JP6598659B2 - 多孔質弾性部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写装置やプリンター等に用いられる多孔質弾性部材の製造方法に関する。
電子写真方式を用いたトナー画像形成装置において用いられる定着装置は、一般に、加熱体により加熱されたローラとローラ、フィルムとローラ、ベルトとローラ、といった回転体を含む一対の部材が圧接されて機能する構成を有している。ここで、圧接された一対の部材間をニップと称する。トナーが転写された用紙等の画像支持体がニップを通過することにより、未定着トナー像はニップ内において加熱・軟化し、加圧力により画像支持体へ押し付けられ、その後冷却・固化を経て定着され、トナー定着画像が形成される。
これら定着装置では金属または耐熱性樹脂等で形成された基体上に、耐熱性の弾性成形体が単層または多層に積層された弾性部材が、回転体として使用されることが多い。以下、弾性部材を構成する弾性成形体よりなる層を弾性層と称する。弾性層の構成材料としては耐熱性・耐候性に優れていることから、シリコーンゴムが広く使用されている。
定着装置では近年、省エネルギー化を目的として、加熱効率を高める試みが成されている。例えば、放熱を防いで効率良く画像支持体に熱を供給することを目的に、弾性層に多孔質シリコーンゴム成形体を用いた弾性部材を使用することがある。一般に、多孔質シリコーンゴム成形体は、内部に多数の空孔を有し、空気の熱伝導性が低いことから、加熱源からの熱の伝達を妨げる機能を有する。一例を挙げれば、付加硬化型の液状シリコーンゴムの未架橋材料と水とを、増粘剤、乳化剤その他と混合して乳化物とした後に、含水状態のままシリコーンゴム成分を架橋して多孔質ゴム前駆体を形成し、次いで前駆体から脱水することで多孔質シリコーンゴム成形体を得ることができる。
ここで、多孔質シリコーンゴム成形体の全域に空孔を配置するためには、前駆体の形成時に含水成分の蒸発を防ぎ、水分を内蔵したままゴム成分を架橋することが望ましい。前駆体から水分の蒸発を防ぐためには、前駆体を封入した容器を密閉状態として、架橋することが有効である。定着装置で使用される弾性部材を密閉下で作製するには、一般に、注型成形法と言われる手法を利用する。すなわち、流動性の被成形材料(乳化物)を外型と基体とで形成されるキャビティ内に注入し、密栓した後に、加熱、硬化剤等により硬化させる。
特許文献1では、軸となるロッドを配置した円筒状のキャビティ内に乳化物を注入し、80℃にセットしたオーブン中で90分間加熱することにより、多孔質シリコーンゴム製の弾性部材を製造している。この多孔質弾性部材を定着装置向けに使用するためには、多孔質シリコーンゴム層の表面に表面層を設置することが一般的である。
特許文献1に記載の多孔質シリコーンゴム層に表面層を設置する場合、多孔質シリコーンゴム層の外周に、接着剤を用いて表面層となる樹脂チューブを固定する方法や、樹脂塗料をスプレー状に塗布したうえで焼成し表面層を形成する方法がある。前者は、多孔質シリコーンゴム層中に接着剤が浸透して固化するため、部分的に多孔質性が失われるとともに製品硬度が高くなる傾向がある。また、後者は、塗料の焼成に高温が必要であり、ゴム特性に不具合を来す場合がある。特許文献1のように注型成形法により弾性部材を成形する場合には、円筒状の外型の内面に表面層となる樹脂チューブをあらかじめ配置する方法がある。すなわちシリコーンゴム材に接着性を有するシランカップリング剤からなるプライマーを、樹脂チューブにあらかじめ塗工することにより、シリコーンゴム成分を硬化させると同時に樹脂チューブを一体化して表面層とすることが可能である。この方法によれば、接着剤が浸透しないので表面層の形成に際して多孔質シリコーンゴム層の多孔質部位が失われることがなく、また、シリコーンゴムの特性が損なわれるほどの高温を必要としない。
しかしながら、特許文献1に記載のキャビティに樹脂チューブを設置した場合には、水分蒸発を経る際に水の蒸気圧により弾性層および樹脂チューブが膨張し、破損する場合があった。このような課題に対し、特許文献2では、ゴム成分の架橋後に弾性層の端面に挿通する孔を設置して水を除去する定着ローラの製造方法が提案されている。
WO09/142151号 特開2008−241739号公報
しかしながら、弾性層に孔を挿通することは周方向におけるローラ硬度のムラの原因となる場合がある。周方向における硬度のムラは支持体上のトナーに対する加圧のムラを生じさせ、定着画像の悪化の原因となるため、特許文献2に記載の方法によらない多孔質シリコーンゴム層と表面層とを一体化させる方法が望まれている。本発明は、硬度ムラが生じにくい多孔質弾性部材の製造方法の提供に向けたものである。
