JP6900258B2 - 定着用部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に搭載される画像定着装置において用いられる定着用部材の製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、記録材(以下、用紙と記す)に形成されたトナー画像を加熱、加圧することによって当該用紙にトナー画像を定着させる定着装置を備えている。この定着装置には、加熱ローラ(加熱ベルト)や加圧ローラ(加圧ベルト)などの定着用部材を備えており、これらが互いに圧接した位置(定着ニップ部)で定着処理を行う構成となっている。
定着装置の一例として、フィルム(ベルト)加熱方式の装置がある。この装置は、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有する加熱部材(加熱源)としてのヒータを有する。このヒータを内包接触しつつ回転走行する加熱部材としての定着フィルムを有する。その定着フィルムと圧接してニップ部を形成し、かつ定着フィルムを回転駆動させるニップ部形成部材としての加圧ローラ(加圧用回転体)を有する。
こうした定着装置において、トナー画像を加熱定着するのに十分な所定温度に達するまでにかかる「立ち上がり時間」を短縮するために、加圧ローラの熱容量/熱伝導率を低減することが行われている。例えば、加圧ローラのゴム弾性層を多数の空孔部を有する多孔質弾性層に形成し、加圧ローラに伝わる熱量を少なくすることで、上記立ち上がり時間の短縮を図っている。
特許文献1には、ゴム弾性層に多数の空孔部を形成するために、水を吸収させた吸水性ポリマーを液状シリコーンゴムに乳化分散し、ゴムの硬化後に脱水することで空孔部を形成している。
特許文献2には、加圧ローラのゴム弾性層を成型する手法が開示されている。具体的には、金型内に芯金をセットし、金型内面と芯金外面との間に液状ゴムを注入する方法(以下、注型法)である。
特開2002−114860号公報 特開平4−158011号公報
しかしながら、本発明者等の検証によれば、水を乳化分散させた液状ゴム組成物を用いて注型法によって多孔質弾性ローラを成型しようとしたところ、以下のような問題が発生することが判明した。
両端の挟持駒型と円筒状金型とを外表面から均一に加熱した場合、外表面積に対する熱容量の大きい駒型の影響により、内部の液状ゴムは円筒状金型の長手中央部付近から先に昇温して硬化が始まる。円筒状金型の両端部とそれを挟持する駒型との嵌合部は、硬化が遅いために液状ゴムの液粘度が低い状態で流動しやすく、熱膨張の大きい長手中央部からの膨張圧を受けることで、両端部いずれかの嵌合部の隙間から液状ゴムがわずかに流出してしまう。この液状ゴムの流出は、金型内部の液状ゴムに流動履歴を残すことで、ゴム硬化後の水の乳化分散状態に偏った異方性を与えてしまうことが判明した。
そして、このような状態で、水を蒸発・脱水し空孔部を形成した多孔質弾性ローラを、例えばフィルム(ベルト)加熱方式の定着装置における加圧ローラ等の加圧用及び駆動用回転体として使用した場合は次のような事象が生じやすい。即ち、このローラに従動しながら回転走行する定着フィルムが、ローラの一方の端部に寄ってしまい、フィルムの両端部規制部材であるフランジとの摺擦によりフィルムが損傷し破損に至ってしまいやすい。
本発明の目的は、金型内部の液状ゴムに流動履歴を残すことなく、弾性層に等方的に空孔部が形成された定着用部材を成型することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る定着用部材の製造方法の代表的な構成は、画像定着装置において用いられる定着用部材の基体を内部に保持可能な金型を用い、前記基体が保持された前記金型の内部へ水を含有する液状のゴム組成物を注入し前記金型を加熱して前記ゴム組成物を加熱硬化させた後、前記金型の一端側と他端側に装着されている金型端末部材を外して前記金型の両端部を開放した状態で前記金型を加熱することで前記ゴム組成物から水を蒸発させて前記加熱硬化しているゴム組成物の内部に空孔部を形成することによって製造される、空孔部を有するゴム弾性体からなる弾性層と基体とを有する定着用部材の製造方法において、前記金型を加熱して前記ゴム組成物を加熱硬化させる際、前記金型の一端側と他端側の金型端末部材の間の金型部分よりも先に一端側及び他端側の金型端末部材を加熱することを特徴とする。
本発明によれば、金型内部の液状ゴムに流動履歴を残すことなく、弾性層に等方的に空孔部が形成された定着用部材を成型することが出来る。
金型とそれを挟んで加熱するための加熱金属盤の斜視図である。 実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略断面図である。 (a)は加圧ローラの全体構成を示す斜視図、(b)は弾性層から切り出したサンプルの拡大斜視模式図である。 針状フィラーの概略模式図である。 金型の構成説明図である。 一端側駒型に具備させた注入孔の形態図である。 金型に対するローラ基体の配設要領の説明図である。 型組み後の金型の概略断面図である。 電子写真画像形成装置の一例の概略構成図である。
《実施の形態》
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下、本発明に係る定着用部材として、画像定着装置に用いられる多孔質弾性ローラとしての加圧ローラを例に詳細に説明する。
[画像形成装置]
図9は画像形成装置の一例の概略構成模式図である。この画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置であり、回転する電子写真感光体101を有する。感光体101に対する静電潜像形成手段としての帯電装置102と像露光手段103、感光体101上の静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像する現像手段104を有する。感光体101上のトナー像をシート状の記録材(以下、紙または用紙と記す)Pに転写する転写手段105を有する。トナー像転写後の感光体101面を清掃するクリーニング手段106、用紙P上のトナー像Tを定着する定着手段としての定着装置10等を有する。
[定着装置]
図2は本実施形態における定着装置10の概略構成を示す横断面模式図である。以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、軸方向とは用紙の面において用紙搬送方向と直交する方向である。長さとは軸方向の寸法である。
