JP2014112172A - 定着加圧ロール及び定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール硬度を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきを抑制できる低熱容量の定着加圧ロール及び定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロール1は、芯体11と、芯体11の周囲に設けられた弾性層12と、弾性層12の周囲に設けられた離型層13とを具備し、弾性層12は、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と、多孔質フィラーとを分散状態で保持する硬化シリコーンゴムで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーンゴムからなる弾性層を具備する定着加圧ロール及び定着装置に関し、定着部の定着ロール及び加圧ロール等に用いて好適なものである。
複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置では、未定着トナーを定着する定着部において、定着ロール及び加圧ロール等が用いられている。このような定着加圧ロールには、金属製芯体、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素樹脂等からなる離型層で構成されるものがある。
良好な定着を行うためには、定着幅を広く確保し、トナーに効率よく熱を供給することが有効である。このため、定着加圧ロールの弾性層には、低硬度であり且つ対向する定着ベルト等に内蔵される熱源から熱を奪い難い、低熱容量の発泡シリコーンゴムが多く用いられている。しかしながら、発泡シリコーンゴムは、発泡剤のガスにより形成されたセルの形状や大きさが不均一であり耐久性が劣るという問題がある。
そこで、シリコーンゴムにマイクロ樹脂バルーンを配合し、マイクロ樹脂バルーンでセルを形成する手法が提案され(特許文献1参照)、さらにマイクロ樹脂バルーンと共にエチレングリコール等を配合し、マイクロ樹脂バルーンの破壊やエチレングリコール等の気化で、セル同士の間に孔道を形成し、連泡化する手法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、マイクロ樹脂バルーンでセルを形成する手法では、連泡度が低く、十分な低硬度化を実現できないという問題がある。また、マイクロ樹脂バルーンとエチレングリコールでセル同士間に孔道を形成する手法では、孔道の分散具合がばらつき、軸方向の硬度差を生じ易いという問題がある。
特開2007−065424号公報 特許第3969942号公報
本発明は、このような事情に鑑み、ロール硬度を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきを抑制できる低熱容量の定着加圧ロール及び定着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層と、該弾性層の周囲に設けられた離型層とを具備し、前記弾性層は、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と、多孔質フィラーとを分散状態で保持する硬化シリコーンゴムで構成されることを特徴とする定着加圧ロールにある。
かかる発明によれば、弾性層中で多孔質フィラーは層全体に亘り均一に安定して分散するため、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と共に弾性層の多孔性を向上させ、且つ硬度を低くすることができる。これにより、ロール硬度(ロール形状のまま測定した硬度)を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきを抑制できる低熱容量の定着加圧ロールを実現することができる。
ここで、前記空隙同士は、前記多孔質フィラーにより相互に擬似的に連通されていることが好ましい。
これによれば、多孔質フィラーは、かかる空隙同士を擬似的に連通するため、弾性層の多孔性を向上させ、且つロール硬度を低くすることができる。
ここで、前記多孔質フィラーは、多孔質酸化ケイ素及び多孔質アルミナからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これによれば、弾性層中で多孔質フィラーは、層全体に亘りより均一に安定して分散する。これにより、ロール硬度を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきをさらに抑制することができる。
ここで、前記空隙の内径は、10μm〜200μmの範囲で分布され、前記多孔質フィラーの平均粒径は、1μm〜20μmであることが好ましい。
これによれば、弾性層中で多孔質フィラーは、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と共に弾性層の多孔性をさらに向上させ、且つ硬度を低くすることができる。これにより、ロール硬度を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきをさらに抑制することができる。
