JP5941898B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、車体後部の左右両側部に車体前後方向に略沿って延出する一対のリヤサイドフレーム(例えば、実施形態のリヤサイドフレーム6)と、車体前後方向に略沿って延出し前端部が前記リヤサイドフレームの後部に接続される一対の荷重吸収部材(例えば、実施形態の荷重吸収部材12)と、車両後部の下方に設けられるサブフレーム(例えば、実施形態のリヤサブフレーム8)と、前記リヤサイドフレームの後端部と前記荷重吸収部材の前端部との間に前記リヤサイドフレームの閉断面部内を横切るように設けられ、前記サブフレームの左右の対応する端部が結合されるサブフレーム支持部材(例えば、実施形態のサブフレーム支持部材15)と、を備え、前記サブフレーム支持部材は、前記リヤサイドフレームの下壁を貫通したボルト(例えば、実施形態のボルト14B)の先端部が螺合される長軸のナット(例えば、実施形態のナット16B)と、該ナットが溶接した状態で固定されている保持プレート(例えば、実施形態の保持プレート17)と、を備え、前記リヤサイドフレームは、後端部の車幅方向外側の側辺に後部フランジ(例えば、実施形態の後部フランジ19c)を有し、前記荷重吸収部材は、前端部の車幅方向外側の側辺に前部フランジ(例えば、実施形態の前部フランジ21e)を有し、前記サブフレーム支持部材の前記保持プレートは、前記前部フランジと前記後部フランジの間に介装される外向きフランジ(例えば、実施形態の外向きフランジ17b)を有し、前記前部フランジと前記外向きフランジと前記後部フランジとが重ねられて接合され、前記保持プレートが前記リヤサイドフレームと前記荷重吸収部材とに固定されていることを特徴とするものである。
この場合、リヤサイドフレームの後端部と荷重吸収部材の前端部の間に、リヤサイドフレームの閉断面部を横切るようにサブフレーム支持部材が設けられ、サブフレーム支持部材の外向きフランジが、リヤサイドフレームの車幅方向外側の後部フランジと、荷重吸収部材の車幅方向外側の前部フランジとに挟み込まれて接合されているため、車体後方から衝撃荷重が入力されたときには、サブフレーム支持部材がリヤサイドフレームの閉断面部内で突っ張るように機能し、サブフレーム支持部材の外向きフランジが倒れるように変位するのが規制される。これにより、リヤサイドフレームの後部フランジと荷重吸収部材の前部フランジの変形が防止される。この結果、荷重吸収部材の前端部を起点とした車幅方向内側への倒れがサブフレーム支持部材によって抑制される。また、サブフレーム支持部材が、リヤサイドフレームと荷重吸収部材とに高い剛性を持って支持固定されるため、サブフレームの支持剛性も高まる。
これにより、荷重吸収部材の側壁が、サブフレーム支持部材の側壁フランジとリヤサイドフレームの側壁に三枚重ねで接合されるとともに、側壁フランジのリヤサイドフレームの側壁よりも後方側に延出した部分に二枚重ねで接合されるため、荷重吸収部材に車体後方側から大きな衝撃荷重が入力された場合にも、荷重吸収部材の接合部が位置ずれするのを防止することができる。
これにより、荷重吸収部材の上壁が、サブフレーム支持部材の上壁フランジとリヤサイドフレームの上壁に三枚重ねで接合されるとともに、上壁フランジのリヤサイドフレームの上壁よりも後方側に延出した部分に二枚重ねで接合されるため、荷重吸収部材に車体後方側から大きな衝撃荷重が入力された場合にも、荷重吸収部材の接合部が位置ずれするのを防止することができる。
これにより、荷重吸収部材は、側壁に形成された凹溝部によって荷重入力時における側壁の倒れや曲がりが防止され、軸方向に沿って蛇腹状に安定的に塑性変形するようになる。また、荷重吸収部材の側壁には、凹溝部を上下に跨いで補強部材が結合されているため、側壁の凹溝部の上下部分が開く方向に変形するのを補強部材によって規制することができる。したがって、荷重吸収部材を軸方向に沿って蛇腹状により安定的に塑性変形させることができる。
これにより、バンパステイが補強部材として共用されるため、部品点数を削減しつつ、衝撃荷重の入力時における荷重吸収部材の変形を適切に制御することができる。
これにより、インナフェンダの取付部材が補強部材として共用されるため、部品点数を削減しつつ、衝撃荷重の入力時における荷重吸収部材の変形を適切に制御することができる。