この定着装置10はフィルム(ベルト)加熱方式の定着装置である。加熱体としてのセラミックスヒータ(以下、ヒータと記す)1と、加熱体支持部材を兼ねるフィルムガイド(以下、ベルトガイドと記す)2を備える。また、加熱部材(定着部材)としての、エンドレス(円筒状)で可撓性・耐熱性の定着フィルム(以下、定着ベルトと記す)3を備える。また、定着ベルト3と圧接してニップ部(定着ニップ部)Nを形成するニップ部形成部材としての加圧ローラ4を備える。
ヒータ1は定着ベルト3の長手方向(図面に垂直方向)に沿って細長い板状部材であり、不図示の給電手段によって通電されることで発熱する抵抗発熱体などの発熱源を有しており、給電により急峻に昇温する。ヒータ1の温度は不図示の温度検知手段で検知され、その検知温度情報が不図示の制御手段に入力する。制御手段は温度検知手段から入力する検知温度が所定の定着温度に維持されるように給電手段から発熱源への供給電力を制御してヒータ1の温度を所定の温度に温調する。
ヒータ1は、剛性を有する耐熱性材料によって横断面略半円弧状の樋型に形成されているベルトガイド2に支持されている。より具体的には、ベルトガイド2の外面にガイド長手に沿って溝部2aが設けられており、ヒータ1はこの溝部2aに嵌入されている。
定着ベルト3は、内側から外側に、環状(筒状)の基材3a、ベルト弾性層3b(ここでは、後述の加圧ローラ4の弾性層4bと区別するためにベルト弾性層と呼ぶ)、表層3cを備える。定着ベルト3は回転状態で内周面がヒータ1及びベルトガイド2に摺擦されるエンドレスベルトであり、ヒータ1を支持したベルトガイド2の外周に周長に余裕を持たせて外嵌されている。
後述するように、ヒータ1と加圧ローラ4は定着ベルト3を挟んで圧接しており、定着ベルト3と加圧ローラ4との間にニップ部Nが形成されている。加圧ローラ4は例えばモータなどの回転駆動装置Mによって矢印R4の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ4の回転駆動に従動して定着ベルト3がその内面がヒータ1の面に密着して摺動しながらホルダ2の外回りを矢印R3の時計方向に回転する。定着ベルト3の長手方向両端部は、定着装置10に固定された規制部材であるフランジ(不図示)によって回転自在に支持されている。
ホルダ2はヒータ1の支持部材として機能すると共に定着ベルト3の回転ガイド部材としても機能する。定着ベルト3の内周面には、ヒータ2及びホルダ2との摺動性を確保するために潤滑剤(グリス)が塗られている。なお、本明細書でベルトと言った場合、フィルム状のものも含む。
加圧ローラ4は、内側から外側に、中実丸棒状(円柱状)或いは円筒状(パイプ状)等の基体4a、弾性層4b、離型層4cを備える。加圧ローラ4は、例えばモータなどの回転駆動装置Mによって装置使用時に回転駆動される。このため基体4aの軸方向両端部は、定着装置10のフレームなどの不図示の固定部分に軸受部材を介して回転自在に支持されている。
また、加圧ローラ4は、ベルトガイド2に支持されたヒータ1と定着ベルト3を挟んで対向する位置に配置されている。そして、加圧機構(不図示)によって加圧ローラ4と定着ベルト3とに所定の圧力が付与されることで、加圧ローラ4と定着ベルト3とが圧接してそれぞれの弾性層(3b,4b)は弾性変形する。これによって、加圧ローラ4と定着ベルト3との間には用紙搬送方向A(記録材搬送方向)に関して所定の幅のニップ部Nが形成される。
加熱部材としての定着ベルト3とニップ形成部材としての加圧ローラ4の両者の圧接は、加圧ローラ4を定着ベルト3に所定の圧力で圧接させる構成でも、定着ベルト3側を加圧ローラ4に圧接させる構成でもよい。また定着ベルト3側と加圧ローラ4の両方を互いに所定の圧力で圧接させる構成でもよい。
加圧ローラ4は回転駆動装置Mによって回転駆動されると、従動回転する定着ベルト3との間のニップ部Nにおいて用紙Pを挟持しつつ搬送する。また、定着ベルト3は、ヒータ1により表面が所定温度(例えば200℃)に達するまで加熱される。この状態で、未定着トナー像Tを担持した用紙Pがニップ部Nに導入されて挟持搬送されることで、用紙P上の未定着トナーTが加熱、加圧される。すると、未定着トナーTは溶融/混色するので、その後、これが冷却することによって、トナー像が定着画像として用紙Pに定着される。
[定着ベルト]
定着ベルト3について説明する。定着ベルト3は、図2に示すように、基材3aの外周にベルト弾性層3bが、該ベルト弾性層3bの外周に表層3cが設けられている。基材3aは耐熱性及び耐屈曲性を必要とすることに鑑みて、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性樹脂を用いる。
また熱伝導性をも考慮するならば、基材3aは耐熱性樹脂に比べ熱伝導率のより高いステンレス(SUS)、ニッケル、ニッケル合金などの金属を用いてもよい。そして、基材3aは熱容量を小さくする一方で機械的強度を高くする必要があるので、基材3aの厚みは5〜100μm好ましくは20〜85μmとするのが望ましい。
ベルト弾性層3bは、基材3aの外周を被覆するシリコーンゴム層である。ベルト弾性層3bは用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上の未定着トナーTを包み込むようにして未定着トナーTに対し均一に熱を与える。ベルト弾性層3bがこのように機能することで、高光沢で定着ムラのない良質な画像が得られる。
ベルト弾性層3bの厚みは、十分な弾性により良質な画像を得るため、及び加熱によって所定温度に達するまでに時間が熱容量が大きくなることによって遅まるのを抑えるために、30〜500μm好ましくは100〜300μmとするのが望ましい。
ベルト弾性層3bは特に限定されないが、加工が容易である、高い寸法精度で加工できる、加熱硬化時に反応副生成物が発生しないなどの理由から、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムを用いるのが好ましい。付加反応架橋型の液状シリコーンゴムは、例えばオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、さらには触媒や他の添加物を含んでいてもよい。オルガノポリシロキサンはシリコーンゴムを原料とするベースポリマーであり、数平均分子量が5千〜10万、重量平均分子量が1万〜50万であるものを用いるとよい。
