JP6910822B2 - スチレン系樹脂粒子とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はスチレン系樹脂粒子とその製造方法関し、特に、押出発泡ボード用に使用されるスチレン系樹脂粒子に関するものである。
押出発泡ボードは、塊状重合で製造したスチレン系樹脂を押出機で溶融混練させ、次いで、ブタン等の炭化水素系発泡剤を押出機内に圧入し、溶融したスチレン系樹脂と混合後、ダイスからの圧力解放によって発泡され、製造されている。
塊状重合で製造したスチレン系樹脂中には、残存スチレン量を極めて少ない為、最終製品中にも揮発性有機物が少なく、シックハウス問題等から住宅関連資材等に使用される発泡成形品に、多く使用されている。
又、水系懸濁重合で製造するスチレン系樹脂粒子も、押出発泡ボード用として用いられているが、水系懸濁重合で製造するスチレン系樹脂粒子は、主原料であるスチレン単量体中に、フェニルアセチレンが多いと、スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が多くなり、最終製品である押出発泡ボードには、残存スチレン量が多くなってしまう。
この残存スチレン量を低減させるために、高価な低濃度のフェニルアセチレンを含有するスチレン単量体を原料として、スチレン系樹脂粒子を重合し、押出発泡ボードの原料に使用している。
水系懸濁重合でスチレン系樹脂粒子を製造するに際して、残存スチレン量を低減させる方法は、種々開示されている。
特許文献1では、水系懸濁重合で、カーボネート型構造の開始剤を用い、発泡性スチレン系樹脂粒子を提案しているが、カーボネート型構造の開始剤残渣がスチレン系樹脂粒子中に多く存在している場合、押出機内での分子量低下が大きく、押出発泡ボードの強度が脆くなることが問題となる。
特許文献2では、カーボネート型構造の開始剤を用いて、スチレン系樹脂粒子の製造方法を提案しているが、この方法では残存スチレン量が20000ppm以上となり、シックハウスなど環境面で問題なること、また低分子量の樹脂が得られるため物性の低下も懸念される。従って、押出発泡ボード用のスチレン系樹脂粒子としては改良の余地があった。
特許文献3では、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のケタール構造を有する開始剤と10時間半減期温度が100℃以上110℃以下であるt-ブチルパーベンゾエート、2、2−ジー(t−アミルパーオキシ)ブタンなどの開始剤を併用することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量を大幅に減少させる製造方法が開示されている。しかし、開示されている組み合わせと使用量では、フェニルアセチレン量が50ppm以上存在するスチレン単量体を用いた場合、、残存スチレン量を十分に低下しにくいといった問題がある。
特開2015−140370号公報 特開平11−269205号公報 特開2006−206830号公報
スチレン系樹脂粒子中の残存モノマー量を300ppm以下で、且つ、スチレン系樹脂粒子の分子量低下を抑制したスチレン系樹脂粒子とその製造方法を提供することにある。特に、押出機中での分子量低下を抑制した押出発泡ボード用のスチレン系樹脂粒子とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の過酸化物を重合開始剤として用いることで、スチレン系樹脂粒子の分子量低下を抑制し、残存スチレン系単量体量を効率良く低減することができることを見出し本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]一般式(1)及び(2)に示される過酸化物の少なくとも1種類を、重合開始剤として用いたスチレン系樹脂粒子であって、スチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Aと、175℃で10分熱処理したスチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Bの比率B/Aが0.80〜1.00であり、且つ残存スチレン量が300ppm以下であることを特徴とするスチレン系樹脂粒子。
Figure 0006910822
(式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
Figure 0006910822
(式中のR3は分岐アルキル基、R4はアルキル基を表す。)
[2]スチレン系単量体100重量部に対して、過酸化物の添加総量が0.02重量部以上0.60重量部以下であることを特徴とする[1]に記載のスチレン系樹脂粒子。
[3]一般式(1)で示される過酸化物が、2,2−ジ−t−アミルパーオキシブタン(R1=t−アミル基、R2=t−アミル基)であることを特徴とする[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂粒子。
[4]一般式(2)で示される過酸化物が、t−ヘキシルパーオキシアセテート(R3=t−ヘキシル基、R4=メチル基)であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子。
[5]スチレン系単量体のフェニルアセチレン濃度が0ppm〜350ppmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子を押出発泡させたことを特徴とする押出発泡ボード。
