JP6913155B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、多層基板に関し、特に複数の絶縁基材層に複数のコイル導体が形成された多層基板、それを備えるアクチュエータおよび多層基板の製造方法に関する。
従来、複数の絶縁基材層を積層してなる積層体に、コイルが形成された多層基板が知られている。例えば、特許文献1には、複数の絶縁基材層に形成された複数のコイル導体によりコイルが構成された多層基板が開示されている。上記多層基板では、パターンの印刷位置のずれや積層位置のずれに起因するコイル導体間の浮遊容量のばらつきを抑制するため、複数の絶縁基材層の積層方向において隣接する複数のコイル導体のうち、一方のコイル導体の線幅を他方のコイル導体の線幅よりも細くしている。
特開平5−36532号公報
熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層を積層して積層体を形成する場合がある。しかし、その場合には、積層体を形成する際の加熱加圧時に絶縁基材層が流動して、コイル導体の位置ずれが生じる虞がある。特に、線幅の細いコイル導体は、線幅の太いコイル導体に比べて位置ずれが生じやすい。
また、積層体の表層付近は、加熱加圧時にプレス機による熱の影響を受けやすく、積層体の表層付近に配置されるコイル導体は位置ずれを生じやすい。そのため、積層体の表層付近に線幅の細いコイル導体が配置されている場合には、その線幅の細いコイル導体の位置ずれが大きくなりやすく、所定のコイルの特性が得られないことがある。
本発明の目的は、複数の絶縁基材層に形成される複数のコイル導体を含んだコイルを備える構成において、積層体の形成時におけるコイル導体の位置ずれを抑制することにより、コイルの特性変化を抑制した多層基板それを備えるアクチュエータおよび多層基板の製造方法を提供することにある。
(1)本発明の多層基板は、
第1主面を有し、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層を積層して形成される積層体と、
前記複数の絶縁基材層に形成される複数のコイル導体を含んで構成され、前記複数の絶縁基材層の積層方向に巻回軸を有するコイルと、
を備え、
前記複数のコイル導体は、前記第1主面に最も近接する第1コイル導体と、前記第1コイル導体に隣接して配置され、前記第1コイル導体の線幅よりも線幅の広い幅広部を有する第2コイル導体と、を有し、
前記幅広部は、前記積層方向から視て前記第1コイル導体に重なる重なり部と、前記積層方向から視て前記第1コイル導体に重ならない非重なり部と、を有し、
前記非重なり部は、前記重なり部よりも前記第1主面に近接するように湾曲していることを特徴とする。
一般に、積層体の表層付近は加熱加圧時にプレス機による熱の影響を受けやすく、積層体の表層付近に配置されるコイル導体は加熱加圧時に位置ずれを生じやすい。一方、この構成では、積層体を形成する際の加熱加圧時の第1主面付近の絶縁基材層の流動(特に面方向への流動)が、湾曲した非重なり部(第2コイル導体)によって抑制される。そのため、この構成により、積層体の第1主面付近に最も近接する第1コイル導体の、加熱加圧時における位置ずれ(特に面方向への位置ずれ)が抑制され、第1コイル導体の位置ずれや変形等に伴うコイルの特性変化を抑制できる。
また、一般に、線幅の細いコイル導体は、線幅の太いコイル導体に比べて、積層体を形成する際の加熱加圧時に熱可塑性樹脂からなる絶縁基材層の流動により位置ずれが生じやすい。そのため、積層体の第1主面に最も近接する第1コイル導体の線幅が、他のコイル導体の線幅よりも細い場合に、上記構成が特に有効である。
さらに、この構成では、第2コイル導体(幅広部)の非重なり部が湾曲しているため、非重なり部が湾曲していない場合に比べて、加熱加圧時における第2コイル導体の位置ずれは生じ難い。
(2)上記(1)において、一部が前記積層方向における前記第1コイル導体の位置と同じ位置まで湾曲していることが好ましい。この構成により、加熱加圧時における第1主面付近の絶縁基材層の流動がさらに抑制されるため、第1コイル導体の加熱加圧時における位置ずれはさらに抑制される。
(3)上記(1)または(2)において、前記非重なり部は、前記積層方向から視て、前記幅広部のうち、前記第2コイル導体の径方向の外周側に位置していることが好ましい。この構成では、非重なり部が、コイルの磁界形成(コイルのコイル開口を通る磁束の形成)を妨げることがない。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記非重なり部は、前記積層方向から視て、前記幅広部のうち、前記第2コイル導体の径方向の内周側に位置していてもよい。この構成では、例えば、加熱加圧時の温度において熱可塑性樹脂よりも低流動性の部材(層間接続導体や他の導体)がコイルの外側に形成される場合、第1コイル導体が上記部材と非重なり部とで挟まれるため、加熱加圧時における第1コイル導体の位置ずれがさらに抑制される。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第1コイル導体は、前記積層方向から視て、面積の1/2以上が前記幅広部に重なることが好ましい。第1コイル導体のうち、積層方向から視て幅広部に重なっていない部分が多い場合には、第1コイル導体の位置ずれや変形等が生じやすくなる。そのため、この構成により、第1コイル導体の位置ずれや変形等を抑制できる。
