JP6907850B2 - 車両用ドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドア構造に関する。
下記特許文献1には、金属製のドアアウタパネルの内側に金属製の環状リインフォースメントが設けられている。環状リインフォースメントは、ドアアウタパネルの外周部に沿うように環状を成して、ドアアウタパネルの外周部に接合されている。また、サイドドアの前部において、第1ブラケットおよび第2ブラケットは、その前端部が環状リインフォースメントに接合されるとともに、後端部が補強部材(インパクトビーム)前端部に接合される事で、補強部材を支持している。
特開2017−35935号公報
車両において、車両の前後方向中央付近の側面から衝突荷重を受けると、サイドドア内の補強部材にドア厚さ方向内側に向かう荷重が入力され、さらに補強部材を支持するブラケットにドア厚さ方向内側に向かう荷重が伝達される。この場合、ブラケットが補強部材とドア側面視で重なる部分に荷重が集中する。また、ブラケットが車幅方向内側に向かって伸展しつつ、補強部材先端に近づくように変形する事で補強部材先端がブラケットに接触し、当該接触部においてさらに荷重が集中する可能性がある。
本発明は上記可能性を考慮し、補強部材を支持するブラケットに補強部材先端が接触する事や、当該接触部に荷重が集中する事を抑制して、荷重吸収性能を安定させた車両用ドア構造を提供することを目的とする。
本発明の車両用ドア構造は、車両のドア内に配置され、ドア前後方向に延在する補強部材と、少なくとも一部が、前記補強部材に対してドア厚さ方向内側に配置されて、前記補強部材が固定される第1ブラケットと、ドア側面視で少なくとも前記補強部材の先端が前記第1ブラケットと重なる領域において、前記第1ブラケットのドア厚さ方向内側に配置され、前記第1ブラケットとの接合箇所を有する第2ブラケットと、を有し、前記補強部材は、前記第1ブラケットまたは前記第2ブラケットのいずれかまたは前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットの両方によって前記ドアに固定され、前記第2ブラケットにおける前記第1ブラケットとの接合箇所とは別の位置かつ前記補強部材とドア側面視で重なる領域において、前記補強部材とのドア厚さ方向の距離が、前記第2ブラケットのドア前後方向の前後に隣接した部位よりも小さく構成されている近接領域を有し、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットはそれぞれ、ドア側面視で補強部材と重なる領域を挟んで一対のフランジ部を有し、前記第2ブラケットにおける前記一対のフランジ部間には、当該一対のフランジ部の端部に接続するとともにドア厚さ方向内側に凹んだ凹部が形成されており、前記近接領域を含む前記補強部材の延在方向に垂直な断面において、前記一対のフランジ部の前記端部間の距離は、前記第2ブラケットの前記近接領域のドア前後方向の前後に隣接した部位よりも小さく構成されている事を特徴としている。
請求項1に記載の車両用ドア構造では、補強部材にドア厚さ方向外側から荷重が入力されると、第1ブラケットおよび第2ブラケットには、補強部材からドア厚さ方向内側に押されるように荷重が入力される。ここで本発明では、第2ブラケットが第1ブラケットとの接合箇所とは別の位置かつ補強部材とドア側面視で重なる領域において、補強部材とのドア厚さ方向の距離が、前後に隣接した部位よりも小さく構成されている近接領域を有する事で、第1ブラケットがドア側面視で第2ブラケットと重なる部分の変形を抑制する事ができる。具体的には、補強部材から第1ブラケットに伝達される荷重の一部が、補強部材から近接領域を介して第2ブラケットに伝達され、さらに第2ブラケットから第1ブラケットとの接合箇所に伝達される事で、補強部材から第1ブラケットに入力される荷重を、第1ブラケットにおいて効果的に分散させる事ができる。よって、第1ブラケットがドア側面視で第2ブラケットと重なる部分の変形を抑制して、補強部材先端が第1ブラケットに接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。ひいては、ドアの荷重吸収性能を安定させる事ができる。
また、本車両用ドア構造では、近接領域を含む補強部材の延在方向に垂直な断面において、第2ブラケットの一対のフランジ部の端部間の距離が、前後に隣接した部位よりも小さく構成されているために、補強部材にドア厚さ方向外側から荷重が入力された際に、近接領域において補強部材と第2ブラケットとの上下方向の相対変位を規制する事ができる。これにより補強部材から第2ブラケットへの荷重伝達効率を向上させる事ができ、補強部材先端が第1ブラケットに接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。ひいては、ドアの荷重吸収性能を安定させる事ができる。
請求項2に記載の車両用ドア構造は、請求項1に記載の車両用ドア構造において、前記接合箇所は、前記第1ブラケットの一対のフランジおよび前記第2ブラケット一対のフランジ部を接合する接合箇所であって、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットは、ドア側面視で当該2つのブラケットが重なる重複区間の、前記補強部材の延在方向に沿った少なくとも一部の区間において、前記補強部材の延在方向に垂直な断面が、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットによって、閉断面状に構成されている事を特徴としている。
