JP2016120510A - 接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業の効率の向上を図るとともに変形能力の向上を図る。【解決手段】下フランジの幅方向に延びる下フランジ外開先を下フランジに形成するとともに、ウェブの一部が下フランジ外開先の端よりも鉄骨柱側に位置するように鉄骨梁を加工するステップと、下フランジ外開先の裏側へ当てるための第一裏当て金及び第二裏当て金を下フランジ外開先に設けるステップであって、第一裏当て金と第二裏当て金とが幅方向においてウェブを挟んだ状態でウェブから見て互いに反対側に位置し、それぞれ鉄骨柱と下フランジ外開先との間の隙間を塞ぐように配置するステップと、第一裏当て金、第二裏当て金、及び、ウェブの一部によって形成された空間を溶接して埋めるステップと、第一裏当て金が当てられた下フランジ外開先の部位から第二裏当て金が当てられた下フランジ外開先の部位まで連続的に上向き溶接を行うステップと、を有する。【選択図】図13

Description

本発明は、接合方法に関する。特に、鉄骨柱と、上フランジと下フランジとウェブとを備えた鉄骨梁と、を接合する接合方法に関する。
当該接合方法としては、下フランジの幅方向に延びる開先を下フランジに形成し当該開先に対して溶接を行う手順を含むものが知られている。
特開平10−263810号公報
しかしながら、上記手順においては、接合(溶接)作業の効率が良好でない場合があった。また、例えば鉄骨梁にスカラップを設けていると、地震時にスカラップの部位から亀裂が生じ、鉄骨梁の変形能力が低下するおそれがあった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する際の作業効率の向上を図るとともに鉄骨梁の変形能力の向上を図ることにある。
かかる目的を達成するため、本発明の接合方法は、鉄骨柱と、上フランジと下フランジとウェブとを備えた鉄骨梁と、を接合する接合方法であって、前記下フランジの幅方向に延びる下フランジ外開先を前記下フランジに形成するとともに、前記ウェブの一部が前記下フランジ外開先の端よりも前記鉄骨柱側に位置するように前記鉄骨梁を加工する鉄骨梁加工ステップと、前記下フランジ外開先の裏側へ当てるための第一裏当て金及び第二裏当て金を前記下フランジ外開先に設ける裏当て金配置ステップであって、前記第一裏当て金と前記第二裏当て金とが前記幅方向において前記ウェブを挟んだ状態で前記ウェブから見て互いに反対側に位置し、それぞれ前記鉄骨柱と前記下フランジ外開先との間の隙間を塞ぐように配置する裏当て金配置ステップと、前記第一裏当て金、前記第二裏当て金、及び、前記ウェブの一部によって形成された空間を溶接して埋める第1溶接ステップと、前記第一裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位から前記第二裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位まで連続的に上向き溶接を行う第2溶接ステップと、を有することを特徴とする。
このような接合方法によれば、鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する際の作業効率の向上を図るとともに鉄骨梁の変形能力の向上を図ることができる。
かかる接合方法であって、裏当て金配置ステップでは、前記下フランジと前記ウェブとの接合部に前記第一裏当て金及び前記第二裏当て金がそれぞれ当接するように配置され、前記接合部に当接する前記第一裏当て金及び前記第二裏当て金の当接部は、テーパー形状であることが望ましい。
このような接合方法によれば、裏当て金(第一裏当て金及び第二裏当て金)を適切に配置することができる。
かかる接合方法であって、前記鉄骨梁加工ステップでは、前記鉄骨梁加工ステップでは、前記鉄骨柱と前記鉄骨梁とを接合した際に、前記鉄骨柱と前記ウェブの一部との間に水平方向の隙間、及び、鉛直方向の隙間が形成されように前記ウェブを加工することが望ましい。
このような接合方法によれば、鉄骨柱との干渉を避けることができる。
かかる接合方法であって、前記鉄骨梁加工ステップでは、前記ウェブの一部の角を斜め形状に加工することが望ましい。
このような接合方法によれば、鉄骨柱−ダイアフラム溶接部との干渉を避けることができる。
本発明によれば、鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する際の作業効率の向上を図るとともに鉄骨梁の変形能力の向上を図ることができる。
