JP2017187081A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐水性を実現した車輪用軸受装置の提供を目的とする。【解決手段】シール部材7が外方部材2の内周に嵌合するシールリング8と内方部材3の外周に嵌合するスリンガ9で構成されており、シールリング8におけるインナー側外周にゴムシール部82dが設けられている車輪用軸受装置1において、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成され、このゴムリップ部82eが外方部材2に接触している。【選択図】図5
Description
本発明は、車輪用軸受装置に関する。詳しくは、高い耐水性を実現した車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、懸架装置を構成するナックルに外方部材が固定される。また、車輪用軸受装置は、外方部材の内側に複列の転動体が介装され、この転動体によって内方部材を支持している。こうして、車輪用軸受装置は、転がり軸受構造を構成し、内方部材に取り付けられた車輪を回転自在としているのである。
ところで、外方部材と内方部材の間に形成された環状空間のインナー側端部にシール部材を装着した車輪用軸受装置が存在している(特許文献1〜3参照)。シール部材は、外方部材の内周に嵌合するシールリングと内方部材の外周に嵌合するスリンガで構成されており、シールリングにおけるインナー側外周にゴムシール部が設けられている。このような構造としているのは、外方部材とシールリングの嵌合面の腐食を防ぎ、水の浸入を防止するためである。しかし、水がゴムシール部を越えて外方部材とシールリングの嵌合面が腐食すると、この腐食箇所から水が浸入してしまうこととなる。そこで、特許文献2のように、吸水性ポリマーを備えた車輪用軸受装置が提案されていたが、このような車輪用軸受装置は、吸水性ポリマーとシールリングを構成するシールゴムが異素材であり、別部品であることから、生産性が悪化してしまう可能性があった。そのため、シールゴムにゴムリップ部を形成することにより、水がゴムシール部を越えて外方部材とシールリングの嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路を塞ぐことができる高い耐水性を実現した車輪用軸受装置が求められていた。
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、高い耐水性を実現した車輪用軸受装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装される複列の転動体と、前記外方部材と前記内方部材の間に形成された環状空間のインナー側端部に装着されるシール部材と、を備え、前記シール部材が前記外方部材の内周に嵌合するシールリングと前記内方部材の外周に嵌合するスリンガで構成されており、前記シールリングにおけるインナー側外周にゴムシール部が設けられている車輪用軸受装置において、前記シールリングにおけるアウター側端面にゴムリップ部が形成され、このゴムリップ部が前記外方部材に接触している、ものである。
本発明は、前記外方部材の内周に縮径段部が形成されており、前記ゴムリップ部の先端部分が前記縮径段部のインナー側端面に接触している、ものである。
本発明は、前記外方部材の内周に縮径段部が形成されており、前記ゴムリップ部の折曲部分が前記縮径段部のインナー側端面に接触し、かつ前記ゴムリップ部の先端部分が前記縮径段部に隣接する部分の内周面に接触している、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置は、シールリングにおけるアウター側端面にゴムリップ部が形成され、このゴムリップ部が外方部材に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部を越えて外方部材とシールリングの嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部が塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外方部材の内周に縮径段部が形成されている。そして、ゴムリップ部の先端部分が縮径段部のインナー側端面に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部を越えて外方部材とシールリングの嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部が塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外方部材の内周に縮径段部が形成されている。そして、ゴムリップ部の折曲部分が縮径段部のインナー側端面に接触し、かつゴムリップ部の先端部分が縮径段部に隣接する部分の内周面に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部を越えて外方部材とシールリングの嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部が塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
以下に、図1から図4を用いて、本実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。なお、図2は、図1におけるA−A断面図である。図3および図4は、図2における一部領域の拡大図である。
車輪用軸受装置1は、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)、転動体6、シール部材7(以降「一側シール部材7」とする)、シール部材10(以降「他側シール部材10」とする)を具備する。なお、以下において、「一側」とは、車輪用軸受装置1の車体側、即ち、インナー側を表す。また、「他側」とは、車輪用軸受装置1の車輪側、即ち、アウター側を表す。
外方部材2は、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)を支持するものである。外方部材2は、略円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外方部材2の一側端部には、拡径部2aが形成されている。また、外方部材2の他側端部には、拡径部2bが形成されている。更に、拡径部2aと拡径部2bの間には、これらに隣接して縮径段部2cが形成されている。そして、縮径段部2cの内周には、環状に外側転走面2dと外側転走面2eとが互いに平行に形成されている。外側転走面2dと外側転走面2eには、高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。なお、外方部材2の外周には、懸架装置を構成するナックルに取り付けるためのナックル取り付けフランジ2fが一体的に形成されている。