請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、請求項1に記載の車両用ドア構造において、第1ブラケットおよび第2ブラケットの一対のフランジ部が、ドア側面視で補強部材と重なる領域を挟んで形成され、第1ブラケットと第2ブラケットとの接合箇所がフランジ部に設けられているために、第2ブラケットに入力された荷重を、接合箇所を介して、第1ブラケットのドア側面視で補強部材と重なる領域を挟んだ両側に分散する事ができる。さらに、ドア側面視で第1ブラケットおよび第2ブラケットが重なる重複区間において、第1ブラケットおよび第2ブラケットによって、補強部材の延在方向に垂直な断面が閉断面状に構成されているために、断面係数を大きくする事ができ、第1ブラケットの変形を効果的に抑制し、補強部材先端が第1ブラケットに接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。ひいては、ドアの荷重吸収性能を安定させる事ができる。
請求項に記載の車両用ドア構造は、請求項1または請求項2に記載の車両用ドア構造において、前記第2ブラケットが、前記第1ブラケットのドア中央側の端部よりもドア中央側に延出する延出区間を有し、前記第2ブラケットにおける前記近接領域が、前記延出区間に設けられている事を特徴としている。
請求項3に記載の車両用ドア構造では、請求項1または請求項2に記載の車両用ドア構造において、第2ブラケットの補強部材への近接領域が、第1ブラケットのドア中央側の端部よりもドア中央側に延出する延出区間に設けられているために、ドア厚さ方向外側からの荷重が補強部材から第2ブラケットに効率的に荷重が伝達される(補強部材にドア厚さ方向外側から荷重が入力されると、補強部材において、ドア中央側のほうが、第1ブラケット側よりも変位が大きくなるためである)。よって、補強部材から第1ブラケットに入力される荷重の一部が、補強部材から第2ブラケットに伝達されて、さらに第2ブラケットから第1ブラケットとの接合箇所に伝達される事で、補強部材から第1ブラケットに入力される荷重を、効果的に分散させる事ができる。よって、第1ブラケットがドア側面視で第2ブラケットと重なる部分の変形を抑制して、補強部材先端が第1ブラケットに接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。ひいては、ドアの荷重吸収性能を安定させる事ができる。
請求項に記載の車両用ドア構造では、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ドア構造において、前記第2ブラケットにおける前記近接領域を含む前記補強部材の延在方向に垂直な断面において、第2ブラケットは前記補強部材に固定される固定箇所を有する事を特徴としている。
請求項4に記載の車両用ドア構造では、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ドア構造において、近接領域を含む補強部材の延在方向に垂直な断面において第2ブラケットが補強部材に固定されている事で、ドア厚さ方向外側からの荷重が補強部材から近接領域において第2ブラケットに効率的に伝達される。そして荷重が、第2ブラケットから第1ブラケットとの接合箇所に伝達される事で、補強部材から第1ブラケットに入力される荷重を、効果的に分散させる事ができる。よって、補強部材先端が第1ブラケットに接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。ひいては、ドアの荷重吸収性能を安定させる事ができる。
請求項5に記載の車両用ドア構造では、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用ドア構造において、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットが、ドア側面視で重ならない単独領域において、前記補強部材は、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットのいずれか一方によって、前記サイドドアのドアインナパネルに取り付けられている事を特徴としている。
請求項5に記載の車両用ドア構造では、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用ドア構造において、前第1ブラケットと第2ブラケットがドア側面視で重ならない単独領域において、いずれか一方のブラケットによって補強部材がドアインナパネルに固定されている。補強部材にドア厚さ方向外側から荷重が入力された際には、単独領域においてドアインナパネルに固定されるブラケットを効率的に変形させる事ができる。よって効果的に荷重を吸収できる。
本発明に係る車両用ドア構造は、ドア内の補強部材が固定されるブラケットに荷重が集中する事を抑制して、ドアの荷重吸収性能を安定させる事ができる。