比較例1に係る接合構造の概略側面図である。 比較例2に係る接合構造の概略側面図である。 図3Aは、図2のA−A矢視図である。図3Bは、図2のB―B矢視図である。 外開先周辺の拡大図である。図4の上図と下図は、それぞれ上フランジ外開先13の拡大図と下フランジ外開先15の拡大図である。 分割された裏当て金22(分割裏当て金24及び分割裏当て金26)の形状を表した図である。 図6Aは、本実施形態にかかる係る接合構造の概略側面図である。図6Bは、図6AのA−A矢視図である。 図6Aの一点鎖線で囲む部分の拡大図である。 図8Aは、図7のA−A矢視図、図8Bは図7のB−B矢視図、図8Cは図7のC−C矢視図、図8Dは図7のD−D矢視図である。 本実施形態の裏当て金30の斜視図である。 本実施形態における梁端加工のフロー図である。 図11A〜図11Dは、梁端加工の状態を示す図である。 現場における鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合手順を示すフロー図である。 図13A〜図13Cは、鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合の状態を示す図である。 性能評価実験の試験体を示す図である。 性能評価実験の載荷スケジュールを示す図である。 実験により得られた荷重Q-梁塑性率μ関係を示す図である。 性能評価実験の評価結果の説明図である。
本実施形態について説明する前に、まず比較例について説明する。
===比較例1===
図1は、比較例1に係る接合構造の概略側面図である。
この接合構造は、鉄骨造1における接合構造であり、当該鉄骨造1は、上下方向(鉛直方向)に延びる鉄骨柱5と水平方向に延びる鉄骨梁10により構成されている。すなわち、図1に示すように、長手方向が上下方向に沿った鉄骨柱5に、長手方向が水平方向に沿った鉄骨梁10が接合されている。
鉄骨柱5は、図1に示すように、柱本体6と当該柱本体6を貫通するダイアフラム7とを備えている。すなわち、鉄骨造1における柱梁接合形式は、所謂梁貫通形式(通しダイアフラム形式)となっている。
また、鉄骨柱5にはガセットプレート40が備えられている。ガセットプレート40は矩形状の薄板であり、当該ガセットプレート40の短手方向一端が、鉄骨柱5に取り付けられている。そして、ガセットプレート40とウェブ16とがウェブ16(ガセットプレート40)の厚み方向(法線方向)において重なるように配置され、8個の高力ボルト45により摩擦接合されている(したがって、ガセットプレート40の一方の面とウェブ16の一方の面が接触している)。
鉄骨梁10は、H形鋼であり、図1に示すように、フランジ(上フランジ12及び下フランジ14)とウェブ16を有している。
上フランジ12と下フランジ14には、それぞれ溶接(具体的には、突き合わせ溶接)を行うための開先(つまり、上フランジ12や下フランジ14の幅方向に延びる開先)が形成されている。比較例1において上フランジ12の開先は外側(上側)に向かって開いた開先(外開先)であり、下フランジ14の開先は内側(上側)に向かって開いた開先(内開先)である。以下、上フランジ12の開先(外開先)のことを、上フランジ外開先113と呼び、下フランジ14の開先(内開先)のことを、下フランジ内開先115と呼ぶ。
また、ウェブ16には、スカラップ102が設けられている。
スカラップ102は、溶接(アーク溶接)をウェブ16近傍で行う際に、溶接トーチのウェブ16との物理的干渉を回避するためのものである。比較例1においてスカラップ102は、ウェブ16の上側であって上フランジ外開先113と対向する位置、及び、ウェブ16の下側であって下フランジ内開先115と対向する位置に設けられている。
また、ダイアフラム7とフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)との接続部分には裏当て金20が設けられている。
裏当て金20は、鉄等の金属製の薄板であり、ダイアフラム7とフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)との突き合わせ溶接を行った際に溶融物がダイアフラム7とフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)の隙間から漏れないようにするためのものである。かかる漏れの発生を防ぐために、フランジの開先の裏側へ当てるための裏当て金20が開先に対応させて設けられている。すなわち、上フランジ外開先113の裏側へ当てるための裏当て金20が上フランジ外開先113に対応させて設けられ、下フランジ内開先115の裏側へ当てるための裏当て金20が下フランジ内開先115に対応させて設けられている。
ここで、下フランジ14の開先が内開先(下フランジ内開先115)となっているのは、下向き溶接(アーク溶接)を行うためである。
なお、比較例1の上下の裏当て金20は、それぞれ1枚の薄板で形成されている。
このように、比較例1では、下向き溶接(アーク溶接)を行うべく下フランジ14の開先が外開先ではなく内開先(下フランジ内開先115)となっている。また、下向き溶接(アーク溶接)をウェブ16近傍で行う際に、溶接トーチのウェブ16との物理的干渉を回避するため、ウェブ16の下側であって下フランジ内開先115と対向する位置にはスカラップ102が設けられている。
比較例1において、作業者が溶接を行う場合、つまり、作業者が下フランジ14の幅方向(図1において、紙面を貫く方向)に沿って下フランジ内開先115に対し突き合わせ溶接を行う場合には、作業者がウェブ16を通り抜けるスペースが存在していないため(スカラップ102ではスペースが足りない)、作業者がウェブ16まで溶接を行った後、溶接作業を一時中断してウェブ16の反対側に回ってから溶接作業を再開する必要がある。すなわち、作業者は前記幅方向に沿って連続的に溶接を行うことができず、このことが鉄骨柱5と鉄骨梁10の接合作業の効率悪化を招くことになる。また、作業者の代わりにロボットが溶接を行う際にも、同様の不都合が存在し、段取り替え(ロボットを一旦取り外して、別の位置で再セットすること)が頻繁に生じる問題が発生する。
