JP6410545B2 - 押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子に関するものであって、さらには押出発泡させて得られるポリスチレン系押出発泡ボードに関するものである。
押出発泡ボードは、塊状重合で製造したスチレン系樹脂粒子を押出機で溶融混連させ、次いで、ブタン等の発泡剤を押出機内に圧入し、溶融したスチレン系樹脂粒子と混合後、ダイスからの圧力解放によって製造されている。
特許文献1では、高価な発泡剤圧入設備を使用しないで、発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子を、直接押出機で溶融混連させて押出発泡ボードを製造する方法が提案されている。しかしながら、発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子を長期保管していると、発泡性スチレン系樹脂粒子中の発泡剤量は、経日により揮発し、発泡剤量が減ってくる。その場合、発泡剤量が低下すると、押出発泡ボードの発泡倍率が小さくなり、押出条件の調整が必要となり、経日で安定的に一定の発泡倍率を有する押出発泡ボードを製造することは難しい。
特許文献2では、発泡剤を含浸したポリスチレン系樹脂粒子と木粉とを溶融混連し、シート状の発泡シートが提案されているが、この場合も同様に、発泡性スチレン系樹脂粒子中の発泡剤量は、経日により揮発し、発泡シートの発泡倍率調整が困難である。
特開昭54−53172号公報 特開平7−268119号公報
本発明は、押出発泡に使用される発泡性スチレン系樹脂粒子であって、発泡性樹脂粒子中の揮発性成分量が経日で低減しても、所望する発泡倍率を有する押出発泡ボードが得られる発泡性スチレン系樹脂粒子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、発泡性スチレン系樹脂粒子中の揮発性成分量が異なる2種以上の発泡性スチレン系樹脂粒子を混合ブレンドし、揮発性成分量を調整することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子中の揮発性成分量が経日で低減しても、安定した発泡倍率を有するスチレン系押出発泡ボードが出来ることを見出し本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]揮発性成分量が異なり、重量平均分子量差が2万以下である複数の発泡性スチレン系樹脂粒子からなる発泡性スチレン系樹脂粒子であって、少なくとも揮発性成分量が5重量%以上8重量%以下の発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、揮発性成分量が2重量%以上5重量%未満の発泡性スチレン系樹脂粒子Bを含むことを特徴とする押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
[2]発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、発泡性スチレン系樹脂粒子Bからなることを特徴とする[1]に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
[3]発泡性スチレン系樹脂粒子Aと発泡性スチレン系樹脂粒子Bの混合比率が、1/99〜99/1であることを特徴とする[1]または[2]に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
[4]発泡性スチレン系樹脂粒子Aと発泡性スチレン系樹脂粒子Bの重量平均分子量が20万以上45万以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
[5]発泡剤が、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタンおよびネオペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系発泡剤であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子を押出発泡して得られるポリスチレン系押出発泡ボード。
[7][6]に記載のポリスチレン系押出発泡ボードの製造方法。
本発明によれば、発泡性樹脂粒子中の揮発性成分量が経日で低減しても、所望する発泡倍率を有する押出発泡ボードが得られる。
以下,本発明の実施の形態をより詳細に説明する。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、揮発性成分量が異なり、重量平均分子量差が2万以下である複数の発泡性スチレン系樹脂粒子からなる発泡性スチレン系樹脂粒子であって、少なくとも揮発性成分量が5重量%以上8重量%以下の発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、揮発性成分量が2重量%以上5重量%未満の発泡性スチレン系樹脂粒子Bを含むことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子である。
発泡性スチレン系樹脂粒子中の揮発性成分量とは、発泡剤の含浸量を示し、発泡剤含浸工程時の発泡剤仕込量で調整することができる。揮発生成含量が多い発泡性スチレン系樹脂粒子Aの揮発性成分量を5重量%以上8重量%以下に調整する方法は、スチレン系樹脂粒子100重量に対し、6重量%以上9重量%以下、好ましくは、6重量%以上8重量%以下で、スチレン系樹脂粒子に含浸することで得られ、一方、揮発生成含量が低い発泡性スチレン系樹脂粒子Bの揮発性成分量を2重量%以上5重量%未満に調整する方法は、スチレン系樹脂粒子100重量に対し、3重量%以上6重量%以下、好ましくは、2重量%以上5重量%未満で、スチレン系樹脂粒子に含浸することで得られる。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、発泡性スチレン系樹脂粒子Bからなることが好ましい。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、発泡性スチレン系樹脂粒子Bの混合比率A/Bが1/99〜99/1でなり、混合比率を変更することで、発泡性スチレン系樹脂粒子の揮発性成分量を調整することができ、所望の発泡倍率を有する発泡スチレン系押出発泡ボードを製造することができる。押出発泡ボードの発泡倍率は、揮発性成分量、押出機種、押出発泡条件で大きくかわるが、例えば、揮発性成分量が5重量%の発泡性スチレン系樹脂粒子で、発泡倍率18倍の押出発泡ボードを得られる場合、発泡性スチレン系樹脂粒子Aと発泡性スチレン系樹脂粒子Bとの混合後の揮発性成分量を5重量%に調整することで、容易に発泡倍率18倍の押出発泡ボードを得られる。
混合後の揮発性成分量は、次式より、試算することができる。
(混合後の揮発性成分(wt%))=(発泡性スチレン系樹脂粒子Aの揮発性成分量(wt%))×(樹脂粒子Aの重合分率(wt%))+(発泡性スチレン系樹粒子Bの揮発性成分量(wt%))×(樹脂粒子Bの重量分率(wt%))
発泡性スチレン系樹脂粒子AとBの揮発性成分量は、発泡性スチレン系樹脂粒子を、150℃オーブンで30分間、熱処理し、その揮発分であり、次式から試算できる。
