JP6895283B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は車輪用軸受装置に関する。詳しくは車輪用軸受装置の製造後に外方部材に組み付け可能なC字形状の堰部材を備える車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、車輪に接続されるハブ輪(内方部材)が転動体を介して外方部材に回転自在に支持されている。車輪用軸受装置は、泥水等が入り込んだりすることで転動体や内方部材の軌道面が損傷して軸受寿命が短くなる。このため、車輪用軸受装置には、外部から泥水等の入り込みを防止するためのシール部材が外方部材と内方部材との間に設けられている。
このような車輪用軸受装置において、より長い軸受寿命を得るために、シール部材の近傍の外方部材(外輪)に堰部材を設けて密封性を向上させているものがある。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の車輪用軸受装置では、軸受シールが、外方部材の端部内周に内嵌される芯金、およびこの芯金の嵌合部に回り込んで一体に加硫接着されたシール部材からなり、このシール部材が径方向に傾斜して延びるサイドリップとラジアルリップとを一体に有すると共に、前記外方部材のアウター側の端部に円環状の堰部材が設けられる。この堰部材を車輪取付フランジのインナー側の側面に僅かな軸方向隙間を介して対向させ、当該側面と前記外方部材の端面および前記軸受シールによって密封されている。これにより、直接軸受シールに泥水がかかるのを防止できると共に、車両の走行中に外方部材に泥水がかかっても外方部材の外周面を伝って車輪取付フランジの側面と外方部材の間に流動するのを防止することができ、長期間に亘って軸受シールの耐久性と密封性能の向上を図ることができる。
特開2011−7272号公報
特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、シールへの泥水浸入を防止するために、断面L字形状の円環の堰部材を外方部材(外輪)外径部に圧入する構造になっており、車輪用軸受装置の製造時に取り付ける必要があり、使用時に当該円環が損傷した場合には交換することができない。また、当該堰部材が必要な地域と不必要な地域(例えば、舗装路があり、雨量が少ない地域)の2つの市場向けに、同一の車輪用軸受装置を採用する場合は、当該堰部材を備えるものと、備えないものの二種類の軸受を製造する必要があり車輪用軸受装置および車両製造時の管理コストを増大させていた。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、車輪用軸受装置の製造後に組み付け可能な堰部材を備える車輪用軸受装置の提供を目的とする。
即ち、車輪用軸受装置においては、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と前記内方部材との間をシールするシール部材と、を備えた車輪用軸受装置において、前記外方部材のアウター側の外周面に着脱可能なC字形状の堰部材を備えたものである。
車輪用軸受装置においては、前記外方部材は、外周面の周方向に亘って前記堰部材の一端が係止される係止溝を備え、前記堰部材は、断面略L字形状に形成され、前記外方部材のアウター側端部の外周面に当接する半円筒部と、前記半円筒部の一端部から径方向外方に延びる立板部と、前記半円筒部の他端部から径方向内方に延びる係止部とを有し、前記係止部は、前記係止溝に係止されるものである。
車輪用軸受装置においては、前記外方部材は、外周面の周方向に亘って前記堰部材の一端が係止される係止溝を備え、前記堰部材は、断面I字形状に形成され、前記堰部材の内周縁部が前記係止溝に係止されるものである。
車輪用軸受装置においては、前記堰部材は、表面全体に亘って樹脂材料で覆われるものである。
車輪用軸受装置においては、前記堰部材は、一部または全部が樹脂材料で形成されるものである。
車輪用軸受装置においては、前記樹脂材料が、生分解性の合成樹脂であるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、外方部材のアウター側端部の外周面に着脱可能なC字形状の堰部材を備えている。これにより、泥水の浸入を抑えることができるとともに、車輪用軸受装置の製造後に、外方部材に組み付けが可能となる。
本発明によれば、堰部材を断面略L字形状に形成したことにより、堰部材の強度が増し、泥水等の水圧に耐えて、堰部材は外方部材の外周面に安定して保持される。
本発明によれば、堰部材を断面I形状に形成したことにより、堰部材を断面略L字形状に形成する場合よりも加工工程が少なくなり、堰部材を安価に製造でき、軽量になる。
