JP5915967B2 - 蓄電デバイス用セパレータ、蓄電デバイスおよびそれらの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイス用セパレータ(以下、「セパレータ」という。)、蓄電デバイスおよびそれらの製造方法に関するものである。
最近のマイクロエレクトロニクス化は、各種電子機器のメモリーバックアップ用電源に代表されるように、顕著になっている。すなわち、電池の電子機器内への収納、エレクトロニクス素子との一体化等に伴って、電池の小型化、軽量化、更には高エネルギー密度を有する蓄電デバイスが要望されている。更に近年、カムコーダ、携帯用通信機器、ラップトップコンピューター等の各種小型電子機器の小型化、軽量化に伴い、それらの駆動用電源として高エネルギー密度の蓄電デバイスの要求が高まってきており、それらの研究開発が盛んに行われている。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどの高エネルギー密度な蓄電デバイスは、一対の電極とセパレータとを備え、電解質溶液が含浸された構成のものであり、産業用または民生用の種々の電気・電子機器に使用されている。
従来、電気化学反応を利用したリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスはより一層の高容量化、高機能化、小型化、軽量化が不可欠であり、そのために、セパレータの改良が求められている。例えば、蓄電デバイスの高容量化に対応するために、充放電時の自己発熱もしくは異常充電時などの異常発熱に耐えうる耐熱性、機械的強度、寸法安定性を有するセパレータが求められている。また、蓄電デバイスの高機能化、特に、急速充放電特性および高出力特性を向上させるために、薄膜化され、かつ、均一性が向上したセパレータが強く要求されている。
これらの要求を満たすことを目的として、例えば、特許文献1には、ポリオレフィンを延伸して作製される通気性が高い微多孔性フィルム(延伸膜)に針やレーザで貫通孔を形成して通気性をより一層高めたものをセパレータとして使用することが提案されている。しかしながら、このような微多孔樹脂フィルムは、単体で使用すると貫通孔があるが故に正極と負極とが短絡を起こしてしまう恐れがあった。また、シャットダウン温度以上のメルトダウン温度域において収縮しやすい性質を有しており、その結果、高温になった場合に電極同士が直接接触しやすくなる問題を有していた。また、薄膜の状態で、熱収縮防止性、機械的強度を確保する方法として、セパレータの空隙率を低下させることが考えられるが、その場合、内部抵抗の上昇を伴い、イオン伝導性が低下するため、高機能化の要求を満たすことができない。
また、例えば、特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド等からなる通気性を有する基材とポリオレフィン製多孔質膜とを接着剤を介して積層し、シャットダウン性能と耐メルトダウン性能を有したセパレータが提案されている。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを基材に使用した場合には、メルトダウン温度域において、基材そのものが溶融しやすい性質を有しており、また、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドを基材に使用した場合には、薄膜化の達成が困難となり、内部抵抗の上昇を伴い、イオン伝導性が低下するため、高機能化の要求を満たすことができない。
また、例えば、特許文献3には、絶縁性多孔質膜に高分子電解質が塗布または含浸されたセパレータが提案されている。これは、蓄電デバイスの薄膜化や高容量化といったメリットがある。しかしながら、高分子電解質がゲル状に付着しているだけであり、セパレータとの密着性が悪く、更なる薄膜化の達成や長期的な安定性は充分とは言えなかった。
国際公開第01/67536号公報 特開2007−48738号公報 特開平10−162802号公報
本発明の目的は、薄膜化が可能で、シャットダウン機能を有し、サイクル寿命、負荷特性、及び低温特性が優れた蓄電デバイス用セパレータ、蓄電デバイスおよびそれらの製造方法を提供することにある。
本発明に係る蓄電デバイス用セパレータは、絶縁性多孔質膜と
下記式(1)
Figure 0005915967
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であり、nは0〜12の整数である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜95モル%、及び
下記式(2)
Figure 0005915967
で示される単量体から誘導される繰り返し単位98〜4モル%、及び
下記式(3)
Figure 0005915967
[式中、Rはエチレン性不飽和基を有する基である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位1〜15モル%から構成されるポリエーテル共重合体の架橋された高分子膜とが一体化されてなることを特徴とするものである。
また、本発明に係る蓄電デバイスは、正極と負極とが、上記のポリエーテル共重合体の架橋された高分子膜とが一体化されたセパレータを介して積層されることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄電デバイス用セパレータの製造方法は、絶縁性多孔質膜に下記式(1):
Figure 0005915967
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であり、nは0〜12の整数である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜95モル%、及び
下記式(2)
Figure 0005915967
で示される単量体から誘導される繰り返し単位98〜4モル%、及び
