JP6430190B2 - 電解液及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
これらの中でも、高分子の有機ゲル化剤についての研究例や使用例は多く、様々な分野に展開されている。
[1]非水溶媒と、電解質と、下記一般式(1)で表される化合物と、を含有する、電解
液。
R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数5〜20の2価の芳香族基を示し、R1は置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数1〜20の鎖中に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数2〜20の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−、−O−、−SO−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。)
[2]前記Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基又はピリジレン基である、[1]に記載の電解液。
[3]前記Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基である、[1]に記載の電解液。
[4]前記Xは、−S−又は−SO2−で表される基である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の電解液。
[5]前記Ar1及びAr2のいずれか一方がフェニレン基、他方がビフェニレン基であって、Xが−S−又は−SO2−で表される基である、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の電解液。
[6]前記Rは、パーフルオロアルキル基とアルキレン基とからなる、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の電解液。
[7]前記Rは、炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基と炭素数2〜6のアルキレン基とからなる、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の電解液。
[8]前記Yは、シアノ基、ニトロ基、炭素数2〜10のアルコキシ基又はフッ素原子である、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の電解液。
[9]前記電解液は、ゲル化した電解質である、[1]〜[8]のいずれか一つに記載の電解液。
[10]正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、[1]〜[9]のいずれか一つに記載の電解液と、を備える、リチウムイオン二次電池。
[11]前記正極活物質が、リチウム含有化合物を含む、[10]に記載のリチウムイオン二次電池。
[12]前記負極活物質が、金属リチウム、炭素材料、リチウムと合金形成が可能な元素を含む材料、及び、リチウム含有化合物からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有する、[10]又は[11]に記載のリチウムイオン二次電池。
本実施形態の電解液は、非水溶媒と、電解質と、下記一般式(1)で表される化合物(以下、単に「パーフルオロ基含有化合物」又は「化合物(1)」とも表記する。)とを含有するものである。
R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
ここで、式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数5〜20の2価の芳香族基又は脂環式基を示し、R1は置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数1〜20の鎖中に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数2〜20の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−、−O−、−SO−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、本実施形態の電解液とを備える。
上記のように構成されているため、本実施形態の電解液及びリチウムイオン二次電池は、電池特性に優れると同時に高い安全性をも実現することができる。
本実施形態に係る電解液は、(i)非水溶媒と(ii)電解質と(iii)パーフルオロ基含有化合物とを含有する。
(i)非水溶媒としては、例えば非プロトン性溶媒が挙げられ、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例としては、以下に限定されないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートに代表される環状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンに代表されるラクトン;スルホランに代表される環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサンに代表される環状エーテル;メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート;アセトニトリル、プロピオニトリルに代表されるニトリル;ジメチルエーテルに代表されるエーテル;プロピオン酸メチルに代表される鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンに代表される鎖状エーテルカーボネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