内方部材3は、図示しない車輪を回転自在に支持するものである。内方部材3は、ハブ輪4と内輪5で構成されている。
ハブ輪4は、略円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪4の一側端部には、小径段部4aが形成されている。小径段部4aには、内輪5が圧入されている。また、小径段部4aには、そのインナー側端部を径方向外側へ折り曲げることにより、内輪5のカシメ部分4bが形成されている。ハブ輪4の外周には、車輪取り付けフランジ4cが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ4cには、内方部材3の回転軸Lを中心とする同心円上に等間隔にボルト穴4dが設けられ、それぞれのボルト穴4dにハブボルト4eが螺合されている。また、ハブ輪4の中心には、インナー側からアウター側まで貫かれた自在継手取り付け穴4fが設けられている。更に、ハブ輪4の外周には、環状に内側転走面4gが形成されている。ハブ輪4は、小径段部4aから内側転走面4gを経てシールランド部(後述の軸面部4hと曲面部4iと側面部4jで構成される)まで高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。これにより、ハブ輪4は、車輪取り付けフランジ4cに付加される回転曲げ荷重に対して十分な機械的強度と耐久性を有している。なお、内側転走面4gは、外方部材2の外側転走面2eに対向する。
内輪5は、略円筒形状に形成されたSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。内輪5の外周には、環状に内側転走面5aが形成されている。つまり、内輪5は、ハブ輪4の小径段部4aに圧入嵌合され、小径段部4aの外周に内側転走面5aを構成している。内輪5は、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。これにより、内輪5は、車輪取り付けフランジ4cに付加される回転曲げ荷重に対して十分な機械的強度と耐久性を有している。なお、内側転走面5aは、外方部材2の外側転走面2dに対向する。
転動体6は、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4と内輪5)の間に介装されているものである。転動体6は、インナー側のボール列6a(以降「一側ボール列6a」とする)とアウター側のボール列6b(以降「他側ボール列6b」とする)を有している。一側ボール列6aと他側ボール列6bは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。一側ボール列6aと他側ボール列6bには、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。一側ボール列6aは、複数のボールが保持器によって環状に保持されている。一側ボール列6aは、内輪5に形成されている内側転走面5aと、それに対向する外方部材2の外側転走面2dとの間に転動自在に収容されている。他側ボール列6bは、複数のボールが保持器によって環状に保持されている。他側ボール列6bは、ハブ輪4に形成されている内側転走面4gと、それに対向する外方部材2の外側転走面2eとの間に転動自在に収容されている。このようにして、一側ボール列6aと他側ボール列6bは、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4と内輪5)とで複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、車輪用軸受装置1は、ハブ輪4の外周に他側ボール列6bの内側転走面4gが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置であるがこれに限定するものではなく、ハブ輪4に一対の内輪5が圧入固定された第2世代構造や、ハブ輪4を備えずに外方部材2である外輪と内方部材3である内輪とから構成される第1世代構造であっても良い。
一側シール部材7は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Sのインナー側端部に装着されるものである。一側シール部材7は、円環状のシールリング8と円環状のスリンガ9で構成されている。
シールリング8は、外方部材2の拡径部2aに嵌合されて外方部材2と一体的に構成される。シールリング8は、芯金81と弾性部材であるシールゴム82とを有する。
芯金81は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金81は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されている。これにより、芯金81は、円筒状の嵌合部81aと、その一端から内方部材3(内輪5)に向かって延びる円板状の側板部81bとが形成されている。嵌合部81aと側板部81bは、互いに略垂直に交わっており、嵌合部81aは、後述するスリンガ9の嵌合部9aに対向する。また、側板部81bは、後述するスリンガ9の側板部9bに対向する。なお、嵌合部81aと側板部81bには、弾性部材であるシールゴム82が加硫接着されている。
シールゴム82は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム82には、シールリップであるラジアルリップ82a、内側アキシアルリップ82bおよび外側アキシアルリップ82cが形成されている。
スリンガ9は、内方部材3の外周(内輪5の外周)に嵌合されて内方部材3と一体的に構成される。
スリンガ9は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。スリンガ9は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されている。これにより、スリンガ9は、円筒状の嵌合部9aと、その端部から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部9bとが形成されている。嵌合部9aと側板部9bは、互いに垂直に交わっており、嵌合部9aは、前述したシールリング8の嵌合部81aに対向する。また、側板部9bは、前述したシールリング8の側板部81bに対向する。なお、側板部9bには、磁気エンコーダ9cが設けられている。