液状シリコーンゴムは室温で流動性を持つポリマーであるが、加熱によって硬化し、硬化後は適度に低硬度であり、また十分な耐熱性と変形回復力を有する。そのため、液状シリコーンゴムはベルト弾性層3bだけでなく、後述する加圧ローラ4の弾性層4bに用いるのにも好適である。
ところで、ベルト弾性層3bがシリコーンゴム単体で形成されるならば、ベルト弾性層3bの熱伝導率は低くなる。ベルト弾性層3bの熱伝導率が低いとヒータ1で発生した熱が定着ベルト3を介して用紙Pに伝わり難くなるので、用紙Pにトナーを定着させる際に加熱不足となって定着ムラなどの画像不良を生じ得る。
そこで、ベルト弾性層3bの熱伝導率を上げるために、ベルト弾性層3bには高い熱伝導性を持つ例えば粒状の高熱伝導性フィラーが混入、分散されている。粒状の高熱伝導性フィラーとしては、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化マグネシウム(MgO)、カーボン等が用いられる。
また、目的に応じて粒状の高熱伝導性フィラーではなく針状の高熱伝導性フィラーなどを用いてもよい。すなわち、高熱伝導性フィラーの形状は粒状や針状の他にも、粉砕状、板状、ウィスカ状のものなどがあり、ベルト弾性層3bにはこれらのどの形状のものを用いてもよい。また、これらのものを単独で用いてもよいし2種類以上のものを混合して用いてもよい。なお、高熱伝導性フィラーがベルト弾性層3bに混入されることで、ベルト弾性層3bは導電性をも付与され得る。
表層3cは、ベルト弾性層3bの外周を被覆するフッ素樹脂層である。表層3cは、定着ベルト3にトナーを付着しにくくするために設けられる。表層3cには、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等のフッ素樹脂を用いるとよい。
表層3cの厚みは、1〜50μm好ましくは8〜25μmとするのが望ましい。なお、表層3cはフッ素樹脂チューブで被覆するもしくはフッ素樹脂からなる塗料を塗布することによって、ベルト弾性層3bの外周に形成されればよい。
[加圧ローラ]
加圧ローラ4について説明する。図3の(a)はニップ部形成部材である弾性加圧ローラ4の斜視図である。加圧ローラ4は、基体4aの外周に、基体4aと同心にローラ状に形成された弾性層4bと、該弾性層4bの外周に被覆された離型層4cと、を有する複層構造に形成されている。なお、図3の(a)に示すように、以下では、加圧ローラ4の周方向(用紙搬送方向)を「x」方向、加圧ローラ4の長手方向(軸線方向)を「y」方向、加圧ローラ4の構成層の厚み方向(層厚方向)を「z」方向と表す。
<基体>
基体4aは、ニッケルやクロムをメッキしたSUM材(硫黄および硫黄複合快削鋼鋼材)等の鋼材を含むステンレススチール、リン青銅、アルミニウムなどを用いて形成されている軸芯体あるいは芯金である。基4aの外径は、4mm〜80mmであればよい。
4a−1と4a−2は基体4aの長手方向の一端側と他端側とにそれぞれ基体4aと同心一体に配設された小径軸部である。この一端側と他端側の小径軸部4a−1と4a−2はそれぞれ定着装置10のフレームなどの不図示の固定部分にベアリング等の軸受部材を介して回転自在に支持される部分である。4a−3は基体4aの外面である。
<弾性層>
弾性層4bは、基体4aの外周を被覆するシリコーンゴム層である。弾性層4bは、定着ベルト3のベルト弾性層3bと同様に液状シリコーンゴムを用いるのが好ましい。図3の(b)は加圧ローラ4の弾性層4bから切り出したサンプルSの拡大斜視模式図である。この模式図に示すように、弾性層4bには、針状(細長い繊維形状)の高熱伝導性フィラー4b2(以下、単に針状フィラー4b2と記す)が軸方向(y方向)及び周方向(x方向)に配向された状態に混入、分散されている。
針状フィラー4b2について説明する。針状フィラー4b2としては、フィラー長手方向の熱伝導率が500W/(m・K)以上のピッチ系炭素繊維が用いられる。ピッチ系炭素繊維は石油精製副産物あるいは石炭乾留副産物である「ピッチ」から製造された炭素繊維であり、高い熱伝導性や導電性を有する一方で熱膨張がほとんど無い、といった特徴を持つ。針状フィラー4b2は例えば円柱や多角柱などの形状をした細長い棒状をした、直径に対する長さの比が大きいつまりアスペクト比が高い部材である。
上記のように針状フィラー4b2は、アスペクト比が4.5倍以上200倍以下であることが好ましい。また、針状フィラーはその長手方向の熱伝導率が500W/(m・K)以上であることが好ましい。
そして、針状フィラー4b2は配向された向きに熱を伝えやすい熱伝導異方性(針状フィラーの長軸方向(長さ方向)の熱伝導がよりも高い特性)を有している。図4は針状の熱伝導性フィラー4b2の形状を模式的に示している。針状とは、一方向のみに他方向に比べて長さを有する形状を指し、主に、短軸径Dと長軸長さLによってその形状を表すことができる。短軸径D(平均)は特に限定されるものではないが、5〜15μmのものが比較的容易に利用可能である。また、長軸長さL(平均)は0.05〜5mmのものが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.5mmであることが望ましい。
本実施例では、弾性層4bを、厚み方向zの熱伝導率よりも面方向(xy面)の熱伝導率が高くなるように形成する。特には、長手方向yの熱伝導率及び周方向xの熱伝導率を高くしている。より具体的には、長手方向yの熱伝導率及び周方向xの熱伝導率は厚み方向zの熱伝導率よりも6〜20倍ほど高い。
弾性層4bは空孔部を有するゴム弾性体であり、図3の(b)に示すように空孔部4b1が多数形成されている。即ち、弾性層4bは空孔部4b1が多数形成されている多孔質構造であり、空孔部4b1が互いに連結された連続多孔質構造が好ましい。そして、弾性層4bに占める連続多孔質構造の空孔部の割合が40体積%以上60体積%以下であることが好ましい。空孔部4b1を形成することによって、弾性層4bの低熱容量化が図られている。また、空孔部4b1が形成されると、弾性層4bの厚み方向zの熱伝導率は空孔部4b1が形成されていないときの熱伝導率よりも低くなる。
空孔部4b1の形成方法としては、後述する加圧ローラ製造工程において、ベースポリマーや針状フィラーとともに流動し、かつ針状フィラーの配向を妨げない水を使用することが望ましい。水は製造過程で脱水され、脱水後の弾性層に空孔部を形成する。水は単独ではベースポリマーと分散せず、脱水後の弾性層特性に影響しない吸水性ポリマー、粘土鉱物等に膨潤した状態、すなわち「含水ゲル」の形で使用する。
