JP6890297B2 - 電池用電解液、および、電池 - Google Patents

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Description

本開示は、電池用電解液、および、電池に関する。
特許文献1では、パーフルオロポリエーテルを添加している電解液を用いたリチウムイオン電池が開示されている。特許文献1では、パーフルオロポリエーテルが電解液に対して0.2%以上5%以下の割合で添加できることが開示されている。
特開2006−269374号公報
従来技術においては、より安全性に優れる電解液の実現が望まれる。
本開示の一様態の電池用電解液は、非水溶媒と、マグネシウム塩、アルカリ土類金属塩またはアルカリ金属塩である金属塩とを含む。前記金属塩は、前記非水溶媒に溶解している。前記非水溶媒は、パーフルオロポリエーテルを含む。前記パーフルオロポリエーテルは、片側の分子末端のみが官能基修飾されている。前記パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロアルキル鎖と酸素とが交互に結合された繰り返し単位を含む。
本開示によれば、より安全性に優れる電解液を実現することができる。
図1は、実施の形態2における電池の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本開示の実施の形態が、説明される。まず、本発明者らの着眼点が、下記に説明される。
パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロポリエーテル骨格を有する分子は、非水電解液への相溶性が低い。このため、非水電解液に対する、パーフルオロポリエーテルまたはパーフルオロポリエーテル骨格をもつ分子の添加割合は、狭い範囲に制限されてしまうという課題があった。例えば、特許文献1では、パーフルオロポリエーテルは電解液に対して5%以下の添加割合に制限されている。このように、電解液に対して、一定の割合以上(例えば、5%以上)のパーフルオロポリエーテルを添加すると、両者が均一に混ざり合わない。この結果、電解液としての性能を発揮できないという課題があった。
以上の着眼点に基づいて、本発明者らは、本開示の構成を創作するに至った。
(実施の形態1)
実施の形態1における電池用電解液は、非水溶媒とアルカリ金属塩とを含む。アルカリ金属塩は、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなる。アルカリ金属塩は、非水溶媒に溶解している。非水溶媒は、パーフルオロポリエーテルを含む。パーフルオロポリエーテルは、片側の分子末端のみが官能基修飾されている。パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロアルキル鎖と酸素とが交互に結合された繰り返し単位を含む。
以上の構成によれば、電解液がアルカリ金属塩を含んでいても、非水溶媒が相分離しない。このため、パーフルオロポリエーテルを、任意の割合で、かつ、より多くの割合で、非水溶媒に混合することができる。すなわち、多量のパーフルオロポリエーテルを、非水溶媒に、均一に混合することができる。例えば、非水溶媒に対するパーフルオロポリエーテルの体積割合は、10%以上75%以下であってもよい。これにより、例えば、電解液としての機能を奏しながら、より難燃性能を高めることができる。また、非水溶媒に対するパーフルオロポリエーテルの体積割合は、30%以上であってもよく、さらに、50%以上であってもよい。このように、より安全性に優れる電解液を実現することができる。
難燃溶媒であるパーフルオロポリエーテルは、フッ素原子の大きな電気陰性度により、電子の揺らぎが小さい。このため、パーフルオロポリエーテルは、極性が小さい。このため、パーフルオロポリエーテルは、塩を溶解させる力が弱い。このため、パーフルオロポリエーテルは、従来の電解液とは異なり、多くの塩を溶解させることができない。
また、パーフルオロポリエーテルの極性の小ささは、一般の極性の大きな有機溶媒との相溶性の悪さの要因にもなる。つまり、パーフルオロポリエーテルは、極性が大きく分子間力が大きい有機溶媒分子間に進入することができない。このため、パーフルオロポリエーテルと有機溶媒とを、均一に混合することができない。すなわち、物質の内部エネルギーの観点では、パーフルオロポリエーテルが有機溶媒に均一に相溶している状態よりも、パーフルオロポリエーテルと有機溶媒が分相している状態のほうが、より安定状態にあるといえる。極性の大きな有機溶媒は、その極性に由来する分子間力で安定化する。それと同様に、パーフルオロポリエーテルでは、フッ素原子同士の親和性の高さ、または、分子鎖の増大に伴って増加する分子間力によって、エネルギーが安定化する。
実施の形態1におけるパーフルオロポリエーテルを使用することで、極性の大きな有機溶媒との相互作用を生むことができる。この相互作用により、均一相溶によるエネルギー安定化の影響を、大きくすることができる。
また、実施の形態1における電池用電解液においては、パーフルオロポリエーテルは、下記の式(1)で表される化合物であってもよい。
f−O−(Cα−O−)p−(Cβ−O−)q−R1 ・・・(1)
ここで、Rfは、パーフルオロアルキル基であり、直鎖状、枝分かれ状、または環状である。R1は、アルキルエーテル、アルキルカルボン酸エステル、またはアルキル炭酸エステルである。αおよびβは、それぞれ独立して、1以上3以下の整数である。繰り返し単位数であるpおよびqは、それぞれ独立して、0以上20以下の整数である。