また、比較例1では、ウェブ16にスカラップ102が設けられているため、地震時にこの部分から亀裂が発生しやすくなり、鉄骨梁10が充分な変形能力を発揮できないという問題がある。
===比較例2===
図2は、比較例2に係る接合構造の概略側面図である。図3Aは、図2のA−A矢視図である。図3Bは、図2のB―B矢視図である。図4は、外開先周辺の拡大図であり、図4の上図と下図は、それぞれ上フランジ外開先13の拡大図と下フランジ外開先15の拡大図である。図5は、分割された裏当て金22(分割裏当て金24及び分割裏当て金26)の形状を表した図である。なお、図3Aにおいて、上フランジ12と下フランジ14は、幅方向の長さが同じであり、ウェブ16に対する水平方向の位置も同じであるので、上から(又は下から)見ると重なってしまう。同図では、上フランジ12と重なって視認されない下フランジ14の各部位を括弧内に示している。
比較例2の接合構造も、鉄骨柱5と鉄骨梁10によって構成された鉄骨造1の接合構造である。
鉄骨柱5は比較例1と同じ構成なので説明を省略する。
鉄骨梁10は、比較例1と同じH形鋼であり、フランジ(上フランジ12及び下フランジ14)とウェブ16を有している。ただし、比較例2の鉄骨梁10は、ノンスカラップ(形式)の鉄骨梁である。つまり、比較例2のウェブ16には、比較例1のようなスカラップ102が設けられていない。
鉄骨柱5と鉄骨梁10は、互いに対向するように設けられている。すなわち、図2に示すように、鉄骨柱5のダイアフラム7と鉄骨梁10のフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)とが、上下方向において略同じ高さ位置に位置しており、当該ダイアフラム7と当該フランジ(上フランジ12及び下フランジ14)は、間に隙間G1(図4参照)を有した状態で水平方向において対向している。また、柱本体6とウェブ16は、間に隙間G2(図2参照)を有した状態で水平方向において対向している(換言すれば、ウェブ16は、鉄骨柱5との間に隙間G2を備えている)。なお、図2及び図4に示すように、フランジ(上フランジ12及び下フランジ14)の端(上フランジ端12a及び下フランジ端14a)とウェブ16の端(ウェブ端16a)の水平方向における位置が略同じであるのに対し、ダイアフラム7の端(ダイアフラム端7a)は、柱本体6の端(柱本体端6a)よりも、鉄骨梁10に近い位置に位置している。そのため、隙間G2の大きさは隙間G1の大きさよりも大きくなっている。
また、比較例2の上フランジ12と下フランジ14の開先は、いずれも外開先(外側に向かって開いた開先。すなわち、上フランジ12においては、上側に向かって開き、下フランジ14においては、下側に向かって開いた開先)となっている(以下、上フランジ外開先13及び下フランジ外開先15と呼ぶ)。なお、上フランジ外開先13(下フランジ外開先15)は、上フランジ12(下フランジ14)の端部が斜めに削ぎ落とされることにより形成されている。
また、前述したとおり、ダイアフラム7とフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)との間には隙間G1が存在するため、外開先に対し突き合わせ溶接を行った際に溶融物が隙間G1から漏れないようにする必要がある。そして、かかる漏れの発生を防ぐために、外開先の裏側へ当てるための裏当て金20が外開先に対応させて設けられている。すなわち、上フランジ外開先13の裏側へ当てるための裏当て金22が上フランジ外開先13に対応させて設けられ、下フランジ外開先15の裏側へ当てるための裏当て金22が下フランジ外開先15に対応させて設けられている。
比較例2の裏当て金22について、より具体的に説明する。ここでは下側(下フランジ14側)の裏当て金22について説明するが上側(上フランジ12側)についても同じ構成となっている。
裏当て金22は、鉄等の金属製の薄板であり、図3Aに示すように、薄板の長手方向中央部に切り欠き部22aを備えた長方形状を有している。
また、裏当て金22は、図2に示すように、下フランジ14の上方において下フランジ14に接触した状態で設けられている。そして、図2及び図4に示すように、裏当て金22の鉄骨柱5に近い側の短手方向における一端(短手方向一端22bと呼ぶ)の水平方向における位置は、ダイアフラム端7aの水平方向における位置に一致している。
また、図3Aに示すように、裏当て金22の鉄骨柱5から遠い側の短手方向における短手方向他端は、裏当て金22に切り欠き部22aが設けられているため、2箇所(切り欠き部22aがある部分とない部分。前者を第一短手方向他端22c、後者を第二短手方向他端22dと呼ぶ)存在する。
ここで、切り欠き部22aを設けている理由は、裏当て金22とウェブ16との間に物理的な干渉を発生させないようにするためである。そのため、図3Aに示すように、当該干渉を発生させないためにウェブ16が切り欠き部22aに嵌合する(すなわち、ウェブ16が切り欠き部22aに嵌合した状態で接触している)ように切り欠き部22aが備えられている。したがって、第一短手方向他端22cの水平方向における位置は、ウェブ端16aの水平方向における位置に一致している(換言すれば、第一短手方向他端22cはウェブ端16aに接触している)。