含水ゲルとベースポリマー、針状フィラー等を必要に応じて乳化剤や粘度調整剤を添加のうえ混合攪拌し、エマルジョン状の弾性層形成用液状ゴム組成物(水を含有する液状のゴム組成物)を調製する。ここで、液状のゴム組成物に占める水の割合が40体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
これを注型成形用型に注入し、水が蒸発しない温度以下で硬化させることで、液状ゴム組成物中の水が均一且つ微細に分散した弾性体を形成することができる。その後、その弾性体から水を蒸発させる(脱水する)ことにより、微細な空孔(空孔部が互いに連結された連続多孔質構造)が均一に形成された弾性層を形成することができる。
吸水性ポリマーとしては、アクリル酸やメタクリル酸、これらの金属塩の重合体、これらの共重合体や架橋体などが挙げられる。中でも、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩およびその架橋体等を好適に用いることができ、工業的に容易に入手可能である(例えば「レオジック250H」(商品名、東亜合成株式会社製))。
また、増粘効果のある「粘土鉱物を膨潤させた水」を使用すればエマルジョン状の弾性層形成用液状組成物を調製するのに好適である。このような粘土鉱物として「ベンゲルW−200U」(商品名、株式会社ホージュン製)等が挙げられる。また乳化用添加剤としてノニオン系界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル 商品名「イオネット HLB4.3」、三洋化成工業株式会社製)などの界面活性剤を添加しても良い。
弾性層4b中の空孔部4b1の大きさとしては、強度や画質の観点から5〜30μmの範囲内にあることが好ましい。また、弾性層4b中における空孔部4b1の体積占有率(以下、空孔率)は、期待する立ち上がり時間短縮効果を得るために40体積%以上が好適である。また液状ゴム組成物中の水が均一且つ微細に分散した状態を弾性層を形成する過程において保持して微細な空孔部4b1を均一に含んだ弾性層を形成するために、50体積%以下が好適である。
弾性層4bの厚みは、弾性層全体が定着ベルト3と接触して弾性変形したときに、用紙搬送方向において所望の幅のニップ部Nを形成し得る厚みであれば特に限定されないが、1.5〜10.0mmであることが好ましい。弾性層4bの硬度は、所望の幅のニップ部Nを確保する観点から、20°以上70°以下の範囲にあることが好ましい。
<離型層>
離型層4cは、フッ素樹脂層である。離型層4cは、弾性層4bの外周に例えばテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブ(フッ素系樹脂チューブ:PFA樹脂チューブ)を被覆することにより形成される。
もしくはPFA、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂からなる塗料を弾性層4bの外周に塗布することにより形成してもよい。
離型層4cの厚みは特に限定されないが、好ましくは15〜80μm程度であればよい。この離型層4cは、加圧ローラ4にトナーを付着しにくくするために設けられる。
なお、弾性層4bと離型層4cの間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層などが設けられていてもよい。
[弾性層の形成方法]
次に、弾性層4bの形成方法及び離型層4cの形成方法について説明する。
(1)液状ゴム混合物の生成
針状フィラー4b2と吸水性ポリマーに水分を含ませた含水ゲルとを、液状シリコーンゴム(未架橋)に混合して液状ゴム混合物(液状シリコーンゴムおよび水を含有するエマルジョン組成物)を生成する。この液状ゴム混合物を生成するには、液状シリコーンゴムと針状フィラー4b2と含水材料の各々を所定量ずつ秤量して、これらを遊星式の万能混合攪拌機など公知のフィラー混合撹拌手段を用いて攪拌すればよい。
(2)液状ゴム混合物を用いた弾性層4bの形成
(2−1)金型
注型製造を例に弾性層4bの形成方法について説明する。図5は金型11を構成している、中空金型5と、その一端側の内駒型6及び外駒型12と、他端側の内駒型7及び外駒型13の縦断面図である。この金型11は定着用部材としての加圧ローラ4の基体4aを内部(成形空間)に保持可能な金型である。
金型11は、円柱状の成形空間(以下、キャビティと記す)53を有する中空金型(中空円筒状金型、パイプ状筒型)5と、この中空金型5の一端側開口部51と他端側開口部52に対してそれぞれ装着される一端側内駒型6および他端側内駒型7とを有する。
一端側内駒型6は中空金型5のキャビティ53内に液状ゴムを注入するための駒型である。他端側内駒型7はキャビティ53内への液状ゴムの注入に伴ってキャビティ53内から押し出される空気を排出させるための駒型である。
図6の(a)は一端側内駒型6の内面図(キャビティ側の端面図)、(b)は外面図(キャビティ側とは反対側の端面図)である。図5と図6を参照して、一端側内駒型6の内面側中央部には基体4aの一端側の小径軸部4a−1が差し込まれる基体保持部としての中央穴6cが設けられている。また、外面側には円周孔(洞、凹部)6aが設けられている。そして、円周孔6aには外面側から内面側に至る液状ゴム混合物注入孔6bが円周に沿って複数個穿設されている。
また、図5を参照して、他端側内駒型7の内面中央部(キャビティ側の端面中央部)には基体4aの他端側の小径軸部4a−2が差し込まれる基体保持部としての中央穴7cが設けられている。そして、内面側から外面側に至る排気孔7bが複数個穿設されている。
一端側内駒型6は中空金型5の一端側開口部51に対して内面側を先にして嵌入し、内面側の円周縁部6dが開口部内周面の環状段部51aに突き当って受け止められるまで十分に挿入することで中空金型5の一端側に装着される。
また、他端側内駒型7は中空金型5の他端側開口部52に対して内面側を先にして嵌入し、内面側の円周縁部7dが開口部内周面の環状段部52aに突き当って受け止められるまで十分に挿入することで中空金型5の他端側に装着される。
(2−2)金型に対する基体の設置
基体4aは、ゴム弾性層4bが形成される部分にあらかじめシリコーンゴム用プライマーを塗布し熱風循環式オーブンで焼付処理した。図7の(a)のように、中空金型5の一端側開口部51に対して一端側内駒型6を装着する。次に、(b)のように、中空金型5の他端側開口部52から上記の基体4aを、一端側の小径軸部4a−1の側を先にして挿入し、一端側駒型6の内面側の中央穴6cに対して小径軸部4a−1を差し込んで支持させる。
