JP6908148B1 - エレベータの群管理システム - Google Patents

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【課題】複数人からなる訪問者がエレベータを利用する際の利便性を向上させる。【解決手段】制御部は、訪問者による呼びが発生した際に、他の訪問者による呼びがいずれのエレベータにも割り当てられていない場合、今回の訪問者による呼びを第1の呼びとして設定し、各エレベータについて割当適性を示す割当評価値を求める。その際、所定人数分の空き乗車スペースを有するエレベータについては、割当適性を高くする第1の補正を行い、第1の呼びの出発階に到着するまでの時間が第1所定時間以上であるエレベータについては、割当適性を高くする第2の補正を行う。制御部は、最も大きい割当評価値を有するエレベータに第1の呼びを割り当てる。制御部は、第1の呼びが発生したときから第2所定時間以内に第2の訪問者による第2の呼びが発生した場合に、第1の呼びを割り当てたエレベータに空き乗車スペースがある場合、当該エレベータに第2の呼びを割り当てる。【選択図】図13

Description

本発明は、エレベータの群管理システムに関する。
特許文献1は、複数台のエレベータと乗場行先階登録装置を備えたエレベータの群管理システムを開示している。この群管理システムでは、複数人の利用者で構成されるグループのうちの1人の利用者が乗場行先階登録装置で利用者数及び行先階を入力することにより、グループを構成する全ての利用者に同一の号機を割り当てることが可能に構成されている。
特許5087281号公報
高層ビルなどのロビー階には、カードリーダを有するセキュリティゲートが設置される場合がある。このようなビルでは、カードリーダに各利用者が各自のIDカードをかざしたときに、IDカードに紐付けられた行先階を複数台のエレベータのいずれかに割り当てるエレベータシステムが導入される場合がある。
本発明は、複数人からなる訪問者がエレベータを利用する際の利便性を向上させることを目的とする。
本発明のエレベータの群管理システムは、
利用者が所持する情報記録媒体からエレベータ乗車前に情報読取装置で読み取られた情報に基づいて生成された呼び情報に基づく呼びを複数台のエレベータのいずれかに割り当てる制御部を備えたエレベータの群管理システムであって、
呼び情報は、利用者が訪問者であるか非訪問者であるかを示す利用者属性の情報を含み、
制御部は、
呼び情報に含まれる利用者属性の情報に基づいて、呼びを発生させた利用者が訪問者であるか否かを判断し、
呼びを発生させた利用者が訪問者であると判断したときは、他の訪問者による呼びがいずれかのエレベータに既に割り当てられているか否かを判断し、
他の訪問者による呼びがいずれのエレベータにも割り当てられていないと判断したときは、今回の訪問者による呼びを、第1の訪問者による第1の呼びとして設定し、複数台のエレベータの各々について、割当適性を示す割当評価値を求めるように構成されており、
制御部は、
各エレベータについて割当評価値を求める際に、
所定人数分の空き乗車スペースを有するエレベータについては、割当適性を高くする第1の補正を行い、
第1の呼びの出発階に到着するまでの時間が、所定人数の訪問者が情報読取装置に情報記録媒体を読み取らせて乗車完了するまでの想定所要時間よりも長い第1所定時間以上であるエレベータについては、割当適性を高くする第2の補正を行い、
各エレベータについて求めた割当評価値のうち最も高い割当適性を有することを示す割当評価値を有するエレベータに第1の呼びを割り当て、
第1の呼びが発生したときから第1所定時間よりも短い第2所定時間以内に第2の訪問者による第2の呼びが発生した場合において、第1の呼びを割り当てたエレベータに空き乗車スペースが残っているときは、第1の呼びを割り当てたエレベータに第2の呼びを割り当てる。
本発明によれば、複数人からなる訪問者がエレベータを利用する際の利便性を向上させることができる。
実施の形態1におけるエレベータシステムが適用されるビルの特定階における機器配置を示した概略平面図である。 エレベータシステムの構成を示したブロック図である。 行先階登録装置の電気的構成を示したブロック図である。 行先階登録装置の外観を模式的に示した図である。 行先階登録装置の表示部における表示例を示した図である。 行先階登録装置の表示部における表示例を示した図である。 エレベータ制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 セキュリティゲートの外観を示した図である。 セキュリティゲートのゲート表示器における表示例を示した図である。 セキュリティサーバの電気的構成を示したブロック図である。 セキュリティサーバの記憶部に格納されているカードリーダデータベースの構成を示した図である。 セキュリティサーバの記憶部に格納されているカードデータベースの構成を示した図である。 セキュリティサーバによる呼び情報生成処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による割当処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による出発階、行先階の設定処理を説明したフローチャートである。 行先階登録装置による呼び登録処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による一般利用者割当処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による1人目訪問者割当処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による1人目訪問者割当処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による後続訪問者割当処理を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による訪問者号機番号visitorCar(y,x)の更新処理を説明したフローチャートである。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
1.構成
1−1.エレベータシステムの概要
実施の形態1におけるエレベータシステムの概要について説明する。図1は、実施の形態1におけるエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
本実施の形態に係るエレベータシステムは、複数台のエレベータ60A〜60Fと、エレベータ60A〜60Fの運行を統合的に制御する群管理システムとを含む。本実施の形態では、エレベータシステムが6台のエレベータ60A〜60Fを有する例を示している。以下において、エレベータ60A〜60Fを適宜1号機〜6号機という。各エレベータ60A〜60Fの乗車用開口がエレベータ乗場側に設けられており、利用者はエレベータ乗場からエレベータ60A〜60Fに乗車する。なお、以下では、エレベータ60A〜60Fを区別せずに「エレベータ60」という場合がある。
本実施の形態では、ビルのロビー階等の特定階に、複数台のセキュリティゲート20が配置されている。利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート20を通過して特定領域に進入する。特定領域とは、ビルにおいて、特定階のエントランス側からセキュリティゲート20を通過しないと入れない領域である。特定領域には、エレベータ乗場や、各エレベータ60のかご内のスペースや、エレベータ60を利用して移動可能な各階床のスペースを含む。
各階床のエレベータ乗場の近傍には、行先階登録装置30が配置されている。
本実施の形態におけるエレベータシステムでは、利用者がエレベータ60のかごに乗車する前にセキュリティゲート20や行先階登録装置30で行先階を予め登録する行先階登録方式を採用している。群管理システムは、このように予め登録された行先階に関する呼び(行先階呼び)を、複数台のエレベータ60のうちのいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を利用者に報知し、割り当てた号機に利用者を乗車させるように構成されている。
また、本実施の形態におけるエレベータシステムでは、利用者は、行先階の登録をビル入館用のIDカード(ビル入館用のセキュリティ認証カード)を利用して行うことが可能に構成されている。IDカードは、例えばICタグを内蔵したICカードにより構成されている。IDカードは情報記録媒体の一例である。なお、本実施の形態において、ビル入居テナントの社員やビル管理者は「一般利用者」に分類される利用者(「一般利用者」の属性を有する利用者)として分類され、それぞれ専用のIDカードが常時貸与される。これに対し、ビル入居テナントなどへの訪問者は「訪問者」に分類される利用者(「訪問者」の属性を有する利用者)として分類され、ロビー階などに設けられたビル受付などにおいてIDカードが一時的に貸与される。
なお、特定階の行先階登録装置30は、特定領域に進入した利用者が、群管理システムにより指定されたエレベータ60に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに、エレベータ60を利用することを可能とするために設けられている。
1−2.エレベータシステムの構成
1−2−1.概要
図2は、エレベータシステムの構成を示したブロック図である。エレベータシステムは、複数台のエレベータ60A〜60Fと、これらのエレベータを統合的に制御する群管理システムと、を含む。エレベータの群管理システムは、群管理制御装置10と、複数台の行先階登録装置30と、複数台のエレベータ制御装置40A〜40Fと、複数台のゲート表示器70とを有する。群管理システムは、セキュリティシステムに、信号伝送可能に接続される。セキュリティシステムは、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20、カードリーダ25及びカードリーダ36を有する。ゲート表示器70は、セキュリティゲート20に配置されている。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100及び行先階登録装置30との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置間は、情報伝送可能なネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークNW上に接続されている前述の各装置は、装置間において、各装置が有する入出力インタフェースにより、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
各エレベータ60(60A〜60F)は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
1−2−2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、複数台のエレベータ60A〜60Fの運行を統合的に制御する。
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40(40A〜40F)との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
1−2−3.行先階登録装置