(6)本発明のアクチュエータは、
上記(1)から(5)のいずれかの多層基板と、
磁石と、
を備え、
前記磁石は、前記複数のコイル導体のうち、前記第1コイル導体に最も近接して配置されることを特徴とする。
この構成により、加熱加圧時における第1コイル導体の位置ずれや変形等に伴う、コイルの特性変化が抑制された多層基板を備えるアクチュエータを実現できる。
(7)本発明における多層基板の製造方法は、
第1主面を有し、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層を積層して形成される積層体と、
第1コイル導体、および前記第1コイル導体の線幅よりも線幅の広い幅広部を有する第2コイル導体を有する複数のコイル導体を含んで構成されるコイルと、
を備える多層基板の製造方法であって、
熱可塑性樹脂からなる前記複数の絶縁基材層に、前記複数のコイル導体を形成する、コイル導体形成工程と、
前記コイル導体形成工程の後に、前記積層体を形成したときに前記複数のコイル導体のうち前記第1コイル導体が前記第1主面に最も近接するように、且つ、前記第2コイル導体が前記第1コイル導体に隣接するように、前記複数の絶縁基材層を積層する積層工程と、
前記積層工程の後に、積層した前記複数の絶縁基材層を加熱加圧して前記積層体を形成することにより、前記幅広部のうち、前記複数の絶縁基材層の積層方向から視て前記第1コイル導体と重ならない非重なり部を、前記幅広部のうち前記積層方向から視て前記第1コイル導体と重なる重なり部よりも前記第1主面に近接するように湾曲させる、積層体形成工程と、
を備えることを特徴とする。
この製造方法により、積層体の形成時におけるコイル導体の位置ずれを抑制することにより、コイルの特性変化を抑制した多層基板を容易に製造できる。
本発明によれば、複数の絶縁基材層に形成される複数のコイル導体を含んだコイルを備える構成において、積層体の形成時におけるコイル導体の位置ずれを抑制することにより、コイルの特性変化を抑制した多層基板およびそれを備えるアクチュエータが得られる。
図1(A)は第1の実施形態に係る多層基板101の外観斜視図であり、図1(B)は多層基板101の分解斜視図である。 図2は、多層基板101の断面図である。 図3は、多層基板101を備えた電子機器401の主要部を示す断面図である。 図4は多層基板101の製造工程を順に示す断面図である。 図5(A)は第2の実施形態に係る多層基板102の斜視図であり、図5(B)は多層基板102の断面図である。 図6(A)は第3の実施形態に係る多層基板103の平面図であり、図6(B)は多層基板103の断面図である。 図7は、多層基板103の分解平面図である。 図8は、第4の実施形態に係る多層基板104の断面図である。 図9は、第5の実施形態に係る多層基板105の断面図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係る多層基板101の外観斜視図であり、図1(B)は多層基板101の分解斜視図である。図2は、多層基板101の断面図である。なお、図1(B)では、構造を分かりやすくするため、幅広部WPをハッチングで示している。また、図2において、各部の厚みは誇張して図示している。以降の各実施形態における断面図についても同様である。
多層基板101は、積層体10、積層体10に形成されるコイルL1(後に詳述する)および外部電極P1,P2等を備える。
積層体10は、長手方向がX軸方向に一致する矩形の平板であり、互いに対向する第1主面VS1および第2主面VS2を有する。積層体10は、図1(B)に示すように、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層14,13,12,11を順に積層して形成される。複数の絶縁基材層11,12,13,14は、それぞれ可撓性を有し、長手方向がX軸方向に一致する矩形の平板である。複数の絶縁基材層11,12,13,14は、例えば液晶ポリマー(LCP)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主材料とするシートである。
絶縁基材層11の表面には、コイル導体CP1が形成されている。コイル導体CP1は、絶縁基材層11の外周に沿って巻回される約1ターンの矩形ループ状の導体である。コイル導体CP1は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層11には、層間接続導体V1,V3が形成されている。
絶縁基材層12の表面には、コイル導体CP2および導体21が形成されている。コイル導体CP2は、絶縁基材層12の外周に沿って巻回される約1ターンの矩形ループ状の導体である。導体21は、絶縁基材層12の第1辺(図1(B)における絶縁基材層12の左辺)中央付近に配置される矩形の導体である。コイル導体CP2および導体21は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層12には、層間接続導体V2,V4が形成されている。