(発泡性スチレン系樹脂粒子の揮発性成分量(wt%))={(熱処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子の重量(g))−(熱処理後の発泡性スチレン系樹脂粒子の重量(g))}/(熱処理後の発泡性スチレン系樹脂粒子の重量(g))×100。
このように、高い揮発性成分量を有する発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、低い揮発性成分量を有する発泡性スチレン系樹脂粒子Bとを混合し、混合後の揮発性成分量を調整することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子の揮発性成分量が経日して減少しても、都度、揮発性成分量を一定に調整することができ、所望の発泡倍率を安定して、スチレン系樹脂の押出発泡ボードを製造することができる。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子Aと発泡性スチレン系樹脂粒子Bの重量平均分子量が20万以上45万以下、好ましくは、25万以上35万以下である。重量平均分子量が20万未満であれば、押出発泡ボードが脆くなる傾向であり、重量平均分子量が45万を超えると、発泡しがたくなり、押出発泡温度を上げなくてはならず、樹脂劣化を引き起こす懸念がある。
さらに、前記発泡性スチレン系樹脂粒子Aと前記発泡性スチレン系樹脂粒子Bとの重量平均分子量差が2万以下、好ましくは1万以下である。重量平均分子量が2万を超えると、2種の樹脂粒子AとBの熱溶融時の混合性が悪くなり、押出発泡時の溶融トルクが不安定になり、得られる押出発泡ボードの表面には、凹凸が発生する傾向である。
本発明の押出発泡ボードに使用される発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、(1)重合工程、(2)熱処理工程、(3)発泡剤含浸工程、(4)冷却・乾燥工程を経て、製造される。以下、製造例を示す。
(1)重合工程
所定量の水性懸濁媒体中に、ポリスチレンの重合に使用される重合開始剤に、、スチレン系単量体、その他添加剤を添加し、所定の温度、好ましくは90℃以上100℃未満で一定時間重合し、スチレン系単量体の重合転化率が85%以上97%以下に達した時点で重合工程を完了させる。
発泡性スチレン系樹脂粒子の水系懸濁重合の分散剤としては、一般的に用いられている分散剤、例えば、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩が挙げられる。これら、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダなどのアニオン性界面活性剤を併用すると、分散安定性が増すので効果的である。また、難溶性無機塩は得られる押出発泡ボード用発泡性スチレン系樹脂粒子の粒子径を調節するために、重合中に1回以上追加することもある。
本発明に用いるスチレン系単量体としては、スチレン、及び、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられ、さらにスチレンと共重合が可能な成分、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体も包含する。これら共重合が可能な成分を1種又は2種以上使用し共重合に供しても良い。
又、スチレン系単量体中に存在するフェニルアセチレンは、スチレン重合中、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレン量は300ppm以下、更に150ppm以下が好ましい。フェニルアセチレン量が少ない程、最終製品の発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が低下するが、300ppmを超えると、残存スチレン量が高くなる。
本発明で使用する重合開始剤は、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサンなどのケタール構造の化合物に、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、イソプロピル−t−ブチルパーオキシカーボネート、過安息香酸ブチルのような有機化酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などの一般の重合開始剤をから選ばれる1種又は2種以上を供しても良い。
(2)熱処理工程
次いで、重合温度を110℃以上120℃以下に上昇させ、一定時間の熱処理重合を実施し、重合反応を促進させ、残存スチレンを消費させる。スチレン系単量体の転化率が96%以上99%以下に達した時点で、熱処理工程を終了させる。重合温度が110℃未満の場合、重合速度が遅く、重合転化率が上がらない。一方、120℃を超えた設定にすると、重合転化率は上がるが、重合温度を上昇させることに時間を要してしまう。
(3)発泡剤含浸工程
次いで、重合転化率が96%以上99%以下に達した時点で、発泡剤を添加し、スチレン系樹脂粒子中に含浸させる。重合転化率が96%未満で発泡剤を添加すると、重合系内に存在しているラジカルが、発泡剤へ連鎖移動し、最終製品の残存スチレン量が多くなる傾向があり、重合転化率99%を超えると、残存スチレン量がすくなくなるものの、反応時間が長くなる。
本発明において使用する発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタンなど炭素数3以上5以下の炭化水素等の脂肪族炭化水素類、およびジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロであるフッ化炭化水素類などの揮発性発泡剤が挙げられる。また、これらの発泡剤を併用することもできる。
発泡剤の使用量は、揮発性成分量の高い発泡性スチレン系樹脂粒子Aには、スチレン系樹脂粒子100重量に対し、6重量%以上9重量%以下、好ましくは、6重量%以上8重量%以下で仕込み、一方、揮発生成含量が低い発泡性スチレン系樹脂粒子Bの揮発性成分量を2重量%以上5重量%未満に調整する方法は、スチレン系樹脂粒子100重量に対し、3重量%以上6重量%以下を仕込み、スチレン系樹脂粒子に含浸することで得られる。
発泡剤の添加後の含浸温度は110℃以上130℃以下で、一定時間、発泡剤含浸させる。発泡剤含浸工程の温度が110℃以上130℃以下の場合、効率よく、スチレン単量体の安定に重合が進行するが、110℃未満の場合、重合開始剤のラジカル発生が少なくなり、生産性が低下し、130℃を超えると、重合機の内圧が高くなり、重装備の耐圧を有する重合機が必要となる。
(4)冷却・乾燥工程
発泡剤含浸工程で所定時間が終了したら、重合温度を冷却、乾燥を経て、本発明の押出発泡ボード用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られる。最終製品の残存スチレン系単量体量が300ppm以下であり、好ましくは250pm以下である。下限は、実用的には0ppmになり難いので敢えて表示するなら1ppm以上である。
押出発泡ボードの製造は、従来公知の方法でよく、特に限定されない。例えば、発泡性スチレン系樹脂粒子に、種々添加剤を加えた後、ヘンシェルミキサー等で混合し、これを押出機のフィーダーに連続的に供給し、押出機内の温度を約130〜250℃に調節して溶融混連し、ダイスから連続的に押出し、押出と同時に、ボード厚みを調整、冷却することによって得られる。