一側シール部材7は、シールリング8とスリンガ9とが対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ82aは、油膜を介してスリンガ9の嵌合部9aに接触する。また、内側アキシアルリップ82bは、油膜を介してスリンガ9の側板部9bに接触する。そして、外側アキシアルリップ82cも、油膜を介してスリンガ9の側板部9bに接触する。このようにして、一側シール部材7は、いわゆるパックシールを構成し、砂塵等の浸入やグリースの漏出を防止しているのである。
なお、シールゴム82は、嵌合部81aのインナー側端部を回り込むようにして径方向外側へ膨出している。つまり、一側シール部材7は、シールリング8におけるインナー側外周にゴムシール部82dが設けられている。このようにして、一側シール部材7は、外方部材2とシールリング8(詳細には芯金81)の嵌合面が腐食するのを防いでいるのである。
他側シール部材10は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Sのアウター側端部に装着されるものである。他側シール部材10は、円環状のシールリング11で構成されている。
他側シール部材10は、外方部材2の拡径部2bに嵌合されて外方部材2と一体的に構成される。シールリング11は、芯金111と弾性部材であるシールゴム112とを有する。
芯金111は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金111は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略C字状に形成されている。これにより、芯金111は、円筒状の嵌合部111aと、その一端から内方部材3(ハブ輪4)に向かって延びる円板状の側板部111bとが形成されている。嵌合部111aと側板部111bは、互いに湾曲しながら交わっており、嵌合部111aは、ハブ輪4の軸面部4hに対向する。また、側板部111bは、ハブ輪4の曲面部4iおよび側面部4j(車輪取り付けフランジ4cの端面を指す)に対向する。なお、側板部111bには、弾性部材であるシールゴム112が加硫接着されている。
シールゴム112は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム112には、シールリップであるラジアルリップ112a、内側アキシアルリップ112bおよび外側アキシアルリップ112cが形成されている。
他側シール部材10は、シールリング11とハブ輪4とが対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ112aは、油膜を介してハブ輪4の軸面部4hに接触する。また、アキシアルリップ112bは、油膜を介してハブ輪4の曲面部4iに接触する。そして、外側アキシアルリップ112cも、油膜を介してハブ輪4の側面部4jに接触する。このようにして、他側シール部材10は、砂塵等の浸入やグリースの漏出を防止しているのである。
なお、シールゴム112は、側板部111bの屈曲部分に沿うようにして径方向外側へ膨出している。つまり、他側シール部材10は、シールリング11におけるアウター側外周にゴムシール部112dが設けられている。このようにして、他側シール部材10は、外方部材2とシールリング11(詳細には芯金111)の嵌合面が腐食するのを防いでいるのである。
次に、図5を用いて、第一実施形態に係る車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図5は、第一実施形態に係る車輪用軸受装置1の一側シール構造を示している。
第一実施形態である車輪用軸受装置1は、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成されている。具体的に説明すると、シールリング8を構成する芯金81の側板部81bを覆っているシールゴム82にアキシアルリップであるゴムリップ部82eが一体的に形成されている。ゴムリップ部82eは、その断面形状がシールリング8におけるアウター側端面の径方向中央部分から径方向外側へ向かうにつれて徐々にアウター側へ傾斜する形状となっている。そして、その先端部分が縮径段部2cのインナー側端面に接触している(※印部参照)。
このように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成され、このゴムリップ部82eが外方部材2に接触している。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に縮径段部2cが形成されている。そして、ゴムリップ部82eの先端部分が縮径段部2cのインナー側端面に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部82dを越えて外方部材2とシールリング8の嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部82eが塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
次に、図6を用いて、第二実施形態に係る車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図6は、第二実施形態に係る車輪用軸受装置1の一側シール構造を示している。
第二実施形態である車輪用軸受装置1においても、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成されている。具体的に説明すると、シールリング8を構成する芯金81の側板部81bを覆っているシールゴム82にアキシアルリップであるゴムリップ部82eが一体的に形成されている。ゴムリップ部82eは、その断面形状がシールリング8におけるアウター側端面の径方向中央部分から径方向外側へ向かうにつれて徐々にアウター側へ傾斜し、折曲部分から先端側が徐々にインナー側へ傾斜する形状となっている。そして、その折曲部分が縮径段部2cのインナー側端面に接触し(※印部参照)、その先端部分が拡径部2aの内周面に接触している(※印部参照)。
このように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成され、このゴムリップ部82eが外方部材2に接触している。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に縮径段部2cが形成されている。そして、ゴムリップ部82eの折曲部分が縮径段部2cのインナー側端面に接触し、かつゴムリップ部82eの先端部分が縮径段部2cに隣接する部分の内周面に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部82dを越えて外方部材2とシールリング8の嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部82eが塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