下記式(3)
Figure 0005915967
[式中、Rはエチレン性不飽和基を有する基である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位1〜15モル%から構成されるポリエーテル共重合体を塗布又は含浸させた後、熱や光により架橋させて一体化させることを特徴とするものである。
また、上記絶縁性多孔質膜は特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができ、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や不織布等が挙げられる。中でもシャットダウン機能があり、耐熱温度の高いポリプロピレンやポリプロピレンとポリエチレンを積層したものが好適に用いられる。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法は、上記のセパレータを介して正極と負極とを積層し、電解質溶液を注入することを特徴とするものである。
本発明に係る蓄電デバイスにおいては、セパレータを薄くすることが可能であり、イオン伝導性が高いものとなる。
本発明に係るセパレータは、空孔率を増大したり薄くする必要がないために、隔膜としての機能が十分に確保されるとともに、十分な機械強度や熱的強度を有するものとなる。
上記セパレータを用いた蓄電デバイスでは、正極、負極間のリチウムイオンの移動が円滑に行われ、内部インピーダンスが低減されて、優れた負荷特性、低温特性が実現される。同時に、高容量化やサイクル特性の向上を図ることができる。
集電体5上の帯状の正極4と、集電体1上の帯状の負極2とが、セパレータ3を介して密着状態で積層された電池およびキャパシタ素子が、電池およびキャパシタ缶8の内部に収容されてなり、リード線6、7で接続させている蓄電デバイスを示す。
本発明は、特定のポリエーテル系高分子の架橋膜と絶縁性多孔質膜とを一体化させることを特徴とするものである。
すなわち、本発明が適用されるセパレータは、特定のポリエーテル系高分子膜と絶縁性多孔質膜とを一体化させたものである。
この一体化の方法は、後述するように、絶縁性多孔質膜に特定のポリエーテル系共重合体を塗布した後、架橋する方法によってもよいし、もしくは液状のポリエーテル系共重合体に絶縁性多孔質膜を浸漬することで絶縁性多孔質膜にポリエーテル系共重合体を含浸させた後、架橋してもよく、特に限定されるものではない。絶縁性多孔質膜の膜厚は3〜10μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。これは、膜厚が3μmより薄いと充分な機械的強度を得ることが難しく、10μmより大きいと抵抗成分が大きくなり電気的な特性が悪化するためである。
式(1)の化合物は市販品からの入手、またはエピハロヒドリンとアルコールからの一般的なエーテル合成法等により容易に合成が可能である。市販品から入手可能な化合物としては、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ターシャリーブチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシヘプタン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシへキサン、グリシジルフェニルエーテル、1,2−エポキシペンタン、イソプロピルグリシジルエーテルなどが使用できる。これら市販品のなかでは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテルが好ましく、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテルが特に好ましい。
合成によって得られる式(1)で表される単量体では、Rは−CHO(CR)が好ましく、R、R、Rの少なくとも一つが−CHO(CHCHO)であることが好ましい。R4は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。nは2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
式(2)の化合物は基礎化学品であり、市販品を容易に入手可能である。
式(3)の化合物において、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基である。エチレン性不飽和基含有のモノマー成分としては、アリルグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、α-テルピニルグリシジルエーテル、シクロヘキセニルメチルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルフェニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、4,5−エポキシ−2−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカンジエン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5−シクロオクテン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ソルビン酸グリシジル、ケイ皮酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、グリシジル−4−ヘキセノエートが用いられる。好ましくは、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルである。
本発明の共重合体は、(A):式(1)の単量体から誘導された繰り返し単位
Figure 0005915967