絶縁基材層13の表面には、コイル導体CP3および導体22が形成されている。コイル導体CP3は、絶縁基材層13の外周に沿って巻回される約1ターンの矩形ループ状の導体である。導体22は、絶縁基材層13の第1辺(図1(B)における絶縁基材層13の左辺)中央付近に配置される矩形の導体である。コイル導体CP3および導体22は、例えばCu箔等の導体パターンである。
また、絶縁基材層13には、層間接続導体V5,V7が形成されている。
絶縁基材層14の裏面には、外部電極P1,P2が形成されている。外部電極P1は、絶縁基材層14の第1辺(図1(B)における絶縁基材層14の左辺)中央付近に配置される矩形の導体である。外部電極P2は、絶縁基材層14の第2辺(図1(B)における絶縁基材層14の右辺)中央付近に配置される矩形の導体である。外部電極P1,P2は、例えばCu箔等の導体パターンである。
また、絶縁基材層14には、層間接続導体V6,V8が形成されている。
図1(B)に示すように、コイル導体CP1の第1端は、層間接続導体V1を介して、コイル導体CP2の第1端に接続される。コイル導体CP2の第2端は、層間接続導体V2を介して、コイル導体CP3の第1端に接続される。このように、絶縁基材層11,12,13にそれぞれ形成されるコイル導体CP1,CP2,CP3および層間接続導体V1,V2を含んで、約3ターンのコイルL1が形成される。コイルL1は、積層体10に形成され、複数の絶縁基材層11,12,13,14の積層方向(Z軸方向)に沿った巻回軸AXを有する。
なお、本実施形態では、コイルL1の巻回軸AXが、複数の絶縁基材層11,12,13,14の積層方向(Z軸方向)に一致する例を示したが、コイルL1の巻回軸AXはZ軸方向と厳密に一致することに限るものではない。本発明において「複数の絶縁基材層の積層方向に沿った巻回軸を有する」とは、例えばコイルL1の巻回軸AXがZ軸方向に対して−30°から+30°の範囲内である場合も含む。
また、コイルL1の一端(コイル導体CP1の第2端)は、外部電極P1に接続され、コイルL1の他端(コイル導体CP3の第2端)は、外部電極P2に接続される。具体的には、図1(B)に示すように、コイルL1の一端(コイル導体CP1の第2端)が、導体21,22および層間接続導体V3,V4,V5,V6を介して、外部電極P1に接続される。また、コイルL1の他端(コイル導体CP3の第2端)は、層間接続導体V7,V8を介して、外部電極P2に接続される。
図2に示すように、複数のコイル導体CP1,CP2,CP3のうち、コイル導体CP1は積層体10の第1主面VS1に最も近接しており、コイル導体CP2は、コイル導体CP1に隣接して配置されている。
本実施形態では、コイル導体CP1が本発明における「第1コイル導体」に相当し、コイル導体CP2が本発明における「第2コイル導体」に相当する。
また、図1(B)に示すように、第2コイル導体(コイル導体CP2)は、第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅よりも線幅の広い幅広部WPを有する。本実施形態では、コイル導体CP2全体が幅広部WPである。図2に示すように、第2コイル導体(コイル導体CP2)の幅広部(WP)は、Z軸方向から視て第1コイル導体(コイル導体CP1)に重なる重なり部OP1と、Z軸方向から視て第1コイル導体(コイル導体CP1)に重ならない非重なり部NOP1と、を有する。図2に示すように、非重なり部NOP1は、重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接するように湾曲(または屈曲)している。
本実施形態では、第1コイル導体(コイル導体CP1)の面積の1/2以上が、第2コイル導体(コイル導体CP2)の幅広部WPに重なっている。また、本実施形態では、非重なり部NOP1が、第2コイル導体(コイル導体CP2)の径方向の内周側(コイル導体CP2のうち巻回軸AXに近い側)に位置している。
多層基板101は、例えば次のように用いられる。図3は、多層基板101を備えた電子機器401の主要部を示す断面図である。
電子機器401は、アクチュエータ301、回路基板201等を備える。アクチュエータ301は、多層基板101、磁石3および可動体4等を備えており、電子機器401に組み込まれている。なお、アクチュエータ301において、可動体4は必須ではない。
多層基板101は、回路基板201に実装されている。具体的には、多層基板101の外部電極P1,P2が、導電性接合材2を介して、回路基板201の表面に形成された導体21,22にそれぞれ接続されている。導電性接合材2は例えばはんだである。
図3に示す磁石3は、可動体4に取り付けられている。磁石3は、図3に示すように、複数のコイル導体CP1,CP2,CP3のうち、第1コイル導体(コイル導体CP1)に最も近接して配置されている。すなわち、磁石3は、積層体10の第2主面VS2側ではなく、第1主面VS1側に配置される。