図3は、行先階登録装置30の電気的構成を示したブロック図である。行先階登録装置30は、利用者が行先階の登録を行うための装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30が群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。
操作部35は、行先階登録装置30に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースである。操作部35は、操作内容に応じた信号を制御部31に出力する。
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成される。なお、表示部34と操作部35とは、表示部34に表示されているボタン等のオブジェクトと同等の指定を行うことが可能であれば、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。
図4は、行先階登録装置30の外観を模式的に示した図である。図5A、図5Bは、行先階登録装置30の表示部34における表示例を示した図である。
行先階登録装置30の側方には、カードリーダ36が配置されており、行先階の登録の際、利用者に、IDカードをカードリーダ37にかざして認証を行わせるように構成されている。
カードリーダ36は、利用者により所定距離よりも近い位置にかざされたIDカード(ICカード)のICタグに記録されたカードID(カード識別情報)を例えば電磁的に非接触で読み取る。カードリーダ36は、情報読取装置の一例である。カードIDは、情報読取装置で読み取られる情報の一例である。カードリーダ36は、読み取ったカードIDと、当該カードリーダ36のカードリーダID(カードリーダ識別情報)とを含むIDデータ信号をセキュリティサーバ100に送信する。
図4では、行先階登録装置30の表示部34に、デフォルト画面としての案内画面が表示されている例を示している。この案内画面では、例えば、「カードリーダにIDカードをかざしてください」というメッセージが表示される。図4の案内画面が表示部34に表示されているときに、利用者によりIDカードがカードリーダ36にかざされると、例えば図5Aに示すような登録操作画面が表示される。図5Aの登録操作画面では、表示部34に「行先階を選択してください」というメッセージとともに、1〜9階の各行先階の行先階ボタンが表示されている。図5Aの登録操作画面で、いずれかの行先階ボタンが利用者により押されると(タッチされると)、エレベータの割り当てが行われ、例えば図5Bに示すような割当号機報知画面が表示される。図5Bの割当号機報知画面では、表示部34に「1号機にご乗車ください」というメッセージが表示されている。
1−2−4.エレベータ制御装置
図6は、エレベータ制御装置40A〜40Fの電気的構成を示すブロック図である。エレベータ制御装置40A〜40Fは、エレベータ60A〜60Fに対応させて設けられ、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ60A〜60Fの巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ60A〜60Fのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40A〜40Fはそれぞれ、対応するエレベータ60A〜60Fのかごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置40A〜40Fを区別せずに「エレベータ制御装置40」という場合がある。
エレベータ制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43と、を備える。
記憶部42は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のエレベータ制御装置40の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部41は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース43は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース43は、エレベータ制御装置40と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース43は、制御部41から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース43は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部41に出力する。
1−2−5.セキュリティゲート
セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への正規の利用者の進入を許可する一方、非正規の利用者の進入については規制する装置である。正規の利用者とは、利用者IDがカードデータベース(以下「カードDB」という)に登録されている利用者であり、非正規の利用者とは、利用者IDがカードDBに登録されていない利用者である。正規の利用者は、ビル管理者により発行された、利用者IDを格納する正規なIDカードを有している。
図7は、セキュリティゲート20の外観を示した図である。なお、図7は、図1の3台のセキュリティゲート20のうち最も左のセキュリティゲート20を示している。セキュリティゲート20は、筐体であるゲート本体20aと、カードリーダ25と、第1センサ26と、第2センサ27と、ゲートフラッパ28と、ゲート表示器70とを備える。
ゲートフラッパ28は、開閉自在の扉である。
ゲート本体20aには、セキュリティサーバ100から出力される信号などに基づいて、ゲートフラッパ28の開閉を制御する制御部、制御に必要なプログラムなどを格納する記憶部、セキュリティサーバ100との間で信号の授受を行う入出力インタフェースなどが収容されている。
カードリーダ25は、ゲート本体20aの上面の入口20i側に配置されている。カードリーダ25は、利用者により所定距離よりも近い位置にかざされたIDカード(ICカード)のICタグに記録されたカードID(カード識別情報)を例えば電磁的に非接触で読み取る。カードIDは、情報読取装置で読み取られる情報の一例である。カードリーダ25は、読み取ったカードIDと、当該カードリーダ36のカードリーダID(カードリーダ識別情報)とを含むIDデータ信号をセキュリティサーバ100に送信する。
第1センサ26は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの入口20i側を通過する利用者を検知する。第1センサ26は、利用者を検知すると、制御部を介して検知信号をセキュリティサーバ100に出力する。
第2センサ27は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの出口20e側を通過する利用者を検知する。第2センサ27は、利用者を検知すると、制御部を介して検知信号をセキュリティサーバ100に出力する。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10が割り当てたエレベータ(割当号機)の名称などを表示する割当号機報知画面を表示する。ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される割当結果信号を受信したときに、割当号機報知画面を表示する。
図8は、セキュリティゲート20のゲート表示器70における表示例を示した図である。セキュリティゲート20を通過する利用者によりIDカードがカードリーダ25にかざされると、群管理制御装置10によりエレベータの割り当てが行われ、例えば図8に示すような割当号機報知画面がゲート表示器70に表示される。図8の割当号機報知画面では、「1号機にご乗車ください」というメッセージが表示されている。
1−2−6.セキュリティサーバ
セキュリティサーバ100は、セキュリティゲート20のカードリーダ25または行先階登録装置30のカードリーダ36から送信されてきたIDデータ信号に含まれるカードIDに基づいてセキュリティ認証を行うとともに、セキュリティゲート20の開閉を制御する。また、セキュリティサーバ100は、IDデータ信号を受信したときに、利用者の行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に出力する。
図9は、セキュリティサーバ100の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティサーバ100は、コンピュータを利用して構成され、制御部101と、記憶部102と、入出力インタフェース103と、を備える。
記憶部102は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態のセキュリティサーバ100の後述する各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部102は、データとして、カードDBを格納している。カードDBの構成については後述する。
また、記憶部102は、データとして、カードリーダデータベース(以下「カードリーダDB」という)を格納している。カードリーダDBの構成については後述する。
制御部101は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部101は、記憶部102から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティサーバ100における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース103は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース103は、セキュリティサーバ100が、カードリーダ25、カードリーダ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース103は、制御部101から出力された信号を所定の形式の信号に変換してカードリーダ25、カードリーダ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20に出力する。また、入出力インタフェース103は、カードリーダ25、カードリーダ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部101に出力する。
図10は、セキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているカードリーダDBの構成を示す図である。カードリーダDBは、カードリーダIDに紐付けて、各カードリーダ(25,36)の設置階と、各カードリーダ(25,36)の設置ロケーションの情報とを格納している。
設置階は、カードリーダIDに対応するカードリーダ(25,36)が設置されている階を示す情報である。設置階は、カードリーダ(25,36)にIDカードをかざした利用者の出発階として利用される。
設置ロケーションは、カードリーダIDに対応するカードリーダ(25,36)が設置階内で設置されている位置を示す情報である。設置ロケーションは、設置階毎に、例えば「1」,「2」,「3」…などの通し番号により示される。
図10に示す例では、カードリーダID“0001”に紐付けて、設置階、及び設置ロケーションとして、“1”、及び“1”が登録されている。カードリーダID“0002”に紐付けて、設置階、及び設置ロケーションとして、“1”、及び“2”が登録されている。残りのカードリーダIDについても同様に、カードリーダIDに紐付けて、設置階及び設置ロケーションの情報が登録されている。
