JP2021009755A - 非水系電解液、及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系電解液、及び非水系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】出力特性、高温特性、及びサイクル性能に優れた非水系電解液、及び非水系二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の非水系電解液は、アセトニトリルを20体積%〜95体積%含有する非水系溶媒と;リチウム塩と;下記1〜5:1.複素環化合物であり、2.複素環化合物はラクタム環を有しており、3.複素環化合物のラクタム環内に窒素原子を2つ以上含有し、4.複素環化合物のラクタム環内にsp2炭素を2つ以上含有し、5.複素環内の窒素原子に水素原子が結合していないことを満たす構造を有する1種類以上の化合物と;を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水系電解液、及び非水系二次電池に関する。
リチウムイオン電池(LIB)をはじめとする非水系二次電池は、軽量、高エネルギー、及び長寿命であることが大きな特徴であり、各種携帯用電子機器電源として広範囲に用いられている。近年では、非水系電解液は、電動工具等のパワーツールに代表される産業用、及び電気自動車、電動式自転車における車載用としても広がりを見せており、更には住宅用蓄電システム等の電力貯蔵分野においても注目されている。
常温作動型のリチウムイオン二次電池の電解液としては、非水系電解液を使用することが実用の見地より望ましい。例えば環状炭酸エステル等の高誘電性溶媒と、低級鎖状炭酸エステル等の低粘性溶媒と、の組み合わせが、一般的な溶媒として例示される。しかしながら、通常の高誘電率溶媒は、融点が高いことの他、非水系電解液に用いる電解質塩の種類によっては非水系電解液の負荷特性(出力特性)、及び低温特性を劣化させる要因にもなり得る。
このような問題を克服する溶媒の1つとして、粘度と比誘電率とのバランスに優れたニトリル系溶媒が提案されている。中でもアセトニトリルは、リチウムイオン二次電池の電解液に用いる溶媒として高いポテンシャルを有する。しかしながら、アセトニトリルは負極で電気化学的に還元分解するという欠点があるため、実用性能を発揮することができていなかった。この問題に対して、幾つかの改善策が提案されている。
これまでに提案されている改善策のうち主なものは、以下の3つに分類される。
(1)特定の電解質塩、添加剤等との組み合わせによって負極を保護し、アセトニトリルの還元分解を抑制する方法
例えば、特許文献1、及び2には、溶媒であるアセトニトリルを特定の電解質塩、及び添加剤と組み合わせることによって、アセトニトリルの還元分解の影響を低減した電解液が報告されている。なお、リチウムイオン二次電池の黎明期には、特許文献3のように、アセトニトリルをプロピレンカーボネート、及びエチレンカーボネートで希釈しただけの溶媒を含む電解液も報告されている。しかしながら、特許文献3では、高温耐久性能について高温保存後の内部抵抗、及び電池厚みのみの評価により判定しているため、高温環境下に置かれた場合に実際に電池として作動するか否かという情報は開示されていない。単純にエチレンカーボネート、及びプロピレンカーボネートで希釈するだけの措置によってアセトニトリルをベースとする溶媒を含む電解液の還元分解を抑制することは、実際には至難の業である。溶媒の還元分解の抑制方法としては、特許文献1、m及び2のように、複数の電解質塩、及び添加剤を組み合わせる方法が現実的である。
(2)アセトニトリルの還元電位よりも貴な電位でリチウムイオンを吸蔵する負極活物質を用いることによって、アセトニトリルの還元分解を抑制する方法
例えば、特許文献4には、負極に特定の金属化合物を用いることにより、アセトニトリルの還元分解を回避した電池を得ることができると報告されている。ただし、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を重視する用途においては、アセトニトリルの還元電位よりも卑な電位でリチウムイオンを吸蔵する負極活物質を用いる方が電位差の観点から圧倒的に有利となる。そのため、そのような用途において特許文献4の改善策を適用すると、使用可能な電圧の範囲が狭くなるため、不利である。
(3)高濃度の電解質塩をアセトニトリルに溶解させて安定な液体状態を維持する方法
例えば、特許文献5には、濃度が4.2mol/Lとなるようにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SO2CF32)をアセトニトリルに溶解させた電解液を用いると、黒鉛電極への可逆的なリチウム挿入脱離が可能であることが記載されている。また、特許文献6には、濃度が4.5mol/Lとなるようにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiN(SO2F)2)をアセトニトリルに溶解させた電解液を用いたセルに対して充放電測定を行った結果、黒鉛へのLi+挿入脱離反応が観察され、更に、ハイレートで放電可能であることが報告されている。
一方、上記とは異なる方法で負荷特性やサイクル特性を向上させる改善策も報告されている。例えば、特許文献7〜10では、添加剤として特定の窒素含有環状化合物を含有する場合に、良好な電池性能を発揮することが可能であると報告されている。
また、特許文献11では、特定の縮合多環複素環化合物を正極材料に含有させることにより、容量、サイクル特性に優れ、安全性や生産性に優れた電池に使用できる正極材料を提供することが可能であると報告されている。
国際公開第2012/057311号 国際公開第2013/062056号 特開平4−351860号公報 特開2009−21134号公報 国際公開第2013/146714号 特開2014−241198号公報 国際公開第2016/159117号 国際公開第2018/169029号 国際公開第2013/183673号 国際公開第2016/068022号 特開2001−307737号公報
しかしながら、特許文献1〜6の技術では、アセトニトリルを含有する電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、カーボネート溶媒を含有する電解液を用いた既存のリチウムイオン二次電池と比較して高温耐久性能に劣っており、市販品レベルに達していない。
また、特許文献7〜9では特定の窒素含有環状化合物を添加して負荷特性・サイクル特性を向上させているものの、市販品と比較して高温下での自己放電が大きく、残存容量の低下が避けられないことから、未だ本格的な実用化には至っていない。
特許文献10の技術では、キャパシタ用の電解液としては優れているものの、リチウムイオン電池用の電解液としては、負極におけるアセトニトリルの電気化学的な分解反応を抑制する本質的な技術が明示されておらず、実用性能を発揮できないことが想定される。
特許文献11の技術では、添加剤を含有していない正極材料と比較して、正極活物質の割合は減ることになる。そのため、容量を犠牲にするか、塗工重量を増やすなど正極の設計に変更する必要が生じる。また、添加剤が電解液に溶出し、正極構造の部分的な崩壊を招く可能性があり、使用できる添加剤は電解液に溶出し難い化合物群に限定される。更に、正極材料中に添加剤を加える方法としては、物理混合や表面処理による被膜形成などの方法があるが、熱処理などによる被覆は添加剤が変性してしまう恐れがあり、添加方法が限定されることになる。実際に、特許文献11においては物理混合を採用しており、その他の添加方法に対する技術は記載されていない。以上のように、正極添加剤としての応用には様々な制約がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、出力特性、高温特性、及びサイクル性能に優れた非水系電解液、及び非水系二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意研究を重ねた。これまでにリチウムイオン電池内の電気化学反応の進行に伴って正極表面上で生成する高活性な酸素原子が、電池性能の悪化に関与していることが報告されている。そこで本発明者らは、抗酸化作用を有する神経保護剤として使用されている医薬品の構造に着目した。すなわち、特定の構造を有する含窒素複素環化合物が、アラキドン酸代謝系の活性化などに伴って脳虚血部位において発生する活性酸素種と反応することにより、脳神経の損傷を抑制する作用を有することに着目し、こうした医薬品と類似の構造を有する化合物であれば、電池内部の活性酸素種と反応し、電解質の安定化に寄与するのではないかと考えた。そこで種々の検討を行った結果、電解液が特定の含窒素複素環化合物を含有する場合に、優れた出力特性、高温特性、及びサイクル性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
アセトニトリルを20体積%〜95体積%含有する非水系溶媒と;
リチウム塩と;
下記1〜5:
1.複素環化合物であり、
2.前記複素環化合物はラクタム環を有しており、
3.前記複素環化合物の前記ラクタム環内に窒素原子を2つ以上含有し、
4.前記複素環化合物の前記ラクタム環内にsp2炭素を2つ以上含有し、
5.前記複素環内の前記窒素原子に水素原子が結合していないこと
を満たす構造を有する1種類以上の化合物と;
を含有する非水系電解液。
[2]
前記ラクタム環がγ-ラクタム環である、[1]に記載の非水系電解液。
[3]
前記複素環化合物が、下記式(1)、及び(2):
Figure 2021009755
{式中、R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、アリル基、プロパルギル基、フェニル基、ベンジル基、ピリジル基、アミノ基、ピロリジルメチル基、トリメチルシリル基、ニトリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基、イソシアノメチル基、メチルスルホニル基、2−(トリメチルシリル)−エトキシカルボニロキシ基、ビス(N,N‘−アルキル)アミノメチル基、ビス(N,N‘−アルキル)アミノエチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のフッ素置換アルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子、糖残基又は複素環残基を表す。ただし、R〜Rは水素原子であってよい。}
で表されるピラゾロン誘導体、及びこれらの異性体から成る群より選択される少なくとも1つである、[1]又は[2]に記載の非水系電解液。
[4]
前記Rはアリール基又はヘテロアリール基である、[3]に記載の非水系電解液。
[5]
前記複素環化合物の含有量が、非水系電解液100質量部に対して0.01以上10質量部以下である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の非水系電解液。
[6]
環状酸無水物を含有する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の非水系電解液。
[7]
前記環状酸無水物が、マロン酸無水物、無水コハク酸、グルタル酸無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、及びナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物から成る群より選択される少なくとも1種を含む、[6]に記載の非水系電解液。
[8]