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R2、R3は水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびR4はR、R2、R3の間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であり、nは0〜12の整数である。]及び
(B):式(2)の単量体から誘導された繰り返し単位、及び
Figure 0005915967
及び(C):式(3)の単量体から誘導された繰り返し単位、
Figure 0005915967
[式中、Rはエチレン性不飽和基を有する基を含む置換基である。]
から構成される。
ここで繰り返し単位(A)及び(C)は、それぞれ2種以上のモノマーから誘導されるものであってもよい。
本発明のポリエーテル共重合体の合成は次のようにして行える。開環重合触媒として有機アルミニウムを主体とする触媒系、有機亜鉛を主体とする触媒系、有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系などの配位アニオン開始剤、または対イオンにKを含むカリウムアルコキシド、ジフェニルメチルカリウム、水酸化カリウムなどのアニオン開始剤を用いて、各モノマーを溶媒の存在下又は非存在下、反応温度10〜120℃、撹拌下で反応させることによってポリエーテル共重合体が得られる。重合度、あるいは得られる共重合体の性質などの点から、配位アニオン開始剤が好ましく、なかでも有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系が取り扱い易く特に好ましい。
本発明のポリエーテル共重合体においては、繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)及び繰り返し単位(C)のモル比が、(A)0〜95モル%、(B)98〜4モル%、及び(C)1〜15モル%であり、好ましくは(A)0〜95モル%、(B)95〜4モル%、及び(C)1〜10モル%、更に好ましくは(A)3〜90モル%、(B)93〜5モル%、及び(C)1〜7モル%である。繰り返し単位(B)が98モル%を越えるとガラス転移温度の上昇とオキシエチレン鎖の結晶化を招き、結果的にイオン伝導性を著しく悪化させることになる。一般にポリエチレンオキシドの結晶性を低下させることによりイオン伝導性が向上することは知られているが、本発明のポリエーテル共重合体はこの点において格段に優れている。
本発明のポリエーテル共重合体の分子量は、良好な加工性、機械的強度、柔軟性を得るために、重量平均分子量1万〜250万の範囲内、好ましくは5万〜150万の範囲内のものが適する。重量平均分子量が1万未満の共重合体では、添加剤として用いる場合は良好な特性を示すが、架橋させて用いた場合には架橋度が上がりすぎて膜物性が悪くなる。また、重量平均分子量が250万より大きい共重合体では、ポリエーテル共重合体を溶解させた高分子溶液の粘度が高く、作業性が悪くなる。
本発明の架橋前のポリエーテル共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体何れの共重合タイプでも良い。ランダム共重合体がよりポリエチレンオキシドの結晶性を低下させる効果が大きいので好ましい。
本発明のセパレータは絶縁性多孔質膜上に、ポリエーテル共重合体に光反応架橋剤、非プロトン性有機溶媒を共存させた溶液を塗布または含浸させ、非プロトン性有機溶媒を除去後、紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって架橋させて一体化させることもできる。また、高分子溶液の中に電解質塩や架橋助剤を添加することもできる。
本発明で用いられるポリエーテル共重合体を架橋させるために用いる光の活性エネルギー線は、紫外線、可視光、電子線等を用いることができる。この中でも特に装置の価格、制御のしやすさから紫外線が好ましい。
本発明に用いることができる光反応開始剤として、アルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チタノセン類、トリアジン類、ビスイミダゾール類、オキシムエステル類などが挙げられる。好ましくは、アルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系の光反応開始剤が用いられる。光反応開始剤として前述の化合物を2種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系光反応開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンなどが挙げられる。2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンが好ましい。
ベンゾフェノン系光反応開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系光反応重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
架橋反応に用いられる光反応開始剤の量はポリエーテル共重合体100重量部に対して0.01〜6.0重量部の範囲内が好ましく、更に好ましくは0.1〜4.0重量部である。
本発明においては、セパレータの強度をあげるために架橋助剤を用いても良い。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH=CH−、CH=CH−CH−、CF=CF−を少なくとも2個含む化合物)である。架橋助剤の具体例は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、ヘキサフルオロトリアリルイソシアヌレート、N−メチルテトラフルオロジアリルイソシアヌレートなどである。