なお、R1は、Cγ−Cx2x−O−C(=O)−OCy2y+1で表される、アルキル炭酸エステルであってもよい。このとき、γは、2であり、xは、1であり、yは、1であってもよい。なお、αは3であってもよく、βは3であってもよい。
以上の構成によれば、極性の大きな有機溶媒との相互作用を生む効果が、より顕著に発現する。
また、R1は、Cγ−COO−Cy2y+1で表される、アルキルカルボン酸エステルであってもよい。このとき、γは、2であり、yは、1であってもよい。なお、αは3であってもよく、βは3であってもよい。
以上の構成によれば、極性の大きな有機溶媒との相互作用を生む効果が、より顕著に発現する。
また、R1は、Cγ−Cx2x−O−Cy2y+1で表される、アルキルエーテルであってもよい。このとき、γは、2であり、xは、1であり、yは、1であってもよい。なお、αは3であってもよく、βは3であってもよい。
以上の構成によれば、極性の大きな有機溶媒との相互作用を生む効果が、より顕著に発現する。
以上のように、パーフルオロポリエーテルの片側の分子末端が官能基修飾されていることで、極性溶媒との相溶性を改善することができる。このため、パーフルオロポリエーテルの繰り返し単位に、例えば、水素原子を含ませずに構成できる。このため、高い難燃性能と、極性溶媒との相溶性とを、両立することができる。
なお、繰り返し単位である(Cα−O−)pは、直鎖状であってもよいし、枝分かれ構造であってもよい。また、繰り返し単位である(Cβ−O−)qは、(Cα−O−)pとは独立で、直鎖状であってもよいし、枝分かれ構造であってもよい。直鎖状の構造の例としては、(CF2−O−)、(CF2CF2−O−)、および(CF2CF2CF2−O−)を含んでいてもよい。枝分かれ構造の例としては、(CF(CF3)CF2−O−)、(CF2CF(CF3)−O−)、および(C(CF32−O−)を含んでいてもよい。
また、式(1)における、繰り返し構造の組み合わせである、−(Cα−O−)p−(Cβ−O−)qの例は、−(CF2CF2CF2−O−)p−(CF2−O−)q−、−(CF2CF2−O−)p−(CF2−O−)q−、−(CF2CF2CF2−O−)p−(CF2CF2−O−)q−で表されるような、鎖状構造同士の組み合わせを含んでいてもよい。−(Cα−O−)p−(Cβ−O−)qの例は、さらに、−(CF(CF3)CF2−O−)p−(CF2CF2−O−)q−、−(CF(CF3)CF2−O−)p−(CF2CF2CF2−O−)q−、−(CF2CF(CF3)−O−)p−(CF2CF2−O−)q−で表されるような、鎖状構造と枝分かれ構造との組み合わせを含んでいてもよい。−(Cα−O−)p−(Cβ−O−)qの例は、さらに、−(CF2CF(CF3)−O−)p−(CF(CF3)CF2−O−)q−、−(C(CF32−O−)p−(CF(CF3)CF2−O−)q−、で表されるような、枝分かれ構造同士の組み合わせを含んでいてもよい。また、−(Cα−O−)p−(Cβ−O−)qは、2種類以上の繰り返し単位の組み合わせとなっている場合、ブロックコポリマーであっても、ランダムコポリマーであってもよい。
実施の形態1における電池用電解液は、例えば、リチウム二次電池に用いられる。このため、リチウム二次電池の一般的な使用温度を考慮すると、パーフルオロポリエーテルの沸点は60℃以上であることが望ましい。例えば、パーフルオロポリエーテルの重量平均分子量を、およそ350以上とすることにより、この沸点を実現することができる。
また、例えば、重量平均分子量を、およそ2000以下とすることにより、重量平均分子量を小さくし、粘度を下げることができる。また、重量平均分子量を、およそ2000以下とすることにより、分子間力を減少させることができる。
したがって、式(1)に例示したパーフルオロポリエーテル溶媒の繰り返し単位数「p」と「q」、および、パーフルオロアルキル鎖の炭素数「α」と「β」は、化合物の重量平均分子量が概ね350以上2000以下となるように選択されることが望ましい。また、「p」および「q」は、0以上20以下の整数であることが望ましい。さらに、「p」と「q」の和が1以上であってもよい。また、「α」および「β」は、1以上3以下の整数であることが望ましい。また、「α」および「β」は同一であっても良い。
パーフルオロポリエーテルは、単一の化合物であってもよい。または、パーフルオロポリエーテルは、2種以上の異なる化合物であっても良い。
また、パーフルオロポリエーテルは、分子量分布を持って存在している。このため、実測の繰り返し単位数「p」および「q」は、必ずしも整数でなくてもよい。
ここで、重量平均分子量(Mw)とは、各分子の分子量に各分子の重量を掛け合わせ、それらを全て足し合わせたものを、その全重量で割る、ことにより求められる分子量である。重量平均分子量は、実験的に、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)と呼ばれる測定により求めることができる。この測定は、分子サイズの差に基づいて分離を行なう液体クロマトグラフィーの一種であり、高分子物質の分子量分布、および平均分子量分布を測定する手法である。また、この測定を行う装置に光散乱検出器を併用することにより、高分子物質の絶対分子量分布および重量平均分子量、または、回転半径などの情報を得ることができる。
