JP6892637B2 - 刃先交換式切削工具 - Google Patents

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本発明は刃先交換式切削工具に関し、特にねじ加工用の切削インサートを用いる刃先交換式転削工具に関する。
従来から、ねじ切り加工に用いられる刃先交換式の転削工具が知られている。例えば、特許文献1には、交換可能な切削インサートを備えたねじ切りフライス工具が開示されている。切削インサートは、略長方形に形成され、その長辺に相当する辺稜部に、加工したい雌ねじ又は雄ねじの形状に即した形状の切れ刃が形成されている。このような切削インサートは、転削工具用のボデーに取り付けられ、フライス工具自体が回転軸線を中心に回転してワークにねじ部を加工する。
ねじ加工用の切削インサートをボデーに固定する手段として、例えば特許文献1に開示されているように、切削インサートの上面に形成された凹部にボルトを挿入し、そのボルトの軸力によって切削インサートに力を加えてそれを固定するという形式がある。
特開2006−068898号公報
上述した凹部にボルトを挿入して切削インサートを固定する形式の場合、ボルトの先端部分やインサートに形成される凹部の精度によって、ボルトの軸力が十分に切削インサートに加わらない状態で取り付けられることがあったり、ボルトと凹部との当接箇所がばらついて切削インサートの位置精度に影響が出たりすることがあったりする。特に、ボルトを凹部に対して斜めに挿入する形式の場合にはボルトと凹部との間に隙間が生じやすくなり、切削インサートに軸力がほとんど加わっていない状態になることもある。
また、貫通孔が形成されたインサートに対して締結ねじを入れる場合と比べて凹部は浅いので、ボルトの頭部が飛び出やすい状態にある。そのため、飛び出たボルトの頭部が切れ刃の回転軌跡上に入り込み、加工中に被削材(ワーク)と接触するおそれがある。
本発明は上記の課題を鑑み、これを解決すべく開発された。すなわち、本発明は切削インサートのクランプ状態が安定しており、なおかつ締結部材の頭部がワークと接触しない刃先交換式切削工具を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る刃先交換式切削工具は、回転軸線を中心に回転可能なボデーと、該ボデーに取り付けられた交換可能な切削インサートと、該切削インサートをボデーに固定する締結部材と、を備えている。締結部材の先端部は、先細りのテーパ面に形成されている。切削インサートは、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形にそれぞれ形成された上面及び下面と、上面及び下面を接続する側面と、を有している。長辺において上面と側面とが交差する交差稜線部には、切れ刃が形成されている。上面には、有底の凹部が形成されている。凹部の内壁面の少なくとも一部は、該凹部の中心軸に向かって膨らんだ湾曲面である。凹部の中心軸を含み、ボデーの回転軸線に平行な第1仮想基準面と、凹部の中心軸を含み、ボデーの回転軸線に直交する第2仮想基準面と、によって凹部を第1乃至第4領域に四分割したとき、第2領域は、凹部においてボデーの回転軸線に近い中心側且つボデーの基端側に位置している。締結部材のテーパ面は、第2領域において湾曲面に当接する。締結部材の中心軸線は、先端部とは反対側の頭部が、先端部よりもボデーの中心側且つ基端側に位置する向きに傾斜している。
この態様によれば、締結部材の中心軸線が傾斜し、締結部材の頭部が切れ刃から遠ざかる側に倒れている。頭部と切れ刃との間のスペースが広くなり、該頭部がワークと接触しにくい。テーパ面が湾曲面に対して斜めに摺接して締結部材の軸力を切削インサートに伝えるため、切削インサートがボデーに強固に固定される。これにより、切削インサートのクランプ状態が安定しており、なおかつ締結部材の頭部がワークと接触しない刃先交換式切削工具を提供することができる。
上記態様において、刃先交換式切削工具は、凹部が複数形成され、切削インサートの基端に最も近い凹部に挿入される第1の締結部材の中心軸線と第1仮想基準面とがなす角度が、切削インサートの先端に最も近い凹部に挿入される第2の締結部材の中心軸線と第1仮想基準面とがなす角度よりも小さいことが好ましい。