本発明の他の態様は、前記定着加圧ロールを具備することを特徴とする定着装置にある。
かかる発明によれば、ロール硬度を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきを抑制した定着加圧ロールを具備するため、定着幅を広く確保でき、良好な定着性を有する定着装置を実現することができる。
本発明によれば、ロール硬度を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきを抑制できる低熱容量の定着加圧ロール及び定着装置を実現することができる。このような定着加圧ロールを定着部に用いることにより、定着幅を広く確保でき、トナーの定着性を向上させることができる。
実施形態1に係る定着加圧ロールの横断面図及び縦断面図である。 マイクロ樹脂バルーンで形成された各空隙同士が多孔質フィラーにより擬似的に連通されている状態を表す模式図である。 実施形態1に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図である。 実施形態2に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図である。 実施形態3に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図である。 実施形態4に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図である。 実施例1に係る加圧ロールの反力測定結果のグラフである。 実施例1及び比較例1のSEM観察写真である。 実施例7及び比較例3のSEM観察写真である。
以下に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明に係る定着加圧ロールは、画像形成装置の定着部に用いて好適なものであり、かかる定着部において、未定着トナー像を熱と圧力で記録媒体に定着するために用いられるものである。本実施形態では、定着加圧ロールの一例として、加圧ロールを例示する。
図1は、本実施形態に係る加圧ロールの横断面図及び縦断面図である。加圧ロール1は、芯体11と、芯体11の周囲に設けられた弾性層12と、弾性層12の周囲に設けられた離型層13とを具備するものである。
芯体11は金属又は樹脂材料からなる。金属又は樹脂材料は、加圧ロール1の芯体として用いることができるものであれば、特に制限はない。また、芯体11の形状についても制限はなく、中空であっても、中空でなくてもよい。
弾性層12は、硬化シリコーンゴム中に、マイクロ樹脂バルーンにより形成された空隙と、多孔質フィラーとが分散されたものである。具体的には、シリコーンゴムに、マイクロ樹脂バルーンと多孔質フィラーとを配合して調製したシリコーンゴム組成物を硬化させることにより形成されたものである。これにより、詳細は後述するが、マイクロ樹脂バルーンが割れる、ひび割れる又は収縮する等の破壊が生じ、マイクロ樹脂バルーンが存在する部分は空隙となる。即ち、本発明においてマイクロ樹脂バルーンにより形成される空隙とは、シリコーンゴム組成物の硬化前にはマイクロ樹脂バルーンが存在し、硬化後にはマイクロ樹脂バルーンが破壊された空間をいい、その破壊された空間にマイクロ樹脂バルーンが存在するか存在しないかは問わない。
また、かかる空隙は、マイクロ樹脂バルーンの破壊のされ方により、空隙の大きさが変化する可能性がある。よって、空隙の大きさは、当初のマイクロ樹脂バルーンの平均粒径とほぼ同一、これより大きい又は小さいものである。なお、マイクロ樹脂バルーンは硬化時に破壊する必要があるが、硬化時の加熱条件を適宜変更することにより、破壊のタイミングや破壊の状態を制御することができる。よって、加熱硬化を一工程で行ってもよいし、一次加熱、二次加熱の二工程に分けてもよい。
また、多孔質フィラーは加熱硬化によりそのまま分散状態で存在し、空隙の間のマトリックス中に多孔質フィラーが分散された状態となる。本発明では、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙の間に多孔質フィラーが分散状態で存在するので、各空隙同士は多孔質フィラーで相互に擬似的に連通された状態になると推測される。
図2に、マイクロ樹脂バルーンで形成された各空隙同士が多孔質フィラーにより擬似的に連通されている状態の模式図を示す。マイクロ樹脂バルーン2は、破壊により割れた状態、ひび割れた状態又は収縮した状態で弾性層12中に空隙3を形成する。図2には、マイクロ樹脂バルーン2が収縮して形成された空隙3を例示する。多孔質フィラー4は、これらの破壊されたマイクロ樹脂バルーン2の間のマトリックス中に均一に分散されて存在するため、かかる空隙同士を擬似的に連通させることができ、マイクロ樹脂バルーン2と共に多孔性を発現する。
シリコーンゴムは、加熱により硬化して弾性体シリコーンゴムを生成するものであれば特に制限されず、液状シリコーンゴムやミラブル型シリコーンゴムを用いることができる。このようなシリコーンゴムは市販されているものを用いることができ、勿論、2種類以上を併用してもよい。