図11は、セキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているカードDBの構成を示す図である。カードDBは、カードIDに紐付けて、デフォルト行先階と、利用者属性とを記録している。これらの情報のカードDBへの登録は例えばビル管理者により行われる。
「カードID」は、前述したように、IDカードを一意に識別するために設定された識別情報である。
「デフォルト行先階」は、利用者のデフォルト行先階を示す情報である。IDカードのカードIDに対応する行先階としては、例えば、利用者が入居している階床が設定される。
「利用者属性」は、利用者の属性を示す情報である。「利用者属性」としては、“訪問者”または“一般利用者”が登録される。“訪問者”は、利用者が「訪問者」に分類される利用者(「訪問者」の属性を有する利用者)であることを示す。“一般利用者”は、利用者が「一般利用者」に分類される利用者(「一般利用者」の属性を有する利用者)であることを示す。
図11に示す例では、カードID“0001”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“10”、及び“一般利用者”が登録されている。カードID“0002”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“11”、及び“一般利用者”が登録されている。また、カードID“1001”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“5”、及び“訪問者”が登録されている。カードID“1002”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“3”、及び“訪問者”が登録されている。残りのカードIDについても同様に、カードIDに紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性の情報が登録されている。
2.動作
2−1−1.セキュリティゲートのゲートフラッパの開閉制御
セキュリティゲート20のゲートフラッパ28の開閉制御の一例について時系列的に説明する。ゲートフラッパ28は閉状態をデフォルトとする。利用者が、IDカードをカードリーダ25にかざしながらセキュリティゲート20に進入すると、カードリーダ25でIDカードからカードIDが読み取られ(取得され)、カードリーダ25からセキュリティサーバ100に、読み取られたカードIDと、当該カードリーダ25のカードリーダIDとを含むIDデータ信号が送信される。受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれとも一致しない場合、セキュリティサーバ100は、エラー信号を、カードリーダIDが示すカードリーダ25が配置されたセキュリティゲート20に送信する。この場合、セキュリティゲート20の制御部は、ゲートフラッパ28を閉状態で維持する。これにより、非正規のIDカードを提示した利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
これに対し、受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれかと一致した場合、セキュリティサーバ100は、開放信号を送信する。この場合、セキュリティゲート20の制御部は、ゲートフラッパ28を開状態に制御する。これにより、正規のIDカードをかざした利用者は、セキュリティゲート20を通過することができる。
なお、セキュリティゲート20の制御部は、セキュリティサーバ100から開放信号を受信していないにもかかわらず、第1センサ26から検知信号を受信した場合、ゲートフラッパ28を閉状態で維持する。これにより、IDカードを提示していない利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
このように、正規のIDカードをかざした利用者は特定領域に進入することができるが、そうでない利用者は特定領域に進入することができない。よって、ビル内のセキュリティが確保される。
2−1−2.号機割当制御等
2−1−2−1.セキュリティゲートのカードリーダにIDカードがかざされたとき
利用者が、カードリーダ25にカードをかざしながらセキュリティゲート20に進入すると、カードリーダ25で、かざされたIDカードからカードIDが読み取られ、カードリーダ25からセキュリティサーバ100に、読み取られたカードIDと、当該カードリーダ25のカードリーダIDとを含むIDデータ信号が送信される。セキュリティサーバ100は、IDデータ信号に含まれるこれらの情報に基づいて、以下の(1)、(2)のいずれかの制御を行う。
(1)カードリーダ25から受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれかと一致する場合、セキュリティサーバ100は、カードDBでIDカードのカードIDに紐付けて登録されているデフォルト行先階、及び利用者属性の情報を読み出す。また、セキュリティサーバ100は、カードリーダ25から受信したカードリーダIDに紐付けてカードリーダDBに格納されている設置階及び設置ロケーションの情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ100は、出発階(設置階)、設置ロケーション、行先階(デフォルト行先階)、及び利用者属性の情報を含む呼び情報を生成し、当該呼び情報を含む呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する。
(2)カードリーダ25から受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれとも一致しない場合、正規でないIDカードが利用されたことが考えられる。このような場合、セキュリティサーバ100は、呼び情報の生成を行わない。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信すると、受信した呼び情報信号に基づいて割当号機を決定し、決定した割当号機を示す割当結果信号を、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに配置されているゲート表示器70または行先階登録装置30に送信する。
割当号機の決定において、群管理制御装置10は、出発階及び行先階だけでなく、利用者属性も考慮する。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、割当号機報知画面を表示する。
2−1−2−2.行先階登録装置のカードリーダにIDカードがかざされたとき
行先階登録装置30のカードリーダ36にカードがかざされたとき、セキュリティサーバ100及び群管理制御装置10は、セキュリティゲート20のカードリーダ25にIDカードがかざされたときと同様の処理を行う。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、表示部34に、割当号機を表示した割当号機報知画面を表示する。
2−1−3.エレベータシステムの具体的動作
エレベータシステムの具体的動作についてフローチャートを参照して説明する。
図12は、セキュリティサーバ100による呼び情報生成処理を説明したフローチャートである。
セキュリティサーバ100は、カードリーダ25またはカードリーダ36からIDデータ信号を受信したか否かを判断する(S1)。IDデータ信号には少なくとも、カードIDおよびカードリーダIDが含まれる。
カードリーダ25及びカードリーダ36のいずれからもIDデータ信号を受信していない場合(S1でNO)、セキュリティサーバ100は、ステップS1を再度実行する。
カードリーダ25またはカードリーダ36からIDデータ信号を受信した場合(S1でYES)、セキュリティサーバ100は、IDデータ信号に含まれているカードリーダIDに基づいて、IDデータ信号の送信元のカードリーダ25またはカードリーダ36の設置階および設置ロケーションを特定する(S2)。具体的には、セキュリティサーバ100は、カードリーダDBから、IDデータ信号が示すカードリーダIDに紐付けられている設置階および設置ロケーションの情報を読み出す。
セキュリティサーバ100は、IDデータ信号に含まれているカードIDに基づいて、利用者のデフォルト行先階および利用者属性を特定する(S3)。具体的には、セキュリティサーバ100の制御部101は、カードDBから、IDデータ信号が示すカードIDに紐付けられているデフォルト行先階および利用者属性を読み出す。
セキュリティサーバ100は、設置階、設置ロケーション、デフォルト行先階、及び利用者属性の情報を含む呼び情報を生成し、当該呼び情報を含む呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する(S4)。ステップS4を実行すると、セキュリティサーバ100は、ステップS1を再度実行する。
図13は、群管理制御装置10による割当処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信したか否かを判断する(S11)。呼び情報信号には、前述したように、設置階、設置ロケーション、デフォルト行先階、及び利用者属性の情報が含まれる。
呼び情報信号を受信していない場合(S11でNO)、群管理制御装置10は、ステップS11を再度実行する。
呼び情報信号を受信した場合(S11でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報信号等に基づいて、当該呼びの出発階及び行先階を設定する(S12)。図14を参照してステップS12の処理を具体的に説明する。
図14は、群管理制御装置10による出発階、行先階の設定処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から受信した呼び情報に含まれる設置階及び設置ロケーションの情報に基づいて、利用者によって利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25であるか否かを判断する(S201)。この判断は例えば以下のように行うことができる。すなわち、群管理制御装置10の記憶部12に、各カードリーダの設置階及び設置ロケーションの情報に紐付けてセキュリティゲート20のカードリーダ25であるか否かを示す情報を記録した区別情報テーブルを格納しておく。群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに基づいて当該区別情報テーブルを参照することで、利用者によって利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25であるか否かを判断する。
利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25である場合(S201でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報に含まれる設置階を出発階として設定するとともに、呼び情報に含まれるデフォルト行先階を行先階として設定する(S202)。