本発明によれば、堰部材は、表面全体に亘って樹脂材料で覆われるように構成している。これにより、堰部材と外方部材との間に隙間が生じることを防ぐことができるため、より効果的に泥水の浸入を抑えることができる。また、車輪取付けフランジの外周面と堰部材が接触した場合に、車輪取付けフランジの外周面の損傷を防止することができる。
本発明によれば、堰部材は、一部または全部が樹脂材料で形成されている。これにより、堰部材をより軽量に、安価に構成することができる。また、車輪取付けフランジの外周面と堰部材が接触した場合に、車輪取付けフランジの外周面の損傷を防止することができる。
本発明によれば、樹脂材料として生分解性の合成樹脂を用いることにより、堰部材のリサイクルがし易くなる。また、生分解性の合成樹脂は微生物等によって分解され易いので、堰部材の脱落時や廃棄時に自然環境への負荷が少ない。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態における全体構成を示す斜視図。 本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態における全体構成を示す断面図。 第1実施形態の堰部材の構成を示す拡大断面図。 第1実施形態の堰部材を示す図であり、(a)は側面図、(b)は堰部材を外輪に取り付けた状態を示す、図2のA−A矢視断面図。 第2実施形態の堰部材を示す図であり、(a)は側面図、(b)は堰部材を外輪に取り付けた状態を示す、図2のA−A矢視断面図。 第3実施形態の堰部材の構成を示す拡大端面図。 第4実施形態の堰部材の構成を示す拡大端面図。
以下に、図1から図4を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。
図1と図2に示すように、車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、第3世代構造と呼ばれる駆動輪用の車輪用軸受装置である。車輪用軸受装置1は、外方部材である外輪2、内方部材であるハブ輪3、内輪4、転動列である二列のインナー側ボール列5a、アウター側ボール列5b、インナー側シール部材6、アウター側シール部材8を具備する。ここで、インナー側とは、車輪用軸受装置1を車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、アウター側とは、車輪用軸受装置1を車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。
外方部材である外輪2は、ハブ輪3と内輪4とを支持するものである。外輪2は、略円筒状に形成され、例えば、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外輪2において、車載時に車体側に配置される外輪2のインナー側端部には、インナー側シール部材6が嵌合可能なインナー側開口部2aが形成されている。外輪2において、車載時に車輪側に配置されるアウター側端部には、アウター側シール部材8が嵌合可能なアウター側開口部2bが形成されている。
外輪2の内周面には、環状に形成されているインナー側の外側転走面2cとアウター側の外側転走面2dとが周方向に互いに平行になるように形成されている。アウター側の外側転走面2dは、インナー側の外側転走面2cとピッチ円直径とが同等もしくは大きくなるように形成されている。インナー側の外側転走面2cとアウター側の外側転走面2dとには、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲とする硬化層が形成されている。外輪2の外周面には、図示しない懸架装置のナックルに取り付けるための車体取り付けフランジ2eがインナー側開口部2aの近傍に一体に形成されている。
また、外輪2のアウター側端部の外周面には、図3に示すように、周方向に所定長さに亘って後述する堰部材10の一端(係止部11c)が係止される係止溝2fが設けられている。また、係止溝2fの周方向の中央部(図1、図4(b)では上部)に径方向外方に突出し、後述する堰部材10の切欠き部11dが係止される突起部2gが設けられている。
内方部材は、ハブ輪3と内輪4とによって構成されている。内方部材を構成するハブ輪3は、図示しない車両の車輪を回転自在に支持するものである。ハブ輪3は、略円筒状に形成され、例えば、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪3において、車載時に車体側に配置されるインナー側端部には、外周面に縮径された小径段部3aが形成されている。小径段部3aは、ハブ輪3の外径が小さくなった部分を指し、その外周面が回転軸Aを中心とする円筒形状となっている。また、ハブ輪3には、そのインナー側端部からアウター側端部まで貫かれた自在継手取付穴31が形成されている。自在継手取付穴31は、ハブ輪3の中心に設けられた貫通穴を指し、その内周面における一部が凹部と凸部が交互に並ぶ凹凸形状(スプライン穴)となっている。ハブ輪3において、車載時に車輪側に配置されるアウター側端部には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ3bには、円周等配位置にハブボルト3dが設けられている。また、ハブ輪3のアウター側の外周面には、周方向に環状の内側転走面3cが外輪2のアウター側の外側転走面2dに対向するように配置されている。また、車輪取付フランジ3bには、同じく同心円上に等間隔(例えば位相角90°おきに四箇所)で複数の工具挿通穴3gが設けられている。