マイクロ樹脂バルーン2は、液化ガス又はガスを熱可塑性高分子殻で包み込んだものである。本発明で用いるマイクロ樹脂バルーン2は、加熱により破壊され、弾性層12中で空隙3を形成するものである。具体的には、液状又はミラブル型シリコーンゴムを含むシリコーンゴム組成物を硬化させる際、マイクロ樹脂バルーンの熱可塑性高分子殻は割れた状態、軟化してひび割れた状態又は収縮した状態に破壊される。マイクロ樹脂バルーンが割れることで破壊された場合は、熱可塑性高分子殻に包含されていた液化ガス又はガスは揮発除去され、割れたマイクロ樹脂バルーンの部分には、上述した空隙が形成される。なお、ひび割れた状態又は収縮した状態のマイクロ樹脂バルーンはそのままの状態で上述した空隙を形成する。
マイクロ樹脂バルーンは、既膨張のものでも未膨張のものでも用いることができるが、液状シリコーンゴムの場合は既膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いるのが好ましく、ミラブル型シリコーンゴムの場合は未膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いるのが好ましい。
マイクロ樹脂バルーンの平均粒径は、未膨張のものは約6μm〜45μm、既膨張のものは、約20μm〜130μmの範囲にある。なお、本発明におけるマイクロ樹脂バルーンの平均粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布計により測定されたメジアン径(D50)の値のことである。
マイクロ樹脂バルーンの破壊により形成される空隙の内径は、既膨張のマイクロ樹脂バルーンの場合、破壊前の平均粒径と同程度又はこれより大きい方が好ましい。具体的には、10μm〜200μmの範囲で分布されることが好ましく、50μm〜100μmの範囲で分布されることがより好ましい。
未膨張のマイクロ樹脂バルーンの場合、通常は破壊前の平均粒径より数倍〜数十倍大きくなる。例えば、平均粒径10μm〜16μmの未膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いた場合、破壊後は、20μm〜200μmの範囲で分布されることが好ましく、50μm〜100μmの範囲で分布されることがより好ましい。なお、内径の分布とは、電子顕微鏡写真に基づき、マイクロ樹脂バルーン毎の空隙の内径を測定し、算出した範囲をいう。このようなマイクロ樹脂バルーンは、市販されているものを用いることができ、未膨張又は既膨張のいずれを用いてもよく、勿論、2種類以上を併用してもよい。なお、マイクロ樹脂バルーンの配合量は、後述する多孔質フィラーの種類、粒径等に応じて適宜選択すればよい。
多孔質フィラーとは、細孔容積、比表面積が大きいものをいい、例えば、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、多孔質ゼオライト、多孔質酸化ジルコニウム、多孔質酸化チタン、多孔質酸化マグネシウム、多孔質酸化亜鉛、多孔質窒化珪素、多孔質炭酸カルシウム、多孔質酸化カルシウム、多孔質窒化アルミニウム等を挙げることができる。これらの中でも、多孔質シリカ及び多孔質アルミナからなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
多孔質フィラーの平均粒径は、1μm〜20μmが好ましく、より好ましいのは、1μm〜5μmである。なお、本発明における多孔質フィラーの平均粒径とは、コールカウンター法により測定された値のことである。このような多孔質フィラーは市販されているものを用いることができ、勿論、2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いる多孔質フィラーは、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙同士を擬似的に連通させるものである。多孔質フィラーは、弾性層中でそのままの状態で均一に安定して分散され、マイクロ樹脂バルーンの破壊により形成された空隙の間のマトリックス中に均一に存在する。
このような擬似的に連通した状態は、従来の気化成分の気化等により形成される連泡状態とは異なり、その分散具合はばらつくことなく、弾性層全体に亘り均一に形成されるものである。よって、弾性層の硬度はロール全体に亘り低くなり且つ軸方向の硬度のばらつきは抑制される。
なお、弾性層12の厚さは、例えば、0.5mm〜20mmであり、好ましくは、2mm〜6mmである。これは、トナーの定着性を向上させ、画像の高画質化を図るためである。
離型層13は、高い離型性の合成樹脂材料からなるのが好ましく、フッ素樹脂等を挙げることができる。フッ素樹脂としては、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等を挙げることができ、特にパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)が好ましい。離型層の厚さは、定着加圧ロールに高い離型性を付与できる厚さであれば、特に制限はないが、例えば、1μm〜100μmであり、好ましくは、10μm〜50μmである。なお、離型層は設けなくてもよい。