前記環状酸無水物の含有量が、非水系電解液100質量部に対して0.01〜10質量部である、[6]又は[7]に記載の非水系電解液。
[9]
集電体の片面又は両面に、Ni、Mn、及びCoから選択される少なくとも1種の遷移金属元素又はFe原子を含有する正極活物質層を備える正極と、
集電体の片面又は両面に、黒鉛を含有する負極活物質層を備える負極と、
[1]〜[8]のいずれか1項に記載の非水系電解液とを具備する非水系二次電池。
[10]
前記正極活物質が、下記式(3):
LipNiqCorMnstu・・・・・(3)
{式中、MはAl、Sn、In、Fe、V、Cu、Mg、Ti、Zn、Mo、Zr、Sr、Baから成る群より選択される少なくとも1種の金属であり、且つ、0<p<1.3、0<q<1.2、0<r<1.2、0≦s<0.5、0≦t<0.3、0.7≦q+r+s+t≦1.2、1.8<u<2.2の範囲であり、そしてpは、電池の充放電状態により決まる値である。}
で表される1種以上のLi含有金属酸化物を含有する、[9]に記載の非水系二次電池。
[11]
前記式(3)で表されるLi含有金属酸化物のNi含有比qが、0.5<q<1.2である、[10]に記載の非水系二次電池。
[12]
前記正極活物質の表面が、Zr、Ti、Al、及びNbから成る群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する化合物で被覆された、[9]〜[11]のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
[13]
前記正極活物質の表面が、Zr、Ti、Al、及びNbから成る群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する酸化物で被覆された、[9]〜[12]のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
[14]
前記正極活物質の表面が、ZrO、TiO、Al、NbO、及びLiNbOから成る群より選択される少なくとも1種の酸化物で被覆された、[9]〜[13]のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
本発明によれば、電解液が特定の含窒素複素環化合物を含有する場合に、電池内の電気化学反応に伴い正極表面に発生する各種活性酸素による電解質劣化を抑制し、出力特性、高温特性、及びサイクル性能に優れた非水系電解液、及び非水系二次電池を提供することができる。
本実施形態の非水系二次電池の一例を概略的に示す平面図である。 図1の非水系二次電池のA−A線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本明細書において「〜」を用いて記載される数値範囲は、その前後に記載される数値を含む。
本実施形態の非水系電解液(以下、単に「電解液」ともいう。)は、
アセトニトリルを20体積%〜95体積%含有する非水系溶媒と;
リチウム塩と;
下記1〜5:
1.複素環化合物であり、
2.複素環化合物はラクタム環を有しており、
3.複素環化合物のラクタム環内に窒素原子を2つ以上含有し、
4.複素環化合物のラクタム環内にsp2炭素を2つ以上含有し、
5.複素環内の窒素原子に水素原子が結合していないこと
を満たす構造を有する1種類以上の化合物と;
を含有する。
上記1〜5を満たす構造を有する化合物(複素環化合物)の含有量は、非水系電解液を構成する全ての成分の合計質量に対する質量百分率にて算出される。上記1〜5を満たす構造を有する化合物の含有量は、非水系電解液100質量部に対し、0.01質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、0.05質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上0.5質量部以下であることが更に好ましい。この範囲にあることによって、非水系二次電池の内部抵抗を低い状態に保ちながら、非水系電解液を酸化劣化させる正極活物質の活性点を効果的に抑制することができると考えられる。
<1.非水系二次電池の全体構成>
本実施形態の電解液は、例えば、非水系二次電池に用いることができる。本実施形態の非水系二次電池としては、例えば、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵、及び放出することが可能な正極材料を含有する正極と、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵、及び放出することが可能な負極材料、並びに金属リチウムから成る群より選択される1種以上の負極材料を含有する負極と、を備えるリチウムイオン二次電池が挙げられる。
より具体的には、集電体の片面又は両面に、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、及びコバルト(Co)から選択される少なくとも1種の遷移金属元素又は鉄(Fe)原子を含有する正極活物質層を備える正極、集電体の片面又は両面に黒鉛を含有する負極活物質層を備える負極、並びに、非水系電解液を具備する非水系二次電池が挙げられる。
本実施形態の非水系二次電池としては、具体的には、図1、及び2に図示される非水系二次電池であってもよい。ここで、図1は非水系二次電池を概略的に表す平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
図1、図2に示す非水系二次電池100は、パウチ型セルで構成される。非水系二次電池100は、2枚のアルミニウムラミネートフィルムで構成した電池外装110の空間120内に、正極150と負極160とをセパレータ170を介して積層して構成した積層電極体と、非水系電解液(図示せず)とを収容している。電池外装110は、その外周部において、上下のアルミニウムラミネートフィルムを熱融着することにより封止されている。正極150、セパレータ170、及び負極160を順に積層した積層体には、非水系電解液が含浸されている。なお、図2では、図面が煩雑になることを避けるために、電池外装110を構成している各層、並びに正極150及び負極160の各層を区別して示していない。
電池外装110を構成しているアルミニウムラミネートフィルムは、アルミニウム箔の両面をポリオレフィン系の樹脂でコートしたものであることが好ましい。
正極150は、電池100内で正極リード体130と接続している。図示していないが、負極160も、電池100内で負極リード体140と接続している。そして、正極リード体130、及び負極リード体140は、それぞれ、外部の機器等と接続可能なように、片端側が電池外装110の外側に引き出されており、それらのアイオノマー部分が、電池外装110の1辺と共に熱融着されている。
図1、2に図示される非水系二次電池100は、正極150、及び負極160が、それぞれ1枚ずつの積層電極体を有しているが、容量設計により正極150、及び負極160の積層枚数を適宜増やすことができる。正極150、及び負極160をそれぞれ複数枚有する積層電極体の場合には、同一極のタブ同士を溶接等により接合したうえで1つのリード体に溶接等により接合して電池外部に取り出してもよい。上記同一極のタブとしては、集電体の露出部から構成される態様、集電体の露出部に金属片を溶接して構成される態様等が可能である。
正極150は、正極合剤から作製した正極活物質層と、正極集電体とから構成される。負極160は、負極合剤から作製した負極活物質層と、負極集電体とから構成される。正極150、及び負極160は、セパレータ170を介して正極活物質層と負極活物質層とが対向するように配置される。
以下、正極、及び負極の総称として「電極」、正極活物質層、及び負極活物質層の総称として「電極活物質層」、正極合剤、及び負極合剤の総称として「電極合剤」とも略記する。
これらの各部材としては、本実施形態における各要件を満たしていれば、従来のリチウムイオン二次電池に備えられる材料を用いることができ、例えば後述の材料であってもよい。 以下、非水系二次電池の各部材について詳細に説明する。
<2.電解液>
本実施形態における電解液は、非水系溶媒(以下、単に「溶媒」ともいう。)と、リチウム塩と、上記1〜5を満たす構造を有する含窒素複素環化合物の少なくとも1つと、を少なくとも含む。リチウム塩の中でも、フッ素含有無機リチウム塩は、イオン伝導度に優れるものの、熱安定性が十分でないうえ、溶媒中の微量水分により加水分解し易く、フッ化リチウム、及びフッ化水素を発生し易い性質を有する。フッ素含有無機リチウム塩が分解すると、該フッ素含有無機リチウム塩を含有する電解液のイオン伝導度が低下すると共に、生成したフッ化リチウム、及びフッ化水素が、電極、集電体等の材料を腐食し又は溶媒を分解する等の、電池に致命的な悪影響を及ぼす場合がある。
本実施形態における電解液は、水分を含まないことが好ましいが、本発明の課題解決を阻害しない範囲であれば、ごく微量の水分を含有してもよい。そのような水分の含有量は、電解液の全量に対して、好ましくは0〜100ppmである。
なお、電解液の各化合物の含有量は、特に断りが無い限り、<2−1.非水系溶媒>に記載の各成分、及び<2−3.電極保護用添加剤>に記載の電極保護用添加剤については非水系溶媒を構成する各成分の合計量に対する体積%で混合比を規定し、<2−2.リチウム塩>に記載のリチウム塩については、電解液全体の体積に対するモル濃度で混合比を規定し、<2−4.酸無水物>、<2−5.含窒素複素環化合物>、及び<2−6.その他の任意的添加剤>については電解液全体の質量に対する質量%で混合比を規定する。
また、本実施の形態において、2−1から2−6の各項目で具体的に示した化合物以外の化合物を電解液に含む場合は、該化合物が常温(25℃)で液体の場合は非水系溶媒に準じて取り扱い、非水系溶媒を構成する各成分(該化合物を含む)の合計量に対する体積%で混合比を表す。一方、該化合物が常温(25℃)で固体の場合は電解液全体の質量に対する質量%で混合比を表す。
<2−1.非水系溶媒>
ここで、非水系溶媒について説明する。本実施形態でいう「非水系溶媒」とは、電解液中からリチウム塩、及び各種添加剤を除いた要素をいう。電解液に電極保護用添加剤が含まれている場合、「非水系溶媒」とは、電解液中からリチウム塩、及び電極保護用添加剤以外の添加剤を除いた要素をいう。
非水系溶媒としては、所定の体積%のアセトニトリルを含んでいれば特に制限はなく、その他の非水系溶媒を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。アセトニトリルはイオン伝導性が高く、電池内におけるリチウムイオンの拡散性を高めることができる。そのため、電解液が所定の体積%のアセトニトリルを含有することで、特に正極活物質層を厚くして正極活物質の充填量を高めた正極においても、高負荷での放電時にはリチウムイオンが到達し難い集電体近傍の領域にまで、リチウムイオンが良好に拡散できるようになる。よって、高負荷放電時にも十分な容量を引き出すことが可能となり、負荷特性に優れた非水系二次電池とすることができる。また、非水系電解液の非水系溶媒に、所定の体積%でアセトニトリルを用いることにより、上記の通り、非水系電解液のイオン伝導性が向上することから、非水系二次電池の急速充電特性を高めることもできる。非水系二次電池の定電流(CC)−定電圧(CV)充電では、CV充電期間における単位時間当たりの充電容量よりも、CC充電期間における単位時間当たりの容量の方が大きい。非水系電解液の非水系溶媒に、所定の体積%でアセトニトリルを使用することで、CC充電できる領域を大きく(CC充電の時間を長く)でき、また、充電電流を高め得るため、非水系二次電池の充電開始から満充電状態にするまでの時間を大幅に短縮できる。