ハブ輪3は、インナー側の小径段部3aからアウター側の内側転走面3cまでを高周波焼入れにより表面硬さを58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。これにより、ハブ輪3は、車輪取り付けフランジ3bに付加される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪3の耐久性が向上する。なお、インナー側端の加締め部分は鍛造加工後の表面硬さのままである。ハブ輪3のインナー側端部の小径段部3aは、内方部材の一部である内輪4が圧入されている。ハブ輪3は、インナー側端部の内輪4に形成されている内側転走面4aが外輪2のインナー側の外側転走面2cに対向し、アウター側に形成されている内側転走面3cが外輪2のアウター側の外側転走面2dに対向するように配置されている。
内輪4は、転動列であって車載時に車体側に配置されるインナー側ボール列5aと車載時に車輪側に配置されるアウター側ボール列5bとに予圧を与えるものである。内輪4は、円筒状に形成されている。内輪4は、例えば、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。内輪4の外周面には、周方向に環状の内側転走面4aが形成されている。内輪4は、ハブ輪3のインナー側端が径方向の外側に向かって塑性変形(加締め)されることで所定の予圧が付与された状態でハブ輪3のインナー側端部に一体的に固定されている。つまり、ハブ輪3のインナー側には、内輪4によって内側転走面4aが構成されている。
転動列であるインナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bとは、ハブ輪3を回転自在に支持するものである。インナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bとは、転動体である複数のボールが保持器によって環状に保持されている。インナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bとは、例えば、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。インナー側ボール列5aは、内輪4の内側転走面4aと、外輪2のインナー側の外側転走面2cとの間に転動自在に挟まれている。アウター側ボール列5bは、ハブ輪3の内側転走面3cと、外輪2のアウター側の外側転走面2dとの間に転動自在に挟まれている。つまり、インナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bとは、外輪2に対してハブ輪3と内輪4とを回転自在に支持している。
車輪用軸受装置1は、外輪2とハブ輪3と内輪4とインナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bとから複列アンギュラ玉軸受が構成されている。なお、本実施形態において、車輪用軸受装置1には、複列アンギュラ玉軸受が構成されているがこれに限定されるものではなく、複列円錐ころ軸受等で構成されていてもよい。
インナー側シール部材6は、外輪2のインナー側開口部2aと内輪4との隙間を塞ぐものである。インナー側シール部材6は、略円筒状のシール板と略円筒状のスリンガとを具備する。インナー側シール部材6は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)等から構成されているシール板に、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなる複数のインナー側シールリップが加硫接着されている。スリンガは、シール板と同等の鋼板から構成されている。スリンガの外側(インナー側)には、磁気エンコーダ7が接着されている。インナー側シール部材6は、シール板が外輪2のインナー側開口部2aに嵌合され、スリンガが内輪4に嵌合され、パックシールを構成している。インナー側シール部材6は、シール板のインナー側シールリップが油膜を介してスリンガと接触することでスリンガに対して摺動可能に構成されている。これにより、インナー側シール部材6は、外輪2の内部からの潤滑グリースの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止する。