次に、(c)のように、中空金型5の他端側開口部52に対して他端側内駒型7を、内面側の中央穴7cに基体4aの他端側の小径軸部4a−2を差し込んで支持させた状態にして装着する。
これにより、基体4aが、その一端側と他端側の小径軸部4a−1と4a−2がそれぞれ一端側内駒型6と他端側内駒型7の中央穴6cと7cに支持されて金型5の円柱状のキャビティ53の円柱中央部に同心に位置が決められて保持される。そして、円柱状のキャビティ53の円柱成形面(内周面)53aと基体4aの外面(外周面)4a−3との間には基体4aの外周りに所定の厚さのゴム弾性層4bを注型成形するための間隙8が形成される。
なお、金型11のキャビティ53に対する基体4aの設置は上記の手順に限られない。中空金型5、基体4a、一端側内駒型6、他端側内駒型7が最終的に図6の(c)のように組み立てられればよい。
(2−3)液状ゴム混合物の注型
上記のようにキャビティ53内に基体4aを設置した金型11を、図8のように、一端側内駒型6側を下側とし他端側内駒型7を上側として、対向する下側外駒型12と上側外駒型13との間に縦姿勢の状態で押さえ込ませて固定して保持させる。金型11の一端側内駒型(以下、下側内駒型と記す)6側は下側外駒型12の受け穴12aに嵌入して受け止められている。金型11の他端側駒型(以下、上側内駒型と記す)7側は上側外駒型13の受け穴13aに嵌入して受け止められている。
ここで、本実施例においては、一端側内駒型6及び下側外駒型12が金型11の一端側の金型端末部材であり、他端側駒型7及び上側外駒型13が金型11の他端側の金型端末部材である。
即ち、金型11は、円柱状のキャビティ53の円柱軸線を縦向きとし、かつ注入孔6bが配設されている側を下側とした姿勢状態で下側外駒型12と上側外駒型13との間に固定保持されて注型工程が行われる。
下側外駒型12の受け穴12aの中央部には液状ゴム注入口12bが穿設されている。液状ゴム注入口12bには外部の液状ゴム混合物供給装置14の液状ゴム混合物供給管14aは接続されている。上側外駒型13の受け穴13aの中央部には排気口13bが穿設されている。
液状ゴム混合物供給装置14が駆動されることで、前記(1)項の液状ゴム混合物が供給管14aを通して下側外駒型12の注入口12bから受け穴12aに入り、受け穴12aと下側内駒型6の外面側の円周孔6aとで構成される空間部に充填される。
引き続く液状ゴム混合物の供給に伴ってその充填液状ゴム混合物が円周孔6aの円周に沿って複数個穿設されている注入孔6bを通って下側内駒型6の外面側から内面側に流れる。そして、キャビティ53の円柱成形面53aと基体4aの外面4a−3との間に形成される隙間8に対して注入される。
更に引き続く液状ゴム混合物の供給に伴って間隙8に対する液状ゴム混合物の注入が下から上に進行していく。間隙8に存在している空気は間隙8に対する液状ゴム組成物の下から上への注入に伴って間隙8内を下から上へ押し上げられて間隙8内から上側内駒型7の排気孔7bおよび上側外駒型13の排気口13bを通って金型11の外に出ていく。
下側内駒型6の各注入孔6bから隙間8への液状ゴム混合物の注入は隙間8の円周方向において平均的になされる。かつ、基体4aが上下内駒型6,7によりキャビティ53の円柱中央部に同心に固定された状態であって、基体4aが液状ゴム混合物が注入されることにより移動することがなく、偏肉を生ぜず間隙8を過不足なく液状ゴム組成物で充填させることができる。
上記のようにして、液状ゴム混合物が金型11内に配置された基体4aの軸方向に沿うようにして金型内に流し込まれる(注型する)。基体4aの軸方向に沿うように金型内に液状ゴム混合物が流し込まれると、針状フィラー4b2の多くは液状ゴム混合物の流れに従って、基体4aの軸方向つまり加圧ローラ4の長手方向(y方向)に配向される。
したがって、弾性層4bの長手方向の熱伝導率はそれ以外の方向の熱伝導率よりも高くなる。これにより、定着装置10の稼働時に非通紙部(記録材非通過部)の温度が高くなり始めたときに、非通紙部から相対的に温度の低い通紙部(記録材通過部)や加圧ローラ両端部側へと非通紙部の熱が伝わりやすくなる。つまり、非通紙部の熱を効率的に拡散することができるようになる。
なお、液状ゴム混合物が基体4aの軸方向に沿うように金型内に流し込まれたとしても、液状ゴム混合物の流れが金型内で乱れることがある。その場合、液状ゴム混合物は用紙搬送方向つまり周方向(x方向)や周方向に交差する方向(y方向を含んでよい)にも流れる。
そのため、弾性層4bにおいて、針状フィラー4b2は主に長手方向に配向されるがこれだけに限られず、長手方向及び周方向を含む面方向(xy面)に配向されるものもある。その場合、長手方向yの熱伝導率だけでなく周方向xの熱伝導率も高くなるが、周方向xの熱伝導率が高くなっても非通紙部昇温(記録材非通過部昇温)の抑制に効果的であるので何ら問題ない。すなわち、弾性層4bにおいて針状フィラー4b2の向きは面方向(xy面)であれば、いずれの向きであっても非通紙部昇温の抑制には効果的である。
金型11に対する液状ゴム混合物の注入は、少なくとも、隙間8が液状ゴム混合物で十分に満たされるまで行う。上側内駒型7の排気孔7bは液状ゴム混合物で十分に充満させる必要はない。
(2−4)シリコーンゴム成分の架橋硬化
液状ゴム混合物の注型後(注型工程の終了後)、金型11内の注型液状ゴムが下部駒型6や上部駒型7の外側開口部から流出しないように下側内駒型6と上側内駒型7の外側開口部(12a、13a)を盲板や止めネジなどの取り付けにより密閉する。そして、金型11を密閉した状態で加熱する。
この際の金型11の加熱は、本件発明において特有の加熱要領として次のように行う。先ず、金型11の一端側の金型端末部材6,12と他端側の金型端末部材7,13を水の沸点以下の所定温度で所定時間加熱する。そして、その加熱は続行したままで、一端側と他端側の金型端末部材の間の金型部分5を水の沸点以下の所定温度で所定時間加熱することを特徴とする。
つまり、一端側と他端側の金型端末部材における上下の外駒型12,13の外表面を中空金型5の外表面に先んじて加熱し、駒型付近内部すなわちローラの軸(長手)方向端部の液状ゴムの硬化を中央部よりも促進させる。
より具体的には、図1に示すような、金型11の外表面を挟み囲むように配置され、予め所定の加熱温度に設定された、周方向に2分割、長手方向に3分割された加熱金属盤15を用意する。そして、この加熱金属盤15の長手方向3分割のうち、上下両端の外駒型12、13を囲む上下部分15aを先に閉じて、上下外駒型12,13の外表面に接触させることによって、金型11の中央部5に先んじて、上下両端駒部12,13を加熱する。