本発明に係る定着加圧ロールによれば、ロール全体に亘り低硬度且つ軸方向の硬度のばらつきが少ない弾性層を具備するため、定着部での定着幅を広く確保でき、トナーの定着性を向上させることができる。
ここで、本発明の定着加圧ロールを製造する方法について以下に説明する。
本発明の定着加圧ロールを液状シリコーンゴム組成物から製造する場合、芯体11と弾性層12とその周囲に設けられる離型層13を一体成形することにより製造することができる。これは、弾性層12と離型層13の形成を別工程で行っていた従来の製造方法と比べると、極めて簡便な方法で製造することができる。
従来の製造方法、具体的には、液状シリコーンゴムにマイクロ樹脂バルーンとエチレングリコール等を配合して定着加圧ロールを製造する方法では、弾性層を形成する過程で、エチレングリコール等を気化させる工程が必要である。このため、弾性層を形成した後に離型層を形成しなければならない。本発明では、弾性層と離型層を一体成形することができるため、工程数を削減でき、さらに、製造コスト及び製造時間についても削減することができる。
まず、液状シリコーンゴムにマイクロ樹脂バルーンと多孔質フィラーとを配合し、液状シリコーンゴム組成物を調製する。次に、例えば、離型層13としてPFAチューブ等を装着した金型に、芯体11を配置し、芯体11の周囲に、液状シリコーンゴム組成物を注入し、注入された液状シリコーンゴム組成物を加熱硬化させる。
一方、定着加圧ロールをミラブルシリコーンゴム組成物から製造する場合は、ミラブル型シリコーンゴムにマイクロ樹脂バルーンと多孔質フィラーとを加え、ミラブルシリコーンゴム組成物を調製する。次に、例えば、ミラブルシリコーンゴム組成物を押出し成形し、芯体11を挿入して加熱硬化させ、PFAチューブ等からなる離型層13を周囲に形成する。
この加熱硬化により、液状又はミラブルシリコーンゴム組成物中のマイクロ樹脂バルーンは割れた状態、ひび割れた状態又は収縮した状態に破壊され、弾性層12中で空隙3を形成する。
マイクロ樹脂バルーンを割れた状態、ひび割れた状態又は収縮した状態に破壊するために、加熱温度はマイクロ樹脂バルーン殻、即ち、熱可塑性高分子の軟化温度以上とすることが好ましい。
なお、定着加圧ロールを液状シリコーンゴム組成物から製造する場合は、熱可塑性高分子の軟化温度より低い温度で液状シリコーンゴム組成物を加熱硬化させ、次いで、熱可塑性高分子の軟化温度以上で加熱することにより、マイクロ樹脂バルーンを破壊させてもよい。
このようにして製造された定着加圧ロールは、ロール硬度がロール全体に亘り低く且つ軸方向の硬度のばらつきが少なく、低熱容量のものとなる。
これは、多孔質フィラーが弾性層中でそのままの状態で均一に安定して分散され、マイクロ樹脂バルーンの破壊により形成された空隙同士が多孔質フィラーで擬似的に連通状態を形成していることに起因するものである。
また、離型層は、PFAチューブを用いる他、例えばコーティング液の塗布により形成してもよい。なお、弾性層と離型層を一体成形せずに、別工程で製造しても、ロール硬度が低く且つ軸方向の硬度のばらつきが少ない低熱容量の定着加圧ロールを製造できることは言うまでもない。
次に、定着装置について説明する。
本発明に係る定着装置10は、画像形成装置に搭載されるものであり、未定着トナー像を熱と圧力で記録媒体に定着させるものである。
図3は、本実施形態に係る定着装置を示す模式的断面図である。図3に示すように、定着装置10は、実施形態1に係る加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト14と、加圧ロール1に対向する位置で定着ベルト14を内側から加圧ロール1に対して押圧して所定のニップ部を形成する押圧部材15と、定着ベルト14を所定温度まで加熱する加熱手段16とを具備するものである。
定着ベルト14は、対向する加圧ロール1との圧接により所定のニップ部を形成できるものであればよく、例えばシームレス電鋳ベルトを少なくとも一層有する金属基体と、金属基体の内周面に形成された摺動層と、金属基体の外周面に形成された弾性層と、弾性層の外周面に形成された離型層とからなる。
押圧部材15は、ゴム等の弾性体及び樹脂、金属等から構成される。表面には、必要に応じてフッ素樹脂等からなる層が形成されたり、摺動シートや溝等が設けられることもある。また、摺動シートの表面に凹凸加工が施されていてもよい。
加熱手段16は、定着ベルト14を加熱できるものであればよく、定着ベルト14の外側に設けられていてもよい。加熱手段16としては、ハロゲンヒーター、電熱線ヒーター、赤外線ヒーター、励磁コイル(熱源)による電磁誘導発熱等を挙げることができる。なお、加熱手段16は、押圧部材15に内蔵されていてもよい。
本発明の定着装置10は、ロール硬度が低く且つ軸方向の硬度のばらつきが少ない低熱容量の加圧ロール1を具備するものである。これにより、定着部において、定着幅を広く確保し、トナーの定着性を向上できる定着装置を実現することができる。
(実施形態2)