有機カチオンとしては、以下に限定されないが、例えば、ジアルキルイミダゾリウムカチオン、トリアルキルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ジアルキルピロリジニウムイオン、ジアルキルピペリジニウムイオンが挙げられる。
(ii)電解質は、電解液において、通常の非水電解質として用いられているものであれば特に限定されず、いずれのものであってもよい。なお、後述する「ゲル電解質」はゲル化した(ゲル状の)電解液のことを示し、本項における「電解質」とは異なる概念である。電解液がリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタに用いられる場合、電解質としてリチウム塩が用いられる。リチウム塩の具体例としては、以下に限定されないが、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2CkF2k+1)2〔kは1〜8の整数〕、LiPFn(CkF2k+1)6-n〔nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiBFn((CkF2k+1)4-n〔nは1〜3の整数、kは1〜8の整数〕、LiB(C2O4)2で表されるリチウムビス(オキサレート)ボレート、LiBF2(C2O4)で表されるリチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート、LiPF4(C2O4)で表されるリチウムテトラフルオロ(オキサレート)ホスフェート、LiPO2F2、Li2PO3Fが挙げられる。
LiC(SO2R11)(SO2R12)(SO2R13) (2a)
LiN(SO2OR14)(SO2OR15) (2b)
LiN(SO2R16)(SO2OR17) (2c)
ここで、式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を示す。
リチウム塩は、電解液中に好ましくは0.1〜3モル/リットル、より好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で含有される。
(iii)パーフルオロ基含有化合物は、主にゲル化剤として作用するものであり、それに加えて、難燃剤などの安全性向上を目的とした添加剤として作用し得るものであり、上記一般式(1)で表され、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
H−X1−Ar1−OH (1a)
RZ1 (1b)
R−X1−Ar1−OH (1c)
ここで、上記式中、X1は、酸素原子又は硫黄原子を示し、Z1は、例えばヨウ素原子などのハロゲン原子を示す(以下同様。)。
Z2−R1−Z2 (1d)
R−X1−Ar1−O−R1−Z2 (1e)
ここで、式(1d)及び(1e)中、Z2は、例えば臭素原子などのハロゲン原子を示す(以下同様。)。
R−X2−Ar1−O−R1−Z2 (1f)
ここで、式(1f)中、X2は−SO2−又は−SO−で表される基を示す。
HO−Ar2−Y (1g)
あるいは、非水溶媒と化合物(1)とを混合し、70〜150℃まで昇温して化合物(1)を溶解した後に降温し、その後電解質を溶解することで、本実施形態の電解液を調製してもよい。
さらには、全ての化合物を同時に混合して本実施形態の電解液を調製することも可能である。
正極は、リチウムイオン二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。正極は、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有すると好ましい。そのような材料としては、以下に限定されないが、例えば、下記一般式(2a)及び(2b)で表される複合酸化物、トンネル構造及び層状構造の金属カルコゲン化物並びに金属酸化物等が挙げられる。
LixMO2 (2a)
LiyM2O4 (2b)
ここで、式中、Mは遷移金属から選ばれる1種以上の金属を示し、xは0〜1の数、yは0〜2の数を示す。
LivMIO2 (3a)
LiwMIIPO4 (3b)
ここで、式中、MI及びMIIはそれぞれ1種以上の遷移金属元素を示し、v及びwの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常vは0.05〜1.10、wは0.05〜1.10の数を示す。
ここで、正極合剤含有ペースト中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
正極集電体は、以下に限定されないが、例えば、アルミニウム箔又はステンレス箔などの金属箔等により構成される。
負極は、リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料及び金属リチウムからなる群より選ばれる1種以上の材料を含有すると好ましい。そのような材料としては金属リチウムの他に、以下に限定されないが、例えば、アモルファスカーボン(ハードカーボン)、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、カーボンブラック等に代表される炭素材料が挙げられる。これらのうち、コークスとしては、以下に限定されないが、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等が挙げられる。また、有機高分子化合物の焼成体は、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものである。
ここで、負極合剤含有ペースト中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
負極集電体は、以下に限定されないが、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔又はステンレス箔などの金属箔等により構成される。
