JP2015028905A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電池としての基本性能を備え、高分子電解質を用いた場合でも高いエネルギー密度を有し、充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】
正極にトリピラジニレン系化合物と炭素化合物を含有し、電解質として特定のポリエーテル共重合体および電解質塩化合物を適宜選択し、負極で挟持することで、電池としての基本性能を備え、高いエネルギー密度で充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、正極材料、非水電解質、および負極材料からなる非水電解質二次電池に関するものであり、より詳細には、正極材料にトリピラジニレン系化合物と炭素化合物を含有し、非水電解質に特定のポリエーテル共重合体を含有することにより、高温環境下での充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池に関するものである。
従来、リチウムイオン電池に代表される非水電解質二次電池は、電解質にイオン導電性の点から溶液またはペースト状のものが用いられている。しかし、液漏れによる機器の損傷の恐れがあることから、種々の安全対策が必要であり、大型電池開発の障壁になっている。
これに対し無機結晶性物質、無機ガラス、有機高分子系物質等の固体電解質が提案されている。しかしながら、無機系電解質はイオン導電性が高いものの、電解質が結晶質あるいは非晶質からなり、充放電時の正負極活物質による体積変化の緩和が難しいため、電池の大型化が困難である。一方、有機高分子系物質は一般に柔軟性、曲げ加工性、および成形性に優れ、応用されるデバイスの設計の自由度が高くなる等の点から、その進展が期待される。
有機高分子固体電解質は、従来リチウムイオン電池に用いられている正負極材料と組み合わせることができれば、より高い安全性を有した大型電池の開発が可能となる。しかしながら、これまで上記の正負極材料と高分子固体電解質を用いた電池については良好な特性が報告されていなかった。
例えば、リチウムイオン導電性ポリマー(高分子固体電解質)と正極遷移金属酸化物の組み合わせに関する既報告としては、特許文献1に、正極付近に位置する有機電解質の劣化を抑制する目的として無機材料を用いて正極表面が保護されており、これによりサイクル寿命が向上したとの報告がある。しかしながら、50サイクル経過時に初期容量の60%まで放電容量まで低下しており、サイクル寿命に関しては問題があった。
一方、リチウムイオン二次電池における正極の遷移金属酸化物中でのリチウムイオンの移動速度が遅い課題を解決すべく、近年、有機化合物を正極活物質とする二次電池が提案されている。そして、これら有機化合物のうち有機ラジカル化合物を利用した二次電池の研究開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献2には、ジアジンN,N’−ジオキサイド構造を有する化合物を電極活物質として含有した電極が提案され、特許文献3には、ジアジンN,N’−ジオキサイド構造を側鎖に有するオリゴマーまたはポリマー化合物を含有する電極活物質が提案されている。
特許文献3では、シクロアルカンに結合されたピラジン構造を構成単位中に含有する有機化合物は、多電子反応が可能であり、しかも酸化還元反応の安定性にも優れ、少ない分子量で多くの電気量を充電することができるという知見を得た。
しかしながら、特許文献4に記載されているような電解液を使用しない場合、正極と負極の間に高分子固体電解質等の固体電解質を介在させる。このような場合、固体電解質と電極間の界面の接触性が非常に重要となり、電極―固体電解質界面の接触の面でも問題があった。
特開2003−338321号公報 特開2003−115297号公報 特開2012−79479号公報 特開2007−157496号公報
以上のような事情を鑑み、本発明の課題は、電池としての基本性能を備え、特定の有機化合物の正極活物質を用いた場合でも高容量で充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、正極にトリピラジニレン系化合物と炭素化合物を含有し、電解質組成物として特定のポリエーテル共重合体および電解質塩化合物を適宜選択し、負極で挟持することで、電池としての基本性能を備え、高いエネルギー密度を有し、充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、具体的には
項1
少なくとも、
(i)式(1):
Figure 2015028905
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、nは0〜12の整数である。]
で示される単量体から誘導される繰り返し単位5〜95モル%、および
式(2):
Figure 2015028905
で示される単量体から誘導される繰り返し単位95〜5モル%、および
式(3):
Figure 2015028905
[式中、Rはエチレン性不飽和基である。] で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜10モル%から構成されるポリエーテル共重合体またはその架橋物ならびに電解質塩化合物が含まれる電解質組成物、(ii)式(4):
Figure 2015028905