実施形態2では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。なお、実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図4は、実施形態2に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の模式的断面図である。図4に示すように、定着装置10Aは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト14と、押圧部材の代わりに、定着ベルト14を内側から加圧ロール1に対して押圧する定着ロール1Aとを具備するものである。定着ロール1Aには、図示されないが、加熱手段は外側に配置されている。本発明の定着加圧ロールは、図4に示す定着ロール1Aとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
(実施形態3)
実施形態3では、定着加圧ロールの一例として、インナーロール及び加圧ロールを例示する。なお、実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図5は、実施形態3に係るインナーロール及び加圧ロールを具備する定着装置の模式的断面図である。
図5に示すように、定着装置10Bは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト14と、定着ベルト14を内側から加圧ロール1に対して押圧するインナーロール1Bと、加熱手段を内蔵する加熱ロール17とを具備するものである。定着ベルト14の内側には、インナーロール1Bと加熱手段を内蔵する加熱ロール17とが配置され、インナーロール1Bと加熱ロール17とで定着ベルト14を回転駆動するものである。本発明の定着加圧ロールは、図5に示すインナーロール1Bとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
(実施形態4)
実施形態4では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図6は、実施形態4に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の模式的断面図である。
図6に示すように、定着装置10Cは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ロール1Cとを具備するものである。定着ロール1Cには、図示されないが、加熱手段が内蔵されている。本発明の定着加圧ロールは、図6に示す定着ロール1Cとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
以下の手順で、加圧ロール1を製造した。液状シリコーンゴム(東レダウコーニング製;DY35−796)100質量部に、マイクロ樹脂バルーン(松本油脂製薬製;F−65DE:既膨張、平均粒径40μm〜60μm)2.5質量部及びSiO多孔質フィラー(AGSエスアイテック社製;サンスフェアH−32、平均粒径3μm、細孔容積2mL/g、細孔径10nm、比表面積700m/g)5質量部を加え、ホバートミキサーにて10分間攪拌して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
東レダウコーニング製プライマーを塗布乾燥した直径18mmの鉄製芯体を下フランジに立て、内面を液体アンモニアによりエッチング処理し、東レダウコーニング製プライマーを塗布乾燥した、厚さ30μmのPFAチューブを筒状の金型に装着したものを被せた。
上フランジを載せ固定した後、下フランジ側から注型機にて調製した液状シリコーンゴム組成物を充填し、130℃の恒温槽に30分間入れ、液状シリコーンゴムを硬化させた。
その後、冷却して脱型した。脱型した加圧ロールを、230℃の恒温槽で10時間加熱し、芯体11と、硬化したシリコーンゴム組成物からなる弾性層12とPFAチューブからなる離型層13とを備えた外径φ30mmの加圧ロール1を得た。
また、加圧ロール1の作製と共に、実施例1と同様の工程で、弾性層からなるテストピースを作製した。テストピースは調製した液状シリコーンゴム組成物を、6mm厚のテストピース型に流し込み130℃の熱盤で5分間プレス成形し、その後、230℃の恒温槽に10時間入れることにより作製した。
(実施例2)
実施例2では、多孔質フィラーの配合量を2.8質量部とした以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(実施例3)
実施例3では、多孔質フィラーとして多孔質アルミナを用いた以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。なお、多孔質アルミナは、岩谷化学工業製(RK−30、平均粒径0.7μm、比表面積130m/g)のものを用いた。
(実施例4)
実施例4では、多孔質フィラーの配合量を2.8質量部とした以外は実施例3と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(実施例5)