パーフルオロポリエーテルは、例えば、パーフルオロオレフィンの光酸化を用いた反応、パーフルオロアルカンのエポキシドのアニオン重合反応、などの公知の反応で、合成することができる。また、これらの反応で合成した生成物は、反応の進行度合いによって重合度(つまり、生成物の分子量)がばらついている。しかし、精密蒸留またはカラム精製によって、所望の分子量の生成物を得ることができる。
また、実施の形態1における電池用電解液においては、非水溶媒が、リン酸エステルおよびグライム誘導体からなる群から選択される少なくともいずれか一種を含んでもよい。
また、実施の形態1における電池用電解液においては、非水溶媒が、リン酸エステルを含んでもよい。このとき、リン酸エステルは、下記の式(2)で表される化合物を含んでもよい。
Figure 0006890297
ここで、R2〜R4は、それぞれ独立して、芳香族基、不飽和脂肪族基、または飽和脂肪族基を示す。当該芳香族基、当該不飽和脂肪族基、および当該飽和脂肪族基は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、または珪素原子を、含んでもよい。当該不飽和脂肪族基および当該飽和脂肪族基は、それぞれ独立に、直鎖状または環状である。
以上の構成によれば、非水溶媒はアルカリ金属を十分に溶解できる。さらに、非水溶媒は高いイオン伝導性を有する。さらに、この非水溶媒を用いることにより、耐酸化性に優れた電解液を実現できる。これにより、高電圧を発揮できる活物質の充放電反応に寄与することができる。ここで、高電圧とは、4V級であってもよい。
以上のように、実施の形態1においては、非プロトン性極性溶媒であるリン酸エステルが用いられうる。リン酸エステル溶媒は、リン原子Pと酸素原子Oからなる結合双極子モーメントの大きなP―O二重結合を持っている。このため、アルカリ金属カチオンに対して強く相互作用し、より多くのアルカリ金属塩を溶解させることができる。
なお、上記の式(2)における置換基R2〜R4は、それぞれ、飽和脂肪族基であってもよい。このとき、飽和脂肪族基の炭素原子に結合する原子は、全てが水素原子であってもよい。これに代えて、飽和脂肪族基の炭素原子に結合する原子は、水素原子およびフッ素原子であってもよい。水素原子およびフッ素原子が飽和脂肪族基の炭素原子に結合する構成は、電気化学的安定性の点、および、アルカリ金属カチオンに対しての相互作用の強さの点で、優れる。また、上記の式(2)における置換基R2〜R4は、トリフルオロエチル基であってもよい。
以上のように、非水溶媒にフッ素原子を含ませることで、高電圧を発揮できる活物質の充放電反応に寄与することができる。ここで、高電圧とは、4V級であってもよい。
また、非水溶媒に含まれる極性溶媒にフッ素原子を含有させることで、パーフルオロポリエーテル分子と極性溶媒の親和性を向上させることができる。このため、均一相溶によるエネルギー安定化の影響を大きくすることができる。
また、実施の形態1における電池用電解液においては、非水溶媒が、グライム誘導体を含んでもよい。このとき、グライム誘導体が下記の式(3)で表される化合物を含んでもよい。
Figure 0006890297
ここで、R5〜R6は、それぞれ独立して、芳香族基、不飽和脂肪族基または飽和脂肪族基を示す。当該芳香族基、当該不飽和脂肪族基および当該飽和脂肪族基は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または珪素原子を含んでいてもよい。当該不飽和脂肪族基および当該飽和脂肪族基は、それぞれ独立に、直鎖状、枝分かれ状、または環状であってもよい。
1〜X4は、それぞれ独立に、アルキル基、水素原子、またはハロゲン原子のいずれかである。前記アルキル基は、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、または珪素原子を含んでいてもよい。nは1〜5の整数であってもよい。
以上の構成によれば、非水溶媒はアルカリ金属を十分に溶解できる。さらに、非水溶媒は高いイオン伝導性を有する。さらに、この非水溶媒を用いることにより耐酸化性に優れた電解液を実現できる。これにより、高電圧を発揮できる活物質の充放電反応に寄与することができる。ここで、高電圧とは、4V級であってもよい。
以上のように、実施の形態1においては、非プロトン性溶剤であるグライム誘導体が用いられうる。なお、グライム誘導体とは、グリコールジエーテル類を意味する。グライム誘導体は、炭素原子Cと酸素原子Oからなる結合双極子モーメントの大きなC−O結合を多数持っている。また、その結合の回転障壁の小ささから、グライム誘導体は多様な配座をとることができる。これらの理由から、グライム誘導体は、アルカリ金属カチオンに対して、強く相互作用し(すわなち、配位し)、アルカリ金属塩を溶解させる。さらに、アルカリ金属カチオンの表面電荷密度を十分に低下させることができる。
なお、上記の式(3)におけるX1〜X4は、全てが水素原子であってもよい。これに代えて、X1〜X4は、水素原子およびフッ素原子であってもよい。X1〜X4が水素原子およびフッ素原子である構成は、電気化学的安定性の点、および、アルカリ金属カチオンに対しての相互作用の強さの点で、優れる。