非水系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;非プロトン性溶媒等を含有していてもよい。中でも、非プロトン性溶媒が好ましい。本発明の効果が損なわれない範囲であれば、非水系溶媒は非プロトン性溶媒以外の溶媒を含有していてもよい。
非プロトン性溶媒の具体例としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、及びビニルエチレンカーボネートに代表される環状カーボネート;4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、シス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、及び4,4,5−トリフルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンに代表されるフルオロエチレンカーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、及びε−カプロラクトンに代表されるラクトン;エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、ペンテンサルファイト、スルホラン、3-スルホレン、3−メチルスルホラン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1−プロペン1,3−スルトン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、及びエチレングリコールサルファイトに代表される硫黄化合物;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、及び1,3−ジオキサンに代表される環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、及びメチルトリフルオロエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート;トリフルオロジメチルカーボネート、トリフルオロジエチルカーボネート、及びトリフルオロエチルメチルカーボネートに代表される鎖状フッ素化カーボネート;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、及びアクリロニトリルに代表されるモノニトリル;メトキシアセトニトリル、及び3−メトキシプロピオニトリルに代表されるアルコキシ基置換ニトリル;マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、1,4−ジシアノヘプタン、1,5−ジシアノペンタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,7−ジシアノヘプタン、2,6−ジシアノヘプタン、1,8−ジシアノオクタン、2,7−ジシアノオクタン、1,9−ジシアノノナン、2,8−ジシアノノナン、1,10−ジシアノデカン、1,6−ジシアノデカン、及び2,4−ジメチルグルタロニトリルに代表されるジニトリル;ベンゾニトリルに代表される環状ニトリル;プロピオン酸メチルに代表される鎖状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、及びテトラグライムに代表される鎖状エーテル;Rf20−ORf21(Rf20はフッ素原子を含有するアルキル基、Rf21はフッ素原子を含有してもよい有機基)に代表されるフッ素化エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンに代表されるケトン類等の他、これらのフッ素化物に代表されるハロゲン化物が挙げられる。
アセトニトリルは電気化学的に還元分解され易い。そのため、これを、別の溶媒と混合すること、及び/又は、電極への保護皮膜形成のための電極保護用添加剤を添加することが好ましい。また、非水系二次電池の充放電に寄与するリチウム塩の電離度を高めるために、非水系溶媒は、環状の非プロトン性極性溶媒を1種以上含むことが好ましく、環状カーボネートを1種以上含むことがより好ましい。
アセトニトリルの含有量については、非水系溶媒の全体量に対して、20〜95体積%である。アセトニトリルの含有量は、非水系溶媒の全体量に対して、25体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましく、40体積%以上であることが更に好ましい。また、この値は、90体積%以下であることが好ましく、85体積%以下であることがより好ましく、66体積%以下であることが更に好ましい。アセトニトリルの含有量が非水系溶媒の全体量に対して20体積%以上である場合、イオン伝導度が増大して高出力特性を発現でき、更に、リチウム塩の溶解を促進することができる。後述の含窒素複素環化合物が電池の内部抵抗の増加を抑制するため、非水系溶媒中のアセトニトリルの含有量が上述の範囲内にある場合、アセトニトリルの優れた性能を維持しながら、サイクル特性及びその他の電池特性を一層良好なものとすることができる。
<2−2.リチウム塩>
本実施形態の非水系電解液は、リチウム塩について上記で限定していない限り、特に限定するものではない。例えば、本実施形態では、リチウム塩として、LiPF又はイミド塩を含む。
イミド塩とは、LiN(SO2m+1〔mは0〜8の整数〕で表されるリチウム塩であり、具体的には、LiN(SOF)、及びLiN(SOCFのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。これらイミド塩の一方のみ含んでも両方含んでもよい。これらのイミド塩以外のイミド塩を含んでいてもよい。
非水系溶媒に含まれるアセトニトリルについて、アセトニトリルに対するイミド塩の飽和濃度がLiPFの飽和濃度よりも高いことから、LiPF≦イミド塩となるモル濃度でイミド塩を含むことが、低温でのリチウム塩とアセトニトリルの会合、及び析出を抑制できるため好ましい。また、イミド塩の含有量が、非水系溶媒1Lに対して0.5mol以上3mol以下であることがイオン供給量の観点から好ましい。LiN(SOF)、及びLiN(SO2CFのうち少なくとも1種を含むアセトニトリル含有非水系電解液によれば、−10℃又は−30℃のような低温域でのイオン伝導率の低減を効果的に抑制でき、優れた低温特性を得ることができる。このように、含有量を限定することで、より効果的に、高温加熱時の抵抗増加を抑制することも可能となる。
また、リチウム塩は、LiPF以外のフッ素含有無機リチウム塩を含んでもよく、例えば、LiBF、LiAsF、LiSiF、LiSbF、Li1212−b〔bは0〜3の整数〕、等のフッ素含有無機リチウム塩を含んでもよい。「無機リチウム塩」とは、炭素原子をアニオンに含まず、アセトニトリルに可溶なリチウム塩をいう。また、「フッ素含有無機リチウム塩」とは、炭素原子をアニオンに含まず、フッ素原子をアニオンに含み、アセトニトリルに可溶なリチウム塩をいう。フッ素含有無機リチウム塩は、正極集電体である金属箔の表面に不働態被膜を形成し、正極集電体の腐食を抑制する点で優れている。これらのフッ素含有無機リチウム塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。フッ素含有無機リチウム塩として、LiFとルイス酸との複塩である化合物が望ましく、中でも、リン原子を有するフッ素含有無機リチウム塩を用いると、遊離のフッ素原子を放出し易くなることからより好ましい。代表的なフッ素含有無機リチウム塩は、溶解してPF6アニオンを放出するLiPFである。フッ素含有無機リチウム塩として、ホウ素原子を有するフッ素含有無機リチウム塩を用いた場合には、電池劣化を招くおそれのある過剰な遊離酸成分を捕捉し易くなることから好ましく、このような観点からはLiBFが特に好ましい。
本実施形態の非水系電解液におけるフッ素含有無機リチウム塩の含有量については、特に制限はないが、非水系溶媒1Lに対して0.01mol以上であることが好ましく、0.1mol以上であることがより好ましく、0.25mol以上であることが更に好ましい。フッ素含有無機リチウム塩の含有量が上述の範囲内にある場合、イオン伝導度が増大
し高出力特性を発現できる傾向にある。また、非水系溶媒1Lに対して2.8mol未満であることが好ましく、1.5mol未満であることがより好ましく、1mol未満であることが更に好ましい。フッ素含有無機リチウム塩の含有量が上述の範囲内にある場合、イオン伝導度が増大し高出力特性を発現できると共に、低温での粘度上昇に伴うイオン伝導度の低下を抑制できる傾向にあり、非水系電解液の優れた性能を維持しながら、高温サイクル特性、及びその他の電池特性を一層良好なものとすることができる傾向にある。
本実施形態の非水系電解液は、更に、有機リチウム塩を含んでいてもよい。「有機リチウム塩」とは、炭素原子をアニオンに含み、アセトニトリルに可溶なリチウム塩をいう。
有機リチウム塩としては、シュウ酸基を有する有機リチウム塩を挙げることができる。シュウ酸基を有する有機リチウム塩の具体例としては、例えば、LiB(C、LiBF(C)、LiPF(C)、及びLiPF(Cのそれぞれで表される有機リチウム塩等が挙げられ、中でもLiB(C、及びLiBF(C)で表されるリチウム塩から選択される少なくとも1種のリチウム塩が好ましい。また、これらのうちの1種又は2種以上を、フッ素含有無機リチウム塩と共に使用することがより好ましい。このシュウ酸基を有する有機リチウム塩は、非水系電解液に添加する他、負極(負極活物質層)に含有させてもよい。
シュウ酸基を有する有機リチウム塩の非水系電解液への添加量は、その使用による効果をより良好に確保する観点から、非水系電解液の非水系溶媒1L当たりの量として、0.005mol以上であることが好ましく、0.02mol以上であることがより好ましく、0.05mol以上であることが更に好ましい。ただし、シュウ酸基を有する有機リチウム塩の非水系電解液中の量が多すぎると析出する恐れがある。よって、シュウ酸基を有する有機リチウム塩の非水系電解液への添加量は、非水系電解液の非水系溶媒1L当たりの量で、1.0mol未満であることが好ましく、0.5mol未満であることがより好ましく、0.2mol未満であることが更に好ましい。
シュウ酸基を有する有機リチウム塩は、極性の低い有機溶媒、特に鎖状カーボネートに対して難溶性であることが知られている。シュウ酸基を有する有機リチウム塩は、微量のシュウ酸リチウムを含有している場合があり、更に、非水系電解液として混合するときにも、他の原料に含まれる微量の水分と反応して、シュウ酸リチウムの白色沈殿を新たに発生させる場合がある。したがって、本実施形態の非水系電解液におけるシュウ酸リチウムの含有量は、特に限定するものでないが、0〜500ppmであることが好ましい。
本実施形態におけるリチウム塩として、上記以外に、一般に非水系二次電池用に用いられているリチウム塩を補助的に添加してもよい。その他のリチウム塩の具体例としては、例えば、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiB10Cl10、クロロボランLi等のフッ素原子をアニオンに含まない無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiC(CFSO、LiC(2n+1)SO(n≧2)、低級脂肪族カルボン酸Li、四フェニルホウ酸Li、LiB(C等の有機リチウム塩;LiPF(CF)等のLiPF(C2p+16−n〔nは1〜5の整数、pは1〜8の整数〕で表される有機リチウム塩;LiBF(CF)等のLiBF(C2s+14−q〔qは1〜3の整数、sは1〜8の整数〕で表される有機リチウム塩;多価アニオンと結合されたリチウム塩;下記式(15a)、(15b)、及び(15c);