この態様によれば、切削インサートの基端側の締結部材と先端側の締結部材とで中心軸線の傾斜方向が互いに異なる。締結部材の先端部が切削インサートの凹部を押圧する方向が僅かにずれて、複数の方向から切削インサートをボデーに押し付けることができ、切削インサートをより安定的にしてクランプすることができる。なお、中心軸線と第1仮想基準面とがなす角度は、中心軸線の方向ベクトルと第1仮想基準面の法線ベクトルとがなす角度の余角(complementary angle)として求められる。同様に、中心軸線と第2仮想基準面とがなす角度は、中心軸線の方向ベクトルと第2仮想基準面の法線ベクトルとがなす角度の余角として求められる。
上記態様において、刃先交換式切削工具は、切削インサートの切れ刃がねじ加工用の切れ刃であってもよい。
この態様によれば、略矩形の切削インサートを安定して確実にクランプすることができるため、ねじ加工用に好適である。
本発明の刃先交換式切削工具によれば、切削インサートのクランプ状態が従来よりも安定する。すなわち、切削インサートをより強固に固定できるようになる。また、本発明の刃先交換式切削工具は切削インサートに形成された凹部を締結部材で押圧して固定する形式のクランプ方法であるにもかかわらず、締結部材の先端部が切れ刃の回転軌跡に重畳せず、安定して切削することができる。
図1は、本発明の一実施形態の刃先交換式切削工具の斜視図である。 図2は、図1に示された切削工具を異なる角度から見た斜視図である。 図3は、図1に示された切削工具の正面図である。 図4は、図1に示された切削工具の左側面図である。 図5は、図1に示された切削工具の平面図である。 図6は、図1に示された切削工具から切削インサートを取り外した状態を示す斜視図である。 図7Aは、本実施形態に係る切削インサートを示す斜視図である。 図7Bは、本実施形態に係る切削インサートの正面図である。 図7Cは、本実施形態に係る切削インサートの平面図である。 図8Aは、本実施形態に係る締結部材の斜視図である。 図8Bは、本実施形態に係る締結部材の正面図である。 図9は、締結部材の中心軸線の傾きの方向を説明する平面図である。 図10は、図9中のX−X線に沿う断面図である。 図11は、図9に示された実施形態の変形例における締結部材の中心軸線の傾きの方向を説明する平面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本発明の各実施形態の刃先交換式切削工具10(以下、「切削工具10」と略記する)は、締結ねじ40の先端部が先細りのテーパ面41を有し、切削インサート20の凹部23が中心に向かって膨らんだ湾曲面232を有している。締結ねじ40の中心軸線C1は、締結ねじ40の頭部42が締結ねじ40の先端部よりもボデー30の中心側且つ基端側に位置するように傾斜している。締結ねじ40のテーパ面41と切削インサート20の湾曲面232との当接箇所Xは、凹部23の他の領域52,53,54よりもボデー30の中心側且つ基端側に位置した第2領域52内にある(図9及び図10参照)。
締結ねじ40の頭部42が刃先21から遠ざかる向きに配置されるため、該頭部42がワークと接触しにくい。テーパ面41が湾曲面232に斜めに摺接して締結ねじ40の軸力を切削インサート20に伝えるため、切削インサート20がボデー30に強固に固定される。以下、図1から図11を参照して各構成について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態の切削工具10を示す斜視図であり、図2は、図1とは異なる角度から見た切削工具10を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、刃先交換式切削工具10は、二つの略長方形の切削インサート20と、切削インサート20を保持するためのボデー30と、切削インサート20をボデー30に固定するための締結部材(例えば、締結ねじ40)と、を備えている。なお、切削インサート20の数は、図示した例に限定されず、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
図3は、図1に示された切削工具10の正面図であり、図4は、図1に示された切削工具10の左側面図である。図3及び図4に示すように、以下の説明においては便宜的にボデー30の回転軸線C0に平行な軸線をX軸と定め、X軸に垂直かつ後述するチップ座311の底面311aに垂直な軸をY軸と定め、X軸に垂直かつチップ座311の底面311aに平行な軸をZ軸と定める。