利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25でない場合(S201でNO)、群管理制御装置10は、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30に、受付許可信号を送信する(S203)。受付許可信号は、利用者による行先階の登録操作を行先階登録装置30が受け付けることを許可する命令と、呼び情報信号が示す利用者属性の情報とを含む信号である。受付許可信号の送信は例えば以下のように行うことができる。すなわち、群管理制御装置10の記憶部12に、各カードリーダの設置階及び設置ロケーションの情報に紐付けて送信先情報を記録した送信先情報テーブルを格納しておく。群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに基づいて当該送信先情報テーブルを参照することで、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに配置されているゲート表示器70または行先階登録装置30の送信先情報を取得し、受付許可信号を送信することができる。なお、群管理制御装置10は、割当結果信号についても同様の方法で、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30に送信することができる。
群管理制御装置10は、行先階登録装置30から割当依頼信号を受信したか否かを判断する(S204)。割当依頼信号には、後述するように、出発階(設置階)、設置ロケーション、行先階、及び利用者属性の情報が含まれている。
割当依頼信号を受信していない場合(S204でNO)、群管理制御装置10は、ステップS204を再度実行する。
割当依頼信号を受信した場合(S204でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報に含まれる設置階を出発階として設定するとともに、割当依頼信号が示す行先階を行先階として設定する(S205)。
ステップS202またはS205を実行すると、群管理制御装置10は、図13のステップS13の処理を実行する。すなわち、群管理制御装置10は、ステップS12(S205)で設定された出発階及び行先階を変数f及び変数dstに設定する(S13)。以下適宜、この「f」や「dst」を用いて、「出発階f」、「f階」、「行先階dst」などという。
群管理制御装置10は、呼び情報に含まれる利用者属性が“訪問者”であるか否かを判断する(S14)。つまり、呼びを発生させた利用者が訪問者であるか否かを判断する。
利用者属性が“訪問者”でない場合(S14でNO)、つまり“一般利用者”である場合、群管理制御装置10は、一般利用者割当処理を実行する(S18)。一般利用者割当処理の詳細については後述する。
利用者属性が“訪問者”である場合(S14でYES)、群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)が0よりも大きいか否かを判断する(S15)。訪問者号機番号visitorCar(f,dst)は、出発階fから行先階dstへの区間(f,dst)の訪問者の呼びが割り当てられているエレベータの号機番号である。出発階fから行先階dstへの区間(f,dst)において訪問者の呼びが割り当てられていないときには、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)として0(ゼロ)が設定され、当該区間(f,dst)において未応答の訪問者の呼びが割り当てられているときには、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)として現在割り当てられているエレベータの号機番号が設定される。なお、群管理制御装置10は、ビルの各階間の訪問者号機番号visitorCarを記憶部12に記憶して管理しており、上記区間(f,dst)の訪問者号機番号visitorCar(f,dst)が0よりも大きいか否かを、区間(f,dst)に対応する訪問者号機番号visitorCarに基づいて判断する。なお、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)のエレベータを、以下において、「visitorCar(f,dst)号機」という場合がある。
訪問者号機番号visitorCar(f,dst)が0よりも大きくない場合(S15でNO)、つまり訪問者号機番号visitorCar(f,dst)が0で、訪問者の出発階f、行先階dstの呼びがいずれのエレベータにも割り当てられていない場合、群管理制御装置10は、1人目訪問者割当処理を実行する(S19)。1人目訪問者割当処理の詳細については後述する。
訪問者号機番号visitorCar(f,dst)が0よりも大きい場合(S15でYES)、つまり出発階f、行先階dstの訪問者の呼びが既にいずれかのエレベータに割り当てられている場合、群管理制御装置10は、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)からの経過時間が第2所定時間Tint以下であるか否かを判断する(S16)。訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)は、出発階fから行先階dstへの区間(f,dst)の訪問者の呼びを受信した時刻である。出発階fから行先階dstへの区間(f,dst)において訪問者の呼びが割り当てられていないときには、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)として0(ゼロ)が設定され、当該区間(f,dst)において未応答の訪問者の呼びが割り当てられているときには、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)として、現在割り当てられているエレベータに最後に割り当てられた訪問者についての割当時刻(呼び情報信号の受信時刻及び呼びの発生時刻と実質的に等しい)が設定される。第2所定時間Tintは、今回の訪問者による新規呼びの発生時刻と直前の訪問者による既存呼びの発生時刻との時間間隔の上限値であり、所定人数Poの訪問者(利用者)がカードリーダ25またはカードリーダ36にIDカードを順次読み取らせる場合の想定時間間隔よりも長い時間に設定されている。第2所定時間Tintは、例えば10秒である。既存呼びとは、割当済かつサービス未完了(行先階に未到着)の呼びである。なお、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)は、後述するステップS20で後続訪問者割当処理が実行されると、当該後続訪問者割当処理が実行された時刻の値に更新される。
訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)からの経過時間が第2所定時間Tint以下でない場合(S16でNO)、群管理制御装置10は、1人目訪問者割当処理を実行する(S19)。1人目訪問者割当処理の詳細については後述する。
訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)からの経過時間が第2所定時間Tint以下である場合(S16でYES)、群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)のエレベータ(visitorCar(f,dst)号機)がf階からの出発時に少なくとも1人分の空き乗車スペースを有するか否かを判断する(S17)。なお、この判断は、今回の訪問者の呼びをまだ割り当てていない状態での空き乗車スペース、つまり既存呼びだけが割り当てられている状態での空き乗車スペースに基づいて行われる。既存呼びとは、前述したように、割当済かつサービス未完了(行先階に未到着)の呼びである。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、既存呼びの出発階及び行先階を割当号機に紐付けて管理しており、visitorCar(f,dst)号機がf階から出発する時点で何人分の空き乗車スペースを有するかを既存呼びの行先階及び出発階に基づいて判断することができる。
visitorCar(f,dst)号機がf階からの出発時に空き乗車スペースを全く有していない場合(S17でNO)、つまりvisitorCar(f,dst)号機に追加の呼びを割り当てることができない場合、群管理制御装置10は、1人目訪問者割当処理を実行する(S19)。1人目訪問者割当処理の詳細については後述する。
visitorCar(f,dst)号機がf階からの出発時に少なくとも1人分の空き乗車スペースを有している場合(S17でYES)、群管理制御装置10は、後続訪問者割当処理を実行する(S20)。後続訪問者割当処理の詳細については後述する。
ここで、利用者が行先階登録装置30を利用して行先階登録を行った場合における行先階登録装置30による呼び登録処理について説明する。行先階登録装置30を利用した行先階登録は、前述したように、セキュリティゲート20を通過して特定領域内に入った利用者が、セキュリティゲート20通過時に指定されたエレベータ60に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに行われる。
図15は、行先階登録装置30による呼び登録処理を説明したフローチャートである。このフローチャートによる処理は、エレベータシステムが稼働中に常時実行される。
行先階登録装置30は、まず、表示部34に案内画面を表示する(S211)。例えば、行先階登録装置30は、前述した図4に示すような案内画面を表示部34に表示する。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から受付許可信号を受信したか否かを判断する(S212)。前述したように、受付許可信号は、利用者による行先階の登録操作を行先階登録装置30が受け付けることを許可する信号であり、利用者がカードリーダ36にIDカードをかざした際にセキュリティサーバ100から出力される。
群管理制御装置10から受付許可信号を受信していない場合(S212でNO)、行先階登録装置30は、ステップS211に戻ってその処理を実行する。
群管理制御装置10から受付許可信号を受信した場合(S212でYES)、行先階登録装置30は、表示部34に登録操作画面を表示する(S213)。例えば、前述した図5Aに示すような登録操作画面を表示部34に表示する。
行先階登録装置30は、受付許可信号の受信時刻rtに現在時刻を設定する(S214)。具体的には、行先階登録装置30の制御部31は、表示信号の受信時刻rtとして現在時刻を記憶部32に記憶させる。
行先階登録装置30は、いずれかの行先階ボタンが押されたか否かを判断する(S215)。
いずれかの行先階ボタンが押された場合(S215でYES)、行先階登録装置30は、群管理制御装置10に割当依頼信号を送信する(S216)。割当依頼信号は、当該行先階登録装置30の設置階(出発階)、当該行先階登録装置30の設置ロケーション、押された行先階ボタンに対応する行先階、及び群管理制御装置10から受信した利用者属性の情報を含む。行先階登録装置30の設置階、設置ロケーションは、当該行先階登録装置30に併設されているカードリーダ36に紐づけてカードリーダDBに格納されている設置階、設置ロケーションと同じ内容の情報であり、例えば、各行先階登録装置30の記憶部32に記憶されている。行先階登録装置30の制御部31は、割当依頼信号の生成の際に、記憶部32から設置階、設置ロケーションを読み出して利用する。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信したか否かを判断する(S217)。割当結果信号は、割当依頼信号に対する応答として群管理制御装置10から送信される信号であり、最適号機番号bestの情報(割当号機の情報)を含む。
