JPH09300110A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JPH09300110A
JPH09300110A JP8126097A JP12609796A JPH09300110A JP H09300110 A JPH09300110 A JP H09300110A JP 8126097 A JP8126097 A JP 8126097A JP 12609796 A JP12609796 A JP 12609796A JP H09300110 A JPH09300110 A JP H09300110A
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JP
Japan
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chip
screw
tip
seat
hole
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JP8126097A
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English (en)
Inventor
Haruaki Kubo
治明 久保
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Daishowa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Daishowa Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップのチップ穴に挿通されたビスのねじ部
をねじ穴にのねじ込む際に、ねじ部とねじ穴との間のガ
タによるビスの傾斜現象の生起を最小限にし、ビス本来
の強度を100%活かすこと。 【解決手段】 スローアウエイチップに貫設したチップ
孔にビスを挿通させ、ビスのねじ部を工具ヘッドに穿設
したねじ穴にねじ込んで、チップをチップ座の拘束面に
拘束させて工具ヘッドに取り付けるようにした切削工具
において、ねじ穴の軸心を、従ってこれにねじ込まれる
ビスの軸心を、チップ孔の軸心よりもチップ座の拘束面
側に偏心し、なお且つ拘束面側に傾斜して設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属被削材を切削
加工するドリルなどの回転切削工具あるいは旋盤などに
用いる固定切削工具に関するもので、詳細には切削工具
の工具ヘッドと、これに交換可能に取り付けられるスロ
ーアウエイチップとからなる切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば図13に示すように、スローアウ
エイチップ2を備えた切削工具Tが従来から使用されて
おり、切削工具の工具ヘッド1の先端部にチップ2が取
り付けられるチップ座3が凹設されている。このチップ
座3は、図10に示すようにチップ2の形状、例えば図
示のように平行4辺形あるいは図示しないが3角形など
の平面形状に合わせた座面3aとチップ2の厚さに合わ
せた拘束面3b,3cとからなり、チップ2の底面2a
をチップ座3の座面3aに、またチップ座3の2方向の
拘束面3b,3cにチップ2の側面である被拘束面2
b,2cを当接させて位置決めし、クランプ手段によっ
て工具ヘッド1にクランプさせるようにしている。
【0003】そして、従来から採用されているクランプ
手段として、図4に示すように、ビス4に、該ビスとは
別体のクランプ腕5を取り付け、ビス4を工具ヘッド1
にねじ込むことによってクランプ腕5によってチップ2
の上面2dを押圧してチップ2をチップ座3にクランプ
させるようにしたものや、あるいは図5に示すように、
クランプ鍔6を一体に設けたビス4を工具ヘッド1にね
じ込むことによって該クランプ鍔6によってチップ2の
上面2dを押圧してチップ2をチップ座3にクランプさ