押出発泡ボードに使用される種々の添加剤としては、シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤(滑剤)、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有されてもよい。
押出発泡ボードは、食品容器等の折箱、建築や土木用の断熱資材等々に、幅広く使用される。
以下に実施例、及び比較例を挙げるが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例、及び比較例中の発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量、樹脂中の残存スチレン量は以下の方法で測定した。なお、「部」「%」は特に断りのない限り重量基準である。
(分子量測定法)
発泡性スチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(東ソー(株)製HLC−8020、カラム:TSKgel Super HZM−H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)にて、重量平均分子量を測定した。
(押出発泡ボードの倍率)
発泡ボードの外形寸法から求めた体積(Vcm3)、重量(Wg)から、スチレン樹脂の密度(1.0g/cm3)から、発泡倍率と試算した。
発泡倍率(倍) = (ポリスチレン樹脂密度)/(W/V)
(押出発泡ボードの表面性評価)
押出発泡ボードの表面性を、下記の視点で、外観評価した。
○表面が滑らかで美麗である
△表面の一部で、凹凸が見られる
×表面全体に、凹凸が見られる。
(発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1)の作製)
撹拌機付き6Lオートクレーブに水96重量部、第3リン酸カルシウム0.14重量部、α−オレインスルフォン酸ソーダ0.003重量部を仕込んだ後、スチレン100重量部、過酸化ベンゾイル0.06部、1,1-ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度97℃)0.4部を仕込み、98℃まで昇温し、3.5時間重合を行った。その後、発泡剤として、ノルマル/イソ=70/30比率のブタンを7.5部仕込んだ。次いで、重合温度を120℃へ昇温し、5時間発泡剤の含浸重合をおこなった。その後、40℃まで冷却し、発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、乾燥した。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量をGPCで測定すると30万であった。その結果を表1に示す。又、重合から1週間経過後の揮発性成分量は6.4wt%(A−1−1)で、4週間経過後は5.1wt%(A−1−2)、8週間経過後は3.6wt%(A−1−3)である。
(発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1)の作製)
発泡剤の仕込み部数を7.5重量から4重量へ変更した以外は、発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1)と同様の操作で、作製した。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量をGPCで測定すると30万であった。結果を表1に示す。又、重合から1週間経過後の揮発性成分量は3.5wt%(B−1−1)で、4週間経過後は2.8wt%(B−1−2)である。
(発泡性スチレン系樹脂粒子(A−2)の作製)
発泡剤種を、ノルマル/イソ=70/30比率を、ノルマル/イソ=50/50へ変更した以外は、発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1)と同様の操作で、作製した。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量をGPCで測定すると30万であった。結果を表1に示す。又、重合から1週間経過後の揮発性成分量は6.4wt%(A−2−1)である。
(発泡性スチレン系樹脂粒子(A−3)の作製)
過酸化ベンゾイル0.06部から0.09部へ変更した以外は、発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1)と同様の操作で作製した。重合時間は3.3時間であった。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量をGPCで測定すると25万であった。結果を表1に示す。又、重合から1週間経過後の揮発性成分量は6.4wt%(A−3−1)である。
(実施例1)
1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−1、揮発性成分6.4wt%)と1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−1、揮発性成分3.5wt%)を、混合比率50/50で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、5.0wt%である。この混合物を、押出機のフィーダーに連続的供給し、押出機内の温度100℃から200℃に調整して溶融混連し、サーキュレーターダイより押出発泡させ厚さ5mm、巾650mmの押出発泡ボードを得た。発泡倍率18倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(実施例2)
1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−1、揮発性成分6.1wt%)と4週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−2、揮発性成分2.8wt%)を、混合比率60/40で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、5.0wt%である。押出発泡は、実施例1と同様の操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率18倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(実施例3)
4週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−2、揮発性成分5.1wt%)と1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−1、揮発性成分3.5wt%)を、混合比率90/10で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、5.0wt%である。押出発泡は、実施例1と同様の操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率18倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(実施例4)
