JP6095449B2 - 弾性部材の製造方法 - Google Patents

弾性部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6095449B2
JP6095449B2 JP2013077685A JP2013077685A JP6095449B2 JP 6095449 B2 JP6095449 B2 JP 6095449B2 JP 2013077685 A JP2013077685 A JP 2013077685A JP 2013077685 A JP2013077685 A JP 2013077685A JP 6095449 B2 JP6095449 B2 JP 6095449B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
elastic member
rubber layer
water
outer mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013077685A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014202850A (ja
Inventor
由高 荒井
由高 荒井
鈴木 健
健 鈴木
潤 三浦
潤 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013077685A priority Critical patent/JP6095449B2/ja
Publication of JP2014202850A publication Critical patent/JP2014202850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6095449B2 publication Critical patent/JP6095449B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

本発明は、電子写真装置等の定着部材に特に好適に用いられる弾性部材の製造方法に関する。
多孔質のシリコーンゴム(以降、「多孔質シリコーンゴム」ともいう)は、耐久性、断熱性能に優れているため、電子写真装置における定着装置、特には、加熱部材に対向して配置されている加圧部材に好適に用いられている。
特許文献1は、下記(ア)、(イ)の工程を経て多孔質シリコーンゴムを得る方法を開示している。
(ア)付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物中に水を分散させたものを密閉型内のキャビティに注入し、気密状態を維持しつつ加熱してシリコーンゴムを硬化させる工程、
(イ)水分を含む硬化したシリコーンゴムから水を除去して多孔質シリコーンゴムを得る工程。
なお、以降、水が分散されてなる液状シリコーンゴム組成物を、「スポンジ形成性シリコーンゴム組成物」と称することがある。
国際公開WO2009/142151
本発明者らが、特許文献1に係る多孔質シリコーンゴムの製造方法を検討したところ、空孔径のばらつきが大きく、その結果として硬度が部分的に異なる多孔質シリコーンゴムが得られる場合があった。その原因について検討したところ、スポンジ形成性シリコーンゴム組成物中のシリコーンゴム成分が硬化するまでに長時間を要した場合に、その傾向が顕著であった。この原因は、スポンジ形成性シリコーンゴム組成物中に分散させた水がシリコーンゴムの硬化前に凝集しているためであると推測した。そこで、均質な多孔質シリコーンゴム弾性層を備えた弾性部材を得るためには、型内でのスポンジ形成性シリコーンゴム組成物中のシリコーンゴム成分を如何に早く硬化させるかが重要であると認識した。
本発明の目的は、空孔径が小さくかつ均一な多孔質シリコーンゴム層を有する弾性部材の製造方法を提供することにある。
本発明は、金属製基体と、該金属製基体上に形成された多孔質シリコーンゴム層とを有する弾性部材の製造方法であって、
(1)金属製の外型の内部に、該外型とは電気的に絶縁された状態で、かつ、該外型の内壁と該金属製基体との間にキャビティが形成されるように、該金属製基体を固定する工程と、
(2)付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物と水との混合物を該キャビティに注入する工程と、
(3)該金属製基体と該外型とを一対の電極として高周波電圧を印加し、該混合物を加圧下で加熱して、該金属製基体上に、水を含むシリコーンゴム層を形成する工程と、
(4)該シリコーンゴム層から水を蒸発させて多孔質シリコーンゴム層を形成する工程と、
を有することを特徴とする弾性部材の製造方法である。
本発明によれば、空孔の径が小さくかつ均一な多孔質シリコーンゴム層を有する弾性部材を得ることができる。
本発明において製造される弾性部材(定着器加圧ローラ)の概略図である。 図1におけるA−A’間における断面図である。 本発明の多孔質シリコーンゴム層の模式断面図である。 本発明の弾性部材を製造する装置の概略図である。 本発明の多孔質シリコーンゴム層の形成工程における、高周波電圧の印加方法の説明図である。
以下に図面を用いて本発明の詳細を説明する。
本発明に係る弾性部材としては、例えば、電子写真装置の定着装置において、加熱部材と対向して配置される加圧部材等が挙げられる。