アウター側シール部材8は、外輪2のアウター側開口部2bとハブ輪3との隙間を塞ぐものである。アウター側シール部材8はニトリルゴム等の合成ゴムからなる複数の他側シールリップが加硫接着によって略円筒状に形成された芯金に一体に接合されている。アウター側シール部材8は、外輪2のアウター側開口部2bに円筒部分が嵌合され、ハブ輪3のシール摺動面3eに複数のシールリップが接触している。アウター側シール部材8は、アウター側シールリップが油膜を介してハブ輪3のシール摺動面3eと接触することでハブ輪3に対して摺動可能に構成されている。これにより、アウター側シール部材8は、外輪2の内部からの潤滑グリースの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止する。
このように構成される車輪用軸受装置1は、外輪2とハブ輪3と内輪4とインナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bとから複列アンギュラ玉軸受が構成され、ハブ輪3と内輪4がインナー側ボール列5aとアウター側ボール列5bを介して外輪2に回転自在に支持されている。また、車輪用軸受装置1は、外輪2のインナー側開口部2aと内輪4との隙間をインナー側シール部材6で塞がれ、外輪2のアウター側開口部2bとハブ輪3との隙間をアウター側シール部材8で塞がれている。これにより、車輪用軸受装置1は、内部からの潤滑グリースの漏れ、および外部からの雨水や粉塵等の侵入を防止しつつ、外輪2に支持されているハブ輪3と内輪4とが回転可能に構成されている。
次に、上述した車輪用軸受装置1の外輪2に取り付けることができる、第1実施形態から第4実施形態の堰部材について詳しく説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る堰部材10は、外輪2のアウター側端部の外周面に着脱可能な、円環の一部が切り欠かれたC字形状(カチューシャ形状)の部材であり、外輪2のアウター側の外周面に着脱可能に取り付けられている。
図3に示すように、堰部材10は、断面略L字状に形成された基部11と、基部11を全体に亘って覆うカバー部材12から構成される。基部11は、金属製の部材であり、例えば、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)、あるいは、JIS B2804:2010に列挙されている材料(例えば、JIS G 3311 S60CM等)から構成されている。堰部材10は、半円環状の鋼板の内縁部がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略L字状に形成されている。さらに、堰部材10は、当該鋼板の内周縁部がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で径方向内方に延びる鉤状に形成されている。これにより、基部11は、外輪2のアウター側端部の外周面に当接する、一部切り欠いた半円筒部11aと、その軸方向のアウター側端部(一端部)から径方向外方へ延びる一部を切り欠いた半円環状の立板部11bと、半円筒部11aのインナー側端部(他端部)から径方向内方へ延びる係止部11cと、を有している。なお、堰部材10は、内周側の周方向の中央部にU字状に切り欠いた切欠き部11d(図4(a)参照)が形成されている。
なお、第1実施形態に係る堰部材10は、金属製の基部11と、基部11を全体に亘って覆うカバー部材12から構成されるが、特に限定するものではない。例えば、カバー部材12を用いる構成ではなく、堰部材10の一部またはその全部を樹脂材料で形成してもよい。これにより、堰部材10をより軽量に、安価に構成することができる。また、車輪取付けフランジ3bの外周面と堰部材10が接触した場合に、車輪取付けフランジ3bの外周面の損傷を防止することができる。
カバー部材12は、堰部材10の表面全体に亘って所定の厚さで一体に覆う樹脂材料製の部材である。カバー部材12は、例えば、材質としてNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムなどから構成することができる。なお、カバー部材12は、上述した樹脂材料として生分解性の合成樹脂を使用することができる。この生分解性の合成樹脂の成分としては、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン等が挙げられる。カバー部材12を生分解性の合成樹脂で構成した場合、堰部材10のリサイクルがし易くなる。また、生分解性の合成樹脂は微生物等によって分解され易いので、堰部材10の脱落時や廃棄時に自然環境への負荷が少ないという利点を有する。
また、堰部材10では、表面全体に亘って樹脂材料で覆われる構成としているが、特に限定するものではなく、例えば、表面の少なくとも一部が樹脂材料で覆われる構成であってもよい。