せるようにした所謂クランプオン方式のクランプ手段が
あるが、このクランプ手段であると、構造が簡単で、チ
ップ2に対する上下方向の押圧力、即ちチップ底面2a
のチップ座座面3aに対する比較的強力な押圧力が得ら
れるという長所があるが、チップの被拘束面2b,2c
がチップ座3の拘束面3b,3cに拘束される力は単に
クランプ部材の摩擦力だけであるから、切削途上でチッ
プ2に負荷する切削力によってチップ2がチップ座3の
座面3aを動く場合がある。またこのクランプオン方式
は、チップ2に対する上下方向のクランプ力だけである
から、チップ2をチップ座3にクランプさせる際に、そ
の作業として、チップ2をチップ座3の拘束面3a,3
b方向に押圧させながら該チップ2を工具ヘッド1にク
ランプさせなければならず、そのクランプ作業が面倒で
ある。以上のようにこのクランプオン方式によるクラン
プ手段では長所に対して多くの短所を有する。
【0004】また他のクランプ手段として、図6に示す
ように、チップ2のチップ孔7にロックレバー8の一端
部8aを当接させ、他端部8bを工具ヘッド1にねじ込
まれたビス4に係合させ、ビス4をねじ込むことによっ
てレバー(梃)の作用によってチップ2をチップ座3に
クランプさせるようにしたレバーロック方式がある。
【0005】このレバーロック方式によるクランプ手段
では、チップ2のチップ座の拘束面3b,3c側に対す
る当接力、即ち拘束力は強いが、最も要求されるチップ
底面2aのチップ座座面3aに対する主切削力方向への
当接力、即ち押圧力が弱いと難点があり、このためチッ
プ2のチップ座拘束面3b,3cに対する着座精度が悪
い場合に、チップ2がチップ座3から浮き上がり、切削
力に耐えられずに破損する場合がある。更には、ロック
レバー8を収容するためのスペースが大きく、特にクラ
ンプ面積の少ない回転切削工具用のクランプ手段として
は不適当である。
【0006】また他のクランプ手段として、図7に示す
ように、ウェッジ9(楔)をビス4によって工具ヘッド
1に押し込み、この際の楔作用によってチップ2をチッ
プ座3に押圧当接させてクランプさせるようにしたウェ
ッジ方式がある。
【0007】このウェッジ方式によるクランプ手段で
は、楔作用によってチップ2のチップ座座面3aに対す
る上下方向のクランプ力は強力であり、また2方向にあ
る拘束面のうちウェッジの引き込み方向側のチップ座拘
束面3bに対するチップの当接力はある程度あるが、他
の方向側の拘束面3cに対してはチップ2を拘束させる
力がなく、この面での位置決め拘束力がない。更にはレ
バーロック方式と同じようにウェッジ9を収容するため
のスペースが大きく、特にバイト用としては適さないと
いう短所がある。
【0008】また同じく他のウェッジ(楔)方式による
クランプ手段として、図8に示すように、工具ヘッド1
のチップ座座面3aに拘束ピン10を突設し、チップ2
に設けたチップ孔7に拘束ピン10を嵌合し、一方ウェ
ッジ11(楔)をビス4によって工具ヘッド1に押し込
み、この際の楔作用によってチップ2のチップ孔7を拘
束ピン10に拘束させてチップ2のチップ座3に対する
位置決めを行い、またウェッジ11に設けたクランプ腕
11aによってチップ2の上面2dを座面3aに向けて
押圧するようにしたものがある。
【0009】このウェッジ方式によるクランプ手段で
は、チップ2に負荷する主切削力及びこれに直交する方
向の分力に対して安定した拘束力が得られるという長所
があるが、チップ座3に対するチップの位置決め精度
は、拘束ピン10とこれに拘束されるチップ孔7の精度
によって決まるため、チップ2の刃先部12の精度が安
定せず、特に回転切削工具には不向きである。
【0010】更にまた他のクランプ手段として、図9に
示すように、チップ2に貫設したチップ孔7にビス4を
挿通させ、且つビス4のねじ部4aを工具ヘッド1のチ
ップ座3に該座面3aに対して垂直に、即ち矢印のよう
に90度に穿設したねじ穴13にねじ込むようにし、更