電子写真装置において、加圧部材は、加熱部材に圧接配置して使用される。加熱部材と、加圧部材との間には加熱・加圧領域となるニップ部が形成され、このニップ部に用紙などの画像支持体、例えば、未定着トナーによる画像が形成された紙等を挟持する。それにより、画像支持体上の未定着トナーを加熱、加圧し、トナーを溶融させることによって画像支持体上にトナー像を定着させる。
図1は、ローラ形状を有する加圧部材(以降、「加圧ローラ」ともいう)の概略斜視図である。また、図2は、図1のA−A´線における断面、すなわち、加圧ローラの軸に直交する面で加圧ローラを切断した場合における断面を示す図である。図1及び図2において、10は弾性部材としての加圧ローラ、21は金属製基体、22はプライマー層、23は弾性層としての多孔質シリコーンゴム層、24は離型層である。離型層24は、多孔質シリコーンゴム層23の周面に、不図示の硬化シリコーンゴム接着層により固定されている。
図3は、弾性層23の厚み方向の断面の拡大図である。図3中、2は架橋されたシリコーンゴム、3は空孔である。空孔3は、球状又は不定形状を示し、直径又は一辺が十数μm程度のサイズである。ここで空孔3のサイズは、シリコーンゴムの切断面の顕微鏡像(例えば倍率100倍)を適当な領域(例えば297×204画素)で2値化し、画像解析により計測することができる。画像解析には種々のソフトを利用できるが、例えば、WinROOF(三谷商事株式会社)を使用することができる。本ソフトによれば、同時に空孔径分布も算出することができ、本発明においては、空孔径の標準偏差を比較することで、空孔の均一度合いを評価する。
架橋したシリコーンゴムは、例えば、付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物を硬化させることによって得られる。付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロキサン、及びヒドロシリル化反応(架橋反応)触媒を含む。そして、ヒドロシリル化反応触媒を介在させて、上記オルガノポリシロキサンを反応させることによって架橋したシリコーンゴムを得ることができる。
そして、本発明に係る多孔質シリコーンゴム層は、(A)ヒドロシリル化反応が進んでいない液状のシリコーンゴム組成物を、水、乳化剤及び増粘剤等と混合して乳化物とする工程;(B)該乳化物を、成形型内に注入し、型内において加熱してヒドロシリル化反応を進行させて、水を含む架橋したシリコーンゴム層を得る工程;(C)水を含む架橋したシリコーンゴムを加熱等により脱水する工程、を経て得ることができる。なお、以降、ヒドロシリル化反応が進んでいない液状のシリコーンゴム組成物を「未架橋シリコーンゴム材料」と称することがある。
図4及び図5は、本発明に係る加圧ローラの製造方法の説明図である。
図4を用いて、未架橋シリコーンゴム材料に、水、乳化剤及び増粘剤等を加え、混合することによって調製した乳化物の注入工程について説明する。図4において、41は、注型成形装置40に装着された加圧ローラの金属製基体である。そして、注型成形装置40は、両端部に開口31、32を有する円筒状の金型30と、開口31、32を封止する絶縁性のコマ型33、34とを有する。そして、金属製基体41は、当該基体に固定された軸受け部46、47を、絶縁性のコマ型33、34に挿通することによって注型成形装置に装着されている。金型30と基体41とは電気的に絶縁されている。また、基体41に電位を与えるために、導電性の材料、例えば、基体41と同じ材料で構成された軸受け部の一端(図4においては軸受け部46)を、コマ型33から外部(図4では、上方向)に露出する構成となっている。また、絶縁性のコマ型33、34を構成する材料としては、後述する高周波電圧の印加工程に影響しないよう、誘電損失係数が小さな材料を選定する。注型成型装置40に乳化物を注入するための配管43は、バルブ52を介して計量器50と連結している。
未架橋シリコーンゴム材料および水を主成分とする乳化物42は、内径40mmの計量器50に導入される。次いで、計量器50に付属した押し子51を押し下げることで、乳化物42を、配管43を経由してコマ型34に設けた注入口45から金型30と基体41とで形成されたキャビティ48に移送する。注入した乳化物が、注入口45とは反対のコマ型33に設けた開口44からフローアウトしたのを確認したのち、不図示の栓によって開口44を密閉し、ついで配管43から取り外した注入口45にも密栓を施してキャビティ48を密封状態に保持する。
図5を用いて未架橋シリコーンゴム材料の架橋について説明する。キャビティ48を密封状態とした後、基体41の軸受け部46と、金型30とを一対の電極とし、これらを高周波電源53に接続してキャビティ48内の乳化物に高周波電圧を印加して、乳化物を加圧下で加熱する。
基体41と外型としての金型30との間に印加する高周波電圧の周波数としては、例えば、3〜300MHz、特には、13〜41MHzの範囲内で選択することが好ましい。また、当該高周波電圧の出力は電極間の距離や、乳化物中に含まれる水分の割合に応じて調節することができるが、目安としては、30〜700W、特には、80〜400Wとすることが好ましい。また金型の表面に不図示の温度センサを設置すれば、架橋完了後の成形物に影響を及ぼすことなくキャビティの内部の乳化物の温度を推測し、架橋反応の進行度合いを見極めて、出力を調節することもできる。