また、上記の式(3)におけるR5およびR6は、それぞれ独立に、飽和脂肪族基または芳香族基であってもよい。少なくともR5またはR6が飽和脂肪族基の場合、その飽和脂肪族基は、アルキル基、または、水素原子の一部がフッ素置換されているアルキル基であってもよい。このアルキル基の炭素数は、より少ないことが望ましい。アルキル基の炭素数を少なくすることにより、アルカリ金属カチオンに対する相互作用が立体的に阻害されることを低減することができる。例えば、炭素数は、4以下であることが望ましい。少なくともR5またはR6が芳香族基の場合、その芳香族基は、フェニル基、または、水素原子の一部がフッ素置換されているフェニル基であってもよい。以上の構成は、電気化学的安定性の点、および、アルカリ金属カチオンに対しての相互作用の強さの点で、優れる。
上記の式(3)におけるnは、エチレンオキシド単位の繰り返しを表す。nは、1〜5が望ましく、より望ましくは1〜4、最も望ましくは1である。nが1の場合、グライム誘導体に含まれる化合物は、その分子構造の小ささから粘度が小さい。このため、電解液がアルカリ金属カチオンと強く相互作用しつつも、アルカリ金属カチオンは電解液中を早く拡散することができる。実施の形態1における電池用電解液においては、上記の式(3)において、nは1であってもよい。X1はトリフルオロメチル基であってもよい。X2〜X4は、水素原子であってもよい。R5およびR6は、メチル基であってもよい。
また、上記の式(3)において、nは3であってもよい。X1〜X4は、水素原子であってもよい。R5およびR6は、トリフルオロエチル基であってもよい。
また、上記の式(3)において、nは6であってもよい。X1〜X4は、水素原子であってもよい。R5は、メチル基であってもよく、R6は、トリデカフルオロヘプチル基であってもよい。
以上の構成によれば、電解液中にフッ素原子を含ませることができる。これにより、高電圧を発揮できる活物質の充放電反応に寄与することができる。ここで、高電圧とは、4V級であってもよい。
また、非水溶媒に含まれる極性溶媒にフッ素原子を含有させることで、パーフルオロポリエーテル分子と極性溶媒の親和性を向上させることができる。このため、均一相溶によるエネルギー安定化の影響を大きくすることができる。
また、実施の形態1における電池用電解液においては、非水溶媒が、ゲル化されているゲル電解質を含んでもよい。
実施の形態1におけるアルカリ金属塩は、例えば、式MXで表されてもよい。ここで、アルカリ金属塩MXのMは、アルカリ金属であってもよい。また、アルカリ金属MXに代えて、マグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩である金属塩を用いてもよい。この金属塩は、カチオンとしてBe、Mgまたはアルカリ土類金属を含んでもよい。
また、アルカリ金属塩MXのXとしては、Cl、Br、I、BF4、PF6、CF3SO3、ClO4、CF3CO2、AsF6、SbF6、AlCl4、N(CF3SO22、N(FSO22、N(CF3CF2SO22、N(CF3SO2)(FSO2)、など、が用いられうる。アルカリ金属塩MXに代えて用いられる上記金属塩も、上記Xを含んでいてもよい。化学的安定性の観点から望ましいアルカリ金属塩MXのXは、BF4、PF6、ClO4、N(CF3SO22、およびN(CF3CF2SO22からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である。溶解性の観点から望ましいアルカリ金属塩MXのXは、N(CF3SO22、N(FSO22、N(CF3CF2SO22、およびN(CF3SO2)(FSO2)からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である。
すなわち、実施の形態1における電池用電解液においては、アニオンは、BF4 -、PF6 -、N(SO2CF32 -、N(SO2F)2 -、N(SO2CF2CF32 -、N(SO2−CF2CF2SO2−)-、および、[N−(SO2F)−(SO2CF3)]-、からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種であってもよい。
また、実施の形態1における電池用電解液においては、アルカリ金属カチオンは、リチウムイオンまたはナトリウムイオンのいずれかであってもよい。また、実施の形態1における電池用電解液においては、アルカリ金属カチオンに代えて、マグネシウムイオンを用いてもよい。
また、アルカリ金属塩は、一種の化合物であってもよく、また、二種以上の化合物の混合物であってもよい。
以上の構成によれば、アルカリ金属塩の溶解性を向上できる。さらに、高いイオン伝導性を有する電解液を実現できる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2が説明される。なお、上述の実施の形態1と重複する説明は、適宜、省略される。
実施の形態2における電池は、上述の実施の形態1における電池用電解液と、正極と、負極と、を備える。正極は、アルカリ金属カチオン、マグネシウムカチオン、またはアルカリ土類金属カチオンの吸蔵および放出が可能な正極活物質を含んでもよい。負極は、アルカリ金属カチオン、マグネシウムカチオン、またはアルカリ土類金属カチオンの吸蔵および放出が可能な負極活物質を含んでもよい。また、負極は、アルカリ金属カチオン、マグネシウムカチオン、またはアルカリ土類金属カチオンの溶解および析出が可能な負極活物質を含んでもよい。
以上の構成によれば、より安全性に優れる電池を実現できる。
