JP6095449B2 - 弾性部材の製造方法 - Google Patents
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Description
(ア)付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物中に水を分散させたものを密閉型内のキャビティに注入し、気密状態を維持しつつ加熱してシリコーンゴムを硬化させる工程、
(イ)水分を含む硬化したシリコーンゴムから水を除去して多孔質シリコーンゴムを得る工程。
(1)金属製の外型の内部に、該外型とは電気的に絶縁された状態で、かつ、該外型の内壁と該金属製基体との間にキャビティが形成されるように、該金属製基体を固定する工程と、
(2)付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物と水との混合物を該キャビティに注入する工程と、
(3)該金属製基体と該外型とを一対の電極として高周波電圧を印加し、該混合物を加圧下で加熱して、該金属製基体上に、水を含むシリコーンゴム層を形成する工程と、
(4)該シリコーンゴム層から水を蒸発させて多孔質シリコーンゴム層を形成する工程と、
を有することを特徴とする弾性部材の製造方法である。
本発明において、金属製基体としては、基体自身を電極として使用することができるものならば様々な種類のものが採用できる。特記すれば、定着装置の加圧ローラとして使用する場合は、適切な加圧力を付与するため、金属材料で構成された基体を使用するのが好適である。なかでも加圧性と加工性に秀でた快削鋼(SUM材)を所望の形状に加工して芯金とし、防錆を目的とした無電解ニッケルメッキをその表面に施した基体が好ましく採用できる。本発明の弾性部材を定着装置に使用する上で、通紙のためにモーター等により周方向に回転させる場合には、芯金の長手方向の端部に軸受け部を設けるのが一般的である。本発明において、基体は軸受け部と一体化されている。なお、基体表面のニッケル成分の一部を酸化ニッケルNiOに改質して使用すれば、後述する多孔質シリコーンゴム層との接着性が向上するのでなお好ましい。
金属製基体とその上に形成される多孔質シリコーンゴム層との接着性を向上させるためにシランカップリング剤等から成るプライマーを使用することができる。シランカップリング剤は、分子中に2種類以上の反応基、すなわち、無機物と相性の良い加水分解基(例:アルコキシル基)と、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基、とをその構造中に保有する。加水分解基によってガラスや金属などと反応・結合し、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基によって有機成分と結びつくことができる。シリコーンゴムに対する接着性を考慮する場合、有機官能基としては、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、SiH基などが挙げられる。本発明に適用可能なシランカップリング剤からなる接着層としては様々な種類が適用できる。一例を挙げるならば、ニッケルあるいはニッケルメッキ上に配置したNiOと加水分解、縮合して接着するアルコキシル基と、液状未架橋シリコーンゴムのビニル基に対して付加反応により接着するSiH基を、分子中に同時に有するものである。
本発明において好適に用いられる付加硬化型のスポンジ形成性シリコーンゴム組成物は、下記の成分(i)〜(Vi)を含んでいる。
(i)1分子中に2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(ii)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、
(iii)水、
(iv)増粘剤、
(v)乳化剤、及び、
(vi)ヒドロシリル化反応促進のための触媒。
〔1.多孔質シリコーンゴム層の空孔測定〕
得られたシリコーンゴム成形体の一部をカミソリ刀で切断し、その中心部を走査型電子顕微鏡(商品名:XL−30、FEI社製)にて観察した。画像解析ソフト「WinROOF」(三谷商事株式会社)を使用し、観察画像の空孔径分布を算出した。なお顕微鏡の観察倍率は100倍、解析エリアは297×204画素領域である。
ローラ長手方向の位置を等間隔に5点定め、各点において周方向に1/4ずつ回転させた点(合計20点)の硬度を、定圧荷重器を備えたデュロメータ(Cタイプ;高分子計器(株))にて順々に測定した。なお、荷重は1000gfとした。得られた硬度の平均値(20点平均値)をこの加圧ローラの硬度とした。
成分(i)及び成分(ii)として、付加硬化型の液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング(株))を準備した。成分(iii)及び成分(iv)として、増粘剤(商品名:ベンゲルW−200U)1質量部に対し、脱イオン水99質量部を投入し、十分に攪拌した。また乳化剤として変性シリコーンオイル(商品名:FZ−2207;東レ・ダウコーニング(株))を準備した。
(1−1)金属製基体の準備
快削鋼(SUM)を下記の形状に加工し、その外面上に無電解ニッケルメッキ(厚さ3〜6μm)を施した芯金を金属製基体として準備した。
第1の軸受け部:外径8mm×長さ22mm、
軸受け部以外の部分:外径23mm×長さ325mm、
第2の軸受け部:外径8mm×長さ53mm。
この金属製基体の表面に、公知の方法でプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング(株))を塗布した。
図4の装置を使用し、金属製の外型の内部に、該外型とは電気的に絶縁された状態で、かつ、該外型の内壁と該金属製基体との間にキャビティ40が形成されるように、前記金属製基体を固定した。次いで、キャビティ内に調製例1で調製した乳化物1を注入した。なお、キャビティ内に注入された乳化物が、注入口45とは反対のキャビティ端部に設けた開口44からフローアウトしたことを確認した後に、注入口45を密閉した。ついで注入口45を配管43から取り外し、注入口45にも密栓を施してキャビティ内部を密封状態とした。