また、一方の物体が他方の物体よりもX軸の矢印(アローヘッド)側にあるとき、これを「より先端側にある」と説明し、矢印とは反対側にあるときを「より後端側にある」と説明する。また、一方の物体が他方の物体よりもY軸の矢印側にあるとき、これを「上方にある」と説明し、矢印とは反対側にあるときを「下方にある」と説明する。また、Y−Z平面において、一方の物体が他方の物体よりも原点(例えば、ボデー30の回転軸線C0)に近い位置にあるとき、これを「中心側にある」と説明し、原点から遠い位置にあるときを「外周側にある」と説明する。
ボデー30は円筒状の第1円筒部31と、第1円筒部31よりも直径が大きく、第1円筒部31の後端側に接続する第2円筒部32と、を備えている。第1円筒部31には切削インサート20を挿入するための二つのチップ座311、312が形成されている。チップ座311、312は断面形状が略コ字状(U−shape)の形状の溝(スロット)であり、第1円筒部31のおおむね全長に亘って形成されている。チップ座311、312の一方端は第1円筒部31の端面にまで達し、且つボデー30の外周面にまで達している。すなわち、二つのチップ座311、312はボデー30の先端面及び外周面に開口している。二つのチップ座311、312を含めた全ての構成において、切削工具10は180°回転対称の形状になっている。そのため、代表して一方側の構成を詳しく説明し、他方側の構成については重複する説明を省略する。
チップ座311の構成について詳述する。チップ座311は切削インサート20との当接部となる底面311aと、ボデー30の中心側に位置して底面311aに対して垂直に延び、その壁面の法線がZ軸方向に向く周方向拘束壁311bと、ボデー30の後端側に位置して底面311aに対して垂直に延び、その壁面の法線がX軸方向を向く軸方向拘束壁311cと、底面311aの上側に位置し周方向拘束壁311b及び軸方向拘束壁311cと接続する天井壁311dと、を備えている。
底面311aと軸方向拘束壁311cとの接続部には、切削インサート20を取り付けた際に切削インサート20の辺稜部の一部(後述する下面22の短辺222及びその近傍)が接続部に衝突することを防ぐためのぬすみ(凹部)が形成されている。同様に、天井壁311dと軸方向拘束壁311cとの接続部にも切削インサート20の辺稜部の一部(後述する上面24の短辺242辺及びその近傍)が接続部に衝突することを防ぐためのぬすみが形成されている。
周方向拘束壁311bの中央部には凹み部35が形成されている。凹み部35が形成されることにより、切削インサート20と周方向拘束壁311bとの接触箇所を、クランプの状態が安定しにくい周方向拘束壁311bの中央ではなく、先端側又は後端側に限定することができる。
図5は、図1に示された切削工具10の平面図であり、図6は、図1に示された切削工具10から切削インサートを取り外した状態を示す斜視図である。図5及び図6に示すように、天井壁311dには貫通孔33が二つ形成されている。これらの貫通孔33に締結ねじ40が挿通され、締結ねじ40がチップ座311に取り付けられた切削インサート20を底面311aに押し付けて固定する。
第1円筒部31に形成される貫通孔33のうち最も後端側に位置する貫通孔33の近傍には、切削インサート20の冷却をするためのクーラントの噴射口34が形成されている。第2円筒部32は図示しない工作機械によって把持される部分である。
切削インサート20は、その一方の長辺241側の辺稜部にだけ、すなわち略矩形の辺稜部(241,242,243,244)のうち長辺241にだけ、所望の雌ねじ又は雄ねじ形状に応じた山部分と谷部分とが交互に複数形成された切れ刃21を備えている。図7Aは、切削インサート20の斜視図であり、図7Bは、切削インサート20の正面図であり、図7Cは、切削インサート20の平面図である。図7Bに示すように、切れ刃21に接続するすくい面のすくい角はプラスの角度となっている。切削インサート20はチップ座に311に取り付けられたとき、周方向拘束壁311bと、軸方向拘束壁311cとに当接する。
切削インサート20は、上面24と、上面24に対向する下面22と、上面24及び下面22を繋ぐ側面25と、を備えている。上面24は、一対の長辺241,243と、一対の短辺242,244と、を有した略矩形に形成されている。同様に、下面22は、一対の長辺221,223と、一対の短辺222,224と、を有した略矩形に形成されている。
