JP6519174B2 - 接合方法、及び接合構造 - Google Patents
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Description
前記下フランジの幅方向に延びる下フランジ外開先を前記下フランジに形成するとともに、前記ウェブの一部が前記下フランジ外開先の端よりも前記鉄骨柱側に位置するように前記鉄骨梁を加工する鉄骨梁加工ステップと、
前記下フランジ外開先の裏側へ当てるための第一裏当て金及び第二裏当て金を前記下フランジ外開先に設ける裏当て金配置ステップであって、前記第一裏当て金と前記第二裏当て金とが前記幅方向において前記ウェブを挟んだ状態で前記ウェブから見て互いに反対側に位置し、それぞれ前記鉄骨柱と前記下フランジ外開先との間の隙間を塞ぐように配置する裏当て金配置ステップと、
前記第一裏当て金、前記第二裏当て金、及び、前記ウェブの一部によって形成された空間を溶接して埋める第1溶接ステップと、
前記第一裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位から前記第二裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位まで連続的に上向き溶接を行う第2溶接ステップと、
を有し、
前記鉄骨梁加工ステップでは、前記鉄骨柱と前記鉄骨梁とを接合した際に、前記鉄骨柱と前記ウェブの一部との間に水平方向の隙間、及び、鉛直方向の隙間が形成されように前記ウェブを加工する、ことを特徴とする。
このような接合方法によれば、鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する際の作業効率の向上を図るとともに鉄骨梁の変形能力の向上を図ることができる。
また鉄骨梁加工ステップでは、鉄骨柱と鉄骨梁とを接合した際に、鉄骨柱とウェブの一部との間に水平方向の隙間、及び、鉛直方向の隙間が形成されようにウェブを加工するから、鉄骨柱との干渉を避けることができる。
このような接合方法によれば、裏当て金(第一裏当て金及び第二裏当て金)を適切に配置することができる。
このような接合方法によれば、鉄骨柱−ダイアフラム溶接部との干渉を避けることができる。
図1は、比較例1に係る接合構造の概略側面図である。
スカラップ102は、溶接(アーク溶接)をウェブ16近傍で行う際に、溶接トーチのウェブ16との物理的干渉を回避するためのものである。比較例1においてスカラップ102は、ウェブ16の上側であって上フランジ外開先113と対向する位置、及び、ウェブ16の下側であって下フランジ内開先115と対向する位置に設けられている。
裏当て金20は、鉄等の金属製の薄板であり、ダイアフラム7とフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)との突き合わせ溶接を行った際に溶融物がダイアフラム7とフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)の隙間から漏れないようにするためのものである。かかる漏れの発生を防ぐために、フランジの開先の裏側へ当てるための裏当て金20が開先に対応させて設けられている。すなわち、上フランジ外開先113の裏側へ当てるための裏当て金20が上フランジ外開先113に対応させて設けられ、下フランジ内開先115の裏側へ当てるための裏当て金20が下フランジ内開先115に対応させて設けられている。
図2は、比較例2に係る接合構造の概略側面図である。図3Aは、図2のA−A矢視図である。図3Bは、図2のB―B矢視図である。図4は、外開先周辺の拡大図であり、図4の上図と下図は、それぞれ上フランジ外開先13の拡大図と下フランジ外開先15の拡大図である。図5は、分割された裏当て金22(分割裏当て金24及び分割裏当て金26)の形状を表した図である。なお、図3Aにおいて、上フランジ12と下フランジ14は、幅方向の長さが同じであり、ウェブ16に対する水平方向の位置も同じであるので、上から(又は下から)見ると重なってしまう。同図では、上フランジ12と重なって視認されない下フランジ14の各部位を括弧内に示している。
<<梁端接合構造について>>
図6Aは、本実施形態にかかる係る接合構造の概略側面図である。図6Bは、図6AのA−A矢視図である。図7は、図6Aの一点鎖線で囲む部分の拡大図である。また、図8Aは、図7のA−A矢視図、図8Bは図7のB−B矢視図、図8Cは図7のC−C矢視図、図8Dは図7のD−D矢視図である。また、図9は、本実施形態の裏当て金30の斜視図である。なお、図6Bにおいて、下フランジ14と重なって視認されない上フランジ12の各部位を括弧内に示している。
<梁端加工について>
本実施形態では、鉄骨柱5と鉄骨梁10とを接合するよりも前に、予め、工場にて鉄骨梁10の梁端の加工処理(以下、梁端加工と呼ぶ)を行う。以下、図面を用いて梁端加工について説明する。
本実施形態においては、鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合において、2種類の接合、すなわち、ダイアフラム7と各フランジ(上フランジ12、下フランジ14)の接合と、ガセットプレート40とウェブ16の接合が行われるが、後者の方が前者よりも先に行われる。
本実施形態の接合方法について、実験による性能評価を行った。
図14は、性能評価実験の試験体を示す図である。
柱と梁の種類(タイプ)は、以下の通りである(単位mm)
鉄骨柱:□−400×22
鉄骨梁:H−500×200×12×25