コイルL1に所定の電流を流すと、コイルL1から放射される磁界によって、磁石3および可動体4は積層方向(Z軸方向)の直交方向(Y軸方向)に変位する(図3に示す白抜き矢印参照。)。
本実施形態に係る多層基板101およびアクチュエータ301によれば、次のような効果を奏する。
(a)一般に、積層体の表層付近は加熱加圧時にプレス機による熱の影響を受けやすく、積層体の表層付近に配置されるコイル導体は加熱加圧時に位置ずれを生じやすい。一方、本実施形態では、第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅よりも線幅の広い幅広部WPを有する第2コイル導体(コイル導体CP2)が、第1コイル導体に隣接して配置されており、第2コイル導体の非重なり部NOP1が、重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接するように湾曲している。この構成では、積層体10を形成する際の加熱加圧時の第1主面VS1付近の絶縁基材層の流動(特に面方向への流動)が、湾曲した非重なり部NOP1(第2コイル導体)によって抑制される。そのため、この構成により、積層体10の表面(第1主面VS1)付近に最も近接する第1コイル導体の、加熱加圧時における位置ずれ(図2における矢印で示す方向への第1コイル導体の位置ずれ)が抑制され、第1コイル導体の位置ずれや変形等に伴うコイルの特性変化を抑制できる。
また、一般に線幅の細いコイル導体は、線幅の太いコイル導体に比べて、積層体を形成する際の加熱加圧時に熱可塑性樹脂からなる絶縁基材層の流動により位置ずれが生じやすい。そのため、本実施形態に係る多層基板101のように、積層体10の表面(第1主面VS1)に最も近接するコイル導体CP1の線幅が、他のコイル導体CP2,CP3の線幅よりも細い場合に、上記構成が特に有効である。
なお、本実施形態では、加熱加圧時においてそれぞれ逆方向(図2における矢印を参照)への第1コイル導体の位置ずれを抑制するように、非重なり部NOP1が第1主面VS1に近接するように湾曲している。この構成により、一方向への第1コイル導体の位置ずれが抑制されるように非重なり部NOP1が湾曲されている場合に比べて、加熱加圧時における第1コイル導体の位置ずれはさらに抑制される。
(b)また、多層基板101では、第2コイル導体(コイル導体CP2)が、第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅よりも線幅の広い幅広部WPを有する。そのため、第1コイル導体に比べて、加熱加圧時における第2コイル導体の位置ずれは生じ難い。さらに、多層基板101では、幅広部WPの非重なり部NOP1が湾曲しているため、非重なり部NOP1が湾曲していない場合に比べて、加熱加圧時における第2コイル導体の位置ずれは生じ難い。
(c)また、本実施形態では、複数のコイル導体CP1,CP2,CP3のうち、第1主面VS1に最も近接する第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅が、他のコイル導体CP2,CP3の線幅よりも細い。一般的に、コイルを構成するコイル導体(パターン)の線幅が太い場合に比べて、コイル導体の線幅が細い場合の方がコイル導体の周囲に発生する磁束は多くなる。したがって、この構成により、第1主面に最も近接する第1コイル導体と磁石との相互作用による電磁力を大きくできる。
(d)また、本実施形態では、第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅が、それ以外のコイル導体CP2,CP3よりも細い。すなわち、第1コイル導体の線幅だけを細くすることにより、コイルの導体損失を同じ条件にして複数のコイル導体全ての線幅を同じにした場合に比べて、磁石とコイルとの相互作用による電磁力を大きくできる。また、この構成により、電磁力を同じ条件にして複数のコイル導体CP1,CP2,CP3全ての線幅を同じにした場合に比べて、コイルの導体損失の大幅な増加が抑制される。
(e)また、本実施形態では、非重なり部NOP1が、第2コイル導体(コイル導体CP2)の径方向の内周側(コイル導体CP2のうち巻回軸AXに近い側)に位置しており、層間接続導体V3,V4,V5,V6等がコイルL1の外側に配置されている。この構成では、第1コイル導体(コイル導体CP1)が、加熱加圧時の温度において絶縁基材層(熱可塑性樹脂)よりも低流動性の部材(層間接続導体や他の導体)と、非重なり部NOP1とで挟まれている。そのため、加熱加圧時における第1コイル導体の位置ずれがさらに抑制される。
なお、上記低流動性の部材は上記加熱加圧時に存在すればよい。つまり、後述する集合基板の段階で存在すれば、同様の作用効果が得られる。したがって、個片に分離した後の状態で、各個片に上記低流動部材が存在しないこともあり得る。
(f)本実施形態では、第1コイル導体(コイル導体CP1)が、Z軸方向から視て、面積の1/2以上が第2コイル導体(コイル導体CP2)の幅広部WPに重なっている。第1コイル導体のうち、積層方向から視て幅広部WPに重なっていない部分が多い場合には、第1コイル導体の位置ずれや変形等が生じやすくなる。そのため、この構成により、第1コイル導体の位置ずれや変形等を抑制できる。