この実施形態の車両1は、エンジンが車体後部に搭載され、そのエンジンによって後輪を駆動する後輪駆動車両である。車両1の乗員室2の後方にはエンジンルーム3が配置され、乗員室2とエンジンルーム3の間が図示しない後部隔壁によって仕切られている。乗員室2の左右両側の側部下方には、車体前後方向に沿う骨格部材であるサイドシル4が配置されている。左右のサイドシル4の後縁部間には、車幅方向に延出するクロスメンバ5が配置され、そのクロスメンバ5によって左右のサイドシル4が相互に連結されている。また、左右のサイドシル4の後縁部の車幅方向内側には、クロスメンバ5から車体後方側に向かって延出する(車体前後方向に沿って延出する)一対のリヤサイドフレーム6が配置されている。左右の各リヤサイドフレーム6は、前端部がクロスメンバ5に接合されるとともに、前縁部の車幅方向外側部分が左右の対応するサイドシル4の後縁部に接合されている。
なお、図中の符号30は、荷重吸収部材12の後部に取り付けられて衝突荷重等の荷重を直接受け止めるバンパフェイスであり、符号31は、左右の後輪Wrの外側を覆うインナフェンダである。また、図2中の符号11は、左右の各リヤサイドフレーム6の中間部とクロスメンバ5の間に掛け渡されて左右のリヤサイドフレーム6を補強する補強ブレースであり、符号13は、左右の各ブレース10に取り付けられて、エンジンルーム3の下方を覆うアンダーカバーである。
図4は、左側のリヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12の図2のIV部に対応する下面図である。なお、以下では、左側のリヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12の接合部の構造について詳述するが、右側のリヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12の接合部も左側と同様の構造とされている。
図4に示すように、締結ブロック8bの後縁部は、リヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12の接合部にほぼ跨る位置にボルト14Bによって締結され、締結ブロック8bの前縁部は、リヤサイドフレーム6の荷重吸収部材12との接合部から前方側に離間した位置にボルト14Aによって締結されている。
これらの図に示すように、リヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12の接合部間には、締結ブロック8bの後縁部を締結支持するためのサブフレーム支持部材15が介装されている。このサブフレーム支持部材15は、リヤサイドフレーム6の下壁を貫通したボルト14Bの先端部が螺合される長軸のナット16Bと、このナット16Bが溶接固定される保持プレート17と、を備え、保持プレート17がリヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12とに接合されている。
なお、リヤサイドフレーム6内の締結ブロック8bの前縁部が締結される位置には、リヤサイドフレーム6の下壁を貫通したボルト14Aの先端部が螺合される長軸のナット16A(図1,図4,図13参照)が直接溶接固定されている。
本体プレート18は、車幅方向内側で上下方向に垂立する側壁18aと、側壁18aの上端部から車幅方向外側に屈曲する上壁18bと、側壁18aの下端部から車幅方向外側に屈曲する下壁18cと、を備え、これらが略コ状の断面を形成している。また、本体プレート18の下壁18cは、上壁18bよりも車幅方向外側に長く延出しており、上壁18bの延出端には、上向きに屈曲する上部フランジ18dが延設されている。
なお、リヤサイドフレーム6の後端部は、本体プレート18と側壁プレート19で突出長さが同じではなく、本体プレート18の後端部の方が側壁プレート19の後端部よりも後方側に長く突出している。以下、本体プレート18の後端部領域のうちの、側壁プレート19の後端部よりも後方側に突出する領域を「延長領域18A」と呼ぶものとする。
内側プレート20は、車幅方向内側で上下方向に垂立する側壁20aと、側壁20aの上端部から車幅方向外側に屈曲する上壁20bと、側壁20aの下端部から車幅方向外側に屈曲する下壁20cと、を備え、これらが略コ状の断面を形成している。内側プレート20の下壁20cは、上壁20bよりも車幅方向外側に長く延出し、上壁20bの延出端には、上向きに屈曲する上部フランジ20dが延設されている。また、内側プレート20の側壁20aの上下方向の略中央位置には、車幅方向外側に向かって窪む凹溝部22が屈曲して形成されている。この凹溝部22は、側壁20aの車体前後方向に略沿って延出し、側壁20aの前端部から後端部までのほぼ全域に亘って形成されている。
なお、荷重吸収部材12の前端部は、外側プレート21と内側プレート20で突出長さが同じではなく、外側プレート21の前端部の方が内側プレート20の前端部よりも前方側に長く突出している。
