場において容易に曲げ、角コラムの形状に合わせて容易に当てることができるようにすること、及び溶接の際に裏当金を抜けにくくすることにある。
本発明の裏当金は、角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金であって、2つの平行な長辺を有する矩形の薄い金属板よりなり、該金属板の片面に前記長辺に垂直な3本以上の溝が近接して形成され、前記溝の深さが、前記長辺に近い部分ほど浅く、該溝の中央に近い部分ほど深くなっていることを特徴とするものである。
このように、溝の深さを、金属板の長辺に近い部分ほど浅く、溝の中央に近い部分ほど深くなるようにすることで、溝の中央部分の深さは大きくなるので裏当金を容易に曲げることができ、一方、溶接位置となる長辺に近い部分の溝の深さは小さくなり残存板厚を大きくできるので、溶接の際の抜けが発生しにくくなる。
本発明において、前記溝の底面は、該溝の中央の片面側直上に位置する一点を中心とし、前記長辺に垂直な円に沿う弧状とすることができる。このような溝の底面形状は、円盤状の切削板やリング状の糸鋸を用いて容易に得ることができる。
更に本発明において前記3本以上の溝の幅は、外側の溝では溝幅を狭く、中央又は中央寄りの溝では溝幅を広くなるようにすることができる。これにより、角コラム内面の角部の曲率半径Rの変化に対応可能となり、また予定の曲げ位置が容易に定まり、角コラムに確実にセットすることができる。
また、本発明において前記金属板は典型的には鋼板であり、この場合、その長辺上の溝の部分における厚さ(残存板厚)は1.5mmから2.8mmとすることができる。
本発明によれば、角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金を、作業者が現場において容易に曲げることができ、角コラムの形状に合わせて容易に当てることができる。また、溶接の際に裏当金が抜けにくくなり、ロボット溶接等の溶接の作業効率を向上させることができる。
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例による裏当金の要部を示し、(a)はその正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
同図に示す裏当金10は、2つの平行な長辺11を有する矩形の薄い金属板(鋼板)よりなり、この金属板の片面に長辺11に垂直な3本以上(実施例では7本)の溝12が近接して形成されている。この溝12の深さは、長辺11に近い部分ほど浅く、溝12の中央に近い部分ほど深くなっている。また、本実施例においては、溝12の底面が、溝12の中央の片面側直上に位置する一点Cを中心とし、長辺11に垂直な円に沿う弧状となっている。この円の半径rは130mmから180mm程度が好ましい。更に、本実施例では、溝12の幅が、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くなっている。
ここで、長辺11上の溝12の部分における厚さ(残存板厚)は1.5mmから2.8mm程度が好ましい。また、溝12以外の部分の厚さ(金属板の元厚)は8mmから9mm程度が好ましい。
図2は、本実施例の裏当金10を使用した、角コラム20とダイヤフラム鋼板30との溶接部を示す断面図である。図7でも説明したように、角コラム20とダイヤフラム鋼板30との溶接は一般に突き合わせ溶接が用いられ、溶接に際して裏当金10が用いられる。
本実施例の裏当金10は上述のとおり、その溝12の深さが、長辺11に近い部分ほど浅く、溝12の中央に近い部分ほど深くなっている。したがって、図2に示すように、溶接位置Wとなる長辺に近い部分の溝12の深さは小さくなり残存板厚を大きくできるので、溶接の際の抜けが発生しにくくなる。一方で、溝12の中央に近い部分の深さは大きいので、裏当金10は容易に曲げることができる。
更に、本実施例では、溝12の幅は、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くなるようにしているので、裏当金10を曲げ始めたときに外側寄りの狭い幅の溝が先に閉じ、中央又は中央寄りの広い幅の溝はある量だけ開いたままとなる(有限要素解析による図4A〜図4G参照)。なお、図4A〜図4Gに示す有限要素解析図の解析モデルは図3に示すとおりであり、左端を固定、右端に最大7Nの荷重を負荷するようにし、2次元近似により有限要素解析を行った。
ここで、角コラム内面の角部の曲率半径Rが想定より小さい場合、角コラム内面と裏当金外面との間に隙間が生じる。これに対して本実施例では上述のとおり、中央又は中央寄りの溝は溝幅が広いため溝は閉じずに未だ幾分開いており更に曲げ込む余裕が残っている。したがって、この部分にシャコ万力などで力を負荷することで更に締め込むことが可能であり、その結果、角コラム内面と裏当金外面との間の隙間を埋めることが可能となる。
以下、図5Aを参照して溝幅の設計の具体例を説明する。
図5Aは、裏当金を、その溝の部分における厚さ(残存板厚c)の中心線(c/2)を中立軸として90°曲げた状態を示し、同図に示すように、溝深さをa、溝幅をb、残存厚みをc、隣り合う溝の間隔をh、曲率半径(曲げの外側の半径)をR、溝が閉じたときの角度を2θ、溝数をnとすれば、以下の(1)〜(3)式の関係がある。
tanθ=(b/2)/{a+(c/2)} …(1)式
R=(h/2sinθ)+a+c …(2)式
2nθ=90 …(3)式
tanθ=(b/2)/{a+(c/2)} …(1)式
R=(h/2sinθ)+a+c …(2)式
2nθ=90 …(3)式