本実施形態に係る多層基板101は、例えば次の工程で製造される。図4は多層基板101の製造工程を順に示す断面図である。なお、図4では、説明の都合上ワンチップ(個片)での製造工程で説明するが、実際の多層基板の製造工程は集合基板状態で行われる。
まず、図4中の(1)に示すように、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層11,12,13,14を準備する。絶縁基材層11,12,13,14は、例えば液晶ポリマー(LCP)等のシートである。
その後、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層11,12,13,14に、コイル導体CP1,CP2,CP3、導体21,22および外部電極P1,P2をそれぞれ形成する。具体的には、集合基板状態の絶縁基材層11,12,13の表面に金属箔(例えばCu箔)をラミネートし、その金属箔をフォトリソグラフィでパターンニングすることで、絶縁基材層11,12,13の表面にコイル導体CP1,CP2,CP3および導体21,22を形成する。また、集合基板状態の14の裏面に金属箔(例えばCu箔)をラミネートし、その金属箔をフォトリソグラフィでパターンニングすることで、絶縁基材層14の裏面に外部電極P1,P2を形成する。
なお、第2コイル導体(コイル導体CP2)は、第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅よりも線幅の広い幅広部(WP)を有する。
熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層11,12,13に、第1コイル導体(コイル導体CP1)および第2コイル導体(コイル導体CP2)を有する複数のコイル導体CP1,CP2,CP3を形成するこの工程が、本発明における「コイル導体形成工程」の一例である。
また、複数の絶縁基材層11,12,13,14には、層間接続導体(図1(B)における層間接続導体V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8)が形成される。層間接続導体は、レーザー等で貫通孔を設けた後、Cu,Ag,Sn,Ni,Mo等のうち1以上もしくはそれらの合金を含む導電性ペーストを配設し、後の加熱加圧で硬化(固化)させることによって設けられる。そのため、層間接続導体は、後の加熱加圧時の温度よりも融点(溶融温度)が低い材料とする。
次に、図4中の(2)に示すように、剛性の高い台座5の上に、絶縁基材層14,13,12,11の順に積層する。このとき、第1コイル導体(コイル導体CP1)が積層体を形成したときに複数のコイル導体CP1,CP2,CP3のなかで積層体の第1主面に最も近接するように、複数の絶縁基材層11,12,13,14が積層される。また、第2コイル導体(コイル導体CP2)が第1コイル導体(コイル導体CP1)に隣接するように、複数の絶縁基材層11,12,13,14が積層される。
上記「コイル導体形成工程」の後に、積層体を形成したときに複数のコイル導体CP1,CP2,CP3のうち第1コイル導体が第1主面に最も近接するように、且つ、第2コイル導体が第1コイル導体に隣接するように、複数の絶縁基材層11,12,13,14を積層するこの工程が、本発明における「積層工程」の一例である。
次に、積層した複数の絶縁基材層11,12,13,14を加熱加圧して積層体10を形成する。具体的には、積層した複数の絶縁基材層11,12,13,14を加熱し、図4中の(2)に示す白抜き矢印の方向から静水圧による等方圧プレス(加圧)を行う。
このとき、幅広部のうちZ軸方向から視て第1コイル導体に重ならない非重なり部NOP1は、幅広部のうちZ軸方向から視て第1コイル導体(コイル導体CP1)に重なる重なり部OP1よりも、積層方向に重なる導体の数が少ない。そのため、重なり部OP1付近に比べて、加熱加圧時における非重なり部NOP1付近の絶縁基材層は変形しやすく、非重なり部NOP1は重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接するように湾曲する。
上記「積層工程」の後に、積層した複数の絶縁基材層11,12,13,14を加熱加圧して積層体10を形成することにより、重なり部OP1を、重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接するように湾曲されるこの工程が、本発明における「積層体形成工程」の一例である。
最後に、集合基板から個々の個片に分離して、図4中の(3)に示すような多層基板101を得る。
上記の製造方法により、積層体の形成時におけるコイル導体の位置ずれを抑制することにより、コイルの特性変化を抑制した多層基板を容易に製造できる。