サブフレーム支持部材15の保持プレート17は、金属製の板材から成り、リヤサイドフレーム6の後縁部の内側に、その後縁部の横断面内を横切るように配置されるベース壁17aと、ベース壁17aの車幅方向外側の端部から車幅方向外側に延出して、前部フランジ21eと後部フランジ19cの間に介装される外向きフランジ17bと、ベース壁17aと外向きフランジ17bの下端から車体前方側に屈曲する下壁フランジ17cと、ベース壁17aの車幅方向内側の端部から車体後方側に屈曲する側壁フランジ17dと、ベース壁17aの上端部から車体後方側に屈曲する上壁フランジ17eと、を備えている。
また、側壁フランジ17dと上壁フランジ17eは、外向きフランジ17bが側壁プレート19(リヤサイドフレーム6)の後部フランジ19cの後面に重ねられた状態において、本体プレート18(リヤサイドフレーム6)の側壁18aの車幅方向外側面と上壁18bの下面とにそれぞれ重ねられている。側壁フランジ17dの先端部は、この状態において、本体プレート18(リヤサイドフレーム6)の側壁18aの後端部よりも後方まで延出している。上壁フランジ17eの先端部も同様に、この状態において、本体プレート18(リヤサイドフレーム6)の上壁18bの後端部よりも後方まで延出している。
具体的には、サブフレーム支持部材15の外向きフランジ17bは、リヤサイドフレーム6の後部フランジ19cの後面に重ねられ、荷重吸収部材12の前部フランジ21eは、サブフレーム支持部材15の外向きフランジ17bの後面に重ねられ、その状態において前部フランジ21eと外向きフランジ17bと後部フランジ19cとが溶接やボルト締結等によって結合される。さらに、図9〜図11に示すように、サブフレーム支持部材15の側壁フランジ17dは、その基部側がリヤサイドフレーム6の延長領域18Aの側壁18aの車幅方向外側面に重ねられ、その車幅方向外側面に荷重吸収部材12の側壁20aが重ねられ、その状態で側壁18a,20aと三枚重ねの状態で溶接固定される。サブフレーム支持部材15の側壁フランジ17dのリヤサイドフレーム6の後端部よりも後方側に延出した領域は、荷重吸収部材12の側壁20aに二枚重ねの状態で溶接固定される。
また、サブフレーム支持部材15の上壁フランジ17eは、その基部側がリヤサイドフレーム6の延長領域18Aの上壁18bの下面に重ねられ、さらに上壁フランジ17eの下面に荷重吸収部材12の上壁20bが重ねられた状態において上壁18b,20bと三枚重ねの状態で溶接固定される。サブフレーム支持部材15の上壁フランジ17eのリヤサイドフレーム6の後端部よりも後方側に延出した領域は、荷重吸収部材12の上壁20bに二枚重ねの状態で溶接固定される。リヤサイドフレーム6、サブフレーム支持部材15、荷重吸収部材12の三者は、その他の適宜箇所が溶接やボルト締結等によって結合される。
なお、図示は省略されているが、リヤサイドフレーム6の下壁18cのうちの、前後のナット16A,16Bの下方位置には、リヤサブフレーム締結用のボルト14A,14Bが挿通される挿通孔が形成されている。
これらの図にも示すように、荷重吸収部材12の内側プレート20の側壁20aの車幅方向内側面には、車体後部のバンパフェイス30を取り付けるためのバンパステイ25が結合されている。バンパステイ25は、両側部に強度維持のための折り曲げ部が設けられた上下方向に長尺な短冊状の金属プレートによって構成され、その上縁部の平坦面が荷重吸収部材12の側壁20aの凹溝部22を挟む上下の部位にボルト締結等によって結合されている。また、バンパステイ25は、荷重吸収部材12との結合部から下方に延出した部位に一対の締結フランジ25aが一体に形成され、その締結フランジ25aに、車体の後部側方において後輪Wrの外側を覆うインナフェンダ31の後部内側の端縁が締結固定されている。したがって、この実施形態においては、バンパフェイス30を取り付けるためのバンパステイ25が、荷重吸収部材12の側壁20aの凹溝部22を挟む上下の部位を補強する補強部材と、インナフェンダ31を車体に取り付ける取付部材を兼ねるようになっている。
したがって、この実施形態の車体後部構造を採用することにより、専用の補強部材を追加することなく、荷重吸収部材12の車幅方向内側への倒れ込みをサブフレーム支持部材15によって防止することができる。また、この車体後部構造の場合、サブフレーム支持部材15が、リヤサイドフレーム6と荷重吸収部材12とに高い剛性を持って支
持固定されるため、リヤサブフレーム8の支持剛性、ひいてはリヤ側のサスペンション装置7の支持剛性も高まる。