最後に、キャビティから取り出した含水状態の架橋したシリコーンゴム層を、不図示の手段にて水の沸点より高い温度に加熱することで、架橋したシリコーンゴム層内の水分を蒸発させることで、空孔が形成され、多孔質シリコーンゴム層とすることができる。ここで、含水状態のシリコーンゴム層の加熱温度としては、架橋したシリコーンゴムの品質に影響を及ぼさず、また、十分に、かつ、効率的に水分を除去するために、例えば、120〜250℃、特には、180〜220℃とすることが好ましい。
本発明の多孔質シリコーンゴム層を有する弾性部材の製造方法において、空孔の径が小さく均一な多孔質シリコーンゴムが得られる理由については、次のように考えている。本発明においては、未架橋シリコーンゴム材料と、水、乳化剤、増粘剤等とを混合して得た乳化物が使用される。乳化とは、元来混じりあわない液体と液体が、乳化剤を介して一体化している状態である。本発明における乳化物は通常、長時間静置すると含水成分が凝集する。本発明者らの検討によれば、乳化と含水成分の凝集は、架橋反応が十分に進行しない範囲において可逆であった。このため乳化状態を形成後できるだけ速やかに加熱し、含水成分の凝集が進む前に架橋を行えば、より小さな空孔径の多孔質シリコーンゴム層を得ることができる。また、適切なせん断力を与えて乳化状態を均一なものとしたうえで速やかに架橋を行えば、得られる空孔の径をより均一なものとすることができる。こうした速やかな架橋を進める上では、オーブンやプレス等による外部加熱よりも、材料自身が発熱する内部加熱、すなわち高周波誘電加熱が適している。本発明においては、図4に示す金型30および軸受け部46に、適切な方法で高周波電源53を接続すれば、注入口45を配管43から取り外すことなく、キャビティ40中への乳化物42の注入が完了すると同時に乳化物42の架橋を進行させることもできる。
次いで、本発明において使用される材料について説明する。
〔金属製基体〕
本発明において、金属製基体としては、基体自身を電極として使用することができるものならば様々な種類のものが採用できる。特記すれば、定着装置の加圧ローラとして使用する場合は、適切な加圧力を付与するため、金属材料で構成された基体を使用するのが好適である。なかでも加圧性と加工性に秀でた快削鋼(SUM材)を所望の形状に加工して芯金とし、防錆を目的とした無電解ニッケルメッキをその表面に施した基体が好ましく採用できる。本発明の弾性部材を定着装置に使用する上で、通紙のためにモーター等により周方向に回転させる場合には、芯金の長手方向の端部に軸受け部を設けるのが一般的である。本発明において、基体は軸受け部と一体化されている。なお、基体表面のニッケル成分の一部を酸化ニッケルNiOに改質して使用すれば、後述する多孔質シリコーンゴム層との接着性が向上するのでなお好ましい。
〔プライマー〕
金属製基体とその上に形成される多孔質シリコーンゴム層との接着性を向上させるためにシランカップリング剤等から成るプライマーを使用することができる。シランカップリング剤は、分子中に2種類以上の反応基、すなわち、無機物と相性の良い加水分解基(例:アルコキシル基)と、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基、とをその構造中に保有する。加水分解基によってガラスや金属などと反応・結合し、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基によって有機成分と結びつくことができる。シリコーンゴムに対する接着性を考慮する場合、有機官能基としては、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、SiH基などが挙げられる。本発明に適用可能なシランカップリング剤からなる接着層としては様々な種類が適用できる。一例を挙げるならば、ニッケルあるいはニッケルメッキ上に配置したNiOと加水分解、縮合して接着するアルコキシル基と、液状未架橋シリコーンゴムのビニル基に対して付加反応により接着するSiH基を、分子中に同時に有するものである。
〔スポンジ形成性シリコーンゴム組成物〕
本発明において好適に用いられる付加硬化型のスポンジ形成性シリコーンゴム組成物は、下記の成分(i)〜(Vi)を含んでいる。
(i)1分子中に2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(ii)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、
(iii)水、
(iv)増粘剤、
(v)乳化剤、及び、
(vi)ヒドロシリル化反応促進のための触媒。
成分(i)としての、1分子中に2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンは、スポンジ形成性シリコーンゴム組成物中の主たるシリコーンゴム成分である。そして、1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有する。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。中でも、反応性等の観点から、ビニル基が好ましい。具体的には、下記構造式(1)で示される構造を有するものが挙げられる。
Figure 0006095449
式(1)において、各Rは、アルケニル基を表し、各Rは、低級アルキル基(例えばC〜Cのアルキル基)を表す。aは0以上の整数、bは1以上の整数であり、「a+b」は、例えば50〜2000である。
成分(ii)としての、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンは、上記成分(i)の架橋剤である。具体的には、例えば下記構造式(2)で示される構造を有する。