なお、上記の製造方法では、積層した複数の絶縁基材層11,12,13,14を加熱して静水圧による等方圧プレス(加圧)することにより、積層体10を形成する方法を示したが、積層体の形成方法はこれに限定されるものではない。例えば、剛性の高い台座の上に複数の絶縁基材層を積層した後、シリコン等の剛性の低いクッション材を介して、積層した複数の絶縁基材層を剛性の高い部材でプレス(擬似的な等方圧プレス)することにより、積層体を形成してもよい。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、コイルの構成が第1の実施形態とは異なる例を示す。
図5(A)は第2の実施形態に係る多層基板102の斜視図であり、図5(B)は多層基板102の断面図である。
多層基板102は、積層体10、積層体10に形成されるコイルL2および外部電極P1,P2等を備える。
多層基板102は、コイルL2の構成が、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる。その他の構成については、多層基板101と同じである。
以下、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる部分について説明する。
本実施形態に係るコイルL2は、図5(B)に示すように、重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接して湾曲している非重なり部NOP2が、第2コイル導体(コイル導体CP2)の径方向(Y軸方向またはX軸方向)の外周側(コイル導体CP2のうち巻回軸AXから遠い側)に位置している。その他の構成については、第1の実施形態で説明したコイルL1と実質的に同じである。
本実施形態に係る多層基板102によれば、第1の実施形態で述べた効果以外に、次のような効果を奏する。
本実施形態では、非重なり部NOP2が、第2コイル導体(コイル導体CP2)の径方向(Y軸方向またはX軸方向)の外周側に位置している。この構成では、非重なり部NOP2が、コイルL2の磁界形成(コイルL2のコイル開口を通る磁束の形成)を妨げることがない。また、この構成により、第2コイル導体の径方向の内周側に非重なり部が位置している場合に比べて、コイルのコイル開口を広くできるため、磁石とコイルとの相互作用による電磁力を高めることができる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、コイルの構成が、以上に示した各実施形態とは異なる例を示す。
図6(A)は第3の実施形態に係る多層基板103の平面図であり、図6(B)は多層基板103の断面図である。図7は、多層基板103の分解平面図である。なお、図7では、構造を分かりやすくするため、幅広部WPをハッチングで示している。
多層基板103は、積層体10、積層体10に形成されるコイルL3(後に詳述する)および外部電極P1,P2等を備える。
多層基板103は、コイルL3の構成が、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる。その他の構成については、多層基板101と同じである。
以下、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる部分について説明する。
積層体10は、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層11,12,13,14を積層して形成される。
絶縁基材層11の表面には、コイル導体CP1が形成されている。コイル導体CP1は、絶縁基材層11の外周に沿って巻回される約1.5ターンの矩形スパイラル状の導体である。また、絶縁基材層11には、層間接続導体V1,V2が形成されている。
絶縁基材層12の表面には、コイル導体CP2および導体21が形成されている。コイル導体CP2は、絶縁基材層12の外周に沿って巻回される約2ターンの矩形スパイラル状の導体である。導体21は、絶縁基材層12の第1辺(図7における絶縁基材層12の左辺)中央付近に配置される矩形の導体である。また、絶縁基材層12には、層間接続導体V3,V6が形成されている。
絶縁基材層13の表面には、導体22,23が形成されている。導体22は、絶縁基材層13の第1辺(図7における絶縁基材層13の左辺)中央付近に配置される矩形の導体である。導体23は、絶縁基材層13の第2辺(図7における絶縁基材層13の右辺)中央付近に配置される矩形の導体である。また、絶縁基材層13には、層間接続導体V4,V7が形成されている。
絶縁基材層14の裏面には、外部電極P1,P2が形成されている。外部電極P1は、絶縁基材層14の第1辺(図7における絶縁基材層14の左辺)中央付近に配置される矩形の導体である。外部電極P2は、絶縁基材層14の第2辺(図7における絶縁基材層14の右辺)中央付近に配置される矩形の導体である。また、絶縁基材層14には、層間接続導体V5,V8が形成されている。
図7等に示すように、コイル導体CP1の第1端は、層間接続導体V1を介して、コイル導体CP2の第1端に接続される。このように、絶縁基材層11,12にそれぞれ形成されるコイル導体CP1,CP2および層間接続導体V1を含んで、約3.5ターンのコイルL3が形成される。