本発明の車両用ドア構造が適用されたフロントサイドドアのドアインナアッシーを示した、実施例1におけるドア厚さ方向外側から見たドアの側面図である。 図1に示されるドアインナアッシーの要部であるドア前部を拡大して示した、ドア厚さ方向外側から見たドアの側面図である。 実施例1の車両用ドア構造におけるアウタエクステンション、インナエクステンションおよびインパクトビームを示す図であり、ドア厚さ方向内側から見た斜視図である。 図2に示すドアインナアッシーを4−4線に沿って切断した状態を示す図であり、ドア上方から見た断面図である。 図2に示すアウタエクステンション、インナエクステンションおよびインパクトビームをインパクトビームの延在方向に垂直なA-A線、B-B線、C-C線に沿って切断した状態を示した図であり、ドア前方から見た断面図である。 図2において、インパクトビームとアウタエクステンション、インパクトビームとインナエクステンションの溶接部を模式的に示したドアの側面図である。 図6において、インパクトビームとアウタエクステンション、インパクトビームとインナエクステンションを、インパクトビームの延在方向に垂直なD-D線、E-E線、F-F線に沿って切断した状態を示した図であり、ドア前方から見た断面図である。 実施例2の車両用ドア構造における、ドアインナアッシーの要部であるドア前部を拡大して示した、ドア厚さ方向外側から見たドアの側面図である。 実施例の2の車両用ドア構造における、アウタエクステンション、インナエクステンションおよびインパクトビームを示す図3に対応した図であり、ドア厚さ方向内側から見た斜視図である。 図8の10−10線に沿って切断した状態を示す図であり、ドア上方から見た断面図である。 図8において、インパクトビームとアウタエクステンション、インパクトビームとインナエクステンションを、インパクトビームの延在方向に垂直なG-G線、H-H線、I-I線に沿って切断した状態を示した図であり、ドア前方から見た断面図である。 実施例3の車両用ドア構造における、ドアインナアッシーの要部であるドア前部を拡大して示した、ドア厚さ方向外側から見たドアの側面図である。 実施例3の車両用ドア構造におけるアウタエクステンション、インナエクステンションおよびインパクトビームを示す図であり、ドア厚さ方向内側から見た斜視図である。 図12の14−14線に沿って切断した状態を示す図であり、ドア上方から見た断面図である。 図12において、インパクトビームとアウタエクステンション、インパクトビームとインナエクステンションを、インパクトビームの延在方向に垂直なJ-J線、K-K線、L-L線に沿って切断した状態を示した図であり、ドア前方から見た断面図である。 実施例4の車両用ドア構造における、ドアインナアッシーの要部であるドア前部を拡大して示した、ドア厚さ方向外側から見たドアの側面図である。 実施例4の車両用ドア構造における、インナエクステンションおよびインパクトビームを示す図であり、ドア厚さ方向内側から見た斜視図である。 図16の18−18線に沿って切断した状態を示す図であり、ドア上方から見た断面図である。 図16において、インパクトビームとアウタエクステンション、インパクトビームとインナエクステンションを、インパクトビームの延在方向に垂直なJ-J線、K-K線、L-L線に沿って切断した状態を示した図であり、ドア前方から見た断面図である。 本発明をドアインナアッシーの後部にも適用した実施例5の車両用ドア構造における、ドア厚さ方向外側から見たドアの側面図である。
以下、図面を用いて本発明の車両用ドア構造が適用された「車両のドア」としてのフロントサイドドア10(以下、サイドドア10)について説明する。図1には、車両(自動車)の左側部かつ前側に配設されるサイドドア10の要部が側面図にて示されている。なお、図面に適宜示される矢印FRはサイドドア10のドア前側を示し、矢印UPはドア上側を示し、矢印OUTはドア外側を示している。また、以下の説明で、単に前後、上下の方向を示す場合は、ドア前後方向の前後、ドア上下方向の上下を示すものとする。本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、以下の記載及び図面は適宜簡略化されている。
サイドドア10は、その前端部において、図示しない上側ヒンジ12及び下側ヒンジ14によってドア上下方向を軸方向として車両本体に開閉可能に組付けられている。そして、サイドドア10が車両本体に組付けられ且つ車両のドア開口部を閉じた状態では、サイドドア10の厚み方向が車両の車幅方向と一致しており、ドア外側が車両の車幅方向外側と一致し、ドア内側が車両の車幅方向内側と一致している。また、この状態では、ドア上下方向が車両上下方向と一致しており、ドア前後方向が車両前後方向と一致している。そして、サイドドア10は、サイドドア10のドア外側部分を構成するドアアウタアッシー16と、サイドドア10のドア内側部分を構成するドアインナアッシー18と、を含んで構成されている。
<ドアインナアッシー>
図1に示されるように、ドアインナアッシー18は、ドアインナパネル20と、アウトサイドリインフォースメント22(アウトサイドRF22)と、ベルトラインリインフォースメント24(ベルトラインRF24)と、を含んで構成されている。ドアインナパネル20には、複数のサービスホール26が形成されており、サイドドア10内に配置された部品などの配線作業などが可能になっている。また、ドアインナアッシー18のドア内側には、図示しないドアトリム28が設けられている。以下では、本実施例における本発明の要部であるドアインナアッシー18の前部について説明する。
<ドアインナアッシーの前部>
図2〜図4に示されるようにドアインナアッシー18はさらに、インパクトビーム(補強部材に相当する)30と、インパクトビーム30をドアインナパネル20に取り付けるためのインパクトビームアウタエクステンション(第1ブラケットに相当し、以下アウタエクステンションと呼称する)32と、ドア側面視でアウタエクステンションの内側に配置され、アウタエクステンション32を補強するインパクトビームインナエクステンション(第2ブラケットに相当し、以下インナエクステンションと呼称する)34と、ヒンジサイドパネル36と、チェックリインフォース38を含んで構成されている。これらはそれぞれ、金属製の材料(アルミ系、または高張力鋼等)で構成されている。以下、ドアインナアッシー18の前部を構成する各要素について詳細に説明する。