また、図3Aに示すように、裏当て金22は、下フランジ14の幅方向における一端から他端までの全ての下フランジ外開先15をカバーするように設けられている。すなわち、図3Aに示すように、裏当て金22の長手方向における一端(長手方向一端22eと呼ぶ)は、下フランジ14の幅方向における一端14bよりも外側に位置し、裏当て金22の長手方向における他端(長手方向他端22fと呼ぶ)は、下フランジ14の幅方向における他端14cよりも外側に位置している。
また、裏当て金22は、図5に示すように、分割された二つの裏当て金(分割裏当て金24及び分割裏当て金26と呼ぶ)から成っている(つまり、裏当て金22は、二つに分割されている)。より具体的には、裏当て金22のうち、ウェブ16(換言すれば、切り欠き部22a)と鉄骨柱5との間に位置する部分(双方に挟まれた部分。すなわち、前述した隙間G2に位置する部分)で、分割されている。換言すれば、裏当て金22の長手方向における分割位置は、ウェブ16に(又は、切り欠き部22aに)対応する位置に位置している。
したがって、分割裏当て金24及び分割裏当て金26は、下フランジ14の幅方向においてウェブ16を挟んだ状態でウェブ16から見て互いに反対側に位置するように、下フランジ外開先15に対応させて設けられている。さらに、隙間G2において分割裏当て金24と分割裏当て金26とが接触するように、分割裏当て金24と分割裏当て金26とが設けられている。
この例では、裏当て金22はその長手方向における中央で分割されている。そのため、分割裏当て金24と分割裏当て金26は、同じ大きさと形状を有している。そして、分割裏当て金24は、矩形状の本体部分(本体部分24aと呼ぶ)と当該本体部分24aから前記長手方向に延出した延出部分(延出部分24bと呼ぶ)とを備え、また、分割裏当て金26は、矩形状の本体部分(本体部分26aと呼ぶ)と当該本体部分26aから前記長手方向に延出した延出部分(延出部分26bと呼ぶ)とを備えており、図3A及び図5に示すように、当該延出部分24bと当該延出部分26bとが向き合った状態で、双方の延出部分の端が接触している。
そして、分割裏当て金24が当てられた外開先の部位から分割裏当て金26が当てられた外開先の部位まで連続的に突き合わせ溶接が行われることにより、鉄骨柱5と鉄骨梁10が(具体的には、鉄骨柱5のダイアフラム7と鉄骨梁10のフランジとが)接合されている。
すなわち、ダイアフラム7と上フランジ12との接合については、分割裏当て金24が当てられた上フランジ外開先13の部位から分割裏当て金26が当てられた上フランジ外開先13の部位まで連続的に突き合わせ溶接が行われることにより、鉄骨柱5と鉄骨梁10が接合されている。より具体的には、上フランジ12の幅方向における一端12bから上フランジ12の幅方向における他端12cまで上フランジ外開先13に対し前記幅方向に沿って連続的に下向き溶接(つまり、溶接姿勢が下向き姿勢である突き合わせ溶接)が行われることにより、鉄骨柱5と鉄骨梁10が接合されている。
一方、ダイアフラム7と下フランジ14との接合については、分割裏当て金24が当てられた下フランジ外開先15の部位から分割裏当て金26が当てられた下フランジ外開先15の部位まで連続的に突き合わせ溶接が行われることにより、鉄骨柱5と鉄骨梁10が接合されている。より具体的には、下フランジ14の幅方向における一端14bから下フランジ14の幅方向における他端14cまで下フランジ外開先15に対し前記幅方向に沿って連続的に上向き溶接(つまり、溶接姿勢が上向き姿勢である突き合わせ溶接)が行われることにより、鉄骨柱5と鉄骨梁10が接合されている。
また、鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合構造については、ダイアフラム7とフランジの上述した接合のみではなく、比較例1と同様に、鉄骨柱5に予め備えられているガセットプレート40にウェブ16が高力ボルト45を用いて摩擦接合されている。
この比較例2の場合、ウェブ16にスカラップを形成していないので、スカラップに起因する亀裂を抑制できる。また、ダイアフラム7と下フランジ14とを接合する際、上向き溶接により連続的に溶接することができ、作業効率の向上を図ることができる。
しかしながら、比較例2では裏当て金22(分割裏当て金24、分割裏当て金26)を図5のように形成する必要があり、手間がかかるという問題がある。また、切り欠き部22aの大きさが少しでもずれると、裏当て金22が取り付けられなかったり、ウェブ16との間に隙間が生じたりするので、加工に高い精度が必要になる。
また、鉄骨梁10のフランジ(上フランジ12、下フランジ14)とウェブ16との間には、通常、出っ張った接合部(後述する接合部18)が形成される。下フランジ14とウェブ16との間にこの接合部があるために、裏当て金22が適切に配置されないおそれがある。この場合、裏当て金22を確実に配置するには、下フランジ14とウェブ16との接合部と対向する裏当て金22の部位を、当該接合部に対応した形状(テーパー形状)に加工する必要があり、さらに加工が困難になる。