4週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−2、揮発性成分5.1wt%)と4週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−2、揮発性成分2.8wt%)を、混合比率95/5で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、5.0wt%である。押出発泡は、実施例1と同様の操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率18倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(実施例5)
1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−2−1、揮発性成分6.4wt%)と1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−1、揮発性成分3.5wt%)を、混合比率50/50で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、5.0wt%である。押出発泡は、実施例1と同様の操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率18倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(比較例1)
1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−1、揮発性成分6.4wt%)を、そのまま、実施例1と同様の押出発泡操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率23倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(比較例2)
8週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−3、揮発性成分3.6wt%)を、そのまま、実施例1と同様の押出発泡操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率13倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(比較例3)
1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−1、揮発性成分3.5wt%)を、そのまま、実施例1と同様の押出発泡操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率13倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(比較例4)
4週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−2、揮発性成分5.1wt%)と1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−1、揮発性成分3.5wt%)を、混合比率50/50で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、4.3wt%である。実施例1と同様の押出発泡操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率16倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(比較例5)
8週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−1−3、揮発性成分3.6wt%)と4週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−2、揮発性成分2.8wt%)を、混合比率50/50で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、3.2wt%である。実施例1と同様の押出発泡操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率12倍、発泡ボード表面は美麗である。結果を表1に示す。
(比較例6)
1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(A−3−1、揮発性成分6.4wt%)と1週間経過後の発泡性スチレン系樹脂粒子(B−1−1、揮発性成分3.5wt%)を、混合比率50/50で、ヘンシェルミキサーで1分間混合後した。混合後の揮発性成分量は、5.0wt%である。実施例1と同様の押出発泡操作で、押出発泡ボードを得た。発泡倍率18倍、発泡ボード表面には一部に凹凸が観察された。結果を表1に示す。
Figure 0006410545

Claims (8)

  1. 揮発性成分量が異なり、重量平均分子量差が2万以下である複数の発泡性スチレン系樹脂粒子からなる発泡性スチレン系樹脂粒子であって、少なくとも揮発性成分量が5重量%以上8重量%以下の発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、揮発性成分量が2重量%以上5重量%未満の発泡性スチレン系樹脂粒子Bを含むことを特徴とする押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 上記発泡性スチレン系樹脂粒子Aおよび発泡性スチレン系樹脂粒子Bは発泡剤を含浸させて得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 発泡性スチレン系樹脂粒子Aと、発泡性スチレン系樹脂粒子Bからなることを特徴とする請求項1または2に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
  4. 発泡性スチレン系樹脂粒子Aと発泡性スチレン系樹脂粒子Bの混合比率が、1/99〜99/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
  5. 発泡性スチレン系樹脂粒子Aと発泡性スチレン系樹脂粒子Bの重量平均分子量が20万以上45万以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
  6. 発泡剤が、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタンおよびネオペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の炭化水素系発泡剤であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子を押出発泡して得られるポリスチレン系押出発泡ボード。
  8. 請求項に記載のポリスチレン系押出発泡ボードの製造方法。
JP2014205106A 2014-10-03 2014-10-03 押出発泡用発泡性スチレン系樹脂粒子 Active JP6410545B2 (ja)

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