架橋反応は、紫外線による場合では、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、ポリエーテル共重合体を波長365nm、光量1〜50mW/cmで0.1〜30分間照射することによって行うことができる。
本発明の蓄電デバイスは、上記のセパレータを介して正極と負極とを積層し、電解質溶液を注入して作製することができる。
本発明において用いることができる電解質溶液に用いられる電解質塩化合物は、ポリエーテル共重合体の架橋体、および非プロトン性有機溶媒からなる混合物に相溶することが好ましい。ここで相溶とは電解質塩が結晶化などして析出してこない状態を意味する。
本発明においては、以下に挙げる電解質塩化合物が好ましく用いられる。即ち、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれた陽イオンと、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF 、PF 、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、XSO 、[(XSO )(XSO)N]、[(XSO)(XSO)(XSO)C]、及び[(XSO)(XSO)YC]から選ばれた陰イオンとからなる化合物が挙げられる。但し、X、X、X、およびYは電子吸引基である。好ましくはX、X、及びXは各々独立して炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基又は炭素数が6〜18のパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基又はシアノ基である。X、X及びXは各々同一であっても、異なっていてもよい。
金属陽イオンとしては遷移金属の陽イオンを用いる事ができる。好ましくはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn及びAg金属から選ばれた金属の陽イオンが用いられる。又、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca及びBa金属から選ばれた金属の陽イオンを用いても好ましい結果が得られる。電解質塩化合物として前述の化合物を2種類以上併用することが可能である。Liイオンキャパシタにおいては電解質塩化合物としては、Li塩化合物が好適に用いられる。
Li塩化合物としては、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタに一般的に利用されているような、広い電位窓を有するLi塩化合物が用いられる。たとえば、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN[CF3SC(C25SO23] 2などを挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
また、電解質塩や電解質用の溶液として、常温溶融塩を用いることができる。
常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいい、常温とは電源が通常作動すると想定される温度範囲をいう。電源が通常作動すると想定される温度範囲とは、上限が120℃程度、場合によっては60℃程度であり、下限は−40℃程度、場合によっては−20℃程度である。
常温溶融塩はイオン性液体とも呼ばれており、ピリジン系、脂肪族アミン系、脂環族アミン系の4級アンモニウム有機物カチオンが知られている。4級アンモニウム有機物カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウム、トリアルキルイミダゾリウム、などのイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオンなどが挙げられる。特に、イミダゾリウムカチオンが好ましい。
なお、テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、アルキルピリジウムイオンとしては、N−メチルピリジウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−エチルー2メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4ジメチルピリジニウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イミダゾリウムカチオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらのカチオンを有する常温溶融塩は、単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いても良い。
本発明において、電解質塩の含有量は、0.1〜3.0mol/Lであること、特に、1.0〜2.0mol/Lであることが好ましい。電解質塩の含有量が0.1mol/L未満であると、電解質溶液の抵抗が大きく、大電流・低温放電特性が低下し、3.0mol/Lを超えると溶解性が悪く、結晶が析出したりする。
本発明の蓄電デバイスに使用される電解質溶液についても特に限定されない。一般的には非プロトン性の有機溶媒に電解質塩を溶解させたものが用いられる。具体的に、そのような非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジプロピルカーボネート、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を使用することができ、2種類以上混合して使用してもよい。