LiC(SO22)(SO23)(SO24) (15a)
LiN(SOOR25)(SO2OR26) (15b)
LiN(SO27)(SO2OR28) (15c)
{式中、R22、R23、R24、R25、R26、R27、及びR28は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を示す。}
のそれぞれで表される有機リチウム塩等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を、フッ素含有無機リチウム塩と共に使用することができる。
<2−3.電極保護用添加剤>
本実施形態における電解液には、電極を保護する添加剤が含まれていてもよい。電極保護用添加剤としては、本発明による課題解決を阻害しないものであれば特に制限はない。リチウム塩を溶解する溶媒としての役割を担う物質(すなわち上述の非水系溶媒)に実質的に含まれてもよい。電極保護用添加剤は、本実施形態における電解液、及び非水系二次電池の性能向上に寄与する物質であることが好ましいが、電気化学的な反応には直接関与しない物質をも包含する。
電極保護用添加剤の具体例としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、シス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、及び4,4,5−トリフルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンに代表されるフルオロエチレンカーボネート;ビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、及びビニルエチレンカーボネートに代表される不飽和結合含有環状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、及びε−カプロラクトンに代表されるラクトン;1,4−ジオキサンに代表される環状エーテル;エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、ペンテンサルファイト、スルホラン、3-スルホレン、3−メチルスルホラン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1−プロペン1,3−スルトン、及びテトラメチレンスルホキシドに代表される環状硫黄化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態における電解液中の電極保護用添加剤の含有量については、特に制限はないが、非水系溶媒の全量に対する電極保護用添加剤の含有量として、0.1〜30体積%であることが好ましく、0.3〜15体積%であることがより好ましく、0.5〜4体積%であることが更に好ましい。
本実施形態においては、電極保護用添加剤の含有量が多いほど電解液の劣化が抑えられる。しかし、電極保護用添加剤の含有量が少ないほど非水系二次電池の低温環境下における高出力特性が向上することになる。従って、電極保護用添加剤の含有量を上述の範囲内に調整することによって、非水系二次電池としての基本的な機能を損なうことなく、電解液の高イオン伝導度に基づく優れた性能を最大限に発揮することができる傾向にある。このような組成で電解液を調製することにより、非水系二次電池のサイクル性能、低温環境下における高出力性能、及びその他の電池特性の全てを一層良好なものとすることができる傾向にある。
なお、非水系溶媒の一成分であるアセトニトリルは電気化学的に還元分解され易いため、該アセトニトリルを含む非水系溶媒は、負極への保護被膜形成のための電極保護用添加剤として環状の非プロトン性極性溶媒を1種以上含むことが好ましく、不飽和結合含有環状カーボネートを1種以上含むことがより好ましい。
不飽和結合含有環状カーボネートとしてはビニレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネートは、非水系電解液中、0.1体積%以上4体積%以下、好ましくは、0.2体積%以上3体積%未満、更に好ましくは、0.5体積%以上2.5体積%未満含むことが好ましい。これにより、低温耐久性をより効果的に向上させることができ、低温性能に優れた二次電池を提供することが可能になる。
電極保護用添加剤としてのビニレンカーボネートは負極表面でのアセトニトリルの還元分解反応を抑制するため、必須である場合が多く、不足すると電池性能が急激に低下する可能性がある。一方で、過剰な被膜形成は低温性能の低下を招く。そこで、ビニレンカーボネートの添加量を上記の範囲内に調整することで、界面(被膜)抵抗を低く抑えることができ、低温時のサイクル劣化を抑制することができる。
<2−4.酸無水物>
本実施形態における非水系電解液を用いた非水系二次電池は、初回充電のときに非水系電解液の一部が分解し、負極表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)を形成することにより安定化する。このSEIをより効果的に強化するには、酸無水物を添加することが有効である。特に、非水系溶媒としてアセトニトリルを含む本実施形態では、温度上昇に伴いSEIの強度が低下する傾向にあるが、酸無水物の添加によってSEIの強化が促進される。これにより、効果的に熱履歴による経時的な内部抵抗の増加を抑制することができる。
酸無水物の具体例としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸に代表される鎖状酸無水物;マロン酸無水物、無水コハク酸、グルタル酸無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物又はナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物に代表される環状酸無水物;異なる2種類のカルボン酸又はカルボン酸とスルホン酸等、違う種類の酸が脱水縮合した構造の混合酸無水物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態における非水系電解液を用いた非水系二次電池は、非水系溶媒の還元分解前にSEIを強化する必要があることから、酸無水物としては初回充電のときに早期に作用する環状酸無水物を少なくとも1種含むことが好ましい。これら環状酸無水物は、1種のみ含んでも複数種含んでもよい。また、これらの環状酸無水物以外の酸無水物を含んでいてもよい。また、環状酸無水物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、及び無水フタル酸のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
無水コハク酸、無水マレイン酸、及び無水フタル酸のうち少なくとも1種を含む非水系電解液によれば、負極に強固なSEIを形成でき、より効果的に、高温加熱時の抵抗増加を抑制する。特に、少なくとも、無水コハク酸を含むことが好ましい。これにより、副反応を抑制しつつ、より効果的に、負極に強固なSEIを形成できる。
環状酸無水物等の酸無水物の含有量は、非水系電解液を構成する全ての成分の合計質量に対する質量百分率にて算出される。酸無水物の含有量は、非水系電解液の全量に対し、0.01質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。すなわち、酸無水物の含有量は、非水系電解液100質量部に対し、0.01質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、0.05質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上0.5質量部以下であることが更に好ましい。
このとき、酸無水物はもともと電解液中での含有量が少ないうえ、負極表面のSEIに取り込まれる等して、初回充電後は、成分検出が困難な場合がある。このため、酸無水物を用いた非水系二次電池においては、初回充電が施された状態において、下記に記載したような特性を有していれば、本実施形態の非水系電解液の構成成分を有するものと推測することが可能である。
酸無水物は、非水系電解液が含有することが好ましい。ただ、酸無水物が、非水系二次電池の中で作用することが可能であればよいので、後述する正極、負極、及びセパレータから成る群より選択される少なくとも1種の電池部材が、酸無水物を含有していてもよい。含有させる方法について特に制限はなく、例えば、電池部材作製時に含有させてもよいし、電池部材への塗布、浸漬又は噴霧乾燥等に代表される後処理によって含浸させてもよい。
<2−5.含窒素複素環化合物>
本実施形態における電解液は、上記1〜5を満たす構造を有する化合物(複素環化合物)を1種類以上含有する。好ましくは複素環化合物のラクタム環はγ−ラクタム環であり、より好ましくは下記一般式(1)、(2):
Figure 2021009755
{式中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリル基、プロパルギル基、フェニル基、ベンジル基、ピリジル基、アミノ基、ピロリジルメチル基、トリメチルシリル基、ニトリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基、イソシアノメチル基、メチルスルホニル基、2−(トリメチルシリル)−エトキシカルボニロキシ基、ビス(N,N‘−アルキル)アミノメチル基、ビス(N,N‘−アルキル)アミノエチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のフッ素置換アルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子、糖残基、又は複素環残基を表す。}
で表されるピラゾロン誘導体、及びこれらの異性体から成る群より選択される少なくとも1つを有する。
本実施形態における含窒素複素環化合物の具体例を以下に例示する。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
Figure 2021009755
Figure 2021009755
上記式(1)の中でも、Rはアリール基又はヘテロアリール基である場合が好ましく、R、及びRが水素原子である場合がより好ましく、更にRがメチル基である場合が更に好ましい。また、上記(2)の中でも、Rはアリール基又はヘテロアリール基である場合が好ましく、Rがメチル基である場合がより好ましく、更にRがメチル基である場合が更に好ましく、Rが水素原子又は炭素数3のアルキル基(中でもイソプロピル基)である場合が特に好ましい。
本実施形態における電解液中の含窒素複素環化合物の含有量については、特に制限はないが、電解液の全量を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましく、0.1〜0.5質量%であることが更に好ましい。本実施形態において、含窒素複素環化合物は、遷移金属とアセトニトリルとから成る錯体カチオンの生成を抑制する。従って該含窒素複素環化合物を含有する非水系二次電池は、優れた負荷特性を発揮すると共に、充放電サイクルを繰り返したときの内部抵抗の増加が抑制されたものとなる。しかしながら、本実施形態における含窒素複素環化合物は、非水系溶媒に対する溶解性が必ずしも高いわけではない。従って、該含窒素複素環化合物の含有量を上述の範囲内に調整することによって、非水系二次電池としての基本的な機能を損なうことなく、電極表面における錯体カチオンの生成反応が抑制できることとなり、充放電に伴う内部抵抗の増加を低減できるのである。このような組成で電解液を調製することにより、得られる非水系二次電池において、サイクル性能、低温環境下における高出力性能、及びその他の電池特性のすべてを、より一層良好なものとすることができる傾向にある。