また、ウェブ16の端(16a)と鉄骨柱本体6(6a)との隙間G2が比較例1の場合よりも大きくなる。これにより高力ボルト45による接合位置が鉄骨柱5から離れることになる。高力ボルト45による接合位置が鉄骨柱5から接合位置が離れるほど、ガセットプレート40に作用する曲げモーメントが大きくなり、せん断力に対する強度や剛性が低下するおそれがある。
そこで、以下の本実施形態では、裏当て金に加工を施すことなく、作業効率の向上、及び、梁の変形能力の向上を図るようにしている。
===本実施形態===
<<梁端接合構造について>>
図6Aは、本実施形態にかかる係る接合構造の概略側面図である。図6Bは、図6AのA−A矢視図である。図7は、図6Aの一点鎖線で囲む部分の拡大図である。また、図8Aは、図7のA−A矢視図、図8Bは図7のB−B矢視図、図8Cは図7のC−C矢視図、図8Dは図7のD−D矢視図である。また、図9は、本実施形態の裏当て金30の斜視図である。なお、図6Bにおいて、下フランジ14と重なって視認されない上フランジ12の各部位を括弧内に示している。
本実施形態の接合構造も、鉄骨柱5と鉄骨梁10によって構成された鉄骨造1の接合構造である。鉄骨柱5は、前述した比較例1、比較例2と同じであるので説明を省略する。
鉄骨梁10は、H形鋼であり、フランジ(上フランジ12及び下フランジ14)とウェブ16を有している。本実施形態の鉄骨梁10は、比較例2と同じノンスカラップ(形式)の鉄骨梁である。なお、鉄骨梁10は、各フランジとウェブ16との溶接等により製造されており、その境界部分には丸み(換言すればアール)を有した接合部18が形成されている(図8B、図8D等参照)。
また、本実施形態においても各フランジの開先は、いずれも外開先(上フランジ12は上側に向かって開いた上フランジ外開先13、下フランジ14は、下側に向かって開いた下フランジ外開先15)となっている。
ただし、本実施形態では比較例2と比べて、梁端部の形状が異なっている。具体的には、ウェブ16の角部(コーナー部)には逃げ部16b(ウェブの一部に相当)が設けられており、ウェブ16のウェブ端16aは、各フランジ開先(上フランジ外開先13、下フランジ外開先15)の端よりも鉄骨柱5側に位置する。換言すると、フランジ開先(上フランジ外開先13、下フランジ外開先15)の端よりも鉄骨柱5側にウェブ16の逃げ部16bが位置している。
また、この逃げ部16bは、鉄骨柱5と鉄骨梁10とを接合する際の誤差などによる鉄骨柱5(ダイアフラム7)との干渉を避けるべくウェブ16に設けられている。本実施形態では、図7(及び、図11A)に示すように、ダイアフラム7(ダイアフラム端7a)とウェブ16(逃げ部16b)との間には、水平方向及び鉛直方向(上下方向)にそれぞれ小さい(例えば5mm程度の)隙間e1及び隙間e2が形成されている。
鉄骨柱5と鉄骨梁10は、互いに対向するように設けられている。すなわち、図6Aに示すように、鉄骨柱5のダイアフラム7と鉄骨梁10のフランジ(上フランジ12及び下フランジ14)とが、上下方向において略同じ高さ位置に位置している。また、ダイアフラム7と各フランジ(上フランジ12及び下フランジ14)は、水平方向に隙間e1を有した状態で対向している。また、鉄骨柱5の柱本体6と鉄骨梁10のウェブ16とが、上下方向において略同じ高さ位置に位置しており、当該柱本体6と当該ウェブ16は、間に隙間e3(図7参照)を有した状態で水平方向において対向している(換言すれば、ウェブ16は、鉄骨柱5との間に隙間e3を備えている)。なお、図7に示すように、ウェブ16に略斜め形状の逃げ部16bが形成されているため、ウェブ端16aが比較例2の場合よりも柱本体6(鉄骨柱5)側に位置している。すなわち、隙間e3の大きさは、比較例2の隙間G2の大きさよりも小さくなっている。
また、本実施形態では、上下のフランジ開先(上フランジ外開先13、下フランジ外開先15)の裏側には裏当て金30が設けられている。本実施形態においても、裏当て金30は2分割型の裏当て金であり、上下のフランジ開先において、それぞれ、ウェブ16を挟むように2つ設けられている。なお、本実施形態ではウェブ16を挟む2つの裏当て金30は同一形状のものであるので、同一符号を付している。一つのフランジ開先に対して配置される2つの裏当て金30のうちの一方は第一裏当て金に相当し、他方は第二裏当て金に相当する。
裏当て金30は、図9に示すように、矩形状の鉄等の金属製の薄板であり、長手方向の端に当接部30aを有する。当接部30aは、ウェブ16と各フランジとの接合部18の丸みに対応するテーパー形状となっている。このようなテーパー形状の当接部30aを有しているので、各フランジに裏当て金30を適切に配置することができる。なお、このようなテーパー形状の当接部30aを有する裏当て金30としては、例えば、株式会社スノウチ製のCR−F(ノンスカラップ工法用裏当て金)を用いることができる。このように、裏当て金30として、既存の裏当て金をそのまま用いることができるので、比較例2のように加工を行う必要がない。
2つの裏当て金30は、幅方向においてウェブ16を挟んだ状態でウェブ16から見て互いに反対側に位置するように、且つ、当接部30aが接合部18に当接するように、各フランジ(上フランジ12、下フランジ14)にそれぞれ設けられている。