また、加熱に伴う金型内部の液状ゴムの膨張圧によって、上下駒型12,13と中央金型5の嵌入部分からゴムが漏れ出ないよう、上側外駒型13を上部から油圧シリンダー等の押圧装置16によって充分な押圧力で予め押さえ込んでおく。
加熱金属盤15の設定温度は、水の沸点以下の温度、例えば70〜90℃に設定する。上下両端駒部12,13を一定時間加熱し、液状ゴムを半硬化させた後、加熱金属盤15の中央部15bを閉じて中空金型5の外表面を加熱する。
上下両端駒部12,13の先行加熱時間は、設定温度によって異なり、70℃の場合は30〜60分、90℃の場合は2〜5分が望ましい。中央金型5の外表面(加熱盤中央部)を含めた合計の加熱時間は、70℃の場合は100分、90℃の場合は10分が望ましい。以上のように、密閉下で液状ゴム混合物が加熱処理されると、シリコーンゴム成分は含水材料中の水分を保持したま架橋硬化される。
(2−5)空孔部の形成
上記架橋硬化処理後に、金型5の両端から下部駒型6,12および上部駒型7,13を外して金型5の両端部を開放した状態にする。この状態において、さらに金型5ごと所定の高温まで加熱して内部の成形弾性ローラを加熱する。
上記の中空金型5からの下部内駒型6と上部内駒型7の取り外しは、中空金型5の一端側開口部51と他端側開口部52からそれぞれ引き抜くことで行う。この取り外しは、中空金型5内の弾性ローラの硬化ゴム層の端面と下部内駒型6と上部内駒型7側の孔6bと7b内の硬化ゴム層との会合部(連接部)の結合強度に抗してなされる。
上記の加熱によって弾性層4b内の温度が上昇するに従って含水材料に含まれていた水分が蒸発するので、当該箇所に空孔部4b1が形成される。このときの弾性ローラ4を加熱する際の条件として、加熱温度は150〜180℃に設定する。加熱には上記の加熱金属盤15の中央部15bを用いても良いし、熱風循環式オーブンを用いても良い。加熱時間は加熱方法と加熱温度に依るが、加熱金属盤の場合50〜100分、熱風循環式オーブンの場合100〜200分が望ましい。以上のようにして、空孔部4b1及び針状フィラー4b2を有する弾性層4bが基体4aの外周に形成される。
(2−6)多孔質弾性ローラの脱型
加熱した金型5を水冷方式や空冷方式によって冷却した後に、金型5から成形された多孔質弾性ローラ4を脱型する。そして、中空金型5から脱型した多孔質弾性ローラ4について、必要に応じて、弾性層4bの一端側端面と他端側端面に残存するバリや不整部を除去する整形処理をする。この多孔質弾性ローラ4を200℃の熱風循環式オーブン中で4時間放置して弾性層4bを二次硬化させた。
(2−7)離型層の形成
離型層4cは、弾性層4bにフッ素樹脂製チューブを被覆することにより形成される。フッ素樹脂製チューブを被覆するには、一般的に接着剤を用いる。ただし、接着剤を用いずとも弾性層4bとフッ素樹脂製チューブとを層間接着できる場合があり、そうした場合には接着剤を用いなくてもよい。また、離型層4cは、弾性層4b外周にフッ素樹脂からなる塗料を塗布するなどして形成してもよい。
あるいは、離型層4cは弾性層4bと共に形成してもよい。すなわち、図5のように、予めフッ素樹脂チューブ4cを金型5の内面(形成面)に配置(装着)する。そしてこの金型5内に図7の要領で基体4aを配置する。そして、この基体4aとフッ素樹脂チューブ4cとの間に図8の要領で液状ゴム混合物を流し込むことによって、離型層4cが形成された状態で弾性層4bを形成する。なお、金型内に配置するフッ素樹脂チューブ4cは内面がエッチング処理され、かつ内面に予めプライマーを塗布乾燥させたものを用いる。
上記において、フッ素樹脂チューブ4cの内面と基体4aの外面との間に液状のゴム組成物を注入する前に、金型の内面53aとフッ素樹脂チューブ4cの外面と間を減圧吸引することにより、フッ素樹脂チューブ4cを金型の内面に密着させることが好ましい。金型5において、55は上記の減圧吸引のために設けた吸引穴である。
ここで、下部駒型6,12と上部駒型7,13は、それらの接液面に予め離型剤を塗布しておき、脱型後にそれらの駒型側に残る硬化ゴムを取り除く処理をして再使用する。離型剤を塗布しておけば、それらの駒型側に残る硬化ゴムの取り除き処理は容易である。中空金型5の成形面53aにも予め離型剤を塗布することで、ゴム硬化後の脱型が容易となる。
また、注型工程において、金型11は横向き姿勢や上下逆向き姿勢でも構わない。ただし、横向き姿勢や上下逆向き姿勢では液体組成物注入時に空気を噛み込む恐れがあるため、注入側を下側に配置する形態が好ましい。
[加圧ローラの評価]
以下、上記のチューブ被覆弾性ローラの製造方法によって形成される加圧ローラ4の評価について、後述する実施例1乃至実施例2、比較例1乃至比較例3を用いて説明する。
比較評価は、本実施例および比較例に係る加圧ローラをそれぞれ組み込んでなる図2に記載のフィルム加熱方式の定着装置10を用いて行った。
加圧力を一端側が約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)となるようにした状態で、加圧ローラ表面の移動スピード(周速)が246mm/secになるように回転駆動させた。定着フィルム表面温度が170℃に温調された状態で、ローラに従動しながら回転走行しているときに、定着フィルムが加圧ローラから受ける寄り力を測定した。より具体的には、フィルムの両端部規制部材であるフランジにロードセルを設置し、定着フィルムの寄り方向端部のロードセルが定着フィルムから受ける力を寄り力として測定した。
定着フィルムの耐久性(寿命)は、上記のような加圧ローラに従動回転走行された状態において、寄り力に起因したフランジとの摺擦によって300時間未満でフィルム端面から破壊に至った場合を×とした。そして、フィルム端面から破壊することなく300時間まで走行し続けた場合を〇とした。
以下、本発明に従う加圧ローラ製造例について説明する。
実施例1乃至2の加圧ローラ、及び比較例1乃至3の加圧ローラはすべて共通に、基体4aとして外径φ24.5mmのA3サイズ用(弾性層4b形成域長さ327mm)鉄製の芯金を用いた。芯金の周面に塗布するプライマーは、「DY39−051」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を用いた。プライマーは、芯金周面に塗布した後、熱風循環式オーブンで180℃、30分間焼成した。
芯金周面に形成する弾性層4b用の液状シリコーンゴム混合物は、