<インパクトビーム>
図1〜図7に示されるように、インパクトビーム30はドア内に配置され、ドア前後方向に略沿って延びている(インパクトビーム30の延在方向はドア前後方向に完全に沿っていなくとも良い)。本実施例ではインパクトビーム30は管状に形成されており、金属製の材料等(アルミ系、または高張力鋼等)で構成されている。図6および図7に示されるようにインパクトビーム30は、アウタエクステンション32とアーク溶接されてインパクトビーム30とアウタエクステンション32との溶接部42が形成される事でアウタエクステンション32のドア厚さ方向外側に固定されている。なお、溶接部42は後述する重複区間L2におけるアウタエクステンション32の凹部40において設けられている。また、インパクトビーム30は、インパクトビーム30がアウタエクステンション32に固定される位置よりもドア前後方向のドア中央側(本実施例ではドア前後方向の後方側)において、アーク溶接されてインパクトビーム30とインナエクステンションとの溶接部46が形成される事でインナエクステンション34のドア厚さ方向外側に固定されている。なお、溶接部46は後述する延出区間L3におけるインナエクステンション34の凹部44において設けられている。図6および図7の網掛部はそれぞれ、インパクトビーム30とアウタエクステンション32との溶接部42、インパクトビーム30とインナエクステンション34との溶接部46を示す。なお溶接部42は後述するアウタエクステンション32の一対のフランジ部48,50の端部に設けられても良く、溶接部46は後述するインナエクステンション34の一対のフランジ部52,54の端部に設けられても良い。
<アウタエクステンション>
図1〜図7に示されるように、アウタエクステンション32は一端側(本実施例では前方側)の部位において、ドア側面視でインナエクステンション34と重ならない単独区間L1を形成し、単独区間L1の前端部においてヒンジサイドパネル36とともにドアインナパネル20に、溶接またはボルト締結等によって取り付けられている。また、他端側であるドア前後方向のドア中央側(本実施例では後方側)の部位には、ドア側面視でインパクトビーム30と重なる領域を挟んでドア前後方向に延びる一対のフランジ部48、50を有している。
さらに本実施例では、図5および図7に示されるように、アウタエクステンション32の一対のフランジ部48、50の端部(上側のフランジ部48の下端縁および下側のフランジ部50の上端縁)に接続するとともにドア厚さ方向内側に凹んだ凹部40が形成されている。本実施例においてはフランジ部48、50の端部とは、図5に示されるように、インパクトビーム30の延在方向に垂直な断面において、ドア厚さ方向内側に凹む凹部40と、上下方向に伸びているフランジ部48、50の境である。また、凹部40はアウタエクステンション32の上下方向の略中央部において、インパクトビーム30の延在方向に沿って設けられている。
また、図2〜図5(特に図5の(a)および(b)参照)に示されるようにアウタエクステンション32の凹部40は、インパクトビーム30の先端(本実施例では前端)とドア側面視で重なる領域において、ドア厚さ方向内側への凹み量が大きくなるとともに一対のフランジ部48、50の端部間の距離が、前後に隣接した部位よりも大きく構成されている。
<インナエクステンション>
図1〜図5に示されるように、本実施例におけるインナエクステンション34は一端側(本実施例では前方側)の部位が、アウタエクステンション32のドア厚さ方向内側に配置されてドア側面視でアウタエクステンション32と重なる重複区間L2を形成しており、他端側であるドア前後方向のドア中央側(本実施例では後方側)の部位において、アウタエクステンション32の後方側の端部よりも後方に延出する延出区間L3を形成している。なお、図4に示されるようにインナエクステンション34の前端側の部位は、アウタエクステンション32の凹部の前端よりも前方まで延びている。また、インナエクステンション34はドア側面視でインパクトビーム30と重なる領域を挟んで、重複区間L2および延出区間L3の2つの区間を跨ぐように、ドア前後方向に延びる一対のフランジ部52、54を有している。
さらに本実施例では、図5に示されるように、インナエクステンション34の一対のフランジ部52、54の端部(上側のフランジ部52の下端縁および下側のフランジ部54の上端縁)に接続するとともにドア厚さ方向内側に凹んだ凹部44が形成されている。また、後述する近接領域A1(図4参照)を含むインパクトビーム30の延在方向に垂直な断面(図5の(c)参照)において、一対のフランジ部52、54の端部間の距離Nは、近接領域A1の前後に隣接した部位よりも小さく構成されている(図5の(b)と図5の(c)において、Nb>Nc)。なお、本実施例においてはフランジ部52、54の端部とは、図5に示されるように、インパクトビームの延在方向に垂直な断面において、ドア厚さ方向内側に凹む凹部44と上下方向に伸びているフランジ部52、54との境である。