以下の説明において、上面24の四辺241,242,243,244をまとめて上面24の辺稜部と呼称し、下面22の辺221,222,223,224をまとめて下面22の辺稜部と呼称することがある。長辺241,243は、上面24が有する長い方の辺稜部であり、短辺242,244は、上面24が有する短い方の辺稜部である。同様に、長辺221,223は、下面22が有する長い方の辺稜部であり、短辺222,224は、下面22が有する短い方の辺稜部である。
下面22はチップ座311の底面311aとの当接面になる。上面24にはボデー30の貫通孔33に挿通された締結ねじ40が当接可能な凹部23が形成されている。図示した例では、凹部23の内壁面が、上面24から離れるに従って縮径する傾斜面232と、上面24に平行な底面231と、を組み合わせた略円錐台に形成されている。より詳しくは、傾斜面232が、凹部23の中心軸に向かって膨らむように湾曲する湾曲面に形成されている。以下の説明において、傾斜面232を湾曲面232と呼称することがある。
次に切削インサート20の凹部23と締結ねじ40との関係について説明する。図9は切削インサート20をX−Z平面で、すなわち上面24に対向する方向から見た平面図であり、それぞれの凹部23をX軸に平行な仮想基準線IL1及びZ軸に平行な仮想基準線IL2で四つの領域に区切っている。以下の説明では便宜的に、「上面24に対向する方向から見た」位置関係を「平面視」における位置関係と呼称することがある。
また、二つの仮想基準線IL1,IL2によって区切られた四つの領域について、図中の右上に位置する領域から反時計回りに順に、第1領域51、第2領域52、第3領域53及び第4領域54と呼称する。つまり、区分けされた四つの領域のうち、相対的に外周側に位置しかつ相対的に後端側に位置する領域を第1領域51と呼称し、第1領域51よりも中心側に位置する領域を第2領域52と呼称し、第2領域52よりも先端側に位置する領域を第3領域53と呼称し、第3領域53よりも外周側に位置する領域を第4領域54と呼称する。
前述した第1乃至第4領域51,52,53,54を異なる観点からさらに説明する。凹部23の中心軸C2を含み、ボデー30の回転軸線C0に平行な平面を第1仮想基準面IS1と定義する。凹部23の中心軸C2を含み、ボデー30の回転軸線C0に直交する平面を第2仮想基準面IS2と定義する。前述した第1仮想基準線IL1は、第1仮想基準面IS1と、上面24と同一平面上の仮想平面IS0(図10に示す)との交線である。前述した第2仮想基準線IL2は、第2仮想基準面IS2と仮想平面IS0との交線である。
第1及び第2仮想基準面IS1,IS2によって各々の凹部23を第1乃至第4領域51,52,53,54に四分割したとき、ボデー30の回転軸線C0に近い中心側且つボデー30の基端側に位置した領域が第2領域52である。同様に、ボデー30の回転軸線C0から遠い外周側且つボデー30の基端側に位置した領域が第1領域51であり、ボデー30の回転軸線C0に近い中心側且つボデー30の先端側に位置した領域が第3領域51であり、ボデー30の回転軸線C0から遠い外周側且つボデー30の先端側に位置した領域が第4領域54である。
切削インサート20がチップ座311に設置された際、全ての締結ねじ40は切削インサート20の凹部23の第2領域52において当接する。また、締結ねじ40中心軸線はY軸に対して傾斜しており、その傾斜方向は第2領域52から第2領域52の対角に位置する第4領域54に向うように傾斜し、なおかつ第2領域52から第4領域54に向うに従い下がるように傾斜している。換言すると、締結ねじ40の中心軸線Cは、先端部(例えば、テーパ面41)とは反対側の頭部42が、先端部よりもボデー30の中心側且つ基端側に位置する向きに傾斜している。
図9は、締結ねじ40の中心軸線C1の向きを説明する平面図であり、図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。図9に示すように、締結ねじ40の中心軸線C1は、X−Z平面で見ると第2領域52と第4領域54との両方に跨るように傾斜している。また、図10に示すように、中心軸線C1は第2領域52に含まれる部分の方が、第4領域54に含まれる部分よりも上側に位置する関係になるようにも傾斜している。
図8Aは、締結ねじ40の斜視図であり、図8Bは、締結ねじ40の正面図である。図8A及び図8Bに示すように、締結ねじ40の先端部は、先端に向かうに従って縮径するテーパ面41に形成されている。切削インサート20をボデー30に取り付けた状態において、テーパ面41が切削インサート20の凹部23の内壁に当接する。