実施の形態2における電池は、例えば、二次電池として、構成されうる。図1は、実施の形態2における電池の一例を示す模式的な断面図である。図1に示される電池は、正極13と、負極16と、セパレータ17と、外装18と、を備える。正極13は、正極集電体11と、その上に形成される正極合剤層12とで、構成される。負極16は、負極集電体14と、その上に形成される負極合剤層15とで、構成される。正極13と負極16とは、セパレータ17を介して、互いに対向している。
正極13と負極16とセパレータ17とが、外装18で覆われるようにして、電池が構成される。正極合剤層12は、アルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含んでいてもよい。
以下に、正極活物質の例が示される。
アルカリ金属がリチウムの場合には、正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる公知の材料が用いられうる。具体的には、正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属酸化物、など、が用いられうる。具体的には、正極活物質としては、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物、マンガンの酸化物、五酸化バナジウム(V25)に代表されるバナジウムの酸化物など、が用いられうる。また、正極活物質は、これらの酸化物からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を含む混合物であってもよい。また、正極活物質は、コバルト、ニッケル、マンガン、およびバナジウムからなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を含む複合酸化物であってもよい。
正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などの、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物が用いられうる。また、正極活物質としては、遷移金属のケイ酸塩、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)に代表される遷移金属のリン酸塩、など、が用いられうる。
アルカリ金属がナトリウムの場合には、正極活物質としては、ナトリウムイオンを吸蔵および放出することができる公知の正極活物質が用いられうる。具体的には、正極活物質としては、遷移金属酸化物、ナトリウム含有遷移金属酸化物、など、が用いられうる。具体的には、正極活物質としては、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物、マンガンの酸化物、五酸化バナジウム(V25)に代表されるバナジウムの酸化物など、が用いられうる。また、正極活物質は、これらの酸化物からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を含む混合物であってもよい。また、正極活物質は、コバルト、ニッケル、マンガン、およびバナジウムからなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を含む複合酸化物であってもよい。また、正極活物質としては、マンガン酸ナトリウム(NaMnO2)などの、ナトリウムと遷移金属とを含む複合酸化物が用いられうる。また、正極活物質としては、遷移金属のケイ酸塩、遷移金属のリン酸塩、など、が用いられうる。
正極集電体11としては、金属材料で作られた、多孔質または無孔のシートまたはフィルム、が用いられうる。この金属材料は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、などである。この金属材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、およびチタンからなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を含む合金であってもよい。アルミニウム、または、その合金であれば、安価で薄膜化しやすい。シートまたはフィルムとしては、金属箔、メッシュ、など、が用いられうる。抵抗値の低減、触媒効果の付与、または正極合剤層12と正極集電体11との結合強化のために、正極集電体11の表面にカーボンなどの炭素材料が塗布されてもよい。
負極合剤層15は、アルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含んでいてもよい。以下に、負極活物質の例が示される。
アルカリ金属がリチウムの場合、負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる公知の材料が用いられうる。例えば、負極活物質としては、リチウム金属単体、リチウム金属合金、炭素、金属酸化物、など、が用いられうる。炭素としては、例えば、黒鉛、ハードカーボンまたはコークスといった非黒鉛系炭素、が用いられうる。金属酸化物としては、例えば、Li4Ti512で表されるチタン酸リチウム、など、が用いられうる。リチウム金属合金としては、例えば、ケイ素化合物、錫化合物、およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種とリチウムの合金、など、が用いられうる。