[8][1]〜[5]に記載のスチレン系樹脂粒子を押出発泡させたことを特徴とする押出発泡ボードの製造方法。
本発明により、スチレン系樹脂粒子中の残存モノマー量を300ppm以下で、且つ、スチレン系樹脂粒子の分子量低下を抑制したスチレン系樹脂粒子が得られる。特に、押出機中での分子量低下を抑制した押出発泡ボード用のスチレン系樹脂粒子が得られる。
以下,本発明の実施の形態をより詳細に説明する。
本発明は、一般式(1)及び(2)に示される過酸化物の少なくとも1種類を、重合開始剤として用いたスチレン系樹脂粒子であって、スチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Aと、175℃で10分熱処理したスチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Bの比率B/Aが0.80〜1.00であり、且つ残存スチレン量が300ppm以下であることを特徴とするスチレン系樹脂粒子である。
Figure 0006910822
(式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
Figure 0006910822
(式中のR3は分岐アルキル基、R4はアルキル基を表す。)
本発明で使用する過酸化物の種類は、一般式(1)及び一般式(2)で示される化合物である。
一般式(1)中のR1、R2は共にt−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基、t−ペンチル基であることが好ましく、具体的な化合物としては、2、2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、2,2−ジ−t−アミルパーオキシブタン、2、2−ジ−t−ヘキシルパーオキシブタン、2、2−ジ−t−ペンチルパーオキシブタン等があげられる。
一般式(1)のR1構造がt−アミル基であり、R2構造がt−アミル基であることが、残存スチレン量低減及び分子量低下を抑制できる点で特に好ましい。
特に、一般式(1)の化合物の中で、2、2−ジ−t−アミルパーオキシブタンが、最終製品であるスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量を低減できること、及び175℃の処理中の分子量低下を抑制できるため好ましい。
一般式(2)中のR3は炭素数4〜6の分岐アルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。具体的な化合物としては、t-ブチルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシアセテート、t-ヘキシルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシエタノエート、t-アミルパーオキシエタノエート、t-ヘキシルパーオキシエタノエート、t−ブチルパーオキシプロピオネート、t-アミルパーオキシプロピオネート、t−ヘキシルパーオキシプロピオネート等があげられる。
一般式(2)のR3構造がt−ヘキシル基又はt−アミル基であり、R4構造がメチル基であることが、残存スチレン量低減及び分子量低下を抑制できる点で特に好ましい。
特に、一般式(2)の化合物の中で、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシアセテートが、最終製品であるスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量を低減できること、及び175℃の処理中の分子量低下を抑制できるため好ましい。
前記一般式(1)及び(2)に示す過酸化物の添加総量は、スチレン系単量体の総量100重量部に対して、0.02重量部以上0.60重量部以下である。一般式(1)及び(2)に示す化合物の添加総量が、当該範囲内であると、適度な分子量の樹脂が得られ、かつ、残存スチレン量を低減させることが出来る。0.02重量部未満では、フェニルアセチレン濃度が少ないスチレンを使用しても残存スチレン量が多くなる。0.60重量部を超える場合、重合中のラジカル発生量が多くなり重合反応が早くなるため制御が困難になる。その結果、異常重合になる可能性が非常に高くなる。
スチレン単量体の製造過程で副生産物として生成するフェニルアセチレンは、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレン量が最終製品のスチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が高くなる傾向がある。一方、フェニルアセチレン量が少ないと、最終製品のスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量が少なくなるが、フェニルアセチレンを除去する工程が必要となり、スチレン単量体自体のコストが高くなる。フェニルアセチレン量の上限は、汎用と呼ばれるスチレンで、400ppmである。