実施例5では、マイクロ樹脂バルーンの平均粒径を実施例1よりも大きい90μm〜130μmとし、マイクロ樹脂バルーンの配合量を3質量部とした以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。なお、マイクロ樹脂バルーンは、松本油脂製薬製(F−80DE:既膨張、平均粒径90μm〜130μm)のものを用いた。
(実施例6)
実施例6では、多孔質フィラーの配合量を2.8質量部とした以外は実施例5と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
実施例7〜10について、以下の手順で加圧ロール1を製造した。
(実施例7)
ミラブル型シリコーンゴム(信越化学工業製;X−30−3760U)100質量部、触媒(信越化学工業製;C−25A)0.5質量部及び加硫剤(信越化学工業製;C−25B)2.5質量部に、マイクロ樹脂バルーン(松本油脂製薬製;F−36:未膨張の平均粒径10μm〜16μm、膨張後の平均粒径70μm〜100μm)2質量部及びSiO多孔質フィラー(AGSエスアイテック製;サンスフェアH−32、平均粒径1μm、細孔容積2mL/g、細孔径10nm、比表面積700m/g)1質量部を加え、二本ロールで均一になるまで混合し、ミラブルシリコーンゴム組成物を調製した。その後、クロスヘッド方式の押出し機を用い、東レダウコーニング製プライマーを塗布乾燥した直径18mmの鉄製芯体と共にミラブルシリコーンゴム組成物をチューブ状に押出し成形し、230℃の恒温槽で8時間加熱した。このロールを円筒研磨機で外径φ29.9mmに研磨した後、表面に接着剤を塗布しPFAチューブを被せて外径30mmの加圧ロール1を得た。
また、加圧ロール1の作製と共に、実施例7と同様の工程で弾性層からなるテストピースを作製した。テストピースは、調製したミラブルシリコーンゴム組成物を10mm厚のシート状に成形し、230℃の恒温槽で8時間加熱することにより作製した。
(実施例8)
実施例8では、多孔質フィラーの配合量を3質量部とした以外は実施例7と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例7と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(実施例9)
実施例9では、マイクロ樹脂バルーンの配合量を3質量部とした以外は実施例7と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例7と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(実施例10)
実施例10では、マイクロ樹脂バルーンの配合量を3質量部とし、多孔質フィラーの配合量を3質量部とした以外は実施例7と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例7と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(比較例1)
比較例1では、多孔質フィラーを用いない以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(比較例2)
比較例2では、マイクロ樹脂バルーンの平均粒径を実施例1よりも大きい90μm〜130μmとし、多孔質フィラーを用いない以外は実施例5、6と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例1と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。なお、マイクロ樹脂バルーンは実施例5と同様のものを用いた。
(比較例3)
比較例3では、多孔質フィラーを用いない以外は実施例7と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例7と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(比較例4)
比較例4では、多孔質フィラーを用いず、マイクロ樹脂バルーンの配合量を3質量部とした以外は実施例7と同様の工程で加圧ロール1を作製した。また、実施例7と同様に弾性層からなるテストピースを作製した。
(試験例1)
実施例1で作製した加圧ロール1を加圧ロール用評価機に取り付け、圧縮率40%、150℃に加熱した状態で線速300mm/secで回転させながら反力変化を測定することで耐久性の評価を行った。
図7は、加圧ロールの反力変化の測定結果である。図7に示すように、実施例1の手順で製造した加圧ロール1は、300時間経過後も反力変化が少なく、十分な耐久性を有していることが確認された。
(試験例2)
実施例1〜10、比較例1〜4に基づき作製したテストピース(以下、「弾性体」という)のアスカーC硬度及び比重をそれぞれ測定することにより、弾性体の硬度と比重を評価した。
比重は、液状シリコーンゴム又はミラブル型シリコーンゴム、マイクロ樹脂バルーン及び多孔質フィラーの重量と容積をそれぞれ算出し、単位容積あたりの重量として算出した。