次に、車輪用軸受装置1の製造時において外輪2に堰部材10を取り付ける組立工程について説明する。
図4(a)に示すように、堰部材10には、円環の一部が切り欠かれた部分である開口部13が形成されている。開口部13は、外輪2の直径よりも幅狭に形成されている。また、堰部材10は、外輪2の外周面に沿うように湾曲状に形成されている。堰部材10は、この開口部13を開くことによって外輪2の軸方向に対して垂直に装着される。そして、堰部材10の係止部11cが外輪2の係止溝2fに係止され、堰部材10が外輪2のアウター側端部の外周面に位置決めされる。このとき、堰部材10の切欠き部11dに外輪2の突起部2gが嵌まるので、堰部材10が外輪2の周方向に回ることがない。つまり、突起部2gは、堰部材10の周り止めとなるものである。こうして、堰部材10が外輪2をはさみこむような(把持)状態となり(図4(b))、極めて簡易且つ確実に車輪用軸受装置1に取り付けることができるのである。すなわち、堰部材10は、C字形状に形成したことにより、外輪2にワンタッチで取り付け可能に構成されている。これにより、車輪用軸受装置1の製造等において、組立作業性を向上させることができる。また、従来のように、堰部材を必ずしも圧入で取り付ける必要がないため、堰部材への負荷が少なく、堰部材の割れ等を抑えることができ、堰部材の取付の自由度が増える。
ここで、図4に示すように、堰部材10は、外輪2を把持可能とするために半円(180度)以上の円弧を有している。堰部材10の開口部13は、堰部材10が外輪2を把持するために、外輪2の直径よりも幅狭に形成されることになり、堰部材10を外輪2へ確実に取り付けるとともに、堰部材10を外輪2から簡単に脱落できない構造に形成している。なお、例えば、堰部材10は、外輪2を把持する所定の把持力を有するように構成することで、堰部材10の係止部11c、及び外輪2の係止溝2fを設けない構成とすることもできる。
こうして、堰部材10は、係止部11cが外輪2の係止溝2fに係止されることで、カバー部材12を介して半円筒部11aが外輪2の外周面に当接するとともに立板部11bが径方向外方に延出された状態で外縁2のアウター側端部の外周面に取り付けられる。そして、堰部材10の立板部11bは、車輪取り付けフランジ3bのインナー側の側面3fに僅かな軸方向隙間を介して対向し、ラビリンスシールを構成している。これにより、シール部材8に泥水が浸入するのを防止できるとともに、例えば、車両の走行中に外輪2に泥水がかかった場合でも外輪2の外周面を伝って下方へ落下し、外輪2のアウター側端部と車輪取り付けフランジ3bの側面3fとの間に泥水が流入するのを防止することができる。したがって、堰部材10を備えることで、耐泥水性を向上させた車輪用軸受装置1を提供することができる。さらに、堰部材10の表面全体に亘って所定の厚さで一体にカバー部材12を有している。これにより、堰部材10と外輪2の当接部分に隙間が生じることが抑られ、外輪2の外周面を伝って泥水等が流入するのを確実に防止することができる。また、車輪取付けフランジ3bの外周面と堰部材10が接触した場合に、車輪取付けフランジ3bの外周面の損傷を防止することができる。
以上のように、第1実施形態に係る車輪用軸受装置1は、外輪2のアウター側端部の外周面に着脱可能なC字形状の堰部材10を備えている。これにより、泥水の浸入を抑えることができるとともに、着脱可能なC字形状の堰部材を備えることで、車輪用軸受装置の製造後であっても堰部材10を外輪2に組み付け可能となる。すなわち、C字形状の堰部材10であるため、軸受の組み立て状態(アッシー状態)でも、随時取り付けや取り外しができ、軸受を分解しなくても堰部材10を付け替えることができる。
堰部材10によれば、外輪2の外周面の周方向に亘って堰部材10の一端である係止部11cを係止する係止溝2fが設けられている。これにより、堰部材10を外輪2の外周面の所定の位置に位置決めして取り付けることができる。また、堰部材10を断面略L字形状に形成したことにより、堰部材10の強度が増し、泥水等の水圧に耐えて、外輪2の外周面に安定して保持される。
堰部材10によれば、鋼鈑をプレス加工して形成した基部11の表面全体に亘って樹脂材料であるカバー部材12で覆った構造であるため、基部11により所定の剛性を有しつつ、所定の弾力を有している。そのため、外輪2の直径が多少異なるものであっても堰部材10を取り付けことが可能であり、外輪形状の自由度が高く、堰部材として汎用性を有している。
次に、図5、図6及び図7を用いて、本発明に係る堰部材の第2、第3及び第4実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態に係る堰部材10A、10B、20は、図1から図4に示す車輪用軸受装置1の堰部材10の基部11の形状等を変更したものであり、車輪用軸受装置1の説明で用いた名称、図番、記号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