本発明は、フェニルアセチレン濃度が0ppm〜350ppmのスチレン単量体を重合する場合に、残存スチレン量が300ppm以下になることが特徴のひとつである。フェニルアセチレン130ppm以下のスチレン単量体を使用する場合は、スチレン中のフェニルアセチレン濃度にあわせて、適宜、一般式(1)及び(2)に示される過酸化物の使用量を0.02重量部以上0.13重量部以下の範囲で調整することで、残存スチレン量が300ppm以下のスチレン系樹脂粒子を得ることが可能である。フェニルアセチレンが130ppmを超えるスチレン単量体を使用する場合は、スチレン中のフェニルアセチレン濃度にあわせて、適宜、一般式(1)及び(2)に示される過酸化物の使用量を0.13重量部超0.60重量部以下の範囲で調整することで、残存スチレン量が300ppm以下のスチレン系樹脂粒子を得ることが可能である。
本発明においては、前記一般式(1)及び(2)については10時間半減期温度が95℃以上110℃以下である事が好ましい。この範囲であれば重合中における一般式(1)及び(2)の化合物の開裂量(分解量)を極力抑制でき、重合後に実施する115〜120℃での処理中に多く開裂できるため、残存スチレン量を効率良く低減できる。10時間半減期温度が95℃未満の場合、重合中の開裂量が増加し、樹脂の分子量を低下させるため好ましくない。この問題の解決方法として、重合温度を下げることも可能であるが、その場合重合時間が延びるため、工業生産上好ましくない。また、逆に10時間半減期温度が110℃を超える場合、熱処理中に開裂する開始剤の量が不足し、十分に残存スチレン量を減少させることができない。
本発明における押出機内での分子量低下の度合は、押出機に投入する前のスチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Aと、175℃で10分間オーブンで、熱処理した平均重量分子量Bとしたとき、分子量比率B/Aが、0.80〜1.00の場合、押出機内での分子量低下が抑制され、目標する押出発泡ボードの強度、外観をえることができる。しかし、分子量比率0.80未満の場合、分子量低下が大きく、目標とする品質(強度など)を得ることができない。
本発明のポリスチレン系樹脂粒子は、残存スチレン系単量体量が300ppm以下である。好ましくは250pm以下である。下限は、実用的には0ppmになり難いので敢えて表示するなら1ppm以上である。
本発明に用いるスチレン系単量体としては、スチレン、及び、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられ、さらにスチレンと共重合が可能な成分、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体も包含する。これら共重合が可能な成分を1種又は2種以上使用し共重合に供しても良い。
本発明で使用する分散剤としては、一般的に懸濁重合に用いられている分散剤、例えば、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩が挙げられる。これら、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダなどのアニオン性界面活性剤を併用すると、分散安定性が増すので効果的である。また、難溶性無機塩は得られるスチレン系樹脂粒子の粒子径を調節するために、重合中に1回以上追加することもある。
一般式(1)及び(2)の過酸化物を使用する場合は、残存スチレン量を300ppm以下にするために、重合ピーク後に115℃以上120℃以下で一定時間処理(熱処理)することが望ましい。
重合ピーク後の処理温度が115℃以上120℃以下の場合、特に、前記一般式(1)及び(2)の10時間半減期温度が95℃以上110℃以下である化合物を使用する為、効率よく、スチレン単量体を消費できる。しかし、115℃未満の場合、一般式(1)及び(2)の化合物のラジカル発生が少なくなり、スチレン単量体の消費が悪化する。また、120℃を超えると、重合機の内圧が高くなり、重装備の耐圧を有する重合機が必要となる。
重合ピーク後の処理時間は2時間〜6時間が好ましい。この範囲であれば、効率よく、スチレン系単量体を低減できる。しかし、加熱時間が2時間未満の場合、一般式(1)及び(2)の化合物から発生するラジカル量が少なくなり、残存スチレン量が高くなる傾向にある。加熱時間が6時間を超える場合は、残存スチレン量が十分に低減できるが、生産効率が悪化するため好ましくない。
スチレン系樹脂粒子の製造において、一般的には、主に樹脂を形成するための開始剤と主に残存スチレン量を低下させるための開始剤を併用させることが通常行われている。そして、これらの開始剤の選定は重合温度、重合時間、および必要とする樹脂の分子量を勘案して適宜決められる。よって、本発明においても、一般式(1)及び(2)に示される化合物に、一般に用いられる他の重合開始剤を1種或いは2種以上併用することにより、重合温度、重合時間、樹脂の分子量等の選択幅をより広げた上で、残存スチレン量を低減した良好な製品を得ることができるので、併用することは極めて好ましい実施態様である。ここに、一般に用いられる他の重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、イソプロピル−t−ブチルパーオキシカーボネート、過安息香酸ブチルのような有機化酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが例示される。
押出発泡ボードの製造は、従来公知の方法でよく、特に限定されない。例えば、スチレン系樹脂粒子に種々添加剤を加えた後、ヘンシェルミキサー等で混合し、これを押出機のフィーダーに連続的に供給し、押出機内で発泡剤と共に溶融混連し、ダイスから連続的に押出し、押出と同時に、ボード厚みを調整、冷却することによって得られる。