(ただし、式中、R〜R11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、チオアリール基、チオアルキル基、複素環基、ホルミル基、シリル基、ボリル基、スタンニル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、およびハロゲン原子の少なくともいずれか1種を示す。R〜R11は同一の場合を含み、互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を形成する場合を含む。)
で表わされるトリピラジニレン系化合物を正極活物質として含む正極、そして負極を備えることを特徴とする非水電解質二次電池である。
項2
前記正極が正極活物質と導電助剤と結着剤との混合物を有し、かつ、その正極活物質として式(4)で表されるトリピラジニレン系化合物を、その導電助剤として炭素化合物をそれぞれ使用することを特徴とする項1に記載の非水電解質二次電池である。
項3
前記負極が負極活物質と導電助剤と結着剤との混合物を有し、かつ、その負極活物質が、リチウム、カーボン、シリコン系化合物、スズ系化合物、アルミニウム系化合物、チタン系化合物のうちの1種、あるいは2種以上の混合物からなることを特徴とする項1または2に記載の非水電解質二次電池である。
項4
前記電解質組成物が、非プロトン性有機溶媒を含有することを特徴とする項1〜3のいずかに記載の非水電解質二次電池である。
項5
前記非プロトン性有機溶媒が、エーテル類およびエステル類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項4に記載の非水電解質二次電池である。
項6
式(1):
Figure 2015028905
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、nは0〜12の整数である。]
で示される単量体から誘導される繰り返し単位5〜95モル%、および
式(2):
Figure 2015028905
で示される単量体から誘導される繰り返し単位95〜5モル%、および
式(3):
Figure 2015028905
[式中、Rはエチレン性不飽和基である。] で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜10モル%から構成されるポリエーテル共重合体またはその架橋物を、前記正極および/または負極の表面上に存在させるか、あるいは、前記正極および/または負極の内部に一構成成分として存在させることを特徴とする項1〜5に記載の非水電解質二次電池である。
本発明によれば、正極にトリピラジニレン系化合物からなる電極活物質と炭素化合物を含有し、電解質組成物として特定のポリエーテル共重合体および電解質塩化合物を含有し、負極と挟持することで電池としての基本性能を備え、高容量で充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
式(1)の化合物は市販品からの入手、またはエピハロヒドリンとアルコールからの一般的なエーテル合成法等により容易に合成が可能である。市販品から入手可能な化合物としては、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシヘプタン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシへキサン、グリシジルフェニルエーテル、1,2−エポキシペンタン、グリシジルイソプロピルエーテル等が使用できる。これら市販品のなかでは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテルが好ましく、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテルが特に好ましい。
合成によって得られる式(1)で表される単量体では、Rは−CHO(CR)が好ましく、R、R、Rの少なくとも一つが−CHO(CHCHO)であることが好ましい。Rは炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4がより好ましい。nは0〜6が好ましく、0〜4がより好ましい。
式(2)の化合物は基礎化学品であり、市販品を容易に入手可能である。
式(3)の化合物において、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基である。エチレン性不飽和基含有のモノマー成分としては、アリルグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、α-テルピニルグリシジルエーテル、シクロヘキセニルメチルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルフェニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、4,5−エポキシ−2−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカンジエン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5−シクロオクテン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ソルビン酸グリシジル、ケイ皮酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、グリシジル−4−ヘキセノエートが用いられる。好ましくは、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルである。