本発明は、基体と、該基体の周面の多孔質シリコーンゴムを含む弾性層と、表面層としてのフッ素樹脂チューブと、を有する多孔質弾性部材の製造方法であって、次の(1)〜(7)の工程を含み、かつ、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)の工程がこの順に行われることを特徴とする多孔質弾性部材の製造方法である。
(1)円筒状外型の内面にフッ素樹脂チューブを密着固定する工程、
(2)該円筒状外型の内部に該基体を固定して、該基体と該フッ素樹脂チューブと2つのキャップとの間にキャビティを形成する工程、
(3)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン、および、水、を含む液状シリコーンゴム混合物の乳化物を、該キャビティ内に注入する工程、
(4)該キャビティ内を密封状態とした後、該乳化物を加熱することによってシリコーンゴム層を形成して、該基体、該シリコーンゴム層及び該フッ素樹脂チューブが積層された積層体を得る工程、
(5)該キャップを取り外した後、該円筒状外型内で、該積層体を加熱して、該シリコーンゴム層中の水を蒸発させて、該基体、多孔質シリコーンゴム弾性層および該フッ素樹脂チューブからなる弾性積層体を得る工程、
(6)該円筒状外型から、該弾性積層体を取り出す工程、および
(7)該弾性積層体を二次加工する工程。
本発明によれば、硬度ムラの発生が抑制された多孔質弾性部材を得ることができる。
本発明の多孔質弾性部材の弾性層を模式的に示す図である。 (A)は、本発明の多孔質弾性部材としての定着器の加圧ローラの概略図である。(B)は、(A)におけるA−A’断面模式図である。 本発明で使用する円筒状外型の概略図である。 本発明で使用する注型成形法を説明するための概略図である。 本発明で使用する円筒状外型の開口両端に、フッ素樹脂チューブが折り返し固定されている状態を示す概略図である。 本発明で使用する、架橋済み多孔質ゴム前駆体から水分を蒸発させる工程を説明する概略図である。
本発明に係る多孔質弾性部材の例としては、例えば、定着装置に用いられる加圧ローラおよび定着ローラが挙げられる。
以下に図面を用いて本発明の詳細を説明する。図1は弾性層(多孔質シリコーンゴム層)の模式図である。弾性層1は、シリコーンゴム2および空孔3が主要な構成要素である。空孔は、球状又は不定形状を示し、直径又は一辺が十数μm程度のサイズである。また空孔は、それぞれが独立に存在するわけではなく、不図示の微細な連通路によってつながる、いわゆる連続気泡として存在している。シリコーンゴムは、アルケニル基を2個以上有するポリオルガノシロキサン、および1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサンをヒドロシリル化反応(架橋反応)触媒を介在させて反応させることによって得ることができる。ヒドロシリル化反応が十分に進んでいない状態を未架橋状態と称すれば、弾性層1は、未架橋材料と、水、乳化剤、増粘剤等を混合して乳化状態とした後、加熱等の手段により含水状態のままヒドロシリル化反応(架橋反応)を進行・硬化させた多孔質ゴム前駆体(シリコーンゴム層)とし、その後、多孔質ゴム前駆体から水を除去して得ることができる。
図2(A)は、本発明に係る製造方法によって得られた多孔質弾性部材の一例であって、例えば、定着装置において加圧ローラとして用い得るローラ形状の多孔質部材の模式図である。また図2(B)は図2(A)のA−A’断面模式図である。図2において、10は加圧ローラ、21は基体、23は弾性層、24はフッ素樹脂チューブから成る表面層である。また、25は基体21と弾性層23とを一体化するプライマー層、26は表面層24と弾性層23とを一体化するプライマー層である。プライマー層25および26はそれぞれ異種材料を一体化する機能を有するシランカップリング剤を含有している。
以下に、加圧ローラを例として、本発明の多孔質弾性部材の構成材料、原料、製造方法を具体的に説明する。
〔基体〕
定着装置の加圧ローラとして適切な加圧力を付与するため、金属材料で構成された基体を使用するのが好適である。また通紙のためにモータ等により加圧ローラを周方向に回転させる場合には、基体の長手方向端部に軸受け部を設け、歯車を介してモータにより回転駆動させるのが一般的である。このような要求に対し、たとえば加圧性と加工性に秀でた快削鋼(SUM材)を使用し、軸受け部を含む所望の形状に加工した基体が好ましく採用される。
〔弾性層〕