電解質塩および必要な非プロトン性有機溶媒をポリエーテル共重合体に混合する場合に特に制限はないが、電解質塩化合物および必要な非プロトン性有機溶媒を含む溶液にポリエーテル共重合体を長時間浸漬して含浸させる方法、電解質塩化合物および必要な非プロトン性有機溶媒をポリエーテル共重合体へ機械的に混合させる方法、ポリエーテル共重合体および電解質塩化合物を非プロトン性有機溶媒に溶かして混合させる方法あるいはポリエーテル共重合体を一度他の溶媒に溶かした後、非プロトン性有機溶媒を混合させる方法などがある。他の溶媒を使用して製造する場合の他の溶媒としては各種の極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が単独、或いは混合して用いられる。他の溶媒は、ポリエーテル共重合体を架橋する場合には、架橋前、架橋する間または架橋した後に除去できる。
本発明の蓄電デバイスは、図1に示すように、集電体5上の帯状の正極4と、集電体1上の帯状の負極2とが、セパレータ3を介して密着状態で積層された電池およびキャパシタ素子が、電池およびキャパシタ缶8の内部に収容されてなり、リード線6、7で接続させている。
(電極の製造方法)
本発明の蓄電デバイス用電極は、電極組成物を集電体上に形成させることにより得られる。具体的には、シート状に成形した蓄電デバイス用電極組成物を、集電体上に積層する方法(混練シート成形法);ペースト状の蓄電デバイス用電極組成物を集電体上に塗布し、乾燥する方法(湿式成形法);蓄電デバイス用電極組成物の複合粒子を調製し、集電体上にシート成形、ロールプレスし得る方法(乾式成形法)などが挙げられる。中でも、湿式成形法、乾式成形法が好ましく、湿式成形法がより好ましい。
本発明の蓄電デバイス用電極は、電極用組成物を集電体上に形成してなる。
(集電体)
本発明の蓄電デバイス用電極に用いる集電体の材料は、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、銅、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から銅、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。
(正極)
正極4は、正極活物質と結着剤とを含有する正極用電極組成物を集電体上に塗布、乾燥することにより作製される。集電体には例えばアルミニウム箔等の金属箔が用いられる。
正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物、又は特定の高分子を使用することができる。
例えば、リチウムの溶解・析出を利用したリチウム電池とする場合、TiS2、MoS2 、NbS2 、V25等のリチウムを含まない金属硫化物あるいは酸化物、さらにはポリアセチレン、ポリピロール等の高分子を使用することもできる。
リチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン電池とする場合には、LixMO2(式中Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.10以下である。)を主体とするリチウム複合酸化物等を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としてはLiCoO2 、LiNiO2 、LiNiyCo1-y2 (式中、0<y<1である。)、LiMn24、LiMPO4 (式中MはFe等、一種以上の遷移金属を表す)等を挙げることができる。
リチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質となる。正極活物質には、これらの正極活物質の複数種を併せて使用してもよい。また、以上のような正極活物質を使用して正極活物質を形成するときには、公知の導電剤や結着剤等を添加することができる。
(負極)
負極2は、負極活物質と結着剤とを含有する負極電極組成物を、集電体上に塗布、乾燥することにより作製される。上記集電体には、例えば銅箔等の金属箔が用いられる。
負極活物質としては、例えば、リチウムの溶解・析出を利用したリチウム電池とする場合、金属リチウムや、リチウムを吸蔵・放出することが可能なリチウム合金等を用いることができる。
リチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン電池とする場合には、難黒鉛化炭素系や黒鉛系の炭素材料を使用することができる。より具体的には、黒鉛類、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズカーボンファイバー等の炭素繊維、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、及び活性炭などの炭素材料を使用することができる。このような材料から負極を形成するときには、公知の結着剤などを添加することができる。
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例(ポリエーテル共重合用触媒の製造)]
撹拌機、温度計及び蒸留装置を備えた3つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g及びトリブチルホスフェート35gを入れ、窒素気流下に撹拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ残留物として固体状の縮合物質を得た。以下の重合例で重合触媒として用いた。
ポリエーテル共重合体のモノマー換算組成はH NMRスペクトルにより求めた。
ポリエーテル共重合体の分子量測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を算出した。GPC測定は(株)島津製作所製RID−6A、昭和電工(株)製ショウデックスKD−807、KD−806、KD−806MおよびKD−803カラム、および溶媒にDMFを用いて60℃で行った。
[重合例1]
内容量3Lのガラス製4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに重合触媒として触媒の合成例で示した縮合物質1gと水分10ppm以下に調整したグリシジルエーテル化合物(a):