に前記ねじ穴13の軸心O1を、従ってこれにねじ込ま
れるビス13の軸心O1を、前記チップ孔7の軸心O2
よりもチップ座3の拘束面3a(3b)側に若干量
(L)だけ偏心して設けたセンターロック方式がある。
【0011】この方式では、チップ2に挿通したビス4
をねじ穴13にねじ込むに従って、ビス4はそのビス頭
部4bがチップ孔7の内壁7aに当接して撓み、その撓
みによってチップ2は、チップ座3の2方向の拘束面3
b,3cに押圧当接されるようにして位置決めがなされ
クランプされるようになっている。
【0012】このセンターロック方式によるクランプ手
段では、これまで述べた従来技術に比べて格段に構造が
シンプルであり製造コストが安くつき、特にビス4は、
図10に示すように、その頭部4bがチップ2の上面2
dと面一あるいはそれより沈ませることができるため、
チップ2の上面2dを掬い面として使用する場合には障
害物がなくなり、切屑の流れがスムースになるという長
所がある。
【0013】しかも、工具ヘッド1のチップ座座面3a
に対して垂直にねじ穴13が形成されることは、チップ
座3の加工時のエンドミルの軸方向と、ねじ穴13を形
成する際の下穴加工、ねじ切り加工の方向とが一致する
ため、加工の上からは一応便利な方法と言え、しかも工
具ヘッド1に占めるクランプ機構のスペースが上述の従
来方式のクランプ手段に比べて少ないため、切削工具と
しての剛性に悪影響を与えないという長所がある。
【0014】しかしながら、このセンターロック方式に
よるクランプ手段では、チップ2のチップ座座面3a方
向、即ち円周方向の拘束力はビス4のクランプ力によっ
て充分に取れるが、他の2方向、即ちチップ座3の側面
であるの拘束面3b,3cに対する拘束力は、上述のよ
うにねじ穴13の偏心(偏心量L)によるビス4の撓み
力のみに依存しているため、全体としてクランプ強度に
問題が残っていた。
【0015】即ち、図10に示すように、切削途上にお
いては、チップ2の刃先部12に切削力Pが負荷する。
チップ2をクランプするためのビス4は、チップ座座面
3aに開口するねじ穴13に対して理想的には図11に
示すように、そのねじ部4aが均等にねじ込まれるべき
であるが、この種のねじ込みには必ずガタ(隙間)があ
り、図10に示すようにチップ2のチップ孔7に挿通さ
れたビス4がチップ座3のねじ穴13にねじ込むことに
よってビス4の頭部4bがチップ孔7の内壁7aのE点
で当接し、これによって、チップ2をチップ座3の拘束
面3b(3c)側に押圧し、この押圧力の反力によって
ビス4が撓むことと、ビス4のねじ部4aとチップ座3
のねじ穴13との間に発生するガタにより、図12に示
すようにビス4は傾斜状態となるばかりでなく、ねじ込
み状態が極めて不均一となり、且つ一方側に偏ってしま
うので、ビス4本来の強度が得られず、現実には非常に
弱いクランプ状態となっている。
【0016】このため、特に切削途上においてチップ2
に負荷する切削力によるチップの浮き上がり現象(図1
0のFの力)に対しては、これを阻止することが不十分
であり、これがためフライス加工や、旋盤の断続切削な
どの場合に、チップの折損の問題が生じていた。
【0017】また、ねじ穴13の軸心O1を、チップ孔
7の軸心O2よりもチップ座3の拘束面3b(3c)側
に偏心して設け、この偏心したことによる力だけで、チ
ップ2をチップ座3の拘束面3b(3c)に押圧させる
ようにしているが、その押圧力だけでは不十分であり、
これがためにチップ2をチップ座3にクランプさせる際
の作業として、手作業でチップ2をチップ拘束面3b
(3c)側に押圧しながらクランプ作業を行わなければ
ならず、その作業が非常に不能率であり、特に手作業特
有のチップの取付状態のバラツキがあった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来技術
にあっては、ビスによるクランプ力、即ちチップ2をチ
ップ座3に押圧させる押圧力が不十分であり、これがた