本発明のポリエーテル共重合体(i)は、(A):式(1)の単量体から誘導された繰り返し単位
Figure 2015028905
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびR4はR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、nは0〜12の整数である。]
および
(B):式(2)の単量体から誘導された繰り返し単位、
Figure 2015028905
および必要なら、
(C):式(3)の単量体から誘導された繰り返し単位、
Figure 2015028905
[式中、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基である。]
から構成される。
ここで繰り返し単位(A)および(C)は、それぞれ2種以上のモノマーから誘導されるものであってもよい。
本発明のポリエーテル共重合体の合成は次のようにして行える。開環重合触媒として有機アルミニウムを主体とする触媒系、有機亜鉛を主体とする触媒系、有機スズ-リン酸エステル縮合物触媒系等の配位アニオン開始剤、または対イオンにKを含むカリウムアルコキシド、ジフェニルメチルカリウム、水酸化カリウム等のアニオン開始剤を用いて、各モノマーを溶媒の存在下又は不存在下、反応温度10〜120℃、撹拌下で反応させることによってポリエーテル共重合体が得られる。重合度、あるいは得られる共重合体の性質等の点から、配位アニオン開始剤が好ましく、なかでも有機スズ-リン酸エステル縮合物触媒系が取り扱い易く特に好ましい。
本発明のポリエーテル共重合体においては、繰り返し単位(A)、(B)、および(C)のモル比が、(A)5〜95モル%、(B)95〜5モル%、および(C)0〜10モル%が適当であり、好ましくは(A)10〜95モル%、(B)90〜5モル%、および(C)0〜10モル%、更に好ましくは(A)10〜80モル%、(B)90〜20モル%、および(C)0〜10モル%である。繰り返し単位(B)が95モル%を越えるとガラス転移温度の上昇とオキシエチレン鎖の結晶化を招き、結果的に固体電解質のイオン導電性を著しく悪化させることとなる。一般にポリエチレンオキシドの結晶性を低下させることによりイオン導電性が向上することは知られているが、本発明のポリエーテル共重合体はこの点において格段に優れている。
本発明のポリエーテル共重合体の分子量は、良好な加工性、機械的強度、柔軟性を得るために、重量平均分子量10〜10の範囲内、好ましくは5×10〜5×10の範囲内、さらに好ましくは10〜5×10の範囲内のものが適する。重量平均分子量が10未満の共重合体では、形状安定性を高めるために架橋密度を高くする必要があるために、プラスチック状のものしか得られず、伸びも殆どなく、イオン導電性が低い。重量平均分子量が10より大きい共重合体では、著しく加工性が悪く取り扱いが困難である。
本発明のポリエーテル共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体いずれの共重合タイプでも良い。ランダム共重合体の方がよりポリエチレンオキシドの結晶性を低下させる効果が大きいので好ましい。
電極間の短絡を抑制するために架橋高分子固体電解質を電極間に介在することが好ましい。架橋高分子固体電解質は、例えば、予め架橋を施した高分子固体電解質膜を電極間に貼り合わせる手法、負極の表面にラジカル重合開始剤を含む高分子固体電解質を配してから、これに架橋を施す手法によって導入することができる。
本発明の架橋高分子固体電解質は、ポリエーテル共重合体、ラジカル重合開始剤を含む組成物に電解質塩化合物を共存させて電解質を構成し、非プロトン性有機溶媒の存在下または不存在下に、熱を加えるもしくは紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって架橋した架橋体である。
熱による架橋の場合では、有機過酸化物、アゾ化合物等から選ばれるラジカル重合開始剤が用いられる。有機過酸化物としては、ケトンパーオキシド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキシド、ジアルキルパーオキシド、ジアシルパーオキシド、パーオキシエステル等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、アゾ化合物としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、通常架橋用途に使用されているものが用いられる。ラジカル重合開始剤の添加量は種類により異なるが、通常、ポリエーテル共重合体を100重量%として0.1〜10重量%の範囲内である。
活性エネルギー線を照射する架橋の場合のラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チタノセン類、トリアジン類、ビスイミダゾール類、オキシムエステル類等が用いられる。これらのラジカル重合開始剤の添加量は種類により異なるが、通常、ポリエーテル共重合体を100重量%として0.01〜5.0重量%の範囲内である。
本発明においては、高分子固体電解質に架橋を施す場合に架橋助剤を使用してもよい。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH=CH−、CH=CHCH−、CF=CF−を少なくとも2個含む化合物)である。