例えば、a=7mm、c=2mm、n=7の場合、θ=6.43°、tanθ=0.1127、b=1.8mmが得られる。また、R=50mmの規格の場合には、h=9.2mmが得られる。
この場合には、外側寄りの溝ではb=1.7mm、中央寄りの溝ではb=2mmという設計にする。
この設計に基づき製作した裏当金を角コラムに適用すると、外側寄りの溝群ではtanθ1=0.1063、θ1=6.07°となり、R1=52.5mmまで対応可能である。また、内側寄りの溝群では、tanθ2=0.125、θ2=7.125°となり、R2=45.3mmまで対応可能である。角コラム内面の曲率半径Rが規格の50mmより小であった場合は、中央寄りの溝は閉じずに残っており、上述のとおり更にシャコ万力で締め込んで合わせることが可能となる。その場合の概念図を図5Bに示す。一方、角コラム内面の曲率半径Rが規格の50mmより大であった場合は、先に述べたようにθ1を計算値より小さくとっているので、sinθはより小となり、(2)式から大なるRに対応可能となる。
ここで、本実施例では図1に示したように、溝深さaは溝12の長手方向中央部で深く、長辺11に近い部分ほど浅くなっている。すなわち、長手方向中央部で溝深さaは最大、残存板厚cは最小、長辺11側で溝深さaは最小、残存板厚cは最大となるが、この場合、上記計算例においては、a,cともに平均値を用いて計算すればよい。
なお、本発明では、溝深さaは一定とした上で、上述のとおり溝の幅が、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くなるようにすることもできる。
10 裏当金
11 長辺
12 溝
20 角コラム
30 ダイヤフラム鋼板
40 梁
11 長辺
12 溝
20 角コラム
30 ダイヤフラム鋼板
40 梁
Claims (5)
- 角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金であって、
2つの平行な長辺を有する矩形の薄い金属板よりなり、
該金属板の片面に前記長辺に垂直な3本以上の溝が近接して形成され、
前記溝の深さが、前記長辺に近い部分ほど浅く、該溝の中央に近い部分ほど深くなっていることを特徴とする
溶接用裏当金。 - 前記溝の底面が、該溝の中央の片面側直上に位置する一点を中心とし、前記長辺に垂直な円に沿う弧状となっていることを特徴とする
請求項1に記載の溶接用裏当金。 - 前記3本以上の溝の幅が、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くなっていることを特徴とする
請求項1又は2に記載の溶接用裏当金。 - 前記金属板が鋼板であり、かつ、前記長辺上の溝の部分における厚さが1.5mmから2.8mmであることを特徴とする
請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接用裏当金。 - 角コラムを突き合わせて溶接する際に用いる裏当金であって、
2つの平行な長辺を有する矩形の薄い金属板よりなり、
該金属板の片面に前記長辺に垂直な3本以上の溝が近接して形成され、
前記3本以上の溝の幅が、外側の溝では狭く、中央又は中央寄りの溝では広くなっていることを特徴とする
溶接用裏当金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013114289A JP2014231093A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 溶接用裏当金 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013114289A JP2014231093A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 溶接用裏当金 |
Publications (1)
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JP2014231093A true JP2014231093A (ja) | 2014-12-11 |
Family
ID=52124814
Family Applications (1)
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JP2013114289A Pending JP2014231093A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 溶接用裏当金 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2014231093A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016083681A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 株式会社スノウチ | 溶接裏当て用鋼板 |
JP2016083682A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 株式会社スノウチ | 溶接用裏当て鋼板 |
CN106078056A (zh) * | 2016-08-05 | 2016-11-09 | 刘杰 | 一种焊接模具架及应用该模具架制作电线杆骨架的方法 |
-
2013
- 2013-05-30 JP JP2013114289A patent/JP2014231093A/ja active Pending
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