JP2017129680A - 弾性体製造方法及び弾性体製造装置 - Google Patents

弾性体製造方法及び弾性体製造装置 Download PDF

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Kenji Ota
健司 太田
慶能 黒澤
Yoshitaka Kurosawa
慶能 黒澤
弘明 丸林
Hiroaki Marubayashi
弘明 丸林
安瀬 徳彦
Norihiko Yasuse
徳彦 安瀬
大樹 丸山
Daiki Maruyama
大樹 丸山
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Yasutaka Niimura
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Abstract

【課題】ベルト等と対向させて回転させた際にベルト寄りを低減する弾性体を製造することができる弾性体製造方法を提供する。【解決手段】連通部加熱工程において、注入連通部308及び排出連通部309に位置する弾性体材料が、収容部305に位置する弾性体材料よりも先に硬化することにより、その後の加熱によって収容部305の内圧が上昇してもピンクリアランスから弾性体材料が漏れ出しにくくなる。従って、収容部305において弾性体材料が流動しにくくなり、発泡状態等が軸方向において均等な弾性体を形成することができる。このような弾性体をローラとして用いてベルト等と対向させて回転させた際、ベルト寄りを低減することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、弾性体製造方法及び弾性体製造装置に関する。
一般に、画像形成装置等に設けられる定着装置において、加圧ローラ(又は定着ローラ)に円筒形状のスポンジローラが用いられることがあり、このようなスポンジローラは、弾性体によって構成される。
定着装置においてスポンジローラを回転させると、対向する定着用フィルムやスリーブ、ベルト等(以下、単に「ベルト等」と称する。)が軸方向の一方側に寄るように移動し(即ちベルト寄りが生じ)てしまうことがあった。そこで、ベルト寄りの低減を目的としたスポンジローラの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載されたスポンジローラの製造方法では、発泡材を短時間で硬化させることにより、気泡が楕円球状に変形することを抑制し、スポンジローラの面圧の軸方向におけるばらつきを小さくしてベルト寄りを低減している。
しかしながら、特許文献1に記載された方法によって気泡が楕円球状に変形することを抑制したとしても、ベルト寄りが充分に低減されないことがあった。即ち、金型に充填された弾性体の材料が加熱によって流動することにより、弾性体の発泡状態等が軸方向において不均一となってしまい、この弾性体によってスポンジローラを構成した場合に、ベルト寄りが生じてしまう可能性があった。
本発明の目的は、ベルト等と対向させて回転させた際にベルト寄りを低減する弾性体を製造することができる弾性体製造方法を提供することである。
請求項1に係る発明は、上記課題を解決するために、弾性体材料が充填される収容部と、前記収容部を外部に連通可能な連通部と、を備えた金型を加熱することにより、弾性体を製造する弾性体製造方法であって、前記収容部に位置する前記弾性体材料よりも、前記連通部に位置する前記弾性体材料を先に硬化させる連通部加熱工程を含むことを特徴とする弾性体製造方法である。
本発明の弾性体製造方法によれば、収容部に位置する弾性体材料よりも連通部に位置する弾性体材料を先に硬化させることで、ベルト等と対向させて回転させた際にベルト寄りを低減する弾性体を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る弾性体製造装置を示す斜視図である。 前記弾性体製造装置を示す正面図及び側面図である。 前記弾性体製造装置の要部を示す断面図である。 前記弾性体製造装置によって製造される弾性体が用いられる定着装置を示す正面図である。 前記定着装置の加圧ローラを示す正面図及び側面図である。 前記弾性体製造装置によって加熱される金型を示す断面図である。 前記金型に弾性体材料を充填して加熱した様子を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る弾性体製造装置を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係る弾性体製造装置を示す側面図である。 