多孔質弾性部材の弾性層は多孔質シリコーンゴムからなる層である。弾性層を形成するための材料は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン、および、水、を含む液状シリコーンゴム混合物の乳化物である。例えば、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン(以下「A液」と称す場合がある。)、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン(以下「B液」と称す場合がある。)、水と無機系増粘剤とからなるC液、およびこれらA〜C液を分散させる乳化剤Dを使用することができる。
[A液]
A液は、付加反応サイトのひとつであるアルケニル基を有するポリシロキサン化合物を主体とする組成物である。A液中にはヒドロシリル化反応(架橋反応)触媒である白金化合物をあらかじめ微量含有させることができる。なお、A液は無色透明かつ高粘性の液体であり、B液との区別が困難な場合があることから、シリコーンゴムの機能を損なわないベンガラ等の着色材をあらかじめ混合することもできる。
[B液]
B液は、もうひとつの付加反応サイトであるケイ素原子結合水素を有するポリシロキサン化合物を含有し、その他ポリオルガノシロキサン化合物を含む組成物である。ケイ素原子結合水素を有するポリシロキサン化合物は、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサンで構成され、架橋剤として作用する。なお、B液は無色透明かつ高粘性の液体であり、前記A液との区別が困難な場合があることから、シリコーンゴムの機能を損なわないベンガラ等の着色材をあらかじめ混合することもできる。
[C液]
C液の主成分である水は、乳化物を架橋した後に硬化兼脱水工程にて除去されることでシリコーンゴム層を多孔質化するためのものである。水は清浄であればよいが、一般的にはイオン交換水が使用される。ここで、水はA液、B液に比較して粘度が低いため増粘剤を使用して混合分散を容易にすることが好ましい。増粘剤としては、無機系、有機系様々な種類のものがあるが、本発明においては無機系増粘剤が好適に用いられる。中でも、スメクタイト族粘土鉱物を含む有機ポリマー複合親水性精製ベントナイトからなる無機系増粘剤(ベンゲルW−200U、株式会社ホージュン製)を使用すれば、C液の粘度調整が容易となり好ましい。例えば、C液は、ベンゲルW−200U 1〜3質量部に対し、イオン交換水99〜97質量部を投入し、十分に攪拌して得たゲル状液体材料として使用することができる。
[D液]乳化剤
A液、B液、およびC液の3液を含む乳化物を形成するため、これら3液を所望の比率に混合した混合液に対し乳化剤Dを配合する。乳化剤Dとしては様々な種類のものが採用でき、アニオン系、カチオン系、両性イオン系及びノニオン系のいずれでもよい。中でも、ヒドロシリル化反応触媒に影響が少ないことからノニオン系界面活性剤を採用することが特に好ましい。乳化剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が、1.5以上6未満であることが好ましい。また乳化剤の配合量は、例えば、C液100質量部に対し、0.2〜3質量部である。
[乳化物]
上記A〜D液の成分を計量し、遊星式ミキサーなどの公知の撹拌機を使用して、シリコーンゴムの未架橋成分と水とが乳化分散した乳化物を調製する。ここで、A液およびB液に対するC液の割合を制御することで、弾性層の密度を決定することができる。弾性層の密度は、熱特性、機械特性に応じて設計されるが、乳化物の混合分散性や、後述する脱水工程での水の抜けやすさを考慮し、A液、B液、C液の各配合割合(質量%)が決定される。
一般に「A液:B液:C液=50:50:100(空孔率50%)」に相当する配合割合が好適に使用されるが、C液の割合を減らした「A液:B液:C液=99:99:2(空孔率1%)」や、C液の割合を増やした「A液:B液:C液=40:40:120(空孔率60%)」の配合割合でも使用できる。これらの原料を遊星式ミキサー内に投入し、所定量のD液を添加したうえで十分に攪拌して弾性層用の乳化物とする。なお乳化剤であるD液は、A液、B液またはC液のいずれか一つまたは複数の成分にあらかじめ添加した後に、A液、B液、およびC液の3液を混合することもできる。
また、弾性層の熱特性向上のため、上記成分にこれ以外のフィラー、たとえば針状フィラーを添加して、乳化物とすることも可能である。この場合、添加するフィラーが乳化特性に影響しないものを採用する必要があり、具体的には、針状フィラーとして熱伝導性に優れた炭素繊維フィラーを使用することができる。
〔フッ素樹脂チューブ(表面層)〕