また、凹部44はインナエクステンション34の後方側の部位の上下方向の略中央部において、インパクトビーム30の延在方向に沿って設けられている。なお、本実施例の図2〜図5に示されるように、凹部44は重複区間L2の前端部(本実施例ではインナエクステンション34の前端部と等しい)から延出区間L3の後端部にまで、インナエクステンション34の全区間に渡って形成されていても良い。インナエクステンション34の凹部44は、インパクトビーム30とドア側面視で重なり、延出区間L3における凹部44とインパクトビーム30とのドア厚さ方向の距離Mcが、重複区間L2における凹部44とインパクトビーム30とのドア厚さ方向の距離Mbよりも小さく構成されている近接領域A1を有している。つまり、本実施例におけるインナエクステンション34の近接領域A1は、インパクトビーム30とドア側面視で重なる領域かつ後述するアウタエクステンション32との接合箇所56(一対のフランジ部52,54に設けられる)とは別の位置(本実施例では延出区間L3の凹部44)において、インパクトビーム30のドア厚さ方向の距離Mが、前後に隣接した部位(本実施例では重複区間L2)よりも小さく構成されている。なお、本実施例の近接領域A1は、前後の双方に隣接した部位を有していないが、本発明における前後に隣接した部位とは、前後のどちらか一方に隣接した部位であって良い。また、近接領域A1において、インナエクステンション34はインパクトビーム30に当接していても良い。
さらに本実施例では、図6および図7に示すようにインナエクステンション34は、近接領域A1を含むインパクトビーム30の延在方向に垂直な断面において、インナエクステンション34がインパクトビーム30に固定される固定箇所58を有している。本実施例では、固定箇所58は、前述のようにインパクトビーム30の、インナエクステンション34の凹部44におけるインパクトビーム30とインナエクステンション34との溶接部46であり、溶接部46はインナエクステンション34の延出区間L3において設けられている。
さらに、本実施例では、図2〜図5に示されるように、ドア厚さ方向内側から見たドア側面視で、アウタエクステンション32の凹部40をインナエクステンション34の凹部44が完全に覆っている。つまり、インナエクステンション34の凹部44がドア厚さ方向内側から見たドア側面視で、アウタエクステンション32とインパクトビーム30が重なる領域を完全に覆っている。また、本実施例における重複区間L2には、アウタエクステンション32の凹部40が全て含まれる。すなわち、本実施例におけるインナエクステンション34は、ドア側面視でインパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32と重なる領域だけでなく、ドア側面視でインパクトビーム30がアウタエクステンション32と重なる全領域において、アウタエクステンションのドア厚さ方向内側に配置されて、重複区間L2を形成している。
(フランジ部の詳細)
図3および図5に示されるように、インナエクステンション34の一対のフランジ部52、54は、アウタエクステンション32の一対のフランジ部48、50と、複数の接合箇所56においてスポット溶接によって接合されている(インナエクステンション34のフランジ部52とアウタエクステンション32のフランジ部48が対向して溶接され、インナエクステンション34のフランジ部54とアウタエクステンション32のフランジ部50が対向して溶接されている)。すなわち、接合箇所56は全て重複区間L2に含まれている。また、接合箇所56は、インナエクステンション34のフランジ部52、54およびアウタエクステンション32のフランジ部48、50の延在方向に沿って配置されている。また、接合箇所56は、インナエクステンション34のフランジ部52、54およびアウタエクステンション32のフランジ部48、50の延在方向に離間した位置に複数設けられている。
さらに、図6に示されるように、アウタエクステンション32およびインナエクステンション34は、重複区間L2におけるインパクトビーム30の延在方向に沿った少なくとも一部の区間(図6の(a)および(b)参照)において、インパクトビーム30の延在方向に垂直な断面が、アウタエクステンション32およびインナエクステンション34によって、閉断面状(アウタエクステンション32の一対のフランジ部48、50、アウタエクステンション32の凹部40、インナエクステンション34の一対のフランジ部52、54およびインナエクステンション34の凹部44で囲まれる領域である)に構成されている。
(ヒンジサイドパネル)
図1、図2および図4に示されるように、ヒンジサイドパネル36はドアインナパネル20の前部において、上下方向にドアインナパネル20に沿うように接合され、ドアインナパネル20を補強している。また、ヒンジサイドパネル36が、アウタエクステンション32の前端部とドア側面視で重なる領域において、アウタエクステンション32、ヒンジサイドパネル36、ドアインナパネル20の3部材が、重ねて接合されている。
(チェックリインフォース)
図4に示されるように、チェックリインフォース38はアウタエクステンション32およびインナエクステンション34のドア厚さ方向内側でヒンジサイドパネル36に接合されている。なお、チェックリインフォース38はヒンジサイドパネル36との接合部において、さらにドアインナパネル20と重ねて接合されても良い。
(作用並びに効果)
次に、本発明の実施例1における車両用サイドドア構造の作用について説明する。例えば車両に、車幅方向外側から車幅方向内側へ向けた側突荷重が作用すると、サイドドア10に対してドア厚さ方向外側から荷重が入力され、サイドドア10内に配置されたインパクトビーム30にもドア厚さ方向外側から荷重が入力される。さらに、インパクトビーム30にドア厚さ方向外側から入力された荷重は、インパクトビーム30からアウタエクステンション32およびインナエクステンション34に伝達される。これにより、アウタエクステンション32のドア側面視でインパクトビーム30と重なる領域にはドア厚さ方向内側に向かう荷重が入力され、さらにアウタエクステンション32の前方側がドアインナパネル20に取り付けられているために、アウタエクステンション32をドア厚さ方向内側に向かって伸展させつつ、アウタエクステンション32が補強部材先端に近づくように変形させようとする荷重が作用する。