本発明において用いることができる電解質塩化合物は、ポリエーテル共重合体またはその架橋物、および必要なら非プロトン性有機溶媒からなる混合物に相溶することが好ましい。ここで相溶とは電解質塩が結晶化等して析出してこない状態を意味する。
本発明の電解質塩化合物としてはLiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO以外の電解質塩化合物を含んでいてもよく、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、が挙げられる。
本発明において、電解質塩化合物の使用量は、電解質塩化合物のモル数/ポリエーテル共重合体のエーテル酸素原子の総モル数の値が0.0001〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜0.5の範囲がよい。
本発明では非プロトン性有機溶媒やイオン液体を、例えば可塑剤として添加してよい。高分子固体電解質組成物に非プロトン性有機溶媒やイオン液体を混入すると、ポリマーの結晶化が抑制されガラス転移温度が低下し、低温でも無定形相が多く形成されるためにイオン導電性が良くなる。非プロトン性有機溶媒やイオン液体は、本発明で使用できる高分子固体電解質組成物と組み合わせることで、内部抵抗の小さい高性能の電池を得るのに適している。本発明の高分子固体電解質は、非プロトン性有機溶媒やイオン液体と組み合わせることでゲル状となってもよい。ここで、ゲルとは溶媒によって膨潤した高分子である。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性のエーテル類およびエステル類が好ましい。具体的には、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルモノグライム、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルモノグライム、エチルジグライム、エチルトリグライム、エチルメチルモノグライム、ブチルジグライム、3−メチル−2−オキサゾリドン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4-メチル−1,3-ジオキソラン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等が挙げられ、中でも、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート、エチレンカーボネート、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルトリグライム、エチルメチルモノグライムが好ましい。これらの2種以上の混合物を用いてもよい。
イオン液体としては、ピリジン系、脂肪族アミン系、脂環族アミン系の4級アンモニウム有機物カチオンが知られている。4級アンモニウム有機物カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウム、トリアルキルイミダゾリウム等のイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン等が挙げられる。特に、イミダゾリウムカチオンが好ましい。
なお、テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、アルキルピリジウムイオンとしては、N−メチルピリジウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−エチル−2メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4ジメチルピリジニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イミダゾリウムカチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン等が挙げられ、トリアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらのカチオンを有するイオン液体は、単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩化合物および必要な非プロトン性有機溶媒やイオン液体をポリエーテル共重合体に混合する方法に特に制限はないが、電解質塩化合物および必要な非プロトン性有機溶媒やイオン液体を含む溶液にポリエーテル共重合体を長時間浸漬して含浸させる方法、電解質塩化合物および必要な非プロトン性有機溶媒やイオン液体をポリエーテル共重合体へ機械的に混合させる方法、ポリエーテル共重合体および電解質塩化合物を非プロトン性有機溶媒やイオン液体に溶かして混合させる方法あるいはポリエーテル共重合体を一度他の溶媒に溶かした後、非プロトン性有機溶媒やイオン液体を混合させる方法等がある。他の溶媒を使用して製造する場合の他の溶媒としては各種の極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が単独、或いは混合して用いられる。他の溶媒は、ポリエーテル共重合体を架橋する場合には、架橋前、架橋する間または架橋した後に除去できる。