群管理制御装置10から割当結果信号を受信していない場合(S217でNO)、行先階登録装置30は、ステップS217を再度実行する。
群管理制御装置10から割当結果信号を受信した場合(S217でYES)、行先階登録装置30は、割当結果信号が示す最適号機番号bestの情報に基づいて、表示部34に割当号機を所定時間表示する(S218)。例えば、前述した図5Bに示すような割当号機報知画面を表示部34に表示させる。所定時間は、利用者が「割当号機」を視認可能な程度の長さの時間であり、例えば4秒である。
ステップS218の処理を実行すると、行先階登録装置30の制御部31は、ステップS211に戻り、表示部34に案内画面を表示させる。
いずれの行先階ボタンも押されていない場合(S215でNO)、行先階登録装置30は、ステップS214で設定された受信時刻rtに差分時間Cを加算した時刻よりも現在時刻が後であるか否かを判断する(S219)。差分時間Cは、登録操作画面の表示継続時間であり、利用者が余裕を持って行先階の指定操作を行うことが可能な時間に設定されている。差分時間Cは、例えば10秒である。
受信時刻rtに差分時間Cを加算した時刻よりも現在時刻が後でない場合(S219でNo)、行先階登録装置30は、ステップS215を再度実行する。
受信時刻rtに差分時間Cを加算した時刻よりも現在時刻が後である場合(S219でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、ステップS211に戻り、表示部34に案内画面を表示させる。これにより、登録操作画面を表示部34に表示した後、例えば利用者が立ち去って、いずれの行先階ボタンも押されない状態が差分時間C以上経過した場合には、案内画面に切り替えられることとなる。
次に、群管理制御装置10による図4のステップS18の一般利用者割当処理の詳細について図16を参照して説明する。
図16は、群管理制御装置10による一般利用者割当処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、号機番号carに1を設定するとともに、最大割当評価値Emaxを0に初期化する(S101)。号機番号carは、1〜Nの通し番号で示される。Nは、エレベータ台数と等しい。号機番号carのエレベータを以下適宜「car号機」という。
群管理制御装置10は、car号機の割当評価値E(car)を0に初期化する(S102)。
群管理制御装置10は、car号機に訪問者の呼びが割り当てられているか否かを判断する(S103)。具体的には、car号機に関して、出発階として発生し得る全ての階と行先階として発生し得る全ての階についての全ての組み合わせの各々について訪問者号機番号visitorCarが0であるか否かを判断する。全ての組み合わせについて訪問者号機番号visitorCarが0であることは、car号機に、訪問者の呼びが割り当てられていないことを意味し、少なくとも1つの訪問者号機番号visitorCarが0でないことは、car号機に、訪問者の呼びが割り当てられていることを意味する。
car号機に訪問者の呼びが割り当てられている場合(S103でYES)、群管理制御装置10は、割当評価値E(car)から第6所定値Bを減算する(S104)。割当評価値E(car)から第6所定値Bを減算することは、割当適性を低くする第6の補正の一例である。第6所定値Bは定数であり、後述する基礎評価値Acalcと比べて非常に大きい値に設定されている。また、第6所定値Bは、後述する第1所定値A1及び第2所定値A2の半分程度の大きさを有し、例えば50である。割当評価値E(car)を求める際に、訪問者の呼びが割り当てられているエレベータについてこのように大きな値の第6所定値Bを減算するのは、訪問者の呼びが割り当てられているエレベータには、一般利用者による呼びが割り当てられにくくするためである。
car号機に訪問者の呼びが割り当てられていない場合(S103でNO)、群管理制御装置10は、ステップS104の処理を行わない。
群管理制御装置10は、car号機の基礎評価値Acalcを演算する(S105)。
基礎評価値Acalcは、例えば、呼びが発生してから各エレベータが呼びの出発階に到着するまでの時間WT(待ち時間)や、呼びが発生してから呼びの行先階に到着するまでの時間(サービス完了時間)に基づいて、各エレベータについて求められる。基礎評価値Acalcは、例えば、待ち時間が小さい(短い)ほど大きくなる第1評価値(例えば待ち時間の逆数に比例する値)に第1重み係数を乗じた値と、サービス完了時間が小さい(短い)ほど大きくなる第2評価値(例えばサービス完了時間の逆数に比例する値)に第2重み係数を乗じた値とを加算した値である。第1重み係数及び第2重み係数の大きさは、基礎評価値Acalcが最も大きくなる状況のときにおいて当該基礎評価値Acalcが例えば10程度の値となるように設定される。なお、基礎評価値Acalcを求める際、サービス完了までの停止回数が小さい(少ない)ほど大きくなる第3評価値(例えば停止回数の逆数に比例する値)に第3重み係数を乗じた値をさらに加算してもよい。この場合、第1重み係数、第2重み係数、第3重み係数の大きさは、基礎評価値Acalcが最も大きくなる状況のときにおいて当該基礎評価値Acalcが例えば10程度の値となるように設定される。第1評価値、第2評価値、第3評価値は、基礎評価値Acalcの平均が例えば10程度となるように、適宜に重み付けが行われている。
群管理制御装置10は、割当評価値E(car)に基礎評価値Acalcを加算する(S106)。
群管理制御装置10は、割当評価値E(car)が最大割当評価値Emaxよりも大きいか否かを判断する(S107)。
割当評価値E(car)が最大割当評価値Emaxよりも大きい場合(S107でYES)、群管理制御装置10は、現在の号機番号carを最適号機番号bestとして設定するとともに、現在の割当評価値E(car)を最大割当評価値Emaxとして設定する(S108)。
割当評価値E(car)が最大割当評価値Emaxよりも大きくない場合(S107でNO)、群管理制御装置10は、ステップS108の処理を行わない。
群管理制御装置10は、号機番号carに1を加算する(S109)。
群管理制御装置10は、号機番号carがエレベータ台数よりも大きいか否かを判断する(S110)。
号機番号carがエレベータ台数よりも大きくない場合(S110でNO)、群管理制御装置10は、ステップS101に戻りその処理を実行する。
号機番号carがエレベータ台数よりも大きい場合(S110でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30またはゲート表示器70に、最適号機番号bestの情報を含む割当結果信号を送信する(S111)。これにより、ゲート表示器70または行先階登録装置30の表示部34に、最適号機番号bestが示す割当号機の情報(割当号機名等)を表示した割当号機報知画面が表示される。
図16における一般利用者割当処理によると、訪問者の呼びが割り当てられているエレベータについては、割当評価値E(car)の算出に際して第6所定値Bが減算される一方で、訪問者の呼びが割り当てられていないエレベータについては、割当評価値E(car)の算出に際して第6所定値Bは減算されない。そのため、訪問者の呼びが割り当てられているエレベータの割当評価値E(car)は、訪問者の呼びが割り当てられていないエレベータの割当評価値E(car)よりも小さな値になり、その結果、訪問者の呼びが割り当てられているエレベータには、一般利用者による呼びが割り当てられにくくなる。そのため、後述する1人目訪問者割当処理により訪問者の呼びが割り当てられたエレベータについては、当該1人目訪問者の呼びを割り当てた時点で残っている乗車スペースが後続の訪問者の呼びの発生に備えて維持される。したがって、1人目訪問者の呼びが割り当てられたエレベータに、後続の訪問者を割り当てやすくなる。なお、後続の訪問者の呼びについては、図16のフローチャートによる一般利用者割当処理でなく、後述する図18のフローチャートによる後続訪問者割当処理が行われることで、1人目訪問者の呼びが割り当てられたエレベータへの割り当てが許容される。
図17A、図17Bは、群管理制御装置による1人目訪問者割当処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、号機番号carとして1を設定するとともに、最大割当評価値Emaxを0に初期化する(S31)。
群管理制御装置10は、割当評価値E(car)を0に初期化する(S32)。
群管理制御装置10は、car号機がf階からの出発時に所定人数Po人分以上の空き乗車スペースを有するか否かを判断する(S33)。なお、この判断は、新規の呼びをまだ割り当てていない状態での空き乗車スペース、つまり既存呼びだけが割り当てられている状態での空き乗車スペースに基づいて行われる。既存呼びとは、前述したように、割当済かつサービス未完了(行先階に未到着)の呼びである。所定人数Poは、グループで来訪する訪問者数として予め設定された人数である。所定人数Poは、例えば5人である。1つのグループに含まれる訪問者の人数は5人以下であることが多いため、この5人を所定人数Poとしておけば、1つのグループに含まれる訪問者の全員を1つのエレベータに同乗させやすくなる。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、既存呼びの出発階及び行先階を割当号機に紐付けて管理しており、car号機がf階から出発する時点で有する空き乗車スペースの人数を、既存呼びの行先階及び出発階に基づいて算出することができる。
car号機がf階からの出発時に所定人数Po分以上の空き乗車スペースを有する場合(S33でYES)、群管理制御装置10は、割当評価値E(car)に第1所定値A1を加算する(S36)。割当評価値E(car)に第1所定値A1を加算することは、割当適性を高くする第1の補正の一例である。第1所定値A1は定数であり、後のステップS45で割当評価値E(car)に加算される基礎評価値Acalcと比べて非常に大きい値に設定されている。第1所定値A1は例えば500である。これに対し、基礎評価値Acalcは、ステップS103で説明したように例えば10以下の値である。第1所定値A1を基礎評価値Acalcと比べてこのように大きな値とするのは、1人目訪問者割当処理において、car号機がf階からの出発時に所定人数Po分以上の空き乗車スペースを有することについて重視するためである。なお、第1所定値A1について先に例示した500という値は、所定人数Poが例えば5人である場合の値であり、5人×100/人として設定している。
car号機がf階からの出発時に所定人数Po分以上の空き乗車スペースを有していない場合(S33でNO)、群管理制御装置10は、ステップS36の処理を行わない。
群管理制御装置10は、car号機がf階(呼びの出発階)に到着するまでの時間(待ち時間)が第1所定時間Tw以上であるか否かを判断する(S37)。第1所定時間Twは待ち時間に関する閾値であり、例えば25秒である。第1所定時間Twは、所定人数Poの訪問者(利用者)がカードリーダ25またはカードリーダ36にIDカードを順次読み取らせて乗車が完了するまでの想定所要時間(例えば20秒)よりも長い時間に設定されている。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、既存呼びの出発階及び行先階を割当号機に紐付けて管理しており、car号機がf階に到着するまでの時間については、既存呼びの行先階及び出発階に基づいて算出することができる。