フッ素樹脂チューブを構成する材料としては、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が挙げられる。フッ素樹脂チューブの材質は、取り付け時の円筒状外型内面への密着固定性、および成形取り出し時の円筒状金型からの離型性等を考慮して適宜選定される。また、フッ素樹脂チューブは、両端が開口した円筒形状の薄肉部品で、電子写真複写装置のスペックや製造上の制約等により、その寸法や形状が決定される。例えば、外径30mm、通紙部の全長330mmの電子写真用弾性部材を製造するために、内径29mm、長さ435mm、厚み0.050mmの透明なフッ素樹脂チューブが使用される。なお、フッ素樹脂は一般に異種材料との接着性が劣るので、表面処理を施したうえで異種材料との界面に使用するのが一般的である。例えば、液体アンモニアあるいはナトリウムナフタレンなどの液体材料で湿式処理したフッ素樹脂チューブや、レーザー等により乾式処理したフッ素樹脂チューブが好適に使用される。
〔注型成形法〕
次に、本発明の多孔質弾性部材の製造方法の一例として、定着装置で使用する加圧ローラを注型成形法にて製造する方法を図3〜図6を用いて説明する。
[円筒状外型]
図3は、円筒状外型30の模式図である。円筒状外型としては、製品の外径精度、型使用時の変形、加温による変形等を考慮し、ステンレス鋼等からなる肉厚の金属材料が使用される。その外寸は、対象とする製品サイズにより異なるが、たとえば、外径30mmの電子写真用弾性部材を製造する場合、外径40mm、長さ372mmの円筒体の、径断面中央部が掘り抜かれたパイプ形状が採用される。円筒状外型の内径は、使用する材料の工程中の伸縮度合いによって適宜設定するが、外径30mmの電子写真ローラを製造する場合、30mm前後である。円筒状外型の両端部の形状は、後工程で取り付けられるキャップと嵌合し、密閉が維持できる構造が好ましい。また、密閉状態を確実に維持するために、キャップとの嵌合部には、円筒状外型の表面またはキャップ表面のどちらかにOリングを配置して注入材料の漏れ防止と、加熱時の内圧上昇に対応したシール構造としても良い。
[キャップ]
キャップは、円筒状外型の両端部に配置される部材であり、2つのキャップが円筒状外型とともにキャビティを形成する。キャップの材料としては、円筒状外型と同様の材料を使用することができる。
[基体−弾性層間のプライマー]
プライマーはシランカップリング剤、添加物、各種溶剤等を含有する液体で、異種材料の界面に塗布し乾燥することで、両者を一体化する機能を有する。シランカップリング剤は、分子中に2種類以上の反応基、すなわち、無機物と相性の良い加水分解基(例:アルコキシル基)と、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基、とを保有する。加水分解基によってガラスや金属などの無機成分と反応・結合し、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基によって有機成分と結びつくことができる。
シリコーンゴムに対する接着性を考慮する場合、有機官能基としては、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、SiH基などが挙げられる。本発明に適用可能なシランカップリング剤からなる接着層としては様々な種類が適用できる。一例を挙げるならば、基体を構成する金属あるいは金属酸化物と加水分解、縮合して接着するアルコキシル基と、液状未架橋シリコーンゴムのビニル基に対して付加反応により接着するSiH基を、分子中に同時に有するものである。
[表面層−弾性層間のプライマー]
表面層−弾性層間のプライマーは、基体−弾性層間のプライマーと同様のシランカップリング剤、添加物、各種溶剤等を含有する液体であり、異種材料の界面に塗布し乾燥することで、両者を一体化する機能を有する。円筒状外型の内面に固定したフッ素樹脂チューブ内面に塗布・乾燥して接着機能を発現させるため、表面処理済みのフッ素樹脂界面と容易に縮合反応するプライマーが使用される。一例を挙げれば、加水分解、縮合して接着するアルコキシル基と、液状未架橋シリコーンゴムのヒドリド基に対して付加反応により接着するケイ素原子結合アルケニル基(SiVi基)を、分子中に同時に有するものである。
〔製造工程〕
本発明は、基体と、該基体の周面に形成された多孔質シリコーンゴムからなる弾性層と、フッ素樹脂チューブからなる表面層と、を有する多孔質弾性部材の製造方法であって、次の(1)〜(7)の工程を少なくとも含み、かつ、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)の工程がこの順に行われることを特徴とする。
[工程(1):チューブの密着固定]