押出発泡ボードの製造で使用される種々の添加剤は、シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤(滑剤)、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有されてもよい。
押出発泡ボードは、建築や土木用の断熱資材等々に、幅広く使用される。
以下に実施例、及び比較例を挙げるが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例、及び比較例中の樹脂の分子量、及び樹脂中の残存スチレン量、スチレン単量体中のフェニルアセチレン量は以下の方法で測定した。なお、「部」「%」は特に断りのない限り重量基準である。
(スチレン単量体中のフェニルアセチレン測定法)
フェニルアセチレン量0ppmのスチレンを用いて、フェニルアセチレン量とシクロペンタノール量の比から導いたフェニルアセチレン量の検量線を作成した。
スチレンに、内部標準シクロペンタノールを溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→70℃(3℃/min)へ昇温し、70℃で30分保持後。70→170℃(10℃/min)へ昇温、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、スチレン中のフェニルアセチレン量(ppm)を定量した。
(分子量測定)
スチレン系樹脂粒子0.02gをテトラヒドロフランに溶解し、GPC(東ソー(株)製HLC−8020、カラム:TSKgel Super HZM−H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)にて測定した。
(残存スチレン測定)
スチレン系樹脂粒子を塩化メチレン(内部標準シクロペンタノール)に溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→80℃(3℃/min)後、80→180℃昇温(10℃/min)、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレン量(ppm)を定量した。

(スチレン系樹脂粒子の熱処理前後の分子量比率)
スチレン系樹脂粒子10gを、175℃のオーブンに、10分間熱処理し、平均重量分子量を測定した。熱処理前の平均重量分子量Aを、熱処理後の平均重量分子量Bとし、その比率B/Aを求めた。
参考例1)
撹拌機付きオートクレーブに水96重量部、第3リン酸カルシウム0.17重量部、α−オレインスルフォン酸ソーダ0.005重量部、過酸化ベンゾイル0.23部、2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタン(化薬アクゾ株式会社 カヤケタールAM−C55)0.05重量部を仕込んだ後、PA測定結果がNDのスチレン100重量部を仕込み、昇温し、98℃で4時間重合を行った。次いで、120℃に昇温し、3、5時間の後処理を実施後、40℃まで冷却し、スチレン系樹脂粒子を取り出し乾燥し、スチレン系樹脂粒子を得た。
表1に、開始剤処方、重合条件、分子量の比率B/A、残存スチレン量の測定結果をまとめた。
(実施例2)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンをt-ヘキシルパーオキシアセテート(日油株式会社 パーヘキシルA)に変更した以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
参考例3)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンの使用部数を0.02重量部に変更した以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例4)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンをt-ヘキシルパーオキシアセテートに変更し、使用部を0.02重量部にした以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
参考例5)
フェニルアセチレン濃度60ppmであるスチレンを使用した以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例6)
フェニルアセチレン濃度100ppmであるスチレンを使用し、2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンの使用部数を0.10重量部、過酸化ベンゾイルの使用部数を0.20重量部に変更し以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例7)
フェニルアセチレン濃度150ppmであるスチレンを使用し、2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンの使用部数を0.15重量部、過酸化ベンゾイルの使用部数を0.16重量部に変更し以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例8)