また、コイルL3の一端(コイル導体CP1の第2端)は、外部電極P1に接続され、コイルL3の他端(コイル導体CP2の第2端)は、外部電極P2に接続される。具体的には、図7等に示すように、コイルL3の一端(コイル導体CP1の第2端)が、導体21,22および層間接続導体V2,V3,V4,V5を介して、外部電極P1に接続される。また、コイルL3の他端(コイル導体CP2の第2端)は、層間接続導体V6,V7,V8を介して、外部電極P2に接続される。
また、図7に示すように、第2コイル導体(コイル導体CP2)は、第1コイル導体(コイル導体CP1)の線幅よりも線幅の広い幅広部WPを有する。本実施形態では、コイル導体CP2の外周部分のみが幅広部WPである。図6(B)に示すように、第2コイル導体の幅広部(WP)は、Z軸方向から視て第1コイル導体に重なる重なり部OP1と、Z軸方向から視て第1コイル導体に重ならない非重なり部NOP3と、を有する。図6(B)に示すように、非重なり部NOP3は、重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接するように湾曲している。
このような構成でも、多層基板103の基本的な構成は、第1の実施形態で説明した多層基板101と同じであり、多層基板101と同様の作用・効果を奏する。
なお、本発明における「幅広部」は、第2コイル導体(コイル導体CP2)全体である必要はない。本実施形態で示したように、第2コイル導体は一部に幅広部WPを有していればよい。
また、本実施形態で示したように、第1コイル導体(コイル導体CP1)および第2コイル導体(コイル導体CP2)以外のコイル導体(例えば、第1の実施形態で示したコイル導体CP3)は必須ではない。
なお、第2コイル導体(コイル導体CP2)の外周部分ではなく、内周部分のみが幅広部であって、幅広部がZ軸方向から視て第1コイル導体(コイル導体CP1)と重なり部と非重なり部を有し、非重なり部が第1主面VS1に近接する方向に湾曲するように構成されても同様の効果が得られる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、コイルの構成が以上に示した各実施形態とは異なる例を示す。
図8は、第4の実施形態に係る多層基板104の断面図である。
多層基板104は、積層体10、積層体10に形成されるコイルL4および外部電極P1,P2等を備える。
多層基板104は、コイルL4の構成が、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる。その他の構成については、多層基板101と同じである。
以下、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる部分について説明する。
本実施形態に係るコイルL4は、図8に示すように、重なり部OP1よりも第1主面VS1に近接して湾曲している非重なり部NOP1,NOP2が、第2コイル導体(コイル導体CP2)の径方向(例えば、X軸方向またはX軸方向)の内周側(コイル導体CP2のうち巻回軸AXに近い側)および外周側(コイル導体CP2のうち巻回軸AXから遠い側)の両方にそれぞれ位置している。その他の構成については、第1の実施形態で説明したコイルL1と実質的に同じである。
この構成により、第2コイル導体の径方向(例えば、X軸方向またはY軸方向)の内周側または外周側の一方のみに非重なり部がある場合に比べて、加熱加圧時における第1コイル導体の位置ずれはさらに抑制される。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、加熱加圧時における第1コイル導体の位置ずれをさらに抑制できる多層基板の例を示す。
図9は、第5の実施形態に係る多層基板105の断面図である。
多層基板105は、積層体10、積層体10に形成されるコイルL5および外部電極P1,P2等を備える。
多層基板105は、コイルL5の構成が、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる。その他の構成については、多層基板101と同じである。
以下、第1の実施形態に係る多層基板101と異なる部分について説明する。
本実施形態に係るコイルL5では、図9に示すように、第1主面VS1に近接して湾曲している非重なり部NOP2の一部が、Z軸方向における第1コイル導体(コイル導体CP1)の位置と同じ位置まで湾曲している。
本実施形態に係る多層基板105によれば、第1の実施形態で述べた効果以外に、次のような効果を奏する。
(a)本実施形態では、第2コイル導体(コイル導体CP2)の非重なり部NOP2の一部が、Z軸方向における第1コイル導体(コイル導体CP1)の位置と同じ位置まで湾曲している。この構成により、加熱加圧時における第1主面VS1付近の絶縁基材層の流動がさらに抑制されるため、第1コイル導体の加熱加圧時における位置ずれはさらに抑制される。
このような多層基板105(積層体)は、剛性の高い台座の上に、複数の絶縁基材層(図4に示す絶縁基材層11,12,13,14)を積層した後、積層した複数の絶縁基材層を剛性の高い部材でプレス(加圧)することにより形成される。