また、各裏当て金30は、鉄骨柱5のダイアフラム7と各フランジ(上フランジ12、下フランジ14)との間の隙間e1を塞ぐようにフランジ開先(上フランジ外開先13、下フランジ外開先15)の裏側に配置されている。ただし、前述したように、ダイアフラム7とウェブ16(逃げ部16b)との間には、水平方向及び鉛直方向(上下方向)にそれぞれ隙間e1及び隙間e2があるため、裏当て金30(より具体的には当接部30a)の一部がウェブ16(より具体的には接合部18)に当接しない。このため、ウェブ16を挟む2つの裏当て金30の当接部30aと、ウェブ16の逃げ部16bとによって空間が形成されることになる。
本実施形態では、この空間は、後述するように溶接(充填溶接)によって埋められている。そして、当該空間には、図7、図8Aに示すように、充填溶接部60が形成されている。
また、図6A、図7に示すように、ダイアフラム7とフランジ開先(上フランジ外開先13、下フランジ外開先15)の間には溶接部62が形成されている。
<<接合方法について>>
<梁端加工について>
本実施形態では、鉄骨柱5と鉄骨梁10とを接合するよりも前に、予め、工場にて鉄骨梁10の梁端の加工処理(以下、梁端加工と呼ぶ)を行う。以下、図面を用いて梁端加工について説明する。
図10は、本実施形態における梁端加工のフロー図である。また、図11A〜図11Dは、梁端加工の状態を示す図である。なお、以下の説明では、下フランジ14側の加工について説明するが、上フランジ12側の加工についても同様である。
まず、図11Aに示すように、鉄骨梁10のフランジ端(下フランジ14の端及びウェブ16の角部)を横から見て矩形状に切断する(フランジ追い込み:S11)。これにより、長手方向において下フランジ14の端とウェブ端16aとの位置が異なることとなる。より具体的には、下フランジ14の端がウェブ端16aよりも内側になる。
次に、図11Bに示すように、下フランジ14の端を斜めに削ぎ落とし、下フランジ外開先15を形成する(S12)。
その後、図11Cに示すように、ウェブ16の角部を斜めに切断(カット)し、ウェブ16に略斜め形状の逃げ部16bを形成する(S13)。
これにより、鉄骨梁10の梁端が図10Dのような形状に加工される。なお、鉄骨梁の梁端をこのような形状に加工するのは、フランジ開先(ここでは下フランジ外開先15)の端よりも鉄骨柱5側にウェブ16の一部が位置するようにするためである。また、鉄骨柱5と鉄骨梁10とを接合した際に、ダイアフラム7(ダイアフラム端7a)とウェブ16の間に水平方向、及び、鉛直方向にそれぞれ隙間e1、e2が形成されるようにするためである(図7、図11A参照)。さらに、鉄骨柱−ダイアフラム溶接部との干渉を避けるためである。
<柱梁接合について>
本実施形態においては、鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合において、2種類の接合、すなわち、ダイアフラム7と各フランジ(上フランジ12、下フランジ14)の接合と、ガセットプレート40とウェブ16の接合が行われるが、後者の方が前者よりも先に行われる。
なお、鉄骨柱5へのガセットプレート40の取り付けは工場で行われており、ガセットプレート40が取り付けられた鉄骨柱5が現場に運ばれる。そして、現場にて鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合が行われる。
図12は、現場における鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合手順を示すフロー図であり、図13A〜図13Cは、鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合の状態を示す図である。ここでも、下フランジ14側について説明するが上フランジ12側についても同様である(ただし、上フランジ12側は下向き溶接を行う)。
現場において作業者は、鉄骨柱5に取り付けられているガセットプレート40にウェブ16を接合する(S21)。具体的には、図13Aに示すように、8個の高力ボルト45を用いて、ガセットプレート40にウェブ16を摩擦接合する。このように、鉄骨柱5に予め取り付けられているガセットプレート40にウェブ16を接合するので、現場での鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合作業がより簡略化される。また、高力ボルト45を用いてウェブ16とガセットプレート40とを摩擦接合しているので、ガセットプレート40を介した鉄骨柱5と鉄骨梁10との接合がより確実なものとなる。
このとき、前述したように、ウェブ16には逃げ部16bが形成されているので、ダイアフラム7(ダイアフラム端7a)と、ウェブ16(逃げ部16b)との間には、水平方向、及び、鉛直方向にそれぞれ隙間e1、e2が形成される。
また、逃げ部16bを形成していることにより、ウェブ端16aと柱本体端6aとの間の隙間e3は、比較例2の隙間G2よりも小さくなる。すなわち、高力ボルト45による接合位置を比較例2の場合よりも鉄骨柱5側に近づけることができる。これにより、比較例2よりもせん断力に対する強度や剛性を高めることができる。