Figure 0005915967
158g、アリルグリシジルエーテル22g、及び溶媒としてn−ヘキサン1000gを仕込み、化合物(a)の重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、エチレンオキシド125gを逐次添加した。このときの重合温度は20℃とし、10時間反応を行った。重合反応はメタノールを1mL加え反応を停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、常圧下40℃で24時間、更に減圧下45℃で10時間乾燥してポリマー280gを得た。得られたポリエーテル共重合体の重量平均分子量およびモノマー換算組成分析結果を表1に示す。
[重合例2]
重合例1の仕込みにおいてグリシジルエーテル化合物(a)65g、アリルグリシジルエーテル30g、エチレンオキシド205gで仕込んで重合した以外は同様の操作を行った。
[重合例3]
重合例1の仕込みにおいてブチルグリシジルエーテル171g、アリルグリシジルエーテル21g、エチレンオキシド108g、及びn−ブタノール0.2gを仕込んで重合した以外は同様の操作を行った。
[重合例4]
重合例1の仕込みにおいてグリシジルエーテル化合物(a)152g、アリルグリシジルエーテル14g、エチレンオキシド134gを仕込んで重合した以外は同様の操作を行った。
[重合例5]
内容量3Lのガラス製4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに触媒として触媒の製造例で示した縮合物質2gと水分10ppm以下に調整したメタクリル酸グリシジル50g及び溶媒としてn−ヘキサン1000g及び連鎖移動剤としてエチレングリコールモノメチルエーテル0.06gを仕込み、エチレンオキシド195gはメタクリル酸グリシジルの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。重合反応はメタノールで停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、常圧下40℃で24時間、更に減圧下45℃で10時間乾燥してポリマー223gを得た。
Figure 0005915967
[実施例1] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製1
<負極の作製>
グラファイト粉末(多孔質構造材料)90重量部およびポリフッ化ビニリデンを12重量部、N−メチルピロリドンを溶媒としてステンレスボールミルを用いて、1時間攪拌したのち、銅集電体上に50μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、80℃真空状態で12時間以上乾繰後、ロールプレスして負極シートとした。
<正極の作製>
正極活物質には、平均粒子径20μm以下のLiCo1/3Mn1/3Ni1/32を用いた。この正極活物質18重量部に対して、導電助剤としてアセチレンの熱分解によって製造された球状炭素微粒子を0.6重量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを1重量部、N−メチルピロリドンを溶媒としてステンレスボールミルを用いて1時間攪拌したのち、アルミニウム集電体上に100μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、80℃真空状態で12時間以上乾繰後、ロールプレスして正極シートとした。
<電解質溶液の作製>
エチレンカーボネート(EC)を15重量部と、プロピレンカーボネート(PC)を15重量部と、ジエチルカーボネートを50重量部と、電解質塩であるLiBFを20重量部とを混合して、非水電解質溶液を作製した。
<セパレータ1の作製>
膜厚が8μmのポリエチレン多孔質膜上に、重合例1で得られたポリエーテル系共重合体1を20重量部と光反応開始剤ベンゾフェノン0.1重量部、架橋助剤N,N'−m−フェニレンビスマレイミド1重量部をアセトニトリル180重量部に溶解させた溶液を乾燥後の膜厚が片面、3.5μmとなるように両面塗布し、乾燥させた。つぎに表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、(株)GSユアサ製の高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することにより架橋し、ポリプロピレン多孔質膜上に架橋したポリエーテル系共重合体が一体化された膜厚15μmのセパレータ1を作製した。
最後に、正極シートと負極シートとをセパレータ1を介して圧着し、巻層体を形成した。そして、巻層体を電池缶へ収容し、非水電解質溶液を注入してリチウムイオン電池を作製した。
[実施例2] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製2
正極シート、負極シート、及び非水電解質溶液を実施例1と同様の方法によって作製した。
<セパレータ2の作製>
セパレータ1を作製するときに、重合例2で得られたポリエーテル系共重合体1を用いずに重合例2で得られたポリエーテル系共重合体2を用いてセパレータ2を作製した。
セパレータ2を用いること以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
[実施例3] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製3
正極シート、負極シート、及び非水電解質溶液を実施例1と同様の方法によって作製した。
<セパレータ3の作製>