1)予め乳化剤としてポリエーテル変性シリコーン(商品名:FZ−2233、東レ・ダウコーニング株式会社製)を配合させた付加反応架橋型の液状シリコーンゴム「DY35−2083」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)100質量部
2)含水ゲルを100質量部
の割合で混合したものを使用した。
含水ゲルは、材料としてポリアクリル酸ナトリウムを主成分として含み、かつ、スメクタイト系粘土鉱物を含む増粘剤(商品名「ベンゲルW−200U」、株式会社ホージュン製)が重量比1%に対して、重量比99%のイオン交換水を加える。これを十分に撹拌し、膨潤させることにより調製した。
さらに、針状フィラー4b2として平均繊維径9μm、平均繊維長250μm、熱伝導率900W/(m・K)のピッチ系炭素繊維「XN−100−25M」(商品名、GRANOCミルドファイバー、日本グラファイトファイバー株式会社製)を用いる。これを液状シリコーンゴムと含水ゲルの混合液に体積比10%の割合で配合した。
上記の液状シリコーンゴムと含水ゲル、及び針状フィラーとを遊星式の万能混合攪拌機(ハイビスミックス2P−1型、プライミクス株式会社製)を用いて、80rpm、60分の条件で混合攪拌し、水を液状シリコーンゴム中に乳化分散させる。これにより、弾性層4b形成用の液状シリコーンゴム混合物を得た。
離型層4cには、内径φ29.5のフッ素樹脂(PFA)チューブを用い、予め内径φ30.2の中空金型5内に挿入したフッ素樹脂チューブの両端部を中空金型5の外壁面に折り返すことにより、円筒状金型の内壁面に設置した。
円筒状金型内壁に添装したフッ素樹脂チューブの内面にはプライマー「DY39−067」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を塗布し、熱風循環式オーブンで70℃、20分間乾燥した。プライマー処理後の芯金を中空金型5内に同心上に設置し、上下端部に駒型6,12及び7,13をそれぞれ嵌め込んで、上駒外駒型13をトグルクランプによって押さえ込むことにより、中空円筒状金型内に芯金を同心上に固定して配置した。
上記の液状ゴムを、金型内壁に配置したフッ素樹脂チューブと芯金間に注入した後、金型両端の駒型を密閉した。そして、続く硬化工程における金型内部の液状ゴムの膨張圧によって、上下駒型12,13と中央金型5の嵌入部分からゴムが漏れ出ないよう、上側外駒型13を上部から押圧装置16で予め押さえ込んでおいた。
続く金型外壁の加熱による液状シリコーンゴム混合物の硬化工程において、加熱方法の違いに基づき実施例1乃至2、及び比較例1乃至3の計5種類の加圧ローラを作成した。
(実施例1の加圧ローラ)
まず、上下両端駒部12,13の外壁に90℃に温調設定された加熱金属盤15aを接触させて、3分間加熱した。次いで、中空金型5の外壁も同様にして90℃の加熱金属盤15bを接触させることにより加熱を開始した。このとき、上下両端駒部12,13は引き続き加熱されたままである。
上下両端駒部12,13の加熱開始から、加熱時間の合計が10分(すなわち、中空金型5の加熱時間は7分間)となったところで、加熱金属盤15a,15bを金型外壁から離して加熱を終了した。
以上の加熱工程によって、液状ゴム混合物を硬化するとともに、芯金とゴムとチューブを接着、一体化させた(一次硬化)。金型を風冷した後、金型から両端の駒型6,12及び7,13をはずし、金型両端部が開放された状態で金型ごと180℃の熱風循環式オーブン中で100分間放置して、弾性層4b内の水分を蒸発させることにより、空孔部4b1を形成した。金型を冷却した後、金型からチューブ被覆ローラを脱型し、ローラを200℃の熱風循環式オーブン中で4時間放置して弾性層4bを二次硬化させた。以上の工程を経て、実施例1の加圧ローラを得た。
(実施例2の加圧ローラ)
加熱金属盤15の設定温度を70℃にして、実施例1と同様の工程にて金型内部の液状ゴム混合物を硬化させた。まず、上下両端駒部12,13の外壁に加熱金属盤15aを接触させて、40分間加熱した。次いで、中空金型5の外壁も同様にして70℃の加熱金属盤15bを接触させることにより加熱を開始した。
上下両端駒部12,13の加熱開始から、加熱時間の合計が100分(すなわち、中空金型5の加熱時間は60分間)となったところで、加熱金属盤15a,15bを金型外壁から離して加熱を終了した。以上の加熱工程の後、実施例1と同様の工程を経て、実施例2の加圧ローラを得た。
(比較例1の加圧ローラ)
加熱金属盤15の設定温度を90℃にして、上下両端駒部12,13及び中空金型5の外壁に同時に加熱金属盤15a,15bを同時に接触させることにより加熱を開始した。加熱開始から10分経過した後に、加熱金属盤15a,15bを金型外壁から離して加熱を終了した。以上の加熱工程の後、実施例1と同様の工程を経て、比較例1の加圧ローラを得た。
(比較例2の加圧ローラ)
加熱金属盤15の設定温度を70℃にして、上下両端駒部12,13及び中空金型5の外壁に同時に加熱金属盤15a,15bを同時に接触させることにより加熱を開始した。加熱開始から100分経過した後に、加熱金属盤15a,15bを金型外壁から離して加熱を終了した。以上の加熱工程の後、実施例1と同様の工程を経て、比較例2の加圧ローラを得た。
(比較例3の加圧ローラ)
液状シリコーンゴム混合物を注入後密閉・押圧保持された金型を、予め90℃に設定された熱風循環式オーブンの中に投入して加熱を開始した。加熱開始から60分経過した後に、金型を熱風循環式オーブンから取り出して加熱を終了した。以上の加熱工程の後、実施例1と同様の工程を経て、比較例3の加圧ローラを得た。
以上の、各実施例及び比較例の加圧ローラにおいて、上記の寄り力及び耐久性を確認した結果を表1に示す。
Figure 0006900258
比較例1乃至3と比較し、実施例1乃至2の加圧ローラは寄り力が小さいことがわかる。また、比較例1乃至3の加圧ローラを使用した場合、従動回転される定着フィルムが300時間持たずに端面から破壊に至った。これに対し、実施例1乃至2の加圧ローラを使用した場合には、定着フィルムが端面から破壊することなく300時間回転し続けることができた。
上記の結果は、以下のように考えることで説明できる。比較例のように、両端の挟持駒型と中空円筒状金型とを外表面から同時に加熱した場合、外表面積に対する熱容量の大きい両端駒型の影響により、内部の液状ゴムは中空金型の長手中央部付近から先に昇温して硬化が始まる。中空金型両端部とそれを挟持する駒型との嵌入部は、硬化が遅いために液状ゴムの液粘度が低い状態で流動しやすく、熱膨張の大きい長手中央部からの膨張圧を受けることで、両端部いずれかの嵌入部の隙間から液状ゴムがわずかに流出してしまう。