car号機がf階に到着するまでの時間が第1所定時間Tw以上である場合(S37でYES)、群管理制御装置10は、割当評価値E(car)に第2所定値A2を加算する(S38)。割当評価値E(car)に第2所定値A2を加算することは、割当適性を高くする第2の補正の一例である。第2所定値A2は定数で、第1所定値A1同様に基礎評価値Acalcと比べて非常に大きい値に設定されている。第2所定値A2は例えば100である。第2所定値A2をこのように大きな値とするのは、1人目訪問者割当処理において、car号機がf階に到着するまでの時間が第1所定時間Tw以上であることについても重視するためである。本実施の形態では第2所定値A2を第1所定値A1と同じ大きさとしているが、異なる大きさとしてもよい。
car号機がf階に到着するまでの時間が第1所定時間Tw以上でない場合(S37でNO)、群管理制御装置10は、ステップS38の処理を行わない。
群管理制御装置10は、car号機が1人目訪問者の新規呼びに応答する前に既存呼びによりf階から当該新規呼びの出発方向とは逆方向に出発するか否かを判断する(S39)。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、既存呼びの出発階及び行先階を割当号機に紐付けて管理しており、car号機が1人目訪問者の新規呼びに応答する前に既存呼びによりf階から当該新規呼びの出発方向とは逆方向に出発するか否かを、既存呼びの行先階及び出発階に基づいて判断することができる。
逆方向に出発することがない場合(S39でNO)、群管理制御装置10は、割当評価値E(car)に第3所定値A3を加算する(S40)。割当評価値E(car)に第3所定値A3を加算することは、割当適性を高くする第3の補正の一例である。第3所定値A3は定数であり、第1所定値A1同様に基礎評価値Acalcと比べて非常に大きい値に設定されている。第3所定値A3は、第1所定値A1及び第2所定値A2の半分程度の大きさを有し、例えば50である。第3所定値A3をこのように大きな値とするのは、1人目訪問者割当処理において、空き乗車スペースの有無や、car号機がf階に到着するまでの時間が第1所定時間Tw以上であることほどではないものの、car号機が1人目訪問者の新規呼びに応答する前に既存呼びによりf階から新規呼びの出発方向とは逆方向に出発しないことについても重視するためである。
逆方向に出発する場合(S39でYES)、群管理制御装置10は、ステップS40の処理を行わない。
群管理制御装置10は、car号機に割り当てられている既存呼びの利用者がf階に到着するまでにまたはf階に到着したときに降車して、car号機がf階で空かご状態になるか否かを判断する(S41)。つまり、1人目訪問者が乗車するときにcar号機が空かご状態になっているか否かを判断する。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、既存呼びの出発階及び行先階を割当号機に紐付けて管理しており、car号機がf階で空かご状態になるか否かを、既存呼びの行先階及び出発階に基づいて判断することができる。
car号機がf階で空かご状態になる場合(S41でYES)、群管理制御装置10は、割当評価値E(car)に第4所定値A4を加算する(S42)。割当評価値E(car)に第4所定値A4を加算することは、割当適性を高くする第4の補正の一例である。第4所定値A4は定数であり、基礎評価値Acalcと比べて大きい値に設定されている。第4所定値A4は、第1所定値A1及び第2所定値A2の1/4程度の大きさを有し、例えば25である。第4所定値A4をこのように大きな値とするのは、1人目訪問者割当処理において、乗車時にcar号機が空かご状態にあることについても重視するためである。
car号機がf階で空かご状態にならない場合(S41でNO)、群管理制御装置10は、ステップS42の処理を行わない。
群管理制御装置10は、f階でcar号機に他の利用者が乗車するか否か(新規呼びの出発階を出発階とする既存呼びがcar号機に割り当てられているか否か)を判断する(S43)。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、既存呼びの出発階及び行先階を割当号機に紐付けて管理しており、f階でcar号機に他の利用者が乗車するか否かを、既存呼びの行先階及び出発階に基づいて判断することができる。
f階でcar号機に他の利用者が乗車しない場合(S43でNO)、群管理制御装置10は、割当評価値E(car)に第5所定値A5を加算する(S44)。割当評価値E(car)に第5所定値A5を加算することは、割当適性を高くする第5の補正の一例である。第5所定値A5は定数であり、基礎評価値Acalcと比べて大きい値に設定されている。第5所定値A5は、第1所定値A1及び第2所定値A2の1/4程度の大きさを有し、例えば25である。第5所定値A5をこのように大きな値とするのは、1人目訪問者割当処理において、f階でcar号機に他の利用者が乗車しないことについても重視するためである。
f階でcar号機に他の利用者が乗車する場合(S43でYES)、群管理制御装置10は、ステップS44の処理を行わない。
群管理制御装置10は、car号機の基礎評価値Acalcを演算し、割当評価値E(car)に基礎評価値Acalcを加算する(S45)。
群管理制御装置10は、割当評価値E(car)が最大割当評価値Emaxよりも大きいか否かを判断する(S46)。
割当評価値E(car)が最大割当評価値Emaxよりも大きい場合(S46でYES)、群管理制御装置10は、最適号機番号bestとして現在の号機番号carを設定し、かつ最大割当評価値Emaxとして現在の割当評価値E(car)を設定する(S47)。
割当評価値E(car)が最大割当評価値Emaxよりも大きくない場合(S46でNO)、群管理制御装置10は、ステップS47の処理を行わない。
群管理制御装置10は、号機番号carに1を加算する(S48)。
群管理制御装置10は、号機番号carがエレベータ台数よりも大きいか否かを判断する(S49)。
号機番号carがエレベータ台数よりも大きくない場合(S49でNO)、群管理制御装置10は、ステップS31に戻りその処理を実行する。
号機番号carがエレベータ台数よりも大きい場合(S49でYES)、つまり全号機についてステップS48までの処理が完了した場合、群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)として最適号機番号bestを設定するとともに、visitorCardTime(f,dst)として現在時刻を設定する(S50)。visitorCardTime(f,dst)は、訪問者の呼びを受信した時刻であり、以下、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)という。
群管理制御装置10は、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30またはゲート表示器70に、最適号機番号bestの情報を含む割当結果信号を送信する(S51)。これにより、ゲート表示器70または行先階登録装置30の表示部34に、最適号機番号bestが示す割当号機の情報(割当号機名等)を表示した割当号機報知画面が表示される。
図17A、図17Bの1人目訪問者割当処理によると、所定人数Poの利用者が乗車可能な空き乗車スペースを有するエレベータ60の割当評価値E(car)に第1所定値A1が加算されるので、当該エレベータ60が1人目訪問者の新規呼びに割り当てられやすくなる。そのため、訪問者が複数人からなるグループの構成者であるような場合において、その後に続く訪問者を1人目訪問者に割り当てられたエレベータ60と同一のエレベータ60に割り当てやすくなる。
また、図17A、図17Bの1人目訪問者割当処理によると、呼びの出発階に到着するまでの時間WTが第1所定時間Tw以上であるエレベータ60の割当評価値E(car)に第2所定値A2が加算されるので、当該エレベータ60が1人目訪問者の新規呼びに割り当てられやすくなる。つまり、新規呼びの出発階への到着予定時刻まで時間的余裕があるエレベータ60が1人目訪問者の新規呼びに割り当てられやすくなる。1人目訪問者の新規呼びを、当該新規呼びの出発階に既に到着しているエレベータや、当該出発階に短時間で到着するエレベータに割り当てたような場合、1人目訪問者の後に続く訪問者が同じエレベータ60に乗り遅れるのではと考えて、焦ったり、不安を持ったりする可能性がある。しかし、本実施の形態における1人目訪問者割当処理によると、呼びの出発階に到着するまでの時間WTが第1所定時間Tw以上であるエレベータ60が存在する場合には当該エレベータ60が割り当てられやすくなるので、1人目訪問者の後に続く訪問者が焦ったり、不安を持ったりするのを抑制することができる。
さらに、図17A、図17Bの1人目訪問者割当処理によると、car号機が1人目訪問者の新規呼びに応答する前にf階から新規呼びの出発方向とは逆方向に出発しないエレベータ60の割当評価値E(car)に第3所定値A3が加算されるので、当該エレベータ60が1人目訪問者の新規呼びに割り当てられやすくなる。1人目訪問者の新規呼びに応答する前にf階から新規呼びの出発方向とは逆方向に出発するエレベータ60を割当ててしまうと、乗場行先階登録方式のエレベータシステムに慣れていない訪問者が、逆方向に出発するエレベータに誤って乗車してしまう可能性がある。しかし、本実施の形態における1人目訪問者割当処理によると、逆方向に出発しないエレベータ60が存在する場合には当該エレベータ60が割り当てられやすくなるので、訪問者が逆方向に出発するエレベータに誤って乗車することを抑制できる。
さらに、図17A、図17Bの1人目訪問者割当処理によると、1人目訪問者の乗車時に空かご状態にあるエレベータ60の割当評価値E(car)に第4所定値A4が加算されるので、当該エレベータ60が1人目訪問者の新規呼びに割り当てられやすくなる。エレベータ内にある程度の人数が乗っている場合、乗場行先階登録方式のエレベータシステムに慣れていない訪問者は、遠慮して乗車しない可能性がある。上下方向呼びのエレベータでは、定員の半分程度の利用者が乗車していると、それ以上に乗車しない傾向がある。しかし、本実施の形態における1人目訪問者割当処理によると、乗車時に空かご状態にあるエレベータ60が存在する場合には当該エレベータ60が割り当てられやすくなる。空かご状態にある場合、乗場行先階登録方式のエレベータシステムに慣れていない訪問者でも乗車しやすい。そのため、訪問者が遠慮して乗車しないような状況の発生を抑制できる。
さらに、図17A、図17Bの1人目訪問者割当処理によると、1人目訪問者の出発階(f階)で他の利用者が乗車しないエレベータ60の割当評価値E(car)に第5所定値A5が加算されるので、当該エレベータ60が1人目訪問者の新規呼びに割り当てられやすくなる。同一階で他の利用者も乗車すると、乗場行先階登録方式のエレベータシステムに慣れていない訪問者が、遠慮して乗車しない可能性がある。しかし、本実施の形態における1人目訪問者割当処理によると、1人目訪問者の出発階(f階)で他の利用者が乗車しないエレベータ60が存在する場合には、当該エレベータ60が割り当てられやすくなる。同一階で他の利用者が乗車しなければ、乗場行先階登録方式のエレベータシステムに慣れていない訪問者でも乗車しやすいため、遠慮して乗車しないような状況の発生を抑制できる。
図18は、群管理制御装置10による後続訪問者割当処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(f,dst)として、1人目訪問者割当処理(図17A、図17B)で設定された最適号機番号bestを設定するとともに、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)として現在時刻を設定する(S71)。ここでの現在時刻は、当該後続訪問者割当処理を行っている時刻であるが、実質的には、後続の訪問者による新規呼びの発生時刻とほぼ同じである。