本発明の第4実施形態に係る弾性体製造装置を示す斜視図である。 前記弾性体製造装置を示す正面図及び側面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。尚、第2〜4実施形態においては、第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材及び同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態と同じ符号を付すとともに説明を省略する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の弾性体製造装置1Aは、図1、2に示すように、金型300を加熱するためのものであって、連通部加熱手段2と、全体加熱手段と、を備える。本実施形態において、上下方向をZ方向とし、Z方向に略直交する2方向をそれぞれX方向及びY方向とする。
本実施形態の弾性体製造装置1Aは、発泡材と水材との混合物が充填された金型300を加熱することでローラ状の弾性体を製造する。この弾性体は、例えば図4に示すような定着装置100の加圧ローラ101に用いられる。尚、弾性体を定着装置100の定着ローラ102に用いてもよい。
定着装置100は、加圧ローラ101と、加圧ローラ101と対向する定着ローラ102と、テンションローラ103と、従動ローラ104と、定着ローラ102、テンションローラ103及び従動ローラ104に架け回される定着ベルト105と、を備える。加圧ローラ101と定着ローラ102との間を紙が通過することで、トナーが紙に定着するようになっている。
加圧ローラ101は、図5に示すように、回転軸となるローラ芯金101Aと、最外の離型層101Bと、ローラ芯金101Aと離型層101Bとの間の弾性層101Cと、軸方向両端に設けられたグリップ部101Dと、を有する。離型層101Bによって加圧ローラ101へのトナーの固着を抑制して離型性を高めるとともに、グリップ部101Dによって紙の滑りを抑制して送紙性を高めるようになっている。
弾性層101Cは、ローラ状の弾性体によって構成されている。これにより、トナーを加熱及び加圧する際に、断熱性を向上させるとともに良好なニップ部を形成することができるようになっている。
金型300は、図6、7にも示すように、外表面を構成する円筒状のスリーブ301と、スリーブ301内に配置される円柱又は円筒状の芯金部302と、軸方向の一方側(図6、7における下方側)の端部に設けられた注入バルブピン303と、排出バルブピン304と、を有する。
スリーブ301の内周面に対して芯金部302の外周面が離隔して設けられることにより、弾性体材料が充填されて弾性体を成形する収容部305がスリーブ301の内側に形成される。尚、スリーブ301と芯金部302とは一体的に構成されていてもよい。また、弾性体材料は、弾性体を構成する適宜なものであればよく、水発泡シリコーンゴムが例示される。
スリーブ301は軸方向の両端において開口した貫通形状を有し、収容部305と金型300の外部とを接続する接続通路306、307が形成されている。軸方向の一方側の接続通路306には注入バルブピン303が設けられ、外部に対して開閉されるようになっている。他方側の接続通路307も同様に、排出バルブピン304が設けられて外部に対して開閉されるようになっている。
一方側の接続通路306のうち注入バルブピン303よりも収容部305側の部分が連通部としての注入連通部308となり、他方側の接続通路307のうち排出バルブピン304よりも収容部305側の部分が連通部としての排出連通部309となる。注入連通部308及び排出連通部309は、バルブピン303、304を開放することにより、収容部305と外部とを連通可能に構成されている。
ここで、金型300に弾性体材料を注入(注型)する手順について説明する。金型300は、軸方向をZ方向に合わせるとともに注入側を下方側として用いられる。バルブピン303、304を開放した状態で一方側の接続通路306から収容部305に弾性体材料を注入(注型)する。このとき、収容部305において弾性体材料の液位が上昇していくとともに、収容部305内の空気が他方側の接続通路307を通って外部に排出される。
収容部305、注入連通部308及び排出連通部309に弾性体材料が充填されたら、バルブピン303、304を閉じることにより、収容部305、注入連通部308及び排出連通部309内に弾性体材料を保持する。このように弾性体材料が注入された金型300は、この向きを維持した状態で弾性体製造装置1Aによって加熱される。