めにチップ2をチップ座3にクランプさせる際の作業と
して手作業でチップ2をチップ拘束面3b,3c側に押
圧しながらクランプ作業を行わなければならず、手作業
による取付状態のバラツキからくる不安定要素を排除す
ることができなかった。
【0019】本発明は、上述の不安定要素を解消するこ
と目的とする。
【0020】また、本発明は、チップのチップ穴に挿通
されたビスのねじ部をねじ穴にのねじ込む際に、ねじ部
とねじ穴との間のガタによるビスの傾斜現象の生起を最
小限にし、ビス本来の強度を100%活かすことを目的
とする。
【0021】更にまた本発明は、ビス本来の強度を10
0%活かすことによって、切削途上におけるチップに負
荷する切削力によるチップの浮き上がり現象の発生を解
消することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図中の参照符号を付して示すならば、請求
項1に係る発明にあっては、工具ヘッド1にチップ2の
形状に合わせたチップ座3を形成し、該チップ座3の拘
束面3b,3cにチップ2の被拘束面2b,2cを当接
させて位置決めし、チップ2に貫設したチップ孔7にビ
ス4を挿通させ、且つビス4のねじ部4aを工具ヘッド
1に穿設したねじ穴13にねじ込んで、チップ2をチッ
プ座3の拘束面3b,3cに拘束させて工具ヘッド1に
取り付けるようにした切削工具において、前記ねじ穴1
3の軸心O1を、従ってこれにねじ込まれるビス4の軸
心O1を、前記チップ孔7の軸心O2よりもチップ座3
の拘束面3b,3c側に偏心し、なお且つ該拘束面3
b,3c側に傾斜して設けてなることを特徴とするもの
である。
【0023】
【発明の実施の形態】図1および図2において、平行四
辺形からなるスローアウエイチップ2は、その周囲の4
辺がチップ2を工具ヘッド1のチップ座3に定位置に固
定するための被拘束面2b,2cを形成すると共に、そ
れぞれの被拘束面2b,2cの端縁は刃先部12を形成
し、これがために被拘束面2b,2cは一般に厚み方向
に傾斜した所要の逃げ角を有し、従ってこの被拘束面2
b,2cは逃げ面とも称される場合がある。なお、本発
明の実施形態では、チップ2は平行4辺形のものである
が、これに限定されることはなく3角形あるいは6角形
等多角形のものでもよいことは勿論である。
【0024】工具ヘッド1に設けられるチップ座3は、
チップ2の平面形状に合わせた座面3aとチップ2の厚
みに合わせた拘束面3b,3cとからなるよう凹状に窪
んで形成され、且つ該チップ座3の拘束面3b,3c
は、チップ2の被拘束面2b,2cの傾斜角に合わせた
傾斜面に形成されている。そしてチップ2をチップ座3
に嵌合したときには、チップ2の刃先部12が工具ヘッ
ド1の先端部より若干突出して切削作用に支障をきたさ
ないようになっている。
【0025】チップ2には、従来の同じように当然にビ
ス4を挿通させるためのチップ孔7が貫設されると共
に、工具ヘッド1には、そのチップ座3の座面3aに面
してビス4をねじ込むためのねじ穴13が貫設される
が、該ねじ穴13、従って該ねじ穴13にねじ込まれる
ビス4は、図1に示すように、その軸心O1がチップ孔
7の軸心O2よりもチップ座3の側壁を形成する2方向
の拘束面3b,3cの中間部分、即ち両拘束面の境界線
部分(図2参照)の方向側に僅かの偏心量Lだけ偏心し
た位置に穿設され、ねじ込まれる。
【0026】しかも、本発明の特徴とする点の実施形態
であるが、図1に示すように上記ねじ穴13は、チップ
座座面3aに対する垂直線O3を基準として、それより
拘束面3b,3c方向に例えば6度の傾斜量(θ)だけ
傾斜させて穿設される。このようにねじ穴13が上記垂
直線O3を基準として、それより6度傾斜していること
(即ち、座面3aに対しては84度に傾斜しているこ
と)によって該ねじ穴13にねじ込まれるビス4も当然
ながらチップ座座面3aの垂直線O3に対して6度傾斜
してねじ込まれることになる。
【0027】ビス4をその頭部4bに設けたレンチ穴4