膜厚が10μmのポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン多孔質膜上に、重合例3で得られたポリエーテル系共重合体3を20重量部と光反応開始剤イルガキュア184(BASF社製)0.1重量部、架橋助剤トリメチロールプロパントリアクリレート0.5重量部をアセトニトリル180重量部に溶解させた溶液を乾燥後の膜厚が片面、2μmとなるように両面塗布し、乾燥させた。つぎに表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、(株)GSユアサ製の高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することにより架橋し、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン多孔質膜上に架橋したポリエーテル系共重合体が一体化された膜厚14μmのセパレータ3を作製した。
最後に、正極シートと負極シートとをセパレータ3を介して圧着し、巻層体を形成した。そして、巻層体を電池缶へ収容し、非水電解質溶液を注入してリチウムイオン電池を作製した。
[実施例4] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製4
まず、正極シート、負極シート、及び非水電解質溶液を実施例1と同様の方法によって作製した。
<セパレータ4の作製>
膜厚が6μmのポリプロピレン/ポリエチレン多孔質膜上に、重合例4で得られたポリエーテル系共重合体4を20重量部と光反応開始剤イルガキュア184(BASF社製)0.05重量部をアセトニトリル180重量部に溶解させた溶液を乾燥後の膜厚が片面、2.5μmとなるように両面塗布し、乾燥させた。つぎに表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、(株)GSユアサ製の高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することにより架橋し、ポリプロピレン/ポリエチレン多孔質膜上に架橋したポリエーテル系共重合体が一体化された膜厚11μmのセパレータ4を作製した。
最後に、正極シートと負極シートとをセパレータ4を介して圧着し、巻層体を形成した。そして、巻層体を電池缶へ収容し、非水電解質溶液を注入してリチウムイオン電池を作製した。
[実施例5] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製5
まず、正極シート、負極シート、及び非水電解質溶液を実施例1と同様の方法によって作製した。
<セパレータ5の作製>
膜厚が8μmのポリエチレン多孔質膜上に、重合例5で得られたポリエーテル系共重合体5を20重量部と光反応開始剤イルガキュア184(BASF社製)0.05重量部、電解質塩LiBF5重量部をアセトニトリル180重量部に溶解させた溶液を乾燥後の膜厚が片面、2μmとなるように両面塗布し、乾燥させた。つぎに表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、(株)GSユアサ製の高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することにより架橋し、ポリエチレン多孔質膜上に架橋したポリエーテル系共重合体が一体化された膜厚12μmのセパレータ5を作製した。
最後に、正極シートと負極シートとをセパレータ5を介して圧着し、巻層体を形成した。そして、巻層体を電池缶へ収容し、非水電解質溶液を注入してリチウムイオン電池を作製した。
[実施例6] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製6
まず、正極シート、負極シート、及び非水電解質溶液を実施例1と同様の方法によって作製した。
<セパレータ6の作製>
膜厚が6μmのポリエチレン多孔質膜上に、重合例5で得られたポリエーテル系共重合体5を20重量部と光反応開始剤イルガキュア184(BASF社製)0.05重量部、電解質塩LiBF5重量部をアセトニトリル180重量部に溶解させた溶液を乾燥後の膜厚が4μmとなるように片面塗布し、乾燥させた。つぎに表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、(株)GSユアサ製の高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することにより架橋し、ポリエチレン多孔質膜上に架橋したポリエーテル系共重合体が一体化された膜厚10μmのセパレータ6を作製した。
最後に、正極シートと負極シートとをセパレータ6を介して圧着し、巻層体を形成した。そして、巻層体を電池缶へ収容し、非水電解質溶液を注入してリチウムイオン電池を作製した。
[比較例1] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製7
比較例としてセパレータに膜厚が15μmのポリプロピレン多孔質膜を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
[比較例2] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製8
比較例としてセパレータに膜厚が8μmのポリプロピレン多孔質膜を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
[比較例3] 負極/セパレータ/正極で構成されたリチウムイオン電池の作製9
正極シート、負極シート、及び非水電解質溶液を実施例1と同様の方法によって作製した。
<セパレータ7の作製>
膜厚が8μmのポリプロピレン多孔質膜上に、ポリアクリロニトリル20重量部、電解質塩LiBF5重量部をアセトニトリル180重量部に溶解させた溶液を乾燥後の膜厚が片面、2μmとなるように両塗布し、乾燥させた。このようにしてポリプロピレン多孔質膜上にポリアクリロニトリルが一体化された膜厚12μmのセパレータ7を作製した。
最後に、正極シートと負極シートとをセパレータ7を介して圧着し、巻層体を形成した。そして、巻層体を電池缶へ収容し、非水電解質溶液を注入してリチウムイオン電池を作製した。