Figure 0006095449
式(2)において、RおよびRは低級アルキル基(例えばC〜Cのアルキル基)を表す。cは2以上の整数であり、「c+d」は、例えば8〜100である。
成分(iii)としての水は、乳化物を架橋した後に硬化兼脱水工程にて除去されることでシリコーンゴムを多孔質化するためのものである。水は清浄であればよいが、一般的には脱イオン水が使用される。
上記の水は、成分(i)および成分(ii)に比較して粘度が低い。そのため、成分(iv)として増粘剤を使用してスポンジ形成性シリコーンゴム組成物中への水の分散を容易にすることが好ましい。増粘剤としては、無機系、有機系の様々な種類のものが挙げられるが、本発明においては無機系増粘剤が好適に用いられる。中でも、スメクタイト族粘土鉱物を含む有機ポリマー複合親水性精製ベントナイトからなる無機系増粘剤(ベンゲルW−200U、(株)ホージュン製)を好適に用い得る。
成分(v)としての乳化剤は、様々な種類のものを使用することができ、アニオン系、カチオン系、両性イオン系及びノニオン系の界面活性剤の一種以上を使用することができる。中でも、ヒドロシリル化反応触媒に影響が少ないことからノニオン系界面活性剤を使用することが特に好ましい。乳化剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、1.5以上6未満であることが好ましい。また乳化剤の配合量は、水及び増粘剤の総量に対して、0.2〜3質量%とすることが好ましい。乳化剤は、上記成分(i)、成分(ii)および成分(iii)を混合した後に添加することもできる。また、上記成分(i)、成分(ii)および成分(iii)のいずれか一つの成分または複数の成分に乳化剤を添加した後に、成分(i)、成分(ii)および成分(iii)を混合しても良い。上記成分(i)および成分(ii)に対する成分(iii)の割合を制御することで、生成する多孔質シリコーンゴムの密度を決定することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明する。尚、実施例に先立って、評価方法及び液状シリコーンゴム組成物と水との混合物である乳化物の調製例を説明する。
<評価方法>
〔1.多孔質シリコーンゴム層の空孔測定〕
得られたシリコーンゴム成形体の一部をカミソリ刀で切断し、その中心部を走査型電子顕微鏡(商品名:XL−30、FEI社製)にて観察した。画像解析ソフト「WinROOF」(三谷商事株式会社)を使用し、観察画像の空孔径分布を算出した。なお顕微鏡の観察倍率は100倍、解析エリアは297×204画素領域である。
〔2.加圧ローラの表面硬度の測定〕
ローラ長手方向の位置を等間隔に5点定め、各点において周方向に1/4ずつ回転させた点(合計20点)の硬度を、定圧荷重器を備えたデュロメータ(Cタイプ;高分子計器(株))にて順々に測定した。なお、荷重は1000gfとした。得られた硬度の平均値(20点平均値)をこの加圧ローラの硬度とした。
<調製例1および2>
成分(i)及び成分(ii)として、付加硬化型の液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング(株))を準備した。成分(iii)及び成分(iv)として、増粘剤(商品名:ベンゲルW−200U)1質量部に対し、脱イオン水99質量部を投入し、十分に攪拌した。また乳化剤として変性シリコーンオイル(商品名:FZ−2207;東レ・ダウコーニング(株))を準備した。
これらの原料を表1に示す配合量(質量部)として、遊星式ミキサーに投入し、十分に攪拌して液状シリコーンゴム組成物と水との混合物である乳化物1(調製例1)及び乳化物2(調製例2)を得た。
Figure 0006095449
<実施例1>
(1−1)金属製基体の準備
快削鋼(SUM)を下記の形状に加工し、その外面上に無電解ニッケルメッキ(厚さ3〜6μm)を施した芯金を金属製基体として準備した。
第1の軸受け部:外径8mm×長さ22mm、
軸受け部以外の部分:外径23mm×長さ325mm、
第2の軸受け部:外径8mm×長さ53mm。
(1−2)プライマーの塗布
この金属製基体の表面に、公知の方法でプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング(株))を塗布した。
(1−3)乳化物の調製及び注入
図4の装置を使用し、金属製の外型の内部に、該外型とは電気的に絶縁された状態で、かつ、該外型の内壁と該金属製基体との間にキャビティ40が形成されるように、前記金属製基体を固定した。次いで、キャビティ内に調製例1で調製した乳化物1を注入した。なお、キャビティ内に注入された乳化物が、注入口45とは反対のキャビティ端部に設けた開口44からフローアウトしたことを確認した後に、注入口45を密閉した。ついで注入口45を配管43から取り外し、注入口45にも密栓を施してキャビティ内部を密封状態とした。
(1−4)1次架橋
続いてこのキャビティを図5の装置にセットし、金属製基体の軸受け部46と、金型30をそれぞれ高周波電源に接続して電圧を印加した。高周波電源の周波数は、13.56MHz、出力は300Wとした。金型の表面に設置した温度センサをモニターし、15分後に100℃を超えたので通電を停止した。これにより、金属製基体上に、水を含むシリコーンゴム成形体を形成した。
(1−5)架橋兼脱水