換言すると、切削工具10は、切削インサート20と、切削インサート20を保持するためのボデー30と、切削インサート20をボデー30に固定するための締結部材(例えば、締結ねじ40)と、を備えている。切削インサート20は、切削インサート20の上面24が有する長い方の辺稜部(すなわち長辺241)と、切削インサート20の側面25との交差稜線部に切れ刃21が形成されている。切削インサート20は。ボデー30に形成された断面コ字状のチップ座311,312に設置される。切削インサート20の上面24には、底を有する凹部23が形成されている。凹部23の内壁面(231,232)の少なくとも一部は、該凹部23の中心軸C2に向って凸になっている湾曲面232である。締結部材(40)における凹部23との当接箇所Xは、テーパ面41に形成されている。凹部23の縁部を含む仮想平面IS0(例えば、上面24と同一平面)に対向する方向から見て、ボデー30の回転軸線C0を該仮想平面IS0に射影してできる仮想線に平行な第1仮想基準線IL1と、該第1仮想基準線IL1に直交する第2仮想基準線IL2と、で該凹部23を四つの領域(51,52,53,54)に区分する。このとき、該凹部23と締結部材(40)との当接箇所Xはボデー30の回転軸線C0側且つボデー30の基端側の第2領域52内にある。締結部材(40)の中心軸線C1は第2領域52から該第2領域52の対角に位置する第4領域54に向けて下る向きに傾斜している。
次に、本実施形態の切削工具10の効果について説明する。切削インサート20は雌ねじ等の形状に対応した形状の切れ刃21を有しているため、転削加工で雌ねじ等を加工成形することができる。また、切削工具10は二枚の切削インサート20を備えているため、効率の良い加工を行うことができる。
締結ねじ40と切削インサート20の凹部23との当接箇所Xは、凹部23の第2領域52内であるので、締結ねじ40は切削インサート20に対して周方向拘束壁311b及び軸方向拘束壁311cに向う方向の力を加えることができる。その結果、切削インサート20には効率的に力が加わり、なおかつ二方向の動きが拘束されるため安定的にクランプされる。また、締結ねじ40のテーパ面41と、凹部23の湾曲した内壁とを当接させるようにしたことで、両者が確実に当接するようになっている。
締結ねじ40の中心軸線C1が第2領域52から第4領域54に向うに従い下がるように傾斜しているため、締結ねじ40の頭部42が切れ刃の回転軌跡を干渉しにくくなる。すなわち、通常、止まり穴(有底の凹部)に締結ねじを挿通すると締結ねじの頭部42を十分に埋没させることができないため、切削インサート20の形状や配置方法によっては、突出した締結ねじの頭部42が切れ刃21の回転軌跡に重畳することがある。しかしながら、切削工具10では、締結ねじ40の中心軸線C1がY軸に対して傾斜しているため、締結ねじ40の頭部42を切れ刃10の回転軌跡からより確実に避けることができる。
なお、締結ねじ40の頭部42を切れ刃21の回転軌跡からずらす手段は、図9に示した例に限定されない。例えば、他の実施形態として、図11に示すように、後端側に位置する締結ねじ40aの中心軸線をより仮想線IL1に対して平行に近づく方向に傾斜させ、一方先端側に位置する締結ねじ40bの中心軸線をより仮想線IL2に対して平行に近づく方向に傾斜させてもよい。換言すると、締結ねじ40aの中心軸線と仮想線IL1とがなす角度を、締結ねじ40bの中心軸線と仮想線IL1とがなす角度よりも小さくしてもよい。このように、締結ねじ40a,40bの中心軸線の傾斜方向を互いに変え、第2領域内で当接箇所を互いにずらすことで、切削インサート20をより安定してクランプすることができる。
また、締結ねじ40は三つ以上用いることも可能である。その場合、最後端に位置する締結ねじ40の中心軸線の傾斜方向と最先端に位置する締結ねじ40の中心軸線の傾斜方向とを、上述したように異ならせればよい。
また、締結ねじ40の先端面は、切削インサート20の凹部23の底に当接させないことが好ましい。凹部23の底に力が加わると、その部位を基点に切削インサート20が回転しようとして下面22がチップ座の底面311a、312aから離れ、クランプ力の低下につながるおそれがある。