アルカリ金属がナトリウムの場合、負極活物質としては、ナトリウムイオンを吸蔵および放出することができる公知の材料が用いられうる。例えば、負極活物質としては、ナトリウム金属単体、ナトリウム金属合金、炭素、金属酸化物、など、が用いられうる。炭素としては、例えば、黒鉛、ハードカーボンまたはコークスといった非黒鉛系炭素、が用いられうる。金属酸化物としては、例えば、Na2Ti37で表されるチタン酸ナトリウム、など、が用いられうる。ナトリウム金属合金としては、例えば、錫化合物、ゲルマニウム化合物、亜鉛化合物、ビスマス化合物、およびインジウム化合物からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種とナトリウムの合金、など、が用いられうる。
負極集電体14としては、金属材料で作られた、多孔質または無孔のシートまたはフィルム、が用いられうる。この金属材料は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、などである。この金属材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、および銅からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を含む合金であってもよい。アルミニウム、または、その合金であれば、安価で薄膜化しやすい。シートまたはフィルムとして、金属箔、メッシュ、など、が用いられうる。抵抗値の低減、触媒効果の付与、または負極合剤層15と負極集電体14との結合強化のために、負極集電体14の表面にカーボンなどの炭素材料が塗布されてもよい。
正極合剤層12、および、負極合剤層15は、導電助剤、イオン伝導体、バインダー、など、を含んでいてもよい。
導電助剤は、電極抵抗を低減するために、用いられうる。導電助剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラックなどの炭素材料、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子、など、が用いられうる。
イオン伝導体は、電極抵抗を低減するために、用いられうる。イオン伝導体としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのゲル電解質、ポリエチレンオキシドなどの固体電解質、など、が用いられうる。
バインダーは、電極を構成する材料の結着性を向上するために、用いられうる。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、など、が用いられうる。
セパレータ17としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラス、セルロース、セラミックス、などからなる多孔質膜が用いられうる。多孔質膜は、その細孔内部に電解質が含浸されて用いられうる。
以下、実施例および比較例に係る電解液、および、それを用いた電池の作製方法および評価結果が、説明される。実施例中の電解液は、全て、アルゴングローブボックス内で調合した。なお、本開示の構成は、以下に説明される実施例のみに限定されない。
≪実施例1≫
パーフルオロポリエーテルと、リン酸エステル溶媒と、アルカリ金属塩と、を使用して、非水電解液を調合した。
当該パーフルオロポリエーテルとして、上記の式(1)において、pが0、qが1、であり、βが3、であり、R1は、Cγ−COO−Cy2y+1で表されるアルキルカルボン酸エステル(ここで、γは2、yは1)であり、Rfは、CF2−CF2−CF3である、パーフルオロポリエーテルPerfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoic acid),methyl esterを用いた。
当該リン酸エステル溶媒として、フッ素化リン酸エステル(TFEP)を用いた。すなわち、上記の式(2)の置換基R2〜R4が、トリフルオロエチル基(CF3−CH2−)である化合物(TFEP)を用いた。
当該アルカリ金属塩として、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiN(FSO22)を用いた。
また、当該パーフルオロポリエーテルと、当該リン酸エステルとを、体積比が1対1の混合溶媒となるように混合し、そこに当該アルカリ金属塩を溶解させた。
このとき、非水電解液全体に対するLiイオン濃度は、0.2モル濃度であった。
以上により、実施例1の非水電解液を得た。
≪実施例2≫
リン酸エステル溶媒の代わりに、グライム誘導体を用いた以外は、実施例1と同様にして、非水電解液を調合した。
当該グライム誘導体として、上記の式(3)において、nが1であり、X1はトリフルオロメチル基であり、X2〜X4は水素原子であり、R5およびR6はメチル基である化合物を用いた。
このとき、非水電解液全体に対するLiイオン濃度は、0.2モル濃度であった。
以上により、実施例2の非水電解液を得た。
≪実施例3≫
グライム誘導体として、上記の式(3)において、nが3であり、X1〜X4は水素原子であり、R5およびR6はトリフルオロエチル基である化合物を用いた。これ以外は、実施例2と同様にして、非水電解液を調合した。
このとき、非水電解液全体に対するLiイオン濃度は、0.2モル濃度であった。
以上により、実施例3の非水電解液を得た。
≪実施例4≫
グライム誘導体として、上記の式(3)において、nが6であり、X1〜X4は水素原子であり、R5がメチル基であり、R6がトリデカフルオロヘプチル基である化合物を用いた。これ以外は、実施例2と同様にして、非水電解液を調合した。