ここで本実施例では、インナエクステンション34が、アウタエクステンション32との接合箇所56とは別の位置に、インパクトビーム30とのドア厚さ方向の距離Mが前後に隣接した部位よりも小さく構成されている近接領域A1を有する事で、アウタエクステンション32がドア側面視でインナエクステンション34と重なる部分の変形を抑制する事ができる。具体的には、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される荷重の一部が、インパクトビーム30から近接領域A1を介してインナエクステンション34に伝達され、さらにインナエクステンション34からアウタエクステンション32との接合箇所56に伝達される事で、インナエクステンション34からアウタエクステンション32に入力される荷重を、アウタエクステンション32において、効果的に分散させる事ができる。よって、アウタエクステンション32のインパクトビーム30と重なる領域に入力されるドア厚さ方向内側に向かう荷重を分散させ、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
さらに本実施例では、アウタエクステンション32の一対のフランジ部48、50およびインナエクステンション34の一対のフランジ部52、54が、それぞれドア側面視でインパクトビーム30と重なる領域を挟んで形成され、アウタエクステンション32とインナエクステンション34との接合箇所56がフランジ部48、50、52、54に設けられているために、インナエクステンション32に入力された荷重を、接合箇所56を介してアウタエクステンション32のドア側面視でインパクトビーム30と重なる領域を挟んだ両側に分散する事ができる。よって、アウタエクステンション32のインパクトビーム30と重なる領域に入力されるドア厚さ方向内側に向かう荷重を分散させ、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
なお、本実施例では接合箇所56は、フランジ部48、50、52、54の延在方向に沿って配置されているため、アウタエクステンション32のフランジ部48、50に効果的に荷重を分散して、アウタエクステンション32がドア厚さ方向内側の面を凸にして前後に屈曲する事を効果的に抑制できる。
さらに、本実施例では、ドア側面視でアウタエクステンション32およびインナエクステンション34が重なる重複区間L2において、アウタエクステンション32およびインナエクステンション34によって、インパクトビーム30の延在方向に垂直な断面が閉断面状に構成されているため、重複区間L2において、アウタエクステンション32がドア厚さ方向内側の面を凸にして前後に屈曲する事を効果的に抑制し、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
また、本実施例では、近接領域A1(本実施例では延出区間L3に設けられる)を含むインパクトビーム30の延在方向に垂直な断面において、インナエクステンション32の一対のフランジ部52、54の端部間の距離Nが、前後に隣接した部位である重複区間L2よりも小さく構成されている(Nb>Nc)ために、近接領域A1においてインパクトビーム30と、インナエクステンション34の上下方向の相対変位を規制する事ができる。よって、インパクトビーム30からインナエクステンション34への荷重伝達効率を向上させる事ができる。具体的には、インパクトビーム30からインナエクステンション34に入力される荷重の向きが、ドア上下方向の成分を含んでいたとしても、インパクトビーム30からインナエクステンション34へ安定的に荷重を伝達させる事ができる。よって、アウタエクステンション32のインパクトビーム30と重なる領域をドア厚さ方向内側に後退させようとする荷重を効果的に分散させて、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション34に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
インナエクステンション34の近接領域A1が、延出区間L3に設けられているために、ドア厚さ方向外側からの荷重がインパクトビーム30からインナエクステンション34に効率的に伝達される(インパクトビーム30にドア厚さ方向外側から荷重が入力されると、インパクトビーム30において、後方側のほうが前方側よりも変位が大きくなるためである)。よって、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される荷重の一部が、インパクトビーム30からインナエクステンション34に伝達されて、さらにインナエクステンション34からアウタエクステンション32との接合箇所56に伝達される事で、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される荷重を、効果的に分散させる事ができる。よって、アウタエクステンション32がドア側面視でインナエクステンション34と重なる部分の変形を抑制して、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