以上、本発明についてその一実施形態を例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態の切削インサート20の切れ刃21は、雌ねじ又は雄ねじを加工するために該雌ねじ等の形状に即した形状をしていたが、本発明において切削インサートの切れ刃は、ねじ切り用に限定されることなく、例えば、肩削り用の切削インサートの切れ刃のような直線形状であってもよい。
また、上記実施形態においては切削インサート20の上面24とX−Z平面とが平行であったが、これら二つの面が平行でなくてもよい。その場合は、ボデーの回転軸線を切削インサートに形成された凹部の縁部を含む平面に射影し、その射影された線とその線に垂直な線とで凹部を四つの領域に区分けすればよい。このような場合であっても、締結ねじ40と凹部23とは第2領域で当接する。
また、上述した実施形態における切削インサート20は、上面24だけがすくい面として機能しない形状であったが、本発明の切削工具10はそれに限定されず、上面24及び下面22の両方がすくい面として機能し、一つの切削インサートで二回使用できるような形状として構成することも可能である。
10…切削工具、20…切削インサート、21…切れ刃、22…下面、23…凹部、24…上面、25…側面、30…ボデー、31…第1円筒部、311,312…チップ座、311a…チップ座の底面、311b…周方向拘束壁、311c…軸方向拘束壁、311d…天井壁、32…第2円筒部、33…貫通孔、34…クーラントの噴射口、35…凹み部、40,40a,40b…締結ねじ(締結部材の一例)、41…テーパ面、42…頭部、51…第1領域、52…第2領域、53…第3領域、54…第4領域、C0…ボデーの回転軸線、C1…締結ねじの中心軸線、C2…凹部の中心軸、IL1…第1仮想基準線、IL2…第2仮想基準線、IS0…仮想平面、IS1…第1仮想基準面、IS2…第2仮想基準面、X…凹部と締結部材との当接箇所。

Claims (3)

  1. 回転軸線を中心に回転可能なボデーと、該ボデーに取り付けられた交換可能な切削インサートと、該切削インサートを前記ボデーに固定する締結部材と、を備えた刃先交換式切削工具であって、
    前記締結部材の先端部は、先細りのテーパ面に形成され、
    前記切削インサートは、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形にそれぞれ形成された上面及び下面と、前記上面及び前記下面を接続する側面と、を有し、
    前記長辺において前記上面と前記側面とが交差する交差稜線部には、切れ刃が形成され、
    前記上面には、有底の凹部が形成され、
    前記凹部の内壁面の少なくとも一部は、該凹部の中心軸に向かって膨らんだ湾曲面であり、
    前記凹部の前記中心軸を含み、前記ボデーの前記回転軸線に平行な第1仮想基準面と、
    前記凹部の前記中心軸を含み、前記ボデーの前記回転軸線に直交する第2仮想基準面と、によって前記凹部を第1乃至第4領域に四分割したとき、
    前記第2領域は、前記凹部において前記ボデーの前記回転軸線に近い中心側且つ前記ボデーの基端側に位置し、
    前記締結部材の前記テーパ面は、前記第2領域において前記湾曲面に当接し、
    前記締結部材において、該締結部材の中心軸線は、前記先端部とは反対側の頭部が前記切れ刃の回転軌跡から遠ざかる向きに傾斜し、前記締結部材の前記頭部は、前記先端部よりも前記ボデーの前記中心側且つ前記基端側に位置し
    前記締結部材は、前記頭部と前記先端部との間に位置し且つおねじが設けられたねじ部を更に有し、
    前記ねじ部の谷径は、前記テーパ面の外形よりも大きい
    刃先交換式切削工具。
  2. 前記締結部材は、前記ねじ部の縁の大円と前記テーパ面の裾の小円と大小二つの同心円に囲まれた穴あき円板形状の面を更に有している、
    請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
  3. 前記切削インサートの前記上面には、複数の前記凹部が形成され、
    前記切削インサートの基端に最も近い前記凹部に挿入される第1の締結部材の中心軸線と前記第1仮想基準面とがなす角度は、前記切削インサートの先端に最も近い前記凹部に装入される第2の締結部材の中心軸線と前記第1仮想基準面とがなす角度よりも小さい、請求項1又は2に記載の刃先交換式切削工具。
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