《その他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、積層体が矩形の平板である例を示したが、この構成に限定されるものではない。積層体の平面形状は本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能であり、例えば円形、楕円形、多角形等であってもよい。また、積層体の第1主面VS1および第2主面VS2は、完全な平面に限定されるものではなく、一部が曲面等であってもよい。なお、本発明の積層体において、第2主面は必須ではない。
また、以上に示した各実施形態では、4つの絶縁基材層を積層して形成される積層体を備える多層基板の例を示したが、この構成に限定されるものではない。積層体を形成する絶縁基材層の層数は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。
なお、以上に示した各実施形態では、複数の絶縁基材層に形成される2つまたは3つのコイル導体を含んでコイルが構成される例を示したが、この構成に限定されるものではない。本発明のコイルは、4つ以上のコイル導体を含んで構成されていてもよい。さらに、コイルの形状および巻回数は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。本発明のコイルは、第3の実施形態に係るコイルL3のように、ヘリカル状に限定されるものではない。
以上に示した各実施形態では、絶縁基材層の一方主面のみに導体(コイル導体、外部電極、およびその他の導体)が形成されている例を示したが、この構成に限定されるものではない。コイル導体等の導体は、絶縁基材層の両主面に形成されていてもよい。
以上に示した各実施形態では、積層体の第2主面VS2に外部電極P1,P2が設けられた例を示したが、本発明における振動板はこの構成に限定されるものではない。外部電極P1,P2の個数・形状・配置等については本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。外部電極は、第1主面VS1に設けられていてもよく、第1主面VS1および第2主面VS2の両方に設けられていてもよい。
また、積層体の第1主面VS1または第2主面VS2には、カバーレイフィルムやソルダーレジスト膜等の保護層が形成されていてもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
AX…コイルの巻回軸
CP1…コイル導体(第1コイル導体)
CP2…コイル導体(第2コイル導体)
CP3…コイル導体
L1,L2,L3,L4,L5…コイル
OP1,OP2,OP3…重なり部
NOP1,NOP2,NOP3…非重なり部
P1,P2…外部電極
V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8…層間接続導体
VS1…積層体の第1主面
VS2…積層体の第2主面
WP…幅広部
2…導電性接合材
3…磁石
4…可動体
5…台座
10…積層体
11,12,13,14…絶縁基材層
21,22,23…導体
101,102,103,104,105…多層基板
201…回路基板
301…アクチュエータ
401…電子機器

Claims (5)

  1. 多層基板と、磁石とを備え、
    前記多層基板は、
    第1主面を有し、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材層を積層して形成される積層体と、
    前記複数の絶縁基材層に形成される複数のコイル導体を含んで構成され、前記複数の絶縁基材層の積層方向に巻回軸を有するコイルと、
    備え
    前記複数のコイル導体は、前記第1主面に最も近接する第1コイル導体と、前記第1コイル導体に隣接して配置され、前記第1コイル導体の線幅よりも線幅の広い幅広部を有する第2コイル導体と、を有し、
    前記幅広部は、前記積層方向から視て前記第1コイル導体に重なる重なり部と、前記積層方向から視て前記第1コイル導体に重ならない非重なり部と、を有し、
    前記非重なり部は、前記重なり部よりも前記第1主面に近接するように湾曲し
    前記磁石は、前記複数のコイル導体のうち、前記第1コイル導体に最も近接して配置される
    アクチュエータ
  2. 前記非重なり部は、一部が前記積層方向における前記第1コイル導体の位置と同じ位置まで湾曲している、請求項1に記載のアクチュエータ
  3. 前記非重なり部は、前記積層方向から視て、前記幅広部のうち、前記第2コイル導体の径方向の外周側に位置する、請求項1または2に記載のアクチュエータ
  4. 前記非重なり部は、前記積層方向から視て、前記幅広部のうち、前記第2コイル導体の径方向の内周側に位置する、請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ
  5. 前記第1コイル導体は、前記積層方向から視て、面積の1/2以上が前記幅広部に重なる、請求項1から4のいずれかに記載のアクチュエータ
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