正極は、例えば電極材料基板としての金属電極基板と、金属電極基板上に正極活物質、導電助剤、および電解質と良好なイオンの授受を行い、かつ、導電助剤と正極活物質を金属基板に固定するための結着剤より構成されている。この場合の金属電極基板には、例えばアルミニウムが用いられるが、これに限るものではなく、ニッケル、ステンレス、金、白金、チタン等であってもよい。
正極活物質と電解質との界面抵抗を低減させるために、本発明のポリエーテル共重合体またはその架橋物を、正極の表面上に存在させるか、あるいは、正極の内部に一構成成分として存在させてもよい。
正極活物質としての、シクロアルカンに結合したピラジン構造を構成単位中に含有したトリピラジニレン系化合物は、具体的には一般式(4)で表わすことができる。
Figure 2015028905
ここで、R〜R11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、チオアリール基、チオアルキル基、複素環基、ホルミル基、シリル基、ボリル基、スタンニル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、およびハロゲン原子の少なくともいずれか1種を示す。R〜R11は同一の場合を含み、互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を形成する場合を含む。好ましくは、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、シアノ基、ニトロ基、およびR〜R11はお互いに連結した不飽和の環を形成した構造である。
上記一般式(4)の分子量が大きくなると活物質単位質量あたりに蓄積できる電荷量が小さくなるので、分子量は、230〜1,200の範囲内、好ましくは230〜1,000の範囲内のものが適する。
上記一般式(4)は、電気化学的な還元反応により、ポリアニオンを生成する。トリピラジニレン系化合物の1分子が6個の電子と反応して、ポリアニオンを生成すると考えられることから、一電子反応の場合に比べ容量密度を飛躍的に大きくすることができる。
更に、本発明においては、正極を保持するために導電助剤として、炭素化合物を該正極製造時の乾燥(焼成)工程後において正極活物質であるトリピラジニレン系化合物と含有させる。導電助剤としての炭素化合物としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、グラファイト等の導電性カーボンや、導電性ポリマー、金属粉末等が挙げられるが、導電性カーボンが特に好ましい。トリピラジニレン系化合物と炭素化合物の重量比は、5:95〜95:5の範囲内が好ましい。
負極材料は、例えば電極材料基板としての金属電極基板と、金属電極基板上に負極活物質、および電解質と良好なイオンの授受を行い、かつ、導電助剤と負極活物質を金属基板に固定するための結着剤より構成されている。この場合の金属電極基板には、例えば銅が用いられるが、これに限るものではなく、ニッケル、ステンレス、金、白金、チタン等であってもよい。
負極活物質と電解質との界面抵抗を低減させるために、本発明のポリエーテル共重合体またはその架橋物を、負極の表面上に存在させるか、あるいは、負極の内部に一構成成分として存在させてもよい。
本発明で使用される負極活物質は、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを吸蔵・放出可能な構造(多孔質構造)を有する炭素材料(天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等)か、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを吸蔵・放出可能なリチウム、アルミニウム系化合物、スズ系化合物、シリコン系化合物等の金属からなる粉末である。粒子径は10nm以上100μm以下が好ましく、更に好ましくは20nm以上20μm以下である。また、金属と炭素材料との混合活物質として用いてもよい。
結着剤として、例えばフッ素系結着剤やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体から選ばれる1種以上の化合物を用いることができる。また、耐酸化性、少量で充分な密着性、極板に柔軟性が得られるためアクリル系重合体を用いることが好ましい。これら結着剤は金属電極基板を除いた電極に対して、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%添加する。
また、電極に含まれるものとしては増粘剤を挙げることもできる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等もしくはこれらのアルカリ金属塩、ポリエチレンオキサイド等である。これら増粘剤は金属電極基板を除いた電極に対して、好ましくは0〜10重量%添加する。
正極活物質や負極活物質等の金属電極基板への形成は、ドクターブレード法やシルクスクリーン法等により行われる。
例えばドクターブレード法では、正極活物質や負極活物質を水もしくはN−メチルピロリドン等の有機溶剤に分散してスラリー状にしたものを金属電極基板に塗布した後、所定のスリット幅を有するブレードにより適切な厚さに均一化する。電極は活物質塗布後、余分な溶剤を除去するため、40℃以上、好ましくは50〜150℃、更に好ましくは80〜120℃で乾燥する。乾燥後の電極はプレス装置によってプレス成型することで電極材が製造される。例えば、圧力0〜5ton/cm、特に0〜2ton/cmで圧着したものを用いることが好ましい。