本実施形態のリチウムイオン二次電池において、正負極の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。セパレータは、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述の本実施形態の電解液、正極、負極及び任意にセパレータを用いて、公知の方法により作製される。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体に成形したり、それらを折り曲げや複数層の積層などによって、交互に積層した複数の正極と負極との間にセパレータが介在する積層体に成形したりする。次いで、電池ケース(外装)内にその積層体を収容して、本実施形態に係る電解液をケース内部に注液し、上記積層体を電解液に浸漬して封印することによって、本実施形態のリチウムイオン二次電池を作製することができる。あるいは、ゲル化させた電解液を含む電解質膜を予め作製しておき、正極、負極、電解質膜及び任意にセパレータを、上述のように折り曲げや積層によって積層体を形成した後、電池ケース内に収容してリチウムイオン二次電池を作製することもできる。本実施形態のリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形、ラミネート形などが好適に採用される。
電解液をガラスサンプル瓶内で調製し、25℃で2時間放置した後にサンプル瓶を上下逆にして、その際の流動性を目視で確認することでゲル化能を評価した。評価基準は下記のとおりである。
A:流動しない。
B:流動する。
「(i)電解液のゲル化能の評価」で調製した電解液を25℃の条件下で3日間静置し、ゲル性状を保持しているか否かを目視で確認した。評価基準は下記のとおりである。
A:調製直後と同程度のゲル性状を保持している。
B:一部液体が染み出したゲルになっている。
C:ゲル性状を喪失し均一な液体になっている。あるいは、液体と固体とが分離している。
電解液をガラスサンプル瓶内で調製し、東亜ディーケーケー(株)製の電気伝導度計「CM−30R」(商品名)に接続した東亜ディーケーケー(株)製の電気伝導度測定用セル「CT−57101B」(商品名)を電解液の収容されたサンプル瓶に挿入し、75℃まで加熱した。その後、電気伝導度測定用セルを挿入したままサンプル瓶を30℃まで降温し、30℃での電解液の電気伝導度を測定した。
特定の放電電流における放電容量を測定してリチウムイオン二次電池の放電特性を評価した。測定用のリチウムイオン二次電池として、1C=6mAとなる小型電池を作製して用いた。測定にはアスカ電子(株)製充放電装置ACD−01(商品名)及び二葉科学社製恒温槽PLM−63S(商品名)を用いた。2mAの定電流で充電した後、4.3Vの定電圧で、合計3時間充電を行うことで電池のコンディショニングを行った。続いて、6mAの定電流で充電し、4.3Vに到達した後、4.3Vの定電圧で、合計1時間充電を行った。その後、定電流で3.0Vまで放電したときの放電容量を測定した。なお、放電電流を6mAと18mAとにして放電容量を測定した。このときの電池周囲温度は25℃に設定した。
測定用のリチウムイオン二次電池として、1C=45.0mAとなる単層ラミネート型電池(電極サイズ3cm×5cm)を作製した。この電池に0.2mmφの孔を表裏それぞれ5箇所ずつ形成し、20Gの遠心力を印加し、印加前後のセルの質量から保液率を求めた。
(1a)正極の作製
正極活物質として数平均粒子径5μmのリチウムコバルト酸(LiCoO2)と、導電助剤として数平均粒子径3μmのグラファイト炭素粉末と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを85:10:5の質量比で混合した。得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドンを固形分60質量%となるように投入して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いて正極を得た。
負極活物質として数平均粒子径5μmのメソカーボンマイクロビーズと、バインダーとしてジエン系ゴム(ガラス転移温度:−5℃、乾燥時の数平均粒子径:120nm、分散媒:水、固形分濃度40質量%)とを、カルボキシメチルセルロースで粘度調整しつつ、負極活物質の固形分濃度が60質量%になるように混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いて負極を得た。
上述のようにして作製した正極と負極とをポリエチレンからなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、SUS製の円盤型電池ケースに挿入した。次いで、その電池ケース内に110℃に加熱した電解液(a)を0.5mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉してリチウムイオン二次電池(小型電池)を作製した。このリチウムイオン二次電池を110℃で1時間保持した後、25℃まで降温して小型電池を得た。
(2a)正極の作製
正極活物質としてリチウムコバルト酸(LiCoO2)と、導電助剤としてアセチレンブラック(数平均粒子径:42μm、以下同様。)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、89.5:4.5:6.0の質量比で混合した。得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドンを更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μm、幅200mmのアルミニウム箔に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延し、更に150℃で10時間真空乾燥を行い、3cm×5cmの矩形状に打ち抜いて正極を得た。なお、得られた電極における真空乾燥後の合材について、片面あたりの目付量が24.8g/cm2±3%、片面での厚さが82.6μm±3%、密度が3.0g/cm3±3%、塗工幅がアルミニウム箔の幅200mmに対して150mmになるように溶剤量を調整しながら、上記スラリー状の溶液を調製した。