円筒状外型の内面にフッ素樹脂チューブを密着固定する工程である。図5に示すように、円筒状外型30の内周面に沿って挿入されたフッ素樹脂チューブ49が、円筒状外型の両端の開口31および32で、外型の外周面に折り返し固定された状態で固定される。折り返し固定後のフッ素樹脂チューブ内面には、表面層―弾性層間のプライマーが全面塗布され、乾燥処理されることが好ましい。
[工程(2):キャビティの形成]
円筒状外型の内部に基体を固定して、基体とフッ素樹脂チューブと円筒状外型の両端のキャップとの間にキャビティを形成する工程である。図4において、被成形材料(乳化物)を充填するキャビティ40は、円筒状外型30と、円筒状の外型の両端の開口31、32を封止するキャップ33、34、およびキャップ33、34に軸受け部46、47を固定した金属製の基体41で構成された空間である。金属製の基体の外周面は、プライマー処理を施し、プライマー層が形成されることが好ましい。
[工程(3):乳化物の注入]
1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン、および、水、を含む液状シリコーンゴム混合物の乳化物を、キャビティ内に注入する工程である。乳化物としては、前述のA〜D液を含むものを用いることができる。乳化物中には更に針状フィラーを含有させることができる。
図4において、符号42は未架橋材料および水を主成分とする乳化物、符号43は乳化物をキャビティに充填するための配管であり、バルブ52を介して計量器50と連結している。前述のA〜D液を含む乳化物は、不図示の方法で内径40mmの計量器に導入された後に、計量器に付属した押し子51を押し下げることで、配管43を経由して注入口45からキャビティ40に注入することができる。
[工程(4):積層体の形成]
キャビティ内を密封状態とした後、乳化物を加熱することによってシリコーンゴム層を形成して、基体、シリコーンゴム層及びフッ素樹脂チューブが積層された積層体を得る工程である。キャビティ内に注入された乳化物が、注入口45とは反対のキャビティ端部のキャップ33に設けた開口44から流出したことを確認したのち、不図示の密栓部材によって開口44を密閉することができる。ついで配管43を取り外した後、注入口45側のキャップ34にも密栓部材を施して、キャビティの内部を密封状態とすることができる。
次いで熱風循環炉等の加熱手段を用いてキャビティ内の乳化物を加熱してシリコーンゴム層を形成して積層体を得る。水分を保持した状態でゴム成分の架橋させるために、加熱温度は水の沸点より低い温度が好ましく、たとえば常圧で100℃未満である。また、材料の体積や使用する基体や円筒状外型の熱容量にもよるが、加熱時間は概ね30分間以上150分間以下である。
[工程(5):弾性積層体の形成]
キャップを取り外した後、円筒状外型内で、積層体を加熱して、シリコーンゴム層中の水を蒸発させて、基体、多孔質シリコーンゴム弾性層およびフッ素樹脂チューブからなる弾性積層体を得る工程である。
両端のキャップ33、34を取り除くことによって、図6に示すように、円筒状外型の両端部が開放され、円筒状外型の内側は、基体と含水状態のシリコーンゴム層とフッ素樹脂チューブとが一体化された積層体が内包された状態となる。次いで、これらを熱風循環炉等の加熱空間内に配置して、積層体を加熱することで、架橋済みの含水状態のシリコーンゴム層から水分を蒸発させることができる。これによってシリコーンゴム層は、多孔質シリコーンゴム弾性層に変化する。本発明においては、円筒状外型で外部規制された状態で水分を蒸発させるので、水の蒸気圧による弾性層の径膨張や、フッ素樹脂チューブの破損を防止することができる。
なお本発明においては、脱水工程の温度や時間を適切に設定することが重要である。シリコーンゴム層を多孔質化する過程で水分が蒸発すると、水蒸気はシリコーンゴム中の微細な連通路を経由し、または水蒸気自身が連通路を形成しながら、フッ素樹脂チューブの存在しない部材両端部から開放空間へと排出される。加熱条件は弾性部材の径や長さ、弾性部材の厚みにより異なるが、100℃以上230℃以下の温度で実施することが好ましい。100℃未満、すなわち常圧での水の沸点温度未満であれば、水分の蒸発に長時間を要し、また、230℃より高くなるとシリコーンゴムの劣化が懸念される。
ところで、円筒状外型の内部にあるシリコーンゴム層の温度計測では、120℃前後で一定時間保持されたのち、脱水温度まで上昇する場合がある。このため円筒状外型の内部は水蒸気の影響で陽圧状態にあると推察される。そこで、さらに好ましい脱水温度の下限は、常圧での水の沸点より高い温度が好ましく、120℃より高い温度である。