次いで、この含水状態のシリコーンゴム成形体をキャビティから取り出し、温度200℃のオーブンにて4時間加熱し、硬化すると共に脱水して、金属製基体上に多孔質シリコーンゴム層を有する弾性部材を得た。得られた弾性部材の一部を切り取って空孔径を調べたところ、その平均径は円換算12.4μmであり、標準偏差は29.9であった。
<比較例1>
乳化物が注入されたキャビティを高周波電源で加熱する代わりに、温度90℃のオーブン中で1時間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例2>
キャビティとして、熱プレスに対応した金型を使用し、キャビティを110℃の熱プレスで15分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
<実施例2>
調製例2で調製した乳化物2を使用したこと、及び、周波電源の出力を250Wとしたこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例3>
調製例2で調製した乳化物2を使用したこと、及び、キャビティを高周波電源で加熱する代わりに温度90℃のオーブン中で1時間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
<比較例4>
調製例2で調製した乳化物2を使用したこと、及び、キャビティとして、熱プレスに対応した金型を使用し、キャビティを110℃の熱プレスで15分間加熱したこと以外は実施例1と同様にして弾性部材を得た。評価結果を表2に示す。
<実施例3>
実施例1と同様の方法で作成した弾性部材に、公知の方法でチューブ形状のフッ素樹脂フィルム(厚さ50μm;グンゼ(株)製)を被覆し、定着装置の加圧ローラを作製した。この加圧ローラを電子写真方式の画像形成装置(LBP5910;キヤノン(株)製)の定着装置にセットして耐久試験を実施した。一定時間経過ごとに加圧ローラの表面硬度を測定したところ、520時間を経過しても硬度がほぼ維持されていた。評価結果を表3に示す。
<比較例5>
比較例1と同様の方法で作成した弾性部材を用いて、実施例3と同様の方法で加圧ローラを作製し、耐久試験を実施した。一定時間経過ごとに加圧ローラの表面硬度を測定したところ、330時間経過すると硬度が減少する傾向が見られた。評価結果を表3に示す。
Figure 0006095449
Figure 0006095449
1 弾性部材
2 シリコーンゴム
3 空孔
10 加圧ローラ
21 金属製基体
22 プライマー層
23 多孔質シリコーンゴム層
24 離型層
30 金型
31、32 金型30の開口
33、34 コマ型
40 注型成型装置
41 金属製基体
42 乳化物
43 配管
44 キャビティの開口
45 キャビティの注入口
46、47 軸受け部
48 キャビティ
50 計量器
51 押し子
52 バルブ
53 高周波電源

Claims (9)

  1. 金属製基体と、該金属製基体上に形成された多孔質シリコーンゴム層とを有する弾性部材の製造方法であって、
    (1)金属製の外型の内部に、該外型とは電気的に絶縁された状態で、かつ、該外型の内壁と該金属製基体との間にキャビティが形成されるように、該金属製基体を固定する工程と、
    (2)付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物と水との混合物を該キャビティに注入する工程と、
    (3)該金属製基体と該外型とを一対の電極として高周波電圧を印加し、該混合物を加圧下で加熱して、該金属製基体上に、水を含む架橋したシリコーンゴム層を形成する工程と、
    (4)該架橋したシリコーンゴム層から水を蒸発させて多孔質シリコーンゴム層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする弾性部材の製造方法。
  2. 前記工程(3)において、前記金属製基体と前記外型との間に印加する高周波電圧の周波数が、3〜300MHzの範囲内である請求項1に記載の弾性部材の製造方法。
  3. 前記周波数が、13〜41MHzの範囲内である請求項2に記載の弾性部材の製造方法。
  4. 前記工程(3)において、前記金属製基体と前記外型との間に印加する高周波電圧の出力が30〜700Wの範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
  5. 前記出力が80〜400Wの範囲内である請求項4に記載の弾性部材の製造方法。
  6. 前記付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物が、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン、及び1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロキサンを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
  7. 前記混合物が、さらに、増粘剤および乳化剤を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
  8. 前記工程(4)において、前記水を含む架橋したシリコーンゴム層の加熱温度を120〜250℃とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性部材の製造方法。
  9. 前記加熱温度を180〜220℃とする請求項8に記載の弾性部材の製造方法。