さらに、本実施例では、インナエクステンション34が凹部44において、インパクトビーム30に固定されている事で、ドア厚さ方向外側からの荷重がインパクトビーム30からインナエクステンション34に効率的に荷重が伝達される。そして荷重が、インナエクステンション34からアウタエクステンション32との接合箇所56に伝達される事で、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される荷重を、効果的に分散させる事ができる。よって、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
さらに本実施例では、アウタエクステンション32とインナエクステンション34がドア側面視で重ならない単独領域L1において、アウタエクステンション32によってインパクトビーム30がドアインナパネル20に固定されている。これにより、インパクトビームにドア厚さ方向外側から荷重が入力された際には、単独領域L1においてはドアインナパネル20に固定されるアウタエクステンション32を効率的に変形させる事ができる。よって効果的に荷重を吸収できる。
次に、実施例2を説明する。以下の説明にあたって、実施例1と同一もしくは均等な構成の部材および効果については、重複する説明は省略することとする。このことは、後述する全ての実施例においても同様である。この実施例2のサイドドア10は図8〜図11に示されるように、重複区間L2において近接領域A2が設けられている。すなわち、重複区間L2において、インパクトビーム30とドア側面視で重なる領域かつアウタエクステンション32との接合箇所56とは別の位置において、インパクトビームとのドア厚さ方向の距離Mが、インナエクステンション34のドア前後方向の前後に隣接した部位よりも小さく構成されている近接領域A2を有している(Md>Me、 Me<Mf)。なお、本実施例では延出区間L3は設けられていない。また、本実施例では、近接領域A2を含むインパクトビーム30の延在方向に垂直な断面において、インナエクステンション32の一対のフランジ部52、54の端部間の距離Nが、前後に隣接した部位よりも小さく構成されている(Nd>Ne、Ne<Nf)。
本実施例では、インナエクステンション34の重複区間L2に、近接領域A2が設けられている。このため、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される側突荷重の一部が、インパクトビーム30から近接領域A2を介してインナエクステンション34に伝達され、さらにインナエクステンション34からアウタエクステンション32との接合箇所56に伝達される事で、インナエクステンション34からアウタエクステンション32に入力される荷重を、アウタエクステンション32において、効果的に分散させる事ができる。よって、アウタエクステンション32のインパクトビーム30と重なる領域に入力されるドア厚さ方向内側に向かう荷重を分散させ、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
次に、実施例3を説明する。この実施例3のサイドドア10は、図12〜図15に示されるように、インナエクステンション34が延出区間L3において近接領域A1を、重複区間L2において近接領域A2を有している。つまり、近接領域が延出区間L3と重複区間L2の両方に設けられている(Mg>Mh、Mh<Mi、Mi>Mjであり、Mh>Mj)。また、本実施例では、近接領域A1、A2を含むインパクトビーム30の延在方向に垂直なそれぞれの断面において、インナエクステンション32の一対のフランジ部52、54の端部間の距離Nが、前後に隣接した部位よりも小さく構成されている(Ng>Nh、 Nh<Ni、Ni>Nj)。
本実施例では、インナエクステンション34が延出区間L3において近接領域A1を、重複区間L2において近接領域A2を有している。このため、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される側突荷重の一部が、インパクトビーム30から近接領域A1およびA2の2箇所を介してインナエクステンション34に伝達され、さらにインナエクステンション34からアウタエクステンション32との接合箇所56に伝達される事で、インナエクステンション34からアウタエクステンション32に入力される荷重を、アウタエクステンション32において、効果的に分散させる事ができる。よって、アウタエクステンション32のインパクトビーム30と重なる領域に入力されるドア厚さ方向内側に向かう荷重を分散させ、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
次に、実施例4を説明する。この実施例4のサイドドア10は、図16〜図19に示されるように、インナエクステンション34が一端側(実施例1では前方側)の部位において、ドア側面視でアウタエクステンション32と重ならない単独区間L1を形成し、単独区間L1の前端部においてヒンジサイドパネル36とともにドアインナパネル20に、溶接またはボルト締結等によって取り付けられている。実施例4以外の実施例と比較して、実施例4はアウタエクステンション32が前後方向に短く、インナエクステンション34が前後方向に長く構成されている。なお、本実施例では、近接領域A1は延出区間L3に設けられている(Mk>Mo、Mo<Mp)。また、本実施例では、近接領域A1を含むインパクトビーム30の延在方向に垂直な断面において、インナエクステンション32の一対のフランジ部52、54の端部間の距離Nが、前後に隣接した部位よりも小さく構成されている(Nk>No、 No<Np)。