cにレンチを掛けて回して、工具ヘッド1にねじ込むこ
とによって、そのねじ込み途上で、まずビス頭部4bの
外周テーパ面14のうち両拘束面3b,3c側に面する
E点でチップ穴7の内壁7aに形成された凸曲面状の座
グリ面15に当接し、その当接力によって、チップ2
は、その底面2aがチップ座3の座面3aを押圧する方
向のみならず、チップ2の被拘束面2b,2cは、チッ
プ座3の奥の方向、即ち該チップ座3の側壁を形成する
2方向の拘束面3b,3cにも当接押圧され、該チップ
2はチップ座3に位置決めされながら工具ヘッド1にク
ランプされていく。
【0028】更に強力にビス4を締め付けていくことに
よって、ビス4は、チップ座3の垂直線O3に対して6
度の傾斜量θだけ傾斜してねじ込まれるため、図1に示
すように、ビス頭部4bの外周テーパ面14は前記E点
とは反対側のG点でチップ穴7の凸曲面状の座グリ面1
5に当接することになるが、チップ座座面3a、即ちチ
ップ2の底面2aからのE点とG点での当接高さH1、
H2は、常にH2>H1の関係を保ち、僅かとは言え、
このH2−H1の差がチップ2をチップ座3の奥方向、
即ちチップ2の被拘束面2b,2cをチップ2の拘束面
3b,3cに当接着座させる力として働く。
【0029】なぜなら、ビス4のクランプ力の大半は該
ビス4がチップ2に前記E点に当接することによってチ
ップ2をチップ座座面3aと拘束面3b,3cとに対す
る押し込み方向の力としてかかっており、その後G点に
当接することによって、前記E点にかかった力は減少さ
れるが、結果としてはチップ2に対する押し込み力を残
すからである。
【0030】さらに、前記G点に当接しない状態にあっ
て、切削力Pがチップの刃先部12にかかって、該切削
力Pにより、支点Aを中心としたチップを浮き上がらせ
ようとする力Fの方向であるθ1は、図1に示すように
ねじ穴13およびこれにねじ込まれるビス4に傾斜角θ
を設けることによって、従来技術のチップ孔に対するね
じ穴の偏心だけのビスのねじ込み方向θ2の構造に比
べ、言い換えれば、本発明の傾斜したビス4のねじ込み
方向θとチップ2を浮き上がらせようとする力の方向θ
1とが、従来技術のビスのねじ込み方向θ2に比べて、
より平行に近くなるため、即ちビス4のねじ込み方向O
1に近くなるため、それだけ切削反力Fによるビス4の
撓みが減少し、またビス4のねじ部4aとねじ穴13と
の間のガタによるビスの傾斜現象が可及的に少なくな
り、ねじ込み状態が安定しビス本来の強度が充分に発揮
され強力なクランプ状態となっている。
【0031】そしてその後、ビス頭部4bの外周テーパ
面14が前記G点でチップ穴7の凸曲面状の座グリ面1
5に当接することによって、該当接力によって、チップ
2の浮き上がり力Fによるチップ2の撓み方向の力はほ
ぼ相殺され、ビス4のねじ込み力、即ちその引張力の範
囲内でチップを保持することができることになる。
【0032】言い換えれば、チップ座3に面して工具ヘ
ッド1に穿設されるねじ穴13を、即ちこれにねじ込ま
れるビス4のねじ込み方向O1を積極的に若干量(θ)
だけ傾斜させることによって、チップとビスとのクラン
プのための当接部分を積極的に2点とすることができ、
より安定した、且つより強度の高いクランプ力を発揮す
ることができるわけである。
【0033】本発明は、図1に示す実施形態のように、
チップ2のチップ孔7の内周壁7aがテーパ状またはア
ール状の凸曲面15の当接部分を持ったチップのみなら
ず、図3に示すように円筒状のチップ孔7であって内周
壁7aがストレートなチップ孔を持つチップに対して
も、本発明が適用できることは言うまでもない。
【0034】即ち、チップ孔7の軸心O2に対してビス
4の軸心O1が拘束面3a(3b)側に若干量L偏心
し、且つ拘束面側に所要角度θ傾斜するようにしてビス
4をそのねじ部4aを工具ヘッド1のねじ孔13にねじ
込むことによって、切削力Pがチップの刃先部12にか
かって、該切削力Pにより、支点Aを中心としたチップ