一方、水蒸気の発生と排出を促進する目的で、周囲温度を高温に設定すると弾性部材の全長が伸張し、円筒状外型の両端部から突出して全長が大きくなる場合がある。水蒸気の体積が増加し、開放された両端部に向かってゴムが伸張するためと考えられる。検討の結果、外型の周囲温度が200℃以上では突出が大きく、冷却後にもとの長さに収縮せず突出したままになることが判明している。このためさらに好ましい脱水の周囲温度の上限は200℃未満である。なお、脱水に要する時間は、円筒状外型ごと、質量を計測することで判断することができる。脱水の進行に伴い、質量減少しなくなった時点を脱水の終点とすれば、必要な脱水時間は125℃で4時間以内、195℃では1.5時間以内である。また、透明なフッ素樹脂チューブを使用すれば、キャビティから取り出した成形体の脱水の完了をシリコーンゴム層の色でも判別できる。すなわち、含水状態のシリコーンゴム層は濃色である一方、脱水が進んだ部位は淡色となる。
[工程(6):弾性積層体の取出]
円筒状外型から弾性積層体を取り出す工程である。円筒状外型の内面には離型性のフッ素樹脂チューブが接しているので、円筒状外型から弾性積層体を容易に取り出すことができる。
[工程(7):二次加工]
弾性積層体を二次加工する工程である。円筒状外型から取り出した弾性積層体には、二次加工が施される。「二次加工」とは、例えば、シリコーンゴムから低分子成分を揮発させるための2次架橋や、定着装置で使用するために実施する端部切除等の弾性部材の形状加工等を含む加工等である。このうち2次架橋は、脱水温度よりも高温、かつゴム特性が損なわれない温度で実施することが望ましく、一般に200℃〜230℃で2〜4時間加熱することによって行うことができる。2次加工を経て、本発明の多孔質弾性部材を得ることができる。多孔質弾性部材において多孔質シリコーンゴム層の空孔率は1%以上60%未満であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。本実施例では、本発明の多孔質弾性部材をA3用紙対応定着装置向け加圧ローラとして製造した。実施例に先立って、以下[1]〜[5]の準備操作等を行った。
[1]金属製基体の準備
快削鋼(SUM)を下記の形状に加工したものを入手し、基体とした。
第1の軸受け部:外径8mm、長さ22mm、
軸受け部以外の部分:外径24.5mm、長さ330mm、
第2の軸受け部:外径8mm、長さ53mm。
[2]基体へのプライマー層の形成
基体の弾性体形成部位(軸受け部以外の部分)に、公知の方法でプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布し、200℃で焼き付け固定し、プライマー層を形成した。
[3]フッ素樹脂チューブを固定した円筒状外型の準備
図3に示す円筒状外型(内径30.4mm、外径40.0mm、長さ372mm)の内部に、内面処理を施した透明なフッ素樹脂チューブ(外径29.0mm、長さ435mm、厚さ0.05mm;グンゼ株式会社製)を均等に内挿し、円筒状外型の長手方向の両端から該チューブ両端部(各長さ26.5mm)が突出するようにした。
複数の爪からなり、動作によりフッ素樹脂チューブの内径よりも径が大きくなるひと組の拡径爪(不図示)を、フッ素樹脂チューブの突出した片端部に縮径状態で挿入した。次いで拡径爪を動作してフッ素樹脂チューブ内径を円筒状外型の外径よりも大きくなるように拡径した。この時点で、フッ素樹脂チューブの片端部と拡径爪とは摩擦力により係り合った状態となった。
拡径状態を維持したまま、円筒状外型とフッ素樹脂チューブの長手方向の相対位置関係を変更することで、フッ素樹脂チューブの片端を外型の外周面に折り返した。次いで、拡径爪に係り合ったフッ素樹脂チューブ端面を移し替える操作を行い、係り合いを解消してフッ素樹脂チューブの片端部を金型の外周面に移行させて折り返し状態で固定した。他端においても同様の操作を行い、図5に示すように、内挿したフッ素樹脂チューブが円筒状外型の両端部において折り返し固定された状態とした。
[4]フッ素樹脂チューブへのプライマー層の形成
円筒状外型に固定したフッ素樹脂チューブ49の内面に、公知の方法でプライマー(商品名:DY35−067、東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布し、乾燥した上でプライマー層を形成した。
[5]乳化物の調製
A液およびB液として、液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング(株))を準備した。C液としてベンゲルW−200U 1質量部に対し、脱イオン水99質量部を投入し、十分に攪拌してゲル状液体材料をあらかじめ調製した。D液(乳化剤)としてノニオン系界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル、商品名:イオネットHLB4.3;三洋化成工業(株))を準備した。A〜D液を表1に示す配合量(質量部)で、遊星式ミキサー内に投入し十分に撹拌して多孔質シリコーンゴム用の乳化物1〜3を調製した。