群管理制御装置10は、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30またはゲート表示器70に、最適号機番号bestの情報を含む割当結果信号を送信する(S72)。これにより、ゲート表示器70または行先階登録装置30の表示部34に、最適号機番号bestが示す割当号機の情報(割当号機名等)を表示した割当号機報知画面が表示される。
図18の後続訪問者割当処理によると、1人目訪問者割当処理で割り当てられたエレベータと同じエレベータを後続の訪問者に割り当てることができる。
また、訪問者呼び受信時刻visitorCardTime(f,dst)が後続の訪問者による新規呼びの発生時刻(後続訪問者割当処理の時刻)に繰り下げられるので(S71)、複数人の訪問者が1人ずつ順にセキュリティゲートを通過するような場合において、複数人の訪問者を同一のエレベータに同乗させることができる可能性が高くなる。よって、複数人からなるグループの訪問者がエレベータを利用する際の利便性を向上させることができる。
図19は、群管理制御装置10による訪問者号機番号visitorCar(y,x)の更新処理を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、1号機〜6号機の各エレベータについて、並行して、実行される。本フローチャートにおけるcar号機や号機番号carとは、処理対象号機やその号機番号を意味し、例えば1号機についての処理ではcar号機とは1号機を意味し、2号機についての処理ではcar号機とは2号機を意味する。
群管理制御装置10は、car号機が停止予定階に到着し、戸開後、戸閉開始したか否かを判断する(S131)。car号機における停止予定階とは、car号機に割り当てられている呼びに応答するためにcar号機が停止する階であり、割り当てられている全ての呼びについての出発階及び行先階を含む。
car号機が停止予定階に到着し、戸開後、戸閉開始していない場合(S131でNO)、群管理制御装置10は、ステップS131を再度実行する。
car号機が停止予定階に到着し、戸開後、戸閉開始した場合(S131でYES)、群管理制御装置10は、到着した階を階yとして設定し、到着した階からの出発方向を出発方向dirとして設定する(S132)。なお、行先階登録方式のエレベータシステムでは、各号機について、未応答割当済の既存呼びの停止予定階(出発階及び行先階)とともに、各停止予定階からの出発方向を管理している。
群管理制御装置10は、car号機の出発方向dirがUP方向であるか否かを判断する(S133)。
car号機の出発方向dirがUP方向である場合(S133でYES)、群管理制御装置10は、階xとして階yの1つ上の階を設定する(S134)。
群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(y,x)に号機番号carが設定されているか否かを判断する(S135)。訪問者号機番号visitorCar(y,x)は、階yから階xへの区間(y,x)の訪問者の呼びに対して既に割り当てられているエレベータの号機番号である。
訪問者号機番号visitorCar(y,x)に号機番号carが設定されている場合(S135でYES)、群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(y,x)に0(ゼロ)を設定する(S136)。つまり、訪問者号機番号visitorCar(y,x)に設定されている号機番号carを0(ゼロ)にリセットする。
訪問者号機番号visitorCar(y,x)に号機番号carが設定されていない場合(S135でNO)、例えば訪問者号機番号visitorCar(y,x)に0(ゼロ)が設定され、あるいは他号機の番号が設定されている場合、群管理制御装置10は、ステップS136の処理を行わない。
群管理制御装置10は、階xが最上階であるか否かを判断する(S137)。
階xが最上階である場合(S137でYES)、群管理制御装置10は、ステップS131に戻ってその処理を実行する。
階xが最上階でない場合(S137でNO)、群管理制御装置10は、階xとして現在の階xの1つ上の階を設定し(S138)、ステップS135に戻ってその処理を実行する。
ステップS133において、car号機の出発方向dirがUP方向でない場合(S133でNO)、群管理制御装置10は、出発方向dirがDOWN方向であるか否かを判断する(S139)。
car号機の出発方向dirがDOWN方向でない場合(S139でNO)、群管理制御装置10は、ステップS131に戻ってその処理を実行する。ステップS139の判断は、car号機の出発方向dirがUP方向でない場合(S133でNO)に実行されるので、さらにcar号機の出発方向dirがDOWN方向でないと判断されること(S139でNO)は、UP方向及びDOWN方向のいずれの方向にも呼びが登録されていないことを意味する。そのため、ステップS131の処理に戻るものである。
car号機の出発方向dirがDOWN方向である場合(S139でYES)、群管理制御装置10は、階xとして階yの1つ下の階を設定する(S140)。
群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(y,x)に号機番号carが設定されているか否かを判断する(S141)。
訪問者号機番号visitorCar(y,x)に号機番号carが設定されている場合(S141でYES)、群管理制御装置10は、訪問者号機番号visitorCar(y,x)に0(ゼロ)を設定する(S142)。つまり、訪問者号機番号visitorCar(y,x)に設定されている号機番号carを0(ゼロ)にリセットする。
訪問者号機番号visitorCar(y,x)に号機番号carが設定されていない場合(S141でNO)、群管理制御装置10は、ステップS142の処理を行わない。
群管理制御装置10は、階xが最下階であるか否かを判断する(S143)。
階xが最下階である場合(S143でYES)、群管理制御装置10は、ステップS131に戻ってその処理を実行する。
階xが最下階でない場合(S143でNO)、群管理制御装置10は、階xとして現在の階xの1つ下の階を設定し(S144)、ステップS141に戻ってその処理を実行する。
図19の処理によると、停止予定階にcar号機が到着したときに、car号機についてその停止予定階を出発階とし出発方向が一致する訪問者の呼びが存在しているときには、その停止予定階を出発階とする訪問者号機番号visitorCar(y,x)の値が(ゼロ)にリセットされる。これにより、一般利用者による呼びをcar号機に割り当てやすくなる。
3.本実施の形態の作用
高層ビルなどのロビー階には、上述したように、近年、セキュリティゲートが設置され、そのカードリーダに各利用者が各自のIDカードをかざすことで、ビル内部の特定領域に入れるようになっている場合がある。また、セキュリティゲートが設置されたビルでは、各利用者が各自のIDカードをかざしたときに、IDカードに紐付けられている行先階をいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムが設けられる場合がある。
従来のエレベータシステムでは、各訪問者が個別にセキュリティゲートを通過してその都度エレベータが割り当てられる結果、上記複数人の訪問者が異なるエレベータに割り当てられやすかった。
しかし、本実施の形態のエレベータシステムによれば、訪問者の呼びがいずれのエレベータ60にも割り当てられていないときに、1人目の訪問者の呼び(第1の呼び)が発生した場合、当該呼びに、所定人数Po分の空き乗車スペースを有しかつ当該呼びの出発階に到着するまでの時間WTが第1所定時間Tw以上であるエレベータ60が割り当てられやすくなる。また、その後の第2所定時間Tint以内に後続の訪問者(第2の訪問者)による呼び(第2の呼び)が発生したときに、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に第2の呼びが割り当てられやすくなる。そのため、同時に尋ねてきた複数人からなるグループの訪問者が同一のエレベータ60に割り当てられやすくなるとともに、乗り遅れなどが生じにくくなる。したがって、カードリーダ25またはカードリーダ36を利用してエレベータ60の割り当てを行うエレベータシステムを訪問者が利用する際の利便性を向上させることができる。
(実施の形態についてのまとめ及び効果等)
(1)実施の形態1のエレベータの群管理システムは、
利用者が所持するIDカード(情報記録媒体の一例)からエレベータ乗車前にカードリーダ25またはカードリーダ36(情報読取装置の一例)で読み取られたカードID(読み取られた情報の一例)に基づいて生成された呼び情報に基づく行先階呼びを、複数台のエレベータ60のいずれかに割り当てる制御部11を備えたエレベータの群管理システムであって、
呼び情報は、利用者が訪問者であるか一般利用者(非訪問者)であるかを示す利用者属性の情報を含み、
制御部11は、
呼び情報に含まれる利用者属性の情報に基づいて、呼びを発生させた利用者が訪問者であるか否かを判断し、
呼びを発生させた利用者が訪問者であると判断したときは、他の訪問者による呼びがいずれかのエレベータ60に既に割り当てられているか否かを判断し、
他の訪問者による呼びがいずれのエレベータ60にも割り当てられていないと判断したときは、今回の訪問者による呼びを、1人目訪問者(第1の訪問者)による第1の呼びとして設定し、複数台のエレベータ60の各々について、割当適性を示す割当評価値E(car)を求めるように構成されており、
制御部11は、
各エレベータ60について割当評価値E(car)を求める際に、
所定人数Po分の空き乗車スペースを有するエレベータ60については、割当適性を高くする値である第1所定値A1を加算し(割当適性を高くする第1の補正の一例)、
第1の呼びの出発階に到着するまでの時間WTが、所定人数Poの訪問者がカードリーダ25またはカードリーダ36にIDカードを読み取らせて乗車完了するまでの想定所要時間よりも長い第1所定時間Tw以上であるエレベータ60については、割当適性を高くする値である第2所定値A2を加算し(割当適性を高くする第2の補正の一例)、
各エレベータ60について求めた割当評価値E(car)のうち最も大きい割当評価値(最も高い割当適性を有することを示す割当評価値の一例)を有するエレベータ60に第1の呼びを割り当て、
第1の呼びが発生したときから第1所定時間Twよりも短い第2所定時間Tint以内に後続の訪問者(第2の訪問者)による第2の呼びが発生した場合において、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に空き乗車スペースが残っているときは、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に第2の呼びを割り当てる。
この構成により、複数人からなる訪問者がエレベータを利用する際の利便性を向上させることができる。
(2)実施の形態1のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、第2の呼びが発生したときから第2所定時間Tint以内に後続の訪問者(第3の訪問者)による第3の呼びが発生した場合において、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に空き乗車スペースが残っているときは、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に第3の呼びを割り当てる。