JP2013077685A 2013-04-03 2013-04-03 弾性部材の製造方法 Active JP6095449B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013077685A JP6095449B2 (ja) 2013-04-03 2013-04-03 弾性部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013077685A JP6095449B2 (ja) 2013-04-03 2013-04-03 弾性部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014202850A JP2014202850A (ja) 2014-10-27
JP6095449B2 true JP6095449B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=52353338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013077685A Active JP6095449B2 (ja) 2013-04-03 2013-04-03 弾性部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6095449B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0413738A (ja) * 1990-05-02 1992-01-17 Siegel:Kk シリコーン製緩衝防振材とその製造方法
JP3982888B2 (ja) * 1996-12-16 2007-09-26 日世株式会社 生分解性成形物の製造方法および製造装置
JP2007018965A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Nitta Ind Corp 高周波誘電加熱用の電極材
US8652369B2 (en) * 2008-05-23 2014-02-18 Dow Corning Toray Company, Ltd. Process for producing molded silicone rubber sponge
JP5544790B2 (ja) * 2009-08-25 2014-07-09 新日鐵住金株式会社 耐火物の施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014202850A (ja) 2014-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6302253B2 (ja) 加圧用回転体及びその製造方法、並びに加熱装置
Korhonen et al. Fabrication of graphene‐based 3D structures by stereolithography
JP6570350B2 (ja) 弾性ローラ及び定着装置
JP6565850B2 (ja) 高連泡シリコーンゴムスポンジの製造方法及び高連泡シリコーンゴムスポンジ用液状シリコーンゴム組成物並びにシリコーンゴムスポンジ
JP6289274B2 (ja) 電子写真用部材及び加熱定着装置
CN106662834B (zh) 加压构件和定影装置
EP3259308B1 (en) Sponge-formable silicone rubber composition and silicone rubber sponge
JP6598659B2 (ja) 多孔質弾性部材の製造方法
JP6095449B2 (ja) 弾性部材の製造方法
JP7187160B2 (ja) 電子写真用加圧回転体およびその製造方法、定着装置
JP2014112172A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP2017132832A (ja) 付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の製造方法、事務機用ロール及び事務機用ベルト
JP2018188619A (ja) 液状シリコーンゴム混合物、及び電子写真用部材及び定着装置
JP2016024461A (ja) 加圧部材、及び定着装置
JP5928706B2 (ja) 定着加圧ロールの製造方法
JP6113622B2 (ja) シリコーンゴムスポンジの製造方法及びシリコーン発泡ローラの製造方法
JP5019366B2 (ja) 定着ローラの製造方法
JP5930874B2 (ja) 弾性部材の製造方法
JP6085794B2 (ja) 定着加圧ロール
JP2019012171A (ja) 定着部材、および加熱定着装置
JP2022061516A (ja) 液状シリコーンゴムスポンジ組成物、高連泡シリコーンゴムスポンジ及びロール、並びに高連泡シリコーンゴムスポンジの製造方法
JP2014215363A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP2007268760A (ja) 弾性ローラ成形用金型、弾性ローラ及び電子写真方式の画像形成装置
JPH02175117A (ja) 弾性ローラの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6095449

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151