実施例1〜実施例6、及び比較例1〜比較例3で作製されたリチウムイオン電池について、以下に示す方法によってサイクル寿命、負荷特性、及び低温特性を測定した。
<サイクル寿命>
理論容量の2時間率放電(1/2C)において300回の充放電サイクル試験を行い、次のように評価した。先ず、各電池に対して23℃で定電流定電圧充電を上限4.2Vまで10時間行った。次に、2時間率放電(1/2C)を終始電圧3.2Vまで行った。放電容量はこのように決定し、更に、これから求められる平均電圧から時間率放電での出力を、サイクル初期の5時間率放電(1/5C)に対する100分率として計算した。
<負荷特性>
理論容量の1/3時間率放電(3C)を行い、次のように評価した。先ず、各電池に対して23℃で定電流定電圧充電を上限4.2Vまで10時間行った。次に、1/3時間率放電(3C)を終始電圧3.2Vまで行った。放電容量はこのように決定し、更に、これから求められる平均電圧から各時間率放電での出力を、5時間率放電(1/5C)に対する100分率として計算した。
<低温特性>
理論容量の2時間率放電(1/2C)を低温下で行い、次のように評価した。先ず、各電池に対して23℃で定電流定電圧充電を上限4.2Vまで10時間行った。次に、2時間率放電(1/2C)を終始電圧3.2Vまで、−20℃にて行った。更に、これから求められる平均電圧から時間率放電での出力を、常温(23℃)での5時間率放電(1/5C)に対する100分率として算出した。
上述した実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3について、サイクル寿命、負荷特性、及び低温特性を測定した結果を、表2に示す。
Figure 0005915967
表2から、ポリオレフィン基材にポリエーテル系共重合体が架橋され一体となったセパレータを用いた実施例は、比較例と比較して、サイクル寿命、負荷特性、及び低温特性が向上していることが判明した。
本発明のポリエーテル共重合体の架橋された高分子膜と絶縁性多孔質膜が一体化された蓄電デバイス用セパレータ、蓄電デバイスおよびそれらの製造方法は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどに使用することができる。

Claims (6)

  1. 絶縁性多孔質膜に式(1):
    Figure 0005915967
    [式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基または、アリール基であり、nは0〜12の整数である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜95モル%、及び
    式(2):
    Figure 0005915967
    で示される単量体から誘導される繰り返し単位98〜4モル%、及び
    式(3)
    Figure 0005915967
    [式中、Rはエチレン性不飽和基を有する基である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位1〜15モル%から構成される、ポリエーテル共重合体を非プロトン性有機溶媒に溶解させた溶液を両面塗布し、乾燥後、乾燥状態で熱または光により架橋させて一体化させることを特徴とする蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  2. ポリエーテル共重合体の重量平均分子量が1万〜250万であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  3. 絶縁性多孔質膜がポリエチレン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂、またはポリエチレン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂を用いた不織布であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  4. 絶縁性多孔質膜の膜厚が3〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  5. 絶縁性多孔質膜に式(1):
    Figure 0005915967
    [式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CH O(CR )である。R 、R 、R は水素原子または−CH O(CH CH O) であり、nおよびR はR 、R 、R の間で異なっていてもよい。R は炭素数1〜12のアルキル基または、アリール基であり、nは0〜12の整数である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位0〜95モル%、及び
    式(2):
    Figure 0005915967
    で示される単量体から誘導される繰り返し単位98〜4モル%、及び
    式(3)
    Figure 0005915967
    [式中、R はエチレン性不飽和基を有する基である。]で示される単量体から誘導される繰り返し単位1〜15モル%から構成される、ポリエーテル共重合体を非プロトン性有機溶媒に溶解させた溶液を両面塗布し、乾燥後、乾燥状態で熱または光により架橋させて一体化させることを特徴とする蓄電デバイス用セパレータを製造する工程、
    蓄電デバイス用セパレータを製造する工程で製造されたセパレータを介して正極と負極とを積層し、電解質溶液を注入する工程を有することを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
  6. 蓄電デバイスがリチウムイオン電池であることを特徴とする、請求項5記載の蓄電デバイスの製造方法。
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