本実施形態における電解液中の含窒素複素環化合物が、電解液の劣化を抑える作用機序については詳細は不明だが、例えば脳神経保護薬として使用されているエダラボン(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)については、溶液中で一部存在するエダラボンアニオンが、電子を供与して種々の活性酸素種を消去し、更に系中の酸素と反応する過程を経て、4,5−ジオン体が生成するメカニズム等が報告されている。生体内と電池内では環境が異なるものの、正極表面では電気化学反応に伴い活性酸素種が発生していることから、極性溶媒中で酸化的な環境にあるという点では共通する。従って、例えば、式(1)、(2)で表される含窒素複素環化合物により本発明の効果が得られる場合、その共通点に基づいて、本発明の効果が得られることが推察される。
<2−6.その他の任意的添加剤>
本実施形態においては、非水系二次電池の充放電サイクル特性の改善、高温貯蔵性、安全性の向上(例えば過充電防止等)等の目的で、非水系電解液に、例えば、スルホン酸エステル、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、tert−ブチルベンゼン、リン酸エステル〔エチルジエチルホスホノアセテート(EDPA):(CO)(P=O)−CH(C=O)OC、リン酸トリス(トリフルオロエチル)(TFEP):(CFCHO)P=O、リン酸トリフェニル(TPP):(CO)P=O:(CH=CHCHO)P=O、リン酸トリアリル等〕、非共有電子対周辺に立体障害のない窒素含有環状化合物〔ピリジン、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−メチルピラゾール等〕等、及びこれらの化合物の誘導体等から選択される任意的添加剤を、適宜含有させることもできる。特にリン酸エステルは、貯蔵時の副反応を抑制する作用があり、効果的である。
本実施形態におけるその他の任意的添加剤の含有量は、非水系電解液を構成する全ての成分の合計質量に対する質量百分率にて算出される。その他の任意的添加剤の含有量について、特に制限はないが、非水系電解液の全量に対し、0.01質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましく、0.02質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.05〜3質量%であることが更に好ましい。その他の任意的添加剤の含有量を上述の範囲内に調整することによって、非水系二次電池としての基本的な機能を損なうことなく、より一層良好な電池特性を付加することができる傾向にある。
<3.正極>
正極150は、正極合剤から作製した正極活物質層と、正極集電体とから構成される。正極150は、非水系二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。
正極活物質層は、正極活物質を含有し、必要に応じて導電助剤、及びバインダーを更に含有することが好ましい。
正極活物質層は、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵、及び放出することが可能な材料を含有することが好ましい。このような材料を用いる場合、高電圧、及び高エネルギー密度を得ることができる傾向にあるので好ましい。
正極活物質としては、例えば、Ni、Mn、及びCoから成る群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素を含有する正極活物質が挙げられ、下記式(13)で表されるLi含有金属酸化物から選択される少なくとも1種のLi含有金属酸化物が好適である。
LiNiCoMn・・・・・(13)
{式中、Mはアルミニウム(Al)、スズ(Sn)、インジウム(In)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)から成る群から選択される少なくとも1種の金属であり、且つ、0<p<1.3、0<q<1.2、0<r<1.2、0≦s<0.5、0≦t<0.3、0.7≦q+r+s+t≦1.2、1.8<u<2.2の範囲であり、そしてpは、電池の充放電状態により決まる値である。}
正極活物質の具体例としては、例えば、LiCoOに代表されるリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMn、及びLiMnに代表されるリチウムマンガン酸化物;LiNiOに代表されるリチウムニッケル酸化物;LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.8Co0.2に代表されるLiMO(MはNi、Mn、及びCoから成る群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素を含み、且つ、Ni、Mn、Co、Al、及びMgから成る群より選択される2種以上の金属元素を示し、zは0.9超1.2未満の数を示す)で表されるリチウム含有複合金属酸化物等が挙げられる。
特に、式(13)で表されるLi含有金属酸化物のNi含有比qが、0.5<q<1.2である場合には、レアメタルであるCoの使用量削減と、高エネルギー密度化の両方が達成されるため好ましい。そのような正極活物質としては、例えば、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.75Co0.15Mn0.15、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.85Co0.075Mn0.075、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi0.81Co0.1Al0.09、LiNi0.85Co0.1Al0.05、等に代表されるリチウム含有複合金属酸化物が挙げられる。
一方、式(13)で表されるLi含有金属酸化物のNi含有比が高まるほど、低電圧で劣化が進行する傾向にある。式(13)で表されるLi含有金属酸化物の正極活物質には非水系電解液を酸化劣化させる活性点が本質的に存在するが、この活性点は負極を保護するために添加した化合物を正極側で意図せず消費してしまうことがある。中でも酸無水物はその影響を受け易い傾向にある。特に、非水系溶媒としてアセトニトリルを含有する本実施形態では、酸無水物の添加効果は絶大であるが故に、正極側で酸無水物が消費されてしまうことは致命的な課題になる場合が多い。
また、正極側に取り込まれ堆積した、これらの添加剤の分解物は非水系二次電池の内部抵抗増加要因となるだけでなく、リチウム塩の劣化も加速させる。更に、本来の目的であった負極表面の保護も不十分となってしまう。非水系電解液を本質的に酸化劣化させる活性点を失活させるにはヤーンテラー歪みの制御又は中和剤的な役割を担う成分の共存が重要である。そのため、正極活物質にはAl、Sn、In、Fe、V、Cu、Mg、Ti、Zn、Mo、Zr、Sr、Baから成る群より選択される少なくとも1種の金属を含有することが好ましい。
同様の理由により、正極活物質の表面が、Zr、Ti、Al、及びニオブ(Nb)から成る群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する化合物で被覆されていることが好ましい。また、正極活物質の表面が、Zr、Ti、Al、及びNbから成る群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する酸化物で被覆されていることがより好ましい。更に、正極活物質の表面が、ZrO、TiO、Al、NbO、及びLiNbOから成る群より選択される少なくとも1種の酸化物で被覆されていることが、リチウムイオンの透過を阻害しないため特に好ましい。
なお、正極活物質の表面とは、セパレータを介して負極対抗する側の正極活物質層の表面に限定されず、多孔質な正極活物質層内の空隙の内壁も含まれる。また、正極活物質の表面がこれらの好ましい化合物で被覆されていることは、例えばX線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)による分析で、上述した好ましい金属元素、及び/又は好ましい金属元素の酸化物に相当するピークの有無を観測することによって把握できる。XPSで得られる情報は、特性上、測定対象の表面下1nm〜5nm程度の範囲であるため、XPSによって観測される範囲を正極活物質の表面として差し支えない。
正極活物質としては、式(13)で表されるLi含有金属酸化物以外のリチウム含有化合物であってもよく、リチウムを含有するものであれば特に限定されない。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、リチウムを有する金属カルコゲン化物、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸金属化合物、及びリチウムと遷移金属元素とを含むケイ酸金属化合物が挙げられる。より高い電圧を得る観点から、リチウム含有化合物としては、特に、リチウムと、Co、Ni、Mn、Fe、Cu、Zn、Cr、V、及びTiから成る群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素と、を含むリン酸金属化合物が好ましい。
リチウム含有化合物として、より具体的には、以下の式(14a)〜(14c):
Li (14a)
LiIIPO (14b)
LiIII SiO (14c)
{式中、Dはカルコゲン元素を示し、M、MII、及びMIIIはそれぞれ少なくとも1種の遷移金属元素を含む1種以上の遷移金属元素を示す。v、w、及びtの値は、電池の充放電状態により決まり、それぞれ0.05〜1.10の数を示す。uは0〜2の数を示す。}
のそれぞれで表される化合物が挙げられる。
上述の式(14a)で表されるリチウム含有化合物は層状構造を有し、上述の式(14b)、及び(14c)で表される化合物はオリビン構造を有する。これらのリチウム含有化合物は、構造を安定化させる等の目的から、Al、Mg又はその他の遷移金属元素により遷移金属元素の一部を置換したもの、これらの金属元素を結晶粒界に含ませたもの、酸素原子の一部をフッ素原子等で置換したもの、正極活物質表面の少なくとも一部に他の正極活物質を被覆したもの等であってもよい。
本実施形態における正極活物質としては、上記のようなリチウム含有化合物のみを用いてもよいし、該リチウム含有化合物と共にその他の正極活物質を併用してもよい。
このようなその他の正極活物質としては、例えば、トンネル構造、及び層状構造を有する金属酸化物又は金属カルコゲン化物;イオウ;導電性高分子等が挙げられる。トンネル構造、及び層状構造を有する金属酸化物又は金属カルコゲン化物としては、例えば、MnO、FeO、FeS、V、V13、TiO、TiS、MoS、及びNbSeに代表されるリチウム以外の金属の酸化物、硫化物、セレン化物等が挙げられる。導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、及びポリピロールに代表される導電性高分子が挙げられる。
上述のその他の正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられ、特に制限はない。しかしながら、リチウムイオンを可逆安定的に吸蔵、及び放出することが可能であり、且つ、高エネルギー密度を達成できることから、正極活物質層がNi、Mn、及びCoから選択される少なくとも1種の遷移金属元素を含有することが好ましい。