Figure 0006598659
〔実施例1〕
1.キャビティの形成、乳化物の注入(工程(1)〜(3))
前記[1]〜[5]の準備操作にて得られた、部材及び材料を用いて、キャビティを形成し、図4に示す装置にセットした。続いて計量器を操作して配管から調製例1の乳化物1をキャビティ内に導入した。乳化物が開口44から流出したことを確認した後、開口44と注入口45をともに密栓し、これら一式の型組みを配管43から取り外した。
2.乳化物の加熱、積層体の形成(工程(4))
キャビティ内を密封状態として、乳化物を充填した型組みを温度90℃に設定した熱風循環炉内に配置して、100分間加熱した後、取り出した。
3.キャップの除去、水の蒸発、弾性積層体の形成(工程(5))
円筒状外型の長手方向両端部に配置されたキャップ33、34を取り除き、図6に示すような、両端部が開放され、基体とシリコーンゴム層とフッ素樹脂チューブとの積層体が内包された円筒状外型を得た。次いで円筒状外型で規制された状態のままの積層体を、温度180℃の熱風循環炉内に配置し、随時質量を計測した。質量は徐々に減少しやがて一定値になった。最終的に120分経過後に、シリコーンゴム層からの水分蒸発が完了したと判断した。
4.弾性積層体の取出、二次硬化(工程(6)〜(7))
冷却後のキャビティから基体、多孔質シリコーンゴム弾性層、及びフッ素樹脂チューブからなる弾性積層体を取り出したところ、フッ素樹脂チューブの内側の多孔質シリコーンゴム弾性層は全面にわたり淡い赤褐色を呈していた。続いて熱風循環炉に入れて温度200℃にて4時間保持し、取り出した部材の形状を整え弾性部材を完成した。完成した弾性部材に欠けや破損は認められず、観察の結果、フッ素樹脂チューブとの界面付近の多孔質シリコーンゴム弾性層にも空孔が形成された多孔質弾性体であることが確認された。
〔比較例1〕
実施例1と同様の工程(1)〜(4)を実施した。次いで、長手方向両端のキャップ33、34を取り除き、円筒状外型から、基体、シリコーンゴム層およびフッ素樹脂チューブからなる積層体を取り出した。次いで、円筒状外型による規制が無い状態で、この積層体を温度150℃に設定した熱風循環炉内に配置したところ、配置から40分後に、積層体の端部から50mmの部位で、フッ素樹脂チューブおよびシリコーンゴム層の破損が認められた。
〔実施例2〕
調製例1の乳化物1を遊星型ミキサー内に入れ、ピッチ系炭素繊維(XN−100−25M;日本グラファイトファイバー株式会社)が5体積%になるよう配合し、混合して乳化物4を得た。乳化物として、乳化物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、工程(1)〜(7)を実施した。
工程(5)においては、実施例1と同様に、120分経過後にシリコーンゴム層からの水分蒸発が完了したと判断した。また、工程(6)において取り出された弾性積層体は、フッ素樹脂チューブの内側の多孔質シリコーンゴム弾性層は全面にわたり淡い赤褐色を呈していた。工程(7)において取り出された、完成した弾性部材に欠けや破損は認められず、観察の結果、フッ素樹脂チューブとの界面付近に空孔が存在し、炭素繊維と共存している多孔質弾性体であることが確認された。
〔比較例2〕
工程(5)における熱風循環炉の温度を120℃としたこと以外は、実施例と同様にして、工程(1)〜(7)を実施した。工程(5)での質量の計測においては、質量は緩やかに減少する傾向を示し、240分経過しても一定にならなかった。
工程(6)において取り出された弾性積層体は、多孔質シリコーンゴム弾性層の中央部が濃色であり、水分が残留していることがわかった。この状態で工程(7)において熱風循環炉に入れて温度200℃に加熱したところ、30分経過後に弾性部材の中央部でフッ素樹脂チューブおよび多孔質シリコーンゴム弾性層の破損が認められた。
〔比較例3〕
工程(5)における熱風循環炉の温度を200℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、工程(1)〜(7)を実施した。工程(5)においては、質量は徐々に減少しやがて一定値になった。最終的に100分経過後に、シリコーンゴム層からの水分蒸発が完了したと判断した。熱風循環炉から取り出したところ、円筒状外型からゴム成形体が約20mm突出していた。