その後、電極材料の表面に高分子固体電解質を例えばドクターブレード法等を用いて塗布する。高分子固体電解質は、その粘度に応じてアセトニトリル等の溶剤と混合し、適切な粘度に調整したのち塗布し、必要に応じて静置し、多孔質部分に高分子固体電解質溶液を含浸させ、これを加熱乾繰させてもよい。溶剤乾燥後の塗布層(高分子固体電解質)の厚みは400μm以下が好ましく、更に好ましくは200μm以下である。
高分子固体電解質組成物を塗布した正極電極および負極電極を重ね合わせることで非水電解質二次電池が組み上げられる。この際、塗布した高分子固体電解質の厚み、あるいは機械的強度が不十分な場合、電極材間に架橋高分子固体電解質を介在させることが好ましい。架橋高分子固体電解質は、別途作製した架橋高分子固体電解質膜を電極間に介在させる手法、活物質表面に配した高分子固体電解質組成物に架橋を施す手法によって導入することができる。
なお、正極材料のみの特性を評価する際には、対極にリチウムシートを用いることで、電極材料の可逆性を評価できる。また、正極材料と負極材料の組み合わせ評価の場合には、リチウムシートを用いず、正極材料と炭素系負極材料との組み合わせが用いられる。
実施例
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、正極と、非水電解質と、負極とからなる非水電解質二次電池において、可逆容量、サイクル性能を比較するために以下の実験を行った。
[合成例1(ポリエーテル共重合用触媒の製造)]
撹拌機、温度計及び蒸留装置を備えた3つ口フラスコにトリブチルスズクロライド10g及びトリブチルホスフェート35gを入れ、窒素気流下に撹拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ残留物として固体状の縮合物質を得た。以下の重合例で重合触媒として用いた。
ポリエーテル共重合体のモノマー換算組成はH NMRスペクトルにより求めた。
ポリエーテル共重合体の分子量測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を算出した。GPC測定は(株)島津製作所製RID−6A、昭和電工(株)製ショウデックスKD-807、KD-806、KD-806MおよびKD-803カラム、および溶媒にDMFを用いて60℃で行った。
[重合例1]
内容量3Lのガラス製4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに重合触媒として触媒の合成例で示した縮合物質1gと水分10ppm以下に調整したグリシジルエーテル化合物(a):
Figure 2015028905
150g、及び溶媒としてn−ヘキサン1,000gを仕込み、化合物(a)の重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、エチレンオキシド150gを逐次添加した。このときの重合温度は20℃とし、10時間反応を行った。重合反応はメタノールを1mL加え反応を停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、常圧下40℃で24時間、更に減圧下45℃で10時間乾燥してポリマー280gを得た。得られたポリエーテル共重合体の重量平均分子量およびモノマー換算組成分析結果を表1に示す。
[重合例2]
内容量3Lのガラス製4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに重合触媒として触媒の合成例で示した縮合物質1gと水分10ppm以下に調整したグリシジルエーテル化合物(a)150g、アリルグリシジルエーテル30g、及び溶媒としてn−ヘキサン1,000gを仕込み、化合物(a)の重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、エチレンオキシド150gを逐次添加した。このときの重合温度は20℃とし、10時間反応を行った。重合反応はメタノールを1mL加え反応を停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、常圧下40℃で24時間、更に減圧下45℃で10時間乾燥してポリマー290gを得た。得られたポリエーテル共重合体の重量平均分子量およびモノマー換算組成分析結果を表1に示す。
Figure 2015028905
[架橋例1]
重合例2で得たポリエーテル共重合体1.0g、光開始剤ベンゾフェノン0.002g、架橋助剤N,N'
−m−フェニレンビスマレイミド0.05g、かつモル比(電解質塩化合物のモル数)/(共重合体のエーテル酸素原子の総モル数)が0.05となるようにLiN(CFSOをアセトニトリル10mlに溶解したものを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に500μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、そのまま80℃に加熱して乾燥させたのち、電解質表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することにより架橋高分子固体電解質膜を作製した。
[合成例2(不飽和の環を有するトリピラジニレン系化合物(b)の製造)]
下記の合成スキームに従い、トリピラジニレン系化合物(b)を合成した。
Figure 2015028905
