JP6895767B2 - ブロー成形容器 - Google Patents
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Description
第2周溝のうち、パーティングラインから最も離れて位置する部分(以下、離間部という)の深さが最も深くなっているので、離間部における径方向の剛性を確実に向上することができる。
これにより、口部において、前記離間部の位置する部分が径方向の外側に向けて変形するのを抑制することで、パーティングラインの位置する部分が、径方向の内側に向けて変形するのを確実に抑制することが可能になり、より一層効果的に口部の変形を抑制することができる。
この場合、口部に形成された第2周溝の幅寸法を小さくすることで、口部のうち、第2周溝を除く部分の外周面を広く確保することが可能になる。したがって、口部の径方向の剛性を効果的に高めながら、口部とキャップとの接触面積を広く確保しやすくなり、ブロー成形容器の内部のシール性を確保しやすくすることができる。
この場合、首部のうち、第1周溝の下端に連なる部分に角部が形成されることとなり、この角部にリブ効果を発揮させることが可能になり、首部から口部の下部にわたる部分における径方向の剛性をより一層向上させることができる。また、首部に前記角部が形成されていることから、成形後の時間の経過に伴い胴部に生じた変形を、前記角部に受け止めさせて口部に伝わるのを抑制することができる。
また、首部に真直部が形成されているので、首部に第1周溝を形成したことによる座屈強度の低下を抑制することもできる。
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るブロー成形容器1について説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
口部12の外周面には、雄ネジ部12aが形成されている。雄ネジ部12aは、不図示のキャップが備える雌ネジ部と螺合し、このキャップを口部12に螺着させる。図示の例では、雄ネジ部12aは4条ネジとされているが、雄ネジ部12aは1条ネジであってもよく、4条以外の多条ネジであってもよい。
ブロー成形容器1を二軸延伸ブロー成形によって製造する場合には、まず、射出成形等により口部12を有するプリフォームを成形し、このプリフォームをブロー成形金型内にセットする。そして、プリフォームの口部から挿入した延伸ロッドにより、プリフォームを容器軸方向に伸ばすとともに、プリフォーム内に空気を吹き込み、ブロー成形する。
また、ブロー成形容器1を押出ブロー成形によって製造する場合には、押出機により押し出された円筒状のパリソンを、周方向に2分割されたブロー成形金型で挟み込み、パリソンの一端開口部を融着等して閉塞し、底部分を形成した後に、パリソンの内部に他端開口部から空気を吹き込み、ブロー成形する。
図2に示すように、第1周溝20は、口部12の下端部から径方向の内側に向けて延び、かつ下方を向く第1上側面21と、第1上側面21における径方向の内端部から下方に向けて延び、かつ径方向の外側を向く第1周面22と、第1周面22の下端部から径方向の外側に向けて延び、かつ上方を向く第1下側面23と、を備えている。
第1上側面21および第1下側面23はそれぞれ、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、上下方向に互いに離間している。図示の例では、第1上側面21および第1下側面23が双方ともに、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、上下方向に互いに離間する方向に向けて延在している。
次に、図3および図4を参照して、本発明の第2実施形態に係るブロー成形容器2について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4に示すように、第1周溝20Bにおける第1下側面23Bの径方向の外端部と、真直部24の上端部と、の接続部分には、径方向の外側に向けて突出する凸曲面部24Aが形成されている。真直部24の下端部と、胴部11の上端部と、の接続部分は、径方向の内側に向けて窪む凹曲面状に形成されている。凸曲面部24Aの曲率半径は、真直部24の下端部と、胴部11の上端部と、の接続部分の曲率半径より小さくなっている。
ブロー成形容器2では、首部17Bに真直部24が形成されていることにより、例えば首部17Bに真直部24が形成されていない第1実施形態に係るブロー成形容器1の構成等と比較して、第1上側面21Bおよび第1下側面23Bそれぞれの幅寸法に対する、第1周面22Bの幅寸法の割合が小さくなっている。図示の例では、第1周面22Bの幅寸法H3は、第1上側面21Bおよび第1下側面23Bそれぞれの幅寸法の和(H1+H2)と同等となっている。