なお、アスカーC硬度の測定はアスカーC硬度計(高分子計器製)を用いて測定した。比重の測定は電子比重計MD−200S(A&D製)を用いて測定した。
表1に、実施例1〜10、比較例1〜4の弾性体の硬化前における液状又はミラブルシリコーンゴム組成物の構成とアスカーC硬度及び比重の測定結果を示す。
液状シリコーンゴム組成物の硬化により作製された弾性体、即ち、マイクロ樹脂バルーン(平均粒径40μm〜60μm)と多孔質フィラーを含む弾性体からなる実施例1、2については、多孔質フィラーを配合していない弾性体からなる比較例1と比べて、硬度が低くなり、比重も小さくなった。これにより、弾性体にマイクロ樹脂バルーンだけでなく、多孔質フィラーを配合することにより、硬度と比重を低くできることがわかった。
また、実施例1、2は、比較例1よりも、指圧により容易に変形した。これにより、実施例1、2中の空隙同士は多孔質フィラーで擬似的に連通され、低硬度化されていることが推測された。
また、多孔質フィラーの配合量が多い実施例1(5質量部)は、多孔質フィラーの配合量がやや少ない実施例2(2.8質量部)と比べて、硬度も比重もさらに低くなった。これにより、多孔質フィラーの配合量は多い方が硬度と比重をさらに低くできることがわかった。
実施例3、4については、多孔質フィラーをアルミナとしても、弾性体の低硬度化を実現できることがわかった。また、実施例3、4の硬度から、多孔質フィラーの配合量をより多くすることにより硬度を低くできることがわかった。
マイクロ樹脂バルーン(平均粒径90μm〜130μm)と多孔質フィラーを含む弾性体からなる実施例5、6については、多孔質フィラーを配合していない弾性体からなる比較例2と比べて、硬度が低くなった。これにより、弾性体にマイクロ樹脂バルーンだけでなく、多孔質フィラーを配合することにより、硬度を低くできることがわかった。
また、実施例5、6の硬度から、多孔質フィラーの配合量をより多くすることにより硬度をさらに低くできることがわかった。
また、実施例1〜4と比較して、マイクロ樹脂バルーンの平均粒径を大きくしても、弾性体に多孔質フィラーを配合することにより弾性体の低硬度化を実現できることがわかった。
ミラブルシリコーンゴム組成物の硬化により作製された弾性体、即ち、マイクロ樹脂バルーン(膨張後の平均粒径70μm〜100μm)と多孔質フィラーを含む弾性体からなる実施例7、8については、多孔質フィラーを配合していない弾性体からなる比較例3と比べて、硬度が低くなり、比重も小さくなった。同様に、マイクロ樹脂バルーン(膨張後の平均粒径70μm〜100μm)と多孔質フィラーを含む弾性体からなる実施例9、10についても、比較例4と比べて、硬度が低くなり、比重も小さくなった。これにより、弾性体にマイクロ樹脂バルーンだけでなく、多孔質フィラーを配合することにより、硬度と比重を低くできることがわかった。
また、実施例7、8は比較例3よりも、実施例9、10は比較例4よりも指圧により容易に変形した。これにより、実施例7〜10中の空隙同士は多孔質フィラーで擬似的に連通され、低硬度化されていることが推測された。
また、多孔質フィラーの配合量が多い実施例8(3質量部)は、多孔質フィラーの配合量が少ない実施例7(1質量部)と比べて、硬度も比重もさらに低くなった。実施例9及び10の比較についても同様の結果が得られた。これにより、多孔質フィラーの配合量は多い方が硬度と比重をさらに低くできることがわかった。
以上のように、弾性体にマイクロ樹脂バルーンだけでなく、多孔質フィラーを配合することにより、硬化シリコーンゴム組成物、即ち、弾性体の低硬度化、低熱容量化を向上させることができることがわかった。
このような低硬度、低熱容量の弾性体からなる弾性層を具備する定着加圧ロールを定着装置に搭載することにより、定着部で広いニップ領域を確保でき、トナーの定着性を向上させることができる。
(試験例3)
上記の手順で作製した実施例1、7及び比較例1、3の弾性体を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。
図8(a)、(b)に、倍率500倍及び1000倍でそれぞれ観察した実施例1の弾性体のSEM写真を示す。図8(c)に、倍率500倍で観察した比較例1の弾性体のSEM写真を示す。また、図9(a)、(b)に、倍率500倍で観察した実施例7及び比較例3の弾性体のSEM写真をそれぞれ示す。
図8(a)に示すように、液状シリコーンゴム組成物の硬化により作製された実施例1の弾性体は、約20μm〜50μmのマイクロ樹脂バルーンが層全体に亘って存在し、マイクロ樹脂バルーンの間には、約3μm〜5μmの多孔質フィラーに起因する複数の小さな空隙が層全体に亘って形成されていた。
一方、図9(a)に示すように、ミラブルシリコーンゴム組成物の硬化により作製された弾性体(実施例7)は、図8(a)に示すマイクロ樹脂バルーンよりもさらに大きな内径のマイクロ樹脂バルーン(約50μm〜100μm)が層全体に亘って存在した。これは、未膨張のマイクロ樹脂バルーンが膨張したことに起因する。また、マイクロ樹脂バルーンの間には、図8(a)と同様に、約3μm〜5μmの多孔質フィラーに起因する複数の小さな空隙が確認された。