ヘキサケトシクロヘキサン8水和物200mg(0.6mmol)、1,2−フェニレンジアミン486mg(4.5mmol)を酢酸40mL中に溶解し、還流下24時間反応させた。不溶分を濾別後、濾液に水50mL、クロロホルム50mLを加え分液した。有機層を濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホルム)にて精製し、淡黄色の固体であるトリピラジニレン系化合物(b)140mgを得た。
[合成例3(シアノ基を有するトリピラジニレン系化合物(c)の製造)]
下記の合成スキームに従い、トリピラジニレン系化合物(c)を合成した。
Figure 2015028905
ヘキサケトシクロヘキサン8水和物200mg(0.6mmol)、1,2−ジアミノ−1,2−ジシアノエタン504mg(4.5mmol)を酢酸40mL中に溶解し、還流下24時間反応させた。不溶分を濾別後、濾液に水50mL、クロロホルム50mLを加え分液した。有機層を濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホルム)にて精製し、淡黄色の固体であるシアノ基を有するトリピラジニレン系化合物(c)120mgを得た。
[実施例1] 正極材料/高分子固体電解質/金属リチウムで構成された電池の作製
正極活物質には不飽和の環を有するトリピラジニレン系化合物(b)を用いた。この正極活物質0.4gに対して、導電助剤としてアセチレンブラックを1.6g、結着剤としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を0.04g、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を0.06g添加し、水を溶媒として乳鉢で混練したのち、アルミ集電体上に100μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、80℃真空状態で12時間以上乾繰後、ロールプレスして正極シートとした。
また、重合例1で得たポリエーテル共重合体1.0g、かつモル比(電解質塩化合物のモル数)/(共重合体のエーテル酸素原子の総モル数)が0.10となるようにLiBFをアセトニトリル10mlに溶解したものを、上記の正極シート上に500μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、そのまま80℃に加熱して正極シート内に高分子固体電解質組成物をよく含浸させ、かつ乾燥を施し、正極シート上に高分子固体電解質組成物が一体化された正極/電解質シートを作製した。
アルゴンガスで置換されたグローブボックス内において、正極/電解質シート上に架橋例1で得た架橋高分子固体電解質膜を貼り合わせ、更に対極として金属リチウムを貼り合わせて、試験用2032型コイン電池を組み立てた。電気化学特性は北斗電工(株)製の充放電装置を用い、4時間で所定の充電および放電が行える試験条件(C/20)にて、4.2V上限、1.2Vを下限とし、一定電流通電により正極の評価をした。試験温度は60℃環境とした。試験結果を表2に示す。
[実施例2] 正極材料/高分子固体電解質/金属リチウムで構成された電池の作製
正極活物質の不飽和の環を有するトリピラジニレン系化合物(b)1.0gに対して、導電助剤のアセチレンブラックを1.0g用いた以外は実施例1と同様の方法で正極/電解質シートを作製した。これに対極として金属リチウムを貼り合わせてコイン電池を作製し、正極の電気化学特性を評価した。試験結果を表2に示す。
[実施例3] 正極材料/高分子固体電解質/金属リチウムで構成された電池の作製
正極活物質のトリピラジニレン系化合物(b)の代わりにシアノ基を有するトリピラジニレン系化合物(c)を用いた以外は実施例1と同様の方法で正極/電解質シートを作製した。これに対極として金属リチウムを貼り合わせてコイン電池を作製し、正極の電気化学特性を評価した。試験結果を表2に示す。
[比較例1] 正極材料/高分子固体電解質/金属リチウムで構成された電池の作製
正極活物質にはリチウム二次電池の代表的な正極活物質であるLiCoOを用いた。この正極活物質1.82gに対して、導電助剤としてアセチレンブラックを0.12g、結着剤としてSBRを0.02g、増粘剤としてCMCを0.04g添加し、水を溶媒として乳鉢で混練したのち、アルミ集電体上に100μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、80℃真空状態で12時間以上乾繰後、ロールプレスして正極シートとした。
また、重合例1で得たポリエーテル共重合体1.0g、かつモル比(電解質塩化合物のモル数)/(共重合体のエーテル酸素原子の総モル数)が0.10となるようにLiBFをアセトニトリル10mlに溶解したものを、上記の正極シート上に500μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、そのまま80℃に加熱して正極シート内に高分子固体電解質組成物をよく含浸させ、かつ乾燥を施し、正極シート上に高分子固体電解質が一体化された正極/電解質シートを作製した。
アルゴンガスで置換されたグローブボックス内において、正極/電解質シート上に架橋例1で得た架橋高分子固体電解質膜を貼り合わせ、更に対極として金属リチウムを貼り合わせて、試験用2032型コイン電池を組み立てた。電気化学特性は北斗電工(株)製の充放電装置を用い、4時間で所定の充電および放電が行える試験条件(C/20)にて、4.2V上限、2.5Vを下限とし、一定電流通電により正極の評価をした。試験温度は60℃環境とした。試験結果を表2に示す。