フェニルアセチレン濃度100ppmであるスチレンを使用し、2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンをt-ヘキシルパーオキシアセテート:0.10重量部に変更し、過酸化ベンゾイルの使用部数を0.21重量部に変更し以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例9)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタン単独系を2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンとt-ヘキシルパーオキシアセテートの併用系に変更し、各々の使用部数を0.05重量部にした以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例1)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンをt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートに変更し、使用部数を0.10重量部にした以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例2)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンを1,1-ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンに変更した以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例3)
フェニルアセチレン濃度100ppmのスチレンを使用し、2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンをt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネートに変更し、使用部数を0.10重量部とした以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例4)
2、2−(t−アミルパーオキシ)ブタン単独0.05重量部から1,1-ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.12重量部と2、2−ジ-t−アミルパーオキシブタン0.07重量部の併用系に変更し、過酸化ベンゾイルの使用部数を0.22重量部に変更した以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例5)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンを0.70重量部に変更し、過酸化ベンゾイルの使用部数を0重量部に変更し以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例6)
2、2-ジ-t-アミルパーオキシブタンをt-ヘキシルパーオキシアセテート:0.70重量部に変更し、過酸化ベンゾイルの使用部数を0重量部に変更し以外は、参考例1と同様の操作を実施し、スチレン系樹脂粒子を得た。
Figure 0006910822

Claims (8)

  1. t−ヘキシルパーオキシアセテートを、重合開始剤として用いたスチレン系樹脂粒子であって、スチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Aと、175℃で10分熱処理したスチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Bの比率B/Aが0.80〜1.00であり、且つ残存スチレン量が300ppm以下であることを特徴とするスチレン系樹脂粒子。
  2. 2,2−ジ−t−アミルパーオキシブタンを、重合開始剤として用いたスチレン系樹脂粒子であって、スチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Aと、175℃で10分熱処理したスチレン系樹脂粒子の平均重量分子量Bの比率B/Aが0.80〜1.00であり、且つ残存スチレン量が300ppm以下であり、
    スチレン系単量体のフェニルアセチレン濃度が100ppm以上であり、
    スチレン系単量体100重量部に対して、2,2−ジ−t−アミルパーオキシブタンの添加量が0.10重量部〜0.15重量部であることを特徴とするスチレン系樹脂粒子。
  3. さらに重合開始剤として、2,2−ジ−t−アミルパーオキシブタンを用いたことを特徴とする請求項1に記載のスチレン系樹脂粒子。
  4. スチレン系単量体100重量部に対して、過酸化物の添加総量が0.02重量部以上0.60重量部以下であることを特徴とする請求項1または3に記載のスチレン系樹脂粒子。
  5. スチレン系単量体のフェニルアセチレン濃度が350ppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子を押出発泡させたことを特徴とする押出発泡ボード。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のスチレン系樹脂粒子を押出発泡させたことを特徴とする押出発泡ボードの製造方法。
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