また、第1上側面21Bと第1周面22Bとがなす角度は、第1下側面23Bと第1周面22Bとがなす角度よりも小さくなっている。
また、首部17Bに真直部24が形成されているので、首部17Bに第1周溝20Bを形成したことによる座屈強度の低下を抑制することもできる。
次に、図5から図7を参照して、本発明の第3実施形態に係るブロー成形容器3について説明する。なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、第2周溝25は、口部12Cの外周面から径方向の内側に向けて延び、かつ下方を向く第2上側面26と、第2上側面26における径方向の内端部から下方に向けて延び、かつ径方向の外側を向く第2周面27と、第2周面27の下端部から径方向の外側に向けて延び、かつ上方を向く第2下側面28と、を備えている。
第2上側面26と第2周面27とがなす角度は、第2下側面28と第2周面27とがなす角度よりも小さくなっている。第2上側面26と第2下側面28との径方向の大きさは、互いに同等となっている。
また、本実施形態では、図7に示すように、第2周溝25の径方向の深さは、パーティングラインPLから、周方向に離間するに従い漸次、深くなっている。パーティングラインPLの位置する部分において、第2周溝25は最も浅くなっている。図示の例では、第2周溝25における径方向の深さが無くなっている。すなわち、パーティングラインPLの位置する部分において、第2周溝25の第2周面27と、口部12Cのうち、第2周溝25および雄ネジ部12aが形成されていない平滑部分の外周面と、の径方向の位置が互いに一致している。
また、第2周溝25の深さは、パーティングラインPLから周方向に最も離間した部分(以下、離間部という)29において、口部12Cの径方向の厚みの略半分になっている。
これにより、口部12Cにおいて、離間部29の位置する部分が径方向の外側に向けて変形するのを抑制することで、パーティングラインPLの位置する部分が、径方向の内側に向けて変形するのを確実に抑制することが可能になり、より一層効果的に口部12Cの変形を抑制することができる。
この検証試験では、実施例1として第1実施形態に係るブロー成形容器1を、実施例2として第2実施形態に係るブロー成形容器2を、実施例3として第3実施形態に係るブロー成形容器3を、それぞれ採用した。
また、比較例として、図8に示されるような、実施例1のブロー成形容器1に対して第1周溝20を形成せず、胴部11と口部12との間にストレート部16が形成され、口部12の下端部に、径方向外側に向けて突出するネックリング12bが形成されているブロー成形容器50を採用した。
なお、この検証試験では、実施例1、実施例2、実施例3、および比較例それぞれについてn数を9とし、楕円度の平均値を評価した。
このように、実施例1から実施例3の各ブロー成形容器の方が、比較例よりも、口部の変形が抑制されていることが確認された。
また、実施例2のブロー成形容器2では、第1周溝20Bに加えて、首部17Bに真直部24が形成されていることにより、ブロー成形容器1と比較して、口部12の変形を効果的に抑制できることが確認された。
また、実施例3のブロー成形容器3では、第1周溝20Bおよび真直部24に加えて、口部12Cにさらに第2周溝25が形成されていることにより、ブロー成形容器2と比較して、口部の変形をより一層効果的に抑制できることが確認された。
また、図1に示すブロー成形容器1の形状や、実施例で示したブロー成形容器1の各部の寸法は一例であり、適宜変更してもよい。
11…胴部
12、12C…口部
17、17B…首部
20、20B…第1周溝
24…真直部
25…第2周溝
O…容器軸
Claims (3)
- 有底筒状の胴部、首部、および口部が、下方から上方に向けてこの順に連設されたブロー成形容器であって、
前記胴部の最大外径に対する前記口部の外径の比が0.7以上1.0以下であり、
前記首部のうち、少なくとも前記口部と連なる上部には、径方向の内側に向けて窪む第1周溝が形成され、
前記口部の上部には、径方向の内側に向けて窪む第2周溝が形成され、
前記第2周溝の径方向の深さは、パーティングラインから、周方向に離間するに従い漸次、深くなることを特徴とするブロー成形容器。 - 前記第1周溝の上下方向の幅寸法は、前記第2周溝の前記幅寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のブロー成形容器。
- 前記首部のうち、前記胴部と連なる下部には、前記第1周溝の下端に連なり上下方向に延びる真直部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブロー成形容器。
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