負極活物質としてグラファイト炭素粉末(商品名「MCMB25−28」、大阪ガスケミカル(株)製)と、導電助剤としてアセチレンブラックと、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、93.0:2.0:5.0の質量比で混合した。得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドンを更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ14μm、幅200mmのアルミニウム箔に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延し、更に150℃で10時間真空乾燥を行い、3cm×5cmに打ち抜いて負極を得た。なお、得られた電極における真空乾燥後の合材について、片面あたりの目付量が11.8g/cm2±3%、片面での厚さが84.6μm±3%、密度が1.4g/cm3±3%、塗工幅がアルミニウム箔の幅200mmに対して150mmになるように溶剤量を調整しながら、上記スラリー状の溶液を調製した。
下記のようにして、1C=45.0mAの単層ラミネート型電池を作製した。まず、アルミニウム層と樹脂層とを積層したラミネートフィルム(絞り加工なし、矩形、厚さ120μm、68mm×48mm)2枚を、アルミニウム層側を外側にして(すなわち樹脂層が互いに向き合うようにして)重ねて、三辺をシールしてラミネートセル外装(電池ケース)を作製した。続いて、セパレータとしてポリプロピレン製微多孔膜(膜厚25μm、透気度200秒)を用意し、上述のようにして作製した正極と負極とをセパレータを介して交互に複数重ね合わせた積層体を、ラミネートセル外装内の所定位置に配置して電池構造体(Y)を得た。次いで、電池構造体のセル外装内に電解液を注入した。次に、セル外装の残りの一辺を開封可能にシールした後に常圧のオーブンを用いて90℃で2時間加熱した。その後、電池構造体を25℃まで冷却し、セル外装の不要部を切断除去した後、セル外装の上記一辺を再びシールして、単層ラミネート型のリチウムイオン二次電池を得た。
(1)電解液の調製
エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを質量比で1:2になるように混合し、その混合液に、LiPF6を1モル/Lになるよう添加してゲル化されていない電解液(A)を作製した。その電解液(A)に対して、ゲル化剤であるパーフルオロ基含有化合物として下記式(4)で表される化合物を電解液の全体量に対して3質量%となるように添加し、95℃に加熱して均一に混合した後、25℃に降温して電解液(a)を得た。なお、電解液(a)は十分にゲル化したゲル電解質であった。
ゲル化剤の種類及びゲル化剤の添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、電解液(b)〜(e)を得た。なお、実施例2及び4では下記式(5)で表される化合物、実施例3及び5では下記式(6)で表される化合物をゲル化剤として用いた。
ゲル化剤を添加しない他は実施例1と同様にして、電解液(f)を得た。
ゲル化剤種類及びゲル化剤の添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、電解液(g)を得た。
まず、下記のスキームにて、下記式(A)で表される化合物(以下、「化合物(A)」と表記する。)を得た。
IR(KBr):ν=3431 (O-H), 1591,1496 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 2.28-2.38 (2H, m), 2.99 (2H, tt, J = 8.2, 2.7 Hz), 5.00 (1H, s), 6.82 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
IR(KBr):ν=1591,1496 (C=C), 1235-1140 (C-F), 640-520 (C-Br) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.49-1.58 (6H, m), 1.80 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 1.90 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 2.28-2.38 (2H, m), 3.30 (2H, tt, J = 7.9, 3.1 Hz), 3.42 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.95 (2H, t, J = 6.7 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
IR(KBr):ν =2250 (C≡N), 1593,1491 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.56 (4H, quin, J = 2.75 Hz), 1.85 (4H, quin, J = 4.12 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 2.97-3.03 (2H,m), 3.97 (2H, t J =6.41 Hz), 4.02 (2H, t J = 6.41 Hz), 6.87 (2H, d J = 6.71 Hz), 6.99 (2H, d J = 6.71 Hz), 7.36 (2H, d J = 9.16 Hz),7.52 (2H, d J = 9.16 Hz), 7.63 (2H, d J = 8.55 HZ), 7.69 (2H, d J = 8.55 Hz) ppm
まず、下記のスキームにて、下記式(C)で表される化合物(以下、「化合物(C)」と表記する。)を得た。