[第2実施形態]
図5に示すように、第1実施形態に係る堰部材10の形状のみを変形した例が堰部材10Aである。具体的には、堰部材10Aは、第1実施形態の堰部材10の基部11の両端部の形状が径方向内方に凸の湾曲形状に形成された湾曲部11eを有している。これにより、堰部材10Aは、第1実施形態の堰部材10と同様の効果を有し、さらに、堰部材10Aを開口部13から外輪2へ挿入する際に、堰部材10Aが外輪2を傷つけることなく、スムーズに挿入できる。
なお、本実施形態では、基部11の両端の形状を湾曲形状に形成したが、これと同様の効果を奏するテーパ形状に形成してもよい。
[第3実施形態]
図6に示すように、第1実施形態に係る堰部材10の半円筒部11aの形状のみを変形した例が堰部材10Bである。具体的には、堰部材10Bは、第1実施形態の堰部材10の半円筒部11aのアウター側端部を外輪2のアウター側端部よりもアウター側に延出した半円筒部11aを有している。これにより、堰部材10Bは、第1実施形態の堰部材10と同様の効果を有し、さらに、堰部材10Bの立板部11bと車輪取り付けフランジ3bの側面3eとの間が近接することで、泥水が浸入するのをより確実に防止することができる。
[第4実施形態]
図7に示すように、第1実施形態に係る堰部材10の形状のみを変形した例が堰部材20である。具体的には、堰部材20は、断面I字形状(断面平板形状)に形成されたものである。堰部材20は、断面I字形状に形成された金属製部材の基部21と、基部21を覆うカバー部材12から構成される。堰部材20は、その内周縁部が外輪2の係止溝2fに係止される。堰部材20は、第1実施形態の堰部材10と同様の効果を有し、さらに、堰部材20を断面I字形状に形成したことにより、堰部材10のように断面略L字形状に形成する場合よりも加工工程が少なくなり、堰部材を安価に製造でき、軽量になる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
加えて、本願における車輪用軸受装置1は、内方部材として一つの内輪4が嵌合されたハブ輪3を備え、車体取り付けフランジ2eを有している外方部材である外輪2と内方部材である内輪4とハブ輪3の嵌合体で構成された内輪回転仕様の第3世代構造としているが、これに限定するものではない。また、取付フランジを有している外方部材である外輪と内方部材である一対の内輪で構成され、この一対の内輪がハブ輪の外周に嵌合される内輪回転仕様の第2世代構造であってもよい。また、外方部材である外輪がハブ輪として形成されており、このハブ輪と内方部材である一対の内輪で構成された外輪回転仕様の第2世代構造であってもよい。更に、内方部材として一つの内輪が嵌合された取付フランジを有している支持軸を備え、外方部材である外輪がハブ輪として形成されており、このハブ輪と内方部材である内輪と支持軸の嵌合体で構成された外輪回転仕様の第3世代構造であってもよい。更に、内方部材としてハブ輪と自在継手が連結されており、取付フランジを有している外方部材である外輪と内方部材であるハブ輪と自在継手の嵌合体で構成された第4世代構造であってもよい。
1 車輪用軸受装置
2 外輪
2a インナー側開口部
2b アウター側開口部
3 ハブ輪
4 内輪
5a インナー側ボール列(転動体)
5b アウター側ボール列(転動体)
6 インナー側シール部材
8 アウター側シール部材
10、10A、10B、20 堰部材
12 カバー部材

Claims (4)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と前記内方部材との間をシールするシール部材と、を備えた車輪用軸受装置において、
    前記外方部材のアウター側の外周面に着脱可能なC字形状の堰部材を備え
    前記堰部材は、表面全体に亘って樹脂材料で覆われる車輪用軸受装置。
  2. 前記外方部材は、外周面の周方向に亘って前記堰部材の一端が係止される係止溝を備え、
    前記堰部材は、断面略L字形状に形成され、前記外方部材のアウター側端部の外周面に当接する半円筒部と、前記半円筒部の一端部から径方向外方に延びる立板部と、前記半円筒部の他端部から径方向内方に延びる係止部とを有し、
    前記係止部は、前記係止溝に係止される請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記外方部材は、外周面の周方向に亘って前記堰部材の一端が係止される係止溝を備え、
    前記堰部材は、断面I字形状に形成され、
    前記堰部材の内周縁部が前記係止溝に係止される請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記樹脂材料が、生分解性の合成樹脂である請求項に記載の車輪用軸受装置。
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