このとき、非水電解液全体に対するLiイオン濃度は、0.2モル濃度であった。
以上により、実施例4の非水電解液を得た。
≪比較例1≫
パーフルオロポリエーテルとして、分子両末端が官能基化されていないパーフルオロポリエーテル(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製ガルデンHT−80)を用いた。すなわち、比較例1のパーフルオロポリエーテルとして、両側の分子末端がトリフルオロメチルであるパーフルオロポリエーテルを用いた。
これ以外は、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解液を得た。
≪比較例2≫
パーフルオロポリエーテルとして、比較例1と同じパーフルオロポリエーテルを用いた。
これ以外は、実施例2と同様にして、比較例2の非水電解液を得た。
≪比較例3≫
パーフルオロポリエーテルとして、比較例1と同じパーフルオロポリエーテルを用いた。
これ以外は、実施例3と同様にして、比較例3の非水電解液を得た。
≪比較例4≫
パーフルオロポリエーテルとして、比較例1と同じパーフルオロポリエーテルを用いた。
これ以外は、実施例4と同様にして、比較例4の非水電解液を得た。
[相溶性および導電性評価]
実施例1〜4および比較例1〜4の非水電解液の相溶性を、目視により評価した。この結果、均一に混ざり合っていた非水溶媒に関して、導電率測定を行った。導電率の測定は、25℃で行った。
表1に、実施例1〜4および比較例1〜4の相溶性および導電率の評価結果を示す。
Figure 0006890297
なお、表1における「相溶性:○」は、アルカリ金属塩の析出、または、溶媒同士の相分離が、確認されなかったことを意味する。また、表1における「相溶性:×」は、アルカリ金属塩の析出、または、溶媒同士の相分離が、確認されたことを意味する。
表1に示されるように、片側の分子末端に官能基を有しているパーフルオロポリエーテルとアルカリ金属塩とを含む実施例1〜4の非水電解液は、溶媒の相分離およびアルカリ金属塩の析出は確認されず、均一溶媒を得ることができた。
また、片側の分子末端が官能基修飾されたパーフルオロポリエーテルを含む実施例1〜4の非水電解液は、パーフルオロポリエーテルの体積比率が50%であり、従来よりも多くの割合で均一に混合することができた。
一方、分子末端が官能基化されていない(すなわち、両側の分子末端がフルオロアルキル基である)パーフルオロポリエーテルを用いた比較例1〜4の非水電解液は、均一な溶液とならず、相分離が確認された。
したがって、アルカリ金属塩を溶解させ、かつ、均一な溶液を得るためには、パーフルオロポリエーテルの片側の分子末端に導入された官能基が有効であることが確認された。
以上の結果から、本開示における電池用電解液は、より安全性に優れる電解液を実現できることが示された。
本開示の電解液は、電池の電解液として利用されうる。
11 正極集電体
12 正極合剤層
13 正極
14 負極集電体
15 負極合剤層
16 負極
17 セパレータ
18 外装

Claims (15)

  1. 非水溶媒と、マグネシウム塩、アルカリ土類金属塩またはアルカリ金属塩である金属塩とを含み、
    前記金属塩は、前記非水溶媒に溶解しており、
    前記非水溶媒は、パーフルオロポリエーテルを含み、
    前記非水溶媒に対する前記パーフルオロポリエーテルの体積割合は、10%以上75%以下であり、
    前記パーフルオロポリエーテルは、下記の式(1)で表される化合物である、
    電池用電解液。
    f −O−(C α −O−) p −(C β −O−) q −R 1 ・・・(1)
    ここで、R f は、パーフルオロアルキル基であり、直鎖状、枝分かれ状、または環状であり、R 1 、αおよびβは、下記の(a)から(c)のいずれかを満たす。繰り返し単位数であるpおよびqは、それぞれ独立して、0以上20以下の整数である。
    (a)前記R 1 は、C γ −C x 2x −O−C(=O)−OC y 2y+1 で表されるアルキル炭酸エステルであり、
    前記γは、2であり、
    前記xは、1であり、
    前記yは、1であり、
    前記αは、3であり、
    前記βは、3である、
    (b)前記R 1 は、C γ −COO−C y 2y+1 で表されるアルキルカルボン酸エステルであり、
    前記γは、2であり、
    前記yは、1であり、
    前記αは、3であり、
    前記βは、3である、
    (c)前記R 1 は、C γ −C x 2x −O−C y 2y+1 で表されるアルキルエーテルであり、
    前記γは、2であり、
    前記xは、1であり、
    前記yは、1であり、
    前記αは、3であり、
    前記βは、3である。
  2. pとqの和が1以上である、請求項に記載の電池用電解液。
  3. 前記非水溶媒は、リン酸エステルおよびグライム誘導体からなる群から選択される少なくともいずれか一種を含む、
    請求項1または2に記載の電池用電解液。
  4. 前記非水溶媒は、リン酸エステルを含み、
    前記リン酸エステルは、下記の式(2)で表される化合物を含む、
    請求項に記載の電池用電解液。
    Figure 0006890297