IR(KBr):ν = 1591,1496 (C=C), 1235-1140 (C-F), 640-520 (C-Br) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.52-1.58 (8H, m), 1.85 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 1.91 (2H, quin, J = 6.4 Hz), 2.53-2.63 (2H, m), 3.29 (2H, tt, J = 8.5, 4.0 Hz), 3.43 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.06 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.85 (2H, d, J = 8.5 Hz) ppm
IR(KBr):ν =2235 (C≡N), 1588,1498 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.56 (4H, quin, J = 3.51 Hz), 1.87 (4H, quin, J = 5.03 Hz), 2.28-2.38 (2H,m), 2.97-3.03 (2H,m), 4.03 (2H, t J =6.41 Hz), 4.07 (2H, t J = 6.41 Hz), 6.99 (2H, d J = 8.55 Hz), 7.05 (2H, d J = 9.16 Hz), 7.53 (2H, d J = 8.55 Hz),7.64 (2H, d J = 8.55 Hz), 7.69 (2H, d J = 8.55 HZ), 7.84 (2H, d J = 9.16 Hz) ppm
下記のスキームにて、化合物(6)を得た。
IR(KBr):ν = 2220 (C≡N), 1591,1496 (C=C), 1235-1140 (C-F) cm-1
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ = 1.29-1.36 (10H, m), 1.42-1.50 (2H, m), 1.74-1.83 (8H, m), 2.27-2.38 (2H,m), 2.92-2.99 (2H,m), 3.94 (2H, t J =6.41 Hz), 4.00 (2H, t J = 6.71 Hz), 6.86 (2H, d J = 9.16 Hz), 6.98 (2H, d J = 9.16 Hz), 7.36 (2H, d J = 6.71 Hz),7.51 (2H, d J = 8.55 Hz), 7.62 (2H, d J = 8.54 Hz), 7.67 (2H, d J = 6.71 Hz) ppm
Claims (12)
- 非水溶媒と、電解質と、下記一般式(1)で表される化合物と、を含有する、電解液。
R−X−Ar1−O−R1−O−Ar2−Y (1)
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の核原子数5〜20の2価の芳香族基を示し、R1は置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数1〜20の鎖中に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい2価の炭化水素基を示し、Rはパーフルオロアルキル基を有する置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数2〜20の1価の炭化水素基を示し、Xは−S−、−O−、−SO−又は−SO2−で表される基を示し、Yはシアノ基、ニトロ基、飽和若しくは不飽和の炭素数2〜20の1価のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。) - 前記Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基又はピリジレン基である、請求項1に記載の電解液。
- 前記Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基である、請求項1に記載の電解液。
- 前記Xは、−S−又は−SO2−で表される基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解液。
- 前記Ar1及びAr2のいずれか一方がフェニレン基、他方がビフェニレン基であって、Xが−S−又は−SO2−で表される基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解液。
- 前記Rは、パーフルオロアルキル基とアルキレン基とからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解液。
- 前記Rは、炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基と炭素数2〜6のアルキレン基とからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電解液。
- 前記Yは、シアノ基、ニトロ基、炭素数2〜10のアルコキシ基又はフッ素原子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電解液。
- 前記電解液は、ゲル化した電解質である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電解液。
- 正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電解液と、を備える、リチウムイオン二次電池。
- 前記正極活物質が、リチウム含有化合物を含む、請求項10に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質が、金属リチウム、炭素材料、リチウムと合金形成が可能な元素を含む材料、及び、リチウム含有化合物からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有する、請求項10又は11に記載のリチウムイオン二次電池。
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