本実施例では、インナエクステンション34が延出区間L3において近接領域A1を有している。このため、インパクトビーム30からアウタエクステンション32に入力される側突荷重の一部が、インパクトビーム30から近接領域A1を介してインナエクステンション34に伝達され、さらにインナエクステンション34からアウタエクステンション32との接合箇所56に伝達される事で、インナエクステンション34からアウタエクステンション32に入力される荷重を、アウタエクステンション32において、効果的に分散させる事ができる。よって、アウタエクステンション32のインパクトビーム30と重なる領域に入力されるドア厚さ方向内側に向かう荷重を分散させ、インパクトビーム30の先端がアウタエクステンション32に接触する事や、当該接触部において荷重が集中する事を抑制できる。
次に実施例5を説明する。この実施例5のサイドドア10は、図20に示されるようにドアインナアッシー18の前部だけでなく、後部にも本発明が適用されている。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものでなく、上述の実施例及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施し得ることは勿論である。例えば、インパクトビームは管状ではなく、中空四角柱状に形成されていても良い。
(符号の説明)
10 サイドドア(車両のドア)
18 ドアインナアッシー
20 ドアインナパネル
30 インパクトビーム(補強部材)
32 アウタエクステンション (第1ブラケット)
34 インナエクステンション(第2ブラケット)
40 アウタエクステンションの凹部
44 インナエクステンションの凹部
48、50 アウタエクステンションの一対のフランジ部
52、54 インナエクステンションの一対のフランジ部
56 インナエクステンションにおけるアウタエクステンションとの接合箇所
58 インナエクステンションがインパクトビームに固定される固定箇所
L1 単独区間
L2 重複区間
L3 延出区間
A1 近接領域(延出区間)
A2 近接領域(重複区間)

Claims (5)

  1. 車両のドア内に配置され、ドア前後方向に延在する補強部材と、
    少なくとも一部が、前記補強部材に対してドア厚さ方向内側に配置されて、前記補強部材が固定される第1ブラケットと、
    ドア側面視で少なくとも前記補強部材の先端が前記第1ブラケットと重なる領域において、前記第1ブラケットのドア厚さ方向内側に配置され、前記第1ブラケットとの接合箇所を有する第2ブラケットと、を有し、
    前記補強部材は、前記第1ブラケットまたは前記第2ブラケットのいずれかまたは前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットの両方によって前記ドアに固定され、
    前記第2ブラケットにおける前記第1ブラケットとの接合箇所とは別の位置かつ前記補強部材とドア側面視で重なる領域において、前記補強部材とのドア厚さ方向の距離が、前記第2ブラケットのドア前後方向の前後に隣接した部位よりも小さく構成されている近接領域を有し、
    前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットはそれぞれ、ドア側面視で補強部材と重なる領域を挟んで一対のフランジ部を有し
    記第2ブラケットにおける前記一対のフランジ部間には、当該一対のフランジ部の端部に接続するとともにドア厚さ方向内側に凹んだ凹部が形成されており、
    前記近接領域を含む前記補強部材の延在方向に垂直な断面において、前記一対のフランジ部の前記端部間の距離は、前記第2ブラケットの前記近接領域のドア前後方向の前後に隣接した部位よりも小さく構成されている事を特徴とする、車両用ドア構造。
  2. 記接合箇所は、前記第1ブラケットの一対のフランジおよび前記第2ブラケット一対のフランジ部を接合する接合箇所であって、
    前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットは、ドア側面視で当該2つのブラケットが重なる重複区間の、前記補強部材の延在方向に沿った少なくとも一部の区間において、前記補強部材の延在方向に垂直な断面が、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットによって、閉断面状に構成されている事を特徴とする、請求項に記載の車両用ドア構造。
  3. 前記第2ブラケットが、前記第1ブラケットのドア中央側の端部よりもドア中央側に延出する延出区間を有し、
    前記第2ブラケットにおける前記近接領域が、前記延出区間に設けられている事を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用ドア構造。
  4. 前記第2ブラケットにおける前記近接領域を含む前記補強部材の延在方向に垂直な断面において、第2ブラケットは前記補強部材に固定される固定箇所を有する事を特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ドア構造。
  5. 前記第1ブラケットと前記第2ブラケットが、ドア側面視で重ならない単独領域において、前記補強部材は、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットのいずれか一方によって、前記ドアのドアインナパネルに取り付けられている事を特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用ドア構造。

    以上
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