    ここで、R2〜R4は、それぞれ独立して、芳香族基または不飽和脂肪族基または飽和脂肪族基を示す。前記芳香族基および前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、ハロゲン原子または窒素原子または酸素原子または硫黄原子または珪素原子を含む。前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、直鎖状または環状である。
  5. 前記R2〜R4は、トリフルオロエチル基である、
    請求項に記載の電池用電解液。
  6. 前記非水溶媒は、グライム誘導体を含み、
    前記グライム誘導体は、下記の式(3)で表される化合物を含む、
    請求項に記載の電池用電解液。
    Figure 0006890297
    ここで、R5〜R6は、それぞれ独立して、芳香族基または不飽和脂肪族基または飽和脂肪族基を示す。前記芳香族基および前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、ハロゲン原子または窒素原子または酸素原子または硫黄原子または珪素原子を含む。前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、直鎖状または枝分かれ状または環状である。X1〜X4は、それぞれ独立に、アルキル基または水素原子またはハロゲン原子である。前記アルキル基は、ハロゲン原子または窒素原子または酸素原子または硫黄原子または珪素原子を含む。nは1〜5の整数である。
  7. 前記nは、1であり、
    前記X1は、トリフルオロメチル基であり、
    前記X2〜X4は、水素原子であり、
    前記R5および前記R6は、メチル基である、
    請求項に記載の電池用電解液。
  8. 前記nは、3であり、
    前記X1〜X4は、水素原子であり、
    前記R5および前記R6は、トリフルオロエチル基である、
    請求項に記載の電池用電解液。
  9. 前記nは、6であり、
    前記X1〜X4は、水素原子であり、
    前記R5は、メチル基であり、
    前記R6は、トリデカフルオロヘプチル基である、
    請求項に記載の電池用電解液。
  10. 非水溶媒と、マグネシウム塩、アルカリ土類金属塩またはアルカリ金属塩である金属塩とを含み、
    前記金属塩は、前記非水溶媒に溶解しており、
    前記非水溶媒は、パーフルオロポリエーテルを含み、
    前記非水溶媒に対する前記パーフルオロポリエーテルの体積割合は、10%以上75%以下であり、
    前記パーフルオロポリエーテルは、片側の分子末端のみが官能基修飾されており、
    前記パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロアルキル鎖と酸素とが交互に結合された繰り返し単位を含み、
    前記非水溶媒は、グライム誘導体を含み、
    前記グライム誘導体は、下記の式(3)で表される化合物を含む、
    電池用電解液。
    Figure 0006890297
    ここで、上記式(3)は、下記の(a)から(c)のいずれかを満たす。
    (a)前記nは、1であり、
    前記X 1 は、トリフルオロメチル基であり、
    前記X 2 〜X 4 は、水素原子であり、
    前記R 5 および前記R 6 は、メチル基である、
    (b)前記nは、3であり、
    前記X 1 〜X 4 は、水素原子であり、
    前記R 5 および前記R 6 は、トリフルオロエチル基である、
    (c)前記nは、6であり、
    前記X 1 〜X 4 は、水素原子であり、
    前記R 5 は、メチル基であり、
    前記R 6 は、トリデカフルオロヘプチル基である。
  11. 前記金属塩はアルカリ金属塩である請求項1から10のいずれかに記載の電池用電解液。
  12. 前記パーフルオロポリエーテルの重量平均分子量は、350以上2000以下である、
    請求項1から11のいずれかに記載の電池用電解液。
  13. 前記金属塩は、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなり、
    前記アニオンは、BF4 -、PF6 -、N(SO2CF32 -、N(SO2F)2 -、N(SO2CF2CF32 -、N(SO2−CF2CF2SO2−)-、および、[N−(SO2F)−(SO2CF3)]-、からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である、
    請求項1から12のいずれかに記載の電池用電解液。
  14. 前記金属塩は、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなり、
    前記アルカリ金属カチオンは、リチウムイオンまたはナトリウムイオンのいずれかである、
    請求項1から13のいずれかに記載の電池用電解液。
  15. 前記金属塩は、アルカリ金属カチオンとアニオンとからなり、
    請求項1〜14のいずれかに記載の電池用電解液と、
    前記アルカリ金属カチオンの吸蔵および放出が可能な正極活物質を含む正極と、
    前記アルカリ金属カチオンの吸蔵および放出が可能な負極活物質を含む負極と、
    を備える、電池。
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