次に、図13Bに示すように、下フランジ外開先15の裏側に裏当て金30を設置する(S22)。この際に、作業者は、当接部30aを、ウェブ16と下フランジ14との接合部18に当接させるようにして、ウェブ16の一方側と他方側に裏当て金30をそれぞれ配置する。より具体的には、2つの裏当て金30を、幅方向においてウェブ16を挟んだ状態でウェブ16から見て互いに反対側に位置し、それぞれ、ダイアフラム7と下フランジ外開先15との間の隙間e1を塞ぐように下フランジ外開先15の裏側に配置する。ただし、本実施形態の裏当て金30は平面形状が矩形であるので、裏当て金30(当接部30a)の一部(図11Aの隙間e1の範囲)が接合部18に当接せず、ウェブ16を挟む2つの裏当て金30(当接部30a)と、ウェブ16の逃げ部16b(下フランジ外開先15の端よりも鉄骨柱5側の部位)とによって空間が形成される。
そこで、この空間を下側から埋めるための溶接(以下、充填溶接ともいう)を行う(S23:第1溶接ステップに相当)。これにより、上記空間に充填溶接部60を形成する。なお、この溶接については、通常の溶接(後述する突合せ溶接)と同じ条件で行うことができる。また、2つの裏当て金30の間の上方にはウェブ16(逃げ部16b)が位置しているので、溶接物が漏れないようにすることができ、上記空間を溶接物で埋めることができる。
充填溶接が終了したら、作業者は、図13Cに示すように、下フランジ外開先15に対して突き合わせ溶接を行う(S24:第2溶接ステップに相当)。すなわち、作業者は、一方の裏当て金30が当てられた下フランジ外開先15の部位から、他方の裏当て金30が当てられた下フランジ外開先15の部位まで連続的に上向き溶接を行う。より具体的には、下フランジ14の幅方向における一端14bから下フランジ14の幅方向における他端14cまで下フランジ外開先15に対し前記幅方向に沿って連続的に上向き溶接を行う。
なお、本実施形態においては、前記上向き溶接及び前記下向き溶接を所謂アーク溶接により行う。また、本実施形態では、作業者が溶接を行っていたが、ロボットにより溶接を行ってもよい。
もし仮に、充填溶接を行わずに、突合せ溶接を行うと、充填溶接部60の部分が空洞となり、鉄骨梁10の変形能力が低下するおそれがある。本実施形態では充填溶接を行うことにより、既存の裏当て金30を用いて、作業工程の効率化を図るとともに、鉄骨梁10の変形能力の向上を図ることができる。
<<実験による性能評価>>
本実施形態の接合方法について、実験による性能評価を行った。
<試験体>
図14は、性能評価実験の試験体を示す図である。
柱と梁の種類(タイプ)は、以下の通りである(単位mm)
鉄骨柱:□−400×22
鉄骨梁:H−500×200×12×25
なお、鉄骨柱と鉄骨梁との接合部分の構造は前述の実施形態と同じである。ただし、本試験体ではロボットにより溶接を行った。
<試験方法>
鉄骨柱の両端をピン固定し、鉄骨梁の先端に荷重Qを加えた(載荷実験)。
図15は、性能評価実験の載荷スケジュールを示す図である。図の横軸はサイクル数を示し、縦軸は梁塑性率μを示している。荷重Qとしては、正負交番漸増繰返し載荷とし、梁の塑性率μ(=δb/δbp)を基準として、μ=±0.5、±2.0、±4.0、±6.0、±8.0、・・・を各2回サイクルずつ載荷する計画とした(ここで、δb:梁部材の変形、δbp:梁部材全塑性耐力時の梁弾性変形量の計算値)。
<試験結果>
図16は、実験により得られた荷重Q-梁塑性率μ関係を示す図である。図の横軸は梁塑性率μを示し、縦軸は荷重Qを示している。本実験において、梁の変形性能の指標である最大塑性率は8、累積塑性変形倍率は86.7であった。
なお、累積塑性変形倍率は、破壊(終局)までのサイクルにおける全履歴曲線により、次式で算出している。
η=Σ(μpi++μpi-)
ここで、
μpi+:第iサイクル正荷重側における塑性変形倍率
μpi-:第iサイクル負荷重側における塑性変形倍率
図17は、性能評価実験の評価結果の説明図である。
ここでは、既往文献(性能設計における耐震性能判断基準値に関する研究―JSCA耐震性能メニューの安全限界値と余裕度レベルの検討―、日本建築学会構造系論文集、第604号、pp.183-191、2006年6月)を参考に評価を行った。
なお、上記文献では梁フランジを溶接接合、梁ウェブを高力ボルトで接合した現場接合タイプの梁端接合部を対象とした既往の実験結果を累積塑性変形倍率に関して評価している。図17は、この文献の評価結果に本実験の評価を追記したものである。本実施形態による梁の変形性能が文献のデータと比べて、非常に優れていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態では、鉄骨柱5と、上フランジ12と下フランジ14とウェブ16とを備えたノンスカラップの鉄骨梁10と、を接合する際に、以下のステップを有している。
すなわち、下フランジ14の幅方向に延びる下フランジ外開先15を下フランジ14に形成するとともに、ウェブ16の逃げ部16bが下フランジ外開先15の端よりも鉄骨柱5側に位置するように鉄骨梁10を加工するステップ(S10〜S12)と、下フランジ外開先15の裏側へ当てるための2つの裏当て金30を、幅方向においてウェブ16を挟んだ状態でウェブ16から見て互いに反対側に位置し、それぞれ鉄骨柱5(ダイアフラム7)と下フランジ外開先15との間の隙間e1を塞ぐように配置するステップ(S22)と、2つの裏当て金30、及び、ウェブ16の逃げ部16bによって形成された空間を充填溶接して埋めるステップ(S23)と、一方の裏当て金30が当てられた下フランジ外開先15の部位から他方の裏当て金30が当てられた下フランジ外開先15の部位まで連続的に上向きの突合せ溶接を行うステップ(S24)と、を有している。