この構成により、第2所定時間Tint以内に後続の訪問者(第3の訪問者)による第3の呼びが発生したときに、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に第3の呼びが割り当てられやすくなる。
(3)実施の形態1のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、
第1の呼びが発生して各エレベータ60の割当評価値E(car)を求める際に、
第1の呼びに応答する前に第1の呼びの出発階から第1の呼びの出発方向とは逆方向に出発しないエレベータ60については、割当適性を高くする値である第3所定値A3を加算する(割当適性を高くする第3の補正の一例)。
この構成により、逆方向に出発するエレベータ60に訪問者が誤って乗車することが抑制される。
(4)実施の形態1のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、
第1の呼びが発生して各エレベータ60の割当評価値E(car)を求める際に、
第1の呼びの出発階で空かご状態となるエレベータ60については、割当適性を高くする値である第4所定値A4を加算する(割当適性を高くする第4の補正の一例)。
この構成により、出発階に到着したエレベータ60に訪問者が遠慮して乗車しないことが抑制される。従来では、エレベータ60にある程度の人数の利用者が乗車していると、出発階に到着したエレベータ60に利用者(訪問者)が遠慮して乗車しないことがあった。
(5)実施の形態1のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、
第1の呼びが発生して各エレベータ60の割当評価値E(car)を求める際に、
第1の呼びの出発階を出発階とする既存呼びが割り当てられていないエレベータ60については、割当適性を高くする値である第5所定値A5を加算する(割当適性を高くする第5の補正の一例)。
この構成により、出発階に到着したエレベータ60に訪問者が遠慮して乗車しないことが抑制される。従来では、同一階の乗場に他に乗車する利用者がいると、出発階に到着したエレベータ60に利用者(訪問者)が遠慮して乗車しないことがあった。
(6)実施の形態1のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、
一般利用者(非訪問者)による第4の呼びが発生した場合、複数台のエレベータ60の各々について、割当適性を示す割当評価値E(car)を求め、
各エレベータについて求めた割当評価値E(car)のうち最も大きい割当評価値(最も高い割当適性を有することを示す割当評価値の一例)を有するエレベータに第4の呼びを割り当てるように構成され、
制御部11は、
第1の呼びが発生した時から第1の呼びを割り当てたエレベータ60が第1の呼びの出発階から出発する時までの間に第4の呼びが発生して各エレベータ60の割当評価値E(car)を求める際に、
第1の呼びを割り当てたエレベータ60については、割当適性を低くする値である第6所定値Bを減算する(割当適性を低くする第6の補正の一例)。
この構成により、第1の呼びを割り当てたエレベータ60については一般利用者(非訪問者)による第4の呼びが割り当てられにくくなる。そのため、第1の呼びを割り当てたエレベータ60に後続の訪問者による第2の呼びや第3の呼びをより割り当てやすくなる。
(その他の実施の形態)
前記実施の形態では、情報記録媒体がIDカード(ICカード)である場合について例示した。しかし、本発明では、情報記録媒体は、ICカードとして機能する携帯通信端末であってもよい。また、情報記録媒体は、非接触で読み取り可能なものでなく、接触して読み取られるものであってもよい。
前記実施の形態では、IDカード(ICカード)にカードIDのみが記録されている場合について例示した。しかし、IDカード(ICカード)に、デフォルト行先階、及び利用者属性の情報が記録されていてもよい。この場合、セキュリティサーバの記憶部のカードDBには、セキュリティ認証用のカードIDのみが記録されるだけでよい。セキュリティサーバは、IDカード(ICカード)から読み取られた利用者属性、デフォルト行先階、許可階の情報を群管理制御装置に送信する。
前記実施の形態では、割当適性が高いほど割当評価値が大きくなり、最も大きい割当評価値を有するエレベータに第1の呼びを割り当てる場合について例示した。また、割当適性を高くする第1〜第5の補正として、第1〜第5所定値A1〜A5(正の値)を加算することを例示し、割当適性を低くする第6の補正として、第6所定値B(正の値)を減算することを例示した。しかし、本発明では、割当適性が高いほど割当評価値が小さくなり、最も小さい割当評価値を有するエレベータに第1の呼びを割り当てるように構成されてもよい。この場合、例えば、割当適性を高くする第1〜第5の補正としては、第1〜第5所定値A1〜A5(正の値)を減算することを行い、第6の補正としては、第6所定値Bを加算(正の値)することを行うことができる。また、基礎評価値Acalcについては、実施の形態1で求められる値にマイナス1を乗算した値とすることができる。
前記実施の形態では、各装置の制御部は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成されてもよい。
前記実施の形態では、ネットワークNWはEthernetであり、各装置の入出力インタフェースはLANアダプタ等を利用して構成されている。しかし、これは一例であり、ネットワークNWは、例えばIEEE規格に準拠した無線LANで構成され、入出力インタフェースは無線LANアダプタ等で構成されてもよい。
10 群管理制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
20 セキュリティゲート
20a ゲート本体
20i 入口
20e 出口
25 カードリーダ
26 第1センサ
27 第2センサ
28 ゲートフラッパ
30 行先階登録装置
31 制御部
32 記憶部
33 入出力インタフェース
34 表示部
35 操作部
36 カードリーダ
40、40A〜40F エレベータ制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 入出力インタフェース
60、60A〜60F エレベータ
70 ゲート表示器
100 セキュリティサーバ
101 制御部
102 記憶部
103 入出力インタフェース
Acalc 基礎評価値
A1 第1所定値
A2 第2所定値
A3 第3所定値
A4 第4所定値
A5 第5所定値
B 第6所定値
car 号機番号
E(car) car号機の割当評価値
Emax 最大割当評価値
f 出発階
dst 行先階
dir 出発方向
Tw 第1所定時間
Tint 第2所定時間
visitorCar(f,dst) 訪問者号機番号
visitorCardTime(f,dst) 訪問者呼び受信時刻
Po 所定人数
best 最適号機番号

Claims (6)

  1. 利用者が所持する情報記録媒体からエレベータ乗車前に情報読取装置で読み取られた情報に基づいて生成された呼び情報に基づく呼びを複数台のエレベータのいずれかに割り当てる制御部を備えたエレベータの群管理システムであって、
    前記呼び情報は、前記利用者が訪問者であるか非訪問者であるかを示す利用者属性の情報を含み、
    前記制御部は、
    前記呼び情報に含まれる利用者属性の情報に基づいて、呼びを発生させた利用者が訪問者であるか否かを判断し、
    呼びを発生させた利用者が訪問者であると判断したときは、他の訪問者による呼びがいずれかのエレベータに既に割り当てられているか否かを判断し、
    他の訪問者による呼びがいずれのエレベータにも割り当てられていないと判断したときは、今回の訪問者による呼びを、第1の訪問者による第1の呼びとして設定し、前記複数台のエレベータの各々について、割当適性を示す割当評価値を求めるように構成されており、
    前記制御部は、
    各エレベータについて割当評価値を求める際に、
    所定人数分の空き乗車スペースを有するエレベータについては、割当適性を高くする第1の補正を行い、
    前記第1の呼びの出発階に到着するまでの時間が、前記所定人数の訪問者が前記情報読取装置に情報記録媒体を読み取らせて乗車完了するまでの想定所要時間よりも長い第1所定時間以上であるエレベータについては、割当適性を高くする第2の補正を行い、
    各エレベータについて求めた割当評価値のうち最も高い割当適性を有することを示す割当評価値を有するエレベータに前記第1の呼びを割り当て、
    前記第1の呼びが発生したときから前記第1所定時間よりも短い第2所定時間以内に第2の訪問者による第2の呼びが発生した場合において、前記第1の呼びを割り当てたエレベータに空き乗車スペースが残っているときは、前記第1の呼びを割り当てたエレベータに前記第2の呼びを割り当てる、
    エレベータの群管理システム。
  2. 前記制御部は、前記第2の呼びが発生したときから前記第2所定時間以内に第3の訪問者による第3の呼びが発生した場合において、前記第1の呼びを割り当てたエレベータに空き乗車スペースが残っているときは、前記第1の呼びを割り当てたエレベータに前記第3の呼びを割り当てる、
    請求項1に記載のエレベータの群管理システム。
  3. 前記制御部は、
    前記第1の呼びが発生して各エレベータの割当評価値を求める際に、
    前記第1の呼びに応答する前に前記第1の呼びの出発階から前記第1の呼びの出発方向とは逆方向に出発しないエレベータについては、割当適性を高くする第3の補正を行う、
    請求項1または2に記載のエレベータの群管理システム。
  4. 前記制御部は、
    前記第1の呼びが発生して各エレベータの割当評価値を求める際に、
    前記第1の呼びの出発階で空かご状態となるエレベータについては、割当適性を高くする第4の補正を行う、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータの群管理システム。
  5. 前記制御部は、
    前記第1の呼びが発生して各エレベータの割当評価値を求める際に、
    前記第1の呼びの出発階を出発階とする既存呼びが割り当てられていないエレベータについては、割当適性を高くする第5の補正を行う、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のエレベータの群管理システム。
  6. 前記制御部は、
    非訪問者による第4の呼びが発生した場合、前記複数台のエレベータの各々について、割当適性を示す割当評価値を求め、
    各エレベータについて求めた割当評価値のうち最も高い割当適性を有することを示す割当評価値を有するエレベータに前記第4の呼びを割り当てるように構成され、
    前記制御部は、
    前記第1の呼びが発生した時から前記第1の呼びを割り当てたエレベータが前記第1の呼びの出発階から出発する時までの間に第4の呼びが発生して各エレベータの割当評価値を求める際に、
    前記第1の呼びを割り当てたエレベータについては、割当適性を低くする第6の補正を行う、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のエレベータの群管理システム。
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