次に、図7を用いて、第三実施形態に係る車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図7は、第三実施形態に係る車輪用軸受装置1の一側シール構造を示している。
第三実施形態である車輪用軸受装置1においても、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成されている。具体的に説明すると、シールリング8を構成する芯金81の側板部81bを覆っているシールゴム82にアキシアルリップであるゴムリップ部82eが一体的に形成されている。ゴムリップ部82eは、その断面形状がシールリング8におけるアウター側端面の径方向中央部分からアウター側へ突出する形状となっている。そして、その先端部分が縮径段部2cのインナー側端面に接触している(※印部参照)。
このように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成され、このゴムリップ部82eが外方部材2に接触している。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に縮径段部2cが形成されている。そして、ゴムリップ部82eの先端部分が縮径段部2cのインナー側端面に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部82dを越えて外方部材2とシールリング8の嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部82eが塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
次に、図8を用いて、第四実施形態に係る車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図8は、第四実施形態に係る車輪用軸受装置1の一側シール構造を示している。
第四実施形態である車輪用軸受装置1においても、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成されている。具体的に説明すると、シールリング8を構成する芯金81の側板部81bを覆っているシールゴム82にラジアルリップであるゴムリップ部82eが一体的に形成されている。ゴムリップ部82eは、その断面形状がシールリング8におけるアウター側端面の径方向中央部分から径方向外側へ突出する形状となっている。そして、その先端部分が拡径部2aの内周面に接触している(※印部参照)。
このように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、シールリング8におけるアウター側端面にゴムリップ部82eが形成され、このゴムリップ部82eが外方部材2に接触している。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に縮径段部2cが形成されている。そして、ゴムリップ部82eの先端部分が拡径部2aの内周面に接触している。かかる発明により、水がゴムシール部82dを越えて外方部材2とシールリング8の嵌合面が腐食した場合であっても、水の浸入経路をゴムリップ部82eが塞ぐので、高い耐水性を確保することができる。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2a 拡径部
2c 縮径段部
2d 外側転走面
3 内方部材
4 ハブ輪
4a 小径段部
5 内輪
5a 内側転走面
6 転動体
6a ボール列
7 シール部材
8 シールリング
81 芯金
81a 嵌合部
81b 側板部
82 シールゴム
82a ラジアルリップ
82b 内側アキシアルリップ
82c 外側アキシアルリップ
82d ゴムシール部
82e ゴムリップ部
9 スリンガ
9a 嵌合部
9b 側板部
9c 磁気エンコーダ
S 環状空間
2 外方部材
2a 拡径部
2c 縮径段部
2d 外側転走面
3 内方部材
4 ハブ輪
4a 小径段部
5 内輪
5a 内側転走面
6 転動体
6a ボール列
7 シール部材
8 シールリング
81 芯金
81a 嵌合部
81b 側板部
82 シールゴム
82a ラジアルリップ
82b 内側アキシアルリップ
82c 外側アキシアルリップ
82d ゴムシール部
82e ゴムリップ部
9 スリンガ
9a 嵌合部
9b 側板部
9c 磁気エンコーダ
S 環状空間
Claims (3)
- 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装される複列の転動体と、
前記外方部材と前記内方部材の間に形成された環状空間のインナー側端部に装着されるシール部材と、を備え、
前記シール部材が前記外方部材の内周に嵌合するシールリングと前記内方部材の外周に嵌合するスリンガで構成されており、前記シールリングにおけるインナー側外周にゴムシール部が設けられている車輪用軸受装置において、
前記シールリングにおけるアウター側端面にゴムリップ部が形成され、このゴムリップ部が前記外方部材に接触している、ことを特徴とした車輪用軸受装置。 - 前記外方部材の内周に縮径段部が形成されており、前記ゴムリップ部の先端部分が前記縮径段部のインナー側端面に接触している、ことを特徴とした請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記外方部材の内周に縮径段部が形成されており、前記ゴムリップ部の折曲部分が前記縮径段部のインナー側端面に接触し、かつ前記ゴムリップ部の先端部分が前記縮径段部に隣接する部分の内周面に接触している、ことを特徴とした請求項1に記載の車輪用軸受装置。
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Cited By (1)
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2016
- 2016-04-01 JP JP2016074740A patent/JP2017187081A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200062485A (ko) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 현대자동차주식회사 | 차량용 액슬 어셈블리의 수밀 장치 |
KR102163971B1 (ko) | 2018-11-27 | 2020-10-12 | 현대자동차주식회사 | 차량용 액슬 어셈블리의 수밀 장치 |
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