さらに、マイクロ樹脂バルーンが破壊することにより形成された空隙(図8、9中の黒い部分)の内径は、実施例1の弾性体の場合は、約20μm〜50μm、実施例7の場合は、約50μm〜100μmであった。
なお、図8(b)、図9(a)から、マイクロ樹脂バルーンは、完全に割れて破壊されているか、収縮されているか、確認は取れないが、一部はひび割れにより破壊された状態で残存していることが確認された。
これに対し、図8(c)、図9(b)に示すように、比較例1、3の弾性体は、マイクロ樹脂バルーンが層全体に亘って存在するが、マイクロ樹脂バルーンの間に多孔質フィラーによる小さな空隙は見られなかった。
この結果、実施例1、7の弾性体については、多孔質フィラーがマイクロ樹脂バルーンの間に均一に分散されていることが確認された。これにより、マイクロ樹脂バルーンの破壊により形成された空隙同士は多孔質フィラーで擬似的に連通されていることが確認された。
1 加圧ロール
2 マイクロ樹脂バルーン
3 空隙
4 多孔質フィラー
1A 定着ロール
1B インナーロール
1C 定着ロール
10 定着装置
11 芯体
12 弾性層
13 離型層
14 定着ベルト
15 押圧部材
16 加熱手段
17 加熱ロール
上記課題を解決する本発明の態様は、定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層と、該弾性層の周囲に設けられた離型層とを具備し、前記弾性層は、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と、多孔質酸化ケイ素、多孔質アルミナ、多孔質ゼオライト、多孔質酸化ジルコニウム、多孔質酸化チタン、多孔質酸化マグネシウム、多孔質酸化亜鉛、多孔質窒化珪素、多孔質炭酸カルシウム、多孔質酸化カルシウム及び多孔質窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種である多孔質フィラーとを分散状態で保持する硬化シリコーンゴムで構成されることを特徴とする定着加圧ロールにある。
上記課題を解決する本発明の態様は、定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層と、該弾性層の周囲に設けられた離型層とを具備し、前記弾性層は、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と、多孔質酸化ケイ素、多孔質アルミナ、多孔質ゼオライト、多孔質酸化ジルコニウム、多孔質酸化チタン、多孔質酸化マグネシウム、多孔質酸化亜鉛、多孔質窒化珪素、多孔質炭酸カルシウム、多孔質酸化カルシウム及び多孔質窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種である多孔質フィラーとを分散状態で保持する硬化シリコーンゴムで構成され、前記空隙同士は、前記多孔質フィラーにより相互に擬似的に連通されていることを特徴とする定着加圧ロールにある。
かかる発明によれば、弾性層中で多孔質フィラーは層全体に亘り均一に安定して分散され、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙同士を相互に擬似的に連通するため、弾性層の多孔性を向上させ、且つ硬度を低くすることができる。これにより、ロール硬度(ロール形状のまま測定した硬度)を低くしつつ軸方向の硬度のばらつきを抑制できる低熱容量の定着加圧ロールを実現することができる。

Claims (5)

  1. 定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、
    芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層と、該弾性層の周囲に設けられた離型層とを具備し、
    前記弾性層は、マイクロ樹脂バルーンで形成された空隙と、多孔質フィラーとを分散状態で保持する硬化シリコーンゴムで構成されることを特徴とする定着加圧ロール。
  2. 請求項1に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記空隙同士は、前記多孔質フィラーにより相互に擬似的に連通されていることを特徴とする定着加圧ロール。
  3. 請求項1又は2に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記多孔質フィラーは、多孔質酸化ケイ素及び多孔質アルミナからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする定着加圧ロール。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記空隙の内径は、10μm〜200μmの範囲で分布され、
    前記多孔質フィラーの平均粒径は、1μm〜20μmであることを特徴とする定着加圧ロール。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載する定着加圧ロールを具備することを特徴とする定着装置。
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