続いてこのキャビティを図5の装置にセットし、金属製基体の軸受け部46と、金型30をそれぞれ高周波電源に接続して電圧を印加した。高周波電源の周波数は、13.56MHz、出力は300Wとした。金型の表面に設置した温度センサをモニターし、15分後に100℃を超えたので通電を停止した。これにより、金属製基体上に、水を含むシリコーンゴム成形体を形成した。
次いで、この含水状態のシリコーンゴム成形体をキャビティから取り出し、温度200℃のオーブンにて4時間加熱し、硬化すると共に脱水して、金属製基体上に多孔質シリコーンゴム層を有する弾性部材を得た。得られた弾性部材の一部を切り取って空孔径を調べたところ、その平均径は円換算12.4μmであり、標準偏差は29.9であった。
乳化物が注入されたキャビティを高周波電源で加熱する代わりに、温度90℃のオーブン中で1時間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
キャビティとして、熱プレスに対応した金型を使用し、キャビティを110℃の熱プレスで15分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
調製例2で調製した乳化物2を使用したこと、及び、周波電源の出力を250Wとしたこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
調製例2で調製した乳化物2を使用したこと、及び、キャビティを高周波電源で加熱する代わりに温度90℃のオーブン中で1時間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
調製例2で調製した乳化物2を使用したこと、及び、キャビティとして、熱プレスに対応した金型を使用し、キャビティを110℃の熱プレスで15分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で作成した弾性部材に、公知の方法でチューブ形状のフッ素樹脂フィルム(厚さ50μm;グンゼ(株)製)を被覆し、定着装置の加圧ローラを作製した。この加圧ローラを電子写真方式の画像形成装置(LBP5910;キヤノン(株)製)の定着装置にセットして耐久試験を実施した。一定時間経過ごとに加圧ローラの表面硬度を測定したところ、520時間を経過しても硬度がほぼ維持されていた。評価結果を表3に示す。
比較例1と同様の方法で作成した弾性部材を用いて、実施例3と同様の方法で加圧ローラを作製し、耐久試験を実施した。一定時間経過ごとに加圧ローラの表面硬度を測定したところ、330時間経過すると硬度が減少する傾向が見られた。評価結果を表3に示す。
2 シリコーンゴム
3 空孔
10 加圧ローラ
21 金属製基体
22 プライマー層
23 多孔質シリコーンゴム層
24 離型層
30 金型
31、32 金型30の開口
33、34 コマ型
40 注型成型装置
41 金属製基体
42 乳化物
43 配管
44 キャビティの開口
45 キャビティの注入口
46、47 軸受け部
48 キャビティ
50 計量器
51 押し子
52 バルブ
53 高周波電源
Claims (9)
- 金属製基体と、該金属製基体上に形成された多孔質シリコーンゴム層とを有する弾性部材の製造方法であって、
(1)金属製の外型の内部に、該外型とは電気的に絶縁された状態で、かつ、該外型の内壁と該金属製基体との間にキャビティが形成されるように、該金属製基体を固定する工程と、
(2)付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物と水との混合物を該キャビティに注入する工程と、
(3)該金属製基体と該外型とを一対の電極として高周波電圧を印加し、該混合物を加圧下で加熱して、該金属製基体上に、水を含む架橋したシリコーンゴム層を形成する工程と、
(4)該架橋したシリコーンゴム層から水を蒸発させて多孔質シリコーンゴム層を形成する工程と、
を有することを特徴とする弾性部材の製造方法。 - 前記工程(3)において、前記金属製基体と前記外型との間に印加する高周波電圧の周波数が、3〜300MHzの範囲内である請求項1に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記周波数が、13〜41MHzの範囲内である請求項2に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記工程(3)において、前記金属製基体と前記外型との間に印加する高周波電圧の出力が30〜700Wの範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記出力が80〜400Wの範囲内である請求項4に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物が、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン、及び1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロキサンを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記混合物が、さらに、増粘剤および乳化剤を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記工程(4)において、前記水を含む架橋したシリコーンゴム層の加熱温度を120〜250℃とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
- 前記加熱温度を180〜220℃とする請求項8に記載の弾性部材の製造方法。
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