工程(6)において取り出された弾性積層体に、破損は確認されなかった。また、フッ素樹脂チューブの内側の多孔質シリコーンゴム弾性層は全面にわたり淡い赤褐色を呈していた。工程(7)において取り出され弾性部材の形状を確認したところ、部材の左右で外径および硬度が異なっていることがわかった。
〔実施例3〕
乳化物として調製例2の乳化物2を用い、工程(5)における熱風循環炉の温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、工程(1)〜(7)を実施した。工程(5)においては、質量は徐々に減少しやがて一定値になった。最終的に100分経過後に、シリコーンゴム層からの水分蒸発が完了したと判断した。
工程(6)において取り出された弾性積層体において、フッ素樹脂チューブの内側の多孔質シリコーンゴム弾性層は全面にわたり淡い赤褐色を呈していた。工程(7)において取り出された、完成した弾性部材に欠けや破損は認められず、顕微鏡観察の結果、フッ素樹脂チューブとの界面付近にも空孔が形成された多孔質弾性体であることが確認された。
〔実施例4〕
乳化物として調製例3の乳化物3を用い、工程(5)における熱風循環炉の温度を160℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、工程(1)〜(7)を実施した。工程(5)においては、質量は徐々に減少しやがて一定値になった。最終的に150分経過後に、ゴム前駆体からの水分蒸発が完了したと判断した。
工程(6)において取り出された弾性積層体において、フッ素樹脂チューブの内側の多孔質シリコーンゴム弾性層は全面にわたり淡い赤褐色を呈していた。工程(7)において取り出された、完成した弾性部材に欠けや破損は認められず、観察の結果、フッ素樹脂チューブとの界面付近にも空孔が形成された多孔質弾性体であることが確認された。
以上の結果を表2にまとめた。
Figure 0006598659
1 弾性部材
2 シリコーンゴム
3 空孔
10 加圧ローラ
21 基体
23 多孔質シリコーンゴム弾性層
24 表面層
25 基体―弾性層間のプライマー
26 表面層―弾性層間のプライマー
30 円筒状外型
31,32 円筒状外型の開口
33,34 キャップ
40 キャビティ
41 プライマー層付き基体
42 乳化物
43 配管
44 キャビティの開口
45 キャビティの注入口
46,47 軸受け
49 フッ素樹脂チューブ
50 計量器
51 押し子
52 バルブ

Claims (4)

  1. 基体と、該基体の周面の多孔質シリコーンゴムを含む弾性層と、表面層としてのフッ素樹脂チューブと、を有する多孔質弾性部材の製造方法であって、
    次の(1)〜(7)の工程を含み、かつ、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)の工程がこの順に行われることを特徴とする多孔質弾性部材の製造方法:
    (1)円筒状外型の内面にフッ素樹脂チューブを密着固定する工程、
    (2)該円筒状外型の内部に該基体を固定して、該基体と該フッ素樹脂チューブと2つのキャップとの間にキャビティを形成する工程、
    (3)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン、および、水、を含む液状シリコーンゴム混合物の乳化物を、該キャビティ内に注入する工程、
    (4)該キャビティ内を密封状態とした後、該乳化物を加熱することによってシリコーンゴム層を形成して、該基体、該シリコーンゴム層及び該フッ素樹脂チューブが積層された積層体を得る工程、
    (5)該キャップを取り外した後、該円筒状外型内で、該積層体を加熱して、該シリコーンゴム層中の水を蒸発させて、該基体、多孔質シリコーンゴム弾性層および該フッ素樹脂チューブからなる弾性積層体を得る工程、
    (6)該円筒状外型から、該弾性積層体を取り出す工程、および
    (7)該弾性積層体を二次加工する工程。
  2. 前記(3)の工程において、前記乳化物中に更に針状フィラーを添加することを特徴とする請求項1に記載の多孔質弾性部材の製造方法。
  3. 前記多孔質シリコーンゴム層の空孔率が1%以上60%未満であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質弾性部材の製造方法。
  4. 前記(5)の工程において、加熱温度が120℃より高く200℃未満であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質弾性部材の製造方法。
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