さらに、この実施形態の車体後部構造は、荷重吸収部材12の側壁20aの凹溝部22を挟む上下の部位に、凹溝部22を上下に跨ぐようにバンパステイ25が結合されているため、衝撃荷重の入力時に、側壁20aの凹溝部22の上下の部分が上下方向に開こうとするのをバンパステイ25によって規制することができる。このため、荷重吸収部材12を蛇腹状により安定的に塑性変形させることができる。なお、この実施形態においては、荷重吸収部材12の車幅方向内側の側壁20aのみをバンパステイ25によって補強しているが、荷重吸収部材12の車幅方向外側の側壁21aの凹溝部23の上下の部位に、凹溝部23を跨ぐように補強部材を結合するようにしても良い。
8…リヤサブフレーム(サブフレーム)
12…荷重吸収部材
14B…ボルト
15…サブフレーム支持部材
16B…ナット
17…保持プレート
17b…外向きフランジ
17d…側壁フランジ
17e…上壁フランジ
19c…後部フランジ
20a,21a…側壁
21e…前部フランジ
22,23…凹溝部
25…バンパステイ(補強部材,取付部材)
30…バンパフェイス
31…インナフェンダ
Claims (6)
- 車体後部の左右両側部に車体前後方向に略沿って延出する一対のリヤサイドフレームと、
車体前後方向に略沿って延出し前端部が前記リヤサイドフレームの後部に接続される一対の荷重吸収部材と、
車両後部の下方に設けられるサブフレームと、
前記リヤサイドフレームの後端部と前記荷重吸収部材の前端部との間に前記リヤサイドフレームの閉断面部内を横切るように設けられ、前記サブフレームの左右の対応する端部が結合されるサブフレーム支持部材と、を備え、
前記サブフレーム支持部材は、前記リヤサイドフレームの下壁を貫通したボルトの先端部が螺合される長軸のナットと、該ナットが溶接した状態で固定されている保持プレートと、を備え、
前記リヤサイドフレームは、後端部の車幅方向外側の側辺に後部フランジを有し、
前記荷重吸収部材は、前端部の車幅方向外側の側辺に前部フランジを有し、
前記サブフレーム支持部材の前記保持プレートは、前記前部フランジと前記後部フランジの間に介装される外向きフランジを有し、
前記前部フランジと前記外向きフランジと前記後部フランジとが重ねられて接合され、前記保持プレートが前記リヤサイドフレームと前記荷重吸収部材とに固定されていることを特徴とする車体後部構造。 - 前記サブフレーム支持部材には、前記リヤサイドフレームの車幅方向内側の側壁と前記荷重吸収部材の車幅方向内側の側壁とに沿う車幅方向内側の側壁フランジが設けられ、
前記リヤサイドフレームの側壁が前記荷重吸収部材の側壁の外側を覆うように配置されるとともに、前記リヤサイドフレームの側壁と前記荷重吸収部材の側壁の間に前記側壁フランジが挟み込まれ、
前記リヤサイドフレームの側壁と前記側壁フランジと前記荷重吸収部材の側壁とが三枚重ねで接合されるとともに、前記側壁フランジが前記リヤサイドフレームの側壁よりも後方側に延出し、その延出した部分が前記荷重吸収部材の側壁と二枚重ねで接合されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。 - 前記サブフレーム支持部材には、前記リヤサイドフレームの上壁と前記荷重吸収部材の上壁とに沿う上壁フランジが設けられ、
前記リヤサイドフレームの上壁が前記荷重吸収部材の上壁の外側を覆うように配置されるとともに、前記リヤサイドフレームの上壁と前記荷重吸収部材の上壁の間に前記上壁フランジが挟み込まれ、
前記リヤサイドフレームの上壁と前記上壁フランジと前記荷重吸収部材の上壁とが三枚重ねで接合されるとともに、前記上壁フランジが前記リヤサイドフレームの上壁よりも後方側に延出し、その延出した部分が前記荷重吸収部材の上壁と二枚重ねで接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部構造。 - 前記荷重吸収部材は、側壁に車体前後方向に略沿って延出する凹溝部を有する筒状部材であり、
前記荷重吸収部材の側壁の前記凹溝部を挟む上下の部位には、前記凹溝部を上下に跨ぐ補強部材が結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体後部構造。 - 前記補強部材は、バンパフェイスを取り付けるバンパステイであることを特徴とする請求項4に記載の車体後部構造。
- 前記補強部材は、インナフェンダを取り付ける取付部材であることを特徴とする請求項4または5に記載の車体後部構造。
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