この液状ゴムの流出は、金型内部の液状ゴムに流動履歴を残すことで、ゴム硬化後の水の乳化分散状態、ひいては水を蒸発させた後に形成された空孔部の形状に偏った異方性を与えてしまう。加圧ローラ弾性層の空孔部の形状に異方性が生じると、定着装置内で定着フィルムが加圧ローラに圧接されて従動回転される際に、加圧方向(ゴム層厚方向)の力が回転軸方向(長手方向)にも分散される。そのため、寄り力となって従動する定着フィルムを回転軸方向の一方へと寄せてしまう。
一方、実施例のように両端の挟持駒型の外表面を中空金型外表面よりも先に加熱した場合、内部の液状ゴムは両端駒型付近から先に昇温して硬化が始まる。そのため、その後の中空金型内部の硬化に伴う長手中央部からの膨張圧を受けても、中空金型両端部とそれを挟持する駒型との嵌入部は液粘度が高い状態、あるいはゴムが半硬化された状態である。そのため、液状ゴムの嵌入部からの流出は抑制され、金型内部の液状ゴムの流動履歴は小さくなる。
これにより、ゴム硬化後の水の乳化分散状態、ひいては水を蒸発させた後の空孔部が等方的に形成されるようになるため、定着装置内で定着フィルムが加圧ローラに圧接されたときの回転軸方向(長手方向)への力(寄り力)が生じにくくなる。
《その他の事項》
(1)上述した実施例では加圧ローラを例に説明したがこれに限らない。例えば、フッ素樹脂チューブを離型層として備えた定着ローラにも適用することができる。あるいは、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の基体、もしくはステンレスやニッケル等の薄肉金属からなる基体とフッ素樹脂チューブを離型層として備えた加圧ベルトや定着ベルトにも適用可能である。
(2)画像定着装置10は、画像の光沢を向上させるべく、記録材に一度定着あるいは仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)であってもよい。
(3)画像形成装置の画像形成部は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られず、記録材Pに対して直接方式で未定着画像を形成する構成のものであってもよい。
10・・画像定着装置、4・・定着用部材(加圧ローラ)、4a・・基体、4b・・弾性層、4b1・・空孔部、11・・金型、53・・金型の内部(成型空間)、6,12・・一端側の金型端末部材、7,13・・一端側の金型端末部材、51,52・・金型の両端開口部

Claims (15)

  1. 画像定着装置において用いられる定着用部材の基体を内部に保持可能な金型を用い、前記基体が保持された前記金型の内部へ水を含有する液状のゴム組成物を注入し前記金型を加熱して前記ゴム組成物を加熱硬化させた後、前記金型の一端側と他端側に装着されている金型端末部材を外して前記金型の両端部を開放した状態で前記金型を加熱することで前記ゴム組成物から水を蒸発させて前記加熱硬化しているゴム組成物の内部に空孔部を形成することによって製造される、空孔部を有するゴム弾性体からなる弾性層と基体とを有する定着用部材の製造方法において、
    前記金型を加熱して前記ゴム組成物を加熱硬化させる際、前記金型の一端側と他端側の金型端末部材の間の金型部分よりも先に一端側及び他端側の金型端末部材を加熱することを特徴とする定着用部材の製造方法。
  2. 前記一端側と他端側の金型端末部材を水の沸点以下の所定温度で所定時間加熱した後、その加熱は続行させたまま、前記一端側と他端側の金型端末部材の間の金型部分を水の沸点以下の所定温度で所定時間加熱することを特徴とする請求項1に記載の定着用部材の製造方法。
  3. 前記水を含有する液状のゴム組成物は液状シリコーンゴムおよび水を含有するエマルジョン組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着用部材の製造方法。
  4. 前記液状のゴム組成物に占める水の割合が40体積%以上60体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
  5. 前記液状のゴム組成物が針状フィラーを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
  6. 前記針状フィラーのアスペクト比は4.5倍以上200倍以下であることを特徴とする請求項5に記載の定着用部材の製造方法。
  7. 前記針状フィラーはその長手方向の熱伝導率が500W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着用部材の製造方法。
  8. 前記針状フィラーがピッチ系炭素繊維であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
  9. 前記空孔部が互いに連結された連続多孔質構造であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
  10. 前記弾性層に占める前記連続多孔質構造の空孔部の割合が40体積%以上60体積%以下であることを特徴とする請求項9に記載の定着用部材の製造方法。
  11. 前記金型の内面にフッ素系樹脂チューブを装着し、前記フッ素系樹脂チューブの内面と前記基体の外面との間に前記液状のゴム組成物を注入することにより、前記弾性層の外周面に前記フッ素系樹脂チューブからなる離型層を具備させることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
  12. 前記フッ素系樹脂チューブはPFA樹脂チューブであることを特徴とする請求項11に記載の定着用部材の製造方法。
  13. 前記フッ素系樹脂チューブの内面と前記基体の外面との間に前記液状のゴム組成物を注入する前に、前記金型の内面と前記フッ素系樹脂チューブの外面と間を減圧吸引することにより、前記フッ素系樹脂チューブを前記金型の内面に密着させることを特徴とする請求項11又は12に記載の定着用部材の製造方法。
  14. 前記基体は円筒状または円柱状の芯金であることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
  15. 前記定着用部材は加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の定着用部材の製造方法。
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