正極活物質として、リチウム含有化合物とその他の正極活物質とを併用する場合、両者の使用割合としては、正極活物質の全部に対するリチウム含有化合物の使用割合として、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。
導電助剤としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック、及びケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック、並びに炭素繊維が挙げられる。導電助剤の含有割合は、正極活物質100質量部に対して、10質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは1〜5質量部である。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、及びフッ素ゴムが挙げられる。バインダーの含有割合は、正極活物質100質量部に対して、6質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜4質量部である。
正極活物質層は、正極活物質と、必要に応じて導電助剤、及びバインダーとを混合した正極合剤を溶剤に分散した正極合剤含有スラリーを、正極集電体に塗布、及び乾燥(溶媒除去)し、必要に応じてプレスすることにより形成される。このような溶剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が挙げられる。
正極集電体は、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔により構成される。正極集電体は、表面にカーボンコートが施されていてもよく、メッシュ状に加工されていてもよい。正極集電体の厚みは、5〜40μmであることが好ましく、7〜35μmであることがより好ましく、9〜30μmであることが更に好ましい。
<4.負極>
負極160は、負極合剤から作製した負極活物質層と、負極集電体とから構成される。負極160は、非水系二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。
負極活物質層は、負極活物質を含有し、必要に応じて導電助剤、及びバインダーを含有することが好ましい。
負極活物質としては、例えば、アモルファスカーボン(ハードカーボン)、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、及びカーボンブラックに代表される炭素材料の他、金属リチウム、金属酸化物、金属窒化物、リチウム合金、スズ合金、シリコン合金、金属環化合物、有機化合物、無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物等が挙げられる。負極活物質は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極活物質層は、電池電圧を高められるという観点から、負極活物質としてリチウムイオンを0.4V vs.Li/Liよりも卑な電位で吸蔵することが可能な材料を含有することが好ましい。
導電助剤としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック、及びケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック、並びに炭素繊維が挙げられる。導電助剤の含有割合は、負極活物質100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
バインダーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース、PVDF、PTFE、ポリアクリル酸、及びフッ素ゴムが挙げられる。また、ジエン系ゴム、例えばスチレンブタジエンゴム等も挙げられる。バインダーの含有割合は、負極活物質100質量部に対して、10質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜6質量部である。
負極活物質層は、負極活物質と必要に応じて導電助剤、及びバインダーとを混合した負極合剤を溶剤に分散した負極合剤含有スラリーを、負極集電体に塗布、及び乾燥(溶媒除去)し、必要に応じてプレスすることにより形成される。このような溶剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、N―メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が挙げられる。
負極集電体は、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔により構成される。また、負極集電体は、表面にカーボンコートが施されていてもよいし、メッシュ状に加工されていてもよい。負極集電体の厚みは、5〜40μmであることが好ましく、6〜35μmであることがより好ましく、7〜30μmであることが更に好ましい。
なお、前述の酸無水物は、負極表面のSEIをより効果的に強化するために添加される。したがって、集電体の片面又は両面に正極活物質層を備える正極、集電体の片面又は両面に負極活物質層を備える負極、セパレータ、及び非水系電解液を具備する非水系二次電池においては、正極と負極に酸無水物の分解物が含まれ、且つ、正極に含まれる酸無水物の分解物量が負極に含まれる酸無水物の分解物量より少ないことが好ましい。特に、非水系溶媒としてアセトニトリルを含む本実施形態では、効果的に熱履歴による経時的な内部抵抗の増加を抑制することができることから、正極に含まれる正極活物質の単位質量当たりの酸無水物の分解物量が負極に含まれる負極活物質の単位質量当たりの酸無水物の分解物量より少ないことがより好ましく、正極に含まれる単位面積当たりの酸無水物の分解物量が負極に含まれる単位面積当たりの酸無水物の分解物量より少ないことが更に好ましい。酸無水物の分解物量は、例えば、LC/MS測定のピーク面積値にて算出される。
酸無水物の分解物は、下記一般式(15)〜(20):
Figure 2021009755
{式中、R〜Rは、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、OH基又はOLi基を示し、そしてaは1〜3の整数である。}
Figure 2021009755
{式中、R10〜R11は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、OH基又はOLi基を示す。}
Figure 2021009755
{式中、R12〜R13は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、OH基又はOLi基を示す。}
Figure 2021009755
{式中、R14〜R15は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、OH基又はOLi基を示す。}
Figure 2021009755
{式中、R16〜R17は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、OH基又はOLi基を示す。}
Figure 2021009755
{式中、R18〜R21は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、OH基又はOLi基を示す。}
で表される化合物から成る群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
これらの化合物は負極表面のSEI強化に大きく貢献する。特に、非水系溶媒としてアセトニトリルを含有する本実施形態では絶大な効果を発揮する。そのため、正極側で酸無水物が不必要に消費されないようにすることも、極めて重要である。
<5.セパレータ>
本実施形態における非水系二次電池100は、正極150、及び負極160の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極150と負極160との間にセパレータ170を備えることが好ましい。セパレータ170としては、限定されるものではないが、公知の非水系二次電池に備えられるものと同様のものを用いてもよく、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。セパレータ170としては、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられ、これらの中でも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。
合成樹脂製微多孔膜としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜又はこれらのポリオレフィンの双方を含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が好適に用いられる。不織布としては、例えば、ガラス製、セラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製等の耐熱樹脂製の多孔膜が挙げられる。
セパレータ170は、1種の微多孔膜を単層又は複数積層した構成であってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。セパレータ170は、2種以上の樹脂材料を溶融混錬した混合樹脂材料を用いて単層又は複数層に積層した構成であってもよい。
機能付与を目的として、セパレータの表層又は内部に無機粒子を存在させてもよく、その他の有機層を更に塗工又は積層してもよい。また、架橋構造を含むものであってもよい。非水系二次電池の安全性能を高めるため、これらの手法は必要に応じ組み合わせてもよい。
<6.電池外装>
本実施形態における非水系二次電池100の電池外装110の構成は特に限定されないが、例えば、電池缶、及びラミネートフィルム外装体のいずれかの電池外装を用いることができる。電池缶としては、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム又はクラッド材等から成る角型、角筒型、円筒型、楕円型、扁平型、コイン型又はボタン型等の金属缶を用いることができる。ラミネートフィルム外装体としては、例えば、熱溶融樹脂/金属フィルム/樹脂の3層構成から成るラミネートフィルムを用いることができる。
ラミネートフィルム外装体は、熱溶融樹脂側を内側に向けた状態で2枚重ねて又は熱溶融樹脂側を内側に向けた状態となるように折り曲げて、端部をヒートシールにより封止した状態で外装体として用いることができる。ラミネートフィルム外装体を用いる場合、正極集電体に正極リード体130(又は正極端子、及び正極端子と接続するリードタブ)を接続し、負極集電体に負極リード体140(又は負極端子、及び負極端子と接続するリードタブ)を接続してもよい。この場合、正極リード体130、及び負極リード体140(又は正極端子、及び負極端子のそれぞれに接続されたリードタブ)の端部が外装体の外部に引き出された状態でラミネートフィルム外装体を封止してもよい。
<7.電池の作製方法>
本実施形態における非水系二次電池100は、上述の非水系電解液、集電体の片面又は両面に正極活物質層を備える正極150、集電体の片面又は両面に負極活物質層を備える負極160、及び電池外装110、並びに必要に応じてセパレータ170を用いて、公知の方法により作製される。