なお、鉄骨柱と鉄骨梁との接合部分の構造は前述の実施形態と同じである。ただし、本試験体ではロボットにより溶接を行った。
鉄骨柱の両端をピン固定し、鉄骨梁の先端に荷重Qを加えた(載荷実験)。
図16は、実験により得られた荷重Q-梁塑性率μ関係を示す図である。図の横軸は梁塑性率μを示し、縦軸は荷重Qを示している。本実験において、梁の変形性能の指標である最大塑性率は8、累積塑性変形倍率は86.7であった。
η=Σ(μpi++μpi-)
ここで、
μpi+:第iサイクル正荷重側における塑性変形倍率
μpi-:第iサイクル負荷重側における塑性変形倍率
ここでは、既往文献(性能設計における耐震性能判断基準値に関する研究―JSCA耐震性能メニューの安全限界値と余裕度レベルの検討―、日本建築学会構造系論文集、第604号、pp.183-191、2006年6月)を参考に評価を行った。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
5 鉄骨柱
6 柱本体
6a 柱本体端
7 ダイアフラム
7a ダイアフラム端
10 鉄骨梁
12 上フランジ
12a 上フランジ端
12b 一端
12c 他端
13 上フランジ外開先
14 下フランジ
14a 下フランジ端
14b 一端
14c 他端
15 下フランジ外開先
16 ウェブ
16a ウェブ端
16b 逃げ部
18 接合部
20 裏当て金
22 裏当て金
22a 切り欠き部
22b 短手方向一端
22c 第一短手方向他端
22d 第二短手方向他端
22e 長手方向一端
22f 長手方向他端
24 分割裏当て金
24a 本体部分
24b 延出部分
26 分割裏当て金
26a 本体部分
26b 延出部分
30 裏当て金
30a 当接部
40 ガセットプレート
45 高力ボルト
60 充填溶接部
62 溶接部
102 スカラップ
113 上フランジ外開先
115 下フランジ内開先
Claims (4)
- 鉄骨柱と、上フランジと下フランジとウェブとを備えた鉄骨梁と、を接合する接合方法であって、
前記下フランジの幅方向に延びる下フランジ外開先を前記下フランジに形成するとともに、前記ウェブの一部が前記下フランジ外開先の端よりも前記鉄骨柱側に位置するように前記鉄骨梁を加工する鉄骨梁加工ステップと、
前記下フランジ外開先の裏側へ当てるための第一裏当て金及び第二裏当て金を前記下フランジ外開先に設ける裏当て金配置ステップであって、前記第一裏当て金と前記第二裏当て金とが前記幅方向において前記ウェブを挟んだ状態で前記ウェブから見て互いに反対側に位置し、それぞれ前記鉄骨柱と前記下フランジ外開先との間の隙間を塞ぐように配置する裏当て金配置ステップと、
前記第一裏当て金、前記第二裏当て金、及び、前記ウェブの一部によって形成された空間を溶接して埋める第1溶接ステップと、
前記第一裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位から前記第二裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位まで連続的に上向き溶接を行う第2溶接ステップと、
を有し、
前記鉄骨梁加工ステップでは、前記鉄骨柱と前記鉄骨梁とを接合した際に、前記鉄骨柱と前記ウェブの一部との間に水平方向の隙間、及び、鉛直方向の隙間が形成されように前記ウェブを加工する、ことを特徴とする接合方法。 - 請求項1に記載の接合方法であって、
裏当て金配置ステップでは、前記下フランジと前記ウェブとの接合部に前記第一裏当て金及び前記第二裏当て金がそれぞれ当接するように配置され、
前記接合部に当接する前記第一裏当て金及び前記第二裏当て金の当接部は、テーパー形状である、ことを特徴とする接合方法。 - 請求項1又は2に記載の接合方法であって、
前記鉄骨梁加工ステップでは、前記ウェブの一部の角を斜め形状に加工することを特徴とする接合方法。 - 鉄骨柱と、上フランジと下フランジとウェブとを備えた鉄骨梁と、が接合された接合構造であって、
前記下フランジの幅方向に延びる下フランジ外開先が前記下フランジに形成されているとともに、前記ウェブの一部が前記下フランジ外開先の端よりも前記鉄骨柱側に位置しており、
前記下フランジ外開先の裏側へ当てるための第一裏当て金及び第二裏当て金が前記下フランジ外開先に設けられており、前記第一裏当て金と前記第二裏当て金とが前記幅方向において前記ウェブを挟んだ状態で前記ウェブから見て互いに反対側に位置し、それぞれ前記鉄骨柱と前記下フランジ外開先との間の隙間を塞ぐように配置されており、
前記第一裏当て金、前記第二裏当て金、及び、前記ウェブの一部によって形成された空間が溶接にて埋められており、
前記第一裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位から前記第二裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位までが連続的に溶接されており、
前記鉄骨柱と前記ウェブの一部との間に水平方向の隙間、及び、鉛直方向の隙間が形成されように前記ウェブが加工されている、ことを特徴とする接合構造。
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JP2014262055A JP6519174B2 (ja) | 2014-12-25 | 2014-12-25 | 接合方法、及び接合構造 |
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