バルブピン303、304を閉じた場合であっても、接続通路306、307には隙間(ピンクリアランス)が生じることがある。従って、加熱によって収容部305の内圧が上昇した場合、注入連通部308及び排出連通部309の弾性体材料が硬化していないと、ピンクリアランスから弾性体材料が漏れだす可能性がある。
連通部加熱手段2は、図1、2に示すように、高周波交流電源である電源21と、電源21に接続された通電回路22と、を有し、金属部材をIH加熱(誘電加熱)するように構成されている。
通電回路22は、金型300の軸方向両端部のそれぞれに近接して配置される端加熱部221、222と、金型300から離隔するとともに端加熱部221、222の間においてZ方向に沿って延びる一対の中央非加熱部223と、金型300に対して接離する方向(Y方向)に延びて端加熱部221、222と中央非加熱部223とを接続する各一対の接続部224、225と、を有する。
図示の例では通電回路22は互いに略平行に延びる2つの回路によって構成されており、これらの回路は並列に接続され、流れる電流の位相は略等しいものとする。
端加熱部221、222は、金型300の外表面に沿った円弧状部221A、222Aと、円弧状部221A、222Aの両端からZ方向中央部側に向かって延びる各一対の直線部221B、222Bと、を有する。通電回路22は屈曲可能に構成され、例えば円弧状部221A、222Aの内径を金型300の軸方向端部の外径に応じた大きさにしたり、端加熱部221、222同士の間隔を金型300の軸方向寸法に応じた長さとしたりするように、変形させられるようになっている。
電源21によって通電回路22に交流電流を流すと、交番磁束が発生する。図3は、図1のX−X線に沿う断面図のうち、手前側の直線部222Bを示し、且つ、ある瞬間の磁界を示すものである。この磁界によって磁束が発生することにより、端加熱部221、222によって金型300が加熱され、中央非加熱部223によってはほとんど加熱されない。即ち、端加熱部221、222により、金型300の軸方向端部に形成された注入連通部308及び排出連通部309が収容部305よりも優先的に加熱される。
全体加熱手段は、例えば熱風炉であって、金型300全体が略等温となるように加熱するものである。
以下、弾性体製造装置1Aによって弾性体を製造する方法(弾性体製造方法)について説明する。まず、上記のように金型300に弾性体材料を充填し、弾性体製造装置1Aにセットする。次に、金型300の形状や寸法等に合わせて連通部加熱手段2の通電回路22を適宜に屈曲変形させる。
このような状態において、連通部加熱手段2の電源21をオンにして通電を開始することで、金型300を加熱する(連通部加熱工程)。連通部加熱工程では、上記のように注入連通部308及び排出連通部309が収容部305よりも優先的に加熱されることにより、図7に示すように、注入連通部308及び排出連通部309に位置する弾性体材料が、収容部305に位置する弾性体材料よりも先に硬化する。尚、図7においては黒塗り部分が硬化した部分を示す。
注入連通部308及び排出連通部309に位置する弾性体材料が充分に硬化するように通電を継続した後、電源21をオフとし、全体加熱手段によって金型300全体を加熱して収容部305に位置する弾性体材料を硬化させる(全体加熱工程)。金型300内の全ての弾性体材料が充分に硬化するように加熱したら、加熱を終了して金型300から弾性体を取り出す。このような弾性体は、適宜に加工が施され、上記のような加圧ローラ101に用いられる。
尚、弾性体製造装置1Aは、上記の弾性体製造方法となるように加熱の手順が予めプログラムされていてもよいし、連通部加熱手段2及び全体加熱手段のそれぞれを独立に操作可能なスイッチ等が設けられるとともに、作業者が各スイッチを操作することで上記の弾性体製造方法のような手順で加熱を実行するようにしてもよい。即ち、弾性体製造装置1Aは、連通部に位置する弾性体材料を先に硬化させ得る連通部加熱手段を備えていればよい。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、注入連通部308及び排出連通部309に位置する弾性体材料が、収容部305に位置する弾性体材料よりも先に硬化することにより、その後の加熱によって収容部305の内圧が上昇してもピンクリアランスから弾性体材料が漏れ出しにくくなる。従って、収容部305において弾性体材料が流動しにくくなり、発泡状態等が軸方向において均等な弾性体を形成することができる。このような弾性体をローラとして用いてベルト等と対向させて回転させた際、ベルト寄りを低減することができる。