これにより、裏当て金30に比較例2のような加工を施す必要がなく、既存のものを用いて鉄骨柱5と鉄骨梁10とを接合することができる。また、一方の裏当て金30が配置された下フランジ外開先15の部位から、他方の裏当て金30が配置された下フランジ外開先15の部位まで連続的に突合せ溶接することができ、比較例1よりも作業の効率の向上を図ることができる。さらに、本実施形態では、前述したように、鉄骨梁10の変形能力の向上を図ることができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、鉄骨梁10として所謂ストレート梁を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、水平ハンチ付き梁であってもよい。
また、前述の実施形態では、柱梁接合形式として、梁貫通形式(通しダイアフラム形式)を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、所謂柱貫通形式(内ダイアフラム形式)であってもよい。
また、前述の実施形態では、高力ボルト45を用いてガセットプレート40にウェブ16を摩擦接合することとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ガセットプレート40にウェブ16をすみ肉接合(すなわち、すみ肉溶接)することとしてもよい。
また、前述の実施形態では、ウェブ16とフランジ(上フランジ12、下フランジ14)との接合部18は丸み(アール)を有していたが、これに限定されるものではなく、例えば直線状であってもよい。この場合、裏当て金30として、当接部30aが上記直線状に対応するテーパー形状のものを用いればよい。
1 鉄骨造
5 鉄骨柱
6 柱本体
6a 柱本体端
7 ダイアフラム
7a ダイアフラム端
10 鉄骨梁
12 上フランジ
12a 上フランジ端
12b 一端
12c 他端
13 上フランジ外開先
14 下フランジ
14a 下フランジ端
14b 一端
14c 他端
15 下フランジ外開先
16 ウェブ
16a ウェブ端
16b 逃げ部
18 接合部
20 裏当て金
22 裏当て金
22a 切り欠き部
22b 短手方向一端
22c 第一短手方向他端
22d 第二短手方向他端
22e 長手方向一端
22f 長手方向他端
24 分割裏当て金
24a 本体部分
24b 延出部分
26 分割裏当て金
26a 本体部分
26b 延出部分
30 裏当て金
30a 当接部
40 ガセットプレート
45 高力ボルト
60 充填溶接部
62 溶接部
102 スカラップ
113 上フランジ外開先
115 下フランジ内開先

Claims (4)

  1. 鉄骨柱と、上フランジと下フランジとウェブとを備えた鉄骨梁と、を接合する接合方法であって、
    前記下フランジの幅方向に延びる下フランジ外開先を前記下フランジに形成するとともに、前記ウェブの一部が前記下フランジ外開先の端よりも前記鉄骨柱側に位置するように前記鉄骨梁を加工する鉄骨梁加工ステップと、
    前記下フランジ外開先の裏側へ当てるための第一裏当て金及び第二裏当て金を前記下フランジ外開先に設ける裏当て金配置ステップであって、前記第一裏当て金と前記第二裏当て金とが前記幅方向において前記ウェブを挟んだ状態で前記ウェブから見て互いに反対側に位置し、それぞれ前記鉄骨柱と前記下フランジ外開先との間の隙間を塞ぐように配置する裏当て金配置ステップと、
    前記第一裏当て金、前記第二裏当て金、及び、前記ウェブの一部によって形成された空間を溶接して埋める第1溶接ステップと、
    前記第一裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位から前記第二裏当て金が当てられた前記下フランジ外開先の部位まで連続的に上向き溶接を行う第2溶接ステップと、
    を有することを特徴とする接合方法。
  2. 請求項1に記載の接合方法であって、
    裏当て金配置ステップでは、前記下フランジと前記ウェブとの接合部に前記第一裏当て金及び前記第二裏当て金がそれぞれ当接するように配置され、
    前記接合部に当接する前記第一裏当て金及び前記第二裏当て金の当接部は、テーパー形状である、
    ことを特徴とする接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の接合方法であって、
    前記鉄骨梁加工ステップでは、前記鉄骨柱と前記鉄骨梁とを接合した際に、前記鉄骨柱と前記ウェブの一部との間に水平方向の隙間、及び、鉛直方向の隙間が形成されように前記ウェブを加工する、
    ことを特徴とする接合方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の接合方法であって、
    前記鉄骨梁加工ステップでは、前記ウェブの一部の角を斜め形状に加工する
    ことを特徴とする接合方法。
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