[比較例2] 正極材料/高分子固体電解質/金属リチウムで構成された電池の作製
重合例1で得たポリエーテル共重合体の代わりに和光純薬工業(株)ポリエチレンオキシド(分子量1,000,000)を用いた以外は実施例1と同様の方法で正極/電解質シートを作製した。これに対極として金属リチウムを貼り合わせてコイン電池を作製し、正極の電気化学特性を評価した。試験結果を表2に示す。
Figure 2015028905
実施例1〜3の二次電池について、4.2〜1.2Vの範囲で充放電を繰り返したところ、100サイクル後においても初期の85%以上の容量を確保することができた。すなわち、充放電を繰り返しても容量低下の少ない安定性に優れた二次電池を得ることのできることが分かった。また初回充放電において、放電平均電圧は2.0V程度であり、活物質重量あたりのエネルギー密度は600Wh/kg以上となり、リチウム二次電池の代表的な正極活物質であるLiCoOを越えることがわかった。すなわち、高いエネルギー密度でかつ充放電特性に優れた二次電池を得ることができた。
高いエネルギー密度でかつ充放電特性に優れ、安全性、信頼性に優れている二次電池を実現する。

Claims (6)

  1. 少なくとも、
    (i)式(1):
    Figure 2015028905
    [式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、nは0〜12の整数である。] で示される単量体から誘導される繰り返し単位5〜95モル%、および
    式(2):
    Figure 2015028905
    で示される単量体から誘導される繰り返し単位95〜5モル%、および
    式(3):
    Figure 2015028905
    [式中、Rはエチレン性不飽和基である。] で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜10モル%から構成されるポリエーテル共重合体またはその架橋物ならびに電解質塩化合物が含まれる電解質組成物、
    (ii)式(4):
    Figure 2015028905
    (ただし、式中、R〜R11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、チオアリール基、チオアルキル基、複素環基、ホルミル基、シリル基、ボリル基、スタンニル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、およびハロゲン原子の少なくともいずれか1種を示す。R〜R11は同一の場合を含み、互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を形成する場合を含む。)
    で表わされるトリピラジニレン系化合物を正極活物質として含む正極、そして負極を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記正極が正極活物質と導電助剤と結着剤との混合物を有し、かつ、その正極活物質として式(4)で表されるトリピラジニレン系化合物を、その導電助剤として炭素化合物をそれぞれ使用することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記負極が負極活物質と導電助剤と結着剤との混合物を有し、かつ、その負極活物質が、リチウム、カーボン、シリコン系化合物、スズ系化合物、アルミニウム系化合物、チタン系化合物のうちの1種、あるいは2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項1または2のいずかに記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記電解質組成物が、非プロトン性有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずかに記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記非プロトン性有機溶媒が、エーテル類およびエステル類からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池。
  6. 式(1):
    Figure 2015028905
    [式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、nは0〜12の整数である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位5〜95モル%、および
    式(2):
    Figure 2015028905
    で示される単量体から誘導される繰り返し単位95〜5モル%、および
    式(3):
    Figure 2015028905
    [式中、Rはエチレン性不飽和基である。] で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜10モル%から構成されるポリエーテル共重合体またはその架橋物を、前記正極および/または負極の表面上に存在させるか、あるいは、前記正極および/または負極の内部に一構成成分として存在させることを特徴とする請求項1〜5に記載の非水電解質二次電池。
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