さらに、弾性体材料が漏れることを抑制するためにピンクリアランスの大きさが小さい高精度な金型を用いる必要がないことから、製造コストを低減することができる。
また、連通部加熱工程において誘導加熱を用いることにより、注入連通部308及び排出連通部309に位置する弾性体材料を局所的に加熱することができ、弾性体材料の漏れをさらに抑制することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の弾性体製造装置1Bは、図8に示すように、連通部加熱手段3と、全体加熱手段と、を備える。連通部加熱手段3は、熱風発生部31と、Z方向に間隔をあけて設けられた噴出ノズル32、33と、を有する。
噴出ノズル32、33は、可撓性を有する部材によって構成され、送風の向きを可変に構成されている。即ち、金型300の寸法や形状に合わせて送風の向きを変え、連通部を加熱することができるようになっている。噴出ノズル32、33を金型300のバルブピン303、304近傍に向け、熱風発生部31が発生した熱風を噴出ノズル32、33から噴出させることにより、連通部に熱風が吹き付けられ、優先的に加熱される。
弾性体製造装置1Bによって弾性体を製造する方法(弾性体製造方法)は、前記第1実施形態の弾性体製造方法において、連通部加熱手段2による連通部加熱工程に代え、連通部加熱手段3による連通部加熱工程を含むものである。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、以下のような効果がある。即ち、熱風を吹き付けて連通部を加熱することで、金型300の寸法や形状に合わせて送風の向きを変えることにより、様々な種類の金型に対応することができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の弾性体製造装置1Cは、図9に示すように、連通部加熱手段4と、全体加熱手段と、を備える。連通部加熱手段4は、加熱用油等の高温液体Lを収容可能な容器によって構成されている。
連通部が形成された金型300の軸方向端部を高温液体Lに浸漬させることにより、連通部加熱手段4によって連通部を優先的に加熱することができるようになっている。
弾性体製造装置1Cによって弾性体を製造する方法(弾性体製造方法)は、前記第1実施形態の弾性体製造方法において、連通部加熱手段2による連通部加熱工程に代え、連通部加熱手段4による連通部加熱工程を実施するものである。尚、金型の軸方向の両端に連通部が形成されている場合には、一端側の連通部を加熱した後、金型の上下を反転させ、他端側の連通部を加熱すればよい。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、以下のような効果がある。即ち、容器である連通部加熱手段4が複数の金型を収容可能な大きさを有するようにすれば、複数の金型の連通部を略同時に加熱することができ、製造効率を向上させることができる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の弾性体製造装置1Dは、図10、11に示すように、連通部加熱手段5と、全体加熱手段と、を備える。連通部加熱手段5は、前記第1実施形態の連通部加熱手段2の電源21及び通電回路22に加え、フェライトコア(磁性体部材)50を有するものである。
フェライトコア50は、平面視U字の板状に形成されるとともに、通電回路22の直線部221B、222Bを囲むように、端加熱部221、222の近傍に設けられている。直線部221B、222Bに電流が流れた際に、フェライトコア50に磁束が流れやすくなっている。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、以下のような効果がある。即ち、フェライトコア50に磁束が流れやすいことで、磁束を集中させて連通部を局所的に加熱することができ、弾性体材料の漏れをより一層抑制することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1実施形態では、金型300の軸方向の両端に連通部としての注入連通部308及び排出連通部309が形成されているものとしたが、連通部は、金型の軸方向の一端にのみ形成されていてもよいし、軸方向の中央部に形成されていてもよい。連通部の形成位置に応じて連通部加熱手段によって加熱すればよい。