を浮き上がらせようとする力Fはビス4のねじ込み方向
O1に近くなるため、それだけ切削反力Fによるビス4
の撓みが減少し、またビス4のねじ部4aとねじ穴13
との間のガタによるビスの傾斜現象が可及的に少なくな
り、ねじ込み状態が安定しビス本来の強度が充分に発揮
され強力なクランプ状態となっている。
【0035】
【発明の効果】この発明によれば、従来のクランプ用ビ
スのチップ孔からの偏心作用によるセンターロック方式
に比べて、チップのクランプ力が高く、チップのチップ
座に対する着座安定性が良い。
【0036】また、この発明によれば、チップをチップ
座にセットする際に、手作業でチップをチップ座の拘束
面側に押さなくとも、ビスを締め付けるだけでチップが
チップ座の座面と拘束面とに確実に拘束されため、手作
業によるチップ取付状態のバラツキがなく刃先精度が安
定し、着座不良によるトラブルの発生がない。
【0037】また、この発明によれば、従来のクランプ
用ビスのチップ孔からの偏心作用によるセンターロック
方式に比べて、ビスの撓みが少なく、ビスの強度を充分
に活用することができるので、切削力によるチップの浮
き上がりの防止機能が極めて高い。
【0038】また、この発明によれば、従来のクランプ
用ビスのチップ孔からの偏心作用によるセンターロック
方式に比べて、ビスの頭部の外周テーパ面と、チップの
チップ孔内周壁とを、拘束面側と反拘束面との2点で当
接させることが可能となり、切削力によるチップの浮き
上がり現象からくるチップの破損の防止効果が高いと言
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の正面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同他の実施形態の正面図である。
【図4】従来技術のクランプオン方式によるチップクラ
ンプ構造を示す。
【図5】同じく他の従来技術のクランプオン方式による
チップクランプ構造を示す。
【図6】従来技術のレバーロック方式によるチップクラ
ンプ構造を示す。
【図7】従来技術のウェッジ方式によるチップクランプ
構造を示す。
【図8】同じく他の従来技術のウェッジ方式によるチッ
プクランプ構造を示す。
【図9】従来技術のセンターロック方式によるチップク
ランプ構造を示す。
【図10】同センターロック方式によるチップクランプ
のクランプ作用を説明する断面図である。
【図11】同じくクランプ作用を説明する要部の断面図
である。
【図12】同じくクランプ作用を説明する要部の断面図
である。
【図13】本発明の適用される切削工具を示す。
【符号の説明】
1 工具ヘッド 2 チップ 2a 底面 2b 被拘束面 2c 被拘束面 3 チップ座 3a 座面 3b 拘束面 3c 拘束面 4 ビス 4a ねじ部 4b ビスの頭部 7 チップ孔 13 ねじ穴 14 外周テーパ面 15 座ぐり面 L ねじ穴、ビスの偏位量 θ ねじ穴、ビスの傾斜角

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具ヘッドにスローアウエイチップの形
    状に合わせたチップ座を形成し、該チップ座の拘束面に
    チップの被拘束面を当接させて位置決めし、チップに貫
    設したチップ孔にビスを挿通させ、且つビスのねじ部を
    工具ヘッドに穿設したねじ穴にねじ込んで、スローアウ
    エイチップをチップ座の拘束面に拘束させて工具ヘッド
    に取り付けるようにした切削工具において、前記ねじ穴
    の軸心を、従ってこれにねじ込まれるビスの軸心を、前
    記チップ孔の軸心よりもチップ座の拘束面側に偏心し、
    なお且つ該拘束面側に傾斜して設けてなる切削工具。
JP8126097A 1996-05-21 1996-05-21 切削工具 Withdrawn JPH09300110A (ja)

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