先ず、正極150、及び負極160、並びに必要に応じてセパレータ170から成る積層体を形成する。例えば、長尺の正極150と負極160とを、正極150と負極160との間に該長尺のセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体を形成する態様;正極150、及び負極160を一定の面積と形状とを有する複数枚のシートに切断して得た正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して交互に積層した積層構造の積層体を形成する態様;長尺のセパレータをつづら折りにして、該つづら折りになったセパレータ同士の間に交互に正極体シートと負極体シートとを挿入した積層構造の積層体を形成する態様;等が可能である。
次いで、電池外装110(電池ケース)内に上述の積層体を収容して、本実施形態に係る電解液を電池ケース内部に注液し、積層体を電解液に浸漬して封印することによって、本実施形態における非水系二次電池を作製することができる。
また、電解液を高分子材料から成る基材に含浸させることによって、ゲル状態の電解質膜を予め作製しておき、シート状の正極150、負極160、及び電解質膜、並びに必要に応じてセパレータ170を用いて積層構造の積層体を形成した後、電池外装110内に収容して非水系二次電池100を作製することもできる。
なお、電極の配置が、負極活物質層の外周端と正極活物質層の外周端とが重なる部分が存在するように、又は負極活物質層の非対向部分に幅が小さすぎる箇所が存在するように設計されている場合、電池組み立て時に電極の位置ずれが生じることにより、非水系二次電池における充放電サイクル特性が低下するおそれがある。よって、該非水系二次電池に使用する電極体は、電極の位置を予めポリイミドテープ、ポリフェニレンスルフィドテープ、PPテープ等のテープ類、接着剤等により、固定しておくことが好ましい。
本実施形態において、所定の体積%でアセトニトリルを使用した非水系電解液を用いるため、その高いイオン伝導性に起因して、非水系二次電池の初回充電時に正極から放出されたリチウムイオンが負極の全体に拡散してしまう可能性がある。非水系二次電池では、正極活物質層よりも負極活物質層の面積を大きくすることが一般的である。しかしながら、負極活物質層のうち正極活物質層と対向していない箇所にまでリチウムイオンが拡散して吸蔵されてしまうと、このリチウムイオンが初回放電時に放出されずに負極に留まることとなる。そのため、該放出されないリチウムイオンの寄与分が不可逆容量となってしまう。こうした理由から、所定の体積%でアセトニトリルを含有する非水系電解液を用いた非水系二次電池では、初回充放電効率が低くなってしまう場合がある。
一方、負極活物質層よりも正極活物質層の面積が大きいか、又は両者が同じである場合には、充電時に負極活物質層のエッジ部分で電流の集中が起こり易く、リチウムデンドライトが生成し易くなる。
正極活物質層と負極活物質層とが対向する部分の面積に対する、負極活物質層全体の面積の比について特に制限はないが、上記の理由により、1.0より大きく1.1未満であることが好ましく、1.002より大きく1.09未満であることがより好ましく、1.005より大きく1.08未満であることが更に好ましく、1.01より大きく1.08未満であることが特に好ましい。アセトニトリルを含む非水系電解液を用いた非水系二次電池では、正極活物質層と負極活物質層とが対向する部分の面積に対する、負極活物質層全体の面積の比を小さくすることにより、初回充放電効率を改善できる。
正極活物質層と負極活物質層とが対向する部分の面積に対する、負極活物質層全体の面積の比を小さくするということは、負極活物質層のうち、正極活物質層と対向していない部分の面積の割合を制限することを意味している。これにより、初回充電時に正極から放出されたリチウムイオンのうち、正極活物質層とは対向していない負極活物質層の部分に吸蔵されるリチウムイオンの量(すなわち、初回放電時に負極から放出されずに不可逆容量となるリチウムイオンの量)を可及的に低減することが可能となる。よって、正極活物質層と負極活物質層とが対向する部分の面積に対する、負極活物質層全体の面積の比を上記の範囲に設計することによって、アセトニトリルを使用することによる電池の負荷特性向上を図りつつ、電池の初回充放電効率を高め、更にリチウムデンドライトの生成も抑えることができるのである。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(1)非水系電解液の調製
不活性雰囲気下、各種非水系溶媒、各種酸無水物、及び各種添加剤を、それぞれが所定の濃度になるよう混合し、更に、各種リチウム塩をそれぞれ所定の濃度になるよう添加することにより、非水系電解液(S1)〜(S17)を調製した。これらの非水系電解液組成を表1に示す。
表1における非水系溶媒、リチウム塩、及び添加剤の略称は、それぞれ以下の意味である。また、表1における添加剤の質量%は、非水系電解液の全量に対する質量%(非水系電解液100質量部に対する質量部)を示している。
(非水系溶媒)
AN:アセトニトリル
DEC:ジエチルカーボネート
EC:エチレンカーボネート
VC:ビニレンカーボネート
(リチウム塩)
LiPF:ヘキサフルオロリン酸リチウム
LiFSI:リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiN(SOF)
LiTFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF
(添加剤:酸無水物)
SAH:無水コハク酸
(添加剤:その他)
BT−LX:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
TT−LX:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール
MBTA:1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール
Figure 2021009755
(2)着色試験
上述のようにして得られた各種電解液(実施例1〜3、及び比較例1〜14)について、電解液を調製してから1週間後の電解液の着色の有無を目視観察する試験を行った。得られた評価結果を表2に示す。なお表2中、○は淡黄色又は茶褐色の着色が観察された非水系電解液、×は着色が観察されなかった非水系電解液を表している。
Figure 2021009755
着色試験は、電解液を構成する化合物の分解反応又は他成分との混触反応による着色成分の生成を示唆しており、電解液の化学的劣化の目安となる。例えばVCは劣化により茶褐色に着色することが分かっている。劣化により生成した副生物は充放電の際に抵抗増加の原因となるため、着色が見られないことが望ましい。表2の結果から、比較例7〜10、12では、電解液が淡黄色又は茶褐色に着色したのに対し、上記1〜5を満たす構造を有する含窒素複素環化合物を有する実施例1〜3においては、電解液の着色は見られなかった。実施例1〜3と、比較例7〜10、12との対比から、上記1〜5を満たす構造を有する含窒素複素環化合物は着色成分が生成するような電解液劣化を起こし難いことが示唆された。次いで充放電試験を実施した。なお、本試験において着色が見られた比較例7〜10、12の充放電試験は断念した。
(3)コイン型非水系二次電池の作製
(3−1)正極(P1)の作製
(A)正極活物質として、数平均粒子径11μmのリチウム、ニッケル、マンガン及びコバルトの複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3、密度4.70g/cm)と、(B)導電助剤として、数平均粒子径6.5μmのグラファイト炭素粉末(密度2.26g/cm)及び数平均粒子径48nmのアセチレンブラック粉末(密度1.95g/cm)と、(c)バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF;密度1.75g/cm)と、を92:4:4の質量比で混合し、正極合剤を得た。
得られた正極合剤に溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分68質量%となるように投入して更に混合して、正極合剤含有スラリーを調製した。正極集電体となる厚さ15μm、幅280mmのアルミニウム箔の片面に、この正極合剤含有スラリーの目付量を調節しながら、塗工幅240〜250mm、塗工長125mm、無塗工長20mmの塗布パターンになるよう3本ロール式転写コーターを用いて塗布し、熱風乾燥炉で溶剤を乾燥除去した。得られた電極ロールは、両サイドをトリミングカットし、130℃8時間の減圧乾燥を実施した。その後、ロールプレスで正極活物質層の密度が2.9g/cmになるよう圧延して、正極活物質層と正極集電体から成る正極(P1)を得た。目付量は23.9mg/cm、正極集電体を除く正極活物質の質量は22.0mg/cmであった。
(3−2)負極(N1)の作製
(a)負極活物質として、数平均粒子径12.7μmの人造黒鉛粉末(密度2.23g/cm)と、(b)数平均粒子径48nmのアセチレンブラック粉末(密度1.95g/cm)と、(c)バインダーとして、カルボキシメチルセルロース(密度1.60g/cm)溶液(固形分濃度1.83質量%)及びジエン系ゴム(ガラス転移温度:−5℃、乾燥時の数平均粒子径:120nm、密度1.00g/cm、分散媒:水、固形分濃度40質量%)とを95.7:0.5:3.8の固形分質量比で混合し、負極合剤を得た。得られた負極合剤に溶剤として水を固形分45質量%となるように投入して更に混合して、負極合剤含有スラリーを調製した。負極集電体となる厚さ8μm、幅280mmの銅箔の片面に、この負極合剤含有スラリーの目付量を調節しながら、塗工幅240〜250mm、塗工長125mm、無塗工長20mmの塗布パターンになるよう3本ロール式転写コーターを用いて塗布し、熱風乾燥炉で溶剤を乾燥除去した。得られた電極ロールは、両サイドをトリミングカットし、130℃8時間の減圧乾燥を実施した。その後、ロールプレスで負極活物質層の密度が1.5g/cmになるよう圧延して、負極活物質層と負極集電体から成る負極(N1)を得た。目付量は11.5mg/cm、負極集電体を除く負極活物質の質量は11.0mg/cmであった。
(3−3)コイン型非水系二次電池の組み立て
CR2032タイプの電池ケース(SUS304/Alクラッド)にポリプロピレン製ガスケットをセットし、その中央に上述のようにして得られた正極(P1)を直径15.958mmの円盤状に打ち抜いたものを、正極活物質層を上向きにしてセットした。その上からガラス繊維濾紙(アドバンテック社製、GA−100)を直径16.156mmの円盤状に打ち抜いたものをセットして、非水系電解液を150μL注入した後、上述のようにして得られた負極を直径16.156mmの円盤状に打ち抜いたものを、負極活物質層を下向きにしてセットした。更にスペーサーとスプリングをセットした後に電池キャップをはめ込み、カシメ機でかしめた。あふれた電解液はウエスできれいにふきとった。25℃で12時間保持し、積層体に非水系電解液を十分馴染ませてコイン型非水系二次電池を得た。
(4)コイン型非水系二次電池の評価
上述のようにして得られたコイン型非水系二次電池(実施例4〜6、及び比較例15〜23)について、まず、下記(4−1)の手順に従って初回充電処理、及び初回充放電容量測定を行った。次に(4−2)、及び(4−3)の手順に従ってそれぞれのコイン型非水系二次電池を評価した。なお、充放電はアスカ電子(株)製の充放電装置ACD−M01A(商品名)、及びヤマト科学(株)製のプログラム恒温槽IN804(商品名)を用いて行った。