また、前記第3実施形態では、金型300の軸方向端部を高温液体Lに浸漬させることにより、連通部を直接的に接触させて加熱するものとしたが、高温液体を用いて連通部を間接的に加熱してもよい。即ち、加熱用ジャケット内に高温液体を収容したり循環させたりするとともに、この加熱用ジャケットによって金型300の軸方向端部を覆う(又は囲む)ことで連通部を加熱してもよい。
また、前記第1〜4実施形態では、連通部加熱手段として種々の形態を例示したが、連通部加熱手段は収容部よりも連通部を優先的に加熱するものであればよく、これらの構成に限定されない。例えば、連通部加熱手段がヒータ加熱によって連通部を加熱する構成としてもよい。
また、前記第1〜4実施形態では、弾性体製造装置が連通部加熱手段だけでなく全体加熱手段も備えるものとしたが、全体加熱手段は設けられていなくてもよい。例えば、連通部加熱手段によって連通部を優先的に加熱した後、加熱箇所を変更したり走査したりすることにより、収容部を加熱し、金型全体を加熱するようにしてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
<実施例及び比較例>
第1実施形態の弾性体製造装置1Aを用いた実施例1の製造条件、及び、他の弾性体製造装置を用いた比較例2、3の製造条件について説明する。
金型に215gの弾性体材料を充填し、上記のように連通部加熱手段によって加熱した後、130℃の熱風炉(全体加熱手段)によって加熱することを、実施例1の製造条件とした。
金型に215gの弾性体材料を充填し、130℃の熱風炉(全体加熱手段)によって加熱することを比較例2、3の製造条件とした。比較例2ではピンクリアランスの大きさが0.03mmの金型を用い、比較例3ではピンクリアランスの大きさが0.02mmの金型を用いた。尚、実施例1及び比較例2、3の各製造条件で製造された弾性体は、外径35mm、肉厚5.5mm、全長385mmのローラ形状を有する。
実施例1及び比較例2、3の条件で製造を繰り返し、加熱時に金型から漏れ出た弾性体材料の量(漏れ量)を測定した。金型に充填した弾性体材料の全量に対する漏れ量を漏れ率とすると、漏れ率が1%以下である場合、ベルト寄りが生じにくいことが分かった。実施例1及び比較例2、3の各製造条件における漏れ率の平均値と標準偏差とについて表1に示す。
Figure 2017129680
連通部加熱手段によって加熱する実施例1の製造条件では、漏れ率の平均値が1%以下となり、良好な弾性体が得られやすいという結果が得られた。また、漏れ率のばらつきも小さく、歩留まりを向上させることができた。一方、比較例1の製造条件では漏れ率の平均値が1%よりも大きく、且つ、ばらつきも大きくなり、弾性体に不良が発生しやすい結果となった。
また、ピンクリアランスの大きさを小さくした比較例2の製造条件では、漏れ率の平均値が1%以下となったものの、ばらつきが大きく、弾性体の一部に不良が発生するという結果となった。また、比較例2では経時によって(製造を繰り返すことで)漏れ率が上昇する傾向が見られた。即ち、実施例1の製造条件では、ベルト寄りを低減可能な弾性体を安定して得ることができた。
1A〜1D 弾性体製造装置
2〜5 連通部加熱手段
300 金型
305 収容部
308 注入連通部(連通部)
309 排出連通部(連通部)
特開2007−298836号公報

Claims (5)

  1. 弾性体材料が充填される収容部と、前記収容部を外部に連通可能な連通部と、を備えた金型を加熱することにより、弾性体を製造する弾性体製造方法であって、
    前記収容部に位置する前記弾性体材料よりも、前記連通部に位置する前記弾性体材料を先に硬化させる連通部加熱工程を含むことを特徴とする弾性体製造方法。
  2. 前記連通部加熱工程において、誘導加熱によって前記連通部を加熱することを特徴とする請求項1に記載の弾性体製造方法。
  3. 前記連通部加熱工程において、熱風により前記連通部を加熱することを特徴とする請求項1に記載の弾性体製造方法。
  4. 前記連通部加熱工程において、前記連通部を高温液体により加熱することを特徴とする請求項1に記載の弾性体製造方法。
  5. 弾性体材料が充填される収容部と、前記収容部を外部に連通可能な連通部と、を備えた金型を加熱することにより、弾性体を製造する弾性体製造装置であって、
    前記収容部に位置する前記弾性体材料よりも、前記連通部に位置する前記弾性体材料を先に硬化させ得る連通部加熱手段を備えることを特徴とする弾性体製造装置。
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