ここで、1Cとは満充電状態の電池を定電流で放電して1時間で放電終了となることが期待される電流値を意味する。4.2Vの満充電状態から定電流で3.0Vまで放電して1時間で放電終了となることが期待される電流値を意味する。
(4−1)コイン型非水系二次電池の初回充放電処理
コイン型非水系二次電池の周囲温度を25℃に設定し、0.1Cに相当する0.6mAの定電流で充電して4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で1.5時間充電を行った。その後、0.3Cに相当する1.8mAの定電流で3.0Vまで放電した。このときの放電容量を充電容量で割ることによって、初回効率を算出した。また、このときの放電容量を初期容量とした。
(4−2)コイン型非水系二次電池の85℃満充電保存試験
上記(4−1)に記載の方法で初回充放電処理を行ったコイン型非水系二次電池について、周囲温度を25℃に設定し、1Cに相当する6mAの定電流で充電して4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で1.5時間充電を行った。次に、このコイン型非水系二次電池を85℃の恒温槽に4時間保存した。その後、周囲温度を25℃に戻し、0.3Cに相当する1.8mAの電流値で3.0Vまで放電した。このときの残存放電容量をAとした。85℃満充電保存試験の測定値として、以下の式に基づき、残存容量維持率を算出した。
0.3C残存容量維持率=(85℃満充電保存後の0.3C残存放電容量A/85℃満充電保存試験前の初期容量)×100[%]
(4−3)コイン型非水系二次電池の出力試験
上記(4−2)に記載の方法で85℃満充電保存試験を行ったコイン型非水系二次電池について、周囲温度を25℃に設定し、1Cに相当する6mAの定電流で充電して4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で1.5時間充電を行った。この時の回復充電容量をBとした。その後、0.3Cに相当する1.8mAの電流値で3.0Vまで放電した。このときの回復放電容量をCとした。次に、1Cに相当する6mAの定電流で充電して電池電圧が4.2Vに到達するまで充電を行った後、4.2Vの定電圧で1.5時間充電を行った。その後、1.5Cに相当する9mAの定電流で電池電圧3.0Vまで放電した。このときの放電容量をDとした。出力試験測定値として、以下の式に基づき、充放電効率、及び回復容量維持率を算出した。
充放電効率=(85℃満充電保存試験後の0.3C回復放電容量C/85℃満充電保存試験後の1C回復充電容量B)×100[%]
0.3C回復容量維持率=(85℃満充電保存試験後の0.3C回復放電容量C/85℃満充電保存試験前の初期容量)×100[%]
1.5C回復容量維持率=(85℃満充電保存試験後の1.5C回復放電容量D/85℃満充電保存試験前の初期容量)×100[%]
ここで、各試験結果の解釈について述べる。
初期充放電初回効率は、初回充電容量に対する初回放電容量の割合を示すが、一般的に2回目以降の充放電効率より低下する傾向にある。これは、初回充電時のSEI形成時にLiイオンが利用されることで、放電できるLiイオンが少なくなるためである。これにより、不可逆容量が生じ、充電容量に対する放電容量が小さくなる。従って、初期充放電初回効率は84%以上であれば特に問題はない。
0.3C残存容量維持率からは、85℃満充電保存試験における自己放電の大きさの指標とすることができる。この値が大きいほど、高温下における自己放電が小さく、電池からより多くの電流を目的とする用途に使用可能であると考えられる。従って、実用の見地から85%以上であることが望ましく、90%以上であるのがより望ましい。
充放電効率は、一般的なリチウムイオン二次電池の充放電効率と比較して同等以上となるように、95%以上であることが望ましい。
0.3C回復容量維持率は、通電電流が小さい用途における出力指標となる。この場合、電池内部の抵抗の影響を受け難いため、容量維持率は90%以上であることが望ましく、95%以上であることがより望ましい。
1.5C回復容量維持率は、通電電流が大きい用途における出力指標となる。この場合、電池内部の抵抗の影響を受け易く、回復容量維持率は0.3Cの場合よりも低下する。従って、80%以上であることが望ましい。
以上、算出した結果について、表3に示す。
Figure 2021009755
上記1〜5を満たす構造を有する含窒素複素環化合物を含有する電解液を使用した実施例4、5では、すべての試験において合格水準を満たす結果となった。一方、種々の含窒素複素環化合物を含有する電解液を使用した比較例15〜20、23では、高温貯蔵試験後の充放電における容量劣化がより激しく、充放電効率も低い結果となった。
また、実施例4、5と比較例22の比較から、上記1〜5を満たす構造を有する含窒素複素環化合物を含まない非水系電解液を用いた場合と比較して、85℃満充電保存試験後の残存容量維持率、回復後充放電効率、及び回復容量維持率が向上することが確認された。
一方、比較例21の非水系電解液(S14)を用いたコイン型非水系二次電池は、初回充電容量がリミットを超える異常値を示し、充放電装置が緊急停止してしまった。非水系溶媒としてアセトニトリルを含有する場合には初回充電時の還元分解を抑制するため、負極表面のSEIを強化する必要があるが、EC、VC、SAHといった被膜形成・強化に重要な役割を果たすとされている成分の含有量が適切でないために、アセトニトリルの還元分解が継続的に進行し易かったと考えられる。
上述の結果から、本実施形態の非水系電解液、及びこれを使用した非水系二次電池は電解質劣化を抑制し、出力特性、高温特性、及びサイクル性能に優れた非水系電解液、及び非水系二次電池を提供することができる。
本発明の非水系電解液を用いて作製された非水系二次電池は、例えば、携帯電話機、携帯オーディオ機器、パーソナルコンピュータ、IC(Integrated Circuit)タグ等の携帯機器用の充電池;ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車等の自動車用充電池;住宅用蓄電システムとしての利用等が期待される。
100 非水系二次電池
110 電池外装
120 電池外装の空間
130 正極リード体
140 負極リード体
150 正極
160 負極
170 セパレータ

Claims (14)

  1. アセトニトリルを20体積%〜95体積%含有する非水系溶媒と;
    リチウム塩と;
    下記1〜5:
    1.複素環化合物であり、
    2.前記複素環化合物はラクタム環を有しており、
    3.前記複素環化合物の前記ラクタム環内に窒素原子を2つ以上含有し、
    4.前記複素環化合物の前記ラクタム環内にsp2炭素を2つ以上含有し、
    5.前記複素環内の前記窒素原子に水素原子が結合していないこと
    を満たす構造を有する1種類以上の化合物と;
    を含有する非水系電解液。
  2. 前記ラクタム環がγ-ラクタム環である、請求項1に記載の非水系電解液。
  3. 前記複素環化合物が、下記式(1)、及び(2):
    Figure 2021009755
    {式中、R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、アリル基、プロパルギル基、フェニル基、ベンジル基、ピリジル基、アミノ基、ピロリジルメチル基、トリメチルシリル基、ニトリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基、イソシアノメチル基、メチルスルホニル基、2−(トリメチルシリル)−エトキシカルボニロキシ基、ビス(N,N‘−アルキル)アミノメチル基、ビス(N,N‘−アルキル)アミノエチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のフッ素置換アルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子、糖残基又は複素環残基を表す。ただし、R〜Rは水素原子であってよい。}
    で表されるピラゾロン誘導体、及びこれらの異性体から成る群より選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
  4. 前記Rはアリール基又はヘテロアリール基である、請求項3に記載の非水系電解液。
  5. 前記複素環化合物の含有量が、非水系電解液100質量部に対して0.01以上10質量部以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  6. 環状酸無水物を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  7. 前記環状酸無水物が、マロン酸無水物、無水コハク酸、グルタル酸無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、及びナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物から成る群より選択される少なくとも1種を含む、請求項6に記載の非水系電解液。
  8. 前記環状酸無水物の含有量が、非水系電解液100質量部に対して0.01〜10質量部である、請求項6又は7に記載の非水系電解液。
  9. 集電体の片面又は両面に、Ni、Mn、及びCoから選択される少なくとも1種の遷移金属元素又はFe原子を含有する正極活物質層を備える正極と、
    集電体の片面又は両面に、黒鉛を含有する負極活物質層を備える負極と、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水系電解液とを具備する非水系二次電池。
  10. 前記正極活物質が、下記式(3):
    LipNiqCorMnstu・・・・・(3)
    {式中、MはAl、Sn、In、Fe、V、Cu、Mg、Ti、Zn、Mo、Zr、Sr、Baから成る群より選択される少なくとも1種の金属であり、且つ、0<p<1.3、0<q<1.2、0<r<1.2、0≦s<0.5、0≦t<0.3、0.7≦q+r+s+t≦1.2、1.8<u<2.2の範囲であり、そしてpは、電池の充放電状態により決まる値である。}
    で表される1種以上のLi含有金属酸化物を含有する、請求項9に記載の非水系二次電池。
  11. 前記式(3)で表されるLi含有金属酸化物のNi含有比qが、0.5<q<1.2である、請求項10に記載の非水系二次電池。
  12. 前記正極活物質の表面が、Zr、Ti、Al、及びNbから成る群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する化合物で被覆された、請求項9〜11のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  13. 前記正極活物質の表面が、Zr、Ti、Al、及びNbから成る群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する酸化物で被覆された、請求項9〜12のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
  14. 前記正極活物質の表面が、ZrO、TiO、Al、NbO、及びLiNbOから成る群より選択される少なくとも1種の酸化物で被覆された、請求項9〜13のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
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